説明

変換装置、再生装置

【課題】第1フォーマットのビデオ信号を第2フォーマットに変換する場合において、色にじみの発生を軽減できる。
【解決手段】変換装置は、第1フォーマットのビデオ信号を取得する取得手段と、第1フォーマットのビデオ信号において、色差が同じで隣り合う、複数個の色信号を1つの単位として順次抽出する抽出手段と、複数個の色信号を用いて、補間用色信号を生成する生成手段と、生成された補間用色信号に基づいて、第1フォーマットのビデオ信号を第2フォーマットに変換し、出力する出力手段と、を備える。生成手段は、抽出された複数個の色信号において、隣接する色信号間にエッジが存在するか否かを検出するエッジ検出手段と、エッジの位置に基づいて、複数個の色信号の一部を補正する補正手段と、補正された色信号を用いて補間用色信号を生成する補間信号生成手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1フォーマットのビデオ信号を、第1フォーマットよりも情報量の多い第2フォーマットに変換する変換装置に関する。より詳しくは、第1フォーマットの色信号に基づいて補間用色信号を生成し、補間用色信号を利用して第2フォーマットを生成する変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、放送波や光ディスク(Blu−ray Disc)に含まれるビデオ信号には、YCbCr信号が用いられている。また、ビデオ信号は、4:2:2フォーマットや4:4:4フォーマットでなく、4:2:0フォーマットの色差信号を削減したフォーマットが用いられている。これらは、ビデオ信号の情報量を考慮して用いられている。
【0003】
ここで、4:2:0フォーマットのようなビデオ信号を再生する再生装置では、ビデオ信号を再生するため、削減された色差信号を補間する必要がある。そのため、再生装置では、4:2:0フォーマットのビデオ信号を4:4:4フォーマットで再生する際、先ずは4:2:0から4:2:2フォーマットへ変化し、続いて4:2:2から4:4:4フォーマットへの変換を行う。その変換の際、輝度情報と色差情報の間に相関がある性質を利用して、補間処理方式を決定し、決定された補間方式で色差情報を補間するようにしている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−358490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、再生装置では、上記のように、4:2:2フォーマットのような第1フォーマットのビデオ信号を、4:4:4フォーマットのような第2フォーマットに変換する場合、図10に示すような課題が発生する。具体的に説明する。
【0006】
図10は、色差情報のCbを例にして、画素の位置がCb[n]の位置における8tap補間処理を説明したものである。図10は、横軸が画素の位置を示し、縦軸が色信号レベルを示す。図10では、Cb[n−7]〜Cb[n+1]の色信号レベルが低く、Cb[n+3]〜Cb[n+7]の色信号のレベルが高い。
【0007】
ここで再生装置は、上記8タップ(Cb[n−7]〜Cb[n+7])の色差信号の色信号レベルを用いて、色信号レベルの平均値を算出し、この算出した色信号レベルを補間用色差信号(Cb[n])としているものとする。この場合、補間用色差信号(Cb[n])の色信号レベルが、Cb[n+3]〜Cb[n+7]の影響を受けたものとなる。すなわち、生成された補間用色差信号(Cb[n])は、Cb[n−1]とCb[n+1]の間で色にじみの原因になる。
【0008】
なお、図10に示すような、Cb[n+1]とCb[n+3]の間の色信号レベルの急激な変化は、元々の画像データ(4:2:2フォーマット)に、OSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)(4:2:2フォーマット)などの他の画像を重ね合わせると発生しやすい。
【0009】
そこで本発明は、上記課題を解決するために、第1フォーマットのビデオ信号を第2フォーマットに変換する場合において、色にじみの発生を軽減できる変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の変換装置は、第1フォーマットのビデオ信号を、当該第1フォーマットよりも情報量の多い第2フォーマットに変換する。変換装置は、前記第1フォーマットのビデオ信号を取得する取得手段と、前記第1フォーマットのビデオ信号において、色差が同じで、かつ、隣り合う、複数個の色信号を1つの単位として順次抽出する抽出手段と、前記抽出された複数個の色信号を用いて、補間用色信号を生成する生成手段と、前記生成手段で生成された補間用色信号に基づいて、前記取得された第1フォーマットのビデオ信号を第2フォーマットに変換し、出力する出力手段と、を備える。そして前記生成手段は、前記抽出された複数個の色信号において、隣接する色信号間にエッジが存在するか否かを検出するエッジ検出手段と、当該検出したエッジの位置に基づいて、前記複数個の色信号の一部を補正する補正手段と、当該補正された色信号を用いて前記補間用色信号を生成する補間信号生成手段と、を有する。
【0011】
このようにすれば、隣接する色信号間にエッジが存在する箇所を検出して、そのエッジに応じて、色信号の一部を補正できる。このため、色にじみの原因になる色差情報を使用せずに、補間用の色信号を生成できるようになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1フォーマットのビデオ信号を第2フォーマットに変換する場合において、色にじみの発生を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態に係るプレーヤーの構成図
【図2】本実施の形態に係るHDMI用LSIの機能ブロック図
【図3】本実施の形態に係るHDMI伝送用変換ブロック内の機能ブロック図
【図4】本実施の形態に係るHDMI伝送用変換ブロック内の入力信号及び出力信号を説明するための図
【図5】本実施の形態に係る補間処理の動作例を示すフローチャート
【図6】本実施の形態に係る2TAP処理を説明するための図
