説明

外科装置

本発明は、第1椎体の上方棘突起を上方支持面により且つ第2椎体の下方棘突起を下方支持面により、相互に支持するためのインプラントを含む外科装置であって、前記インプラントが、第1インプラント部品及び第2インプラント部品を含み、基本位置から、前記上方支持面と前記下方支持面の互いからの間隔が前記基本位置よりも大きい展開位置へと、締付方向に対して交差する向きである展開方向に前記インプラントを移行させるために、前記第2インプラント部品が、前記第1インプラント部品に対して前記締付方向に沿って移動可能であるように構成され、前記インプラントが、前記上方棘突起又は前記下方棘突起を導入側で側方から支持するために使用される、少なくとも1つの導入側上方支持要素及び少なくとも1つの導入側下方支持要素を含む、外科装置に関する。この外科装置は、更に、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素及び前記少なくとも1つの導入側下方支持要素を互いに対して前記展開方向に沿って展開するために使用される、前記インプラント用の定置素子を含み、この定置素子により、前記インプラントが、前記基本位置から、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素と前記少なくとも1つの導入側下方支持要素の互いに対する間隔が前記基本位置よりも大きい導入位置へと移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1椎体の上方棘突起を上方支持面により且つ第2椎体の下方棘突起を下方支持面により、相互に支持するためのインプラントを含む外科装置であって、前記インプラントが、第1インプラント部品及び第2インプラント部品を含み、基本位置から、前記上方支持面と前記下方支持面の互いからの間隔が前記基本位置よりも大きい展開位置へと、締付方向に対して交差する向きである展開方向に前記インプラントを移行させるために、前記第2インプラント部品が、前記第1インプラント部品に対して前記締付方向に沿って移動可能であるように構成され、前記インプラントが、該インプラントの前記展開位置において前記上方棘突起及び前記下方棘突起を導入側で側方からそれぞれ支持するために使用される、少なくとも1つの導入側上方支持要素及び少なくとも1つの導入側下方支持要素を含む、外科装置に関する。
【0002】
更に、本発明は、インプラントを保持するための操作素子を備えた外科装置に関する。
【背景技術】
【0003】
上で述べた種類のインプラントはDE 20 2008 009 344 U1に記載されており、その内容全体が本明細書に援用される。このインプラントは、基本位置のとき、片側の侵入点を通して導入側から体内に導入し、棘突起間の椎間空間に位置決めすることができる。インプラントを基本位置から展開位置へと移行させることにより、隣接する椎体を互いに対して安定させるために使用される支持面の相互間隔が大きくなり、支持面に載っている棘突起を大なり小なり押し広げることができる。上方椎体及び下方椎体を側方で安定させるために、インプラントは少なくとも1つの上方支持要素並びに下方支持要素を含み、これらの支持要素は各々、棘突起を導入側で、即ちインプラントが体内に導入される側から支持することができる。インプラントを基本位置から展開位置へと移行させる時、支持要素は、同様に互いに対して展開され、これによって、椎間空間から出て、それぞれ棘突起に接近する。対応するやり方で、インプラントは、上方棘突起及び下方棘突起を身体側で、即ち、棘突起の、導入側から遠く離れた側から側方で支持することのできる少なくとも1つの上方支持要素及び少なくとも1つの下方支持要素を含むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE 20 2008 009 344 U1
【特許文献2】US 2008/0306488 A1
【特許文献3】US 2008/0108990 A1
【特許文献4】GB 2 436 292 A
【特許文献5】US 2009/0138055 A1
【特許文献6】US 2005/0055031 A1
【特許文献7】DE 20 2009 001 321 U1
【特許文献8】DE 10 2007 052 799 A1
【特許文献9】US 6,332,883 B1
【特許文献10】WO 2007/127689 A2
【特許文献11】WO 2006/111174 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、一般的な外科装置を、その操作性を改良するように更に発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、冒頭で述べた種類の外科装置について、該装置が、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素及び前記少なくとも1つの導入側下方支持要素を互いに対して前記展開方向に沿って展開するために使用される、前記インプラント用の定置素子を含み、該定置素子により、前記インプラントが、前記基本位置から、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素と前記少なくとも1つの導入側下方支持要素の互いに対する間隔が前記基本位置よりも大きい導入位置へと移動可能であり、前記第2インプラント部品を前記第1インプラント部品に対して前記締付方向に沿って移動させることにより、前記インプラントが前記導入位置から前記展開位置へと移行可能である、という点で達成される。
【0007】
前記インプラントは、前記定置素子によって、基本位置から開始して導入位置へと移動させることができる。これによって、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素及び前記少なくとも1つの導入側下方支持要素は、結局、互いに対する間隔が前記インプラントの前記基本位置におけるその互いからの間隔よりも大きくなる。前記定置素子を適切な寸法にすることにより、上方支持要素と下方支持要素の間隔を、前記上方棘突起と前記下方棘突起の互いからの間隔よりも大きくすることができる。これにより、前記インプラントを前記導入位置にして椎間空間に単に移動させることによって、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素が前記上方棘突起に当接できるようになり、前記少なくとも1つの下方支持要素導入側が前記下方棘突起に当接できるようになり、この目的で前記インプラントを前記展開位置へと移行させる必要がない。従って、前記支持要素が前記棘突起用の止めを形成するので、椎間空間への前記インプラントの最大挿入深度が限定される。このことにより、執刀医にとって前記インプラントの操作が容易になり、前記支持要素は、前記インプラントの前記展開位置においてこの支持要素が採るであろう場所とほぼ同じ場所において前記棘突起に当接できるようになる。このことは、前記インプラントを前記棘突起に対して、改良されたやり方で位置決めできることを意味する。更に、これによって、執刀医が前記インプラントを椎間空間に過度に深く挿入することができず、従って、より非侵襲的に作業することができ、患者を傷つける危険性が低減可能であることが確実になる。
【0008】
前記定置素子は、好ましくは、前記インプラントが少なくとも部分的に保持される受け器を含む。これに加えて或いはこの別法として、前記インプラントが、前記定置素子が少なくとも部分的に中で保持される受け器を含むようにしてもよい。これによって、前記定置素子は、前記インプラントが前記基本位置から前記導入位置へと移動できるように、前記インプラントに接続することができる。
【0009】
前記定置素子が、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素又は該少なくとも1つの導入側上方支持要素を組み込む担体に対して前記展開方向に対向する方向に作用する少なくとも1つの第1上方止めを含む又は形成し、及び/又は、前記定置素子が、前記少なくとも1つの導入側下方支持要素又は該少なくとも1つの導入側下方支持要素を組み込む担体に対して前記展開方向に対向する方向に作用する少なくとも1つの第1下方止めを含む又は形成すると好都合である。このことにより、前記インプラントの前記導入位置における前記上方支持要素と前記下方支持要素の互いからの間隔を前記インプラントの前記基本位置と比較して大きくするために、前記上方支持要素及び前記下方支持要素を相互に展開する単純な構造の可能性がもたらされる。
【0010】
前記少なくとも1つの導入側上方支持要素又は該導入側上方支持要素を組み込む前記担体が、前記インプラントの前記導入位置において少なくとも1つの第1上方止めに当接し、及び/又は、前記少なくとも1つの導入側下方支持要素又は該導入側下方支持要素を組み込む前記担体が、前記インプラントの前記導入位置において少なくとも1つの第1下方止めに当接すると有利である。これによって、前記上方支持要素及び前記下方支持要素の互いに対する展開を、信頼できるやり方で確実にすることができる。この目的で、前記第1上方止め及び/又は前記第1下方止めは各々、それぞれの展開要素用の又はそれぞれの担体用の接触面を含む。
【0011】
前記定置素子が、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素又は該少なくとも1つの導入側上方支持要素を組み込む担体に対して前記展開方向に作用する少なくとも1つの第2上方止めを含む又は形成し、及び/又は、前記定置素子が、前記少なくとも1つの導入側下方支持要素又は該少なくとも1つの導入側下方支持要素を組み込む担体に対して前記展開方向に作用する少なくとも1つの第2下方止めを含む又は形成すると好都合である。これによって、前記導入位置のときに、前記第2上方止めと前記第2下方止めの互いからの間隔により与えられる前記展開方向に沿った最大間隔を、前記上方支持要素及び前記下方支持要素が超えないことを、単純な構造的方法で確実にすることができる。このことにより、前記インプラントが前記導入位置において損傷しないようにすることが可能である。
【0012】
前記少なくとも1つの導入側上方支持要素又は該導入側上方支持要素を組み込む前記担体が、前記インプラントの前記導入位置において前記少なくとも1つの第2上方止めに当接し、及び/又は、前記少なくとも1つの導入側下方支持要素又は該導入側下方支持要素を組み込む前記担体が、前記インプラントの前記導入位置において前記少なくとも1つの第2下方止めに当接すると有利である。これによって、前記上方支持要素及び前記下方支持要素が、前記インプラントが損傷するであろう程度まで前記展開方向に沿って展開して離間させることはできないことを、信頼できるやり方で確実にすることができる。このため、前記第2上方止め及び/又は前記第2下方止めは各々、それぞれの支持要素用又はそれぞれの担体用の接触面を含む。
【0013】
特に、前記インプラントの信頼できる定置を確実にするために、前記インプラントの前記導入位置にて、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素が、前記少なくとも1つの第1上方止めと前記少なくとも1つの第2上方止めの間においてポジティブロックのやり方で配置され、前記少なくとも1つの導入側下方支持要素が、前記少なくとも1つの第1下方止めと前記少なくとも1つの第2下方止めとの間においてポジティブロックのやり方で配置されることを実現することができる。
【0014】
前記定置素子が、前記上方棘突起用の少なくとも1つの導入側上方骨止め要素を含む又は形成し、及び/又は、前記定置素子が、前記下方棘突起用の少なくとも1つの導入側下方骨止め要素を含む又は形成すると好都合である。このことにより、前記インプラントの操作が容易になる。前記インプラントを椎間空間に挿入する際、前記インプラントは前記上方棘突起又は前記下方棘突起に、前記上方支持要素及び前記下方支持要素によって当接することができるだけでなく、前記定置素子によっても当接することができる。その結果、前記インプラントを前記棘突起に対して、より確実に位置決めすることが達成可能である。
【0015】
好都合なことに、椎間空間における前記インプラントの操作を容易にするために、前記インプラントの前記導入位置において、前記上方骨止め要素と前記下方骨止め要素は互いに対して、前記導入側上方支持要素と前記導入側下方支持要素よりも更に離間される。
【0016】
前記第1インプラント部品が、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素及び前記少なくとも1つの導入側下方支持要素を含むことを実現することができる。実際に、このことは、前記インプラントの、より単純な構造にとって有利であると分かった。
【0017】
この別法として又はこれに加えて、前記第2インプラント部品が、少なくとも1つの導入側上方支持要素及び/又は少なくとも1つの導入側下方支持要素を含むことを実現することができる。
【0018】
好ましくは、前記インプラントが、該インプラントの前記展開位置において前記上方棘突起及び前記下方棘突起を身体側で側方からそれぞれ支持するための、少なくとも1つの身体側上方支持要素及び少なくとも1つの身体側下方支持要素を含む。既に述べたように、本文脈において「身体側」とは、前記棘突起の、前記インプラントが体内に導入される側方側から遠く離れた、前記棘突起の側方側であるものと解釈されるべきである。前記上方支持要素及び前記下方支持要素により、前記上方棘突起及び前記下方棘突起を身体側で側方から支持し、従って、互いに対してより確実に支持することができる。
【0019】
前記第2インプラント部品が、少なくとも1つの身体側上方支持要素及び少なくとも1つの身体側下方支持要素を含むことを実現することができる。実際に、このことは、前記インプラントの、より単純な構造的配置にとって有利であると分かった。
【0020】
この別法として又はこれに加えて、前記第1インプラント部品が、少なくとも1つの身体側上方支持要素及び/又は少なくとも1つの身体側下方支持要素を含むことを実現することができる。
【0021】
前記外科装置が、導入側支持要素に結合される少なくとも1つの第1結合要素と、身体側支持要素に結合される少なくとも1つの第2結合要素とを有する結合素子を含み、前記少なくとも1つの第2結合要素が、前記インプラントの前記導入位置において前記少なくとも1つの第1結合要素と協働し、前記少なくとも1つの身体側上方支持要素と前記少なくとも1つの身体側下方支持要素の互いからの間隔を、前記インプラントの前記基本位置におけるその互いからの間隔に対して減少させることが好適である。前記インプラントの前記導入位置において、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素と前記少なくとも1つの導入側下方支持要素は、前記インプラントの前記基本位置におけるよりも互いから大きい間隔のところにある。このことは前記定置素子によって確実にすることができる。例示的な本実施形態における付加的な前記結合素子によって更に、前記インプラントの前記導入位置において、前記少なくとも1つの身体側上方支持要素と前記少なくとも1つの身体側下方支持要素の互いからの間隔を、前記インプラントが前記基本位置のときの互いからのその間隔に対して低減することが可能である。このことにより、前記定置素子及び前記結合素子によって前記インプラントの挿入深度を低減する可能性がもたらされる。これにより、執刀医にとっては、前記インプラントを椎間空間に挿入する際にそのことが、より簡単になる。更に、これにより、前記インプラントを挿入する間に執刀医が不注意で前記棘突起又はその他の身体構造、例えば靭帯、腱、或いは筋肉に当ててしまう危険性も低減される。このことにより、前記インプラントの操作がかなり容易になる。身体側支持要素に導入側支持要素を結合するために、前記結合素子は、前記インプラントの前記導入位置において協働する、前記少なくとも1つの第1結合要素及び前記少なくとも1つの第2結合要素を含む。
【0022】
前記第1結合要素及び/又は前記第2結合要素は、導入側支持要素及び身体側支持要素に結合するために、例えば、それぞれ前記導入側支持要素及び前記身体側支持要素に特に一体のやり方で接続することができる。
【0023】
前記インプラントが前記結合素子を含む又は形成すると好都合である。というのも、そうすればこのことが、より単純な構造を備えた前記外科装置の実現をもたらすからである。
【0024】
特に、前記第1インプラント部品が前記少なくとも1つの第1結合要素を含み、前記少なくとも1つの第2インプラント部品が前記少なくとも1つの第2結合要素を含むことを実現することができる。
【0025】
好ましくは、前記結合素子が、導入側上方支持要素に結合される第1結合要素と、前記第1結合要素と協働し且つ身体側下方支持要素に結合される第2結合要素とを含む。前記インプラントの前記導入位置において、前記定置素子及び前記結合素子の前記導入側上方支持要素及び前記身体側下方支持要素に関連する作用は、前記展開方向に沿って互いに逆行する。前記導入側上方支持要素が前記定置素子の作用下に導入側下方支持要素に対して更に展開されればされるほど、前記身体側下方支持要素は身体側上方支持要素にますます接近する。実際に、この例示的実施形態における前記結合素子を単純な構造にすることができ、前記結合素子の信頼できる機能を確実にできることが示された。
【0026】
対応するやり方において、同じ利点を達成するために、前記結合素子が、導入側下方支持要素に結合される第1結合要素と、前記第1結合要素と協働し且つ身体側上方支持要素に結合される第2結合要素とを含むと好都合である。
【0027】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1結合要素及び/又は前記少なくとも1つの第2結合要素は、少なくとも部分的に、棘突起用の支持面を形成する。これによって、前記第1結合要素及び/又は前記第2結合要素は、付加的な機能を果たすことができる。このことにより、前記インプラントに、よりコンパクトな構造形式を付与することができる。
