基板装置
【課題】ランド用導体パターンの酸化腐食を防止できると共に、製造コストの増加を抑えることができるようにする。
【解決手段】基板6は、一面を電気部品配置面6aとし他面をフロー半田面6bとしている。電気部品配置面6aには電気部品を配置しその端子はフロー半田面6bでフロー半田付けされている。外部接続用ランド12は、基板6の電気部品配置面6aに形成したランド用導体パターン13と、このランド用導体パターン領域13内に形成され、該基板6を電気部品配置面6aからフロー半田面6bまで貫通し溶融半田が毛管現象にて浸入し得る程度の大きさのスルーホール14A、14Bと、フロー半田により構成されフロー半田面6bからスルーホール14A、14Bを通しランド用導体パターン13表面に形成された半田層15とから構成されている。
【解決手段】基板6は、一面を電気部品配置面6aとし他面をフロー半田面6bとしている。電気部品配置面6aには電気部品を配置しその端子はフロー半田面6bでフロー半田付けされている。外部接続用ランド12は、基板6の電気部品配置面6aに形成したランド用導体パターン13と、このランド用導体パターン領域13内に形成され、該基板6を電気部品配置面6aからフロー半田面6bまで貫通し溶融半田が毛管現象にて浸入し得る程度の大きさのスルーホール14A、14Bと、フロー半田により構成されフロー半田面6bからスルーホール14A、14Bを通しランド用導体パターン13表面に形成された半田層15とから構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばね性を有する外部接続導体板と接触導通される外部接続用ランドを備えた基板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気部品を実装した基板装置では、基板に導体パターンからなる外部接続用ランドを設け、この外部接続用ランドを外部回路端子と接続するようにしたものがある。このものでは、ワイヤーを該外部回路端子と前記外部接続用のランドとに半田付けすることにより両者を導通接続するようにしていた。
【0003】
ところがこの場合、上述のワイヤーの一端部及び他端部をそれぞれ前記外部回路端子及び前記外部接続用ランドに半田付けしなければならず、この半田付け作業が非常に面倒であった。
これに対する改善策として、外部回路端子に、ばね性を有する金属製導体板からなる外部接続導体板の一端を接続しておき、この外部接続導体板の他端側を前記基板の前記外部接続用ランドに前記ばね力をもって圧接状態に接触させる構成がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−149862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のばね性を有する外部接続導体板を前記基板の前記外部接続用ランドにばね力をもって圧接状態に接触させる構成によれば、ワイヤー半田付けの面倒は解消されるものの、外部接続用ランドの導体パターンが露出する形態となることから、酸化腐食の問題が残り、ランドと外部接続導体板との導通不良を起すおそれがある。
これを改善するために、上記導体パターン表面に半田層を形成することを考えているが、この場合、半田層形成設備や形成工程が増えてしまうと、製造コストが高くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ランド用導体パターンの酸化腐食を防止できると共に、製造コストの増加を抑えることができる基板装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は次に点に着目してなされている。本発明者は、ランド用導体パターン表面に半田層を形成するについて、種々の半田付けの手法を検討してみた。すなわち、基板に半田付けを行う手法としては、一般的には半田ごてを用いて手作業で行う手法が知られているが、このような手作業で半田層を形成するには、時間がかかり、実用的ではない。
【0008】
他の半田付けの手法としては、工業的手法があり、これは、大きく分けてリフロー半田とフロー半田とがある。
上記リフロー半田は、基板上に半田ペースト(半田の粉末にフラックスを加えて、適当な粘度にしたもの)を印刷し、その上に電気部品を載せてから熱を加えて半田を溶かす手法である。
【0009】
又、前記フロー半田は、基板の一面を電気部品配置面とし他面をフロー半田面とし、且つ該基板に、前記電気部品配置面からフロー半田面まで貫通する端子孔部を形成しておき、電気部品を、基板の電気部品配置面に電気部品を配置すると共に、該電気部品の端子を前記端子孔部に貫通させておき、この状態で、基板のフロー半田面を、半田槽に溶かしておいた半田の表層に浸すことによって、半田付けを行う手法である。
【0010】
前記リフロー半田の手法により外部接続のためのランド用導体パターンに半田層を形成するには、ランド用導体パターン上に、該パターンと同形状の半田ペーストの印刷パターンを製作することが必要であるため、印刷パターンの形状設定も面倒で、しかも主回路印刷パターンに、半田層形成のための印刷パターンを付加した全体印刷パターンを設計し直す面倒もあり、さらには、ランド用導体パターン表面に半田ペーストを加熱し冷却して形成した半田層は剥がれやすいという問題もある。
【0011】
これに対して、前記フロー半田といった手法の場合、基板のフロー半田面にしか、半田槽の溶融半田が浸されず、このままでは、フロー半田面と反対側の電気部品配置面に形成されたランド用導体パターンに半田層を形成できない。
