説明

塗料組成物及びこれを用いた塗装仕上げ方法

【課題】仕上り性、乾燥性、硬度等に優れた塗膜を形成し得る、ベースコート用として有用な塗料組成物を提供する。
【解決手段】(A)(i)ビニルモノマー混合物5〜95重量%と、(ii)セルロースアセテートブチレート5〜95重量%とを共重合せしめてなる変性ビニル系共重合体、(B)ガラス転移温度−70〜0℃のポリエステル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアクリル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に(A)成分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕上り性、乾燥性、硬度等に優れた塗膜を形成し得る、特にベースコート用として有用な塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の補修や、産業機械、建造物、構築物、家具(鋼製も含む)等の塗装、補修に際し、アクリルラッカー、アクリルウレタン塗料及びアミノアクリル樹脂塗料などが用いられており、特に自動車補修用塗料の分野では、常温乾燥性の点から、アクリルラッカー、アクリルウレタン塗料が主に用いられている。この分野においては、近年、光輝顔料を含むメタリックベース塗料及びクリヤー塗料を塗り重ねるメタリック仕上げが主流になっており、そのベースコートとしてラッカータイプの塗料が用いられる場合には、該ベースコートの乾燥性の点からポリエステル樹脂とセルロースアセテートブチレート(CAB)をブレンドしたもの、アクリル樹脂にポリエステル樹脂とCABをブレンドしたもの等をビヒクル主成分とした塗料が採用されてきたが、各成分の相溶性が不十分であるために仕上り性に悪影響を及ぼしたり、またメタリックベースにおいてフキムラ、モドリムラが生じてやはり仕上り性が低下するなどの不具合があった。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、CABのグラフト共重合体、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂を特定割合で使用してなる組成物が、各成分の相溶性が向上し、メタリックベースにおいてもフキムラ、モドリムラが生じることなく、良好な仕上り性を有する塗膜を形成し得ることを見出し本発明に到達した。
【0004】
即ち本発明は、(A)(i)ビニルモノマー混合物5〜95重量%と、(ii)セルロースアセテートブチレート5〜95重量%とを共重合せしめてなる変性ビニル系共重合体、(B)ガラス転移温度−80〜0℃のポリエステル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアクリル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に(A)成分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で含有することを特徴とする塗料組成物、及びこれを、基材面にベースコート塗料を塗装し次いでトップクリヤー塗料を塗装する塗装仕上げ方法における該ベースコート塗料として用いた塗装仕上げ方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、CABのグラフト共重合体、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂を特定割合で配合してなる組成物が、各成分の相溶性が向上し、メタリックベ−スにおいてもフキムラ、モドリムラが生じることなく、良好な仕上り性を有する塗膜を形成し得るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明において変性ビニル系共重合体(A)は、ビニルモノマー混合物(i)、セルロースアセテートブチレート(ii)とを共重合せしめてなるものである。ビニルモノマー混合物(i)は、従来公知のビニルモノマー類から1種又は2種以上選択されてなるものであり、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸のアルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、スルホエチルメタクリレートのNa塩、K塩やアンモニウム塩、スチレンスルホン酸のNa塩、K塩やアンモニウム塩などが挙げられる。これらのうち、特にメチルメタクリレート及び/又はエチルメタクリレートを50重量%以上、好ましくは60〜99重量%、及びその他の共重合可能なビニルモノマー50重量%以下、好ましくは1〜40重量%からなるビニルモノマー混合物がセルロースアセテートブチレート(ii)との相溶性や塗膜の硬度の点から好適に使用できる。メチルメタクリレート及び/又はエチルメタクリレートの使用比率が50重量%未満では、該セルロースアセテートブチレート(ii)との相溶性が低下し、ワニスの濁りを生じる恐れがあるので望ましくない。
【0007】
セルロースアセテートブチレート(ii)は、セルロースの部分アセチル化物をさらにブチルエステル化して得られるセルロース誘導体であり、好ましくはアセチル基含有量が一般に1〜30重量%で、ブチル基含有量が一般に16〜60重量%である。具体的には、例えば「EAB−381−0.5」、「EAB−551−0.2」、「EAB−551−0.01」(いずれも米国イーストマン・コダック社製、商品名)などが例示できる。