【0028】
前記結合素子が、導入側上方支持要素用の第1結合要素と、導入側下方支持要素用の第1結合要素とを含み、前記導入側上方支持要素用の第1結合要素及び前記導入側下方支持要素用の第1結合要素が、前記インプラントの前記導入位置において、前記インプラントの前記基本位置よりも更に、互いに対して前記展開方向に沿って前記定置素子により展開されると好都合である。従って、例えば第1結合要素及び第2結合要素が相互に前記展開方向に沿って互いの上で支持される場合には、前記第1結合要素と協働する2つの第2結合要素が前記展開方向に沿って互いに接近する可能性がもたらされる。前記2つの結合要素のうち、一方が身体側上方支持要素に結合され、一方が身体側下方支持要素に結合されると、前記身体側上方支持要素と前記身体側下方支持要素は前記展開方向に沿って互いに接近することができる。
【0029】
例えば、既に述べた導入側上方支持要素用の前記第1上方止め、並びに導入側下方支持要素用の前記第1下方止めの作用に起因して、前記第1結合要素を互いに対して展開することが前記定置素子によって達成される。
【0030】
特に、前記2つの第1結合要素は、互いに対して前記展開方向に沿って付勢される。
【0031】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1結合要素及び/又は前記少なくとも1つの第2結合要素は、弾性変形可能であるように形成され、その結果として、前記結合素子及び前記インプラントのより信頼できる機能を確実にすることができる。
【0032】
前記装置の有利な1実施形態において、前記少なくとも1つの第1結合要素が、自由端に前記導入側支持要素を含む第1担体として形成されると共に、前記少なくとも1つの第2結合要素に対して前記展開方向に沿って作用する滑動要素を形成し、及び/又は、前記少なくとも1つの第2結合要素が、自由端に前記身体側支持要素を含む第2担体として形成されると共に、前記少なくとも1つの第1結合要素に対して前記展開方向に沿って作用する滑動要素を形成することが好都合であることが分かった。前記インプラントを前記導入位置から前記展開位置へと移行させる時、第1結合要素及び第2結合要素は互いに滑動して互いを相互に支持することができ、これによって、各々が、それぞれ他方の結合要素用の滑動要素を形成する。この滑動特性は前記展開方向に沿って作用する。これによって、前記導入側支持要素及び前記身体側支持要素は各々、前記上方棘突起用であれ前記下方棘突起用であれ、前記インプラントの前記展開位置においてその位置を採ることができるまで、前記展開方向に沿って移動することができる。このことにより、前記インプラントは、同時に単純な構造でもって、信頼できるやり方で機能することができる。
【0033】
前記外科装置が、前記インプラントの前記導入位置において身体側支持要素が前記展開方向に沿って移動することを防ぐための少なくとも1つの阻止要素を含むと有利である。これによって、前記インプラントの前記導入位置において、前記少なくとも1つの身体側上方支持要素と前記少なくとも1つの身体側下方支持要素とが互いからのその間隔を不用のやり方で大きくならないようにすることができる。従って、インプラントを前記展開位置へ移行させる前の前記インプラントの挿入深度を一定に保つことができる。これによって、前記インプラントを挿入する間に身体側支持要素が棘突起或いはその他の身体構造に不用のやり方で接触する危険性が低減される。
【0034】
前記少なくとも1つの阻止要素が、前記身体側支持要素又は該身体側支持要素を組み込む担体と協働する止めを含む又は形成する場合、前記装置の単純な構造的配置が可能になる。
【0035】
特に、前記外科装置が1つよりも多い阻止要素を含み、各阻止要素によって、前記展開方向に沿った身体側支持要素の移動が防止可能であることを実現することができる。
【0036】
前記定置素子が前記少なくとも1つの阻止要素を含む又は形成すると、前記装置の特に単純な構造的配置が可能になる。
【0037】
前記少なくとも1つの阻止要素が、前記インプラントの前記導入位置において前記身体側支持要素又は該身体側支持要素を組み込む担体に当接するように配置されると共に、前記インプラントを前記導入位置から前記展開位置へと移行させる前に前記支持要素又は前記担体から取り外し可能であることも実現することができる。前記少なくとも1つの阻止要素は、インプラントを体内に挿入した後、執刀医が前記インプラントを前記導入位置から前記展開位置へと移行させようとする時点までしか必要ではない。この構成では、前記少なくとも1つの阻止要素を、前記支持要素上又は前記担体上に、前記支持要素が移動するのを防ぐように配置することができる。このことにより、例えば、前記少なくとも1つの阻止要素の阻止位置が規定される。執刀医は、前記インプラントを前記展開位置へと移行させようとする場合、前記少なくとも1つの阻止要素を前記支持要素又は前記担体から取り外し、この阻止要素を規定の後退位置へと移行させることができる。
【0038】
前記少なくとも1つの阻止要素が、身体側上方支持要素を組み込む第1担体と身体側下方支持要素を組み込む第2担体の間に形成された間隙に挿入可能、特にポジティブロックのやり方で挿入可能であり、前記第1担体及び前記第2担体が、前記インプラントを前記導入位置から前記展開位置へと移行させる時、互いに対して前記展開方向に沿って展開可能であると有利である。従って、この阻止要素は、構造的なやり方において確実にすることができる、互いに対する展開移動に抗して前記担体を固定するための信頼できる手段を提供する。その結果、前記身体側上方支持要素と前記身体側下方支持要素の、前記展開方向に沿った互いに対する移動も防ぐことができる。
【0039】
前記外科装置が、前記インプラント用の少なくとも1つの保護要素を含むと有利である。というのも、そうすればインプラントを損傷から保護することができるからである。
【0040】
好ましくは、前記少なくとも1つの保護要素は、前記インプラントを前記導入側で少なくとも部分的に包囲するカバーの形態である。これによって、このカバーは、特に、執刀医が通常前記インプラント用の操作素子又は同様のものを用いて作業する前記インプラントの導入側に、前記インプラントを保護するための手段を提供する。他方で、前記インプラントは、好ましくは、前記インプラントの身体側が、即ち前記インプラントの、椎間空間を通して前記棘突起間に導入される領域が、前記カバーにより包囲されない。従って、前記インプラントを椎間空間に挿入するために必要となる空間はほんの少しである。
【0041】
前記インプラントの信頼できる保護を確実にするために、有利なことに、前記カバーは、前記締付方向に沿った範囲を基準にすると、前記インプラントのほぼ半分を包囲する。
【0042】
前記カバーが前記第2インプラント部品を少なくとも部分的に包囲することを実現することができる。その際、前記第1インプラント部品が身体側に配置されて最初に体内に移動されるのに対して、第2インプラント部品は例えば導入側に配置される。
【0043】
好ましくは、前記定置素子が、前記少なくとも1つの保護要素を含む又は形成する。このことにより、前記装置が特に単純でコンパクトな設計を有することが可能になる。
【0044】
前記定置素子が略U形の断面を有すると有利である。その結果、前記定置素子に、大文字のUの形態のクリップの形状を与えることができる。このことにより、前記インプラント用の保護要素を形成し、前記定置素子が前記インプラントに装着される際にインプラントを3つの側で保護することが可能となる。
【0045】
前記U形の断面を形成する目的で、前記定置素子は、互いから離間されて前記U形の肢部を形成する2つの区域を含むことができる。前記区域は、それぞれの端部のうちの1つにて、接続区域によって接続することができる。前記第1区域及び前記第2区域は、それぞれの自由端に、既に記載した前記少なくとも1つの第1上方止め、前記少なくとも1つの第2上方止め、及び骨止め要素を含む又は形成し、或いは、前記少なくとも1つの第1下方止め、前記少なくとも1つの第2下方止め、及び骨止め要素を含む又は形成することができる。インプラント部品用、特に前記第1インプラント部品用に、前記接続要素内に受け器を形成することができる。前記インプラントに前記定置素子を装着するために、前記受け器に前記インプラント部品を少なくとも部分的に導入することができる。
【0046】
前記定置素子が一体のやり方で形成されると好都合である。というのも、これによりその製造が簡素化されるからである。
【0047】
好ましくは、前記定置素子は合成材料から作られる。というのも、これにより前記定置素子が経済的に製造されることが可能になるからである。
【0048】
特に、前記定置素子は変形可能な材料から作ることができる。このことにより、例えば、より単純なやり方で、前記定置素子を前記インプラントに装着し、或いは、前記定置素子を前記インプラントから分離することが可能となる。
【0049】
前記定置素子が、弾性変形可能な材料から作られると好都合である。このことは、特に、前記定置素子が、前記インプラントに装着されるべき場合、及びこれによって変形されるべき場合に有利である。これによって、前記定置素子の損傷を防ぐことができる。
【0050】
前記定置素子が前記インプラント上に予め装架されることを実現することができる。前記インプラントの挿入前に執刀医が前記定置素子を装着する必要がないことから、このことにより前記装置の操作が容易になる。
【0051】
好ましくは、前記インプラント上に装架された定置素子は、このインプラントから解放可能である。前記インプラントが前記棘突起に意図したように当接することから、前記インプラントを前記導入位置から前記展開位置へと移行させた後には前記定置素子はもはや必要ない。従って、本実施形態では、このことにより、前記インプラントが挿入された後に前記定置素子を体内から取り外すことができる。
【0052】
この別法として又はこれに加えて、前記インプラントを椎間空間に挿入した後に前記定置素子が体内に留まることが可能であるように、前記定置素子が吸収性の材料から作られることを実現することができる。
【0053】
前記定置素子が、前記インプラントから前記定置素子を引き抜くための少なくとも1つの第1引抜支承要素を形成すると有利である。というのも、このことにより、前記インプラントから前記定置素子を構造的に単純なやり方で分離することが可能となるからである。前記インプラントから前記定置素子を分離するために、前記装置の操作素子が前記第1引抜支承要素を把持することができる。
【0054】
前記定置素子が少なくとも1つの引抜止め要素を含む、或いは、前記定置素子が、前記締付方向に対して交差する向きである引抜方向に作用するような要素を形成することが好適である。このことにより、前記2つのインプラント部品の互いに対する位置決めに影響を及ぼすことなく、前記定置素子を前記インプラントから、前記締付方向に対して交差する方向に取り外すことができる。特に、前記引抜方向は、前記締付方向に対して垂直の向きとすることができる。
【0055】
前記引抜方向が前記展開方向に対して交差する向きである、特に垂直であると好都合である。このことにより、インプラント及び定置素子を引き離すような力を前記上方棘突起及び/又は前記下方棘突起に意図せず及ぼすことなしに、前記インプラントから前記定置素子を引き抜くことが可能となる。
【0056】
前記定置素子が、前記インプラントを前記導入位置から前記展開位置へと移行させるための第1展開支承要素を含む又は形成することが好都合であると分かった。このことにより、前記装置は、よりコンパクトな設計にすることができる。前記インプラントを展開するために、前記締付方向に沿って作用する展開力を前記第1展開支承要素に加えることができる。
【0057】
好ましくは、前記定置素子は、少なくとも1つの展開止め要素を含み、或いは、前記締付方向に沿って作用するような要素を形成する。従って、このことにより、前記定置素子が、単純な構造的やり方で展開支承要素を形成することが可能となる。例えば、前記インプラントを展開するために、前記装置の操作素子が前記展開支承要素を把持することができる。
【0058】
前記少なくとも1つの展開止め要素が、前記定置素子により形成された受け器に結合され、該受け器内にインプラント部品、好ましくは前記第1インプラント部品が保持されると好都合である。前記展開止め要素は前記受け器によって、例えば圧力ロック及び/又はポジティブロックのやり方で結合される。従って、前記展開止め要素に加えられる展開力は、前記受け器に、それ故に前記インプラント部品に、そして特に、前記受け器の中で保持される前記第1インプラント部品に伝達することができる。この目的で、前記受け器は、好ましくは、前記締付方向に沿って作用する前記インプラント部品用の止めを含む。
【0059】
好ましくは、既に述べた前記カバーは、前記第1展開支承要素を前記受け器に結合する結合要素を形成し、この受け器及び前記少なくとも1つの展開支承要素は、前記カバーにより形成される又は前記カバーに含まれる。
【0060】
有利なことに、前記外科装置は、インプラント部品用の、特に前記第2インプラント部品用の受け器を含む保持素子を有し、該受け器内に前記部品が部分的に保持される。前記インプラント部品、特に前記第2インプラント部品は、従って前記インプラントも、前記保持素子によって保持することができる。
【0061】
この別法として又はこれに加えて、前記インプラント、好ましくは前記第2インプラント部品が、前記保持素子が保持される受け器を含む又は形成することを実現することができる。
【0062】
前記保持素子が、前記インプラントを前記導入位置から前記展開位置へと移行させるための第2展開支承要素を形成することが好適である。前記締付方向に沿って作用する展開力が前記保持素子に加えられると、これによって前記インプラントを前記展開位置へと移行させることができる。既に述べたように、前記定置素子には、この目的にとって必要な反作用力を加えることができる。
【0063】
前記定置素子が、前記インプラントを前記導入位置から前記展開位置へと移行させる時、前記保持素子用の案内要素を形成すると有利である。このことにより、前記保持素子を前記定置素子に対して、明確に規定された方向に移動する、故に、前記インプラントを前記展開位置へと確実に移行させることが可能となる。
【0064】
原則として、前記インプラントを体内に挿入するために、執刀医は前記保持素子のみを動かすことが可能である。この目的で、前記保持素子は、例えば把持要素を含む又は形成することができる。
【0065】
もっとも、好ましくは、前記インプラントを前記外科装置の第1操作素子に接続する目的で、前記保持素子が接続素子を含む。このことにより、前記保持素子を前記第1操作素子に接続することが可能となる。これによって、前記保持素子は、前記操作素子と前記インプラントの間の中間片をある程度形成することができる。前記第1操作素子は数回使用することのできる道具であるのに対して、前記保持素子は、1つのみのインプラントと共に使用される使い捨て部品であると有利である。
【0066】
前記接続素子がラッチ素子の形態であると好都合である。というのも、このことにより、前記操作素子を前記保持素子に単純なやり方で接続することが可能となるからである。前記保持素子と前記操作素子の間のラッチ接続は解放可能とすることができる。
【0067】
好ましくは、前記インプラントが、ロック要素を含むロック素子を有し、前記インプラントの前記展開位置において、該ロック要素が、前記第2インプラント部品が前記第1インプラント部品に対して前記締付方向に沿って移動可能である解放位置から、前記第2インプラント部品が前記第1インプラント部品にロックされて前記締付方向に対向する方向への移動を防ぐロック位置へと、前記締付方向に対して交差する向きであるロック方向に移行可能である。前記インプラントの前記展開位置において前記2つのインプラント部品が互いに対して前記締付方向に沿って移動しないことを、前記ロック要素によって確実にすることができる。これによって、前記インプラントは、体内に挿入された後に前記展開位置を維持するのであり、前記棘突起を互いに対して確実に支持するのに有効とすることができる。
【0068】
有利なことに、前記ロック要素が、前記第2インプラント部品に含まれ且つ前記インプラントをロックするために前記ロック要素と協働する定置要素と共に、前記受け器内に保持される。従って、前記ロック要素及び前記定置要素の、互いに対する信頼できる相対的位置決めを確実にすることができる。このことは、前記ロック要素を前記解放位置から前記ロック位置へと移行させることにとっても、前記インプラントを展開する時にも有利である。
【0069】
好ましくは、前記保持素子が、少なくとも1つの第1結合部材を含む、又は、前記ロック要素を前記解放位置から前記ロック位置へと移行させるために、前記ロック要素に含まれる又は前記ロック要素により形成される少なくとも1つの第2結合部材と協働するような部材を形成する。これによって、前記保持素子は、前記インプラントを保持する機能を上回る、場合によってはこのインプラントを展開する機能をも上回る更なる機能を奏することができる。前記少なくとも1つの第1結合部材は、前記ロック要素の前記少なくとも1つの第2結合部材と結合するので、この第1結合部材を前記保持素子によって前記ロック位置へと移行させることができる。このことにより、前記装置の操作が容易になる。
【0070】
前記装置が単純な構造の実施形態である場合、前記少なくとも1つの第1結合部材は、前記ロック方向に沿って作用する前記ロック要素用のドライバ止めの形態である。対応するやり方で、前記少なくとも1つの第2結合部材は、前記ドライバ止めと協働する止めの形態である。前記保持素子が、前記ロック方向に働く力を受けると、前記結合部材が共に結合し、前記ロック要素を前記ロック位置へと移行させることができる。
【0071】
前記ロック要素の前記ロック位置において、前記保持素子が前記インプラントから前記ロック方向に後退可能であると好都合である。前記インプラントがロックされると、前記保持素子はもはや必要ではない。前記インプラントの本実施形態において、保持素子は、例えば前記インプラントのロックに続き、前記ロック方向に働く力を受け続けることにより、前記ロック方向に後退することができる。
