増幅回路システム
【課題】増幅回路のゲイン精度を向上することのできる増幅回路システムの提供を図る。
【解決手段】ゲイン設定抵抗Ra,Rbによりゲインが設定される増幅回路1と、該増幅回路の後段に設けられた半導体集積回路2と、を有する増幅回路システムであって、前記ゲイン設定抵抗Ra,Rbが、前記半導体集積回路2の内部に形成されているように構成する。
【解決手段】ゲイン設定抵抗Ra,Rbによりゲインが設定される増幅回路1と、該増幅回路の後段に設けられた半導体集積回路2と、を有する増幅回路システムであって、前記ゲイン設定抵抗Ra,Rbが、前記半導体集積回路2の内部に形成されているように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅回路システムに関し、特に、ゲイン設定抵抗を有する増幅回路およびその後段に設けられた半導体集積回路を有する増幅回路システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、自動車に搭載されるミリ波レーダでは、その検知距離範囲の拡大に伴って、入力信号の振幅レンジが微弱な信号から大きな信号まで大きく変化するようになってきている。
【0003】
そして、入力信号の振幅が微弱な場合には、その信号を半導体集積回路(カスタムIC:信号処理部)で処理する前に、増幅回路(例えば、汎用の低ノイズ演算増幅器)を使用して信号処理部が処理可能なレベルまで信号を増幅している。
【0004】
ところで、従来、安定した入力インピーダンスをもつ増幅器システムおよびパワー効率のよい低ノイズ増幅器を実現するものとして、入力ステージおよび可変利得増幅ステージの増幅器を電流方式で作動するようにした増幅器装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
さらに、従来、前段に固定利得増幅器を設け、後段の差動増幅器に伝達するようにしたイコライザ回路において、集積回路化した場合の外付け部品点数や外付け用の端子数を低減するもの提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−203544号公報
【特許文献2】特公平6−48771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、信号振幅が微弱な場合には、その信号を信号処理部で処理する前に、例えば、汎用の低ノイズ演算増幅器(低ノイズオペアンプ)を使用して増幅するようになっている。
【0008】
この低ノイズオペアンプを使用する場合、そのオペアンプの増幅率は、例えば、抵抗値の比率に従って決められる。しかしながら、その抵抗値は様々にばらつくため、精度良くゲインを制御することが困難になっている。
【0009】
本発明は、増幅回路のゲイン精度を向上することのできる増幅回路システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、ゲイン設定抵抗によりゲインが設定される増幅回路と、該増幅回路の後段に設けられた半導体集積回路と、を有する増幅回路システムであって、前記ゲイン設定抵抗が、前記半導体集積回路の内部に形成されていることを特徴とする増幅回路システムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の増幅回路システムによれば、増幅回路のゲイン精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、従来の増幅回路システムの一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図3】図3は、第2実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図4】図4は、第3実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図5】図5は、第4実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図6】図6は、第5実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図7】図7は、第6実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図8】図8は、第7実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図9】図9は、第8実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図10】図10は、第9実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図11】図11は、第10実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本発明に係る増幅回路システムの実施例を詳述する前に、従来の増幅回路システムおよびその問題点を、図1を参照して説明する。
【0014】
図1は、従来の増幅回路システムの一例を示すブロック図である。図1において、参照符号101は増幅回路、102はカスタムIC(半導体集積回路:信号処理部)、そして、RaおよびRbは増幅回路101のゲイン設定抵抗を示す。
【0015】
図1に示されるように、従来の増幅回路システムは、ゲイン設定抵抗Ra,Rbを有する増幅回路101と、その後段に設けられたカスタムIC102と、を有する。すなわち、微小な入力信号Sinを処理する場合、信号を処理するカスタムIC102の前段に増幅回路101を設けるようになっている。
【0016】
なお、増幅回路101としては、ノイズを低減してS/N比を向上させるために、例えば、汎用の低ノイズオペアンプを使用する。増幅回路101のゲインは、外付けのゲイン設定抵抗Ra,Rbの定数により決まる。
【0017】
例えば、入力信号Sinは、低ノイズオペアンプ1の正入力に供給され、また、オペアンプ1の負入力は、ゲイン設定抵抗Raを介してバイアス電圧(bias)が印加され、すなわち、バイアス電源線に接続される。そして、ゲイン設定抵抗Rbは、オペアンプ1の出力と負入力との間に接続される。
【0018】
ところで、外付け部品の場合、部品の公差により、ゲイン値にばらつきが生じる。そのため、増幅回路101ゲインの精度を確保するには、公差が小さい(ばらつきが小さい)部品を採用しなければならない。さらに、外付け部品を使用すると、その特性のばらつく方向は統一できないため、例えば、抵抗Ra,Rbの抵抗値が正負逆方向にばらつくことも有るため、ゲイン精度を確保することが困難である。
【0019】
具体的に、増幅回路101のゲインAは、A=1+(Ra/Rb)となる。ここで、例えば、部品の公差±10%とすると、ゲイン設定抵抗Raの値が−10%でRbの値が+10%(Ra⇒Ra×90%,Rb⇒Rb×110%)ばらついたとき、増幅回路101のゲインA’は、A’=1+(0.9・Ra/1.1・Rb)となり、ゲインの設計値Aよりも小さくなってしまう。
【0020】
以下、本発明に係る増幅回路システムの実施例を、添付図面を参照して詳述する。なお、本発明に係る増幅回路システムの適用は、例えば、ミリ波レーダ装置の増幅回路に限定されるものではない。すなわち、本発明に係る増幅回路システムは、例えば、入力信号を、ゲイン設定抵抗を有する増幅回路により増幅し、さらに、その増幅回路で増幅された信号を後段に設けられた半導体集積回路で処理する様々な増幅回路システムに対して幅広く適用することが可能である。
【0021】
図2は、第1実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。図2において、参照符号1は増幅回路、2はカスタムIC(半導体集積回路)、21は信号処理部、そして、RaおよびRbは増幅回路1のゲイン設定抵抗を示す。なお、増幅回路1は、例えば、演算増幅器であり、好ましくは、汎用の低ノイズ演算増幅器(低ノイズオペアンプ)である。
