基礎杭と建造物の支柱との接合構造およびそれに使用する基礎杭
【課題】基礎杭が所定位置よりも芯ズレして埋設されても、建造物の支柱を芯ズレを調整しつつ前記基礎杭に接合することができると共に、前記基礎杭が螺旋杭の場合であっても、前記支柱に角柱を使用したときに、前記支柱の所定面を揃えることができるように、前記支柱の周方向における角度位置の調整を行うことができる基礎杭と建造物の支柱との接合構造およびそれに使用する基礎杭を提供することを目的とする。
【解決手段】杭頭部に建造物の支柱20を締結固定する基板16を備える基礎杭10であって、前記基板16は複数の長孔16aを備え、該長孔16aと前記建造物の支柱10下部に取り付けた取付板22に設けた長孔22aとにより、前記各長孔16a、22aの重合範囲において、前記基礎杭10と前記支柱20との芯ズレ調整を行い、前記基板16と前記取付板22を締結部材にて固定するよう構成した。
【解決手段】杭頭部に建造物の支柱20を締結固定する基板16を備える基礎杭10であって、前記基板16は複数の長孔16aを備え、該長孔16aと前記建造物の支柱10下部に取り付けた取付板22に設けた長孔22aとにより、前記各長孔16a、22aの重合範囲において、前記基礎杭10と前記支柱20との芯ズレ調整を行い、前記基板16と前記取付板22を締結部材にて固定するよう構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば農業用温室や農業用ハウス等の比較的軽量の建造物の基礎工事に使用される基礎杭と前記建造物の支柱とを接合する基礎杭と建造物の支柱との接合構造およびそれに使用する基礎杭に関するものであり、より詳細には、特に基礎杭として螺旋杭を使用した場合の基礎杭と建造物の支柱との接合構造およびそれに使用する基礎杭に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建造物を建築する際に、その建造物の基礎として杭を地中に打ち込み、その上にコンクリートを打設して基礎として建造物の支柱を立設したり、或いは、建造物が比較的軽量である場合等は、前記杭頭部に建造物の支柱を直接接合して建造物の支柱を立設することがある。
【0003】
前記の場合において、特に基礎杭の杭頭部に建造物の支柱を直接接合して建造物の支柱を立設するときは、基礎杭の打ち込み位置を前記建造物の複数の支柱位置と整合させる必要が生じる。
【0004】
しかしながら、全ての基礎杭を前記建造物の複数の支柱位置と整合させて打ち込むことは困難であり、前記基礎杭が地中に打ち込まれる際に、所定の場所から多少の芯ずれを起こした状態で打ち込まれる場合がある。
【0005】
このような問題を解決するために、例えば、特開2005−282142号に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造が提案されている。前記の基礎杭と建造物の支柱との接合構造は、地面に打ち込まれた基礎杭の杭頭天面高さ位置から所定の寸法下方の位置において、基礎杭の内部に内プレートが、基礎杭の外周側に環状板がそれぞれ設置され、基礎杭の杭頭内部に第1のモルタル又はコンクリートが打設され、該モルタル又はコンクリートにアンカーが植設され、該アンカーで支柱のベースプレートがジョイントされており、アンカージョイント部の周囲に、外鋼管が基礎杭と支柱にわたるように設置され、外鋼管の内部に第2のモルタル又はコンクリートが打設されて基礎杭と支柱が固定され、基礎杭の芯ずれを基礎杭と支柱のジョイント部で調節できるように構成されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−282142号公報
【0007】
しかしながら、前記の接合構造の場合は、一旦、杭頭内部に第1のモルタル又はコンクリートが打設してから、支柱を接合するためのアンカーを植設するため、施工が複雑で非常に時間の掛かるものとなる。
【0008】
他方において、前記基礎杭として螺旋杭を使用する場合がある。該螺旋杭は、回転させながら圧入して地中に埋設するため、前記基礎杭の杭頭部を所定の地上高を残して埋設する場合においては、前記基礎杭の杭頭の周方向の角度位置を所望の位置とすることができない。したがって、例えば、前記基礎杭の杭頭に予め所定位置にボルト孔を開設した基板を設けて、建造物の支柱下端に設けた取付板と締結固定する場合においては、前記建造物の支柱に角柱を使用したときに、前記支柱の所定面を揃えることができるように、前記支柱の周方向における角度位置の調整を行うことができないこととなる。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、基礎杭が所定位置よりも芯ズレして埋設されても、建造物の支柱を芯ズレを調整しつつ前記基礎杭に接合することができると共に、前記基礎杭が螺旋杭の場合であっても、前記支柱に角柱を使用したときに、前記支柱の所定面を揃えることができるように、前記支柱の周方向における角度位置の調整を行うことができる基礎杭と建造物の支柱との接合構造およびそれに使用する基礎杭を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造は、杭頭部に建造物の支柱を締結固定する基板を備える基礎杭であって、前記基板は複数の長孔を備え、該長孔と前記建造物の支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔とにより、前記各長孔の重合範囲において、前記基礎杭と前記支柱との芯ズレ調整を行い、前記基板と前記取付板を締結部材にて固定してなることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造にあっては、基礎杭の基板に複数の長孔が開設されているので、支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔と重合する範囲において、芯ズレ調整を行って、締結固定することができ、前記基礎杭が芯ズレを起こして埋設された場合であっても、前記基礎杭に接合される建造物の支柱は、所望位置にて立設することができる。