【0072】
好都合なことに、前記受け器が開口を含み、該開口を通して、前記定置要素及び前記ロック要素が前記ロック要素の前記ロック位置において前記受け器から取り外し可能である。例えば、前記開口は、前記ロック方向に対して交差する向きである、特に垂直の向きである断面を規定する、その断面を通って前記受け器から前記定置要素及び前記ロック要素を取り外すことができる。このことにより、前記保持素子は前記インプラントから後退することができ、前記定置要素及び前記ロック要素は前記ロックされたインプラント上に留まる。
【0073】
好都合なことに、前記保持素子の前記少なくとも1つの結合部材は、前記開口の縁部に配置される。
【0074】
前記ロック方向が、前記インプラントの前記定置素子に対する引抜方向に平行な成分を有し、特に、前記ロック方向が前記引抜方向と平行な向きであることが好適である。このことにより、前記定置素子と前記保持素子のいずれも、前記インプラントから同じ方向に、好都合なことには、前記締付方向に対して垂直に、かつ前記展開方向に対して垂直に、後退することができる。
【0075】
前記保持素子が前記インプラント上に予め装架されると有利である。というのも、このことにより執刀医による前記装置の操作が容易になるからである。
【0076】
前記保持素子が前記インプラントに装着可能であることをも実現することができる。このために、例えば、前記インプラントを前記保持素子に装着すべく、既に述べた前記受け器に前記定置要素及び前記ロック要素を導入できるように、前記受け器が拡張可能であることを実現することができる。
【0077】
前記保持素子は、好ましくは前記インプラントの部品であり、特に前記インプラント上に予め装架される場合、このインプラントに含まれる。
【0078】
一方、前記保持素子が、以下に記載する第1操作素子の部品であり、特に前記インプラントに装着可能である場合、この第1操作素子に含まれることも可能である。
【0079】
前記保持素子の単純な構造を達成するために、この保持素子が一体のやり方で形成されると好都合である。
【0080】
前記装置が第1操作素子を有することができることは既に述べた。特に、前記外科装置が、前記インプラントを保持するための把持要素を有する第1操作素子を含むと好都合である。前記インプラントを体内に挿入するために、執刀医は、使用者に便利なやり方で前記把持要素を把握することができる。
【0081】
冒頭で述べた種類の、インプラントを保持するための操作素子を有する外科装置は、前記操作素子が把持要素を有する場合、それ自体、独特な発明を呈することができる。この外科装置は、執刀医が前記把持要素に作用するという点で、執刀医にとって、前記操作素子の、従って前記インプラントの、使用者に便利な操作を提供する。
【0082】
原則として、前記インプラントが前記第1操作素子によって直接保持されることを実現することができる。
【0083】
一方、前記第1操作素子が、前記インプラント用の保持素子に接続するための接続素子を含むことも可能である。この接続で好都合なことに、前記接続素子は、前記インプラント用の既に記載した前記保持素子であり、この保持素子の上に、前記インプラント、特に前記第2インプラント部品がその一部に関して保持される。
【0084】
執刀医による前記第1操作素子の前記保持素子への接続を容易にするため、並びに、必要な場合にその解放を可能にするために、前記接続素子は、好都合なことにラッチ素子の形態であり、特に、解放可能なラッチ素子の形態である。
【0085】
単純な構造の実施形態において、前記第1操作素子は、長手方向に延びるグリッパアームの形態である。前記グリッパアームの長手方向広がりは、前記インプラントを椎間空間に挿入するための、使用者に便利な手段を執刀医に提供する。
【0086】
前記外科装置が、前記インプラント用の第2操作素子を含み、該第2操作素子が、前記第1操作素子に対して移動可能であり、前記インプラントを前記導入位置から前記展開位置へと移行させるために前記第1操作素子と協働する。このことにより、前記第1操作素子及び前記第2操作素子を執刀医が把持することにより前記インプラントを展開する可能性が執刀医に与えられる。
【0087】
好ましくは、前記第2操作素子が、前記第1操作素子に対して第1位置から第2位置へと移行可能であり、前記第2操作素子の端部が、前記インプラントを保持する前記第1操作素子の端部に対して、前記締付方向に沿って、前記第2位置とは異なる間隔を前記第1位置において有する。前記第1位置から前記第2位置へと移行させる時に前記第2操作素子の前記端部が前記インプラントに衝突すると、これによって、前記インプラントに展開力を加えることができ、この展開力にとって必要な反作用力を、前記第1操作素子により前記インプラントに送ることができる。
【0088】
前記第2操作素子及び前記第1操作素子の互いに対する信頼できる相対的移動を達成するために、前記第2操作素子が、前記第1操作素子上に、移動可能なやり方で装架されると有利である。
【0089】
実際に、前記第2操作素子が、前記第1操作素子上に、前記締付方向に対して交差する向きにされた枢動軸を中心に枢動するように装架されると特に好都合であることが分かった。このことにより、前記装置は単純な構造にすることができる。
【0090】
前記第2操作素子が枢動レバーの形態である場合、前記装置の特に単純な構造が達成可能である。
【0091】
前記第2操作素子が少なくとも1つの第2展開止め要素を含む又は形成し、該少なくとも1つの第2展開止め要素が、前記インプラントを前記導入位置から前記展開位置へと移行させる時に、好ましくは前記定置要素に含まれる又は前記定置要素により形成される少なくとも1つの第1展開止め要素と協働すると有利である。前記少なくとも1つの第2展開止め要素は、好都合なことに前記第2操作素子の端部に配置されるものであり、前記少なくとも1つの第1展開止め要素に当接することができる。これによって、前記第2操作素子を前記第1位置から前記第2位置へと移行させる際、前記インプラントに、特に前記定置素子に、前記締付方向に沿って作用する力を及ぼすことができる。
【0092】
前記第2操作素子が少なくとも1つの第2引抜止め要素を含む又は形成し、該少なくとも1つの第2引抜止め要素が、前記定置素子を前記インプラントから引き抜くために、前記定置素子に含まれる又は前記定置素子により形成される少なくとも1つの第1引抜止め要素と協働すると好都合である。従って、前記第2操作素子により、前記引抜方向に沿って有効な力を前記定置素子に及ぼすことができ、これによって定置素子を前記インプラントから後退させることができる。この工程にとって必要な反作用力は、例えば、以下に記載する前記装置の第3操作素子により、前記インプラントに及ぼすことができる。
【0093】
例えば、前記少なくとも1つの第2引抜止め要素は、前記第2操作素子の端部に配置される。
【0094】
この別法として又はこれに加えて、前記少なくとも1つの引抜止め要素が、前記第2操作素子により形成されず又は前記第2操作素子に含まれないことを実現することができる。この目的で例えばその際、前記装置は、前記第2操作素子とは別個に形成される前記少なくとも1つの第2引抜止め要素を備えた別個の引抜素子を含むことができる。
【0095】
好ましくは、前記外科装置が、前記第1操作素子に含まれる第1遮断要素と、前記第2操作素子に含まれる第2遮断要素を有する遮断素子とを含み、前記第1遮断要素及び前記第2遮断要素が、該第1遮断要素及び該第2遮断要素が前記第2操作素子の前記第1操作素子に対する移動を不能にするために協働する不能位置から、前記第1遮断要素及び前記第2遮断要素が協働せず、前記第2操作素子が前記第1操作素子に対して移動可能である解放位置へと、或いはその逆へと、互いに対して移行可能である。前記第1操作素子及び前記第2操作素子が互いに対して不用のやり方で移動しないことを前記遮断素子によって確実にすることができる。前記インプラントが椎間空間に導入されると、前記第1遮断要素及び前記第2遮断要素は好都合なことに前記不能位置を採る。これによって、前記インプラントが不用のやり方で展開するのを防ぐことができる。前記第1操作素子に対して前記第2操作素子を移動し、これによって前記インプラントを展開する、即ち前記導入位置から前記展開位置へと移行させることができるのは、前記第1遮断要素及び前記第2遮断要素を前記解放位置へと移行させる執刀医側の意識的行為によってのみである。
【0096】
好ましくは、前記第1遮断要素及び前記第2遮断要素が、その前記不能位置に関して、前記解放位置において互いに対して付勢される。従って、このことにより、或る程度、前記不能位置が前記遮断要素の基本位置又は休止位置を成すことが可能となる。執刀医がこれらの遮断要素をその前記解放位置へと意識的に移行させるのではないとき、或いはこれらの遮断要素を解放位置で保持するときにはいつでも、前記遮断要素は、前記不能位置を採ることができる。このことは特に、前記インプラントを前記導入位置から前記展開位置へと移行させる際に有利である。というのも、前記インプラントは通常幾つかの小さい段階において展開されるからである。従って、執刀医は、前記遮断要素を前記解放位置で保持することにより前記インプラントを徐々に展開することができるが、その後、これらの遮断要素は、その不能位置を採る程度まで前記付勢に屈して押し戻される。これによって、前記インプラントは、各展開段階で展開して離間しないようにされる。このことにより、前記装置の操作が容易になる。
【0097】
前記遮断素子の、構造的に単純な実施形態において、この遮断素子がラッチ爪を形成すると有利である。
【0098】
特に、1つの遮断要素、例えば前記第1遮断要素がラッチバーの形態であり、1つの遮断要素、例えば前記第2遮断要素がラッチレバーの形態であることを実現することができる。前記ラッチバーは、前記ラッチレバーと共に、複数のラッチ位置にラッチすることができる。従って、このことにより、前記第1操作素子に対して前記第2操作素子を、前記インプラントの異なる展開度に各々連結される複数の位置に固定することができることが可能となる。同時に、前記ラッチレバーは、前記第2操作素子の作動レバーとすることができよう。
【0099】
前記遮断要素を互いに対して付勢するために、前記遮断素子は、好都合なことに、例えばばねの形態の、少なくとも1つの弾性要素を含む。この弾性要素は、前記遮断要素を前記ロック位置から前記解放位置へと移行させるために執刀医が克服せねばならない一種のラッチ力を前記第2遮断要素に付与することができる。
【0100】
前記外科装置が、前記第1操作素子及び前記第2操作素子の相対的な位置を表示するための表示素子を含むと有利である。執刀医は、前記インプラントが前記表示素子の助けにより展開して離間した程度を判断することができる。前記上方支持面と前記下方支持面の互いからの絶対間隔が執刀医により知覚可能であるように前記表示素子が較正されることを実現することができる。
【0101】
実際に、前記表示素子が前記遮断素子上に配置されることが好都合であることが分かった。これによって、表示素子は執刀医にとって簡単に知覚可能である。
【0102】
前記外科装置が、前記インプラント用の第3操作素子を含み、該第3操作素子が、前記第1操作素子に対して移動可能であるように構成され、前記インプラントの前記展開位置において前記定置素子及び/又は保持素子或いは前記第1操作素子を前記インプラントから引き抜くために前記インプラントと協働することが好適である。例えば既に述べたように、前記インプラントから前記定置素子を引き抜くための引抜力に反作用力として働く力を前記第3操作素子によって前記インプラントに及ぼすことができる。相応のやり方で、前記反作用力は、前記保持素子を、場合によって前記インプラントを直接保持している第1操作素子を前記インプラントから引き抜くことに対して有効になることができる。このことにより、前記装置を単純なやり方で操作することができる。
【0103】
有利なことに、前記第3操作素子が、前記第1操作素子に対して後退位置から設置位置へと移行可能であり、前記第3操作素子に含まれる又は前記第3操作素子により形成される少なくとも1つの逆止め要素が、前記後退位置においては前記インプラントから離間され、前記設置位置においては前記インプラントに当接する。このことにより、前記インプラントの展開後、前記インプラントが保持される前記第1操作素子に対して、前記第3操作素子を、前記インプラントの方向で前記後退位置から前記設置位置へと移行させることが可能となる。前記設置位置において、前記少なくとも1つの逆止め要素は前記インプラントに当接することができる。その結果、前記定置素子及び/又は前記保持素子或いは場合によっては前記第1保持素子を前記インプラントから引き抜くための、既に述べた前記反作用力を及ぼすことができる。
【0104】
特に、前記少なくとも1つの逆止め要素は前記第3操作素子の端部に配置することができる。
【0105】
好ましくは、前記第3操作素子は、前記第1操作素子上に、移動可能なやり方で装架される。このことにより、前記第3操作素子は、前記後退位置から前記設置位置へと信頼できるやり方で移行させることができる。
【0106】
実際に、前記第3操作素子が、前記第1操作素子上に、前記定置素子の前記インプラントからの前記引抜方向に平行に向けられた方向に沿って及び/又は前記ロック要素の前記ロック方向に平行に向けられた方向に沿って、変位可能なやり方で装架される場合、前記第3操作素子を移行させる工程は特に信頼できるものであると分かった。
【0107】
特に単純な構造の実施形態において、前記第3操作素子は摺動子の形態である。
【0108】
前記第3操作素子が、逆止め要素を備えた第1区域と、逆止め要素を備えた第2区域とを含むこと、及び、前記第1区域の前記逆止め要素が、前記第2区域の前記逆止め要素から、前記締付方向に沿って離間されると有利である。これによって、前記設置位置において、前記第1区域及び前記第2区域は、各々が逆止め要素により、前記第1操作素子の、前記インプラントへの接続領域のこちら側とあちら側で、前記インプラントに当接することができる。前記締付方向を基準にすると、前記接続領域は前記逆止め要素間に配置される。前記インプラントから離れるように向けられる張力が前記第1操作素子に加えられると、前記第1操作素子又は前記保持素子は、食い込むこと又は詰まることなく信頼できるやり方で前記インプラントから解放することができる。
【0109】
特に前記設置位置において、前記第1区域及び前記第2区域の前記逆止め要素は、前記締付方向を基準にすると、前記インプラント用の前記保持素子の傍らで側方から前記インプラントに当接することができる。実際に、前記保持素子を、これによって特に信頼できるやり方で前記インプラントから引く抜くことができることが示された。
【0110】
既に記載したように、前記第3操作素子が摺動子の形態である場合、摺動子は、例えば前記第1操作素子を含むことができ、前記第1区域及び前記第2区域は、前記第1操作素子及び/又は前記保持素子の相互から遠く離れた側に配置される。
【0111】
前記第3操作素子が、前記インプラントの前記導入位置において身体側支持要素が前記展開方向に沿って移動することを防ぐための少なくとも1つの阻止要素を形成し、該少なくとも1つの阻止要素が、前記導入位置において、前記身体側支持要素に当接するように配置され又は前記身体側支持要素を組み込む担体上に配置され、これにより前記第3操作素子が阻止位置を採ると有利である。従って、既に記載したように、前記第3操作素子は、前記インプラントを展開する工程の前に前記身体側支持要素を阻止するための阻止位置に設定することができ、従って付加的な機能を働かせることができる。
【0112】
例えば前記阻止位置において、前記支持要素の互いに対する移動を阻止するために、前記少なくとも1つの阻止要素は、2つの担体の間の間隙内に係合することができる。これらの2つの担体は、身体側支持要素を各々含み、前記インプラントを前記展開方向に沿って前記導入位置から前記展開位置へと移行させながら互いに対して展開可能である。
【0113】
前記インプラントの前記導入位置において、前記第3操作素子が、前記後退位置から前記阻止位置へと、或いはその逆へと移行可能であると好都合である。このことにより、前記インプラントを体内に挿入する前に前記第3操作素子を前記後退位置から前記阻止位置へと移行させることによって、前記少なくとも1つの阻止要素が前記身体側支持要素又はその担体に当接することが可能になる。前記インプラントを展開して離間させる前に、前記第3操作素子を元の前記後退位置へと移行させることができ、前記少なくとも1つの阻止要素を移動して前記インプラントから離間させることができる。
【0114】
前記少なくとも1つの阻止要素が、前記第3操作素子の端部に、特にその第2区域に形成される、又は、前記端部、特にその第2区域に含まれることを実現することができる。
【0115】
更に、前記第1区域が、前記第2区域に対して移動可能であるように構成されること、及び、前記第1区域及び前記第2区域が、前記第3操作素子を、前記後退位置から前記阻止位置へと或いはその逆へと移行させるために及び/又は前記後退位置から前記設置位置へと移行させるために、いずれの場合にも結合要素により結合され、該結合要素が、対になって協働すると共に、前記第1区域及び前記第2区域に含まれる又は前記第1区域及び前記第2区域により形成されることを実現することができる。この接続において、前記結合要素は、例えば協働する止め要素を、特にドライバ止め要素を形成する。
【0116】
更に、前記第2区域を前記設置位置において前記インプラント上に設置する結果、前記第3操作素子を前記後退位置から前記阻止位置へと移行させるために前記第1区域と前記第2区域の間の結合を実施する前記結合要素が、互いから切り離されることを実現することができる。このことにより、前記第2区域が前記設置位置に達すると、前記第1区域及び前記第2区域は相対的に移動することができる。その際、両方の区域を介して前記インプラントに力を付与するために、前記第1区域は、前記結合要素が協働することで前記2つの区域が再結合する時点まで、前記第2区域に対して移動することができる。
【0117】
従って先行する記載は、特に、続いて明確に詳述する外科装置の実施形態を含む。

