説明

基地局装置、基地局制御方法

【課題】上り信号の通信品質の劣化を速やかに検出する
【解決手段】送信部20は、送信信号を周波数変換及び電力増幅して移動端末に送信する。切替部30は、スイッチSWを経路R1、R2に切り替える。ベースバンド信号処理部10は、送信部20に供給する送信信号を生成し、当該送信信号と、周波数変換部40が出力した信号と、を用いてディジタル歪補償を行う。さらにベースバンド信号処理部10は、周波数変換部40が出力した信号を基に、受信信号が妨害波の影響を受けているかを判定する。周波数変換部40は、R1とSWの接続時に、送信部20が周波数変換した信号をベースバンド信号処理部10が生成した送信信号と略同一周波数に変換する。さらに周波数変換部40は、R2とSWの接続時に、受信部70が受信した受信信号を、当該受信信号の周波数帯域の近傍にある周波数帯域に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基地局装置、基地局制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動端末への下り送信信号に対する歪補償方式としてディジタルプリディスト―ション方式を採用している移動体通信用基地局装置が多く存在している。これらの基地局装置において、上り信号(移動端末から基地局装置への信号)に干渉波や妨害波の影響により通信品質の劣化が生じるという問題がある。
【0003】
基地局装置を介した通信を行う通信端末の数は、近年、急激に増加している。そのため、高い品質を持つ通信を常時提供できる基地局装置を設置することが、強く求められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、干渉波の混入発生を簡単な構成で回避する移動無線装置についての技術が開示されている。なお、特許文献1に記載の技術は、ディジタルプリディストーション方式を採用した基地局装置を前提とするものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−55728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基地局装置において、上り信号に通信品質の劣化が生じた場合、その原因を特定することは、非常に困難である。詳細には、通信品質の劣化の原因が不法ブースター等の影響による環境問題であるか、それともANT(アンテナ)や基地局装置自体の故障であるかを特定することが困難であった。
【0007】
そのため、原因を特定するために、基地局装置自体を交換する等の処置を行い、その原因を究明する等の手法が用いられていた。しかしながら、これらの方法を用いた原因究明には、多くの時間と、多大な費用が生じるという問題が生じていた。前述したように、ディジタルプリディストーション方式を採用している基地局装置は、一般的に用いられるようになってきており、これらの基地局における通信品質の劣化を速やかに検出する技術が強く望まれている。
【0008】
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、通信品質の劣化を速やかに検出することができる基地局装置及び基地局制御方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる基地局装置の一態様は、
送信信号を周波数変換及び電力増幅して移動端末に送信する送信部と、
移動端末から受信信号を受信する受信部と、
前記送信部または前記受信部から出力された信号を周波数変換する周波数変換部と、
前記送信部と前記周波数変換部とを接続する第1接続状態と、前記受信部と前記周波数変換部とを接続する第2接続状態と、を切り換える切替部と、
前記第1接続状態の場合、前記送信部に供給する前記送信信号を生成し、当該送信信号と、前記周波数変換部が出力した信号と、を用いてディジタル歪補償処理を行い、前記第2接続状態の場合、前記周波数変換部が出力した信号からの電力検出に応じて前記受信信号が妨害波の影響を受けているかを判定するベースバンド信号処理部と、を備え、
前記周波数変換部は、前記第1接続状態の場合に、前記送信部が周波数変換した信号を前記送信信号と略同一の周波数に変換し、前記第2接続状態の場合に、前記受信信号の周波数帯域の近傍の周波数の信号を、前記ベースバンド信号処理部が検出可能な特定周波数の信号に変換する、ものである。
【0010】
本発明にかかる基地局制御方法の一態様は、
送信信号を周波数変換及び電力増幅して移動端末に送信する送信ステップと、
受信信号を受信する受信ステップと、
前記送信信号または前記受信信号を周波数変換する周波数変換ステップと、
