外壁構造
【課題】例えばフックや手摺りといった外壁用のアクセサリーなどを、外壁に容易に取付け又は取り外しうる外壁構造を提供する。
【解決手段】輪郭形状が実質的に同一な外装モジュール4Aが表面に規則的に並べられて装飾された規則模様の外装材4を具える外壁構造1である。外装モジュール4Aは、壁下地材3に固着された主モジュール11と、該主モジュール11よりも取り外し容易に壁下地材3に固着された副モジュール12とを含む。
【解決手段】輪郭形状が実質的に同一な外装モジュール4Aが表面に規則的に並べられて装飾された規則模様の外装材4を具える外壁構造1である。外装モジュール4Aは、壁下地材3に固着された主モジュール11と、該主モジュール11よりも取り外し容易に壁下地材3に固着された副モジュール12とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばフックや手摺りといったアクセサリー材などを容易に取付け又は取り外しし得る外壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、輪郭形状、表面模様及び質感などが実質的に同一なタイル等の外装モジュールが、表面に規則的に並べられて装飾された規則模様の外装材を具える外壁構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、このような外壁構造は、表面がタイルで覆われているので、後から、フックや手摺り等のアクセサリー材をビス等で簡単に取り付けることができない。即ち、従来では、アクセサリー材を取り付けたい位置のタイルをバーナー等で炙り、その裏面の接着剤を軟化させてタイルを取り外した後、外壁の壁下地材(面材)にアクセサリー材をビス固着することが行われている。このため、家屋の購入後、アクセサリー材を外壁に取り付けることが難しいという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2007−217918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、外壁の表面に並べられた外装モジュールに、壁下地材に固着された主モジュールと、主モジュールよりも取り外し容易に壁下地材に固着された副モジュールとを含ませることを基本として、副モジュールを壁下地材から容易に取り外し、そこに種々のアクセサリーを簡単に取付け又は取り外しうる外装構造を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1記載の発明は、輪郭形状が実質的に同一な外装モジュールが表面に規則的に並べられて装飾された規則模様の外装材を具える外壁構造であって、前記外装モジュールは、壁下地材に固着された主モジュールと、前記主モジュールよりも取り外し容易に壁下地材に固着された副モジュールとを含むことを特徴とする外壁構造である。
【0007】
また請求項2記載の発明は、前記主モジュール及び副モジュールは、矩形かつ同一の表面模様を有するタイル状材からなる請求項1記載の外壁構造である。
【0008】
また請求項3記載の発明は、前記主モジュールは、接着剤にて固着されるとともに、前記副モジュールは、ビスにより固着される請求項1又は2記載の外壁構造である。
【0009】
また請求項4記載の発明は、前記壁下地材は、一対の面材と、該面材間に配された縦桟及び/又は横桟を含むとともに、前記副モジュールは、前記縦桟又は横桟に達するビスにより固着される請求項1乃至3のいずれかに記載の外壁構造である。
【0010】
また請求項5記載の発明は、前記主モジュールは、矩形のタイル状材からなり、かつ前記副モジュールは、フック、手摺り台座又は花台を含む外壁用のアクセサリー材である請求項1乃至4のいずれかに記載の外壁構造である。
【0011】
また請求項6記載の発明は、前記副モジュールは、ねじ孔を有した取付金具を介して壁下地材に固着される請求項1又は5記載の外壁構造である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の外壁構造は、副モジュールが、主モジュールよりも取り外し容易に壁下地材に固着される。従って、本発明は、副モジュールを壁下地材から容易に取り外すことができ、外壁用のアクセサリー材を壁下地材に簡単に固着できる。従って、施工性が向上する。また、主モジュール及び副モジュールは、同一輪郭形状であるため、外壁の規則模様の見映えを損ねることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本実施形態の外壁構造の部分斜視図、図2にはその正面図がそれぞれ示される。
