説明

基板検査装置

【課題】 揺動機構に回動可能に保持された被検査基板を落射照明によって外観検査することが可能であるとともに、効果的に背面透過照明による外観検査を行うことが可能な基板検査装置を提供する。
【解決手段】 基板検査装置1は、被検査基板Wを保持し回動する揺動機構3と、被検査基板Wの正面W1とは反対側の背面W2を照射するバックライト5と、バックライト5の移動手段6とを備える。移動手段6である回転アーム17は、2本のリンクレバー19、20と、固定部材である固定板21とで構成されている。2本のリンクレバー19、20は、各々一端19a、20aにおいて、所定の間隔を設けて別々に支持部材16に回転可能に軸支されている。また、他端19b、20bにおいて、所定の間隔を設けて別々に固定板21に回転可能に軸支されている。バックライト5は固定板21に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背面透過照明によってガラス基板などの外観検査が可能な基板検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フラットパネルディスプレイ(FPD)等の製造工程において、ガラス基板などの外観検査を行うものとして、被検査基板の正面側からの落射照明によって観察するとともに、背面側から透過照明によって観察し、さらに詳細に傷などの欠陥部分を検出する方法が試みられている。例えば、被検査基板を揺動可能に支持する揺動ステージと、揺動ステージ上の基板表面を照射する反射照明手段と、揺動ステージ上の基板を裏面から透過する透過照明手段とを備えた基板検査装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、被検査基板を保持する被検査基板保持部に対し、上下方向の駆動力を作用する第1の駆動手段と、回動支持する回動支持手段と、水平方向に駆動力を作用する第2の駆動手段とを備えた装置本体の後方に、外光の反射を防止するためのNDフィルタが表面に設けられたバックライトが設けられている基板検査装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−66164号公報
【特許文献2】特開平11−94753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の基板外観検査装置においては、透過照明手段によって揺動ステージの下方から照明を行い、検査者の観察方向と透過照明の方向とが異なるため、効果的な透過照明観察を行うことができなかった。また、透過照明手段が揺動ステージに固着され、揺動ステージとともに透過照明手段も揺動する装置が提案されているが、揺動ステージを駆動させる駆動部は透過照明手段も合わせて揺動させるため、特に被検査基板の大型化に伴い、駆動部が大きくなってしまう問題があった。
また、特許文献2の基板検査装置においては、被検査基板の移動範囲の後方に位置することで、透過照明による観察時に、被検査基板とバックライトとの距離が離れてしまう。このため、特に被検査基板が大型化するのに伴い、バックライトの照明が散乱してしまい、観察に必要な明るさを得ることができない問題があった。
【0004】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、揺動機構に回動可能に保持された被検査基板を落射照明によって外観検査することが可能であるとともに、効果的に背面透過照明による外観検査を行うことが可能な基板検査装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、被検査基板を保持し、検査時は前記被検査基板を検査位置まで移動させ、非検査時には退避位置まで移動させることが可能である揺動機構と、前記被検査基板の観察する正面側とは反対の背面側に位置し、前記被検査基板を照射するバックライトとを備え、該バックライトの背面透過照明によって前記被検査基板の外観検査を行うことが可能な基板検査装置であって、前記バックライトを移動可能な移動手段を備え、該移動手段は、背面透過照明による観察時においては、前記揺動機構によって所定の角度に設定された前記被検査基板の背面側に前記バックライトを接近させるとともに、正面側からの落射照明による観察時及び前記揺動機構の回動時においては、前記揺動機構の回動範囲外に前記バックライトを移動させることを特徴としている。