【0022】
図2に示されるように、本第1実施例の増幅回路システムは、ゲイン設定抵抗Ra,Rbによりゲインが設定される増幅回路1と、その後段に設けられたカスタムIC2と、を有する。カスタムIC2は、増幅回路1の出力信号を処理する信号処理部21を有する。
【0023】
ここで、ゲイン設定抵抗Ra,Rbは、カスタムIC2の内部に設けられている。すなわち、本第1実施例の増幅回路システムは、増幅回路1のゲインを設定するゲイン設定抵抗Ra,Rbを、カスタムIC2内部に形成するようになっている。
【0024】
なお、増幅回路1としては、ノイズを低減してS/N比を向上させるために、例えば、汎用の低ノイズオペアンプを使用し、その増幅回路1のゲインAは、外付けのゲイン設定抵抗Ra,Rbの定数により、A=1+(Ra/Rb)のように決まる。
【0025】
すなわち、例えば、入力信号Sinは、低ノイズオペアンプ1の正入力に供給され、また、オペアンプ1の負入力は、ゲイン設定抵抗Raを介してバイアス電圧(bias)が印加され、すなわち、バイアス電源線に接続される。そして、ゲイン設定抵抗Rbは、オペアンプ1の出力と負入力との間に接続される。
【0026】
ところで、カスタムIC(半導体集積回路)2において、内蔵される素子の特性(例えば、抵抗値)は、温度変動や製造プロセスのばらつきにより変化する。そのため、前段の増幅回路1のゲイン設定抵抗Ra,Rbを後段の同じカスタムIC2内部に形成することにより、たとえ温度変動や製造プロセスのばらつきが生じても、ゲイン設定抵抗Ra,Rbの抵抗値の比率を略一定に保つことが可能になる。
【0027】
すなわち、増幅回路1のゲインはカスタムIC2の内部に形成した抵抗RaおよびRbの比により決まるため、抵抗RaおよびRbは、プロセスばらつきによる抵抗値の相対ばらつきを抑制することで、ゲイン値の精度を確保することが可能になる。また、外付けの抵抗をカスタムIC2の内部に形成することで、構成部品点数の削減による、コスト削減および実装面積削減の効果もある。
【0028】
具体的に、1つの半導体集積回路(カスタムIC2)に隣接するように配置された抵抗ペアの相対ばらつきが±3%で、例えば、ゲイン設定抵抗RaおよびRbが+3%ばらついたとき(Ra⇒Ra×103%,Rb⇒Rb×103%)、このゲイン設定抵抗Ra、Rbの抵抗値の比率は、ばらつきが同方向であるため、ゲイン設計値と同じでゲインのばらつきは生じない。
【0029】
このように、本第1実施例の増幅回路システムによれば、抵抗値の公差を低減する(抵抗値のバラツキを抑える)ことができ、ゲイン精度を向上することが可能になる。
【0030】
図3は、第2実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。図3(a)および図3(b)に示されるように、本第2実施例の増幅回路システムでは、ゲイン設定抵抗RaおよびRbを、カスタムIC2の半導体基板20において、同じ方向に隣接配置してマッチング(22)を取るようになっている。
【0031】
すなわち、隣接配置という構成をとることによってマッチングすることができ、ゲイン精度を向上させることが可能になる。なお、増幅回路1のゲインAは、例えば、A=1+(Ra/Rb)のように決められている。
【0032】
ここで、抵抗RaおよびRbのマッチング22を取るとは、例えば、図3(b)に示されるように、抵抗RaをRa1およびRa2で構成すると共に、抵抗RbをRb1およびRb2で構成し、これらRa1,Ra2,Rb1,Rb2を半導体基板20上に交互に配置することで、半導体基板20の位置的なばらつきや温度変化によるばらつき等を打ち消すものである。
【0033】
なお、このマッチング22に関しては、様々な手法が知られており、本第2実施例の増幅回路システムにおいても、図3(b)以外の様々な手法を適用することができるのはいうまでもない。
【0034】
このように、本第2実施例の増幅回路システムによれば、ばらつきを抑えることのできない外付けの抵抗を使用した場合と比較して、ゲインを高精度に設定することができる。
【0035】
図4は、第3実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。図4に示されるように、本第3実施例の増幅回路システムにおいて、ゲイン設定抵抗Rbは、n個の抵抗Rb1〜Rbnおよびn−1個のスイッチSWb1〜SWbn-1により構成されている。
【0036】
そして、スイッチSWb1〜SWbn-1を順次接続することにより、抵抗Rb1に対して抵抗Rb2〜Rbnを順次並列に接続して、ゲイン設定抵抗Rbの値を制御する。具体的に、例えば、全てのスイッチSWb1〜SWbn-1がオンの場合、増幅回路1のゲインAは、A=1+(Ra/Rb[合成抵抗Rb1〜Rbn])となる。
【0037】
本第3実施例の増幅回路システムでは、例えば、増幅回路のゲインを切り替える場合、予め幾通りかのゲイン設定抵抗Rb(Rb1〜Rbn)をカスタムIC2の内部に並列配置し、切り替えスイッチSWb1〜SWbn-1により所望の抵抗を回路に接続できるようになっている。
【0038】
すなわち、増幅回路のゲインは、ゲイン設定抵抗RaとRbとの比により決まるが、ゲインを切り替えるには、幾通りかの抵抗を配置しておき、所望のゲインに応じて抵抗の接続経路を替える。
【0039】
このように、本第3実施例の増幅回路システムによれば、ゲイン切り替えが可能な増幅回路システムを考えたとき、ゲイン設定抵抗RaとRb(Rb1〜Rbn)のばらつき抑制と共に、ゲイン設定抵抗を外付け部品とした場合に比較して、多数の抵抗やスイッチが不要となるため、コスト削減,実装面積削減および回路の複雑化防止等の効果も期待できる。
【0040】
図5は、第4実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。図5に示されるように、本第4実施例の増幅回路システムにおいて、ゲイン設定抵抗Rbだけでなく、ゲイン設定抵抗Raも抵抗値を切り替えることが可能なようになっている。
【0041】
すなわち、ゲイン設定抵抗Rbは、n個の抵抗Rb1〜Rbnおよびn−1個のスイッチSWb1〜SWbn-1により構成され、また、ゲイン設定抵抗Raは、m個の抵抗Ra1〜Ramおよびm−1個のスイッチSWa1〜SWam-1により構成されている。
【0042】
そして、スイッチSWb1〜SWbn-1を順次接続することにより、抵抗Rb1に対して抵抗Rb2〜Rbnを順次並列に接続して、ゲイン設定抵抗Rbの値を制御し、また、スイッチSWa1〜SWam-1を順次接続することにより、抵抗Ra1に対して抵抗Ra2〜Ramを順次並列に接続して、ゲイン設定抵抗Raの値を制御する。
【0043】
具体的に、例えば、全てのスイッチSWa1〜SWam-1,SWb1〜SWbn-1がオンの場合、増幅回路1のゲインAは、A=1+(Ra[合成抵抗Ra1〜Ram]/Rb[合成抵抗Rb1〜Rbn])となる。
【0044】
本第4実施例の増幅回路システムでは、例えば、増幅回路のゲインを切り替える場合、ゲイン設定抵抗Ra(Ra1〜Ram)およびRb(Rb1〜Rbn)をカスタムIC2の内部に並列配置し、切り替えスイッチSWa1〜SWam-1およびSWb1〜SWbn-1により所望の抵抗を回路に接続できるようになっている。
【0045】
このように、本第4実施例の増幅回路システムは、ゲイン設定抵抗Ra(Ra1〜Ram)およびRb(Rb1〜Rbn)の組み合わせの数だけゲインを選択でき、前述したゲイン設定抵抗Rb(Rb1〜Rbn)のみ切り替える第3実施例の増幅回路システムと比べ、選択できるゲインの数は大きく増加することになる。
【0046】