【0008】
上記ビニルモノマー混合物(i)及びセルロースアセテートブチレート(ii)の共重合は、有機過酸化物等のラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合法によって行なうことができる。該ビニルモノマー混合物(i)及びセルロースアセテートブチレート(ii)の共重合の比率は、ビニルモノマー混合物(i)が5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%と、セルロースアセテートブチレート(ii)5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%の範囲で配合する。該(i)が5重量%未満である((ii)が95重量%を越える)と、付着性が低下し、一方(i)が95重量%を越える((ii)が5重量%未満である)と、乾燥性、硬度が低下し、さらにメタルのモドリムラなどが生じるので好ましくない。
【0009】
このように形成された変性ビニル系共重合体は、有機溶剤に対する溶解性や他の樹脂との相溶性が著しく優れている。尚、本発明においては、配合したセルロースアセテートブチレートの実質的に全てがビニルモノマー混合物と共重合していることが望ましいが、少量のセルロースアセテートブチレート及びビニルモノマー混合物が未反応のまま、該共重合体中に残存していても支障はない。
【0010】
本発明においてポリエステル樹脂(B)は、ガラス転移温度−70〜0℃、好ましくは−65〜−10℃の樹脂であり、従来公知の多塩基酸と多価アルコールとを主成分として常法に従って共重合することにより得ることができる。多塩基酸としては、例えばアジピン酸、コハク酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウムなどが挙げられ、多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。さらに必要に応じて、脱水ひまし油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸などの脂肪酸や安息香酸などの一塩基酸、油脂類を共重合成分として使用することができる。
【0011】
該ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度−70℃未満では、乾燥性や硬度が著しく低下し、一方0℃を越えるとトップクリヤーからの架橋成分のしみ込みが得られず付着性に悪影響を及ぼす恐れがあるので好ましくない。
【0012】
本発明においてアクリル樹脂(C)は、ガラス転移温度0〜80℃、好ましくは5〜75℃の樹脂であり、従来公知のアクリル酸もしくはメタクリル酸エステルを主成分とするモノマ−混合物を溶液重合などの常法に従って共重合することにより得ることができる。該アクリル酸もしくはメタクリル酸エステルとしては、例えば前述のビニルモノマー混合物(i)で列記したアクリル酸もしくはメタクリル酸のアルキルエステルなどが挙げられ、これに他例示のビニルモノマー類から1種又は2種以上適宜選択して共重合成分とすることができる。
【0013】
該アクリル樹脂(C)のガラス転移温度0℃未満では、乾燥性や硬度が低下し、一方80℃を越えると乾燥が速すぎて塗膜の平滑性が損なわれ、トップクリヤー膜の仕上り性が低下するので好ましくない。
【0014】
本発明では、上記(A)〜(C)成分を塗膜形成成分として、これらの合計固形分中で(A)成分が5〜75重量%、好ましくは10〜70重量%、(B)成分が5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%、(C)成分が5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%の割合となるように含有せしめる。該(A)成分の含有割合が5重量%未満では、乾燥性、硬度が低下し、メタルのモドリムラがみられ、75重量%を越えると、付着性が低下し、また該(B)成分の含有割合が5重量%未満では、付着性が低下し、40重量%を越えると、乾燥性、硬度が低下するので好ましくない。
【0015】
本発明組成物には、さらにアルミニウムペースト、パール粉、グラファイト、MIOなどの光輝顔料、チタン白、フタロシアニンブルー、カーボンブラックなどの着色顔料、体質顔料などを配合することができ、さらに必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、顔料分散剤、硬化触媒などの塗料用添加剤を配合することができる。
【0016】
また本発明組成物は、1液形として、またポリイソシアネート化合物等の架橋剤を使用する2液形塗料組成物として用いてもよい。
【0017】
本発明は、また、基材面にベースコート塗料を塗装し、次いでトップクリヤー塗料を塗装する塗装仕上げ方法において、該ベースコート塗料として、上記の通り得られる本発明の塗料組成物を用いてなる塗装仕上げ方法を提供するものである。
【0018】
上記基材面としては、主に金属又はプラスチック素材に通常のプライマー塗装が施されたものが挙げられ、例えば電着塗装や中塗り塗装が施された自動車車体、或いは自動車車体の補修塗装面が挙げられる。
