説明

塵芥収集車用消火設備

【課題】ゴミ収納室といった外部から見えない閉鎖環境であっても、確実に火災を検知して自動消火を可能とする。
【解決手段】塵芥収集車10のゴミ収納室12に、火災による熱を受けて開放作動する閉鎖型の感熱放射ヘッド24を設置し、消火薬剤を加圧充填した容器20を外部に設置し、感熱放射ヘッド24に配管接続する。ゴミ収納室12で火災が発生すると、火災による熱を受けた感熱放射ヘッド24が開放作動し、容器20から消火薬剤を供給して感熱放射ヘッド24から放射させる。更に、ゴミ収納室12に開放型放射ヘッド26を設置し、三方切替弁22の切替操作で手動放出を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されたゴミ収納室で発生した火災を消火する塵芥収集車用消火設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されたゴミ収納室で発生した火災を消火する消火設備としては、手動起動装置によって容器に充填している消火ガスまたは消火薬剤をゴミ収納室に設置されたヘッドに供給して放射するものが知られている。
【0003】
またゴミ収納室の火災は外部からは分かり難いことから、ゴミ収納室に熱感知器や煙感知器などを設置し、運転席などに設置した監視装置から火災発生を報知し、手動起動装置を操作して消火する設備も知られている。
【0004】
更に、ゴミ収納室にノズルと検知器を設置し、検知器で火災を検知した場合に電磁弁を開いて消火剤タンクからノズルに消火剤を供給して噴出させる自動消火設備も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−250925号公報
【特許文献2】特開2007−021134号公報
【特許文献3】特開2008−284194号公報
【特許文献4】実開昭63−011406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の手動起動装置による消火設備にあっては、消火ガスや消火剤をゴミ収納室に放出する塵芥収集車の消火設備では、走行中では火災に気付かず、ゴミ収納室の火災が車両にまで拡大してしまうことがある。
【0007】
またゴミ収納室に感知器を設けて運転席に設けた監視装置から火災発生を報知する消火設備にあっては、例えば熱感知器を設けていた場合、夏場と冬場ではゴミ収納室の温度が大きく変化し、誤動作を防止するために火災を検知する設定温度を高めにせざるを得ず、火災感知の時間遅れが生じるという問題がある。また煙感知器を設けた場合には、収集した塵芥の種類によっては火災による煙と間違えて誤動作する場合もあり、また埃や汚れの付着度合いも高いため、光学的な煙検知機能が損なわれ、耐久性に欠ける問題もある。熱感知器や煙感知器をゴミ収納室内に設けた場合は、収納される塵芥がぶつかり衝撃により故障する可能性がある。
【0008】
またゴミ収集室に設置した検知器で火災を検知した場合に電磁弁を開いて自動的に消火剤をノズルから噴射する消火設備にあっては、ゴミ収納室に設けた検知器による温度検知または煙検知につき、熱感知器や煙感知器で火災を検知して報知する設備と同様に、信頼性と耐久性に欠けるという問題がある。
【0009】
また火災を検知して報知したり、自動消火する消火設備にあっては、車両のエンジンをスタートした場合に、監視装置や制御回路にバッテリーから電源を供給して動作することになるが、エンジンの停止中に火災が発生した場合には火災報知や自動消火が行われず、手動起動装置の操作に依存するこことなり、火災に気付かずに車両にまで拡大してしまう恐れもある。
【0010】
本発明は、ゴミ収納室といった外部から見えない閉鎖環境であっても、内部の火災時に確実に自動消火を可能とする構造的にも簡単な塵芥収集車用消火設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、塵芥収集車用消火設備に於いて、