すなわち、所望のゲイン設定数に対して、より少ない数の抵抗およびスイッチにより同様のゲイン設定を行うことが可能になる。
【0047】
具体的に、例えば、所望のゲイン(ゲインの設計値)Aに関して、A=21,11,5,3の場合を考えると、ゲイン設定抵抗Rbのみ切替える第3実施例の増幅回路システムでは、例えば、Rb1=20kΩ,Rb2=10kΩ,Rb3=4kΩ,Rb4=2kΩで、Ra1=1kΩとなり、5つの抵抗素子が必要になる。
【0048】
これに対して、ゲイン設定抵抗RaおよびRbの両方を切替える第4実施例の増幅回路システムでは、例えば、Rb1=20kΩ,Rb2=10kΩで、Ra1=5kΩ,Ra2=1kΩとなり、4つの抵抗素子でよいことになる。これは、所望のゲインAの数が多くなるほど、より一層顕著なものとなる。
【0049】
ところで、低ノイズが要求される高ゲイン増幅回路では、熱雑音を抑えるには、抵抗値を下げるのが好ましい。すなわち、例えば、本第4実施例の増幅回路システムでは、切り替えスイッチSWa1〜SWam-1およびSWb1〜SWbn-1をオンして合成抵抗を低く設定する程、ゲイン設定抵抗による発熱を抑えて熱雑音を抑制する効果がある。
【0050】
なお、図4では、スイッチSWb1〜SWbn-1を制御する信号がカスタムIC2に設けた端子から入力されるように描かれ、また、図5では、それに加えて、スイッチSWa1〜SWam-1を制御する信号もカスタムIC2に設けた端子から入力されるように描かれているが、例えば、実際にカスタムIC2を構成する場合、これらスイッチSWb1〜SWbn-1およびSWa1〜SWam-1の制御信号は、信号処理部21から内部的に供給されるか、或いは、他のマイコン(マイクロコンピュータ,マイクロコントローラ)からのデコードされた信号として少ない信号線により供給される。
【0051】
さらに、上述した第3および第4実施例において、抵抗RaおよびRbを構成する少なくとも1つの抵抗は、スイッチを介することなく常に接続状態となっている。すなわち、第3実施例の増幅回路システムでは、抵抗Raおよび抵抗Rb1は常に接続されており、また、第4実施例の増幅回路システムでは、抵抗Ra1および抵抗Rb1は常に接続されている。
【0052】
このように、ゲイン設定抵抗RaおよびRbに関して、スイッチの存在しない抵抗を設けて常時オンしている少なくとも1つの経路を形成するのは、スイッチの切り替えにより瞬間的に帰還部分がオープンになり、誤った波形が出力されるのを防ぐためである。
【0053】
図6は、第5実施例の増幅回路システムを示すブロック図であり、図4に示す第3実施例の増幅回路システムにおいて、ゲイン設定抵抗Rbを、3個の抵抗Rb1〜Rb3および2個のスイッチSWb1,SWb2により構成したものに相当する。
【0054】
ここで、図4を参照して説明した第3実施例の増幅回路システムでは、スイッチSWb1〜SWbn-1の抵抗値を考慮しなかったが、本第5実施例の増幅回路システムでは、各スイッチSWb1およびSWb2のオン抵抗Rm2およびRm3を考慮してゲイン設定抵抗の比率を規定するようになっている。
【0055】
具体的に、例えば、全てのスイッチSWb1,SWb2,SWb3がオンの場合、増幅回路1のゲインAは、A=1+(Ra/Rb[合成抵抗Rb1,Rb2',Rb3'])となる。
【0056】
すなわち、スイッチSWb1およびSWb2には、それぞれオン抵抗Rm2およびRm3が存在するため、実際の合成抵抗Rb2'およびRb3'は、Rb2'=Rb2+Rm2,Rb3'=Rb3+Rm3となる。
【0057】
具体的に、例えば、ゲイン設定抵抗Rb2とRb3の設計値を1:10にした場合、すなわち、Rb2:Rb3=1:10に設計すると、実際の抵抗比は、Rb2':Rb3'=(Rb2+Rm2):(Rb3+Rm3)≠1:10となり、ゲインにずれが生じてしまう。
【0058】
そこで、本第5実施例の増幅回路システムでは、スイッチSWb1およびSWb2のオン抵抗Rm2およびRm3の比率も、Rm2:Rm3=1:10となるように、例えば、スイッチSWb1およびSWb2として使用するMOSトランジスタのサイズ(ゲート長およびゲート幅)を調整してその比率に合った重み付けをするようになっている。
【0059】
なお、スイッチ用トランジスタのオン抵抗の調整は、トランジスタのサイズに限定されるものではなく、例えば、スイッチ用トランジスタとして使用する同一サイズのトランジスタの数により行うこともできる。
【0060】
これにより、実際の抵抗比を、Rb2':Rb3'=(Rb2+Rm2):(Rb3+Rm3)=1:10に設定することができ、高精度のゲイン設定を行うことが可能になる。
【0061】
図7は、第6実施例の増幅回路システムを示すブロック図であり、増幅回路を差動構成としたものである。図7に示されるように、増幅回路11は、入力信号Sin+を受け取って増幅し、また、増幅回路12は、入力信号Sin-を受け取って増幅する。ここで、信号Sin+およびSin-は、差動信号であり、また、増幅回路11および12は、例えば、汎用の低ノイズオペアンプである。
【0062】
図7に示す第6実施例の増幅回路システムにおいて、増幅回路11のゲインA1は、A1=1+(Ra/Rb)となり、また、増幅回路12のゲインA2は、A2=1+(Ra/Rb)となる。
【0063】
このように、本第6実施例の増幅回路システムでは、2つの増幅回路11,12により差動構成とした場合には、それら増幅回路11,12のゲイン設定抵抗Ra,Rb(各2個)を全てカスタムIC2の内部に形成するようになっている。
【0064】
図8は、第7実施例の増幅回路システムを示すブロック図であり、増幅回路を直列に複数段(図8では、二段)接続して構成したものである。図8に示されるように、増幅回路13は、入力信号Sinを受け取って増幅し、また、増幅回路14は、増幅回路13の出力信号-を受け取ってさらに増幅する。ここで、増幅回路13および14は、例えば、汎用の低ノイズオペアンプである。
【0065】
本第7実施例の増幅回路システムは、例えば、入力信号Sinが微小で、且つ、1つの増幅回路が許容するゲイン値より所望のゲイン値が大きい場合などにおいて、十分な出力を得るために増幅回路を多段構成としたものである。
【0066】
図8に示す第7実施例の増幅回路システムにおいて、増幅回路13のゲインA3は、A3=1+(Rb/Ra)となり、また、増幅回路14のゲインA4は、A4=1+(Rd/Rc)となる。
【0067】
このように、本第7実施例の増幅回路システムでは、2つの増幅回路13,14により二段増幅構成とした場合には、それら増幅回路13,14のゲイン設定抵抗Ra,Rb,Rc,Rdを全てカスタムIC2の内部に形成するようになっている。
【0068】
上述した本第6および第7実施例の増幅回路システムのように、前段の増幅回路が複数ある場合、それら増幅回路のゲイン設定抵抗を全て後段のカスタムIC2の内部に形成することにより、増幅回路のゲイン精度を向上することができる。また、このような前段の増幅回路が複数ある場合、増幅回路の数に比例して部品点数および実装面積が増加する従来技術に対して、本第6および第7実施例では部品点数および実装面積を抑えることができ、その効果はさらに大きなものとなる。
【0069】
図9は、第8実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。図9と前述した図2との比較から明らかなように、本第8実施例の増幅回路システムは、設定ゲインの異なる2つの増幅回路15および16を有し、スイッチSWにより増幅回路15または16のいずれかの出力信号を選択して信号処理部21に供給するようになっている。
【0070】
ここで、増幅回路15のゲインA5は、A5=1+(Ra/Rb)となり、また、増幅回路16のゲインA6は、A6=1+(Rc/Rd)となる。
【0071】