【図7】本実施の形態に係る第1の8TAP処理を説明するための図
【図8】本実施の形態に係る第2の8TAP処理を説明するための図
【図9】本実施の形態に係る第3の8TAP処理を説明するための図
【図10】課題を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
本実施の形態に係るプレーヤー100を説明する
<1.本実施の形態の概要>
プレーヤー100は、ドライブ装置110に載置された光ディスクから4:2:0フォーマットのビデオ信号を取得する。プレーヤー100は、受信した4:2:0フォーマットのビデオ信号を、4:2:2フォーマット、もしくは4:4:4フォーマットに変換して、TV200に出力する。
【0015】
プレーヤー100は、4:2:2フォーマットのビデオ信号を4:4:4フォーマットに変換する際、以下の補間処理を施す。まず、プレーヤー100は、4:2:2フォーマットのビデオ信号から、色差が同じで、かつ、隣り合う、複数個(8個)の色差信号を取得する。つまり、プレーヤー100は、4:2:2フォーマットのビデオ信号から、Cb又はCrで隣り合う8個の色差信号を取得する。そしてプレーヤー100は、8個の色差信号のうち、隣接する色差信号間にエッジ(色レベルの差が閾値以上ある箇所)が存在するか否かを検出する。プレーヤー100は、エッジが存在すると判断した場合、エッジの位置に基づいて、8個の色差信号の一部を補正する。そしてプレーヤー100は、補正された色差信号を含む8個の色差信号を利用して、補間用色差信号を生成する。プレーヤー100は、このような処理を、4:2:2フォーマットのビデオ信号全体に対して繰り返す。
【0016】
このようにすれば、隣接する色差信号間にエッジが存在する箇所を検出して、そのエッジに応じて、色差信号の一部を補正できる。このため、色にじみの原因になる色差情報を使用せずに、補間用の色差信号を生成できるようになる。
【0017】
<2.構成>
<2.1 全体構成とプレーヤー100の構成の説明(図1)>
図1は、全体構成の説明である。以下、各々の構成を説明する。
【0018】
プレーヤー100は、ドライブ装置110に挿入された光ディスクから映像及び音声信号を読み出す。そしてプレーヤー100は、読み出した映像及び音声信号を、HDMI端子140を介してTV200に出力する。TV200では、プレーヤー100から入力される映像及び音声信号を表示画面として表示するとともに、音声として出力する。
【0019】
プレーヤー100は、ドライブ装置110、LSI120、HDMI用LSI130及びHDMI端子140で構成されている。以下、具体的に説明する。
【0020】
ドライブ装置110は、光ディスクの信号を読み取り、LSI120に信号を出力する。光ディスクは、BD(Blu−ray Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等が考えられる。なお、本実施の形態では、ビデオ信号(映像信号)とオーディオ信号(音声信号)とデータ信号を多重化した信号が、光ディスクに格納されているものとする。また、ビデオ信号とオーディオ信号は、圧縮符合化されているものとする。ビデオ信号は、4:2:0フォーマット(YCbCrフォーマット)であるとする。
【0021】
LSI120は、ドライブ装置110からの信号を受けると、デコード処理を行い、4:2:2フォーマットに変換して、HDMI用LSI130へ信号を出力する。具体的にLSI120は、多重化された信号を、ビデオ信号と、オーディオ信号と、データ信号に分離する。そしてLSI120は、分離されたビデオ信号とオーディオ信号の各々を、デコードする。これによって、デコードされた4:2:0フォーマットのビデオ信号が生成される。さらに、ビデオ信号はHDMI用LSI130へ伝送する前に、4:2:0フォーマットから4:2:2フォーマットへ変換される。つまり、LSI120は、デコードされた4:2:0フォーマットのビデオ信号を、4:2:2フォーマットに変換する。LSI120は、4:2:2フォーマットのビデオ信号及びオーディオ信号をHDMI用LSI130に出力する。また、LSI120は、データ信号をHDMI用LSI130に出力する。LSI120は、半導体チップ(LSI)で実現可能である。
【0022】
ここでLSI120は、取得したビデオ信号に、OSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)を重ね合わせることが可能である。この処理をかんたんに説明する。LSI120は、ユーザの操作などによって、ビデオ信号にOSDを重ね合わせる指示を受け付けると、LSI120内に予め記録されているOSD情報を読み出す。そして、LSI120は、読み出したOSD情報を、ドライブ装置110から取得したビデオ信号に重ね合わせる。ここで、LSI120は、4:4:4フォーマットのOSD情報を保持している。そのためLSI120は、OSD情報を、輝度情報:色差情報=2:1の割合で拡大する。例えば、LSI120は、輝度情報のみを2倍に拡大する。これによって、LSI120は、4:2:2フォーマットのOSD情報を得る。LSI120は、この4:2:2フォーマットのOSD情報を、取得したビデオ信号に重ね合わせる。このようにして、LSI120は、取得したビデオ信号にOSD情報を重ね合わせることが可能になる。なお、LSI120は、ビデオ信号がBDフォーマットである場合、プライマリビデオにセカンダリビデオを重ね合わせることも可能である。
【0023】
HDMI用LSI130は、LSI120からの信号を受け、HDMI出力を行うための信号処理を行う。そしてHDMI用LSI130は、信号処理を行った信号を、HDMI端子140へ出力する。具体的に、HDMI用LSI130は、4:2:2フォーマットのビデオ信号を4:4:4フォーマットに変換して(4:2:2のまま出力する場合は処理不要)、この変換した信号をHDMI端子140に出力する。HDMI用LSI130は、半導体チップ(LSI)で実現可能である。HDMI用LSI130の詳細は後述する。
【0024】
HDMI端子140は、HDMI用LSI130からの信号を受け、TV200へデータを出力する。HDMI端子140は、TV200との間で情報のやり取りを可能にするものである。つまり、HDMI端子140は、TV200と電気的に接続可能に構成されている。