【0012】
請求項2に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造は、請求項1に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造において、前記基板に設けられた長孔は、前記基礎杭の径方向中心から伸びる放射線上に沿って開設されてなることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造にあっては、前記基板に複数開設される長孔が、比較的容易な配置にて開設されることができ、かつ、前後左右および周方向における角度位置の調整を好適に行うことができる。
【0014】
請求項3に記載の基礎杭は、杭頭部に建造物の支柱を締結固定する基板を備える基礎杭であって、前記基板は複数の長孔を備え、該長孔と前記建造物の支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔とにより、前記各長孔の重合範囲において、前記基礎杭と前記支柱との芯ズレ調整を行い、前記基板と前記取付板を締結部材にて固定すべくなしてあることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の基礎杭にあっては、基礎杭の基板に複数の長孔が開設されているので、支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔と重合する範囲において、芯ズレ調整を行って、締結固定することができ、前記基礎杭が芯ズレを起こして埋設された場合であっても、前記基礎杭に接合される建造物の支柱は、所望位置にて立設することができる。
【0016】
請求項4に記載の基礎杭は、請求項3記載の基礎杭において、前記基板に設けられた長孔は、前記基礎杭の径方向中心から伸びる放射線上に沿って開設されてなることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の基礎杭にあっては、前記基板に複数開設される長孔が、比較的容易な配置にて開設されることができ、かつ、前後左右および周方向における角度位置の調整を好適に行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造によれば、杭頭部に建造物の支柱を締結固定する基板を備える基礎杭であって、前記基板は複数の長孔を備え、該長孔と前記建造物の支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔とにより、前記各長孔の重合範囲において、前記基礎杭と前記支柱との芯ズレ調整を行い、前記基板と前記取付板を締結部材にて固定しているので、前記基礎杭が芯ズレを起こして埋設された場合であっても、前記基礎杭に接合される建造物の支柱は、所望位置にて立設することができる。
【0019】
請求項2に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造によれば、請求項1に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造において、前記基板に設けられた長孔は、前記基礎杭の径方向中心から伸びる放射線上に沿って開設されているので、前記基板に複数開設される長孔が比較的容易な配置にて開設されることができ、かつ、前後左右および周方向における角度位置の調整を好適に行うことができる。
【0020】
請求項3に記載の基礎杭によれば、杭頭部に建造物の支柱を締結固定する基板を備える基礎杭であって、前記基板は複数の長孔を備え、該長孔と前記建造物の支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔とにより、前記各長孔の重合範囲において、前記基礎杭と前記支柱との芯ズレ調整を行い、前記基板と前記取付板を締結部材にて固定すべくなしてあるので、前記基礎杭が芯ズレを起こして埋設された場合であっても、前記基礎杭に接合される建造物の支柱は、所望位置にて立設することができる。
【0021】
請求項4に記載の基礎杭によれば、請求項3記載の基礎杭において、前記基板に設けられた長孔は、前記基礎杭の径方向中心から伸びる放射線上に沿って開設されてなるので、前記基板に複数開設される長孔が、比較的容易な配置にて開設されることができ、かつ、前後左右および周方向における角度位置の調整を好適に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0023】
図1乃至図5は本発明にかかる基礎杭を示し、図1(a)は基礎杭の正面図、(b)は側面図である。図2は基礎杭の水平安定翼の横断面図であり、図3は、同分解断面図である。図4は基礎杭の平面図であり、図5は基礎杭の上部斜視図である。
【0024】
図1乃至図5において、10は本発明にかかる基礎杭である。該基礎杭10は、円筒形の鋼管から形成される杭本体11の先端部に先鋭状の掘削部材12を設けており、更に前記杭本体11の下半身外周には螺旋状リブ13を取り付けている。前記杭本体11の上方には、水平安定翼14が前記杭本体11に対し回動自在に取り付けられている。該水平安定翼14の上部には、前記水平安定翼14の軸方向移動を制限するための環状の移動阻止環15が前記杭本体外周に溶接固定されている。そして、前記杭本体11の頭部には、建造物の支柱を締結固定するための基板16が溶接固定されている。
【0025】
前記水平安定翼14は、正面視において略台形状の金属製フィンを4枚、前記杭本体11の径方向外方に突設したものであり、図2および図3に示すように、前記水平安定翼14は、半円弧状の軸部に2枚の金属製フィンを直角に取り付けて形成される部材14aと、該部材14aと対称となるべく形成された部材14bとを、前記各軸部で前記杭本体11を外嵌した状態で、ボルトBとナットNによって締結したものであり、前記軸部の内径は前記杭本体11の外径よりも径大に形成している。