例えば、入力信号Sinの振幅範囲が大きく変化し、増幅回路1つでは全範囲の入力信号Sinを許容できない場合などには、各々決められた範囲の入力を増幅できる複数(図9では2個)の増幅回路15および16を設け、スイッチSWにより適切な増幅回路15または16の出力を選択する。
【0072】
本第8実施例の増幅回路システムにおいても、2つの増幅回路15,16のゲイン設定抵抗Ra,Rb,Rc,Rdを全てカスタムIC2の内部に形成するようになっている。なお、これらゲイン設定抵抗Ra,Rb,Rc,Rdは、図3(b)を参照して説明したように、例えば、カスタムIC2の半導体基板に隣接配置してマッチング22を取るようになっている。なお、マッチング22としては、図3(b)のものに限定されず、知られている様々な手法を適用することができる。
【0073】
このように、本第8実施例の増幅回路システムによれば、設定ゲインの異なる複数の増幅回路15,16から適切な設定ゲインの増幅回路の出力信号をスイッチSWにより選択し、その信号を信号処理部21に供給して処理することが可能になる。
【0074】
また、複数の増幅回路15,16におけるゲイン設定抵抗Ra,Rb,Rc,Rdのマッチング(22)を取ることにより、例えば、各増幅回路15,16のゲインを正確に設定して全範囲の入力信号Sinを、複数の増幅回路によるオーバーラップを生じることなく増幅することが可能になる。
【0075】
図10は、第9実施例の増幅回路システムを示すブロック図であり、前述した図3に示す増幅回路1およびゲイン設定Ra,Rbを並列に複数個(図10では3個)設けるようにしたものに相当する。
【0076】
すなわち、増幅回路17,18,19は、それぞれ異なる入力信号Sin1,Sin2,Sin3を受け取って増幅し、その増幅信号を信号処理回路21に供給して出力信号Sout1,Sout2,Sout3を出力するようになっている。
【0077】
ここで、増幅回路17,18,19のゲインAは、すなわち、全てのチャネルch(1),ch(2),ch(3)について、Ach(1)=Ach(2)=Ach(3)=1+(Rb/Ra)となっている。また、各増幅回路17,18,19のゲイン設定Ra,Rbは、例えば、カスタムIC2の半導体基板に隣接配置してマッチング22を取るようになっている。
【0078】
図11は、第10実施例の増幅回路システムを示すブロック図であり、前述した図2に示す第1実施例の増幅回路システムにおいて、カスタムIC2におけるゲインを設定Rbと並列に発振防止用コンデンサC1を設けてフィードフォワード補償を行うようにしたものである。なお、増幅回路1のゲインAは、A=1+(Ra/Rb)となっている。
【0079】
ここで、ゲイン設定抵抗Rbと並列に発振防止用コンデンサC1を設ける場合、このコンデンサC1もカスタムIC2の内部に形成する。これにより、ゲイン設定抵抗Ra,Rbと同様に、発振防止用コンデンサC1も外付けする必要がなくなるため、部品点数および実装面積の削減、並びに、動作のばらつきの抑制等が可能になる。
【0080】
なお、発振防止用コンデンサC1は、図2に示す第1実施例の増幅回路システムだけでなく、前述した各実施例に対しても同様に適用することができるのはいうまでもない。また、上述した各実施例は、適宜組み合わせて適用することができるのはいうまでもない。
【0081】
ここで、上述した各実施例の増幅回路システムは、1つの半導体基板上に形成し半導体装置として構成することができ、さらに、この半導体装置を有する電子モジュールとして製品化することも可能である。
【0082】
以上において、上述した各実施例の増幅回路システムは、例えば、ミリ波レーダ装置の増幅回路を始めとする高いゲイン精度が要求される増幅回路システムに対して幅広く適用することができる。特に、各実施例の増幅回路システムの適用は、高いゲイン精度が要求される汎用の低ノイズオペアンプおよびカスタムICを使用する増幅回路システムに対して好ましいものである。
【符号の説明】
【0083】
1,11〜19,101 増幅回路(演算増幅器、汎用の低ノイズ演算増幅器)
2,102 カスタムIC(半導体集積回路)
21 信号処理部
C1 発振防止用コンデンサ
Ra,Rb,Rc,Rd;Ra1〜Ram,Rb1〜Rbn ゲイン設定抵抗
SW,SWa1〜SWam-1,SWb1〜SWbn-1 スイッチ(スイッチ用トランジスタ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅回路システムに関し、特に、ゲイン設定抵抗を有する増幅回路およびその後段に設けられた半導体集積回路を有する増幅回路システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、自動車に搭載されるミリ波レーダでは、その検知距離範囲の拡大に伴って、入力信号の振幅レンジが微弱な信号から大きな信号まで大きく変化するようになってきている。
【0003】
そして、入力信号の振幅が微弱な場合には、その信号を半導体集積回路(カスタムIC:信号処理部)で処理する前に、増幅回路(例えば、汎用の低ノイズ演算増幅器)を使用して信号処理部が処理可能なレベルまで信号を増幅している。
【0004】
ところで、従来、安定した入力インピーダンスをもつ増幅器システムおよびパワー効率のよい低ノイズ増幅器を実現するものとして、入力ステージおよび可変利得増幅ステージの増幅器を電流方式で作動するようにした増幅器装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
さらに、従来、前段に固定利得増幅器を設け、後段の差動増幅器に伝達するようにしたイコライザ回路において、集積回路化した場合の外付け部品点数や外付け用の端子数を低減するもの提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−203544号公報
【特許文献2】特公平6−48771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、信号振幅が微弱な場合には、その信号を信号処理部で処理する前に、例えば、汎用の低ノイズ演算増幅器(低ノイズオペアンプ)を使用して増幅するようになっている。
【0008】
この低ノイズオペアンプを使用する場合、そのオペアンプの増幅率は、例えば、抵抗値の比率に従って決められる。しかしながら、その抵抗値は様々にばらつくため、精度良くゲインを制御することが困難になっている。
【0009】
本発明は、増幅回路のゲイン精度を向上することのできる増幅回路システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、ゲイン設定抵抗によりゲインが設定される増幅回路と、該増幅回路の後段に設けられた半導体集積回路と、を有する増幅回路システムであって、前記ゲイン設定抵抗が、前記半導体集積回路の内部に形成されていることを特徴とする増幅回路システムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の増幅回路システムによれば、増幅回路のゲイン精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、従来の増幅回路システムの一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図3】図3は、第2実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図4】図4は、第3実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図5】図5は、第4実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図6】図6は、第5実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図7】図7は、第6実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図8】図8は、第7実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図9】図9は、第8実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図10】図10は、第9実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【図11】図11は、第10実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本発明に係る増幅回路システムの実施例を詳述する前に、従来の増幅回路システムおよびその問題点を、図1を参照して説明する。