【0025】
電源150は、家庭用電源から得られるAC電流をDC電流に変換して、プレーヤー100の各部(LSI120やHDMI用LSI130等)へ電力を供給する。
【0026】
<2.2 HDMI用LSI130の機能ブロックの説明(図2)>
次に、HDMI用LSI130の機能ブロックを説明する。図2は、HDMI用LSI130の機能ブロックを説明するための図である。
【0027】
HDMI用LSI130は、CUS131及びHDMI伝送用変換ブロック132を機能ブロックとして有している。HDMI用LSI130には、LSI120からビデオ信号(4:2:2フォーマットのデジタルビデオ信号)、オーディオ信号(デジタルオーディオ信号)、及び、データ信号(パケット情報)が入力されている。
【0028】
CUS131は、HDMI用LSI130に入力された4:2:2フォーマットのデジタルビデオ信号にクロマアップサンプル処理を施し、4:4:4フォーマットのデジタルビデオ信号に変換する。CUS131は、4:4:4フォーマットのデジタルビデオ信号を、HDMI伝送用変換ブロック132へ出力する。
【0029】
HDMI伝送用変換ブロック132は、CUS131からのデジタルビデオ信号、HDMI用LSI130へ入力されたデジタルオーディオ信号、HDMI用LSI130へ入力されたパケット情報を受けて、HDMI伝送用フォーマットへ変換し出力する。本実施の形態では、HDMI伝送フォーマットとは、ビデオ信号のブランク期間にオーディオ信号やデータ信号のパケットデータを載せて、その信号をTMDS変換した信号のことである。TMDS変換とは、映像信号のベースバンド伝送に用いられる方式で、ビデオ信号を、24bitから30bitに変換し、シリアル化するものである。
【0030】
<2.3 CUS131の機能ブロック説明(図3)>
次に、CUS131の機能ブロックを説明する。図3は、CUS131の機能ブロックを説明するための図である。CUS131は、遅延ブロック(輝度データ)301、遅延ブロック(色差データ)302、補間データ生成部303、パラレル変換部(オリジナルデータ)304、パラレル変換部(色差データ)305及び合成部306を、機能ブロックとして有している。
【0031】
CUS131には、4:2:2フォーマットのデジタルビデオ信号が入力される。本実施の形態では、HDMI用LSI130からCUS131に、図4のようなビデオ信号が入力される。つまり、CUS131には、輝度データと色差データ(Cb又はCr)が、1つの単位となって入力される。このように輝度データと色差データ(Cb又はCr)を1つの単位とする理由は、情報の伝送量を少なくするためである。
【0032】
なお、CUS131は、図4に示すように、1つの単位の入力データ(輝度データ及び色差データ(Cb又はCr))が入力されると、1つの単位の出力データ(輝度データ及び色差データ(Cb)、色差データ(Cr))が出力されるようになっている。
【0033】
以下、1つの単位の入力データが入力されたことに伴うCUS131の各部の処理を説明する。例えば、CUS131に、Y[n+8]及びCr[n+7]が入力データとして入力されたとする。
【0034】
遅延ブロック(輝度データ)301は、入力データのうち、輝度(Y)データを取得する。遅延ブロック(輝度データ)301は、取得した輝度信号を保持する遅延ブロックである。すなわち、遅延ブロック(輝度データ)301は、輝度データの読み出し指示が行なわれるまで、入力された輝度データを保持する。
【0035】
例えば、遅延ブロック(輝度データ)301には、輝度データとして、Y[n−1]、Y[n]、Y[n+1]、Y[n+2]、Y[n+3]、Y[n+4]、Y[n+5]、Y[n+6]、Y[n+7]のような情報が保持されていたとする。この場合、遅延ブロック(輝度データ)301は、新たな輝度データ Y[n+8]を取得すると、Y[n+8]を保持する。
【0036】
遅延ブロック(色差データ)302は、入力データのうち、色差(Cb又はCr)データを取得する。遅延ブロック(色差データ)302は、取得した色信号を保持する遅延ブロックである。すなわち、遅延ブロック(色差データ)302は、色差データの読み出し指示が行なわれるまで、入力された色差データを保持する。本実施の形態では、遅延ブロック(色差データ)302に、16個の色差データを保持する。なお、遅延ブロック(色差データ)302は、新たな色差データを取得すると、9個前に取得した色差データをパラレル変換部(オリジナルデータ)304に出力する。
【0037】
例えば、遅延ブロック(色差データ)302には、色差データとして、Cr[n−9]、Cb[n−7]、Cr[n−7]、Cb[nー5]、Cr[n−5]、Cb[n−3]、Cr[n−3]、Cb[n−1]、Cr[n−1]、Cb[n+1]、Cr[n+1]、Cb[n+3]、Cr[n+3]、Cb[n+5]、Cr[n+5]、Cb[n+7]のような情報が保持されていたとする。この場合、遅延ブロック(色差データ)302は、新たな色差データ Cr[n+7]を取得すると、Cr[n−9]を破棄して、Cr[n+7]を保持する。また、遅延ブロック(色差データ)302は、Cr[n−1]を読み出して、パラレル変換部(オリジナルデータ)304に出力する。
【0038】
補間データ生成部303は、遅延ブロック(色差データ)302に保持された色差データに基づいて、Cb及びCrの補間用色差データを交互に生成する。補間データ生成部303は、まず、遅延ブロック(色差データ)302に保持された色差データから、Cb又はCrの色差データを取得する。
【0039】
この場合、補間データ生成部303は、Cbに関する8つの色差データを取得する。このようにして取得したデータは、色差が同じで、隣り合う情報である。補間データ生成部303は、この情報を利用して、補間用色差データを生成する。この例の場合、補間データ生成部303は、Cb[n−7]、Cb[n−5]、Cb[n−3]、Cb[n−1]、Cb[n+1]、Cb[n+3]、Cb[n+5]、Cb[n+7]の情報に基づいて、Cb[n]の補間用色差データを生成する。補間データ生成部303は、生成した補間用色差データを、パラレル変換部(色差データ)305に入力する。なお、補間用色差データは、図5を用いて<3.補間処理>の欄で詳しく説明する。