【0014】
図1に示されるように、本実施形態の外壁構造1は、パネル状の壁下地材3と、該壁下地材3の屋外側の表面に固着される外装材4と、壁下地材3の屋内側の表面に固着される内装材5とを有し、家屋の外壁2に好適に利用される。
【0015】
前記壁下地材3は、例えば鋼材からなる縦枠材及び横枠材が略矩形に枠組みされた枠体(図示省略)と、この枠体に所定のピッチで隔設される木質材からなる縦桟6及び横桟7(図2に示す)と、該枠体の両面に配される面材8、8とから構成される。なお、壁下地材3の内部に形成される空隙9には、例えばグラスウールやロックウール等の断熱材(図示省略)が配される。
【0016】
前記面材8には、例えば、コンクリートパネルや石膏ボードなどが用いられる。
【0017】
前記外装材4は、外壁2の正面視において、輪郭形状が実質的に同一な外装モジュール4Aが、壁下地材3の表面に規則的に並べられて形成される。
【0018】
本実施形態において、主モジュール11及び副モジュール12は、ほぼ一定の厚さを有しかつ横長かつ矩形のタイル状材から形成される。そして、これらの主モジュール11及び副モジュール12からなる外装モジュール4Aは、横方向に略一定のピッチでかつ隙間を有して規則的に並べられるとともに、上下で隣り合う外装モジュール4Aが互いに横方向に略半ピッチずらせて配される。これにより、外壁2は、図2に示されるように、外装モジュール4Aと目地とで見映え良い規則模様で装飾される。
【0019】
なお、本明細書において、「タイル状材」とは、上述の形態を有するものであれば、陶磁器からなるタイルのみならず、コンクリート、プラスチック又は金属等で構成されたタイル状のものを包含する概念とする。
【0020】
前記主モジュール11は、本実施形態では、陶磁器からなるタイルが用いられ、外装モジュール4Aの大部分を占め、少なくとも90%以上を構成する。また図1のA−A拡大断面図に示されるように、主モジュール11は、壁下地材3の面材8の表面8aに、接着剤Gを用いて固着される。本実施形態の接着剤Gとしては、変性シリコン系接着剤が用いられるが、面材などに応じて、例えばエポキシ系接着剤、アクリルエマルジョン系接着剤又は合成ゴムラテックス系接着剤などが適宜選択される。これにより、主モジュール11は、例えばバーナーで表面を熱し接着剤Gを軟化させなければ取り外せない程度の接合強度で面材8に固着される。
【0021】
他方、前記副モジュール12は、主モジュールよりも取り外し容易に壁下地材3に固着される。本実施形態の副モジュール12は、主モジュール11よりも僅かに大きい厚さを有しかつ主モジュール11と同一の輪郭形状を有するタイル状材からなるが、厚さ方向に貫通する孔部13(図1に示す)が設けられる点で主モジュール11と異なっている。
【0022】
そして、副モジュール12は、例えば裏面を接着剤Gで固着されることなく、孔部13から挿入されるビス15等の固着具14で壁下地材3に固着される。これにより、副モジュール12は、固着具14を取り外すことによって、主モジュール11に比して壁下地材3から容易に取り外しできる。従って、副モジュール12は、主モジュールに比べて取り外し容易に壁下地材3に固着される。
【0023】
副モジュール12を構成する材料は特に限定されるものではない。従って、副モジュール12は、主モジュール11と同様に、陶磁器のタイルで形成されても良い。しかし、本実施形態のように、孔部13を設ける場合には、加工性や耐久性の観点より、副モジュール12を陶磁器に代えて樹脂や金属材料で形成するのが望ましい。この場合、副モジュール12の表面には、主モジュール11と同一の質感及び/又は風合いの表面模様を形成することが望ましい。これにより、外壁2の見映えを損ねることが抑制される。
【0024】
このように、本実施形態の外壁構造1は、副モジュール12を壁下地材3から容易に取り外すことができるので、例えばフックや手摺りといったアクセサリー材を外壁に取り付けたい場合には、ビス14を弛めて副モジュール12を外壁2から取り外し、その部分の面材8に例えばユーザー自身でアクセサリー材を取り付けることができる。しかも、このような副モジュール12は、主モジュール11と同一輪郭形状に形成されるので、外壁2の規則模様の見映えを損ねることもない。
【0025】
また、図2に示されるように、副モジュール12は、外壁2の正面視において、縦桟6又は横桟7と少なくとも一部で交差する位置に固着されることが好ましい。これにより、図3に示されるように、副モジュール12を固着するビス15は、面材8を貫通しかつ縦桟6又は横桟7に達することができる。従って、副モジュール12を壁下地材3により強固に固着できるとともに、副モジュール12をフック等の荷重支持部材としたときでも確実にかつ強固に固着しうる点で望ましい。