【0014】
図1は、従来の増幅回路システムの一例を示すブロック図である。図1において、参照符号101は増幅回路、102はカスタムIC(半導体集積回路:信号処理部)、そして、RaおよびRbは増幅回路101のゲイン設定抵抗を示す。
【0015】
図1に示されるように、従来の増幅回路システムは、ゲイン設定抵抗Ra,Rbを有する増幅回路101と、その後段に設けられたカスタムIC102と、を有する。すなわち、微小な入力信号Sinを処理する場合、信号を処理するカスタムIC102の前段に増幅回路101を設けるようになっている。
【0016】
なお、増幅回路101としては、ノイズを低減してS/N比を向上させるために、例えば、汎用の低ノイズオペアンプを使用する。増幅回路101のゲインは、外付けのゲイン設定抵抗Ra,Rbの定数により決まる。
【0017】
例えば、入力信号Sinは、低ノイズオペアンプ1の正入力に供給され、また、オペアンプ1の負入力は、ゲイン設定抵抗Raを介してバイアス電圧(bias)が印加され、すなわち、バイアス電源線に接続される。そして、ゲイン設定抵抗Rbは、オペアンプ1の出力と負入力との間に接続される。
【0018】
ところで、外付け部品の場合、部品の公差により、ゲイン値にばらつきが生じる。そのため、増幅回路101ゲインの精度を確保するには、公差が小さい(ばらつきが小さい)部品を採用しなければならない。さらに、外付け部品を使用すると、その特性のばらつく方向は統一できないため、例えば、抵抗Ra,Rbの抵抗値が正負逆方向にばらつくことも有るため、ゲイン精度を確保することが困難である。
【0019】
具体的に、増幅回路101のゲインAは、A=1+(Ra/Rb)となる。ここで、例えば、部品の公差±10%とすると、ゲイン設定抵抗Raの値が−10%でRbの値が+10%(Ra⇒Ra×90%,Rb⇒Rb×110%)ばらついたとき、増幅回路101のゲインA’は、A’=1+(0.9・Ra/1.1・Rb)となり、ゲインの設計値Aよりも小さくなってしまう。
【0020】
以下、本発明に係る増幅回路システムの実施例を、添付図面を参照して詳述する。なお、本発明に係る増幅回路システムの適用は、例えば、ミリ波レーダ装置の増幅回路に限定されるものではない。すなわち、本発明に係る増幅回路システムは、例えば、入力信号を、ゲイン設定抵抗を有する増幅回路により増幅し、さらに、その増幅回路で増幅された信号を後段に設けられた半導体集積回路で処理する様々な増幅回路システムに対して幅広く適用することが可能である。
【0021】
図2は、第1実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。図2において、参照符号1は増幅回路、2はカスタムIC(半導体集積回路)、21は信号処理部、そして、RaおよびRbは増幅回路1のゲイン設定抵抗を示す。なお、増幅回路1は、例えば、演算増幅器であり、好ましくは、汎用の低ノイズ演算増幅器(低ノイズオペアンプ)である。
【0022】
図2に示されるように、本第1実施例の増幅回路システムは、ゲイン設定抵抗Ra,Rbによりゲインが設定される増幅回路1と、その後段に設けられたカスタムIC2と、を有する。カスタムIC2は、増幅回路1の出力信号を処理する信号処理部21を有する。
【0023】
ここで、ゲイン設定抵抗Ra,Rbは、カスタムIC2の内部に設けられている。すなわち、本第1実施例の増幅回路システムは、増幅回路1のゲインを設定するゲイン設定抵抗Ra,Rbを、カスタムIC2内部に形成するようになっている。
【0024】
なお、増幅回路1としては、ノイズを低減してS/N比を向上させるために、例えば、汎用の低ノイズオペアンプを使用し、その増幅回路1のゲインAは、外付けのゲイン設定抵抗Ra,Rbの定数により、A=1+(Ra/Rb)のように決まる。
【0025】
すなわち、例えば、入力信号Sinは、低ノイズオペアンプ1の正入力に供給され、また、オペアンプ1の負入力は、ゲイン設定抵抗Raを介してバイアス電圧(bias)が印加され、すなわち、バイアス電源線に接続される。そして、ゲイン設定抵抗Rbは、オペアンプ1の出力と負入力との間に接続される。
【0026】
ところで、カスタムIC(半導体集積回路)2において、内蔵される素子の特性(例えば、抵抗値)は、温度変動や製造プロセスのばらつきにより変化する。そのため、前段の増幅回路1のゲイン設定抵抗Ra,Rbを後段の同じカスタムIC2内部に形成することにより、たとえ温度変動や製造プロセスのばらつきが生じても、ゲイン設定抵抗Ra,Rbの抵抗値の比率を略一定に保つことが可能になる。
【0027】
すなわち、増幅回路1のゲインはカスタムIC2の内部に形成した抵抗RaおよびRbの比により決まるため、抵抗RaおよびRbは、プロセスばらつきによる抵抗値の相対ばらつきを抑制することで、ゲイン値の精度を確保することが可能になる。また、外付けの抵抗をカスタムIC2の内部に形成することで、構成部品点数の削減による、コスト削減および実装面積削減の効果もある。
【0028】
具体的に、1つの半導体集積回路(カスタムIC2)に隣接するように配置された抵抗ペアの相対ばらつきが±3%で、例えば、ゲイン設定抵抗RaおよびRbが+3%ばらついたとき(Ra⇒Ra×103%,Rb⇒Rb×103%)、このゲイン設定抵抗Ra、Rbの抵抗値の比率は、ばらつきが同方向であるため、ゲイン設計値と同じでゲインのばらつきは生じない。
【0029】
このように、本第1実施例の増幅回路システムによれば、抵抗値の公差を低減する(抵抗値のバラツキを抑える)ことができ、ゲイン精度を向上することが可能になる。
【0030】
図3は、第2実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。図3(a)および図3(b)に示されるように、本第2実施例の増幅回路システムでは、ゲイン設定抵抗RaおよびRbを、カスタムIC2の半導体基板20において、同じ方向に隣接配置してマッチング(22)を取るようになっている。
【0031】
すなわち、隣接配置という構成をとることによってマッチングすることができ、ゲイン精度を向上させることが可能になる。なお、増幅回路1のゲインAは、例えば、A=1+(Ra/Rb)のように決められている。
【0032】
ここで、抵抗RaおよびRbのマッチング22を取るとは、例えば、図3(b)に示されるように、抵抗RaをRa1およびRa2で構成すると共に、抵抗RbをRb1およびRb2で構成し、これらRa1,Ra2,Rb1,Rb2を半導体基板20上に交互に配置することで、半導体基板20の位置的なばらつきや温度変化によるばらつき等を打ち消すものである。
【0033】
なお、このマッチング22に関しては、様々な手法が知られており、本第2実施例の増幅回路システムにおいても、図3(b)以外の様々な手法を適用することができるのはいうまでもない。
【0034】
このように、本第2実施例の増幅回路システムによれば、ばらつきを抑えることのできない外付けの抵抗を使用した場合と比較して、ゲインを高精度に設定することができる。
【0035】