1.第1椎体(25)の上方棘突起(24)を上方支持面(53)により且つ第2椎体(27)の下方棘突起(26)を下方支持面(54)により、相互に支持するためのインプラント(12;172)を含む外科装置(10;170)であって、
前記インプラント(12;172)が、第1インプラント部品(28)及び第2インプラント部品(29)を含み、基本位置から、前記上方支持面(53)と前記下方支持面(54)の互いからの間隔が前記基本位置よりも大きい展開位置へと、締付方向(49)に対して交差する向きである展開方向(51)に前記インプラント(12;172)を移行させるために、前記第2インプラント部品(29)が、前記第1インプラント部品(28)に対して前記締付方向(49)に沿って移動可能であるように構成され、
前記インプラント(12;172)が、該インプラント(12;172)の前記展開位置において前記上方棘突起(24)及び前記下方棘突起(26)を導入側で側方からそれぞれ支持するために使用される、少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)及び少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)を含む、
外科装置(10;170)において、
該装置(10;170)が、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)及び前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)を互いに対して前記展開方向(51)に沿って展開するために使用される、前記インプラント(12;172)用の定置素子(14;174)を含み、
該定置素子(14;174)により、前記インプラント(12;172)が、前記基本位置から、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)と前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)の互いに対する間隔(dEE)が前記基本位置よりも大きい導入位置へと移動可能であり、
前記第2インプラント部品(29)を前記第1インプラント部品(28)に対して前記締付方向(49)に沿って移動させることにより、前記インプラント(12;172)が前記導入位置から前記展開位置へと移行可能であること、
を特徴とする外科装置。