【0012】
そこで本発明者は、なんとか、半田槽の溶融半田をフロー半田面と反対側の電気部品配置面に誘導できないかを模索し、その結果、前記ランド用導体パターン領域内に、該基板を電気部品配置面からフロー半田面まで貫通し溶融半田が毛管現象にて浸入し得る程度の大きさのスルーホールを形成すれば、フロー半田を前記ランド用導体パターン表面に半田層を形成できることを見出した。
【0013】
上述の調査結果を考慮してなされた請求項1の基板装置は、前記基板を、一面を電気部品配置面とし他面をフロー半田面とし、且つ両面間に前記電気部品の端子を前記電気部品配置面からフロー半田面まで貫通させる端子貫通孔部を有する構成とし、前記電気部品を前記電気部品配置面に配置しその端子を前記端子挿通孔部を貫通させて前記フロー半田面でフロー半田付けし、前記外部接続用ランドを、前記基板の電気部品配置面に形成したランド用導体パターンと、前記基板の前記ランド用導体パターン領域内に形成され、該基板を電気部品配置面から前記フロー半田面まで貫通し溶融半田が毛管現象にて浸入し得る程度の大きさのスルーホールと、前記フロー半田により構成され前記フロー半田面から前記スルーホールを通し前記ランド用導体パターン表面に形成された半田層とから構成したところに特徴を有する。
【0014】
この構成の基板装置によれば、電気部品の端子がフロー半田付けされるときに、溶融状態のフロー半田が、基板のフロー半田面から前記スルーホールを毛管現象により上昇し、そしてランド用導体パターン表面上に広がり、これにより半田層がこのランド用導体パターン表面に形成される。このように、スルーホールを形成するといった簡単な構成で、電気部品の端子を半田付けするときに、ランド用導体パターンに半田層を形成でき、もって、製造コストの増加を抑えつつ、ランド用導体パターンの酸化腐食を防止できる。しかも、この半田層は、ランド用導体パターンのみならず、ランド用導体パターン表面からスルーホール内にまで固着された形態となるから、半田層がランド用導体パターンから剥がれにくいといった効果も奏する。
【0015】
この場合、前記スルーホールは、前記ランド用導体パターンの領域に複数あって、いずれも長円形もしくは楕円形をなし、夫々のスルーホールの長手方向の端部同士が接近するように形成しても良い(請求項2の発明)。これによれば、フロー半田処理においてスルーホールを上昇した溶融半田が確実にランド用導体パターン表面に半田層として形成される。
【0016】
すなわち、スルーホールが長円形もしくは楕円形をなす場合、当該スルーホールを上昇した溶融半田は長円形もしくは楕円形の曲率半径が小さい部分つまり端部からランド用導体パターン上に溢れやすい。従って、長円形もしくは楕円形をなす複数のスルーホールの夫々の端部が接近する上記請求項2によれば、接近する両端部間で溢れ出た半田が相手端部側へ延びて確実に結合するようになり、もって、フロー半田処理においてスルーホールを上昇した溶融半田が、ランド用導体パターン表面のみならず確実にスルーホール間におけるランド用導体パターン表面に半田層として形成される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、基板装置の外部接続用ランド部分での縦断側面図
【図2】基板装置をケースに組み込んだ状態で上方から見た斜視図
【図3】基板装置と外部接続端子とを下方から見た斜視図
【図4】外部接続用ランド部分を下方から見た斜視図
【図5】電気部品配置前及び半田層形成前の状態で示す基板の斜視図
【図6】ランド用導体パターン部分の斜視図
【図7】電気部品配置状態で且つ半田層形成前の状態で示す基板の斜視図
【図8】フロー半田処理を説明するための図
【図9】フロー半田処理後の外部接続用ランド部分の斜視図
【図10】本発明の第2の実施形態を示す図4相当図
【図11】図1相当図
【図12】図7相当図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図9を参照して説明する。図2において、電子機器1のケース2には、基板装置収容部3が形成されており、この基板装置収容部3には、基板装置4が上方から配置されている。前記ケース2には、ばね性を有する外部接続導体5が取り付けられており、前記基板装置4が基板装置収容部3に収容配置されたときに、該基板装置4が備えた外部接続用ランド12(後述する)がこの外部接続導体5と圧接状態に接触するようになっている。
【0019】
上記基板装置4について説明する。図1ないし図4において、この基板装置4の基板6は、一面を電気部品配置面6aとし、他面をフロー半田面6bとしている。そして、この基板6において、前記両面6a、6b間に、電気部品7、8の端子7a、8aを前記電気部品配置面6aからフロー半田面6bまで貫通させる端子貫通孔部9、10(図5参照)を有する構成である。この端子貫通孔部9、10におけるフロー半田面6b側には、図示しないが電気部品7、8の端子7a、8aと半田付けされる端子用ランド部が形成されている。
【0020】
前記電気部品7、8の端子7a、8aは基板6の電気部品配置面6aに配置され、端子7a、8aは、前記端子貫通孔部9、10に貫通されてフロー半田面6bに突出されており、この突出端部は後述するフロー半田により前記端子用ランド部と半田付けされている。
さらに、この基板6において前記電気部品配置面6aには、前記端子貫通孔部9、10を囲うように閉ループのGND用導体パターン11が形成されている。このGND用導体パターン11には、外部接続用ランド12が形成されている。
【0021】