ゴミ収納室に設けられ、火災による熱を受けて開放作動する閉鎖型の感熱放射ヘッドと、
ゴミ収納室の外部に設置されて感熱放射ヘッドと配管接続され、消火薬剤を加圧充填した容器と、
を備え、ゴミ収納室の火災による熱を受けた感熱放射ヘッドが開放作動した場合に、容器から消火薬剤を供給して感熱放射ヘッドから放射させることを特徴とする。
【0012】
本発明の塵芥収集用消火設備は、更に、
ゴミ収納室に設けられた開放型の放射ヘッドと、
容器からの配管を入力ポートに接続し、感熱放射ヘッドからの配管を接続する第1出力ポートと、開放型の放射ヘッドからの配管を接続する第2出力ポートを備えた切替弁と、
を設け、通常状態で切替弁は入力ポートを第1出力ポートに連通する第1位置に切替えており、手動消火する場合に入力ポートを第2出力ポートに連通する第2位置に切替えて開放型の放射ヘッドから消火薬剤を放射させる。
【0013】
本発明の塵芥収集用消火設備は、更に、
ゴミ収納室に設けられ、容器と感熱放射ヘッドを接続する配管に分岐接続された開放型の放射ヘッドと、
開放型の放射ヘッドに対する分岐配管に設けられた手動開閉弁と、
を設け、通常監視状態で手動開閉弁は閉鎖位置にあり、手動消火する場合に手動開閉弁を開放位置に操作して開放型の放射ヘッドから消火薬剤を放射させる。
【0014】
また本発明の塵芥収集用消火設備は、容器の充填圧力が所定圧力以下に低下したことを検知した場合に圧力低下検知信号を出力して警報させる圧力検知器とを設けても良い
本発明の別の形態にあっては、塵芥収集車用消火設備に於いて、
ゴミ収納室に設けられ、消火薬剤を加圧充填した容器と、
容器の薬剤取出口に接続され、火災による熱を受けて開放作動する閉鎖型の感熱放射ヘッドと、
を備え、ゴミ収納室の火災による熱を受けて感熱放射ヘッドが開放作動した場合に、容器から消火薬剤を供給して感熱ヘッドから放射させることを特徴とする。
【0015】
この消火栓装置においても、更に、
ゴミ収納室に設けられた開放型の放射ヘッドと、
容器の薬剤取出口から外部を経由して開放型の放射ヘッドに接続する配管の外部取出し部分に設けた開閉弁と、
を設け、通常監視状態で手動開閉弁は閉鎖位置にあり、手動消火する場合に手動開閉弁を開放位置に操作して開放型の放射ヘッドから消火薬剤を放射させる。
【0016】
またゴミ収容室に設けた前記容器の充填圧力が所定圧力以下に低下したことを検知した場合に、圧力低下検知信号を出力して警報させる外部に設けた圧力検知器を、ゴミ収納室の外部に設けても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、塵芥収集車のゴミ収納室に、火災による熱を受けて開放作動する閉鎖型の感熱放射ヘッドを設置し、消火薬剤を加圧充填した容器を外部に設置し、ゴミ収納室で火災が発生した場合、火災による熱を受けた感熱放射ヘッドが開放作動し、容器から消火薬剤を供給して感熱放射ヘッドから放射させることができ、外部から見えないゴミ収納室で発生した火災を感知し、人的な操作を必要とすることなく確実に消火することが可能となる。
【0018】
また火災の感知による消火薬剤の放出は、感熱放射ヘッドの機能により実現され、外部からの操作や検知器による火災検知を必要とせず、消火薬剤を加圧充填した容器をゴミ収集室に設置した感熱放射ヘッドに配管接続するという簡単な構成により実現でき、低コストで耐久性及び信頼性の高い消火設備を構築することができる。
【0019】
またフェイルセーフのためゴミ収納室12に開放型放射ヘッド26を設置し、切替弁等の操作で手動放出できるようにしたことで、必要に応じて消火薬剤を手動操作で放出させることもでき、より確実な消火が期待できる。
【0020】
更に、消火薬剤を加圧充填した容器の薬剤取出口に、火災による熱を受けて開放作動する閉鎖型の感熱放射ヘッドを直接接続した消火設備にあっては、容器に感熱放射ヘッドを一体化したコンパクトな構造であり、基本的にゴミ収容室の中に設置した状態で使用することができ、ゴミ収納室の外部の車両上に設置スペースを確保する必要がないというメリットがある。