2.実施形態1に記載の外科装置において、
前記定置素子(14;174)が、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)又は該少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)を組み込む担体(34;31、32)に対して前記展開方向(51)に対向する方向に作用する少なくとも1つの第1上方止め(70)を含む又は形成すること、及び/又は
前記定置素子(14;174)が、前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)又は該少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)を組み込む担体(31、32;34)に対して前記展開方向(51)に対向する方向に作用する少なくとも1つの第1下方止め(73)を含む又は形成すること、
を特徴とする外科装置。

3.実施形態2に記載の外科装置において、
前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)又は該導入側上方支持要素(57;179、180)を組み込む前記担体(34;31、32)が、前記インプラントの前記導入位置(12;172)において前記少なくとも1つの第1上方止め(70)に当接すること、及び/又は
前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)又は該導入側下方支持要素(55、56;181)を組み込む前記担体(31、32;34)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において前記少なくとも1つの第1下方止め(73)に当接すること、
を特徴とする外科装置。

4.実施形態1〜3のいずれか1つに記載の外科装置において、
前記定置素子(14;174)が、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)又は該少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)を組み込む担体(31、32;34)に対して前記展開方向(51)に作用する少なくとも1つの第2上方止め(71)を含む又は形成すること、及び/又は
前記定置素子(14;174)が、前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)又は該少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)を組み込む担体(31、32;34)に対して前記展開方向(51)に作用する少なくとも1つの第2下方止め(74)を含む又は形成すること、
を特徴とする外科装置。

5.実施形態4に記載の外科装置において、
前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)又は該導入側上方支持要素(57;179、180)を組み込む前記担体(31、32;34)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において前記少なくとも1つの第2上方止め(71)に当接すること、及び/又は
前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)又は該導入側下方支持要素(55、56;181)を組み込む前記担体(31、32;34)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において前記少なくとも1つの第2下方止め(74)に当接すること、
を特徴とする外科装置。

6.実施形態1〜5のいずれか1つに記載の外科装置において、
前記定置素子(14;174)が、前記上方棘突起(24)用の少なくとも1つの導入側上方骨止め要素(75)を含む又は形成すること、及び/又は
前記定置素子(14;174)が、前記下方棘突起(26)用の少なくとも1つの導入側下方骨止め要素(76)を含む又は形成すること、
を特徴とする外科装置。

7.実施形態1〜6のいずれか1つに記載の外科装置において、前記第1インプラント部品(28)が、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)及び前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)を含むこと、を特徴とする外科装置。

8.実施形態1〜7のいずれか1つに記載の外科装置において、前記インプラント(12;172)が、該インプラント(12;172)の前記展開位置において前記上方棘突起(24)及び前記下方棘突起(26)を身体側で側方からそれぞれ支持するための、少なくとも1つの身体側上方支持要素(58、59;184)及び少なくとも1つの身体側下方支持要素(60;182、183)を含むこと、を特徴とする外科装置。

9.実施形態8に記載の外科装置において、前記第2インプラント部品(29)が、前記少なくとも1つの身体側上方支持要素(58、59;184)及び前記少なくとも1つの身体側下方支持要素(60;182、183)を含むこと、を特徴とする外科装置。

