説明

基板検査装置

【課題】基板検査装置において、装置の大型化及び基板の破損を防ぐと共に、透過照明による検査を有効に行う。
【解決手段】基板(G)にエアを吐出する浮上ステージ2と、1軸方向(X軸方向)に移動する門型のガントリ3と、このガントリ3に沿って、このガントリ3の移動方向(X軸方向)と交差する方向(Y軸方向)に移動する検査部(4)と、を備える基板検査装置1において、浮上ステージ2内に配置された複数の透過照明部5と、基板(G)の被検査部分が複数の透過照明部5のいずれかの上方に位置するように基板(G)を搬送する基板搬送部6と、を備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板等の光を透過する基板を、透過照明を用いて検査する基板検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造工程においては、各製造工程で製造されたマザーガラス基板の欠陥を、顕微鏡等を用いて検査している。
【0003】
このような検査を行う場合、顕微鏡等の検査部は、固定式又は可動式のガントリに配置され、このガントリに沿って移動する。
ところで、ガントリが固定式の場合、ガラス基板をガントリの下方を通過するように移動させる必要があるため、基板検査装置の基板搬送方向におけるサイズは最低でもガラス基板約2枚分程度となる。なお、ガントリが固定式の場合に透過照明を行うには、ガントリの下方に透過照明部を配置することになる。
【0004】
一方、ガントリが可動式の場合、ガラス基板を移動させる必要がないため、基板検査装置の大型化を抑えることができるが、透過照明部を用いた検査を行うには、ガラス基板の平行度を確保し且つ透過照明の移動領域を確保するために、ガラス基板の下部にガラス基板を支持する透明支持板を配置する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−82705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1記載の透明支持板を用いると、ガラス基板を透明支持板から剥離させる際に剥離帯電によってガラス基板上のパターン回路が破損するという問題が生じる。
【0006】
また、透明支持板を用いると、分光測光などの検査を行うことができないという問題も生じる。更には、透明支持板を支える桟などが透過照明を妨げるという問題も生じる。
なお、以上の問題は、浮上ステージをガラス等の透明の素材のものにしても、エア浮上の構造や技術を使用するのが困難となるため、解消することができなかった。また、複数の支持ピンでガラス基板を支持すると、ガラス基板に撓みが発生してしまい、例えば、焦点深度の浅い高倍率の対物レンズを用いた検査において特に不向きである。
【0007】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、装置の大型化及び基板の破損を防ぐことができると共に、透過照明による検査を有効に行うことができる基板検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の基板検査装置は、基板にエアを吐出する浮上ステージと、1軸方向に移動する門型のガントリと、このガントリに沿って、このガントリの移動方向と交差する方向に移動する検査部と、を備える基板検査装置において、上記浮上ステージ内に配置された複数の透過照明部と、上記基板の被検査部分が上記複数の透過照明部のいずれかの上方に位置するように上記基板を搬送する基板搬送部と、を備える構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、ガントリが移動可能であり、基板搬送部は、基板の被検査部分が複数の透過照明部のいずれかの上方に位置するように基板を搬送する。そのため、基板の搬送距離を抑え、ひいては基板検査装置の大型化を抑えることができる。
【0010】
また、透過照明部を基板の下方全体に亘って移動させる必要がないため、透過照明部の移動領域を確保するために基板支持用の透明支持板を用いる必要もない。したがって、透明支持板を用いる際に生じる剥離帯電に起因する基板の破損を回避することができると共に、透明支持板により分光測光などの検査が妨げられるのを回避することができる。
【0011】
よって、本発明によれば、装置の大型化及び基板の破損を防ぐことができると共に、透過照明部を用いた検査を有効に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る基板検査装置及び基板検査方法について、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板検査装置1を示す平面図である。