【0021】
また、感熱放射ヘッドで火災を感知するため、塵芥が感熱放射ヘッドにぶつかっても強固に通常状態に維持でき、長期的に良好な状態に維持して火災監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による塵芥収集車用消火設備の実施形態を示した説明図
【図2】図1の実施形態の消火設備を取り出して示した説明図
【図3】本発明に用いる感熱放射ヘッドの実施形態を示した断面図
【図4】本発明に用いる感熱放射ヘッドの他の実施形態を示した断面図
【図5】本発明による塵芥収集車用消火設備の他の実施形態を示した説明図
【図6】本発明による塵芥収集車用消火設備の他の実施形態を示した説明図
【図7】図6の実施形態の消火設備を取り出して示した説明図
【図8】本発明による塵芥収集車用消火設備の他の実施形態を示した説明図
【図9】本発明による塵芥収集車用消火設備の他の実施形態を示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明による塵芥収集車用消火設備の実施形態を示した説明図である。図1において、本発明による消火設備を装備する塵芥収集車10はパッカー車として知られており、ゴミ投入部14の扉を開いてゴミを投入すると、回転板16が左回りに回転して投入部14の底にあるゴミを掻き揚げ、続いて押込板18が左回りに揺動して、回転板16に乗っているゴミをゴミ収納室12に押込む。
【0024】
なお、塵芥収集車10のゴミ搬入機構としては図示の回転板・押込板機構以外に、プレス機構や破砕機構など様々なものがあり、ゴミ収納室をもつ車両であれば、全て本発明による消火設備の対象となる。
【0025】
本実施形態の消火設備は、例えば運転席とゴミ収納室12の間に消火薬剤を加圧充填した容器20を設置し、ゴミ収納室12に火災による熱を受けて開放作動する閉鎖型の感熱放射ヘッド24を設置している。またゴミ収納室12には感熱放射ヘッド24に隣接して開放型放射ヘッド26を配置している。
【0026】
容器20の出口側には三方切替弁22が配置され、出力ポートの一方を配管36により感熱放射ヘッド24に接続し、出力ポートの他方を配管38により開放型放射ヘッド26に接続している。
【0027】
図2は図1の実施形態の消火設備を取り出して示した説明図である。図2において、容器20の内部には取出口から容器底部に向けてサイホン32を降ろし、キャップ34の装着により固定し、内部に消火薬剤28を収納すると共に加圧ガス30を充填して加圧している。加圧ガス30としては窒素ガス(N2)や空気を使用する。消火薬剤28としては消火薬液や粉末消火薬剤などの適宜の消火薬剤を使用する。なお、二酸化炭素や窒素などの消火ガスを加圧充填しても良い。
【0028】
容器20の取出口に続いては三方切替弁22が設けられる。三方切替弁22は入口ポートAに容器20の取出口側を接続し、第1出力ポートBに配管36を介して感熱放射ヘッド24を接続し、第2出力ポートCに配管38を介して開放型放射ヘッド26を接続している。三方切替弁22は通常状態で入口ポートAを第1出口ポートBに連通すると共に第2出口ポートCを切り離す第1位置に切替られており、配管36を介して感熱放射ヘッド24に加圧ガス30によるガス圧を加え、感熱放射ヘッド24の感熱開放作動による自動消火を可能とする。
【0029】
手動操作により消火を行う場合には、三方切替弁22を通常状態での第1位置から、入口ポートAを第2出口ポートCに連通すると共に第1出口ポートBを切り離す第2位置に切替え、開放型放射ヘッド26から消火薬剤を放出させる。なお、手動操作による消火は、感熱放射ヘッド24が作動する前にゴミ収納室12の火災に気付いたような場合に、三方切替弁22を第1位置から第2位置に切替えて開放型放射ヘッド26から消火薬剤を放射させるというフェイルセーフ的な使い方が主たるものとなる。
【0030】