図4は、第3実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。図4に示されるように、本第3実施例の増幅回路システムにおいて、ゲイン設定抵抗Rbは、n個の抵抗Rb1〜Rbnおよびn−1個のスイッチSWb1〜SWbn-1により構成されている。
【0036】
そして、スイッチSWb1〜SWbn-1を順次接続することにより、抵抗Rb1に対して抵抗Rb2〜Rbnを順次並列に接続して、ゲイン設定抵抗Rbの値を制御する。具体的に、例えば、全てのスイッチSWb1〜SWbn-1がオンの場合、増幅回路1のゲインAは、A=1+(Ra/Rb[合成抵抗Rb1〜Rbn])となる。
【0037】
本第3実施例の増幅回路システムでは、例えば、増幅回路のゲインを切り替える場合、予め幾通りかのゲイン設定抵抗Rb(Rb1〜Rbn)をカスタムIC2の内部に並列配置し、切り替えスイッチSWb1〜SWbn-1により所望の抵抗を回路に接続できるようになっている。
【0038】
すなわち、増幅回路のゲインは、ゲイン設定抵抗RaとRbとの比により決まるが、ゲインを切り替えるには、幾通りかの抵抗を配置しておき、所望のゲインに応じて抵抗の接続経路を替える。
【0039】
このように、本第3実施例の増幅回路システムによれば、ゲイン切り替えが可能な増幅回路システムを考えたとき、ゲイン設定抵抗RaとRb(Rb1〜Rbn)のばらつき抑制と共に、ゲイン設定抵抗を外付け部品とした場合に比較して、多数の抵抗やスイッチが不要となるため、コスト削減,実装面積削減および回路の複雑化防止等の効果も期待できる。
【0040】
図5は、第4実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。図5に示されるように、本第4実施例の増幅回路システムにおいて、ゲイン設定抵抗Rbだけでなく、ゲイン設定抵抗Raも抵抗値を切り替えることが可能なようになっている。
【0041】
すなわち、ゲイン設定抵抗Rbは、n個の抵抗Rb1〜Rbnおよびn−1個のスイッチSWb1〜SWbn-1により構成され、また、ゲイン設定抵抗Raは、m個の抵抗Ra1〜Ramおよびm−1個のスイッチSWa1〜SWam-1により構成されている。
【0042】
そして、スイッチSWb1〜SWbn-1を順次接続することにより、抵抗Rb1に対して抵抗Rb2〜Rbnを順次並列に接続して、ゲイン設定抵抗Rbの値を制御し、また、スイッチSWa1〜SWam-1を順次接続することにより、抵抗Ra1に対して抵抗Ra2〜Ramを順次並列に接続して、ゲイン設定抵抗Raの値を制御する。
【0043】
具体的に、例えば、全てのスイッチSWa1〜SWam-1,SWb1〜SWbn-1がオンの場合、増幅回路1のゲインAは、A=1+(Ra[合成抵抗Ra1〜Ram]/Rb[合成抵抗Rb1〜Rbn])となる。
【0044】
本第4実施例の増幅回路システムでは、例えば、増幅回路のゲインを切り替える場合、ゲイン設定抵抗Ra(Ra1〜Ram)およびRb(Rb1〜Rbn)をカスタムIC2の内部に並列配置し、切り替えスイッチSWa1〜SWam-1およびSWb1〜SWbn-1により所望の抵抗を回路に接続できるようになっている。
【0045】
このように、本第4実施例の増幅回路システムは、ゲイン設定抵抗Ra(Ra1〜Ram)およびRb(Rb1〜Rbn)の組み合わせの数だけゲインを選択でき、前述したゲイン設定抵抗Rb(Rb1〜Rbn)のみ切り替える第3実施例の増幅回路システムと比べ、選択できるゲインの数は大きく増加することになる。
【0046】
すなわち、所望のゲイン設定数に対して、より少ない数の抵抗およびスイッチにより同様のゲイン設定を行うことが可能になる。
【0047】
具体的に、例えば、所望のゲイン(ゲインの設計値)Aに関して、A=21,11,5,3の場合を考えると、ゲイン設定抵抗Rbのみ切替える第3実施例の増幅回路システムでは、例えば、Rb1=20kΩ,Rb2=10kΩ,Rb3=4kΩ,Rb4=2kΩで、Ra1=1kΩとなり、5つの抵抗素子が必要になる。
【0048】
これに対して、ゲイン設定抵抗RaおよびRbの両方を切替える第4実施例の増幅回路システムでは、例えば、Rb1=20kΩ,Rb2=10kΩで、Ra1=5kΩ,Ra2=1kΩとなり、4つの抵抗素子でよいことになる。これは、所望のゲインAの数が多くなるほど、より一層顕著なものとなる。
【0049】
ところで、低ノイズが要求される高ゲイン増幅回路では、熱雑音を抑えるには、抵抗値を下げるのが好ましい。すなわち、例えば、本第4実施例の増幅回路システムでは、切り替えスイッチSWa1〜SWam-1およびSWb1〜SWbn-1をオンして合成抵抗を低く設定する程、ゲイン設定抵抗による発熱を抑えて熱雑音を抑制する効果がある。
【0050】
なお、図4では、スイッチSWb1〜SWbn-1を制御する信号がカスタムIC2に設けた端子から入力されるように描かれ、また、図5では、それに加えて、スイッチSWa1〜SWam-1を制御する信号もカスタムIC2に設けた端子から入力されるように描かれているが、例えば、実際にカスタムIC2を構成する場合、これらスイッチSWb1〜SWbn-1およびSWa1〜SWam-1の制御信号は、信号処理部21から内部的に供給されるか、或いは、他のマイコン(マイクロコンピュータ,マイクロコントローラ)からのデコードされた信号として少ない信号線により供給される。
【0051】
さらに、上述した第3および第4実施例において、抵抗RaおよびRbを構成する少なくとも1つの抵抗は、スイッチを介することなく常に接続状態となっている。すなわち、第3実施例の増幅回路システムでは、抵抗Raおよび抵抗Rb1は常に接続されており、また、第4実施例の増幅回路システムでは、抵抗Ra1および抵抗Rb1は常に接続されている。
【0052】
このように、ゲイン設定抵抗RaおよびRbに関して、スイッチの存在しない抵抗を設けて常時オンしている少なくとも1つの経路を形成するのは、スイッチの切り替えにより瞬間的に帰還部分がオープンになり、誤った波形が出力されるのを防ぐためである。
【0053】
図6は、第5実施例の増幅回路システムを示すブロック図であり、図4に示す第3実施例の増幅回路システムにおいて、ゲイン設定抵抗Rbを、3個の抵抗Rb1〜Rb3および2個のスイッチSWb1,SWb2により構成したものに相当する。
【0054】
ここで、図4を参照して説明した第3実施例の増幅回路システムでは、スイッチSWb1〜SWbn-1の抵抗値を考慮しなかったが、本第5実施例の増幅回路システムでは、各スイッチSWb1およびSWb2のオン抵抗Rm2およびRm3を考慮してゲイン設定抵抗の比率を規定するようになっている。
【0055】
具体的に、例えば、全てのスイッチSWb1,SWb2,SWb3がオンの場合、増幅回路1のゲインAは、A=1+(Ra/Rb[合成抵抗Rb1,Rb2',Rb3'])となる。
【0056】
すなわち、スイッチSWb1およびSWb2には、それぞれオン抵抗Rm2およびRm3が存在するため、実際の合成抵抗Rb2'およびRb3'は、Rb2'=Rb2+Rm2,Rb3'=Rb3+Rm3となる。
【0057】
具体的に、例えば、ゲイン設定抵抗Rb2とRb3の設計値を1:10にした場合、すなわち、Rb2:Rb3=1:10に設計すると、実際の抵抗比は、Rb2':Rb3'=(Rb2+Rm2):(Rb3+Rm3)≠1:10となり、ゲインにずれが生じてしまう。
【0058】
そこで、本第5実施例の増幅回路システムでは、スイッチSWb1およびSWb2のオン抵抗Rm2およびRm3の比率も、Rm2:Rm3=1:10となるように、例えば、スイッチSWb1およびSWb2として使用するMOSトランジスタのサイズ(ゲート長およびゲート幅)を調整してその比率に合った重み付けをするようになっている。
【0059】