【0040】
補間データ生成部303は、上記Cb[n]の生成が終わると、次の入力データが入力されることに伴って、Crに関する8つの色差データを取得する。そして補間データ生成部303は、取得した色差データに基づいて、Crの補間用色差データを生成する。このようにして、補間データ生成部303は、順次抽出した色差データから、補間用色差データを生成する。補間データ生成部303は、生成した補間用色差データを、パラレル変換部(色差データ)305に入力する。
【0041】
パラレル変換部(オリジナルデータ)304は、入力される色差データ(Cb)と色差データ(Cr)を1つの単位で出力する。ここで、パラレル変換部(オリジナルデータ)304には、Cb及びCrが交互に入力される。したがって、パラレル変換部(オリジナルデータ)304は、Cbの色差データを取得した場合、Cbの色差データを保持する。一方で、パラレル変換部(オリジナルデータ)304は、Crの色差データを取得した場合、保持したCbの色差データと、取得したCrの色差データを合わせて出力する。例えば、パラレル変換部(オリジナルデータ)304にCr[n−1]が入力されたとする。この場合、パラレル変換部(オリジナルデータ)304は、1つ前に入力されるCb[n−1]を保持しているはずである。
【0042】
したがって、パラレル変換部(オリジナルデータ)304は、Cb[n−1]とCr[n−1]を合わせて、合成部306に出力する。要するに、パラレル変換部(オリジナルデータ)304は、順次取得されるCb及びCrの色差データを、合成部306へ2mクロック毎に出力する。
【0043】
パラレル変換部(色差データ)305は、入力される補間用色差データ(Cb)と補間用色差データ(Cr)を1つの単位で出力する。ここでパラレル変換部(色差データ)305には、Cb及びCrが交互に入力される。
【0044】
したがって、パラレル変換部(色差データ)305は、Cbの補間用色差データを取得した場合、Cbの補間用色差データを保持する。一方で、パラレル変換部(色差データ)305は、Crの補間用色差データを取得した場合、保持したCbの補間用色差データと、取得したCrの補間用色差データを合わせて出力する。なお、例えば、パラレル変換部(色差データ)305は、Cb[n]を取得すると、Cb[n]を保持する。要するに、パラレル変換部(色差データ)305は、順次取得されるCb及びCrの補間用色差データを、合成部306へ2m+1クロック毎に出力する。
【0045】
合成部306は、遅延ブロック(輝度データ)301から取得される輝度データと、パラレル変換部(オリジナルデータ)304又はパラレル変換部(色差データ)305から入力される色差データと、を合わせて、出力する。例えば、合成部306は、Cb[n−1]、Cr[n−1]を取得すると、遅延ブロック(輝度データ)301からY[n−1]を取得して出力する。
【0046】
このようにして、CUS131では、4:2:2フォーマットのビデオ信号を4:4:4フォーマットに変換できる。
【0047】
<2.4 CUS131の入力データ及び出力データの説明>
上記説明したCUS131での入力データ及び出力データの説明を行なう。図4は、入力データと出力データの関係を示す図である。なお、入力データと出力データは、CUS131の内部処理遅延が存在するので、tのタイミングとsのタイミングが一致するわけではない。すなわち、tは、入力データの入力タイミングを示し、sは、出力データの出力タイミングを示すにすぎない。なお、Cb1とCr1は、Y1の位置に対応したデータであり、Cb3とCr3は、Y3の位置に対応したデータである。
【0048】
CUS131は、tのタイミングで、Y1及びCb1が入力される。CUS131は、次のt+1のタイミングで、Y2及びCr1が入力される。このように、入力データが順次入力される。
【0049】
一方、CUS131は、sのタイミングで、Y1及びCb1、Cr1が出力される。CUS131は、次のs+1のタイミングで、Y2及びCb2、Cr2が出力される。なお、Cb2及びCr2は、補間されたデータである。このように、出力データが順次出力される。
【0050】
要するに、Cb1、Cr1、Cb3及びCr3は入力されたオリジナルデータであり、Cb2、Cr2、Cb4及びCr4は、クロマアップサンプル処理による補間データである。
【0051】
<3.補間処理の説明(図5)>
本実施の形態の補間処理を、補間データ生成部303の動作例で説明する。図5は、補間データ生成部303の補間処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【0052】
まず、補間データ生成部303は、遅延ブロック(色差データ)302から、Cb又はCrの色差データを8個取得する(S1)。
補間データ生成部303は、上記実施の形態に示したように、Cbに関する色差データを8個取得した場合を例にして説明を行なう。したがって、補間データ生成部303は、Cb[n−7]、Cb[n−5]、Cb[n−3]、Cb[n−1]、Cb[n+1]、Cb[n+3]、Cb[n+5]、Cb[n+7]の色差データを取得する。なお、補間データ生成部303は、このデータを基に、Cb[n]の補間用色差データを生成する。
【0053】
次に、補間データ生成部303は、隣接する色差データ間の差分を検出する(S2)。例えば、補間データ生成部303は、Cb[n−7]とCb[n−5]の色レベルの差分を検出する。同様に、補間データ生成部303は、Cb[n−5]とCb[n−3]の色レベルの差分を検出する。このようにして、補間データ生成部303は、隣接する色差データ間の差分を検出する。本実施の形態では、差分値を絶対値に丸める。つまり、小数点以下を四捨五入する。
【0054】
次に、補間データ生成部303は、検出した差分を参照し、条件1又は条件2を満たすか否かを判別する(S3)。
【0055】
〔条件1〕補間用色差データが挿入される位置において、隣接する色差データの差分値が第1閾値以下であり、かつ、隣接する色差データの何れか一方の色レベルが「0」(黒)である。
【0056】