【0026】
図4および図5に示すように、前記基板16は、平面視において正八角形状となるべく、金属製板材から形成されており、該基板16には、中心から放射線状に等間隔を隔てて10個の長孔16aが開設されている。すなわち、前記長孔16a、16a・・は、それぞれ36°の間隔(図中矢印Aの範囲)を隔てて開設されているのである。
【0027】
図6は建造物の支柱を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は基板16と締結固定した状態の正面図である。図中21は、金属製の中空角材からなる支柱本体であり、該支柱本体21の下端には角形の取付板22が溶接固定されている。該取付板22には、締結部材であるボルトBを挿通する長孔22aが2条開設されている。
【0028】
図7は基礎杭の基板と支柱との接合構造を示す分解斜視図である。前記基礎杭10と前記支柱20とは締結部材たるボルトBとナットNにより固定されるのであるが、締結固定する際は、前記基板16の長孔16aと、前記取付板22の長孔22aとを重合させて、両者の重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結している。したがって、前記支柱20は前記基礎杭10に対して、前記長孔16a、22aの重合する範囲において、前後左右方向および周方向の角度位置の調整が可能となるのである。
【0029】
図8乃至図10は、基板と支柱との接合構造における芯ズレ調整の例を示す横断面図である。なお、図8乃至図10において、図中10Sは前記基板16(したがって、前記基礎杭10)の中心位置を示し、20Sは前記支柱20の中心位置を示している。
【0030】
図8は、基礎杭が周方向において正位置にある場合の芯ズレ調整の例を示す横断面図であり、(a)は、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときの接合状態を示す横断面図である。図8(a)に示すように、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときは、前記取付板22は前記基板16の中央に載置して、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0031】
図8(b)は、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、図8(b)に示すように、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときは、前記取付板22は前記基板16の図における上方に変位して載置して、芯ズレを調整した後に、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0032】
図8(c)は、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、図8(c)に示すように、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときは、前記取付板22は前記基板16の図における右方に変位して載置して、芯ズレを調整した後に、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0033】
図9は、基礎杭が周方向において30°変位した場合の芯ズレ調整の例を示す横断面図であり、(a)は、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときの接合状態を示す横断面図である。図8(a)に示すように、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときは、前記取付板22は前記基板16の中央において、30°の角度調整を行い回動して載置し、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0034】
図9(b)は、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、図9(b)に示すように、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときは、前記取付板22を前記基板16の図における上方に変位しつつて、30°回動して角度調整を行って載置し、芯ズレおよび角度調整した後に、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0035】
図9(c)は、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、図9(c)に示すように、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときは、前記取付板22を前記基板16の図における右方に変位しつつて、30°回動して角度調整を行って載置し、芯ズレおよび角度調整した後に、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0036】
図10は、基礎杭が周方向において45°変位した場合の芯ズレ調整の例を示す横断面図であり、(a)は、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときの接合状態を示す横断面図である。図10(a)に示すように、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときは、前記取付板22は前記基板16の中央において、45°の角度調整を行い回動して載置し、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0037】