【0013】
基板検査装置1は、光を透過する基板としてのガラス基板Gにエアを吐出する浮上ステージ2と、1軸方向(X軸方向)に移動する門型のガントリ3と、このガントリ3に沿ってガントリ3の移動方向(X軸方向)と交差する方向(Y軸方向)に移動する検査部としての顕微鏡4と、浮上ステージ2内に配置された3つの透過照明部5と、ガラス基板Gを搬送する基板搬送部6とを備える。
【0014】
浮上ステージ2は、X軸方向及びY軸方向に互いに間隙をもってベース部7上にマトリクス状に配置された複数の浮上プレート2aを有する。浮上プレート2aは、長手方向がX軸方向である矩形タイル状を呈し、X軸方向及びY軸方向にM×Nの行列(本実施形態では4×5の行列)に配置されている。また、浮上プレート2は、図示しない浮上用エア配管から供給されるエアを上面に形成された図示しない吐出孔から吐出することで、ガラス基板Gを浮上させる。
【0015】
ベース部7上のY軸方向両端にはガイド台7a,7aが設けられ、これらガイド台7a,7a上にはガイド7b,7bが設けられている。ガントリ3は、例えば図示しないリニアモータ等の駆動手段によって、ガイド7b,7bに沿ってX軸方向に移動可能となっている。
【0016】
ガントリ3の側面には顕微鏡用ガイド3aが設けられ、顕微鏡4は、例えば図示しないリニアモータ等の駆動手段によって、顕微鏡用ガイド3aに沿ってY軸方向に移動可能となっている。顕微鏡4は、顕微鏡用ガイド3aに沿ったY軸方向への移動と、ガントリ3のガイド7b,7bに沿ったX軸方向への移動とにより、直交2軸の水平方向へ自在に移動可能となっている。なお、顕微鏡4にレーザ照射部等を配置し、顕微鏡4によりレビューした欠陥をレーザにより修正するようにしてもよい。
【0017】
透過照明部5は、X軸方向に4行配置された浮上プレート2aの行間に計3つ互いに同一ピッチで配置されている。なお、本実施形態では、3つの透過照明部5は、ガラス基板GのX軸方向における長さの3分の1のピッチで配置されている。
【0018】
各透過照明部5は、ガラス基板Gに下方から照明光を照射する平面視円形の光源5aと
、ベース部7上においてY軸方向に延びる光源用ガイド5bとを有する。光源5aは、例えば図示しないリニアモータ等の駆動手段によって光源用ガイド5bに沿ってY軸方向に移動する。
【0019】
基板搬送部6,6は、例えば図示しないリニアモータ等の駆動手段によって、ガントリ3と共通の2つのガイド7b,7bに1つずつ配置され、ガイド7b,7bに沿ってX軸方向にガントリ3とは独立して移動可能となっている。また、各基板搬送部6は、5つの吸着パッドが配置された基板保持部6aを有する。この基板保持部6aは、図示しない吸引機構による負圧によってガラス基板Gの底面端部を保持している。
【0020】
以下、基板検査装置1によるガラス基板Gの検査について、上述の図1及び下記図2〜図4を参照しながら説明する。
図2は、基板検査装置1及び搬送ロボット8を示す平面図である。
【0021】
図3は、基板検査装置1のガントリ3の動きを説明するための平面図である。
図4は、ガラス基板Gの仮想領域G1,G2,G3を示す平面図である。
まず、図2に示す搬送ロボット8により、ガラス基板Gが基板検査装置1に搬入される。具体的には、ガラス基板Gは、搬送ロボット8の櫛歯状の4本の支持部8aに支持された状態で、浮上ステージ2上に搬送される。そして、搬送ロボット8の支持部8aが下降して浮上プレート2a間のY軸方向における間隙に挿入される。このとき、ガントリ3と、顕微鏡4と、透過照明部5の光源5aとは、支持部8bと干渉しないように退避させておく。
【0022】
なお、本実施形態では、浮上プレート2a間のY軸方向における間隙に搬送ロボット8の支持部8aが挿入されるため、ガラス基板Gを搬送ロボット8から受取って浮上ステージ2上に載置するリフタ等の機構を省略し、搬送ロボット8により直接的にガラス基板Gを浮上ステージ2上に搬送することが可能となっている。
【0023】
但し、リフタ等の機構によって搬送ロボット8からガラス基板Gを受取るようにしても、或いは、搬入用コロ(搬送ローラ)によってガラス基板Gを基板検査装置1に搬入するようにしてもよい。これらの場合には、ガラス基板Gの搬入時にガントリ3を退避させる退避スペースを確保する必要がなく、基板検査装置1の大型化を防ぐことができる。
【0024】