【0026】
また、副モジュール12をビスで面材8に固着した後、その表面の孔部13には、例えばビス頭部を目隠しするゴムキャップ18を取付けることが好ましい。これにより、孔部13回りの水密が保たれるとともに、外壁2の見映えが悪化するのを防止しうる点で好ましい。このゴムキャップ18の外表面にも、主モジュール11と同一の表面模様が形成されるのが特に好ましい。
【0027】
また、図4に示されるように、前記固着具14は、例えば壁下地材(とりわけ縦桟6又は横桟7)に埋着された鬼目ナット17と、これに挿通されるビス16とで構成されても良い。このような実施形態では、ビス16が、鬼目ナット17に螺合して支持されるので、より強固に固着されるとともに、反復的に副モジュール12を取り付け、取り外しを行なっても、桟材に形成されたねじ孔の劣化や固着強度の低下をも防止できる点で好ましい。
【0028】
図5ないし図7には、タイル状材からなる副モジュール12を取り外し、そこにフック状の副モジュール12を取り付けた外壁の実施形態が示される。なお、図5は外壁の分解斜視図、図6は外壁の正面図、図7は図6のB−B断面図である。
【0029】
この実施形態の副モジュール12は、図7から明らかなように、主モジュール11よりも屋外側へ突出して形成されるとともに、その部分に上下に貫通する孔23が設けられたフック(外壁用のアクセサリー材)として形成される。この副モジュール12も、外壁2の正面視において、主モジュール11と輪郭形状が実質的に同一に形成される。なお、フックとして形成された副モジュール12は、加工性及び耐食性の観点から金属材料で形成されるのが好ましい。
【0030】
前記フック状の副モジュール12は、例えば、壁下地材3に、取付金具26を介して固着される。即ち、本実施形態の副モジュール12には、壁下地材3側で開口する開口部Oと、この開口部Oから屋外側へ向かってのび、取付金具26を内部に嵌め込みうる空隙19(図7に示す)とを有する。また、副モジュール12は、この空隙19から下方に貫通してのびる孔部24が左右に形成される。
【0031】
前記取付金具26は、壁下地材3に沿ってのびるウエブ27と、該ウエブ27の両端から屋外側に突出する左右のフランジ28と、ウエブの下縁から前方にのびる突出片31とを含んで形成される。
【0032】
図7に示されるように、ウエブ27には、壁下地材3側へ貫通する孔部29が形成され、そこに、壁下地材3に埋着された鬼目ナット17に螺合するビス16を挿通して壁下地材3に固着される。
【0033】
突出片31には、取付金具26が副モジュール12の前記空隙19に嵌め込まれた状態において前記孔部24と同軸に整一するネジ孔32、32が形成される。そして、このネジ孔32及び孔部24には、例えば皿ネジ33等を副モジュール12の下方から螺合される。これにより、副モジュール12が取付金具26に固着される。また、この固着された状態において、取付金具26のフランジ28及び突出片31が副モジュール12の前記空隙19に嵌合させるのが良い。これは、副モジュール12に作用する負荷を分散させる点で好ましい。
【0034】
なお、副モジュール12及び主モジュール11を含む外装モジュール4Aが壁下地材3に固着された後、副モジュール12と接着剤Gとの間には、例えば水密性を確保するためのシーリング材22が充填される。このシーリング材22としては、変性シリコーン系のシーリング材が用いられるが、必要に応じて例えばアクリル系、ウレタン系等のシーリング材等を用いてもよい。
【0035】
また、図8に示されるように、前記副モジュール12は、前記外壁2に取り付けられる手摺り材41を支持する手摺り台座42として形成されてもよい。該手摺り台座42は、タイル状をなす基部42aと、該基部42aに固着された略L字状をなしかつ手摺り材41を支持する添え木部42bとから構成される。基部42aの外周の輪郭形状は、主モジュール11と同一に形成される。
【0036】
また、図9に示されるように、副モジュール12は、自転車43等を外壁2に固定できる自転車用フック44や、図10に示されるように、ペットのリード45を引っ掛けておくことができるリードフック46として形成されても良い。さらに、図11に示されるように、副モジュール12は、植木鉢47を載置しうる花台48としても形成できる。このように、副モジュール12は、あらゆる外壁用のアクセサリー材として形成することもできる。
【0037】
以上、本発明の特に好ましい形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態の外壁構造を示す部分斜視図である。