図10(b)は、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、図10(b)に示すように、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときは、前記取付板22を前記基板16の図における上方に変位しつつて、45°回動して角度調整を行って載置し、芯ズレおよび角度調整した後に、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0038】
図10(c)は、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、図10(c)に示すように、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときは、前記取付板22を前記基板16の図における右方に変位しつつて、45°回動して角度調整を行って載置し、芯ズレおよび角度調整した後に、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0039】
図11は、施工状態を示す斜視図である。以上の構成からなる前記基礎杭10を使用して、前述のように、前記建造物の支柱20と接合する場合は、前記基礎杭10の基板16を地面より所定の高さ突出するように埋設すると、前記支柱20の取付作業(締結作業)を容易に行うことができる。また、前記基礎杭10を芯ズレして埋設した場合であっても、前後左右方向に芯ズレ調整して接合することができるとともに、施工箇所に多少の高低差等があり、圧入回転数を調整して前記基礎杭10の突出高さを調整する必要が生じる場合であっても、前記支柱20の周方向における角度位置を調整したうえで、両者を接合することができることとなる。
【0040】
加えて、前記基礎杭10は、前述のとおり、簡易な構成からなるため、容易に、かつ、安価に製造することができるという効果も奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】(a)は本発明にかかる基礎杭の正面図、(b)は側面図である。
【図2】基礎杭の水平安定翼の横断面図である。
【図3】基礎杭の水平安定翼の分解断面図である。
【図4】基礎杭の平面図である。
【図5】基礎杭の上部斜視図である。
【図6】建造物の支柱を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は基板16と締結固定した状態の正面図である。
【図7】基礎杭の基板と支柱との接合構造を示す分解斜視図である。
【図8】基礎杭が周方向において正位置にある場合の芯ズレ調整の例を示す横断面図であり、(a)は、前記基礎杭が芯ズレを起こしていないときの接合状態を示す横断面図であり、(b)は、前記基礎杭が図における下方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、(c)は、前記基礎杭が図における左方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図である。
【図9】基礎杭が周方向において30°変位した場合の芯ズレ調整の例を示す横断面図であり、(a)は、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときの接合状態を示す横断面図であり、(b)は、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、(c)は、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図である。
【図10】基礎杭が周方向において45°変位した場合の芯ズレ調整の例を示す横断面図であり、(a)は、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときの接合状態を示す横断面図であり、(b)は、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、(c)は、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図である。
【図11】施工状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
10 基礎杭
10s 基礎杭中心
11 杭本体
12 先端部
13 螺旋状リブ
14 水平安定翼
15 移動阻止環
16 基板
16a 長孔
20 支柱
20s 支柱中心
21 支柱本体
22 取付板
22a 長孔
B ボルト
N ナット
J 長孔16aと長孔22aの重合位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば農業用温室や農業用ハウス等の比較的軽量の建造物の基礎工事に使用される基礎杭と前記建造物の支柱とを接合する基礎杭と建造物の支柱との接合構造およびそれに使用する基礎杭に関するものであり、より詳細には、特に基礎杭として螺旋杭を使用した場合の基礎杭と建造物の支柱との接合構造およびそれに使用する基礎杭に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建造物を建築する際に、その建造物の基礎として杭を地中に打ち込み、その上にコンクリートを打設して基礎として建造物の支柱を立設したり、或いは、建造物が比較的軽量である場合等は、前記杭頭部に建造物の支柱を直接接合して建造物の支柱を立設することがある。
【0003】
前記の場合において、特に基礎杭の杭頭部に建造物の支柱を直接接合して建造物の支柱を立設するときは、基礎杭の打ち込み位置を前記建造物の複数の支柱位置と整合させる必要が生じる。
【0004】