【0006】
この発明に係る基板検査装置によれば、バックライトからの背面透過照明による観察時には、被検査基板を保持した揺動機構を検査位置となるように所定の角度に設定した上で、移動手段によってバックライトを被検査基板の背面側に接近させることができる。さらに正面側からの落射照明による観察時及び前記揺動機構の回動時においては、移動手段によってバックライトは揺動機構の回動範囲外に移動させることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被検査基板の背面にバックライトを配置することができるので、効果的な背面透過照明による外観検査を行うことができる。さらに、移動手段によって揺動機構の回動範囲外に移動させることができるので、正面側からの落射照明による観察時及び前記揺動機構の回動時に支障となることがない。また、バックライトの移動手段を被検査基板を回動させる揺動機構と異なる機構とすることで、これらの機構の駆動部が大型化してしまうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、この発明に係る第1の実施形態を示している。図1に基板検査装置の全体図、図2に拡大した側面図を示す。
【0009】
図1に示すように、基板検査装置1は、外郭をなす筐体2と、被検査基板Wを保持し回動する揺動機構3と、被検査基板Wの観察する正面W1を落射照明する落射照明手段4と、被検査基板Wの正面W1とは反対側の背面W2を照射するバックライト5と、バックライト5の移動手段6とを備える。筐体2の内壁面2aは、光が乱反射しないように黒色とされている。また、揺動機構3は、回動中心に設けられた回動軸7と、基端部で回動軸7に回転可能に軸支される一対の揺動アーム8と、各揺動アーム8の先端部に固定される一対のホルダガイド部9と、各ホルダガイド部9に沿って移動可能な矩形状の開口部を有する基板ホルダ11とを備える。基板ホルダ11の開口部には、細かい棒状の桟が複数架設され、この桟の上に被検査基板Wを吸着保持する吸着パッド10が、所定の間隔をおいて複数固定されている。さらに、揺動機構3は駆動部12を備え、駆動部12が稼動することによって、揺動アーム8が回動軸7を中心として回動可能としている。これにより揺動アーム8は、被検査基板Wの検査を行う位置である検査位置Aからホルダガイド部9が略水平となる被検査基板Wの受け渡しを行う退避位置Bまで回動可能であり、また被検査基板Wの検査時に、検査位置Aにおいて被検査基板Wを微小な角度範囲で揺動させることが可能である。
【0010】
また、落射照明手段4は、照明用光源であるランプ13と、ランプ13から照射される照明光が反射される反射ミラー14と、反射ミラー14で反射された照明光を収束し、被検査基板Wに照射させるフレネルレンズ15とを備える。ランプ13は、広範囲を照明可能なもので、例えばメタルハライドランプ、ナトリウムランプや蛍光灯などである。
【0011】
バックライト5は、面照明可能な光源であり、例えば蛍光灯やLEDの集合体で構成されている。また、移動手段6は、基端部で揺動機構3の回動範囲Pより外側の上方に固定された支持部材16に軸支され回転可能な回転アーム17と、回転アーム17を回転、作動させるアクチュエータ18とで構成される。回転アーム17は、2本のリンクレバー19、20と、固定部材である固定板21とで構成されている。2本のリンクレバー19、20は、各々一端19a、20aにおいて、所定の間隔を設けて別々に支持部材16に軸支されている。また、他端19b、20bにおいて、所定の間隔を設けて別々に固定板21に回転可能に取り付けられ、支持部材16、回転アーム17の構成要素であるリンクレバー19、20、及び固定板21によって、クランクリンク機構が構成されている。また、被検査基板W側に位置するリンクレバー19の長さに対して、もう1つのリンクレバー20の方が長く設定されている。アクチュエータ18は、より詳しくは油圧シリンダで、一端18aがリンクレバー20にピン結合されるとともに、他端18bも壁体などの固定部にピン結合されていて、この状態で伸縮することで、回転アーム17を回転させることを可能としている。さらに、アクチュエータ18は、駆動部22と接続されていて、駆動部22が稼動することによって、駆動することが可能となっている。また、固定板21にはバックライト5が固定されている。