【図2】その正面図である。
【図3】主モジュール及び副モジュールが壁下地材に固着された状態を示す断面図である。
【図4】副モジュールがボルト及び鬼目ナットによって壁下地材に固着された状態を示す断面図である。
【図5】他の実施形態の副モジュールを示す部分斜視図である。
【図6】その正面図である。
【図7】副モジュールが取付金具に固着された状態を示す断面図である。
【図8】手摺り台座に形成された副モジュールを示す部分斜視図である。
【図9】自転車フックに形成された副モジュールを示す部分斜視図である。
【図10】リードフックに形成された副モジュールを示す部分斜視図である。
【図11】花台に形成された副モジュールを示す部分斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 外壁構造
3 壁下地材
4 外装材
4A 外装モジュール
11 主モジュール
12 副モジュール
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばフックや手摺りといったアクセサリー材などを容易に取付け又は取り外しし得る外壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、輪郭形状、表面模様及び質感などが実質的に同一なタイル等の外装モジュールが、表面に規則的に並べられて装飾された規則模様の外装材を具える外壁構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、このような外壁構造は、表面がタイルで覆われているので、後から、フックや手摺り等のアクセサリー材をビス等で簡単に取り付けることができない。即ち、従来では、アクセサリー材を取り付けたい位置のタイルをバーナー等で炙り、その裏面の接着剤を軟化させてタイルを取り外した後、外壁の壁下地材(面材)にアクセサリー材をビス固着することが行われている。このため、家屋の購入後、アクセサリー材を外壁に取り付けることが難しいという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2007−217918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、外壁の表面に並べられた外装モジュールに、壁下地材に固着された主モジュールと、主モジュールよりも取り外し容易に壁下地材に固着された副モジュールとを含ませることを基本として、副モジュールを壁下地材から容易に取り外し、そこに種々のアクセサリーを簡単に取付け又は取り外しうる外装構造を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1記載の発明は、輪郭形状が実質的に同一な外装モジュールが表面に規則的に並べられて装飾された規則模様の外装材を具える外壁構造であって、前記外装モジュールは、壁下地材に固着された主モジュールと、前記主モジュールよりも取り外し容易に壁下地材に固着された副モジュールとを含むことを特徴とする外壁構造である。
【0007】
また請求項2記載の発明は、前記主モジュール及び副モジュールは、矩形かつ同一の表面模様を有するタイル状材からなる請求項1記載の外壁構造である。
【0008】
また請求項3記載の発明は、前記主モジュールは、接着剤にて固着されるとともに、前記副モジュールは、ビスにより固着される請求項1又は2記載の外壁構造である。
【0009】
また請求項4記載の発明は、前記壁下地材は、一対の面材と、該面材間に配された縦桟及び/又は横桟を含むとともに、前記副モジュールは、前記縦桟又は横桟に達するビスにより固着される請求項1乃至3のいずれかに記載の外壁構造である。
【0010】
また請求項5記載の発明は、前記主モジュールは、矩形のタイル状材からなり、かつ前記副モジュールは、フック、手摺り台座又は花台を含む外壁用のアクセサリー材である請求項1乃至4のいずれかに記載の外壁構造である。
【0011】
また請求項6記載の発明は、前記副モジュールは、ねじ孔を有した取付金具を介して壁下地材に固着される請求項1又は5記載の外壁構造である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の外壁構造は、副モジュールが、主モジュールよりも取り外し容易に壁下地材に固着される。従って、本発明は、副モジュールを壁下地材から容易に取り外すことができ、外壁用のアクセサリー材を壁下地材に簡単に固着できる。従って、施工性が向上する。また、主モジュール及び副モジュールは、同一輪郭形状であるため、外壁の規則模様の見映えを損ねることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本実施形態の外壁構造の部分斜視図、図2にはその正面図がそれぞれ示される。