この外部接続用ランド12は、図1ないし図6に示すように、ランド用導体パターン13と、スルーホール14A、14Bと、半田層15とを備えて構成されている。前記ランド用導体パターン13は、図5及び図6に示すように、前記GND用導体パターン11と一体に形成されており、この場合、それぞれほぼ長円形をなす第1のランドパターン部13aと第2のランドパターン部13bとを有すると共に、これら各ランドパターン部13aと13bとの間を繋ぐ繋ぎパターン部13cを有する。
【0022】
又、前記スルーホール14Aは、基板6の前記ランド用導体パターン13領域内のうち前記第1のランドパターン部13a領域内に、該基板6を電気部品配置面6aから前記フロー半田面6bまで貫通して形成されている。さらに、前記スルーホール14Bも、基板6の前記ランド用導体パターン13領域内のうち前記第2のランドパターン部13b領域内に、該基板6を電気部品配置面6aから前記フロー半田面6bまで貫通して形成されている。
【0023】
これらスルーホール14A、14Bは、図6に示すように、いずれも長円形をなし、夫々のスルーホール14A、14Bの長手方向の端部14A1、14B1同士が接近するように形成されている。さらに、これらスルーホール14A、14Bは、溶融半田が毛管現象にて浸入し得る程度の大きさ(幅寸法)に形成されている。
【0024】
前記半田層15は後述するフロー半田により構成されており、前記フロー半田面6から前記スルーホール14A、14Bを通し前記ランド用導体パターン13表面に形成されている。
【0025】
ここで、前記電気部品7、8の端子7a、8aの半田付け及び前記半田層15の形成手順について説明する。図5に示すように、基板6の電気部品配置面6aを上向きとし、そして図7に示すように、この電気部品配置面6aの各端子貫通孔部9、10に電気部品7、8の各端子7a、8aを貫通させた形態で、該電気部品7、8を電気部品配置面6aに配置し、この状態で、図8に示すように、フロー半田処理を行う。このフロー半田処理においては、基板6のフロー半田面6bを、図示しないフロー半田槽に収容された溶融状態のフロー半田16に浸す。
【0026】
これにより、電気部品7、8においてフロー半田面6bから突出する端子7a、8aがフロー半田16により、図示しない前記端子用ランド部と半田付けされる。これと同時に、溶融状態のフロー半田16が、基板6のフロー半田面6aから前記スルーホール14A、14Bを毛管現象により上昇し、該スルーホール14A、14B上端開口からランド用導体パターン13表面上に溢れ出て、広がる。
【0027】
この場合、スルーホール14A、14Bが長円形をなすから、当該スルーホール14A、14Bを上昇した溶融半田は長円形の曲率半径が小さい部分つまり端部14A1、14A2、14B1、14B2からランド用導体パターン13上に溢れやすい。そして、長円形をなすスルーホール14A、14Bの夫々の端部14A1、14B1が接近するから、この接近する両端部14A1、14B1間で溢れ出た半田16が繋ぎパターン13c上を相手端部側へ延びて確実に結合するようになる。さらに、各スルーホール14A、14Bの長手方向へ延びる側端部からも溶融フロー半田16が溢れ出るようになり、第1のランドパターン13a、第2のランドパターン13b上にも広がる。そして、このフロー半田16が冷却固化することにより、ランド用導体パターン13表面上に前記半田層15が形成される。そして、スルーホール14A、14Bにはこの半田層15と一体の半田充填部15aが形成される。
【0028】
上述のようにフロー半田処理された基板装置4の半田層15を下向きにして、図2に示すように、前記ケース2の基板装置収容部3に収容配置すると、外部接続用ランド12の半田層15が前記外部接続導体5に当接してこれを押し下げる。これにより、外部接続用ランド5が弾性変形して、自身のばね力により外部接続用ランド12と圧接する。
【0029】
このとき、図4に示すように、前記外部接続導体5は、前記外部接続用ランド12のうち、スルーホール14A、14Bの端部間の部分12a(繋ぎパターン13cの部分)に接触(接触する部分を5aで示している)するように形状及び長さなどが予め設定されている。
【0030】
上述したように本実施形態によれば、基板としてフロー半田により電気部品7、8の端子7a、8aが半田付けされる基板6を用い、この基板6の電気部品配置面6aに設けたランド用導体パターン13領域内に、スルーホール14A、14Bを形成するといった簡単な構成で、電気部品7、8の端子7a、8aを半田付けするときに、ランド用導体パターン13に半田層15を形成でき、もって、ランド用導体パターン13の酸化腐食を防止できると共に、製造コストの増加を抑えることができる。しかも、この半田層15は、ランド用導体パターン13のみならず、ランド用導体パターン13表面からスルーホール14A、14B内にまで固着された形態となるから、半田層13がランド用導体パターン13から剥がれにくいといった効果も奏する。
【0031】
又、本実施形態によれば、前記スルーホール14A、14Bが、前記ランド用導体パターン13の領域に複数あって、いずれも長円形をなし、夫々のスルーホール14A、14Bの長手方向の端部14A1、14B1同士が接近するように形成したから、フロー半田処理においてスルーホール14A、14Bを上昇した溶融半田がこれらスルーホール14A、14B間の繋ぎパターン13c表面で確実に半田層15として形成させることができる。
【0032】