〔条件2〕補間用色差データが挿入される位置において、隣接する色差データの差分値が第1閾値以下であり、かつ、補間用色差データが挿入される位置から1つ離れた色差データ間の差分値が第1閾値以下である。
【0057】
ここで上記条件1と条件2の第1閾値には、「0」が用いられている。つまり、本実施の形態では、隣接する色差データの色信号レベルが一致する場合、上記条件の一部を満たすことになる。また、補間用色差データが挿入される位置から1つ離れた色差データ間とは、本実施の形態では、Cb[n−3]とCb[n−1](d[2])、及び、Cb[n+1]とCb[n+3](d[4])のことを示している。
【0058】
要するに、ステップS3では、補間用色差データが挿入される位置付近の色差データの差分が小さいか否かを判別している。すなわち、補間データ生成部303は、平坦部を検知していることになる。
【0059】
例えば、図6のAの場合、Cb[n−1]とCb[n+1](d[3])の差分値が「0」であり、色信号レベルが「0」である。したがって、上記条件1を満たし、ステップS4に移行する。また、図6のBの場合、Cb[n−1]とCb[n+1](d[3])の差分値が「0」であり、Cb[n+1]とCb[n+3](d[4])の差分値が「0」である。したがって、上記条件2を満たし、ステップS4に移行する。
【0060】
ステップS3で条件を満たす場合、補間データ生成部303は、2TAP処理に移行する(S4)。2TAP処理を説明する。2TAP処理は、補間用色差データを、隣接する色差データのみに基づいて生成するものである。例えば、図6に示すように、補間データ生成部303は、Cb[n−1]の色信号レベル、及び、Cb[n+1]の色信号レベルに基づいて、Cb[n]を算出する。具体的に、補間データ生成部303は、Cb[n−1]とCb[n+1]の2つの平均値を算出して、Cb[n]の色信号レベルとする。
【0061】
一方、ステップS3を満たさない場合、補間データ生成部303は、補間用色差データが挿入される位置から1つ離れた位置に、エッジが存在するか否かを判断する(S5)。補間データ生成部303は、まず、補間用色差データが挿入される位置から1つ離れた位置である、Cb[n−3]とCb[n−1](d[2])がエッジに該当するか否かを判別する。そして補間データ生成部303は、補間用色差データが挿入される位置から1つ離れた位置である、Cb[n+1]とCb[n+3](d[4])がエッジに該当するか否かを判別する。つまり、補間用色差データが挿入される位置から1つ離れた位置とは、上記例では、Cb[n−3]とCb[n−1]、及び、Cb[n+1]とCb[n+3]のことを示している。以下、具体的動作を説明する。以下の説明は、Cb[n+1]とCb[n+3](d[4])がエッジに該当するか否かを判別する際の動作例である。
【0062】
〔S5−1の動作〕まず、補間データ生成部303は、補間用色差データが挿入される位置から1つ離れた位置(例えば、d[4])の差分値に基づいて、第2閾値を算出する。補間データ生成部303は、d[4]の差分値を所定の値(例えば、5)で割って、第2閾値を算出する。
【0063】
〔S5−2の動作〕次に、補間データ生成部303は、境界(d[4])で分断される2つのエリアにおいて、境界(d[4])付近の色差データ間の差分値が第2閾値よりも小さいか否かを判別する。ここで、本実施の形態において、境界付近の色差データ間には、境界から3つ離れた位置(境界から所定範囲離れた位置の一例)の色差データ間までを含む。つまり、境界がd[4]である場合、d[1]、d[2]、d[3]、d[5]、d[6]が境界付近の色差データ間になる。よって、補間データ生成部303は、d[1]、d[2]、d[3]、d[5]、d[6]の差分値が、第2閾値よりも小さいか否かを判別する。補間データ生成部303は、境界付近の色差データ間の差分値が、すべて第2閾値よりも小さい場合、境界をエッジと判断する。一方、補間データ生成部303は、境界付近の色差データ間の差分値の一部が、第2閾値以上である場合、エッジでないと判断する。
【0064】
〔S5−3の動作〕つまり、補間データ生成部303は、補間位置から1つ離れた位置にエッジが存在すると判断されれば、ステップS6に移行する。一方補間データ生成部303は、補間位置から1つ離れた位置にエッジが存在しないと判断されれば、ステップS7に移行する。
【0065】
ステップS5で条件を満たす場合、補間データ生成部303は、第1の8TAP処理に移行する(S6)。第1の8TAP処理の説明を行う。
【0066】
まず、補間データ生成部303は、補間用色差データが挿入される位置(例えば、Cb[n−1]とCb[n+1]の間)を基準にして、検出したエッジ(例えば、Cb[n+1]とCb[n+3]の間)よりも遠い位置に存在する色差データを補正する。具体的には、図7のBに示すように、補間データ生成部303は、補間用色差データが挿入される位置(例えば、Cb[n−1]とCb[n+1]の間)を基準にして、検出したエッジ(例えば、Cb[n+1]とCb[n+3]の間)の近い側に存在する色差データ(例えば、Cb[n+1])を用い補正する。つまり、補間データ生成部303は、Cb[n+3]、Cb[n+5]、Cb[n+7]の色差データを、Cb[n+1]と同じ色信号レベルに置き換える。このようにして、補間データ生成部303は、検出したエッジ(例えば、Cb[n+1]とCb[n+3]の間)よりも遠い位置に存在する色差データを補正する(図7のB)。本実施の形態において、補正後の色差データは、Cb[n+3]´、Cb[n+5]´、Cb[n+7]´となる。
【0067】
そして、補間データ生成部303は、補正した色差データを用いて、補間用色差データを生成する。例えば、補間データ生成部303は、補正されたCb[n+3]´、Cb[n+5]´、Cb[n+7]´、及び、Cb[n−7]、Cb[n−5]、Cb[n−3]、Cb[n−1]、Cb[n+1]を用いて平均値を算出し、算出した情報をCb[n]の色信号レベルとする。
【0068】