【0019】
該基材面に本発明の塗料組成物を、通常、乾燥膜厚で10〜30μmの範囲となるよう塗装し、ベースコート塗膜が得られる。該ベースコート塗膜はトップクリヤー塗料を塗装する前に硬化させてもよいし、ベースコート塗膜上にトップクリヤー塗料をウェットオンウェットで塗装することもできる。
【0020】
本発明方法に用いられるトップクリヤー塗料としては、従来公知のものが特に制限なく使用でき、主として有機溶剤型塗料(非水分散型を含む)や粉体塗料が挙げられ、例えば水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂やフッ素樹脂と(ブロック)ポリイソシアネートやメラミン樹脂などの架橋剤とを主成分とする硬化型塗料、あるいはセルロースアセテートブチレート変性のアクリル樹脂を主成分とするラッカー塗料などが好適に使用できる。特にトップクリヤー塗料としてウレタン硬化型塗料を用いた場合、トップクリヤー塗膜からベースコート塗膜中にイソシアネート成分が一部しみ込んでくるので、ベースコート中に使用する変性ビニル系共重合体(A)、ポリエステル樹脂(B)及びアクリル樹脂(C)が水酸基を含有する場合にベースコート塗料中に架橋剤成分を用いなくともよいので好適である。
【0021】
また該トップクリヤー塗料には、必要に応じて、重合体微粒子、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、消泡剤などの塗料用添加剤を配合することができる。該トップクリヤー塗料による塗膜は、乾燥膜厚で20〜100μmの範囲が適当である。
【0022】
塗装方法はベースコート塗料、トップクリヤー塗料とも通常のスプレー塗装、静電塗装などが採用されるがその他の塗装方式についても特に制限はない。
【実施例】
【0023】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ここで「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0024】
変性ビニル系共重合体(A)の製造
温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた反応器に下記成分を仕込み、窒素ガス雰囲気下で加熱し、約1時間かけて100℃まで昇温した。
【0025】
トルエン 120部
ブチルセロソルブアセテート 80部
「EAB−381−0.5」 200部
(イーストマン・コダック社製、セルロースアセテートブチレート)
100℃となり、セルロースアセテートブチレートが完全に溶解したことを確認した後、下記のビニルモノマー混合物と重合開始剤の混合液を上記セルロースアセテートブチレート溶液中に3時間にわたって滴下した。
【0026】
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 3部
メチルメタクリレート 97部
過酸化ベンゾイル 2部
滴下終了30分後、アゾビスイソブチロニトリルを0.5部加え、さらに窒素雰囲気下で2時間、100℃に保ち、その後キシレンを加えて不揮発分50%の無色透明な変性ビニル系共重合体溶液を得た。
【0027】
ポリエステル樹脂(B)の製造
加熱装置、温度計、攪拌機、精留塔及び水分離器の付属した還流冷却器を備えた反応器に下記成分を仕込み加熱し、3時間かけて160℃から230℃まで昇温させた。
【0028】
ヘキサヒドロ無水フタル酸 26.7部
アジピン酸 28部
ネオペンチルグリコール 5.3部
1,6−ヘキサンジオール 40部
これを230℃で1時間保ち、生成した縮合水(7.4部)を精留塔を用いて留去させた。次いでキシレンを5部加え、キシレンと縮合水を還流させ水分離器を用いて水を取り除いた。キシレン添加の2時間後から、酸価を測定し始め、酸価が2以下になったところで120℃まで冷却した後、キシレン/酢酸ブチル=1/1の混合溶剤で不揮発分70%となるよう希釈し、ポリエステル樹脂溶液を得た。該樹脂溶液のガードナー粘度はT、樹脂の重量平均分子量は20,000、水酸価は55、ガラス転移温度は−60℃、DBR(二塩基酸比)は0.95であった。
【0029】
アクリル樹脂(C)の製造
温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下用ポンプを備えた反応器に、トルエン25部、キシレン43部を仕込み、攪拌しながら110℃まで昇温し、下記モノマー混合物と重合開始剤の混合液を、110℃で約3時間かけて一定速度で滴下した。
【0030】
スチレン 10部
メタクリル酸メチル 20部
アクリル酸n−ブチル 50部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 19部
アクリル酸 1部
t−ブチルパーオキシエチルヘキサネート 1.2部
滴下終了後1時間110℃に保ち、攪拌を続けた。その後、追加触媒としてアゾビスジメチルバレロニトリル0.5部をキシレン10部に溶解させたものを1時間かけて一定速度で滴下した。そして、滴下終了後1時間110℃に保ち、反応を終了した。得られたアクリル共重合体溶液は、不揮発分50.2%、ガードナー粘度Zの均一で透明な溶液であり、該共重合体の重量平均分子量は50,000、水酸価は82、ガラス転移温度は60℃であった。
【0031】
メタリックベース塗料の作成
実施例1