10.実施形態8又は9に記載の外科装置において、
該外科装置(10;170)が、導入側支持要素(55、56、57;179、180、181)に結合される少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)と、身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)に結合される少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)とを有する結合素子(77)を含み、
前記少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において前記少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)と協働し、前記少なくとも1つの身体側上方支持要素(58、59;184)と前記少なくとも1つの身体側下方支持要素(60;182、183)の互いからの間隔(dEK)を、前記インプラント(12;172)の前記基本位置におけるその互いからの間隔(dG)に対して減少させること、
を特徴とする外科装置。

11.実施形態10に記載の外科装置において、前記インプラント(12;172)が前記結合素子(77)を含む又は形成すること、を特徴とする外科装置。

12.実施形態11に記載の外科装置において、
前記第1インプラント部品(28)が前記少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)を含むこと、及び
前記少なくとも1つの第2インプラント部品(29)が前記少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)を含むこと、
を特徴とする外科装置。

13.実施形態10〜12のいずれか1つに記載の外科装置において、前記結合素子(77)が、導入側上方支持要素(57;179、180)に結合される第1結合要素(78、79、80)と、前記第1結合要素(78、79、80)と協働し且つ身体側下方支持要素(60;182、183)に結合される第2結合要素(81、82、83)とを含むこと、を特徴とする外科装置。

14.実施形態10〜13のいずれか1つに記載の外科装置において、前記結合素子(77)が、導入側下方支持要素(55、56;181)に結合される第1結合要素(78、79、80)と、前記第1結合要素(78、79、80)と協働し且つ身体側上方支持要素(58、59;184)に結合される第2結合要素(81、82、83)とを含むこと、を特徴とする外科装置。

15.実施形態10〜14のいずれか1つに記載の外科装置において、前記少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)及び/又は前記少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)が、少なくとも部分的に、棘突起(24、26)用の支持面(53、54)を形成すること、を特徴とする外科装置。

16.実施形態10〜15のいずれか1つに記載の外科装置において、前記結合素子(77)が、導入側上方支持要素(57;179、180)用の第1結合要素(78、79、80)と、導入側下方支持要素(55、56;181)用の第1結合要素(78、79、80)とを含み、
前記導入側上方支持要素(57;179、180)用の第1結合要素(78、79、80)及び前記導入側下方支持要素(55、56;181)用の第1結合要素(78、79、80)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において、前記インプラント(12;172)の前記基本位置よりも更に、互いに対して前記展開方向(51)に沿って前記定置素子(14;174)により展開されること、
を特徴とする外科装置。

17.実施形態10〜16のいずれか1つに記載の外科装置において、前記少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)及び/又は前記少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)が、弾性変形可能であるように形成されること、を特徴とする外科装置。

18.実施形態10〜17のいずれか1つに記載の外科装置において、
前記少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)が、自由端に前記導入側支持要素(55、56、57;179、180、181)を含む第1担体(31、32、34)として形成されると共に、前記少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)に対して前記展開方向(51)に沿って作用する滑動要素を形成すること、及び
前記少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)が、自由端に前記身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)を含む第2担体(39、40、42)として形成されると共に、前記少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)に対して前記展開方向(51)に沿って作用する滑動要素を形成すること、
を特徴とする外科装置。

19.実施形態8〜18のいずれか1つに記載の外科装置において、該外科装置(10;170)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)が前記展開方向(51)に沿って移動することを防ぐための少なくとも1つの阻止要素(84、85;210、211)を含むこと、を特徴とする外科装置。

20.実施形態19に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの阻止要素(84、85;210、211)が、前記身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)又は該身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)を組み込む担体(39、40、42)と協働する止めを含む又は形成すること、を特徴とする外科装置。

21.実施形態19又は20に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が前記少なくとも1つの阻止要素(84、85)を含む又は形成すること、を特徴とする外科装置。

22.実施形態19〜21のいずれか1つに記載の外科装置において、前記少なくとも1つの阻止要素(84、85;210、211)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において前記身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)又は該身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)を組み込む担体(39、40、42)に当接するように配置されると共に、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させる前に前記支持要素(58、59、60;182、183、184)又は前記担体(39、40、42)から取り外し可能であること、を特徴とする外科装置。

23.実施形態22に記載の外科装置において、
前記少なくとも1つの阻止要素(210、211)が、身体側上方支持要素(184)を組み込む第1担体(39、40)と身体側下方支持要素(182、183)を組み込む第2担体(42)の間に形成された間隙(209)に挿入可能であり、
前記第1担体(39、40)及び前記第2担体(42)が、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させる時、互いに対して前記展開方向(51)に沿って展開可能であること、
を特徴とする外科装置。

24.実施形態1〜23のいずれか1つに記載の外科装置において、該外科装置(10;170)が、前記インプラント(12;172)用の少なくとも1つの保護要素(61;185)を含むこと、を特徴とする外科装置。

25.実施形態24に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの保護要素(61;185)が、前記インプラント(12;172)を前記導入側で少なくとも部分的に包囲するカバー(61;185)の形態であること、を特徴とする外科装置。

26.実施形態25に記載の外科装置において、前記カバー(61;185)が、前記第2インプラント部品(29)を少なくとも部分的に包囲すること、を特徴とする外科装置。

27.実施形態24〜26のいずれか1つに記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が、前記少なくとも1つの保護要素(61;185)を含む又は形成すること、を特徴とする外科装置。

28.実施形態1〜27のいずれか1つに記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が略U形の断面を有すること、を特徴とする外科装置。

29.実施形態1〜28のいずれか1つに記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が一体のやり方で形成されること、を特徴とする外科装置。

30.実施形態1〜29のいずれか1つに記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が合成材料から作られること、を特徴とする外科装置。

31.実施形態1〜30のいずれか1つに記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が変形可能な材料から作られること、を特徴とする外科装置。

32.実施形態31に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が弾性変形可能な材料から作られること、を特徴とする外科装置。

33.実施形態1〜32のいずれか1つに記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が前記インプラント(12;172)上に予め装架されること、を特徴とする外科装置。

34.実施形態1〜33のいずれか1つに記載の外科装置において、前記インプラント(12;172)上に装架された定置素子(14;174)が、該インプラント(12;172)から解放可能であること、を特徴とする外科装置。

35.実施形態1〜34のいずれか1つに記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が、前記インプラント(12;172)から前記定置素子(14;174)を引き抜くための第1引抜支承要素(96、97)を形成すること、を特徴とする外科装置。

36.実施形態35に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が、前記締付方向(49)に対して交差する向きである引抜方向(951)に作用する少なくとも1つの引抜止め要素(94、95)を含む又は形成すること、を特徴とする外科装置。

37.実施形態36に記載の外科装置において、前記引抜方向(951)が前記展開方向(51)に対して交差する向きであること、を特徴とする外科装置。

38.実施形態1〜37のいずれか1つに記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させるための第1展開支承要素(92、93)を形成すること、を特徴とする外科装置。

39.実施形態38に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が、前記締付方向(49)に沿って作用する少なくとも1つの展開止め要素(90、91)を含む又は形成すること、を特徴とする外科装置。

40.実施形態38又は39に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの展開止め要素(90、91)が、前記定置素子(14;174)により形成された受け器(65)に結合され、該受け器(65)内に前記第1インプラント部品(28)が保持されること、を特徴とする外科装置。

41.実施形態1〜40のいずれか1つに記載の外科装置において、該外科装置(10;170)が、前記第2インプラント部品(29)用の受け器(113)を含む保持素子(16)を有し、該受け器(113)内に前記第2インプラント部品(29)が部分的に保持されること、を特徴とする外科装置。

42.実施形態41に記載の外科装置において、前記保持素子(16)が、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させるための第2展開支承要素を形成すること、を特徴とする外科装置。

43.実施形態42に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させる時、前記保持素子(16)用の案内要素(117、118)を形成すること、を特徴とする外科装置。

44.実施形態41〜43のいずれか1つに記載の外科装置において、前記保持素子(16)が、前記インプラント(12;172)を該外科装置(10;170)の第1操作素子(18)に接続するための接続素子(125)を含むこと、を特徴とする外科装置。

45.実施形態44に記載の外科装置において、前記接続素子(125)がラッチ素子(126)の形態であること、を特徴とする外科装置。

46.実施形態41〜45のいずれか1つに記載の外科装置において、
前記インプラント(12;172)が、ロック要素(99)を含むロック素子(98)を有し、前記インプラント(12;172)の前記展開位置において、該ロック要素(99)が、前記第2インプラント部品(29)が前記第1インプラント部品(28)に対して前記締付方向(49)に沿って移動可能である解放位置から、前記第2インプラント部品(29)が前記第1インプラント部品(28)にロックされて前記締付方向(49)に対向する方向への移動を防ぐロック位置へと、前記締付方向(49)に対して交差する向きであるロック方向(105)に移行可能であること、及び
前記ロック要素(99)が、前記第2インプラント部品(29)に含まれ且つ前記インプラント(12;172)をロックするために前記ロック要素(99)と協働する定置要素(45)と共に、前記受け器(113)内に保持されること、
を特徴とする外科装置。

47.実施形態46に記載の外科装置において、前記保持素子(16)が、少なくとも1つの第1結合部材(119、120)を含む又は形成し、該少なくとも1つの第1結合部材(119、120)が、前記ロック要素(99)を前記解放位置から前記ロック位置へと移行させるために、前記ロック要素(99)に含まれる又は前記ロック要素(99)により形成される少なくとも1つの第2結合部材(124)と協働すること、を特徴とする外科装置。

48.実施形態47に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの第1結合部材(119、120)が、前記ロック方向(105)に沿って作用する前記ロック要素(99)用のドライバ止め(122、123)の形態であること、を特徴とする外科装置。

49.実施形態46〜48のいずれか1つに記載の外科装置において、前記ロック要素(99)の前記ロック位置において、前記保持素子(16)が前記インプラント(12;172)から前記ロック方向(105)に後退可能であること、を特徴とする外科装置。

50.実施形態46〜49のいずれか1つに記載の外科装置において、前記受け器(113)が開口(114)を含み、該開口(114)を通して、前記定置要素(45)及び前記ロック要素(99)が前記ロック要素(99)の前記ロック位置において前記受け器(113)から取り外し可能であること、を特徴とする外科装置。

51.実施形態46〜50のいずれか1つに記載の外科装置において、前記ロック方向(105)が、前記インプラント(12;172)の前記定置素子(14;174)に対する引抜方向(951)に平行な成分を有すること、を特徴とする外科装置。

52.実施形態41〜51のいずれか1つに記載の外科装置において、前記保持素子(16)が前記インプラント(12;172)上に予め装架されること、を特徴とする外科装置。