前記送信信号を前記周波数変換ステップにて変換する第1接続状態と、前記受信信号を前記周波数変換ステップにて変換する第2接続状態と、を切り換える切替ステップと、
前記第1接続状態の場合、前記送信信号と、前記周波数変換ステップにて周波数変換した信号と、を用いてディジタル歪補償処理を行い、前記第2接続状態の場合、前記受信信号を前記周波数変換ステップにおいて変換した信号からの電力検出に応じて前記受信信号が妨害波の影響を受けているかを判定するベースバンド信号処理ステップと、を備え、
前記周波数変換ステップでは、前記第1接続状態の場合に、前記送信ステップにて周波数変換した信号を前記送信信号と略同一の周波数に変換し、前記第2接続状態の場合に、前記受信信号の周波数帯域の近傍の周波数の信号を、特定周波数の信号に変換する、ものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、通信品質の劣化を速やかに検出することができる基地局装置及び基地局制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1にかかる無線基地局装置の構成を示すブロック図である。
【図2】その他の実施の形態にかかる無線基地局装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明にかかる無線基地局装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる無線基地局装置1の構成を示すブロック図である。無線基地局装置1は、ベースバンド信号処理部10と、送信部20と、切替部30と、周波数変換部40と、デュプレクサ50と、アンテナ60と、受信部70と、を備える。無線基地局装置1は、周波数分割多重方式(FDD,Frequency-Division-Duplex)形式の基地局装置である。
【0014】
ベースバンド信号処理部10は、送信信号生成部11と、振幅/位相比較部12と、受信信号復調部13と、妨害波検出部14と、を備える。送信信号生成部11は、アンテナ60を介して移動端末に送信される送信信号(下り信号とも記載する。)を生成する処理部である。送信信号生成部11は、生成した送信信号を送信部20に供給する。
【0015】
なお、ベースバンド信号処理部10内の他の処理部(振幅/位相比較部12、受信信号復調部13、妨害波検出部14)の処理詳細は、他の処理部の説明と合わせて適宜説明する。
【0016】
送信部20は、送信信号を周波数変換するとともに、電力増幅する。送信部20は、送信信号生成部11が生成した送信信号を周波数変換及び電力増幅した信号を、デュプレクサ50に供給する処理部である。さらに、送信部20は、切替部30内のスイッチSWが経路R1と接続している場合に、周波数変換部40に対して周波数変換及び電力増幅した信号を供給する。
【0017】
切替部30は、内部にスイッチSWを有する。切替部30は、スイッチSWを経路R1と接続するか、経路R2と接続するかを制御する処理部である。切替部30は、送信信号(下り信号)のディジタル歪補償処理を実行する場合、経路R1と接続する。この場合、送信信号20から出力された信号(送信信号生成部11が生成した送信信号を周波数変換及び電力増幅した送信信号)は、経路R1を介して周波数変換部40に供給される。
【0018】
一方、上り信号(無線基地局装置1に接続する移動端末から受信した信号)に妨害波が含まれるかを検出する場合、切替部30は、スイッチSWを経路R2と接続する。この場合、上り信号(無線基地局装置1に接続する移動端末から受信した信号)は、周波数変換部40に供給される。
【0019】
周波数変換部40は、経路R1を介して供給された信号(送信信号生成部11が生成した送信信号を周波数変換及び電力増幅した送信信号)を周波数変換し、変換後の信号をベースバンド信号処理部10内の振幅/位相比較部12に入力する。ここで、周波数変換部40は、送信信号生成部11が生成した送信信号と同一周波数となるように周波数を変換する。
【0020】
振幅/位相比較部12は、周波数変換部40から入力された信号の振幅及び位相と、送信信号生成部11が生成した送信信号の振幅及び位相と、を比較する。振幅/位相比較部12は、比較により検出した差分を基にディジタル歪補償動作を行う。なお、当該ディジタル歪補償動作は、ディジタルプリディストーション方式を採用している無線基地局装置が通常実行する動作であるため、その詳細は省略する。
【0021】
ここで、上述のように、周波数変換部40から出力される信号は、送信信号生成部11が生成した送信信号と同一周波数である。そのため、振幅/位相比較部12は、両信号の振幅位相を比較することが可能となる。
【0022】