しかしながら、全ての基礎杭を前記建造物の複数の支柱位置と整合させて打ち込むことは困難であり、前記基礎杭が地中に打ち込まれる際に、所定の場所から多少の芯ずれを起こした状態で打ち込まれる場合がある。
【0005】
このような問題を解決するために、例えば、特開2005−282142号に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造が提案されている。前記の基礎杭と建造物の支柱との接合構造は、地面に打ち込まれた基礎杭の杭頭天面高さ位置から所定の寸法下方の位置において、基礎杭の内部に内プレートが、基礎杭の外周側に環状板がそれぞれ設置され、基礎杭の杭頭内部に第1のモルタル又はコンクリートが打設され、該モルタル又はコンクリートにアンカーが植設され、該アンカーで支柱のベースプレートがジョイントされており、アンカージョイント部の周囲に、外鋼管が基礎杭と支柱にわたるように設置され、外鋼管の内部に第2のモルタル又はコンクリートが打設されて基礎杭と支柱が固定され、基礎杭の芯ずれを基礎杭と支柱のジョイント部で調節できるように構成されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−282142号公報
【0007】
しかしながら、前記の接合構造の場合は、一旦、杭頭内部に第1のモルタル又はコンクリートが打設してから、支柱を接合するためのアンカーを植設するため、施工が複雑で非常に時間の掛かるものとなる。
【0008】
他方において、前記基礎杭として螺旋杭を使用する場合がある。該螺旋杭は、回転させながら圧入して地中に埋設するため、前記基礎杭の杭頭部を所定の地上高を残して埋設する場合においては、前記基礎杭の杭頭の周方向の角度位置を所望の位置とすることができない。したがって、例えば、前記基礎杭の杭頭に予め所定位置にボルト孔を開設した基板を設けて、建造物の支柱下端に設けた取付板と締結固定する場合においては、前記建造物の支柱に角柱を使用したときに、前記支柱の所定面を揃えることができるように、前記支柱の周方向における角度位置の調整を行うことができないこととなる。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、基礎杭が所定位置よりも芯ズレして埋設されても、建造物の支柱を芯ズレを調整しつつ前記基礎杭に接合することができると共に、前記基礎杭が螺旋杭の場合であっても、前記支柱に角柱を使用したときに、前記支柱の所定面を揃えることができるように、前記支柱の周方向における角度位置の調整を行うことができる基礎杭と建造物の支柱との接合構造およびそれに使用する基礎杭を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造は、杭頭部に建造物の支柱を締結固定する基板を備える基礎杭であって、前記基板は複数の長孔を備え、該長孔と前記建造物の支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔とにより、前記各長孔の重合範囲において、前記基礎杭と前記支柱との芯ズレ調整を行い、前記基板と前記取付板を締結部材にて固定してなることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造にあっては、基礎杭の基板に複数の長孔が開設されているので、支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔と重合する範囲において、芯ズレ調整を行って、締結固定することができ、前記基礎杭が芯ズレを起こして埋設された場合であっても、前記基礎杭に接合される建造物の支柱は、所望位置にて立設することができる。
【0012】
請求項2に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造は、請求項1に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造において、前記基板に設けられた長孔は、前記基礎杭の径方向中心から伸びる放射線上に沿って開設されてなることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造にあっては、前記基板に複数開設される長孔が、比較的容易な配置にて開設されることができ、かつ、前後左右および周方向における角度位置の調整を好適に行うことができる。
【0014】
請求項3に記載の基礎杭は、杭頭部に建造物の支柱を締結固定する基板を備える基礎杭であって、前記基板は複数の長孔を備え、該長孔と前記建造物の支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔とにより、前記各長孔の重合範囲において、前記基礎杭と前記支柱との芯ズレ調整を行い、前記基板と前記取付板を締結部材にて固定すべくなしてあることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の基礎杭にあっては、基礎杭の基板に複数の長孔が開設されているので、支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔と重合する範囲において、芯ズレ調整を行って、締結固定することができ、前記基礎杭が芯ズレを起こして埋設された場合であっても、前記基礎杭に接合される建造物の支柱は、所望位置にて立設することができる。
【0016】