53.実施形態41〜52のいずれか1つに記載の外科装置において、前記保持素子(16)が一体のやり方で形成されること、を特徴とする外科装置。

54.特に実施形態1〜53のいずれか1つに記載の外科装置において、該外科装置(10;170)が、インプラント(12;172)、特に実施形態1〜53のいずれか1つに記載の前記外科装置(10;170)の前記インプラント(12;172)を保持するための把持要素(131)を有する第1操作素子(18;176)を含むこと、を特徴とする外科装置。

55.実施形態54に記載の外科装置において、前記第1操作素子(18;176)が、前記インプラント(12;172)用の保持素子(16)に接続するための接続素子(128)を含むこと、を特徴とする外科装置。

56.実施形態55に記載の外科装置において、前記接続素子(128)がラッチ素子(129)の形態であること、を特徴とする外科装置。

57.実施形態54〜56のいずれか1つに記載の外科装置において、前記第1操作素子(18;176)が、長手方向に延びるグリッパアーム(127)の形態であること、を特徴とする外科装置。

58.実施形態54〜57のいずれか1つに記載の外科装置において、
前記外科装置(10;170)が、前記インプラント(12;172)用の第2操作素子(20)を含み、該第2操作素子(20)が、前記第1操作素子(18;176)に対して移動可能であり、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させるために前記第1操作素子(18;176)と協働すること、及び
前記第2操作素子(20)が、前記第1操作素子(18;176)に対して第1位置から第2位置へと移行可能であり、前記第2操作素子(20)の端部(138、139)が、前記インプラント(12;172)を保持する前記第1操作素子(18;176)の端部に対して、前記締付方向(49)に沿って、前記第2位置とは異なる間隔を前記第1位置において有すること、
を特徴とする外科装置。

59.実施形態58に記載の外科装置において、前記第2操作素子(20)が、前記第1操作素子(18;176)上に、移動可能なやり方で装架されること、を特徴とする外科装置。

60.実施形態59に記載の外科装置において、前記第2操作素子(20)が、前記第1操作素子(18;176)上に、前記締付方向(49)に対して交差する向きにされた枢動軸(135)を中心に枢動するように装架されること、を特徴とする外科装置。

61.実施形態58〜60のいずれか1つに記載の外科装置において、前記第2操作素子(20)が枢動レバー(134)の形態であること、を特徴とする外科装置。

62.実施形態58〜61のいずれか1つに記載の外科装置において、前記第2操作素子(20)が少なくとも1つの第2展開止め要素(140、141)を含む又は形成し、該少なくとも1つの第2展開止め要素(140、141)が、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させる時に少なくとも1つの第1展開止め要素(90、91)と協働すること、を特徴とする外科装置。

63.実施形態58〜62のいずれか1つに記載の外科装置において、前記第2操作素子(20)が少なくとも1つの第2引抜止め要素(142、143)を含む又は形成し、該少なくとも1つの第2引抜止め要素(142、143)が、前記定置素子(14;174)を前記インプラント(12;172)から引き抜くために、前記定置素子(14;174)に含まれる又は前記定置素子(14;174)により形成される少なくとも1つの第1引抜止め要素(94、95)と協働すること、を特徴とする外科装置。

64.実施形態58〜63のいずれか1つに記載の外科装置において、
前記外科装置(10;170)が、前記第1操作素子(18;176)に含まれる第1遮断要素(152)と、前記第2操作素子(20)に含まれる第2遮断要素(151)を有する遮断素子(153)とを含み、
前記第1遮断要素(152)及び前記第2遮断要素(151)が、該第1遮断要素(152)及び該第2遮断要素(151)が前記第2操作素子(20)の前記第1操作素子(18;176)に対する移動を不能にするために協働する不能位置から、前記第1遮断要素(152)及び前記第2遮断要素(151)が協働せず、前記第2操作素子(20)が前記第1操作素子(18;176)に対して移動可能である解放位置へと、或いはその逆へと、互いに対して移行可能であること、
を特徴とする外科装置。

65.実施形態64に記載の外科装置において、前記第1遮断要素(152)及び前記第2遮断要素(151)が、前記ロック位置に関して、前記解放位置において互いに対して付勢されること、を特徴とする外科装置。

66.実施形態64又は65に記載の外科装置において、前記遮断素子(153)がラッチ爪を形成すること、を特徴とする外科装置。

67.実施形態66に記載の外科装置において、1つの遮断要素(152)がラッチバー(150)の形態であり、1つの遮断要素(151)がラッチレバー(146)の形態であること、を特徴とする外科装置。

68.実施形態58〜67のいずれか1つに記載の外科装置において、前記外科装置(10;170)が、前記第1操作素子(18;176)及び前記第2操作素子(20)の相対的な位置を表示するための表示素子(158)を含むこと、を特徴とする外科装置。

69.実施形態68に記載の外科装置において、前記表示素子(158)が前記遮断素子(153)上に配置されること、を特徴とする外科装置。

70.実施形態58〜69のいずれか1つに記載の外科装置において、
該外科装置(10;170)が、前記インプラント(12;172)用の第3操作素子(22;178)を含み、該第3操作素子(22;178)が、前記第1操作素子(18;176)に対して移動可能であるように構成され、前記インプラント(12;172)の前記展開位置において前記定置素子(14;174)及び/又は保持素子(16)或いは前記第1操作素子(18;176)を前記インプラント(12;172)から引き抜くために前記インプラント(12;172)と協働すること、及び
前記第3操作素子(22;178)が、前記第1操作素子(18;176)に対して後退位置から設置位置へと移行可能であり、前記第3操作素子(22;178)に含まれる又は前記第3操作素子(22;178)により形成される少なくとも1つの逆止め要素(168、169;192、199、200)が、前記後退位置においては前記インプラント(12;172)から離間され、前記設置位置においては前記インプラント(12;172)に当接すること、
を特徴とする外科装置。

71.実施形態70に記載の外科装置において、前記第3操作素子(22;178)が、前記第1操作素子(18;176)上に、移動可能なやり方で装架されること、を特徴とする外科装置。

72.実施形態71に記載の外科装置において、前記第3操作素子(22;178)が、前記第1操作素子(18;176)上に、前記定置素子(14;174)の前記インプラント(12;172)からの前記引抜方向(951)に平行に向けられた方向に沿って及び/又は前記ロック要素(99)の前記ロック方向(105)に平行に向けられた方向に沿って、変位可能なやり方で装架されること、を特徴とする外科装置。

73.実施形態72に記載の外科装置において、前記第3操作素子(22;178)が摺動子(162;186)の形態であること、を特徴とする外科装置。

74.実施形態70〜73のいずれか1つに記載の外科装置において、
前記第3操作素子(22;178)が、逆止め要素(168;192)を備えた第1区域(166;187)と、逆止め要素(169;199、200)を備えた第2区域(167;188)とを含むこと、及び
前記第1区域(166;187)の前記逆止め要素(168;192)が、前記第2区域(167;188)の前記逆止め要素(169;199、200)から、前記締付方向(49)に沿って離間されること、
を特徴とする外科装置。

75.実施形態70〜74のいずれか1つに記載の外科装置において、
前記第3操作素子(178)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において身体側支持要素(182、183、184)が前記展開方向(51)に沿って移動することを防ぐための少なくとも1つの阻止要素(210、211)を形成し、
該少なくとも1つの阻止要素(210、211)が、前記導入位置において、前記身体側支持要素(182、183、184)に当接するように配置され又は前記身体側支持要素(182、183、184)を組み込む担体(39、40、42)上に配置され、これにより前記第3操作素子(178)が阻止位置を採ること、
を特徴とする外科装置。

76.実施形態75に記載の外科装置において、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において、前記第3操作素子(178)が、前記後退位置から前記阻止位置へと、或いはその逆へと移行可能であること、を特徴とする外科装置。

77.実施形態75又は76に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの阻止要素(210、211)が、前記第3操作素子(178)の1つの端部(198)に形成される又は前記端部(198)に含まれること、を特徴とする外科装置。

78.実施形態74〜77のいずれか1つに記載の外科装置において、
前記第1区域(187)が、前記第2区域(188)に対して移動可能であるように構成されること、及び
前記第1区域(187)及び前記第2区域(188)が、前記第3操作素子(178)を、前記後退位置から前記阻止位置へと或いはその逆へと移行させるために及び/又は前記後退位置から前記設置位置へと移行させるために、結合要素(194、195、203、205)により結合され、該結合要素(194、195、203、205)が、対になって協働すると共に、前記第1区域(187)及び前記第2区域(188)に含まれる又は前記第1区域(187)及び前記第2区域(188)により形成されること、
を特徴とする外科装置。