また容器20の取出口には加圧ガス30の圧力を表示する圧力計40と圧力スイッチ42が接続されている。圧力スイッチ42は容器20に充填している加圧ガス30の圧力が所定圧力以下に低下した場合に動作して圧力低下検知信号を出力し、図示しない運転席などに設置された装置から圧力低下警報を出すようにしている。
【0031】
図3は本発明に用いる感熱放射ヘッドの実施形態を示した断面図である。図3において、感熱放射ヘッド24は、図1に示したように、ゴミ収納室12の上方に露出して配置され、収納されたゴミが当たり易く、また車両の走行に伴う振動を受けることから、衝撃に対し閉鎖状態を維持するに必要な高い強度を持つ構造としている。
【0032】
感熱放射ヘッド24は、本体44の上部の取り付けネジ穴(図示せず)から下方に流入路46を形成しており、流入路46の下側にシリンダ部48を生成し、その中にOリング51でシールしたピストン50を摺動自在に配置している。ピストン50の上側にはスプリング45が圧縮状態で配置され、ピストン50を引き降ろすための押圧力を加えている。
【0033】
ピストン50は感熱分解機構により閉鎖位置に保持されている。本実施形態の感熱分解機構は、本体48の下部外側にはフレーム52がねじ込み固定され、フレーム52の下端内側の張出部52aとピストン50の下部外側周囲に複数設けた刳り貫き部の間にロック用のボール56を配置している。また、ピストン50の下端に開口したネジ穴には、間に感熱板62、半田64、断熱板60、更にバランサ54を配置した状態で下方からセットボルト58をねじ込み固定しており、バランサ54を介してボール56をフレーム52の張出部52aの上面に押圧することで、ピストン50を所定の組立荷重により閉鎖位置に固定している。半田64は所定の火災温度に達した場合に溶融して感熱分解機構の熱分解を行わせる。
【0034】
このような構造の感熱放射ヘッド24にあっては、シリンダ部48にOリング51でシールして収納したピストン50をボール56とバランサ54を有する感熱分解機構により閉鎖位置に保持した構造としているため、走行振動やゴミの衝突などにより衝撃が加わってピストン50が多少動いたとしても、流入路46の閉鎖は維持され、感熱分解機構が破損しない限り、流入路46の閉鎖を維持することができ、衝撃に対し充分な強度を確保できる。
【0035】
感熱放射ヘッド24の感熱開放動作は次のようになる。ゴミ収納室で火災が発生して感熱板62で熱気流を受けると、断熱板60により本体44側から熱的に分離された半田64の温度が上昇し、所定の火災温度に達すると半田64が溶融して外部に流れ出し、フレーム52の下側でボール56を保持していたバランサ54の支持がなくなる。
【0036】
このときピストン50には流入路46からのガス圧とスプリング45による下方への押圧力が加わっており、半田64の溶融によって組立荷重が開放されると、バランサ54が下降することで、バランサ54のボール56下側の保持がなくなり、ボール56がフレーム52の張出部52aよりも内側に移動することで、張出部52aのボール56の下面の保持が解除され、ボール54がフレーム52外へ下降し、ピストン50が下方に押下げられ、スプリング45及びピストン50と共にボール56、バランサ54、断熱板60、感熱板62が本体側から脱落し、流入路46の閉鎖が解除され、シリンダ部48の下端開口から消火薬剤が放出される。
【0037】
図4は本発明に用いる感熱放射ヘッドの他の実施形態を示した断面図であり、本実施形態にあっては、図3の実施形態でピストン50を引き降ろすために設けていたスプリング45を廃止し、ピストン50の引き降ろしは、流入路46からピストン50上面に加わっている加圧ガスのガス圧による押圧力のみとしたことを特徴とする。スプリング45を除いたことで、感熱分解する場合のピストン50を引き降ろす押圧力は低下するが、ピストン50の上面におけるガス圧の加わる面積を適切に確保することで、充分な押圧力を得ることができる。
【0038】