【0014】
図1に示されるように、本実施形態の外壁構造1は、パネル状の壁下地材3と、該壁下地材3の屋外側の表面に固着される外装材4と、壁下地材3の屋内側の表面に固着される内装材5とを有し、家屋の外壁2に好適に利用される。
【0015】
前記壁下地材3は、例えば鋼材からなる縦枠材及び横枠材が略矩形に枠組みされた枠体(図示省略)と、この枠体に所定のピッチで隔設される木質材からなる縦桟6及び横桟7(図2に示す)と、該枠体の両面に配される面材8、8とから構成される。なお、壁下地材3の内部に形成される空隙9には、例えばグラスウールやロックウール等の断熱材(図示省略)が配される。
【0016】
前記面材8には、例えば、コンクリートパネルや石膏ボードなどが用いられる。
【0017】
前記外装材4は、外壁2の正面視において、輪郭形状が実質的に同一な外装モジュール4Aが、壁下地材3の表面に規則的に並べられて形成される。
【0018】
本実施形態において、主モジュール11及び副モジュール12は、ほぼ一定の厚さを有しかつ横長かつ矩形のタイル状材から形成される。そして、これらの主モジュール11及び副モジュール12からなる外装モジュール4Aは、横方向に略一定のピッチでかつ隙間を有して規則的に並べられるとともに、上下で隣り合う外装モジュール4Aが互いに横方向に略半ピッチずらせて配される。これにより、外壁2は、図2に示されるように、外装モジュール4Aと目地とで見映え良い規則模様で装飾される。
【0019】
なお、本明細書において、「タイル状材」とは、上述の形態を有するものであれば、陶磁器からなるタイルのみならず、コンクリート、プラスチック又は金属等で構成されたタイル状のものを包含する概念とする。
【0020】
前記主モジュール11は、本実施形態では、陶磁器からなるタイルが用いられ、外装モジュール4Aの大部分を占め、少なくとも90%以上を構成する。また図1のA−A拡大断面図に示されるように、主モジュール11は、壁下地材3の面材8の表面8aに、接着剤Gを用いて固着される。本実施形態の接着剤Gとしては、変性シリコン系接着剤が用いられるが、面材などに応じて、例えばエポキシ系接着剤、アクリルエマルジョン系接着剤又は合成ゴムラテックス系接着剤などが適宜選択される。これにより、主モジュール11は、例えばバーナーで表面を熱し接着剤Gを軟化させなければ取り外せない程度の接合強度で面材8に固着される。
【0021】
他方、前記副モジュール12は、主モジュールよりも取り外し容易に壁下地材3に固着される。本実施形態の副モジュール12は、主モジュール11よりも僅かに大きい厚さを有しかつ主モジュール11と同一の輪郭形状を有するタイル状材からなるが、厚さ方向に貫通する孔部13(図1に示す)が設けられる点で主モジュール11と異なっている。
【0022】
そして、副モジュール12は、例えば裏面を接着剤Gで固着されることなく、孔部13から挿入されるビス15等の固着具14で壁下地材3に固着される。これにより、副モジュール12は、固着具14を取り外すことによって、主モジュール11に比して壁下地材3から容易に取り外しできる。従って、副モジュール12は、主モジュールに比べて取り外し容易に壁下地材3に固着される。
【0023】
副モジュール12を構成する材料は特に限定されるものではない。従って、副モジュール12は、主モジュール11と同様に、陶磁器のタイルで形成されても良い。しかし、本実施形態のように、孔部13を設ける場合には、加工性や耐久性の観点より、副モジュール12を陶磁器に代えて樹脂や金属材料で形成するのが望ましい。この場合、副モジュール12の表面には、主モジュール11と同一の質感及び/又は風合いの表面模様を形成することが望ましい。これにより、外壁2の見映えを損ねることが抑制される。
【0024】
このように、本実施形態の外壁構造1は、副モジュール12を壁下地材3から容易に取り外すことができるので、例えばフックや手摺りといったアクセサリー材を外壁に取り付けたい場合には、ビス14を弛めて副モジュール12を外壁2から取り外し、その部分の面材8に例えばユーザー自身でアクセサリー材を取り付けることができる。しかも、このような副モジュール12は、主モジュール11と同一輪郭形状に形成されるので、外壁2の規則模様の見映えを損ねることもない。
【0025】