すなわち、スルーホール14A、14Bが上述の長円形をなす場合、当該スルーホール14A、14Bを上昇した溶融半田は長円形の曲率半径が小さい部分つまり端部14A1、14A2、14B1、14B2からランド用導体パターン13上に溢れやすい。従って、長円形をなす複数のスルーホール14A、14Bの夫々の端部14A1、14B1が接近する本実施形態によれば、接近する両端部14A1、14B1間で溢れ出た半田が相手端部側へ延びて確実に結合するようになり、もって、フロー半田処理においてスルーホール14A、14Bを上昇した溶融半田が、スルーホール14A、14B間の繋ぎパターン13c上に半田層15として確実に形成されるようになる。そして、その後、スルーホール14A周囲の第1のランドパターン13a表面及びスルーホール14B周囲の第2のランドパターン13bにも溶融半田が広がり、ランド用導体パターン13表面全体に半田層15が形成される。
【0033】
ところで、フロー半田16をスルーホール14A、14Bを介してランド用導体パターン13上に溢れ出して半田層15を形成する場合には、スルーホール14A、14B部分で、溶融半田が冷却固化する際に半田に肉引け(凹み)が発生することがある。このため、前記外部接続導体板5を外部接続用ランド12におけるスルーホール14A、14B部分のみで接触させると、接触信頼性が低くて導通が不確実となるおそれがある。
【0034】
この点、本実施形態によれば、前記外部接続導体板5を、前記外部接続用ランド12においてスルーホール14A、14Bの近接する端部14A1、14B1間の部分12aつまり肉引けの無い部分で該外部接続用ランド12に接触させた構成としたから、外部接続用ランド12と外部接続導体板5との確実な導通を図ることができる。しかも該部分12aの半田層15は基板6上にあるから、外部接続導体板5のばね力(圧接力)で半田層15が陥没したりすることもない。
【0035】
なお、上記第1の実施形態では、スルーホール14A、14Bを長円形に形成したが、楕円形に形成しても良い。
次に、本発明の第2の実施形態について図10ないし図12を参照して説明する。この第2の実施形態においては、外部接続用ランド20のランド用導体パターン21はほぼ正方形状をなし、このランド用導体パターン21の領域内に3つのスルーホール22A、22B、22Cが形成されている。これらスルーホール22A、22B、22Cは、いずれも長円形をなし、夫々のスルーホール22A、22B、22Cを長手方向に延びる縁部が略平行をなして近接するように形成している。
【0036】
そして、この外部接続用ランド20の半田層23も、前述のフロー半田処理によりランド用導体パターン21表面に形成されている。このフロー半田処理において、長円形をなす各スルーホール22A、22B、22Cを上昇した溶融半田は、前述したように、各スルーホール22A、22B、22Cの端部から溢れやすいものであるが、各スルーホール22A、22B、22Cの長手方向に延びる縁部からも溢れるものである。この場合、この第2の実施形態においては、各スルーホール22A、22B、22Cを長手方向に延びる縁部が略平行をなして近接するように形成したから、隣り合うスルーホール22A、22B、22Cの各縁部間で半田が結合して広範囲の半田層23を形成することが可能であり、従って、ランド用導体パターン21をこの実施形態のように広く形成したい場合に好適する。
【0037】
そして、この第2の実施形態においては、前記外部接続導体板5を、前記外部接続用ランド20において前記複数のスルーホール22A、22B、22Cに跨る形態で接触させる構成としている。この構成によれば、外部接続導体板5を、外部接続用ランド20において肉引けのない複数の各スルーホール22A、22B、22C間の部分20a、20bの半田層23に確実に接触させることができ、しかも該部分20a、20bの半田層23は基板6上にあるから、外部接続導体板5のばね力で半田層23が陥没したりすることもなく、総じて、この第2の実施形態においても、外部接続用ランド20と外部接続導体板5との確実な導通を図ることができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、スルーホールは一つ設ける構成でも良いなど、種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0038】
図面中、1は電子機器、2はケース、3は基板収容部、4は基板装置、5は外部接続導体、6は基板、6aは電気部品配置面、6bはフロー半田面、7、8は電気部品、7a、8aは端子、9、10は端子貫通孔部、11はGND導体パターン、12は外部接続用ランド、13はランド用導体パターン、14A、14Bはスルーホール、15は半田層、20は外部接続用ランド、21はランド用導体パターン、22A、22B、22Cはスルーホール、23は半田層を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばね性を有する外部接続導体板と接触導通される外部接続用ランドを備えた基板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気部品を実装した基板装置では、基板に導体パターンからなる外部接続用ランドを設け、この外部接続用ランドを外部回路端子と接続するようにしたものがある。このものでは、ワイヤーを該外部回路端子と前記外部接続用のランドとに半田付けすることにより両者を導通接続するようにしていた。
【0003】
ところがこの場合、上述のワイヤーの一端部及び他端部をそれぞれ前記外部回路端子及び前記外部接続用ランドに半田付けしなければならず、この半田付け作業が非常に面倒であった。