請求項4に記載の基礎杭は、請求項3記載の基礎杭において、前記基板に設けられた長孔は、前記基礎杭の径方向中心から伸びる放射線上に沿って開設されてなることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の基礎杭にあっては、前記基板に複数開設される長孔が、比較的容易な配置にて開設されることができ、かつ、前後左右および周方向における角度位置の調整を好適に行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造によれば、杭頭部に建造物の支柱を締結固定する基板を備える基礎杭であって、前記基板は複数の長孔を備え、該長孔と前記建造物の支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔とにより、前記各長孔の重合範囲において、前記基礎杭と前記支柱との芯ズレ調整を行い、前記基板と前記取付板を締結部材にて固定しているので、前記基礎杭が芯ズレを起こして埋設された場合であっても、前記基礎杭に接合される建造物の支柱は、所望位置にて立設することができる。
【0019】
請求項2に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造によれば、請求項1に記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造において、前記基板に設けられた長孔は、前記基礎杭の径方向中心から伸びる放射線上に沿って開設されているので、前記基板に複数開設される長孔が比較的容易な配置にて開設されることができ、かつ、前後左右および周方向における角度位置の調整を好適に行うことができる。
【0020】
請求項3に記載の基礎杭によれば、杭頭部に建造物の支柱を締結固定する基板を備える基礎杭であって、前記基板は複数の長孔を備え、該長孔と前記建造物の支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔とにより、前記各長孔の重合範囲において、前記基礎杭と前記支柱との芯ズレ調整を行い、前記基板と前記取付板を締結部材にて固定すべくなしてあるので、前記基礎杭が芯ズレを起こして埋設された場合であっても、前記基礎杭に接合される建造物の支柱は、所望位置にて立設することができる。
【0021】
請求項4に記載の基礎杭によれば、請求項3記載の基礎杭において、前記基板に設けられた長孔は、前記基礎杭の径方向中心から伸びる放射線上に沿って開設されてなるので、前記基板に複数開設される長孔が、比較的容易な配置にて開設されることができ、かつ、前後左右および周方向における角度位置の調整を好適に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0023】
図1乃至図5は本発明にかかる基礎杭を示し、図1(a)は基礎杭の正面図、(b)は側面図である。図2は基礎杭の水平安定翼の横断面図であり、図3は、同分解断面図である。図4は基礎杭の平面図であり、図5は基礎杭の上部斜視図である。
【0024】
図1乃至図5において、10は本発明にかかる基礎杭である。該基礎杭10は、円筒形の鋼管から形成される杭本体11の先端部に先鋭状の掘削部材12を設けており、更に前記杭本体11の下半身外周には螺旋状リブ13を取り付けている。前記杭本体11の上方には、水平安定翼14が前記杭本体11に対し回動自在に取り付けられている。該水平安定翼14の上部には、前記水平安定翼14の軸方向移動を制限するための環状の移動阻止環15が前記杭本体外周に溶接固定されている。そして、前記杭本体11の頭部には、建造物の支柱を締結固定するための基板16が溶接固定されている。
【0025】
前記水平安定翼14は、正面視において略台形状の金属製フィンを4枚、前記杭本体11の径方向外方に突設したものであり、図2および図3に示すように、前記水平安定翼14は、半円弧状の軸部に2枚の金属製フィンを直角に取り付けて形成される部材14aと、該部材14aと対称となるべく形成された部材14bとを、前記各軸部で前記杭本体11を外嵌した状態で、ボルトBとナットNによって締結したものであり、前記軸部の内径は前記杭本体11の外径よりも径大に形成している。
【0026】
図4および図5に示すように、前記基板16は、平面視において正八角形状となるべく、金属製板材から形成されており、該基板16には、中心から放射線状に等間隔を隔てて10個の長孔16aが開設されている。すなわち、前記長孔16a、16a・・は、それぞれ36°の間隔(図中矢印Aの範囲)を隔てて開設されているのである。
【0027】
図6は建造物の支柱を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は基板16と締結固定した状態の正面図である。図中21は、金属製の中空角材からなる支柱本体であり、該支柱本体21の下端には角形の取付板22が溶接固定されている。該取付板22には、締結部材であるボルトBを挿通する長孔22aが2条開設されている。
【0028】
図7は基礎杭の基板と支柱との接合構造を示す分解斜視図である。前記基礎杭10と前記支柱20とは締結部材たるボルトBとナットNにより固定されるのであるが、締結固定する際は、前記基板16の長孔16aと、前記取付板22の長孔22aとを重合させて、両者の重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結している。したがって、前記支柱20は前記基礎杭10に対して、前記長孔16a、22aの重合する範囲において、前後左右方向および周方向の角度位置の調整が可能となるのである。
【0029】
図8乃至図10は、基板と支柱との接合構造における芯ズレ調整の例を示す横断面図である。なお、図8乃至図10において、図中10Sは前記基板16(したがって、前記基礎杭10)の中心位置を示し、20Sは前記支柱20の中心位置を示している。
【0030】
図8は、基礎杭が周方向において正位置にある場合の芯ズレ調整の例を示す横断面図であり、(a)は、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときの接合状態を示す横断面図である。図8(a)に示すように、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときは、前記取付板22は前記基板16の中央に載置して、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0031】