【0012】
そして、図2に示すように、バックライト5は、移動手段6によって、揺動機構3の回動範囲Pの外の退避位置Dから揺動アーム8及び被検査基板Wが検査位置Aに位置した際の被検査基板Wの背面W2に接近する照射位置Cまで移動することが可能である。また、バックライト5が照射位置Cに位置した時に、検査位置Aに位置する被検査基板Wとバックライト5とが略平行となるように、回転アーム17とバックライト5とは組み付けられている。さらに、回転アーム17はクランクリンク機構が構成され、構成するリンクレバー19、20の長さが異なっているので、照射位置Cから退避位置Dまでバックライト5が移動するのに伴い、バックライト5の側方視鉛直方向に対する角度が変化していく。そして、退避位置Dに位置する時に、バックライト5が側方視鉛直方向に対して傾斜するとともに、揺動機構3の回動範囲Pと筐体2の間のスペースに収容されるようにリンクレバー19、20の長さが設定されている。
【0013】
また、基板検査装置1には、さらに操作盤23や制御部24が設けられ、検査者Mによる操作盤23の操作によって、揺動アーム8の駆動部12や回転アーム17の駆動部22の稼動、及びバックライト5や落射照明手段4による照明を制御することが可能となっている。さらに、バックライト5にはセンサ25が設けられていて、照射位置Cよりも揺動アーム8及び被検査基板Wに接近するとセンサ25が感知し、制御部24に信号が送られ、自動停止する構成となっている。
【0014】
次に、基板検査装置1の作用について説明する。まず、図1に示すように、揺動アーム8をホルダガイド部9が水平となる退避位置Bに配置し、図示しない搬送ロボットによって搬送される被検査基板Wの受け渡しを行う。被検査基板Wを吸着パッド10で吸着した後、揺動アーム8を回動させて外観検査を行う検査位置Aまで被検査基板Wを移動させる。この際、バックライト5は、揺動機構3の回動範囲Pの外である退避位置Dに配置しておく。そして、落射照明手段4によって被検査基板Wの正面W1に落射照明を照射し、その反射光の変化を観察し、傷等の欠陥部分を検出する。観察する際は、ホルダガイド部9上で基板ホルダ11を移動させることで、被検査基板Wが大きくても、検査者Mは視線を上下する必要なく、また被検査基板Wの全体を照射する必要がなく、上下方向に被検査基板Wの全体を検査することができる。また、検査する際に揺動アーム8を揺動させることで反射光の変調を調べ、さらに詳細な検査を可能とさせる。
【0015】
落射照明による外観検査の際、筐体2の内部で散乱した光や外光が筐体2の内壁面2aあるいはバックライト5の表面に反射して検査者Mに到達してしまい、落射照明による反射光の観察に支障をきたす場合がある。しかし、基板検査装置1では、筐体2の内壁面2aが黒色となっているので、内壁面2aでは反射せず検査者Mに到達してしまう恐れがない。また、バックライト5は、退避位置Dでは検査者Mの観察視野M1の上方に位置し、側方視鉛直方向に対して傾斜しているので、仮に散乱光や外光がバックライト5に反射したとしても、その反射光が検査者Mに到達してしまう恐れがない。
【0016】
次に、図2に示すように、駆動部22を稼動させ、アクチュエータ18を作動させることで、回転アーム17を回転させて、バックライト5を退避位置Dから照射位置Cへ移動させ、被検査基板Wの背面W2に接近させる。この際、センサ25によってバックライト5と揺動アーム8及び被検査基板Wとの距離を監視しているので、バックライト5と揺動アーム8あるいは被検査基板Wとが接触して破損してしまう恐れはない。次に、バックライト5を点灯させて、バックライト5の透過照明によって被検査基板Wの傷等の欠陥部分を検出する。そして、落射照明による外観検査時と同様に、基板ホルダ11を上下に移動させることで、被検査基板Wの全体を検査する。そして、すべての検査が完了した後、再び回転アーム17を回転させて、バックライト5を照射位置Cから退避位置Dへ移動させ、揺動アーム8を検査位置Aから退避位置Bに回動させる。そして、図示しない搬送ロボットに検査完了した被検査基板Wを受け渡し、新たな被検査基板Wを受け取って再び検査を行う。
【0017】