ガラス基板Gが浮上プレート2a上に載置されると、搬送ロボット8が退避し、図示しない位置決め機構によりガラス基板Gが位置決めされる。位置決めされたガラス基板Gは、基板搬送部6の基板保持部6aにより吸着保持される。
【0025】
ここで、ガラス基板Gを、図4に示すように、透過照明部5の数と同数である3つの領域G1,G2,G3に分けた場合、これら領域のX座標は、ガラス基板GのX軸方向の長さをLとし、図4の左下部分を座標(0,0)とすると、
G1: 0<x≦L/3 ・・・式(1)
G2: L/3<x≦2L/3 ・・・式(2)
G2:2L/3<x≦L ・・・式(3)
となる。
【0026】
ガラス基板Gの被検査部分が領域G1に含まれる場合(X座標が上記式(1)の範囲内にある場合)、顕微鏡4の視野のX座標が透過照明部5−1のX座標と同一となるようにガントリ3をX軸方向に移動させる(図3に点線で示す3−1)。また、Y座標が被検査部分のY座標と同一となるように顕微鏡4及び光源5aをY軸方向に同期移動させる。更には、ガラス基板Gの被検査部分のX座標が透過照明部5−1のX座標と同一となるよう
に基板搬送部6によりX軸方向に移動させる。
【0027】
同様に、ガラス基板Gの被検査部分が領域G2に含まれる場合(X座標が上記式(2)の範囲内にある場合)、ガントリ3、顕微鏡4、光源5a及びガラス基板Gを、透過照明部5−2上で検査を行えるように適宜移動させる。
【0028】
また同様に、ガラス基板Gの被検査部分が領域G3に含まれる場合(X座標が上記式(3)の範囲内にある場合)、ガントリ3、顕微鏡4、光源5a及びガラス基板Gを、透過照明部5−3上で検査を行えるように適宜移動させる。
【0029】
被検査部分が複数ある場合には順次検査を行い、検査が終了したガラス基板Gは搬送ロボット8等により基板検査装置1から搬出させる。
以上説明した本実施形態では、ガントリ3が移動可能であり、基板搬送部6は、ガラス基板Gの被検査部分が複数の透過照明部5のいずれかの上方に位置するようにガラス基板Gを搬送する。そのため、ガラス基板Gの搬送距離を抑え、ひいては基板検査装置1の大型化を抑えることができる。
【0030】
また、透過照明部5をガラス基板Gの下方全体に亘って移動させる必要がないため、透過照明部5の移動領域を確保するためにガラス基板G支持用の透明支持板を用いる必要もない。したがって、透明支持板を用いる際に生じる剥離帯電に起因するガラス基板Gの破損を回避することができると共に、透明支持板により分光測光などの検査が妨げられるのを回避することができる。
【0031】
よって、本実施形態によれば、基板検査装置1の大型化及びガラス基板Gの破損を防ぐことができると共に、透過照明部5を用いた検査を有効に行うことができる。
また、本実施形態では、複数の透過照明部5は、浮上プレート2a間の間隙に配置される。ここで、本実施形態では、ガントリ3及びガラス基板GがX軸方向に移動可能であるため、透過照明部5のX軸方向における長さは小さいもので足りる。したがって、浮上プレート2aを互いに近接させても、これらの間のわずかな間隙に配置した複数の透過照明部5によって有効に検査を行うことができる。
【0032】
また、本実施形態では、透過照明部5の光源5aは、光源用ガイド5bに沿ってY軸方向に移動する。ここで、本実施形態では、ガントリ3及びガラス基板GがX軸方向に移動可能であるため、透過照明部5(光源5b)のX軸方向における長さは小さいもので足り、
更に、光源5aがY軸方向に移動可能であるため、Y軸方向における長さも小さいもので足りる。したがって、基板検査装置1の構成を簡素にすることができる。
【0033】
また、本実施形態では、基板搬送部6とガントリ3とは、互い共通するガイド7b,7bに沿って移動する。したがって、基板検査装置1を簡素な構成とすることができる。
また、本実施形態では、基板搬送部6は、ガラス基板Gの被検査部分を、その位置(領域G1,G2,G3)に応じて決定される透過照明部5−1,5−2,5−3の上方に移動させるようにガラス基板Gを搬送する。そのため、簡単な制御で、ガラス基板Gの搬送距離を抑え、ひいては基板検査装置1の大型化を抑えることができる。
【0034】
なお、本実施形態では、透過照明部5を3つとして説明したが、透過照明部5は2つとしても4つ以上としてもよい。透過照明部5の数を増やせばガラス基板Gの搬送距離を減らすことができるため、透過照明部5の数は、装置構成の簡略化との兼ね合いを考慮して適宜決定すればよい。
【0035】