図8(b)は、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、図8(b)に示すように、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときは、前記取付板22は前記基板16の図における上方に変位して載置して、芯ズレを調整した後に、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0032】
図8(c)は、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、図8(c)に示すように、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときは、前記取付板22は前記基板16の図における右方に変位して載置して、芯ズレを調整した後に、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0033】
図9は、基礎杭が周方向において30°変位した場合の芯ズレ調整の例を示す横断面図であり、(a)は、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときの接合状態を示す横断面図である。図8(a)に示すように、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときは、前記取付板22は前記基板16の中央において、30°の角度調整を行い回動して載置し、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0034】
図9(b)は、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、図9(b)に示すように、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときは、前記取付板22を前記基板16の図における上方に変位しつつて、30°回動して角度調整を行って載置し、芯ズレおよび角度調整した後に、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0035】
図9(c)は、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、図9(c)に示すように、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときは、前記取付板22を前記基板16の図における右方に変位しつつて、30°回動して角度調整を行って載置し、芯ズレおよび角度調整した後に、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0036】
図10は、基礎杭が周方向において45°変位した場合の芯ズレ調整の例を示す横断面図であり、(a)は、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときの接合状態を示す横断面図である。図10(a)に示すように、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときは、前記取付板22は前記基板16の中央において、45°の角度調整を行い回動して載置し、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0037】
図10(b)は、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、図10(b)に示すように、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときは、前記取付板22を前記基板16の図における上方に変位しつつて、45°回動して角度調整を行って載置し、芯ズレおよび角度調整した後に、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0038】
図10(c)は、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、図10(c)に示すように、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときは、前記取付板22を前記基板16の図における右方に変位しつつて、45°回動して角度調整を行って載置し、芯ズレおよび角度調整した後に、前記取付板22の長孔22aと、前記基板16の長孔16aの重合する箇所Jにおいて、前記ボルトBを挿通してナットNで締結固定するのである。
【0039】
図11は、施工状態を示す斜視図である。以上の構成からなる前記基礎杭10を使用して、前述のように、前記建造物の支柱20と接合する場合は、前記基礎杭10の基板16を地面より所定の高さ突出するように埋設すると、前記支柱20の取付作業(締結作業)を容易に行うことができる。また、前記基礎杭10を芯ズレして埋設した場合であっても、前後左右方向に芯ズレ調整して接合することができるとともに、施工箇所に多少の高低差等があり、圧入回転数を調整して前記基礎杭10の突出高さを調整する必要が生じる場合であっても、前記支柱20の周方向における角度位置を調整したうえで、両者を接合することができることとなる。
【0040】
加えて、前記基礎杭10は、前述のとおり、簡易な構成からなるため、容易に、かつ、安価に製造することができるという効果も奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】(a)は本発明にかかる基礎杭の正面図、(b)は側面図である。
【図2】基礎杭の水平安定翼の横断面図である。
【図3】基礎杭の水平安定翼の分解断面図である。