以上のように、基板検査装置1では、移動手段6によって、バックライト5が背面透過照射による外観検査を行わない時は退避位置Dに位置し、背面透過照射による外観検査を行う時にのみ、被検査基板Wの背面W2に接近して照射するので、照度が落ちることなく効果的に透過照明を行うことできる。また、バックライト5は照射位置Cから退避位置Dに移動するのに伴い、側方視鉛直方向に対して角度を変化させることができる。このため、揺動アーム8の回動範囲Pと筐体2との間の少ないスペースに退避、収容させることができる。さらに、移動手段6でバックライト5を移動させる方法が、回動範囲Pの上方を中心とした円運動となっている。このため、バックライト5を照射位置Cから退避位置Dまで後退かつ上方へ移動する行程を2方向の直線運動の繰り返しで行うのに比べて、少ない装置スペース及び移動スペースで効率良く行うことができる。また、落射照明による外観検査時は、バックライト5は観察視野M1の上方の退避位置Dに位置し、かつ側方視鉛直方向に傾斜しているので、バックライト5で反射した反射光が落射照明による外観検査の支障となることもない。また、バックライト5の移動手段6を揺動機構3と別の機構とすることで、これらの機構を駆動させる駆動部12、22を異なるものとし、駆動部の大型化を防止できる。
【0018】
なお、移動手段6の回転アーム17は、揺動アーム8の回動範囲Pの上方で回転可能に軸支されるとしたが、これに限ることは無い。少なくとも、揺動アーム8の回動範囲Pの外で軸支されていて、背面照射による外観検査時にバックライト5を被検査基板Wの背面W2に接近させるとともに、回動範囲Pの外にバックライト5を退避させることが可能であれば良く、例えば、回動範囲Pの下方に軸支され、下方に回転させる構成としても良い。
【0019】
(第2の実施形態)
図3は、この発明に係る第2の実施形態を示していて、基板検査装置の拡大した側面図を示している。この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0020】
図3に示すように、この実施形態の基板検査装置30において、バックライト5を移動させる移動手段31は、基端部で一対の揺動アーム8の回動軸7と同軸上に回転可能に軸支される回転アーム32と、回転アーム32を回転、作動させるアクチュエータ33とで構成されている。回転アーム32の先端部にはバックライト5が固定され、揺動アーム8の退避位置Bの下方である退避位置Dから照射位置Cまで揺動アーム8と異なって回転することが可能である。また、アクチュエータ33は、一端33aが回転アーム32にピン結合され、他端33bが壁体などの固定部にピン結合されていて、この状態で伸縮することで、回転アーム17を回転させることを可能としている。さらに、アクチュエータ33は、駆動部34と接続されていて、駆動部34が稼動することによって、駆動することが可能となっている。
【0021】
この実施形態の基板検査装置30においても、被検査基板Wを図示しない搬送ロボットから受け取り、揺動アーム8が検査位置Aまで回動するまでの間、バックライト5は揺動アーム8の回動範囲Pの外である退避位置Dに位置するので支障とならない。また、落射照明による外観検査時には、検査者Mの観察視野M1の外に位置するので、バックライト5で反射した反射光が検査者Mに到達し、検査の支障となることはない。そして、回動範囲Pの下方の少ないスペースでバックライト5が退避位置Dから照射位置Cまで移動可能であり、第1の実施形態と同様、効率的である。また、この実施形態の基板検査装置30では、移動手段31の回転アーム32と一対の揺動アーム8とが同軸上に軸支されている。このため、被検査基板Wが揺動アーム8によってどのような角度に設定されていたとしても、回転アーム32によってバックライト5を被検査基板Wの背面W2に接近させて、背面照射による外観検査を行うことができる。
【0022】
(第3の実施形態)
図4は、この発明に係る第3の実施形態を示していて、基板検査装置の拡大した側面図を示している。この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0023】
図4に示すように、この実施形態の基板検査装置40において、バックライト5を移動させる移動手段41は、基端部で揺動アーム8の回動範囲Pの上方に回転可能に軸支される回転アーム42と、回転アーム42を回転させるモータ43とで構成されている。バックライト5は、回転アーム42の先端部に固定され、照射位置Cに位置する時に被検査基板Wと平行となるように設定されている。また、回転アーム42はバックライト5を回動範囲Pの外であり、かつ検査者Mの観察視野M1の外である退避位置Dまで移動させることが可能である。