また、図2に示されるように、副モジュール12は、外壁2の正面視において、縦桟6又は横桟7と少なくとも一部で交差する位置に固着されることが好ましい。これにより、図3に示されるように、副モジュール12を固着するビス15は、面材8を貫通しかつ縦桟6又は横桟7に達することができる。従って、副モジュール12を壁下地材3により強固に固着できるとともに、副モジュール12をフック等の荷重支持部材としたときでも確実にかつ強固に固着しうる点で望ましい。
【0026】
また、副モジュール12をビスで面材8に固着した後、その表面の孔部13には、例えばビス頭部を目隠しするゴムキャップ18を取付けることが好ましい。これにより、孔部13回りの水密が保たれるとともに、外壁2の見映えが悪化するのを防止しうる点で好ましい。このゴムキャップ18の外表面にも、主モジュール11と同一の表面模様が形成されるのが特に好ましい。
【0027】
また、図4に示されるように、前記固着具14は、例えば壁下地材(とりわけ縦桟6又は横桟7)に埋着された鬼目ナット17と、これに挿通されるビス16とで構成されても良い。このような実施形態では、ビス16が、鬼目ナット17に螺合して支持されるので、より強固に固着されるとともに、反復的に副モジュール12を取り付け、取り外しを行なっても、桟材に形成されたねじ孔の劣化や固着強度の低下をも防止できる点で好ましい。
【0028】
図5ないし図7には、タイル状材からなる副モジュール12を取り外し、そこにフック状の副モジュール12を取り付けた外壁の実施形態が示される。なお、図5は外壁の分解斜視図、図6は外壁の正面図、図7は図6のB−B断面図である。
【0029】
この実施形態の副モジュール12は、図7から明らかなように、主モジュール11よりも屋外側へ突出して形成されるとともに、その部分に上下に貫通する孔23が設けられたフック(外壁用のアクセサリー材)として形成される。この副モジュール12も、外壁2の正面視において、主モジュール11と輪郭形状が実質的に同一に形成される。なお、フックとして形成された副モジュール12は、加工性及び耐食性の観点から金属材料で形成されるのが好ましい。
【0030】
前記フック状の副モジュール12は、例えば、壁下地材3に、取付金具26を介して固着される。即ち、本実施形態の副モジュール12には、壁下地材3側で開口する開口部Oと、この開口部Oから屋外側へ向かってのび、取付金具26を内部に嵌め込みうる空隙19(図7に示す)とを有する。また、副モジュール12は、この空隙19から下方に貫通してのびる孔部24が左右に形成される。
【0031】
前記取付金具26は、壁下地材3に沿ってのびるウエブ27と、該ウエブ27の両端から屋外側に突出する左右のフランジ28と、ウエブの下縁から前方にのびる突出片31とを含んで形成される。
【0032】
図7に示されるように、ウエブ27には、壁下地材3側へ貫通する孔部29が形成され、そこに、壁下地材3に埋着された鬼目ナット17に螺合するビス16を挿通して壁下地材3に固着される。
【0033】
突出片31には、取付金具26が副モジュール12の前記空隙19に嵌め込まれた状態において前記孔部24と同軸に整一するネジ孔32、32が形成される。そして、このネジ孔32及び孔部24には、例えば皿ネジ33等を副モジュール12の下方から螺合される。これにより、副モジュール12が取付金具26に固着される。また、この固着された状態において、取付金具26のフランジ28及び突出片31が副モジュール12の前記空隙19に嵌合させるのが良い。これは、副モジュール12に作用する負荷を分散させる点で好ましい。
【0034】
なお、副モジュール12及び主モジュール11を含む外装モジュール4Aが壁下地材3に固着された後、副モジュール12と接着剤Gとの間には、例えば水密性を確保するためのシーリング材22が充填される。このシーリング材22としては、変性シリコーン系のシーリング材が用いられるが、必要に応じて例えばアクリル系、ウレタン系等のシーリング材等を用いてもよい。
【0035】
また、図8に示されるように、前記副モジュール12は、前記外壁2に取り付けられる手摺り材41を支持する手摺り台座42として形成されてもよい。該手摺り台座42は、タイル状をなす基部42aと、該基部42aに固着された略L字状をなしかつ手摺り材41を支持する添え木部42bとから構成される。基部42aの外周の輪郭形状は、主モジュール11と同一に形成される。
【0036】
また、図9に示されるように、副モジュール12は、自転車43等を外壁2に固定できる自転車用フック44や、図10に示されるように、ペットのリード45を引っ掛けておくことができるリードフック46として形成されても良い。さらに、図11に示されるように、副モジュール12は、植木鉢47を載置しうる花台48としても形成できる。このように、副モジュール12は、あらゆる外壁用のアクセサリー材として形成することもできる。