上記製造例で得た変性ビニル系共重合体溶液、ポリエステル樹脂溶液、アクリル樹脂溶液を夫々表1に示す配合量で配合し、さらに「アルミペーストK−9800」(旭化成メタルズ社製、アルミペースト)、キシレン、酢酸ブチルを同表に示す配合で加え、ディスパーで約20分間攪拌し、メタリックベース塗料を作成した。尚、表中の(注)は、「EAB−381−0.5」をキシレン/酢酸ブチル=50/50からなる混合溶剤で固形分30%溶液に調整してなるものである。
【0032】
上記塗料について、アルミペーストを加える前の樹脂混合溶液を塗装膜厚100μmとなるようにドクターブレードにてガラス板に塗装し、その透明性から樹脂混合溶液の相溶性を目視評価した(○:良好、△:やや不良、×:不良)。また、上記各塗料を、温度20℃、湿度75%の恒温恒湿室中で、塗装膜厚100μmとなるようにドクターブレードにてガラス板に塗装し、指で触って塗料が指に付かなくなるまでの時間(指触乾燥時間)を測った。
【0033】
【表1】

【0034】
塗装
実施例2
上記実施例1で得たメタリックベース塗料100重量部に対し、トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチル=50/20/10/20の組成のシンナーで11〜12秒(フォードカップ#4/25℃)に希釈、粘調し、さらにクリヤー塗料として「レタンPG2Kクリヤー」(関西ペイント社製)100重量部に対して「レタンPG2K硬化剤」(関西ペイント社製)50重量部を添加してなるものを上記組成のシンナーで13〜14秒(フォードカップ#4/25℃)に希釈、粘調して、塗装に供した。
【0035】
ブリキ板上に、市販のラッカープライマーサーフェーサーを40μm塗装し、室温にて30分間乾燥後に#400耐水研磨紙で研磨した。この上に上記で粘調したメタリックベース塗料を乾燥膜厚で30μmになるようにスプレー塗装しフキムラを調査した。さらにメタリックベースが指触乾燥後、上記で粘調したクリヤー塗料を乾燥膜厚で40μm及び80μmになるようにスプレー塗装し、両方の塗膜を比較してモドリムラを評価した(〇:ムラなし、△:ムラ僅かにあり、×:ムラが著しい)。結果はフキムラ:○、モドリムラ:○であった。
【0036】
また上記クリヤ−塗料を乾燥膜厚で40μm塗装してなる塗装板の方について、下記性能試験に供した。結果は鉛筆硬度:B、耐水性:△であった。
【0037】
(*1)鉛筆硬度:上記塗装板を温度20℃で24時間放置後、同温度において鉛筆引っ掻き試験を行ない、塗膜が破れる鉛筆の硬さを調べた。
【0038】
(*2)耐水性:上記塗装板を、温度20℃・湿度75%の恒温恒湿室中で7日間放置後、20℃の水道水に7日間浸漬後の塗面状態を調べた(○:異常なし、△:ツヤ引けあり、×:フクレ発生)。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(i)ビニルモノマー混合物5〜95重量%と、(ii)セルロースアセテートブチレート5〜95重量%とを共重合せしめてなる変性ビニル系共重合体、(B)ガラス転移温度−70〜0℃のポリエステル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアクリル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に(A)成分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で含有することを特徴とする塗料組成物。
【請求項2】
ビニルモノマー混合物(i)が、メチルメタクリレート及び/又はエチルメタクリレート60〜99重量%及びその他の共重合可能なビニルモノマー1〜40重量%からなる請求項1記載の塗料組成物。
【請求項3】
基材面にベースコート塗料を塗装し、次いでトップクリヤー塗料を塗装する塗装仕上げ方法において、該ベースコート塗料として、(A)(i)ビニルモノマー混合物5〜95重量%と、(ii)セルロースアセテートブチレート5〜95重量%とを共重合せしめてなる変性ビニル系共重合体、(B)ガラス転移温度−70〜0℃のポリエステル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアクリル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に(A)成分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で含有してなる塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装仕上げ方法。
【請求項4】
トップクリヤー塗料が、ウレタン硬化形塗料である請求項3記載の塗装仕上げ方法。


【公開番号】特開2006−328420(P2006−328420A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−204438(P2006−204438)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【分割の表示】特願平10−354406の分割
【原出願日】平成10年12月14日(1998.12.14)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】