【0024】
この実施形態の基板検査装置40においても、被検査基板Wを図示しない搬送ロボットから受け取り、揺動アーム8が検査位置Aまで回動するまでの間、バックライト5は揺動アーム8の回動範囲Pの外である退避位置Dに位置するので支障とならない。また、落射照明による外観検査時には、検査者Mの観察視野M1の外に位置するので、バックライト5で反射した反射光が検査者Mに到達し、検査の支障となることはない。そして、回動範囲Pの下方の少ないスペースでバックライト5が退避位置Dから照射位置Cまで移動可能であり、第1の実施形態と同様、効率的である。
【0025】
なお、移動手段41の回転アーム42は回動範囲Pの上方に回転可能に軸支されていとしたが、これに限ること無く、回動範囲Pの下方に軸支されて、退避位置Dを回動範囲Pの下方としても同様の効果を得ることができる。
【0026】
(第4の実施形態)
図5は、この発明に係る第4の実施形態を示していて、基板検査装置の拡大した側面図を示している。この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0027】
図5に示すように、この実施形態の基板検査装置50において、バックライト5を移動させる移動手段51は、揺動アーム8の回動範囲Pの上方に位置し、検査位置Aにおける揺動アーム8と略平行となるように設けられるガイド52と、ガイド52に嵌合し、ガイド52の軸方向に移動可能であるスライダ53とでスライダ機構が構成されている。バックライト5は、スライダ53の先端部に固定され、スライダ53によって、検査位置Aにおける被検査基板Wの背面W2に接近する照射位置Cから揺動アーム8の回動範囲Pの外である退避位置Dまで直線移動することが可能である。
【0028】
この実施形態の基板検査装置50においても、被検査基板Wを図示しない搬送ロボットから受け取り、揺動アーム8が検査位置Aまで回動するまでの間、バックライト5は揺動アーム8の回動範囲Pの外である退避位置Dに位置するので支障とならない。また、落射照明による外観検査時には、検査者Mの観察視野M1の外に位置するので、バックライト5で反射した反射光が検査者Mに到達し、検査の支障となることはない。そして、回動範囲Pの上方の少ないスペースでバックライト5が退避位置Dから照射位置Cまで移動可能であり、第1の実施形態と同様、効率的である。
【0029】
なお、移動手段51のスライダ53は照射位置Cから揺動アーム8の回動範囲Pの上方の退避位置Dまで移動可能であるとしたが、これに限ることは無い。ガイド52を回動範囲Pの下方に設けて、照射位置Cから揺動アーム8の回動範囲Pの下方に移動可能な構成としても良い。
【0030】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0031】
なお、センサ25は、バックライト5ではなく、一対の揺動アーム8に取り付けられる構成としても良い。また、揺動機構3は、ホルダガイド部9上で基板ホルダ11によってホルダガイド部9の軸方向に移動可能としたが、さらに、ホルダガイド部9に軸支されることで回転可能としても良い。このような構成とすることで、被検査基板Wを180度回転させて、背面W2についても同様の外観検査を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の第1の実施形態の基板検査装置の全体図である。
【図2】この発明の第1の実施形態の基板検査装置の拡大した側面図である。
【図3】この発明の第2の実施形態の基板検査装置の拡大した側面図である。
【図4】この発明の第3の実施形態の基板検査装置の拡大した側面図である。
【図5】この発明の第4の実施形態の基板検査装置の拡大した側面図である。
【符号の説明】
【0033】
1、30、40、50 基板検査装置
3 揺動機構
5 バックライト
6、31、41、51 移動手段
7 回動軸(回動中心)
16 支持部材
17、32、42 回転アーム
19、20 リンクレバー
19a、20a 一端
19b、20b 他端
21 固定板(固定部材)
52 ガイド(スライダ機構)
53 スライダ(スライダ機構)
A 検査位置
B 退避位置
C 照射位置
D 退避位置
M1 観察視野
P 回動範囲
W 被検査基板