図5は図1の塵芥収集車に設けられる消火設備の他の実施形態を示した説明図である。図5において、容器20の取出口側は2分岐され、配管36を介して感熱放射ヘッド24を接続し、また配管38を介して開放型放射ヘッド26を接続しており、更に、配管38の途中には手動開閉弁70を設けている。
【0039】
本実施形態にあっては、図2の実施形態で設けていた三方切替弁22に代えて容器20の取出口に、配管38を分岐接続し、手動開放弁70を介して開放型放射ヘッド26 を接続したことで、機能を損なうことなく構成を簡単にしてコストを低減できる。
【0040】
図6は本発明による塵芥収集車用消火設備の他の実施形態を示した説明図である。図6において、本実施形態にあっては、容器20と感熱放射ヘッド24を一体化してゴミ収納室12の内部に配置するようにしたことを特徴とする。また、開放型放射ヘッド26については、ゴミ収納室12に感熱放射ヘッド24に隣接して設置しているが、容器20と接続する配管78については、ゴミ収納室12の外部を経由して接続しており、配管78の外部取出し部分に手動開閉弁70を設けている、
なお、図6にあっては、2組の消火設備を装備した場合を例にとっているが、一組であっても良いし、3組以上であっても良く、ゴミ収納室12の容積と容器12の消火薬剤量に応じた適宜の組数とすれば良い。
【0041】
図7は図6の実施形態の消火設備を取り出して示した説明図である。図6において、容器20はゴミ収納室12の上方に横置き配置されることから、内部にOリング74でシールしたピストン72を摺動自在に設けており、容器20の取出口側(図示で左側)に消火薬剤28を収納し、反対側に加圧ガス30を充填してピストン72を介して消火薬剤28を加圧している。
【0042】
容器20の取出口側にはT型継手76を介して感熱放射ヘッド24を直接取付けている。感熱放射ヘッド24は図3又は図4に示した構造のものが使用される。T型継手76の分岐ポートには、開放型放射ヘッド26が配管78により接続されるが、配管78は一度ゴミ収納室12の隔壁80から外部に取り出された後に戻されて開放型放射ヘッド26に接続しており、配管取出し部分78aには手動開放弁70を設けている。また容器20の右側のガス充填口20aから外部に引き出された配管には圧力計40と圧力スイッチ42が設けられている。
【0043】
このような消火設備にあっては、容器20と感熱放射ヘッド24が一体化されたコンパクトな構造としてゴミ収納室12に設置でき、ゴミ収納室12の外部に設置スペースを確保する必要がないというメリットがある。
【0044】
図8は図1の塵芥収集車に設けられる消火設備の他の実施形態を示した説明図であり、図2の実施形態における三方切替弁22、開放型放射ヘッド26、配管38を取り除き、容器20に配管36を介して感熱放射ヘッド24を直接接続した消火設備としたことを特徴とする。
【0045】
図9は図6の塵芥収集車に設けられる消火設備の他の実施形態を示した説明図であり、図7の実施形態におけるT継手76、配管78、開放型放射ヘッド26、手動開閉弁70を取り除き、容器22の取出口に感熱放射ヘッド24を直接接続したことを特徴とする。
【0046】
なお、蒸気の実施形態で使用する消火薬剤を加圧充填した容器の容量や数及び感熱放射ヘッドの数は必要に応じて適宜に定めることができる。
【0047】
また上記の実施形態にあっては、開放型放射ヘッドからの手動操作による消火を、三方切替弁や手動開閉弁の操作で行うようにしているが、電磁弁や電動弁を使用することで、操作パネルからの遠隔操作を行うようにしても良い。
【0048】
また、容器20を収集車外部から容易に交換できるように、ゴミ収容室12の壁面に容器20を外部から挿入する収納スペースを用意し、感熱放射ヘッドを備える容器20を収納スペースに挿入することで感熱放射ヘッド24がゴミ収納室内に入る構成として設置が可能とするようにしてもよい。
【0049】
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0050】