図5の説明に戻って、ステップS5を満たさない場合、補間データ生成部303は、補間位置から2つ離れた位置にエッジが存在するか否かを判断する(S7)。補間データ生成部303は、まず、補間用色差データが挿入される位置から2つ離れた位置である、Cb[n−5]とCb[n−3](d[1])がエッジに該当するか否かを判別する。そして補間データ生成部303は、補間用色差データが挿入される位置から2つ離れた位置である、Cb[n+3]とCb[n+5](d[5])がエッジに該当するか否かを判別する。つまり、補間用色差データが挿入される位置から2つ離れた位置とは、上記例では、Cb[n−5]とCb[n−3]、及び、Cb[n+3]とCb[n+5]のことを示している。以下、具体的動作を説明する。以下の説明は、Cb[n+3]とCb[n+5](d[5])がエッジに該当するか否かを判別する際の動作例である。
【0069】
〔S7−1の動作〕まず、補間データ生成部303は、補間用色差データが挿入される位置から2つ離れた位置(例えば、d[5])の差分値に基づいて、第2閾値を算出する。補間データ生成部303は、d[5]の差分値を所定の値(例えば、5)で割って、第2閾値を算出する。
【0070】
〔S7−2の動作〕次に、補間データ生成部303は、境界(d[5])で分断される2つのエリアにおいて、境界(d[5])付近の色差データ間の差分値が第2閾値よりも小さいか否かを判別する。ここで、本実施の形態において、境界付近の色差データ間には、境界から3つ離れた位置の色差データ間までを含む。つまり、境界がd[5]である場合、d[2]、d[3]、d[4]、d[6]が境界付近の色差データ間になる。よって、補間データ生成部303は、d[2]、d[3]、d[4]、d[6]の差分値が、第2閾値よりも小さいか否かを判別する。補間データ生成部303は、境界付近の色差データ間の差分値が、すべて第2閾値よりも小さい場合、境界をエッジと判断する。一方、補間データ生成部303は、境界付近の色差データ間の差分値の一部が、第2閾値以上である場合、エッジでないと判断する。
【0071】
〔S7−3の動作〕つまり、補間データ生成部303は、補間位置から2つ離れた位置にエッジが存在すると判断されれば、ステップS8に移行する。一方補間データ生成部303は、補間位置から2つ離れた位置にエッジが存在しないと判断されれば、ステップS9に移行する。
【0072】
ステップS7で条件を満たす場合、補間データ生成部303は、第2の8TAP処理に移行する(S8)。第2の8TAP処理の説明を行う。
【0073】
まず、補間データ生成部303は、補間用色差データが挿入される位置(例えば、Cb[n−1]とCb[n+1]の間)を基準にして、検出したエッジ(例えば、Cb[n+3]とCb[n+5]の間)よりも遠い位置に存在する色差データを補正する。具体的には、図8のBに示すように、補間データ生成部303は、補間用色差データが挿入される位置(例えば、Cb[n−1]とCb[n+1]の間)を基準にして、検出したエッジ(例えば、Cb[n+3]とCb[n+5]の間)の近い側に存在する色差データ(例えば、Cb[n+3])を用い補正する。つまり、補間データ生成部303は、Cb[n+5]、Cb[n+7]の色差データを、Cb[n+3]と同じ色信号レベルに置き換える。このようにして、補間データ生成部303は、検出したエッジ(例えば、Cb[n+3]とCb[n+5]の間)よりも遠い位置に存在する色差データを補正する(図8のB)。本実施の形態において、補正後の色差データは、Cb[n+5]´、Cb[n+7]´となる。
【0074】
そして、補間データ生成部303は、補正した色差データを用いて、補間用色差データを生成する。例えば、補間データ生成部303は、補正されたCb[n+5]´、Cb[n+7]´、及び、Cb[n−7]、Cb[n−5]、Cb[n−3]、Cb[n−1]、Cb[n+1]、Cb[n+3]を用いて平均値を算出し、算出した情報をCb[n]の色信号レベルとする。
【0075】
図5の説明に戻って、ステップS7で条件を満たさない場合、第3の8TAP処理に移行する(S9)。第3の8TAP処理の説明を行う。補間データ生成部303は、取得した8個の色差データを用いて補間用色差データを生成する。具体的には、補間データ生成部303は、8個の色差データの色差データの平均値を算出し、この算出した平均値をCb[n]の色信号レベルとする。
【0076】
このようにして、補間データ生成部303は、補間処理を行っている。なお、この動作例では、Cbの補間処理を説明したが、Crに関しても同様の方法で実現できる。
【0077】
<4.まとめ>
本実施の形態は、プレーヤー100は、4:2:0フォーマットのビデオ信号を、4:2:2フォーマットに変換する。また、プレーヤー100は、4:2:2フォーマットのビデオ信号を、4:4:4フォーマットに変換する装置である。プレーヤー100は、4:2:2フォーマットのビデオ信号を、4:4:4フォーマットに変換するために、以下の制御ブロックを有する。
【0078】
プレーヤー100は、4:2:2フォーマットのビデオ信号を取得する遅延ブロック(色差データ)302と、4:2:2フォーマットのビデオ信号において、色差が同じで、かつ、隣り合う、8個の色差信号を1つの単位として順次抽出する補間データ生成部303と、抽出された8個の色差信号を用いて、補間用色差信号を生成する補間データ生成部303と、補間データ生成部303で生成された補間用色差信号に基づいて、4:2:2フォーマットのビデオ信号を4:4:4フォーマットに変換し、出力する合成部306と、を備える。そして、補間データ生成部303は、抽出された8個の色差信号において、隣接する色差信号間にエッジが存在するか否かを検出するエッジ検出部と、検出したエッジの位置に基づいて、8個の色差信号の一部を補正する補正部と、補正された色差信号を用いて補間用色差信号を生成する補間信号生成部と、を有する。
【0079】
このようにすれば、隣接する色差信号間にエッジが存在する箇所を検出して、そのエッジに応じて、色差信号の一部を補正できる。このため、色にじみの原因になる色差情報を使用せずに、補間用の色差信号を生成できるようになる。
【0080】
また、補間データ生成部303は、抽出された8個の色差信号において、補正用色差信号が補間される箇所で隣接する色差信号の色レベルの差が第1閾値以下であるか否かを判別する判別部と、判別部で第1閾値以下であると判別した場合、抽出した8個の色差信号のうち、一部の色差信号を用いて、補間用色差信号を生成する信号生成部と、を有する。