W1 正面
W2 背面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査基板を保持し、検査時は前記被検査基板を検査位置まで移動させ、非検査時には退避位置まで移動させることが可能である揺動機構と、前記被検査基板の観察する正面側とは反対の背面側に位置し、前記被検査基板を照射するバックライトとを備え、該バックライトの背面透過照明によって前記被検査基板の外観検査を行うことが可能な基板検査装置であって、
前記バックライトを移動可能な移動手段を備え、該移動手段は、背面透過照明による観察時においては、前記揺動機構によって所定の角度に設定された前記被検査基板の背面側に前記バックライトを接近させるとともに、正面側からの落射照明による観察時及び前記揺動機構の回動時においては、前記揺動機構の回動範囲外に前記バックライトを移動させることを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板検査装置において、
前記移動手段は、正面側からの落射照明による観察時において、さらに、前記被検査基板を観察する観察視野外に前記バックライトを移動させることを特徴とする基板検査装置。
【請求項3】
請求項1に記載の基板検査装置において、
前記移動手段は、正面側からの落射照明による観察時において、さらに、前記バックライトを側方視鉛直方向に対して傾斜させることを特徴とする基板検査装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板検査装置において、
前記移動手段は、前記揺動機構の前記回動範囲上方に回転可能に軸支された回転アームを備え、前記バックライトは前記回転アームに設けられ、前記回動範囲上方に回転移動可能であることを特徴とする基板検査装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板検査装置において、
前記移動手段は、前記揺動機構の前記回動範囲下方に回転可能に軸支された回転アームを備え、前記バックライトは前記回転アームに設けられ、前記回動範囲下方に回転移動可能であることを特徴とする基板検査装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板検査装置において、
前記移動手段は、前記揺動機構の回動中心と同軸上に回転可能に軸支された回転アームを備え、前記バックライトは前記回転アームに設けられ、前記被検査基板の背面側後方に回転移動可能であることを特徴とする基板検査装置。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板検査装置において、
前記移動手段は、前記揺動機構の前記回動範囲上方に設けられたスライド機構を備え、前記バックライトは前記スライド機構に設けられ、前記回動範囲上方に平行移動可能であることを特徴とする基板検査装置。
【請求項8】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板検査装置において、
前記移動手段は、前記揺動機構の前記回動範囲下方に設けられたスライド機構を備え、前記バックライトは前記スライド機構に設けられ、前記回動範囲下方に平行移動可能であることを特徴とする基板検査装置。
【請求項9】
請求項4から請求項6のいずれかに記載の基板検査装置において、
前記移動手段の前記回転アームは2本のリンクレバーで構成され、該リンクレバーの各々は、一端が前記揺動機構の回動範囲外の異なる位置で回転可能に軸支され、他端が固定部材の異なる位置に回転可能に取り付けられることでクランクリンク機構を構成するとともに、前記バックライトは前記固定部材に固定されることを特徴とする基板検査装置。
【請求項10】
請求項9に記載の基板検査装置において、
前記回転アームを構成する2本の前記リンクレバーは、異なる長さに設定されていることを特徴とする基板検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−93411(P2007−93411A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−283776(P2005−283776)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】