【図4】基礎杭の平面図である。
【図5】基礎杭の上部斜視図である。
【図6】建造物の支柱を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は基板16と締結固定した状態の正面図である。
【図7】基礎杭の基板と支柱との接合構造を示す分解斜視図である。
【図8】基礎杭が周方向において正位置にある場合の芯ズレ調整の例を示す横断面図であり、(a)は、前記基礎杭が芯ズレを起こしていないときの接合状態を示す横断面図であり、(b)は、前記基礎杭が図における下方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、(c)は、前記基礎杭が図における左方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図である。
【図9】基礎杭が周方向において30°変位した場合の芯ズレ調整の例を示す横断面図であり、(a)は、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときの接合状態を示す横断面図であり、(b)は、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、(c)は、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図である。
【図10】基礎杭が周方向において45°変位した場合の芯ズレ調整の例を示す横断面図であり、(a)は、前記基礎杭10が芯ズレを起こしていないときの接合状態を示す横断面図であり、(b)は、前記基礎杭10が図における下方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図であり、(c)は、前記基礎杭10が図における左方に芯ズレを起こしているときの接合状態を示す横断面図である。
【図11】施工状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
10 基礎杭
10s 基礎杭中心
11 杭本体
12 先端部
13 螺旋状リブ
14 水平安定翼
15 移動阻止環
16 基板
16a 長孔
20 支柱
20s 支柱中心
21 支柱本体
22 取付板
22a 長孔
B ボルト
N ナット
J 長孔16aと長孔22aの重合位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭頭部に建造物の支柱を締結固定する基板を備える基礎杭であって、
前記基板は複数の長孔を備え、
該長孔と前記建造物の支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔とにより、前記各長孔の重合範囲において、前記基礎杭と前記支柱との芯ズレ調整を行い、前記基板と前記取付板を締結部材にて固定してなることを特徴とする基礎杭と建造物の支柱との接合構造。
【請求項2】
前記基板に設けられた長孔は、前記基礎杭の径方向中心から伸びる放射線上に沿って開設されてなることを特徴とする請求項1記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造。
【請求項3】
杭頭部に建造物の支柱を締結固定する基板を備える基礎杭であって、
前記基板は複数の長孔を備え、
該長孔と前記建造物の支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔とにより、前記各長孔の重合範囲において、前記基礎杭と前記支柱との芯ズレ調整を行い、前記基板と前記取付板を締結部材にて固定すべくなしてあることを特徴とする基礎杭。
【請求項4】
前記基板に設けられた長孔は、前記基礎杭の径方向中心から伸びる放射線上に沿って開設されてなることを特徴とする請求項3記載の基礎杭。
【請求項1】
杭頭部に建造物の支柱を締結固定する基板を備える基礎杭であって、
前記基板は複数の長孔を備え、
該長孔と前記建造物の支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔とにより、前記各長孔の重合範囲において、前記基礎杭と前記支柱との芯ズレ調整を行い、前記基板と前記取付板を締結部材にて固定してなることを特徴とする基礎杭と建造物の支柱との接合構造。
【請求項2】
前記基板に設けられた長孔は、前記基礎杭の径方向中心から伸びる放射線上に沿って開設されてなることを特徴とする請求項1記載の基礎杭と建造物の支柱との接合構造。
【請求項3】
杭頭部に建造物の支柱を締結固定する基板を備える基礎杭であって、
前記基板は複数の長孔を備え、
該長孔と前記建造物の支柱下部に取り付けた取付板に設けた長孔とにより、前記各長孔の重合範囲において、前記基礎杭と前記支柱との芯ズレ調整を行い、前記基板と前記取付板を締結部材にて固定すべくなしてあることを特徴とする基礎杭。
【請求項4】
前記基板に設けられた長孔は、前記基礎杭の径方向中心から伸びる放射線上に沿って開設されてなることを特徴とする請求項3記載の基礎杭。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−205108(P2007−205108A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27730(P2006−27730)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(305024008)サンキンB&G株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(305024008)サンキンB&G株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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