【0081】
このようにすれば、補間用色差データが挿入される位置において、隣接する色差データの差分値が小さいような場合において、挿入される位置付近の色差データのみを用いて、補間用色差データを生成できるようになる。このため、色にじみの原因になる色差情報を使用せずに、補間用の色差信号を生成できるようになる。
【0082】
また、補間データ生成部303は、ステップS3で、条件1「補間用色差データが挿入される位置において、隣接する色差データの差分値が第1閾値以下であり、かつ、隣接する色差データの何れか一方の色レベルが「0」(黒)である。」を満たすか否かを判別するようにした。すなわち、隣接する色差データの差分値が第1閾値以下であるだけでなく、色差データの何れか一方の色レベルが「0」(黒)であることを満たすか否かを判別するようにした。
【0083】
このようにすれば、補間用色差データが挿入される位置において、隣接する色差データが黒である場合、複数個の色差データの内、一部を用いて補間用色差データを生成できる。したがって、黒のように色差レベルの変化に敏感な位置において、つまり、色差レベルの変化が色にじみとして現れやすい位置において、補間用色差データの生成に用いる色差データの数を減らすことができる。このため、色信号レベルが存在する色差データの影響を受けて、映像で色にじみが発生することを軽減できる。
【0084】
同様に、補間データ生成部303は、ステップS3で、条件2「補間用色差データが挿入される位置において、隣接する色差データの差分値が第1閾値以下であり、かつ、補間用色差データが挿入される位置から1つ離れた色差データ間の差分値が第1閾値以下である。」を満たすか否かを判別するようにした。すなわち、隣接する色差データの差分値が第1閾値以下であるだけでなく、1つ離れた位置の差分値が第1閾値以下であることを満たすか否かを判別するようにした。
【0085】
このようにすれば、色信号レベルが平坦である可能性が高い位置において、色にじみが発生することがより軽減できる。
【0086】
なお、本実施の形態では、ステップS5やS7にあるように、補間用色差データを挿入する位置から1つ又は二つ離れた位置にエッジが存在するか否かを判別した。しかし、これに限られず、三つ離れた位置にエッジが存在するか否かを判別するようにしてもかまわない。
(他の実施の形態)
本実施の形態として、実施の形態1を例示した。しかし、本発明はこれに限られない。そこで、本発明の他の実施の形態を以下まとめて説明する。なお、本発明は、これらには限定されず、適宜修正された実施の形態に対しても適用可能である。
【0087】
実施の形態1では、第1フォーマットを4:2:2フォーマット、第2フォーマットを4:4:4フォーマットに変換する際の動作を例にして説明を行なった。しかし、これに限られず、第1フォーマットが4:2:0フォーマットで、第2フォーマットが4:2:2フォーマットでもよい。すなわち、第1フォーマットよりも第2フォーマットの方が、情報量が多ければ、どのようなものであってもよい。
【0088】
実施の形態1では、補間データ生成部303は、8個の色差信号を遅延ブロック(色差データ)302から抽出するようにした。これは、例示であるため、抽出する色差信号は、複数個であれば、いくつであってもよい。
【0089】
実施の形態1では、ステップS5やS7の方法でエッジを検出するようにした。しかし、これに限られず、以下の方法で実現してもかまわない。以下の例は、ステップS5の例である。
【0090】
他の実施の形態では、ステップS3を満たさない場合、補間データ生成部303は、条件3、かつ、条件4を満たすか否かを判別する(S5)。
【0091】
〔条件3〕補間用色差データが挿入される位置から1つ離れた色差データ間の差分値が第2閾値以上である。
【0092】
〔条件4〕条件3で差分値が第2閾値以上となった位置を境界として分断される2つのエリアにおいて、境界付近の色差データ間の差分が第3閾値以下である。
【0093】
ここで第2閾値は、第3閾値と同じ、又は、第3閾値よりも大きい値であれば、どのような値であってもよい(例えば、4倍)。また、補間用色差データが挿入される位置から1つ離れた色差データ間とは、本実施の形態では、Cb[n−3]とCb[n−1]、及び、Cb[n+1]とCb[n+3]のことを示している。さらに、境界付近の色差データ間には、境界から3つ離れた位置の色差データ間までを含む。つまり、境界がd[4]である場合、d[1]、d[2]、d[3]、d[5]、d[6]が境界付近の色差データ間になる。一方、境界がd[2]である場合、d[0]、d[1]、d[3]、d[4]、d[5]が境界付近の色差データ間になる。
【0094】
要するに、ステップS5では、補間用色差データが挿入される位置から1つ離れた色差データ間の差分が大きいかあるか否かを判別している。すなわち、補間データ生成部303は、エッジとなりうる位置を検知していることになる。また、補間データ生成部303は、色差データ間の差分が大きい場合、この差分が大きい部分で分断される2つのエリアにおいて、境界付近の色差データ間の差分が小さいか否かを判別している。すなわち、補間データ生成部303は、検出されたエッジとなりうる位置で分割される2つのエリアにおいて、エッジとなりうる付近が平坦であるか否かを検知している。
【0095】
例えば、図7のAの場合、Cb[n+1]とCb[n+3]の差分がd[4](第2閾値以上であるとする)である。また、図7のAの場合、上記d[4]以外の部分の差分が、d[1],d[2]、d[3]、d[5]及びd[6](何れも第3閾値以下であるとする)である。したがって、上記条件3及び条件4を満たし、ステップS6に移行する。ここで、図7のAでは、Cb[n+1]とCb[n+3]の色差データ間が、エッジであると判断できる。これによって、エッジを検出することが可能になる。
【0096】
本実施の形態1では、色信号として色差信号を例にしたが、これに限られない。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、第1フォーマットのビデオ信号を第2フォーマットに変換する変換装置を有する、プレーヤー、レコーダー、テレビ受像機などに適用可能である。