これに対する改善策として、外部回路端子に、ばね性を有する金属製導体板からなる外部接続導体板の一端を接続しておき、この外部接続導体板の他端側を前記基板の前記外部接続用ランドに前記ばね力をもって圧接状態に接触させる構成がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−149862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のばね性を有する外部接続導体板を前記基板の前記外部接続用ランドにばね力をもって圧接状態に接触させる構成によれば、ワイヤー半田付けの面倒は解消されるものの、外部接続用ランドの導体パターンが露出する形態となることから、酸化腐食の問題が残り、ランドと外部接続導体板との導通不良を起すおそれがある。
これを改善するために、上記導体パターン表面に半田層を形成することを考えているが、この場合、半田層形成設備や形成工程が増えてしまうと、製造コストが高くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ランド用導体パターンの酸化腐食を防止できると共に、製造コストの増加を抑えることができる基板装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は次に点に着目してなされている。本発明者は、ランド用導体パターン表面に半田層を形成するについて、種々の半田付けの手法を検討してみた。すなわち、基板に半田付けを行う手法としては、一般的には半田ごてを用いて手作業で行う手法が知られているが、このような手作業で半田層を形成するには、時間がかかり、実用的ではない。
【0008】
他の半田付けの手法としては、工業的手法があり、これは、大きく分けてリフロー半田とフロー半田とがある。
上記リフロー半田は、基板上に半田ペースト(半田の粉末にフラックスを加えて、適当な粘度にしたもの)を印刷し、その上に電気部品を載せてから熱を加えて半田を溶かす手法である。
【0009】
又、前記フロー半田は、基板の一面を電気部品配置面とし他面をフロー半田面とし、且つ該基板に、前記電気部品配置面からフロー半田面まで貫通する端子孔部を形成しておき、電気部品を、基板の電気部品配置面に電気部品を配置すると共に、該電気部品の端子を前記端子孔部に貫通させておき、この状態で、基板のフロー半田面を、半田槽に溶かしておいた半田の表層に浸すことによって、半田付けを行う手法である。
【0010】
前記リフロー半田の手法により外部接続のためのランド用導体パターンに半田層を形成するには、ランド用導体パターン上に、該パターンと同形状の半田ペーストの印刷パターンを製作することが必要であるため、印刷パターンの形状設定も面倒で、しかも主回路印刷パターンに、半田層形成のための印刷パターンを付加した全体印刷パターンを設計し直す面倒もあり、さらには、ランド用導体パターン表面に半田ペーストを加熱し冷却して形成した半田層は剥がれやすいという問題もある。
【0011】
これに対して、前記フロー半田といった手法の場合、基板のフロー半田面にしか、半田槽の溶融半田が浸されず、このままでは、フロー半田面と反対側の電気部品配置面に形成されたランド用導体パターンに半田層を形成できない。
【0012】
そこで本発明者は、なんとか、半田槽の溶融半田をフロー半田面と反対側の電気部品配置面に誘導できないかを模索し、その結果、前記ランド用導体パターン領域内に、該基板を電気部品配置面からフロー半田面まで貫通し溶融半田が毛管現象にて浸入し得る程度の大きさのスルーホールを形成すれば、フロー半田を前記ランド用導体パターン表面に半田層を形成できることを見出した。
【0013】
上述の調査結果を考慮してなされた請求項1の基板装置は、前記基板を、一面を電気部品配置面とし他面をフロー半田面とし、且つ両面間に前記電気部品の端子を前記電気部品配置面からフロー半田面まで貫通させる端子貫通孔部を有する構成とし、前記電気部品を前記電気部品配置面に配置しその端子を前記端子挿通孔部を貫通させて前記フロー半田面でフロー半田付けし、前記外部接続用ランドを、前記基板の電気部品配置面に形成したランド用導体パターンと、前記基板の前記ランド用導体パターン領域内に形成され、該基板を電気部品配置面から前記フロー半田面まで貫通し溶融半田が毛管現象にて浸入し得る程度の大きさのスルーホールと、前記フロー半田により構成され前記フロー半田面から前記スルーホールを通し前記ランド用導体パターン表面に形成された半田層とから構成したところに特徴を有する。
【0014】
この構成の基板装置によれば、電気部品の端子がフロー半田付けされるときに、溶融状態のフロー半田が、基板のフロー半田面から前記スルーホールを毛管現象により上昇し、そしてランド用導体パターン表面上に広がり、これにより半田層がこのランド用導体パターン表面に形成される。このように、スルーホールを形成するといった簡単な構成で、電気部品の端子を半田付けするときに、ランド用導体パターンに半田層を形成でき、もって、製造コストの増加を抑えつつ、ランド用導体パターンの酸化腐食を防止できる。しかも、この半田層は、ランド用導体パターンのみならず、ランド用導体パターン表面からスルーホール内にまで固着された形態となるから、半田層がランド用導体パターンから剥がれにくいといった効果も奏する。
【0015】