また、本実施形態では、ガラス基板Gの搬送方向をX軸方向として説明したが、透過照明部5(光源用ガイド5b)をX軸方向に延びるものとし、ガラス基板GをY軸方向に移動させるようにしてもよい。その場合には、ガラス基板GをY軸方向に搬送するために、基板搬送部6はY軸方向に延びるガイドに沿ってガラス基板Gを搬送する必要や、ガントリ3専用のガイドとなるベース部7のガイド7b,7b間の距離(ガントリ3の長さでもある)を長くしてガラス基板Gの搬送領域を確保する必要がある。
【0036】
また、本実施形態では、ガラス基板Gの被検査部分が図4に示す領域G1,G2,G3のいずれに位置するかによって、被検査部分をどの透過照明部5−1,5−2,5−3上に移動させるかを決定したが、判断時にガラス基板Gの被検査部分と最も近くに位置する光源5aを有する透過照明部5−1,5−2,5−3上に被検査部分を移動させるようにしてもよい。
【0037】
<第2実施形態>
本実施形態の基板検査装置11は、透過照明部15の構成を除いて上記第1実施形態の基板検査装置1と概ね同様であるため、同様の部材・部分については図5に図1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
図5は、本発明の第2実施形態に係る基板検査装置11を示す斜視図である。なお、図5においては、それぞれ2つずつ配置されるガイド台7a,7a、ガイド7b,7b及び基板搬送部6,6の一方、並びに、一部の浮上プレート2aの図示を省略している。
【0039】
基板検査装置11は、X軸方向に4行配置された浮上プレート2aの行間に計3つ同一ピッチで配置された3つの透過照明部15を備える。
各透過照明部15は、ガラス基板Gに照明光を照射する例えば高輝度LEDからなるライン状光源15aと、このライン状光源15aを上下動させる昇降機構15bとを有する。
【0040】
ライン状光源15aは、ガラス基板GのY軸方向における長さと同程度又はそれ以下の長さでY軸方向に延び、ガラス基板GのY軸方向全域を照射可能な発光長を有している。
昇降機構15bは、例えばエアシリンダであり、ライン状光源15aを、ガラス基板Gに照明光を照射する上方の位置(図5の状態)と、そこから下方に退避した位置とに移動させる。
【0041】
具体的には、昇降機構15bは、図2に示す搬送ロボット8によりガラス基板Gが基板検査装置1に搬入される際に、搬送ロボット8の支持部8aと干渉しないようにライン状光源15aを下方に退避させる。一方、搬送ロボット8の退避後には、昇降機構15bは、ライン状光源15aを、ガラス基板Gに照明光を照射する上方の位置に移動させる。
【0042】
なお、本実施形態においても、ガラス基板Gの被検査部分が図4に示す領域G1,G2,G3のどの領域に含まれるかによって、ガントリ3、顕微鏡4及びガラス基板Gを、透過照明部15−1,15−2又は15−3のライン状光源15a上で検査を行えるように適宜移動させるものとする。
【0043】
以上説明した本実施形態では、各透過照明部15は、ガラス基板Gに照明光を照射するライン状光源15aを有する。そのため、ライン状光源15aを移動させるためのガイドが不要となり、上記第1実施形態の効果に加え、基板検査装置11の構成を簡素にすることができるという効果を奏する。
【0044】
また、本実施形態では、昇降機構15bは、ライン状光源15aを、ガラス基板Gに照
明光を照射する位置と、そこから退避した位置とに上下動させる。そのため、搬送ロボット8の支持部8aとの干渉を防ぎながら、透過照明部15を用いた検査を有効に行うことができる。
【0045】
なお、本実施形態においても、透過照明部15を3つとして説明したが、透過照明部15は2つとしても4つ以上としてもよい。また、本実施形態のライン状光源15aは、ガラス基板GのY軸方向全域を照射可能な長さとしているが、それよりも短くしてY軸方向に移動可能としてもよい。その場合、ライン状光源15a用のガイドを上記第1実施形態の光源用ガイド5bよりも短くすることができる。
【0046】
<第3実施形態>
本実施形態の基板検査装置21は、基板搬送部26の構成を除いて上記第1実施形態の基板検査装置1と概ね同様であるため、同様の部材・部分については図6に図1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
図6は、本発明の第3実施形態に係る基板検査装置21を示す斜視図である。なお、図6においては、それぞれ2つずつ配置されるガイド台7a,7a及びガイド7b,7bの一方、並びに、一部の浮上プレート2aの図示を省略している。
【0048】