さらに、周波数変換部40は、スイッチSWが経路R2と接続している場合、移動端末からアンテナ60、及びデュプレクサ50を介して受信した信号(上り信号)の周波数を変換してベースバンド信号処理部10内の妨害波検出部14に供給する。ここで、周波数変換部40は、受信信号(上り信号)の周波数帯域の近傍の周波数の信号を妨害波検出部14で検出可能な特定周波数の範囲に周波数変換する。例えば、受信信号の周波数が中心周波数をf0と表記した場合にf0±5MHzである場合、周波数変換部40は、ある一定時間ではf0+5MHz〜f0+10MHzの周波数帯域の信号を妨害波検出部14で検出可能な特定周波数に変換し、次の一定時間ではf0−5MHz〜f0−10MHzの周波数帯域の信号を妨害波検出部14で検出可能な特定周波数に変換する。
【0023】
妨害波検出部14は、スイッチSWが経路R2と接続されている場合に、周波数変換部40から入力された信号から電力を検出できるか否かを判定する。基地局装置は一定の信号レベルの妨害波に対しては受信品質に影響を与えないよう機器設計がなされているが、過大な信号レベル(上述の例では、f0+5MHz〜f0+10MHz、f0−5MHz〜f0−10MHzの信号)の妨害波に対しては受信品質の劣化が避けられない。妨害波検出部14は、電力が検出できた場合(上述の例では、f0+5MHz〜f0+10MHz、f0−5MHz〜f0−10MHzの信号を周波数変換した後の信号の電力が検出できた場合)、受信信号が妨害波の影響を受けていることを検出する。なお、妨害波検出部14は、入力された信号が所定閾値以上の電力を持つか否かにより、妨害波の影響を受けているか否かを判定してもよい。
【0024】
ここで、妨害波検出部14には、複数の周波数帯域の信号が順次入力される(たとえば上り信号帯域がf0±5MHzである場合、ある一定時間ではf0+5MHz〜f0+10MHzの周波数帯域の信号、次の一定時間ではf0−5MHz〜f0−10MHzの周波数帯域の信号を妨害波検出部14で検出可能な特定周波数に変換した信号が入力される)。これにより、妨害波検出部14は、複数周波数帯域での受信妨害波を監視できる。
【0025】
デュプレクサ50は、送信経路と受信経路を電気的に分離するために使用される部品である。アンテナ60は、一般的な無線基地局装置が備えるものであり、各移動端末との通信に用いられる。
【0026】
受信部70は、アンテナ60を介して受信した移動端末からの受信信号(上り信号)を周波数変換し、周波数変換後の信号を受信信号復調部13に供給する。受信信号復調部13は、受信部70による周波数変換後の信号を復調する。
【0027】
以上が本実施の形態にかかる無線基地局装置1を構成する各処理部の動作である。次に、スイッチSWが経路R1と接続している場合の各処理部の動作、スイッチSWが経路R2と接続している場合の各処理部の動作、という観点から無線基地局装置1の動作を説明する。
【0028】
はじめに、スイッチSWと経路R1が接続している場合の無線基地局装置1の各処理部の動作の流れについて説明する。
【0029】
受信部70は、移動端末から受信信号(上り信号)を受信した場合に、受信信号を周波数変換し、変換した信号を受信信号復調部13に供給する。受信信号復調部13は、受信部70による周波数変換後の信号を復調する。
【0030】
送信信号生成部11は、移動端末に対する送信信号を生成し、生成した送信信号を送信部20に供給する。送信部20は、送信信号を周波数変換するとともに、電力増幅し、処理後の信号を移動端末に送信する。さらに、送信部20は、周波数変換及び電力増幅の信号を、経路R1を介して周波数変換部40に供給する。周波数変換部40は、この信号をディジタル信号の歪補償に用いる帰還信号となるように周波数を変換する。すなわち、周波数変換部40は、入力信号を送信信号生成部11が生成した送信信号と同一周波数となるように周波数を変換し、変換後の信号を振幅/位相比較部12に供給する。振幅/位相比較部12は、送信信号生成部11が生成した信号と、周波数変換部40から入力された信号を用いてディジタル歪補償処理を実行する。
【0031】
なお、スイッチSWと経路R1が接続している場合、妨害波検出部14は、動作を行わない。
【0032】
次に、スイッチSWと経路R2が接続している場合の無線基地局装置1の各処理部の動作の流れについて説明する。
【0033】
送信信号生成部11は、移動端末に送信する送信信号(下り信号)を適宜生成し、送信部20に供給する。送信部20は、供給された送信信号の周波数変換、及び電力増幅を行い、処理後の信号をアンテナ60を介して移動端末に送信する。
【0034】