この場合、前記スルーホールは、前記ランド用導体パターンの領域に複数あって、いずれも長円形もしくは楕円形をなし、夫々のスルーホールの長手方向の端部同士が接近するように形成しても良い(請求項2の発明)。これによれば、フロー半田処理においてスルーホールを上昇した溶融半田が確実にランド用導体パターン表面に半田層として形成される。
【0016】
すなわち、スルーホールが長円形もしくは楕円形をなす場合、当該スルーホールを上昇した溶融半田は長円形もしくは楕円形の曲率半径が小さい部分つまり端部からランド用導体パターン上に溢れやすい。従って、長円形もしくは楕円形をなす複数のスルーホールの夫々の端部が接近する上記請求項2によれば、接近する両端部間で溢れ出た半田が相手端部側へ延びて確実に結合するようになり、もって、フロー半田処理においてスルーホールを上昇した溶融半田が、ランド用導体パターン表面のみならず確実にスルーホール間におけるランド用導体パターン表面に半田層として形成される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、基板装置の外部接続用ランド部分での縦断側面図
【図2】基板装置をケースに組み込んだ状態で上方から見た斜視図
【図3】基板装置と外部接続端子とを下方から見た斜視図
【図4】外部接続用ランド部分を下方から見た斜視図
【図5】電気部品配置前及び半田層形成前の状態で示す基板の斜視図
【図6】ランド用導体パターン部分の斜視図
【図7】電気部品配置状態で且つ半田層形成前の状態で示す基板の斜視図
【図8】フロー半田処理を説明するための図
【図9】フロー半田処理後の外部接続用ランド部分の斜視図
【図10】本発明の第2の実施形態を示す図4相当図
【図11】図1相当図
【図12】図7相当図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図9を参照して説明する。図2において、電子機器1のケース2には、基板装置収容部3が形成されており、この基板装置収容部3には、基板装置4が上方から配置されている。前記ケース2には、ばね性を有する外部接続導体5が取り付けられており、前記基板装置4が基板装置収容部3に収容配置されたときに、該基板装置4が備えた外部接続用ランド12(後述する)がこの外部接続導体5と圧接状態に接触するようになっている。
【0019】
上記基板装置4について説明する。図1ないし図4において、この基板装置4の基板6は、一面を電気部品配置面6aとし、他面をフロー半田面6bとしている。そして、この基板6において、前記両面6a、6b間に、電気部品7、8の端子7a、8aを前記電気部品配置面6aからフロー半田面6bまで貫通させる端子貫通孔部9、10(図5参照)を有する構成である。この端子貫通孔部9、10におけるフロー半田面6b側には、図示しないが電気部品7、8の端子7a、8aと半田付けされる端子用ランド部が形成されている。
【0020】
前記電気部品7、8の端子7a、8aは基板6の電気部品配置面6aに配置され、端子7a、8aは、前記端子貫通孔部9、10に貫通されてフロー半田面6bに突出されており、この突出端部は後述するフロー半田により前記端子用ランド部と半田付けされている。
さらに、この基板6において前記電気部品配置面6aには、前記端子貫通孔部9、10を囲うように閉ループのGND用導体パターン11が形成されている。このGND用導体パターン11には、外部接続用ランド12が形成されている。
【0021】
この外部接続用ランド12は、図1ないし図6に示すように、ランド用導体パターン13と、スルーホール14A、14Bと、半田層15とを備えて構成されている。前記ランド用導体パターン13は、図5及び図6に示すように、前記GND用導体パターン11と一体に形成されており、この場合、それぞれほぼ長円形をなす第1のランドパターン部13aと第2のランドパターン部13bとを有すると共に、これら各ランドパターン部13aと13bとの間を繋ぐ繋ぎパターン部13cを有する。
【0022】
又、前記スルーホール14Aは、基板6の前記ランド用導体パターン13領域内のうち前記第1のランドパターン部13a領域内に、該基板6を電気部品配置面6aから前記フロー半田面6bまで貫通して形成されている。さらに、前記スルーホール14Bも、基板6の前記ランド用導体パターン13領域内のうち前記第2のランドパターン部13b領域内に、該基板6を電気部品配置面6aから前記フロー半田面6bまで貫通して形成されている。
【0023】
これらスルーホール14A、14Bは、図6に示すように、いずれも長円形をなし、夫々のスルーホール14A、14Bの長手方向の端部14A1、14B1同士が接近するように形成されている。さらに、これらスルーホール14A、14Bは、溶融半田が毛管現象にて浸入し得る程度の大きさ(幅寸法)に形成されている。
【0024】
前記半田層15は後述するフロー半田により構成されており、前記フロー半田面6から前記スルーホール14A、14Bを通し前記ランド用導体パターン13表面に形成されている。
【0025】
ここで、前記電気部品7、8の端子7a、8aの半田付け及び前記半田層15の形成手順について説明する。図5に示すように、基板6の電気部品配置面6aを上向きとし、そして図7に示すように、この電気部品配置面6aの各端子貫通孔部9、10に電気部品7、8の各端子7a、8aを貫通させた形態で、該電気部品7、8を電気部品配置面6aに配置し、この状態で、図8に示すように、フロー半田処理を行う。このフロー半田処理においては、基板6のフロー半田面6bを、図示しないフロー半田槽に収容された溶融状態のフロー半田16に浸す。
【0026】