10:塵芥収集車
12:ゴミ収納室
14:ゴミ投入部
16:回転板
18:押込板
20:容器
22:三方切替弁
24:感熱放射ヘッド
26:開放型放射ヘッド
28:消火薬剤
30:加圧ガス
48:シリンダ部
50:ピストン
52:フレーム
54:バランサ
56:ボール
62:感熱板
64:半田
70:手動開閉弁
72:ピストン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴミ収納室に設けられ、火災による熱を受けて開放作動する閉鎖型の感熱放射ヘッドと、
前記ゴミ収納室の外部に設置されて前記感熱放射ヘッドと配管接続され、消火薬剤を加圧充填した容器と、
を備え、前記ゴミ収納室の火災による熱を受けた前記感熱放射ヘッドが開放作動した場合に、前記容器から消火薬剤を供給して前記感熱ヘッドから放射させることを特徴とする塵芥収集車用消火設備。
【請求項2】
請求項1記載の塵芥収集車用消火設備に於いて、更に、
前記ゴミ収納室に設けられた開放型の放射ヘッドと、
前記容器の薬剤取出口からの配管を接続する入力ポート、前記感熱放射ヘッドからの配管を接続する第1出力ポート、及び前記開放型の放射ヘッドからの配管を接続する第2出力ポートを備えた切替弁と、
を設け、通常状態で前記切替弁は前記入力ポートを前記第1出力ポートに連通する第1位置に切替えており、手動消火する場合に前記入力ポートを前記第2出力ポートに連通する第2位置に切替えて前記開放型の放射ヘッドから消火薬剤を放射させることを特徴とする塵芥収集車用消火設備。
【請求項3】
請求項1記載の塵芥収集車用消火設備に於いて、更に、
前記ゴミ収納室に設けられ、前記容器と感熱放射ヘッドを接続する配管に分岐接続された分岐配管に設けた開放型の放射ヘッドと、
前記開放型の放射ヘッドに対する前記分岐配管の途中に設けられた手動開閉弁と、
を設け、通常監視状態で前記手動開閉弁は閉鎖位置にあり、手動消火する場合に前記手動開閉弁を開放位置に操作して前記開放型の放射ヘッドから消火薬剤を放射させることを特徴とする塵芥収集車用消火設備。
【請求項4】
請求項1記載の塵芥収集車用消火設備に於いて、充填圧力が所定圧力以下に低下したことを検知した場合に、圧力低下検知信号を出力して警報させる圧力検知器を設けたことを特徴とする塵芥収集車用消火設備。
【請求項5】
ゴミ収納室に設けられ、消火薬剤を加圧充填した容器と、
前記容器の薬剤取出口に接続され、火災による熱を受けて開放作動する閉鎖型の感熱放射ヘッドと、
を備え、前記ゴミ収納室の火災による熱を受けた前記感熱放射ヘッドが開放作動した場合に、前記容器から消火薬剤を供給して前記感熱ヘッドから放射させることを特徴とする塵芥収集車用消火設備。
【請求項6】
請求項1記載の塵芥収集車用消火設備に於いて、更に、
前記ゴミ収納室に設けられた開放型の放射ヘッドと、
前記容器の薬剤取出口から外部を経由して前記開放型の放射ヘッドに接続する配管の外部取出し部分に設けた開閉弁と、
を備え、
通常状態で前記手動開閉弁は閉鎖位置にあり、手動消火する場合に前記手動開閉弁を開放位置に操作して前記開放型の放射ヘッドから消火薬剤を放射させることを特徴とする塵芥収集車用消火設備。
【請求項7】
請求項1記載の塵芥収集車用消火設備に於いて、前記容器の充填圧力が所定圧力以下に低下したことを検知した場合に、圧力低下検知信号を出力して警報させる外部に設けた圧力検知器を、前記ゴミ収納室の外部に設けたことを特徴とする塵芥収集車用消火設備。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−239484(P2012−239484A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109101(P2011−109101)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】