【符号の説明】
【0098】
100 プレーヤー
110 ドライブ装置
120 LSI
130 HDMI用LSI
140 HDMI端子
150 電源
200 TV
131 CUS(Chroma Up Sampling)
132 HDMI伝送用変換ブロック
301 遅延ブロック(輝度データ)
302 遅延ブロック(色差データ)
303 補間データ生成部
304 パラレル変換部(オリジナルデータ)
305 パラレル変換部(補間データ)
306 合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フォーマットのビデオ信号を、当該第1フォーマットよりも情報量の多い第2フォーマットに変換する変換装置であって、
前記第1フォーマットのビデオ信号を取得する取得手段と、
前記第1フォーマットのビデオ信号において、色差が同じで、かつ、隣り合う、複数個の色信号を1つの単位として順次抽出する抽出手段と、
前記抽出された複数個の色信号を用いて、補間用色信号を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された補間用色信号に基づいて、前記取得された第1フォーマットのビデオ信号を第2フォーマットに変換し、出力する出力手段と、
を備え、
前記生成手段は、
前記抽出された複数個の色信号において、隣接する色信号間にエッジが存在するか否かを検出するエッジ検出手段と、
当該検出したエッジの位置に基づいて、前記複数個の色信号の一部を補正する補正手段と、
当該補正された色信号を用いて前記補間用色信号を生成する補間信号生成手段と、
を有する、
変換装置。
【請求項2】
前記エッジ検出手段は、
前記抽出された複数個の色信号において、隣接する色信号の色レベルの差を検知し、当該検知した検知結果に応じて、隣接する色信号間にエッジが存在するか否かを検出する、
請求項1に記載の変換装置。
【請求項3】
前記生成手段が第1色信号間に補間される補間用色信号を生成している場合、
前記検出手段は、当該第1色信号間と1つ離れた第2色信号間、又は、2つ離れた第3色信号間にエッジが存在するか否かを検出する、
請求項1に記載の変換装置。
【請求項4】
前記生成手段が第1色信号間に補間される補間用色信号を生成している場合において、前記検出手段が第4色信号間にエッジを検出した場合、
前記補正手段は、
前記第1色信号間を基準にして前記第4色信号間よりも離れている色信号を補正する、
請求項1に記載の変換装置。
【請求項5】
前記補正手段は、補正しない色信号の色レベルを用いて、前記一部の色信号を補正する、
請求項1に記載の変換装置。
【請求項6】
前記第1フォーマットは4:2:2フォーマットであり、前記第2フォーマットは4:4:4フォーマットであり、前記色信号は、Cb又はCrの信号である、
請求項1に記載の変換装置。
【請求項7】
前記エッジ検出手段は、
隣接する色信号間の色レベルの差分値に基づく第2閾値と比べて、当該隣接する色信号間から所定範囲内に含まれる色信号間の色レベルの差分値が全て小さい場合、当該隣接する色信号間をエッジと判断する、
請求項1に記載の変換装置。
【請求項8】
第1フォーマットのビデオ信号を、当該第1フォーマットよりも情報量の多い第2フォーマットに変換する変換装置であって、
前記第1フォーマットのビデオ信号を取得する取得手段と、
前記第1フォーマットのビデオ信号において、色差が同じで、かつ、隣り合う、複数個の色信号を1つの単位として順次抽出する抽出手段と、
前記抽出された複数個の色信号を用いて、補間用色信号を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された補間用色信号に基づいて、前記取得された第1フォーマットのビデオ信号を第2フォーマットに変換し、出力する出力手段と、
を備え、
前記生成手段は、
前記抽出された複数個の色信号において、補正用色信号が補間される箇所で隣接する色信号の色レベルの差が閾値以下であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段で閾値以下であると判別した場合、前記抽出した複数個の色信号のうち、一部の色信号を用いて、前記補間用色信号を生成する信号生成手段と、
を有する、
変換装置。
【請求項9】
前記判別手段は、補正用色信号が補間される箇所で隣接する第5色信号間の色レベルの差が閾値以下であり、かつ、当該第5色信号間から1つ離れた第6色信号間の色レベルの差が閾値以下であるか否かを判別し、
前記信号生成手段は、第5色信号間及び第6色信号間の色レベルの差が閾値以下であると判断した場合、前記抽出した複数個の色信号のうち、一部の色信号を用いて、前記補間用色信号を生成する、
請求項8に記載の変換装置。
【請求項10】
第1フォーマットのビデオ信号を、当該第1フォーマットよりも情報量の多い第2フォーマットに変換する変換装置であって、
前記第1フォーマットのビデオ信号を取得する取得手段と、
前記第1フォーマットのビデオ信号において、色差が同じで、かつ、隣り合う、複数個の色信号を1つの単位として順次抽出する抽出手段と、
前記抽出された複数個の色信号を用いて、補間用色信号を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された補間用色信号に基づいて、前記取得された第1フォーマットのビデオ信号を第2フォーマットに変換し、出力する出力手段と、
を備え、
前記生成手段は、
前記抽出された複数個の色信号において、補正用色信号が補間される箇所で隣接する色信号の色レベルが両方とも黒を示すレベルである、
前記平坦部検出手段で閾値以下であると判別した場合、前記抽出した複数個の色信号のうち、一部の色信号を用いて、前記補間用色信号を生成する信号生成手段と、
を有する、
変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−35854(P2011−35854A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183001(P2009−183001)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】