これにより、電気部品7、8においてフロー半田面6bから突出する端子7a、8aがフロー半田16により、図示しない前記端子用ランド部と半田付けされる。これと同時に、溶融状態のフロー半田16が、基板6のフロー半田面6aから前記スルーホール14A、14Bを毛管現象により上昇し、該スルーホール14A、14B上端開口からランド用導体パターン13表面上に溢れ出て、広がる。
【0027】
この場合、スルーホール14A、14Bが長円形をなすから、当該スルーホール14A、14Bを上昇した溶融半田は長円形の曲率半径が小さい部分つまり端部14A1、14A2、14B1、14B2からランド用導体パターン13上に溢れやすい。そして、長円形をなすスルーホール14A、14Bの夫々の端部14A1、14B1が接近するから、この接近する両端部14A1、14B1間で溢れ出た半田16が繋ぎパターン13c上を相手端部側へ延びて確実に結合するようになる。さらに、各スルーホール14A、14Bの長手方向へ延びる側端部からも溶融フロー半田16が溢れ出るようになり、第1のランドパターン13a、第2のランドパターン13b上にも広がる。そして、このフロー半田16が冷却固化することにより、ランド用導体パターン13表面上に前記半田層15が形成される。そして、スルーホール14A、14Bにはこの半田層15と一体の半田充填部15aが形成される。
【0028】
上述のようにフロー半田処理された基板装置4の半田層15を下向きにして、図2に示すように、前記ケース2の基板装置収容部3に収容配置すると、外部接続用ランド12の半田層15が前記外部接続導体5に当接してこれを押し下げる。これにより、外部接続用ランド5が弾性変形して、自身のばね力により外部接続用ランド12と圧接する。
【0029】
このとき、図4に示すように、前記外部接続導体5は、前記外部接続用ランド12のうち、スルーホール14A、14Bの端部間の部分12a(繋ぎパターン13cの部分)に接触(接触する部分を5aで示している)するように形状及び長さなどが予め設定されている。
【0030】
上述したように本実施形態によれば、基板としてフロー半田により電気部品7、8の端子7a、8aが半田付けされる基板6を用い、この基板6の電気部品配置面6aに設けたランド用導体パターン13領域内に、スルーホール14A、14Bを形成するといった簡単な構成で、電気部品7、8の端子7a、8aを半田付けするときに、ランド用導体パターン13に半田層15を形成でき、もって、ランド用導体パターン13の酸化腐食を防止できると共に、製造コストの増加を抑えることができる。しかも、この半田層15は、ランド用導体パターン13のみならず、ランド用導体パターン13表面からスルーホール14A、14B内にまで固着された形態となるから、半田層13がランド用導体パターン13から剥がれにくいといった効果も奏する。
【0031】
又、本実施形態によれば、前記スルーホール14A、14Bが、前記ランド用導体パターン13の領域に複数あって、いずれも長円形をなし、夫々のスルーホール14A、14Bの長手方向の端部14A1、14B1同士が接近するように形成したから、フロー半田処理においてスルーホール14A、14Bを上昇した溶融半田がこれらスルーホール14A、14B間の繋ぎパターン13c表面で確実に半田層15として形成させることができる。
【0032】
すなわち、スルーホール14A、14Bが上述の長円形をなす場合、当該スルーホール14A、14Bを上昇した溶融半田は長円形の曲率半径が小さい部分つまり端部14A1、14A2、14B1、14B2からランド用導体パターン13上に溢れやすい。従って、長円形をなす複数のスルーホール14A、14Bの夫々の端部14A1、14B1が接近する本実施形態によれば、接近する両端部14A1、14B1間で溢れ出た半田が相手端部側へ延びて確実に結合するようになり、もって、フロー半田処理においてスルーホール14A、14Bを上昇した溶融半田が、スルーホール14A、14B間の繋ぎパターン13c上に半田層15として確実に形成されるようになる。そして、その後、スルーホール14A周囲の第1のランドパターン13a表面及びスルーホール14B周囲の第2のランドパターン13bにも溶融半田が広がり、ランド用導体パターン13表面全体に半田層15が形成される。
【0033】
ところで、フロー半田16をスルーホール14A、14Bを介してランド用導体パターン13上に溢れ出して半田層15を形成する場合には、スルーホール14A、14B部分で、溶融半田が冷却固化する際に半田に肉引け(凹み)が発生することがある。このため、前記外部接続導体板5を外部接続用ランド12におけるスルーホール14A、14B部分のみで接触させると、接触信頼性が低くて導通が不確実となるおそれがある。
【0034】
この点、本実施形態によれば、前記外部接続導体板5を、前記外部接続用ランド12においてスルーホール14A、14Bの近接する端部14A1、14B1間の部分12aつまり肉引けの無い部分で該外部接続用ランド12に接触させた構成としたから、外部接続用ランド12と外部接続導体板5との確実な導通を図ることができる。しかも該部分12aの半田層15は基板6上にあるから、外部接続導体板5のばね力(圧接力)で半田層15が陥没したりすることもない。
【0035】
なお、上記第1の実施形態では、スルーホール14A、14Bを長円形に形成したが、楕円形に形成しても良い。
次に、本発明の第2の実施形態について図10ないし図12を参照して説明する。この第2の実施形態においては、外部接続用ランド20のランド用導体パターン21はほぼ正方形状をなし、このランド用導体パターン21の領域内に3つのスルーホール22A、22B、22Cが形成されている。これらスルーホール22A、22B、22Cは、いずれも長円形をなし、夫々のスルーホール22A、22B、22Cを長手方向に延びる縁部が略平行をなして近接するように形成している。