基板検査装置21の基板搬送部26は、それぞれガラス基板Gの一端・多端を保持する2つの基板保持部26aと、ガラス基板Gの下方においてベース部7上に配置された2つの保持部用ガイド26bとを有する。
【0049】
各基板保持部26aは、例えば図示しないリニアモータ等の駆動手段によって、保持部用ガイド26bに沿ってX軸方向に移動可能となっている。また、各基板保持部26aは、その3つの吸着パッドにおいて、図示しない吸引機構による負圧によってガラス基板Gの底面端部を保持している。
【0050】
本実施形態では、基板搬送部26の保持部用ガイド26b,26bがガントリ3用のガイド7b,7bとは別個に配置されている。そのため、ガントリ3用のガイド7b,7bは、ガントリ3の移動範囲の長さ、即ち、3つの透過照明部5−1,5−2,5−3への移動と、ガラス基板G搬入時の退避位置への移動とを行う範囲の長さで足り、したがって、上記第1実施形態よりも短いものとなっている。
【0051】
また、保持部用ガイド26b,26bは、ガラス基板Gの搬送範囲の長さ、即ち、ガラス基板Gの被検査部分が透過照明部5−1,5−2,5−3へ移動するようにガラス基板Gを搬送する範囲の長さで足りる。
【0052】
以上説明した本実施形態では、基板搬送部26の基板保持部26aは、ガラス基板Gの下方に配置された保持部用ガイド26bに沿って移動する。そのため、上記第1実施形態の効果に加え、基板検査装置1の大型化を抑えながら、ガラス基板Gの位置決め精度を向上させることができるという効果を奏する。また、ガントリ3用のガイド7b,7b及び基板保持部26a(ガラス基板G)用の保持部用ガイド26bを、それぞれ最低限の長さにすることができ、この点からも基板検査装置1の大型化を抑えることができるという効果を奏する。
【0053】
<第4実施形態>
本実施形態の基板検査装置31は、基板搬送部36の構成を除いて上記第1実施形態の基板検査装置1と概ね同様であるため、同様の部材・部分については図7及び図8に図1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
図7は、本発明の第4実施形態に係る基板検査装置31を示す斜視図である。なお、図7においては、それぞれ2つずつ配置されるガイド台7a,7a及びガイド7b,7bの一方、並びに、一部の浮上プレート2aの図示を省略している。
【0055】
図8は、基板検査装置31の基板搬送部36を図7の後方から見た側面図である。
基板検査装置31の基板搬送部36は、それぞれガラス基板Gの一端・他端を保持する2つの基板保持部36a,36aと、図8に示すようにガラス基板Gの下方においてベース部7上に配置された単一の保持部用ガイド36bとを有する。
【0056】
2つの基板保持部36a,36aは、Y軸方向に延びるアーム部36cの一端・他端にそれぞれ接続されている。また、各基板保持部36aは、その3つの吸着パッドにおいて、図示しない吸引機構による負圧によってガラス基板Gの底面端部を保持している。
【0057】
アーム部36cは、プレート2aの脚部の間、即ち浮上プレート2aの下方に配置されている。また、アーム部36cは、図8に示すように、アーム部36cの中央に設けられ、X軸方向に延びる単一の保持部用ガイド36bに沿って移動する。これにより、基板保持部36a,36aは、アーム部36cを介して間接的に、互いに共通の保持部用ガイド36cに沿って移動する。
【0058】
なお、本実施形態では、アーム部36cを水平に維持するために、保持部用ガイド36bを挟んで保持部用ガイド36bと平行に配置された図8に示す2つの補助ガイド36d,36dが配置されている。
【0059】
ここで、アーム部36cの移動範囲が基板保持部36aひいてはガラス基板Gの搬送範囲となる。そのため、透過照明部5−1,5−2,5−3のいずれかの上方にガラス基板Gの被検査部分を移動させるだけのガラス基板Gの搬送範囲を確保するには、下方にアーム部36cが配置される浮上プレート2a´をX軸方向に長くし、この浮上プレート2a´の脚部がアーム部36cと干渉しないようにするか、或いは、浮上プレート2a´をX軸方向に隣接する他の浮上プレート2aと連結して浮上プレート2a´の一部の脚部を省略するとよい。
【0060】
本実施形態においても、上記第3実施形態と同様に、基板搬送部36の保持部用ガイド36bがガントリ3用のガイド7b,7bとは別個に配置されている。そのため、ガントリ3用のガイド7b,7bは、ガントリ3の移動範囲の長さ、即ち、3つの透過照明部5−1,5−2,5−3へのガントリ3の移動範囲の長さで足り、したがって、上記第1実施形態よりも短いものとなっている。