受信部70は、移動端末から受信信号(上り信号)を受信した場合に、受信信号を周波数変換し、変換した信号を受信信号復調部13に供給する。これと共に、受信部70は、周波数変換した信号を、経路R2を介して周波数変換部40に供給する。受信信号復調部13は、受信部70による周波数変換後の信号を復調する。周波数変換部40は、入力された信号のうち、受信信号の周波数帯域の近傍の周波数帯域の信号が、妨害波検出部14で検出する特定周波数範囲に含まれるように、周波数を変換する。周波数変換部40は、周波数変換を行った信号を妨害波検出部14に供給する。妨害波検出部14は、周波数変換部40から入力された信号を基に、受信信号が妨害波の影響を受けているか否かを判定する。
【0035】
なお、スイッチSWと経路R2が接続している場合、振幅/位相比較部12は動作を行わない。
【0036】
上述したように、スイッチSWと経路R1が接続している場合、周波数変換部40は、入力信号を送信信号生成部11が生成した送信信号と同一周波数となるように周波数変換を行う。また、スイッチSWと経路R2が接続している場合、周波数変換部40は、入力信号入力信号のうち、受信信号の周波数帯域の近傍の周波数帯域の信号が、妨害波検出部14で検出する特定周波数範囲に含まれるように変換する。すなわち、スイッチSWの切り替えに応じて、周波数変換部40は、変換する周波数帯域を変更する。
【0037】
次に、本実施の形態にかかる基地局装置1の効果について説明する。上記したように、無線基地局装置1では、切替部30の制御により、上り信号及び下り信号を周波数変換の対象とすることができる。これにより、下り信号のディジタル歪補償用の帰還信号を生成できるだけでなく、上り信号が妨害波の影響を受けているか否かを判定することができる。図1に示す構成であれば、基地局装置自体を交換する等の手法を用いることなく、妨害波の影響を検出することができる。
【0038】
さらに、周波数変換部40は、上り信号の周波数変換、及び下り信号の周波数変換に共有される。一般に、ディジタルプリディストーション方式の無線基地局は、下り信号のディジタル歪補償を実行するために周波数変換を行う処理部(図1における周波数変換部40)を備えている。この周波数変換を行う処理部を上り信号の周波数変換に共用することにより、通常構成から切替部30の追加及び制御ソフトウェアの変更のみにより、下り信号の妨害波の影響を検出できる。これにより、低コストにて上記の効果を実現できるとともに、回路規模の増加も回避することができる。
【0039】
上記した切替部30は、任意のタイミングで、スイッチSWを経路R1と経路R2のいずれかに切り替えることができる。そのため、例えば一定時間毎に下り信号が妨害波の影響を受けているか否かを検出することができる。定期的に妨害波の影響を検出することにより、高品質の通信を常時提供することが可能となる。
【0040】
<その他の実施の形態>
図1に示す無線基地局装置1は、周波数分割多重方式(FDD,Frequency-Division-Duplex)の基地局である。しかしながら、図1に示す構成は、時分割多重方式(TDD,Time-Division-Duplex)の基地局にも応用可能である。当該構成を図2のブロック図に示す。
【0041】
図2に示す無線基地局装置1は、図1に示す構成と比べ、デュプレクサ50に代わり、サーキュレータ80と、フィルタ90と、を備える構成である。サーキュレータ80及びフィルタ90は、時分割多重方式の無線基地局装置であれば通常有する構成であり、アンテナ60を介して送受信する信号を処理する。
【0042】
ここで、図1及び図2に共通する本発明の本質的部分を図3のブロック図に示し、改めて本発明の概略を説明する。無線基地局装置1は、ベースバンド信号処理部10と、送信部20と、切替部30と、周波数変換部40と、受信部70と、を備える。
【0043】
送信部20及び受信部70は、移動端末との通信を制御する。周波数変換部40は、送信部20が送信する送信信号、または受信部70が受信した受信信号のいずれかを周波数変換して、変換後の信号をベースバンド信号処理部10に供給する。切替部30は、送信部20と周波数変換部40を接続する状態(第1接続状態)と、受信部70と周波数変換部40を接続する状態(第2接続状態)と、を切り替える。
【0044】
ベースバンド信号処理部10は、送信部20に供給する送信信号を生成する。ベースバンド信号処理部10は、送信部20と周波数変換部40が接続している場合、生成した送信信号と、周波数変換部40から供給される帰還信号と、を用いてディジタル歪補償処理を実行する。ベースバンド信号処理部10は、受信部70と周波数変換部40を接続する場合、周波数変換部40からの出力に一定値以上の電力が含まれるか否かに応じて、上り信号が妨害波の影響を受けているかを検出する。
【0045】
ここで、周波数変換部30は、送信部20と周波数変換部40が接続している場合、送信部20からの出力信号を、ベースバンド信号処理部10が生成した送信信号の周波数と略同一になるように周波数変換を行う。また、周波数変換部30は、受信部70と周波数変換部40が接続している場合、受信信号のうち、受信信号の周波数帯域の近傍の周波数帯域の信号が、妨害波検出部14で検出する特定周波数範囲に含まれるように周波数変換を行う。