【0036】
そして、この外部接続用ランド20の半田層23も、前述のフロー半田処理によりランド用導体パターン21表面に形成されている。このフロー半田処理において、長円形をなす各スルーホール22A、22B、22Cを上昇した溶融半田は、前述したように、各スルーホール22A、22B、22Cの端部から溢れやすいものであるが、各スルーホール22A、22B、22Cの長手方向に延びる縁部からも溢れるものである。この場合、この第2の実施形態においては、各スルーホール22A、22B、22Cを長手方向に延びる縁部が略平行をなして近接するように形成したから、隣り合うスルーホール22A、22B、22Cの各縁部間で半田が結合して広範囲の半田層23を形成することが可能であり、従って、ランド用導体パターン21をこの実施形態のように広く形成したい場合に好適する。
【0037】
そして、この第2の実施形態においては、前記外部接続導体板5を、前記外部接続用ランド20において前記複数のスルーホール22A、22B、22Cに跨る形態で接触させる構成としている。この構成によれば、外部接続導体板5を、外部接続用ランド20において肉引けのない複数の各スルーホール22A、22B、22C間の部分20a、20bの半田層23に確実に接触させることができ、しかも該部分20a、20bの半田層23は基板6上にあるから、外部接続導体板5のばね力で半田層23が陥没したりすることもなく、総じて、この第2の実施形態においても、外部接続用ランド20と外部接続導体板5との確実な導通を図ることができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、スルーホールは一つ設ける構成でも良いなど、種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0038】
図面中、1は電子機器、2はケース、3は基板収容部、4は基板装置、5は外部接続導体、6は基板、6aは電気部品配置面、6bはフロー半田面、7、8は電気部品、7a、8aは端子、9、10は端子貫通孔部、11はGND導体パターン、12は外部接続用ランド、13はランド用導体パターン、14A、14Bはスルーホール、15は半田層、20は外部接続用ランド、21はランド用導体パターン、22A、22B、22Cはスルーホール、23は半田層を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に、電気部品が実装されると共に、外部接続導体板と接触導通される外部接続用ランドを備えた基板装置であって、
前記基板を、一面を電気部品配置面とし他面をフロー半田面とし、且つ両面間に前記電気部品の端子を前記電気部品配置面からフロー半田面まで貫通させる端子貫通孔部を有する構成とし、
前記電気部品を、前記電気部品配置面に配置しその端子を前記端子挿通孔部を貫通させて前記フロー半田面でフロー半田付けし、
前記外部接続用ランドを、
前記基板の電気部品配置面に形成したランド用導体パターンと、
前記基板の前記ランド用導体パターン領域内に形成され、該基板を電気部品配置面から前記フロー半田面まで貫通し溶融半田が毛管現象にて浸入し得る程度の大きさのスルーホールと、
前記フロー半田により構成され前記フロー半田面から前記スルーホールを通し前記ランド用導体パターン表面に形成された半田層とから構成したことを特徴とする基板装置。
【請求項2】
前記スルーホールは、前記ランド用導体パターンの領域に複数あって、いずれも長円形もしくは楕円形をなし、夫々のスルーホールの長手方向の端部同士が接近するように形成したことを特徴とする請求項1に記載の基板装置。
【請求項1】
基板に、電気部品が実装されると共に、外部接続導体板と接触導通される外部接続用ランドを備えた基板装置であって、
前記基板を、一面を電気部品配置面とし他面をフロー半田面とし、且つ両面間に前記電気部品の端子を前記電気部品配置面からフロー半田面まで貫通させる端子貫通孔部を有する構成とし、
前記電気部品を、前記電気部品配置面に配置しその端子を前記端子挿通孔部を貫通させて前記フロー半田面でフロー半田付けし、
前記外部接続用ランドを、
前記基板の電気部品配置面に形成したランド用導体パターンと、
前記基板の前記ランド用導体パターン領域内に形成され、該基板を電気部品配置面から前記フロー半田面まで貫通し溶融半田が毛管現象にて浸入し得る程度の大きさのスルーホールと、
前記フロー半田により構成され前記フロー半田面から前記スルーホールを通し前記ランド用導体パターン表面に形成された半田層とから構成したことを特徴とする基板装置。
【請求項2】
前記スルーホールは、前記ランド用導体パターンの領域に複数あって、いずれも長円形もしくは楕円形をなし、夫々のスルーホールの長手方向の端部同士が接近するように形成したことを特徴とする請求項1に記載の基板装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−3711(P2011−3711A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145330(P2009−145330)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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