なお、スイッチ用トランジスタのオン抵抗の調整は、トランジスタのサイズに限定されるものではなく、例えば、スイッチ用トランジスタとして使用する同一サイズのトランジスタの数により行うこともできる。
【0060】
これにより、実際の抵抗比を、Rb2':Rb3'=(Rb2+Rm2):(Rb3+Rm3)=1:10に設定することができ、高精度のゲイン設定を行うことが可能になる。
【0061】
図7は、第6実施例の増幅回路システムを示すブロック図であり、増幅回路を差動構成としたものである。図7に示されるように、増幅回路11は、入力信号Sin+を受け取って増幅し、また、増幅回路12は、入力信号Sin-を受け取って増幅する。ここで、信号Sin+およびSin-は、差動信号であり、また、増幅回路11および12は、例えば、汎用の低ノイズオペアンプである。
【0062】
図7に示す第6実施例の増幅回路システムにおいて、増幅回路11のゲインA1は、A1=1+(Ra/Rb)となり、また、増幅回路12のゲインA2は、A2=1+(Ra/Rb)となる。
【0063】
このように、本第6実施例の増幅回路システムでは、2つの増幅回路11,12により差動構成とした場合には、それら増幅回路11,12のゲイン設定抵抗Ra,Rb(各2個)を全てカスタムIC2の内部に形成するようになっている。
【0064】
図8は、第7実施例の増幅回路システムを示すブロック図であり、増幅回路を直列に複数段(図8では、二段)接続して構成したものである。図8に示されるように、増幅回路13は、入力信号Sinを受け取って増幅し、また、増幅回路14は、増幅回路13の出力信号-を受け取ってさらに増幅する。ここで、増幅回路13および14は、例えば、汎用の低ノイズオペアンプである。
【0065】
本第7実施例の増幅回路システムは、例えば、入力信号Sinが微小で、且つ、1つの増幅回路が許容するゲイン値より所望のゲイン値が大きい場合などにおいて、十分な出力を得るために増幅回路を多段構成としたものである。
【0066】
図8に示す第7実施例の増幅回路システムにおいて、増幅回路13のゲインA3は、A3=1+(Rb/Ra)となり、また、増幅回路14のゲインA4は、A4=1+(Rd/Rc)となる。
【0067】
このように、本第7実施例の増幅回路システムでは、2つの増幅回路13,14により二段増幅構成とした場合には、それら増幅回路13,14のゲイン設定抵抗Ra,Rb,Rc,Rdを全てカスタムIC2の内部に形成するようになっている。
【0068】
上述した本第6および第7実施例の増幅回路システムのように、前段の増幅回路が複数ある場合、それら増幅回路のゲイン設定抵抗を全て後段のカスタムIC2の内部に形成することにより、増幅回路のゲイン精度を向上することができる。また、このような前段の増幅回路が複数ある場合、増幅回路の数に比例して部品点数および実装面積が増加する従来技術に対して、本第6および第7実施例では部品点数および実装面積を抑えることができ、その効果はさらに大きなものとなる。
【0069】
図9は、第8実施例の増幅回路システムを示すブロック図である。図9と前述した図2との比較から明らかなように、本第8実施例の増幅回路システムは、設定ゲインの異なる2つの増幅回路15および16を有し、スイッチSWにより増幅回路15または16のいずれかの出力信号を選択して信号処理部21に供給するようになっている。
【0070】
ここで、増幅回路15のゲインA5は、A5=1+(Ra/Rb)となり、また、増幅回路16のゲインA6は、A6=1+(Rc/Rd)となる。
【0071】
例えば、入力信号Sinの振幅範囲が大きく変化し、増幅回路1つでは全範囲の入力信号Sinを許容できない場合などには、各々決められた範囲の入力を増幅できる複数(図9では2個)の増幅回路15および16を設け、スイッチSWにより適切な増幅回路15または16の出力を選択する。
【0072】
本第8実施例の増幅回路システムにおいても、2つの増幅回路15,16のゲイン設定抵抗Ra,Rb,Rc,Rdを全てカスタムIC2の内部に形成するようになっている。なお、これらゲイン設定抵抗Ra,Rb,Rc,Rdは、図3(b)を参照して説明したように、例えば、カスタムIC2の半導体基板に隣接配置してマッチング22を取るようになっている。なお、マッチング22としては、図3(b)のものに限定されず、知られている様々な手法を適用することができる。
【0073】
このように、本第8実施例の増幅回路システムによれば、設定ゲインの異なる複数の増幅回路15,16から適切な設定ゲインの増幅回路の出力信号をスイッチSWにより選択し、その信号を信号処理部21に供給して処理することが可能になる。
【0074】
また、複数の増幅回路15,16におけるゲイン設定抵抗Ra,Rb,Rc,Rdのマッチング(22)を取ることにより、例えば、各増幅回路15,16のゲインを正確に設定して全範囲の入力信号Sinを、複数の増幅回路によるオーバーラップを生じることなく増幅することが可能になる。
【0075】
図10は、第9実施例の増幅回路システムを示すブロック図であり、前述した図3に示す増幅回路1およびゲイン設定Ra,Rbを並列に複数個(図10では3個)設けるようにしたものに相当する。
【0076】
すなわち、増幅回路17,18,19は、それぞれ異なる入力信号Sin1,Sin2,Sin3を受け取って増幅し、その増幅信号を信号処理回路21に供給して出力信号Sout1,Sout2,Sout3を出力するようになっている。
【0077】
ここで、増幅回路17,18,19のゲインAは、すなわち、全てのチャネルch(1),ch(2),ch(3)について、Ach(1)=Ach(2)=Ach(3)=1+(Rb/Ra)となっている。また、各増幅回路17,18,19のゲイン設定Ra,Rbは、例えば、カスタムIC2の半導体基板に隣接配置してマッチング22を取るようになっている。
【0078】
図11は、第10実施例の増幅回路システムを示すブロック図であり、前述した図2に示す第1実施例の増幅回路システムにおいて、カスタムIC2におけるゲインを設定Rbと並列に発振防止用コンデンサC1を設けてフィードフォワード補償を行うようにしたものである。なお、増幅回路1のゲインAは、A=1+(Ra/Rb)となっている。
【0079】
ここで、ゲイン設定抵抗Rbと並列に発振防止用コンデンサC1を設ける場合、このコンデンサC1もカスタムIC2の内部に形成する。これにより、ゲイン設定抵抗Ra,Rbと同様に、発振防止用コンデンサC1も外付けする必要がなくなるため、部品点数および実装面積の削減、並びに、動作のばらつきの抑制等が可能になる。
【0080】
なお、発振防止用コンデンサC1は、図2に示す第1実施例の増幅回路システムだけでなく、前述した各実施例に対しても同様に適用することができるのはいうまでもない。また、上述した各実施例は、適宜組み合わせて適用することができるのはいうまでもない。
【0081】
ここで、上述した各実施例の増幅回路システムは、1つの半導体基板上に形成し半導体装置として構成することができ、さらに、この半導体装置を有する電子モジュールとして製品化することも可能である。
【0082】
以上において、上述した各実施例の増幅回路システムは、例えば、ミリ波レーダ装置の増幅回路を始めとする高いゲイン精度が要求される増幅回路システムに対して幅広く適用することができる。特に、各実施例の増幅回路システムの適用は、高いゲイン精度が要求される汎用の低ノイズオペアンプおよびカスタムICを使用する増幅回路システムに対して好ましいものである。
【符号の説明】
【0083】
1,11〜19,101 増幅回路(演算増幅器、汎用の低ノイズ演算増幅器)
2,102 カスタムIC(半導体集積回路)
21 信号処理部
C1 発振防止用コンデンサ
Ra,Rb,Rc,Rd;Ra1〜Ram,Rb1〜Rbn ゲイン設定抵抗
SW,SWa1〜SWam-1,SWb1〜SWbn-1 スイッチ(スイッチ用トランジスタ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲイン設定抵抗によりゲインが設定される増幅回路と、該増幅回路の後段に設けられた半導体集積回路と、を有する増幅回路システムであって、