【0037】
以上、本発明の特に好ましい形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態の外壁構造を示す部分斜視図である。
【図2】その正面図である。
【図3】主モジュール及び副モジュールが壁下地材に固着された状態を示す断面図である。
【図4】副モジュールがボルト及び鬼目ナットによって壁下地材に固着された状態を示す断面図である。
【図5】他の実施形態の副モジュールを示す部分斜視図である。
【図6】その正面図である。
【図7】副モジュールが取付金具に固着された状態を示す断面図である。
【図8】手摺り台座に形成された副モジュールを示す部分斜視図である。
【図9】自転車フックに形成された副モジュールを示す部分斜視図である。
【図10】リードフックに形成された副モジュールを示す部分斜視図である。
【図11】花台に形成された副モジュールを示す部分斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 外壁構造
3 壁下地材
4 外装材
4A 外装モジュール
11 主モジュール
12 副モジュール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輪郭形状が実質的に同一な外装モジュールが表面に規則的に並べられて装飾された規則模様の外装材を具える外壁構造であって、
前記外装モジュールは、壁下地材に固着された主モジュールと、前記主モジュールよりも取り外し容易に壁下地材に固着された副モジュールとを含むことを特徴とする外壁構造。
【請求項2】
前記主モジュール及び副モジュールは、矩形かつ同一の表面模様を有するタイル状材からなる請求項1記載の外壁構造。
【請求項3】
前記主モジュールは、接着剤にて固着されるとともに、前記副モジュールは、ビスにより固着される請求項1又は2記載の外壁構造。
【請求項4】
前記壁下地材は、一対の面材と、該面材間に配された縦桟及び/又は横桟を含むとともに、
前記副モジュールは、前記縦桟又は横桟に達するビスにより固着される請求項1乃至3のいずれかに記載の外壁構造。
【請求項5】
前記主モジュールは、矩形のタイル状材からなり、かつ前記副モジュールは、フック、手摺り台座又は花台を含む外壁用のアクセサリー材である請求項1乃至4のいずれかに記載の外壁構造。
【請求項6】
前記副モジュールは、ねじ孔を有した取付金具を介して壁下地材に固着される請求項1又は5記載の外壁構造。
【請求項1】
輪郭形状が実質的に同一な外装モジュールが表面に規則的に並べられて装飾された規則模様の外装材を具える外壁構造であって、
前記外装モジュールは、壁下地材に固着された主モジュールと、前記主モジュールよりも取り外し容易に壁下地材に固着された副モジュールとを含むことを特徴とする外壁構造。
【請求項2】
前記主モジュール及び副モジュールは、矩形かつ同一の表面模様を有するタイル状材からなる請求項1記載の外壁構造。
【請求項3】
前記主モジュールは、接着剤にて固着されるとともに、前記副モジュールは、ビスにより固着される請求項1又は2記載の外壁構造。
【請求項4】
前記壁下地材は、一対の面材と、該面材間に配された縦桟及び/又は横桟を含むとともに、
前記副モジュールは、前記縦桟又は横桟に達するビスにより固着される請求項1乃至3のいずれかに記載の外壁構造。
【請求項5】
前記主モジュールは、矩形のタイル状材からなり、かつ前記副モジュールは、フック、手摺り台座又は花台を含む外壁用のアクセサリー材である請求項1乃至4のいずれかに記載の外壁構造。
【請求項6】
前記副モジュールは、ねじ孔を有した取付金具を介して壁下地材に固着される請求項1又は5記載の外壁構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−13872(P2010−13872A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176085(P2008−176085)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000004673)パナホーム株式会社 (319)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000004673)パナホーム株式会社 (319)
【Fターム(参考)】
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