【0046】
当該構成であっても、帰還信号の生成によりディジタル歪補償処理を実行することができる。さらに、受信信号を、受信信号の周波数帯域の近傍の周波数帯域を持つように周波数変換を行うため、当該変換後の信号に電力が含まれるか否かを判定することにより、上り信号が妨害波の影響を受けているか否かを把握することができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上記の構成では、上り信号の妨害波を検出することを説明したが、ここで妨害波とは通信品質に悪影響を与えるものの総称を意図しており、干渉波等を含む概念である。
【符号の説明】
【0048】
1 無線基地局装置
10 ベースバンド信号処理部
11 送信信号生成部
12 振幅/位相比較部
13 受信信号復調部
14 妨害波検出部
20 送信部
30 切替部
40 周波数変換部
50 デュプレクサ
60 アンテナ
70 受信部
80 サーキュレータ
90 フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号を周波数変換及び電力増幅して移動端末に送信する送信部と、
移動端末から受信信号を受信する受信部と、
前記送信部または前記受信部から出力された信号を周波数変換する周波数変換部と、
前記送信部と前記周波数変換部とを接続する第1接続状態と、前記受信部と前記周波数変換部とを接続する第2接続状態と、を切り換える切替部と、
前記第1接続状態の場合、前記送信部に供給する前記送信信号を生成し、当該送信信号と、前記周波数変換部が出力した信号と、を用いてディジタル歪補償処理を行い、前記第2接続状態の場合、前記周波数変換部が出力した信号からの電力検出に応じて前記受信信号が妨害波の影響を受けているかを判定するベースバンド信号処理部と、を備え、
前記周波数変換部は、前記第1接続状態の場合に、前記送信部が周波数変換した信号を前記送信信号と略同一の周波数に変換し、前記第2接続状態の場合に、前記受信信号の周波数帯域の近傍の周波数の信号を、前記ベースバンド信号処理部が検出可能な特定周波数の信号に変換する、基地局装置。
【請求項2】
前記周波数変換部は、前記第2接続状態の場合に、前記受信信号の周波数帯域の近傍に属する複数の周波数帯域の信号を変換対象とすることを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記切替部は、所定時間毎に、前記第1接続状態と、前記第2接続状態と、を切り換えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記ベースバンド信号処理部は、前記第2接続状態の場合に、前記周波数変換部が出力した信号からの電力検出量が所定値を超えていると、前記受信信号が妨害波の影響を受けていると判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記基地局装置は、周波数分割多重方式または時分割多重方式の基地局装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項6】
送信信号を周波数変換及び電力増幅して移動端末に送信する送信ステップと、
受信信号を受信する受信ステップと、
前記送信信号または前記受信信号を周波数変換する周波数変換ステップと、
前記送信信号を前記周波数変換ステップにて変換する第1接続状態と、前記受信信号を前記周波数変換ステップにて変換する第2接続状態と、を切り換える切替ステップと、
前記第1接続状態の場合、前記送信信号と、前記周波数変換ステップにて周波数変換した信号と、を用いてディジタル歪補償処理を行い、前記第2接続状態の場合、前記受信信号を前記周波数変換ステップにおいて変換した信号からの電力検出に応じて前記受信信号が妨害波の影響を受けているかを判定するベースバンド信号処理ステップと、を備え、
前記周波数変換ステップでは、前記第1接続状態の場合に、前記送信ステップにて周波数変換した信号を前記送信信号と略同一の周波数に変換し、前記第2接続状態の場合に、前記受信信号の周波数帯域の近傍の周波数の信号を、特定周波数の信号に変換する、基地局制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−70147(P2013−70147A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205892(P2011−205892)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】