【0061】
また、保持部用ガイド36bは、ガラス基板Gの搬送範囲の長さ、即ち、ガラス基板Gの被検査部分が透過照明部5−1,5−2,5−3へ位置するようにガラス基板Gを搬送する範囲の長さで足りる。
【0062】
以上説明した本実施形態では、基板搬送部36の2つの基板保持部36a,36aは、互いに共通の保持部用ガイド36cに沿って移動する。そのため、単一の保持部用ガイド36cによって、ガラス基板Gの両端を保持する2つの基板保持部36a,36aを移動させることができる。したがって、上記第1実施形態の効果に加え、基板検査装置31の構成を簡素にすることができると共に、保持部用ガイド36cの平行度の調整等が不要になり組立て性を向上させることができるという効果を奏する。また、ガントリ3用のガイド7b,7b及び基板保持部36a,36a(ガラス基板G)用の保持部用ガイド36bを、それぞれ最低限の長さにすることができ、この点からも基板検査装置31の大型化を
抑えることができるという効果を奏する。
【0063】
なお、本実施形態では、複数の基板保持部として、2つの基板保持部36a,36aを配置する例について説明したが、互いに共通の保持部用ガイド36bに沿って移動する3つ以上の基板保持部36aを配置してもよい。
【0064】
<第5実施形態>
本実施形態の基板検査装置41は、顕微鏡44の構成を除いて図5に示す上記第2実施形態の基板検査装置11と概ね同様であるため、同様の部材・部分については図9に図5と同一の符号を付して説明を省略する。なお、本実施形態の基板検査装置41は、顕微鏡44及び透過照明部15の構成を除いては、上記第1実施形態の基板検査装置1とも概ね同様である。
【0065】
図9は、本発明の第5実施形態に係る基板検査装置41を示す斜視図である。なお、図9においては、それぞれ2つずつ配置されるガイド台7a,7a及びガイド7b,7bの一方、並びに、一部の浮上プレート2aの図示を省略している。
【0066】
本実施形態の基板検査装置41は、単一のガントリ3の顕微鏡用ガイド3aに沿って、ガントリ3の移動方向(X軸方向)と交差する方向(Y軸方向)に互いに独立して移動する2つの顕微鏡44,44を備える。
【0067】
各顕微鏡44は、例えば図示しないリニアモータ等の駆動手段によって、顕微鏡用ガイド3aに沿ってY軸方向に移動可能となっている。また、各顕微鏡44は、顕微鏡用ガイド3aに沿ったY軸方向への移動と、ガントリ3のガイド7b,7bに沿ったX軸方向への移動とにより、直交2軸方向へ自在に移動可能となっている。
【0068】
なお、本実施形態では、上記第2実施形態と同様にライン状光源15aを有する透過照明部15−1,15−2,15−3を配置しているが、上記第1実施形態と同様に移動式の光源5aを配置する場合には、顕微鏡44,44とそれぞれY軸方向へ同期して移動する2つの光源5a,5aを配置するとよい。
【0069】
以上説明した本実施形態では、2つの顕微鏡44,44は、単一のガントリ3(顕微鏡用ガイド3a)に沿って、ガントリ3の移動方向(X軸方向)と交差する方向(Y軸方向)に互いに独立して移動する。そのため、Y軸方向への顕微鏡44,44の移動距離を減らすことができ、したがって、上記第1及び第2実施形態の効果に加え、透過照明部15を用いた検査をより短時間で行うことができるという効果を奏する。
【0070】
なお、本実施形態では、複数の検査部として、2つの顕微鏡44,44を配置する例について説明したが、単一のガントリ3に沿って互いに独立して移動する3つ以上の顕微鏡44を配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基板検査装置を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る基板検査装置及び搬送ロボットを示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る基板検査装置のガントリの動きを説明するための平面図である。
【図4】ガラス基板の仮想領域を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る基板検査装置を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る基板検査装置を示す斜視図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る基板検査装置を示す斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る基板検査装置の基板搬送部を示す側面図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係る基板検査装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