前記ゲイン設定抵抗が、前記半導体集積回路の内部に形成されていることを特徴とする増幅回路システム。
【請求項2】
請求項1に記載の増幅回路システムにおいて、
前記ゲイン設定抵抗は、複数の抵抗素子を有し、該複数の抵抗素子が、同じ方向に隣接配置されていることを特徴とする増幅回路システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の増幅回路システムにおいて、
前記ゲイン設定抵抗は、前記半導体集積回路の内部に配列された複数の抵抗素子を有し、該複数の抵抗素子を複数のスイッチで接続制御して前記増幅回路のゲインを設定することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の増幅回路システムにおいて、
前記増幅回路は、入力信号を正入力で受け取り、
前記ゲイン設定抵抗は、前記増幅回路の負入力とバイアス電源線との間に設けられた第1ゲイン設定抵抗と、前記増幅回路の前記負入力と出力との間に設けられた第2ゲイン設定抵抗と、を有することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項5】
請求項4に記載の増幅回路システムにおいて、
前記第1ゲイン設定抵抗は、前記半導体集積回路の内部に配列された複数の第1抵抗素子を有し、該複数の第1抵抗素子を複数の第1スイッチで接続制御し、
前記第2ゲイン設定抵抗は、前記半導体集積回路の内部に配列された複数の第2抵抗素子を有し、該複数の第2抵抗素子を複数の第2スイッチで接続制御して、前記増幅回路のゲインを設定することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項6】
請求項5に記載の増幅回路システムにおいて、
前記第1および第2ゲイン設定抵抗の比率に応じて前記各第1および第2抵抗素子の重み付けを行うことを特徴とする増幅回路システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の増幅回路システムにおいて、
前記複数の抵抗素子は、常に接続状態となっている少なくとも1つの抵抗素子を有することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれか1項に記載の増幅回路システムにおいて、
前記第1および第2ゲイン設定抵抗の抵抗値を下げるように、前記第1および第2スイッチにより前記第1および第2抵抗素子の接続を制御することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項9】
請求項4〜8のいずれか1項に記載の増幅回路システムにおいて、
前記第2ゲイン設定抵抗と並列に、前記半導体集積回路の内部に、前記増幅回路の発振を防止する発振防止用コンデンサを形成することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の増幅回路システムにおいて、
前記増幅回路が複数設けられ、
該各増幅回路のゲイン設定抵抗が全て前記半導体集積回路の内部に形成されることを特徴とする増幅回路システム。
【請求項11】
請求項10に記載の増幅回路システムにおいて、
前記複数の増幅回路は、それぞれ異なる設定ゲインを有し、
前記半導体集積回路は、前記設定ゲインの異なる前記複数の増幅回路の何れかの出力を選択するスイッチを有することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項1】
ゲイン設定抵抗によりゲインが設定される増幅回路と、該増幅回路の後段に設けられた半導体集積回路と、を有する増幅回路システムであって、
前記ゲイン設定抵抗が、前記半導体集積回路の内部に形成されていることを特徴とする増幅回路システム。
【請求項2】
請求項1に記載の増幅回路システムにおいて、
前記ゲイン設定抵抗は、複数の抵抗素子を有し、該複数の抵抗素子が、同じ方向に隣接配置されていることを特徴とする増幅回路システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の増幅回路システムにおいて、
前記ゲイン設定抵抗は、前記半導体集積回路の内部に配列された複数の抵抗素子を有し、該複数の抵抗素子を複数のスイッチで接続制御して前記増幅回路のゲインを設定することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の増幅回路システムにおいて、
前記増幅回路は、入力信号を正入力で受け取り、
前記ゲイン設定抵抗は、前記増幅回路の負入力とバイアス電源線との間に設けられた第1ゲイン設定抵抗と、前記増幅回路の前記負入力と出力との間に設けられた第2ゲイン設定抵抗と、を有することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項5】
請求項4に記載の増幅回路システムにおいて、
前記第1ゲイン設定抵抗は、前記半導体集積回路の内部に配列された複数の第1抵抗素子を有し、該複数の第1抵抗素子を複数の第1スイッチで接続制御し、
前記第2ゲイン設定抵抗は、前記半導体集積回路の内部に配列された複数の第2抵抗素子を有し、該複数の第2抵抗素子を複数の第2スイッチで接続制御して、前記増幅回路のゲインを設定することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項6】
請求項5に記載の増幅回路システムにおいて、
前記第1および第2ゲイン設定抵抗の比率に応じて前記各第1および第2抵抗素子の重み付けを行うことを特徴とする増幅回路システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の増幅回路システムにおいて、
前記複数の抵抗素子は、常に接続状態となっている少なくとも1つの抵抗素子を有することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれか1項に記載の増幅回路システムにおいて、
前記第1および第2ゲイン設定抵抗の抵抗値を下げるように、前記第1および第2スイッチにより前記第1および第2抵抗素子の接続を制御することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項9】
請求項4〜8のいずれか1項に記載の増幅回路システムにおいて、
前記第2ゲイン設定抵抗と並列に、前記半導体集積回路の内部に、前記増幅回路の発振を防止する発振防止用コンデンサを形成することを特徴とする増幅回路システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の増幅回路システムにおいて、
前記増幅回路が複数設けられ、
該各増幅回路のゲイン設定抵抗が全て前記半導体集積回路の内部に形成されることを特徴とする増幅回路システム。
【請求項11】
請求項10に記載の増幅回路システムにおいて、
前記複数の増幅回路は、それぞれ異なる設定ゲインを有し、
前記半導体集積回路は、前記設定ゲインの異なる前記複数の増幅回路の何れかの出力を選択するスイッチを有することを特徴とする増幅回路システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−65159(P2012−65159A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207918(P2010−207918)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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