1 基板検査装置
2 浮上ステージ
2a 浮上プレート
3 ガントリ
3a 顕微鏡用ガイド
4 顕微鏡
5 透過照明部
5a 光源
5b 光源用ガイド
6 基板搬送部
6a 基板保持部
7 ベース部
7a ガイド台
7b ガイド
8 搬送ロボット
8a 支持部
11 基板検査装置
15 透過照明部
15a ライン状光源
15b 昇降機構
21 基板検査装置
26 基板搬送部
26a 基板保持部
26b 保持部用ガイド
31 基板検査装置
36 基板搬送部
36a 基板保持部
36b 保持部用ガイド
36c アーム部
36d 補助ガイド
41 基板検査装置
44 顕微鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にエアを吐出する浮上ステージと、
1軸方向に移動する門型のガントリと、
該ガントリに沿って、該ガントリの移動方向と交差する方向に移動する検査部と、
を備える基板検査装置において、
前記浮上ステージ内に配置された複数の透過照明部と、
前記基板の被検査部分が前記複数の透過照明部のいずれかの上方に位置するように前記基板を搬送する基板搬送部と、
を備えることを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
前記基板搬送部は、前記基板の被検査部分を、その位置に応じて決定される前記透過照明部の上方に移動させるように前記基板を搬送することを特徴とする請求項1記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記浮上ステージは、互いに間隙をもって配置された複数の浮上プレートを有し、
前記複数の透過照明部は、前記浮上プレート間の間隙に配置される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記透過照明部は、前記基板に照明光を照射する光源と、光源用ガイドとを有し、
前記光源は、前記光源用ガイドに沿って移動する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記透過照明部は、前記基板に照明光を照射するライン状光源を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載の基板検査装置。
【請求項6】
前記透過照明部は、前記ライン状光源を、前記基板に照明光を照射する位置と、そこから退避した位置とに上下動させる昇降機構を更に有することを特徴とする請求項5記載の基板検査装置。
【請求項7】
前記基板搬送部と前記ガントリとは、互いに共通するガイドに沿って移動することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項記載の基板検査装置。
【請求項8】
前記基板搬送部は、前記基板を保持する基板保持部と、前記基板の下方に配置された保持部用ガイドとを有し、
前記基板保持部は、前記保持部用ガイドに沿って移動する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項記載の基板検査装置。
【請求項9】
前記基板搬送部は、前記基板を保持する複数の基板保持部と、保持部用ガイドとを有し、
前記複数の基板保持部は、互いに共通の前記保持部用ガイドに沿って移動する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項記載の基板検査装置。
【請求項10】
単一の前記ガントリに沿って、該ガントリの移動方向と交差する方向に互いに独立して移動する複数の検査部を備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項記載の基板検査装置。

【図4】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−91435(P2010−91435A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262241(P2008−262241)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】