79.実施形態78に記載の外科装置において、前記第2区域(188)を前記設置位置において前記インプラント(12;172)上に設置する結果、前記第3操作素子(178)を前記後退位置から前記阻止位置へと移行させるために前記第1区域(187)と前記第2区域(188)の間の結合を実施する前記結合要素(194、205)が、互いから切り離されること、を特徴とする外科装置。
【0118】
本発明の好適な例示的実施形態の以下の記載は、図面と合わせて検討されれば、本発明の、より詳細な説明を提供するように働く。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明による外科装置の第1の好適な例示的実施形態におけるインプラント、定置素子、及び保持素子の、分解図の形態の斜視図。
【図2A】図1に描かれたインプラント及び保持素子の、インプラントが基本位置を採る、据付状態での側面図。
【図2B】図1に描かれたインプラント、定置素子、及び保持素子の、インプラントが導入位置を採る、据付状態での側面図。
【図3】図1に描かれたインプラント及び保持素子の、据付状態での斜視図。
【図4】図1に描かれたインプラント、定置素子、及び保持素子が据付状態であり、分解図の形態の第1、第2、及び第3操作素子を備えた、第1例示的実施形態による外科装置の斜視図。
【図5】インプラントを2つの棘突起の間の空間に挿入する際の、インプラントが導入位置を採る、図4に描かれた装置。
【図6】インプラントを導入位置から、棘突起を相互に支持する展開位置へと移行させた後の、図4に描かれた装置。
【図7】図6の細部図Aの、部分断面図における拡大図。
【図8A】装置の遮断素子の、遮断素子が解放位置を採る、図6の線8‐8に沿った細部図。
【図8B】図8Aに描かれた、ロック位置での遮断素子。
【図9】棘突起を向く装置の端部領域の、インプラントが図6による展開位置を採る、部分的に断面図である部分斜視図。
【図10】図9の線10‐10に沿った断面図。
【図11】装置のロック要素が解放位置を採る、図9の線11‐11に沿った断面図。
【図12】ロック要素がロック位置にあり、保持素子及び定置素子がインプラントからの分離を開始した時点の、図11による図。
【図13】定置素子及び保持素子が解放されたインプラントが棘突起間へと挿入されてる装置の部分斜視図。
【図14】本発明による外科装置の第2の好適な例示的実施形態におけるインプラント、定置素子、及び保持素子の、分解図の形態の斜視図。
【図15A】図14に描かれたインプラント及び保持素子の、インプラントが基本位置を採る、据付状態での側面図。
【図15B】図14に描かれたインプラント、定置素子、及び保持素子の、インプラントが導入位置を採る、据付状態での側面図。
【図16】図14に描かれたインプラント、定置素子、及び保持素子が据付状態であり、分解図の形態の第1、第2、及び第3操作素子を備えた、第2の例示的実施形態による外科装置の斜視図。
【図17】第2操作素子のない、図16に描かれた、部分斜視図における装置。
【図18】導入位置を採るインプラントを2つの棘突起間の空間に挿入する際の、図16に描かれた装置。
【図19】図18における細部Bの拡大図。
【図20】インプラントを導入位置から展開位置へと移行させた後の、図18に描かれた装置。
【図21】図20の線21‐21に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0120】
分解図の形態である図4に部分的に示される、本発明による外科装置10の第1の好適な例示的実施形態は、インプラント12、定置素子14、保持素子16だけでなく、更に、インプラント12、定置素子14、及び保持素子16用に第1操作素子18、第2操作素子20を含み、第3操作素子22をも含む。
【0121】
インプラント12は、第1椎体25の上方棘突起24、及び下方椎体27の下方棘突起26を相互に支持するための椎間インプラントである。このインプラントは、DE 20 2008 009 344 U1に記載される椎間インプラントの部類に属する。
【0122】
特に図1及び図3から明白であるように、インプラント12は、第1インプラント部品28を含み、第1部品とほぼ同一である第2インプラント部品29をも含む。第1インプラント部品28は、2つの支持アーム31及び32を含む第1支持区域30を含み、第1支持アーム31と第2支持アーム32との間に配置される支持アーム34を含む第2支持区域33をも含む。支持区域30及び33は、各々弾性変形可能な材料から形成され、インプラント12の第1端部側35でC形のクリップ37の形態の保持部材36によって共に保持される。
【0123】
対応するやり方で、第2インプラント部品29は、相互に離間する2つの支持アーム39及び40を備えた第1支持区域38を含み、支持アーム39と支持アーム40との間に配置される支持アーム42を備えた第2支持区域41をも含む。支持区域38及び41も同様に、弾性変形可能な材料から形成され、インプラント12の、端部側35の反対側に位置する端部側43でC形のクリップ45の形態の保持部材44によって共に保持される。
【0124】
インプラント部品28及び29は、図面に示されない対称心に関して、互いに対して鏡像対称であるように構成される。この結果として、支持アーム31及び39、支持アーム32及び40は、並びに支持アーム34及び42も、互いに対して当接することができる。
【0125】
クリップ37に定置された2つの締付要素46及び47が、端部側35から端部側43まで延びる。従って、これらの締付要素は、その長手方向広がりに沿ってインプラント12を通過する。端部側43では、これらの締付要素は接続部材48によって接続される。締付要素46及び47が延びる方向はインプラント12の締付方向49を規定し、締付要素46及び47は共に、インプラント12の引張り棒50を形成する。
【0126】
原則として、インプラント12は、図2Aに示される、クリップ45が接続部材48の近くに配置される基本位置から始まり、例えば締付方向49に沿って例えばクリップ45に着座する力を加えることにより、図6、図7、及び図13に示される展開位置へと移行させることが可能である。このことは、第2インプラント部品29を、第1インプラント部品28に対して、引張り棒50に沿って変位することにより実施される。これによって、支持アーム31及び39が各々、互いのための滑動要素をそれぞれ形成し、支持アーム32及び40が互いのための滑動要素を形成し、支持アーム34及び42が互いのための滑動要素を形成する。このことは、支持アーム31及び39が互いを支持し、互いに沿って摺動することを意味する。対応するやり方で、支持アーム32及び40は、そして支持アーム34及び42も、互いを支持し、互いに沿って摺動する。これによって、インプラント12は、締付方向49に関して垂直の向きである展開方向51に展開して離間する。
【0127】
インプラント12が展開位置のとき、支持アーム39、40、及び34により形成される上方棘突起24用の上方支持面53と、また支持アーム31、32、及び42により形成される下方棘突起26用の下方支持面54とは、基本位置のときよりも互いから大きい間隔のところにある。このことにより、棘突起24及び26を相互に支持することが可能となる。
【0128】
支持アーム31及び32の各々は、その自由端に、それぞれの支持要素55及び56を含み、これらの支持要素は、以下で明らかとなる理由で「導入側」下方支持要素と称される。支持アーム34は、その自由端に導入側上方支持要素57を含む。対応するやり方で、支持アーム39及び40の各々は、その自由端に、それぞれの支持要素58及び59を含み、これらの支持要素は、以下で「身体側」上方支持要素と称される。支持アーム42は、その自由端に身体側下方支持要素60を含む。従って、支持アーム31、32、34、39、40、及び42は、支持要素55、56、57、58、59、及び60用の担体を形成する。
【0129】
インプラント12が展開位置のとき、導入側支持要素55、56、及び57は、棘突起26及び24を側方で支持することができ、この目的で例えば、これらの棘突起に、つまり棘突起24及び26の、インプラント12が体内にそこを通して挿入される、人体への侵入地点を向く側に、当接することができる(図6、図7、及び図13)。
【0130】
対応するやり方で、インプラント12が展開位置のとき、身体側上方支持要素58、59、及び60は、棘突起24及び26を側方から支持することができ、この目的で例えば、これらの棘突起に、つまり身体側に、即ち棘突起24及び26の、インプラント12の侵入地点から離れた側に当接することができる。
【0131】
インプラントが基本位置のとき(図2A)、導入側上方支持要素57は、導入側下方支持要素55及び56から展開方向51に沿って間隔dだけ離間するが、この間隔は、身体側下方支持要素60の、展開方向51に沿った身体側上方支持要素58及び59からの間隔と同一である。この間隔dは、インプラント12が基本位置にあるときのインプラントの挿入深度を規定するものであり、特に、インプラント12を椎間空間に導入できるように、棘突起24及び26の、互いからの間隔よりも小さくなければならない。
【0132】
インプラント12を体内に挿入するためにこのインプラントを基本位置から好適な導入位置へと移動する目的で、装置10は、既に述べた定置素子14を含む。定置素子14は、略U形の断面を有するカバー61の形態である。これによって、カバー61は第1区域62を含み、この第1区域から離間する第2区域63をも含む。前記区域は、それらの端部のうちの1つが第3区域64により互いに接続される。
【0133】
カバー61は、第3区域64に、かつ一部分がこの第3区域で限られたところに、接続部材48を、導入開口66を通して中へ導入することのできる第1受け器65を含む。第1受け器65は、接続部材48をこの受け器内にポジティブロックのやり方で設置できるような寸法にされる。このことにより、接続部材48を、従って第1インプラント部品28を、従ってインプラント12をカバー61に接続することが可能となり、或いは別様に表現されるならば、インプラント12にカバー61を装着することが可能となる。接続部材48は、受け器65内で第3区域64と係合状態にある。
【0134】
カバー61は、側方で第1受け器65の近くに、上方では第1区域62で、及び下方では第2区域63で限られる第2受け器67を含む。クリップ45の、支持要素58〜60からの間隔に関して検討すると、第2インプラント部品29は、導入開口68を通して、その長手方向広がりのほぼ半分まで第2受け器67内に導入することができる。第2受け器67の壁は、ただしこれらの壁は第1区域62及び第2区域63により形成され、第2インプラント部品29を向くものであるが、支持区域41及び38の輪郭に適合される。従って、第2インプラント部品29は、事実上、第2受け器67内で展開方向51に沿ってポジティブロックのやり方で設置することができる。これによって、カバー61が、第2インプラント部品29上で保持されるのでもある。
【0135】
第1区域62は、第3区域64から離れたその自由端69に、支持アーム34に対して展開方向51に対向する方向で有効である第1上方止め要素70を含み、支持アーム34に対して展開方向51で有効である第2上方止め要素71をも含む。対応するやり方で、第2区域63は、第3区域64から離れたその自由端72に、支持アーム31及び32用の、展開方向51に対向する方向で作用する第1下方止め要素73を含み、支持アーム31及び32に対して展開方向51で有効である第2下方止め要素74をも含む(図2B)。
【0136】
区域62及び63の長さは、カバー61がインプラント12に装着される場合に、支持アーム31及び32が、基本位置と比較して、展開方向51に沿って支持アーム34に対して展開して離間されるような寸法にされる。特に、一方で支持アーム31及び32と、他方で支持アーム34とは、互いに対して付勢される。このようにして、支持アーム31及び32と、支持アーム34とは、インプラント12を基本位置から展開位置へと移行させる際にも起こるようなやり方で、互いに対して展開して離間される。
【0137】
既に記載した、支持アーム32及び33の、支持アーム34に対する展開を確実にするために、支持アーム34は第1上方止め要素70上で導入側上方支持要素57によって支持され、支持アーム31及び32は第1下方止め要素73上で導入側下方支持要素55及び56によって支持される。
【0138】
このことにより、導入側上方支持要素57の、導入側下方支持要素55及び56からの間隔dEEが、インプラント12が基本位置のときの、一方で同じ支持要素57と他方で支持要素55、56の互いからの間隔dより大きい、インプラント12の導入位置が規定される。
【0139】
この結果として、インプラント12を椎間空間に挿入する際、導入側支持要素55、56、及び57は、下方棘突起26及び上方棘突起24用の止めを形成する。このことにより、執刀医がインプラントを椎間空間に導入することがより簡単になる。というのも、これによりインプラント12の、棘突起24及び26に対する正しい位置決めが実施できるからである。特に、このことにより、インプラント12が椎間空間に過度に遠くに挿入されないようにすることもできる。このことにより、患者を傷つける危険性を低減することが可能となる。
【0140】
インプラント12が導入位置のとき、一方で導入側支持要素55及び56は、そして他方で導入側支持要素57も、第2下方止め要素74及び第2上方止め要素71に付加的に当接することができる。このことにより、カバー61の、インプラント12への更に信頼できる装着がもたらされ、更に、支持アーム31及び32の、支持アーム34に対する過度の展開が回避され、従って、インプラント12の損傷を引き起こす危険性が回避される。
【0141】
更に、カバー61は、第1区域62の自由端69、第2区域63の自由端72に形成される2つの骨止め要素75及び76を含む。骨止め要素75及び76は、導入側支持要素55〜57に加えて、棘突起24及び26用の止めを形成する。
【0142】
既に述べたように、第1インプラント部品の支持アーム31、32、及び34は、第2インプラント部品29の支持アーム39、40、及び42用の滑動要素を形成し、またその逆である。インプラント12が導入位置のとき支持アーム31及び32が支持アーム34に対して展開方向51、40に沿って展開されることに起因して、一方で支持アーム39及び41と、他方で支持アーム42は、導入位置のとき、支持区域38が弾性的な性質である結果として、互いに向かって展開方向51に沿って移動する。それ故に、支持アーム31及び39、支持アーム32及び40は、そして支持アーム34及び42も、インプラント12が導入位置のときであっても当接する。
【0143】
一方、この結果として、インプラント12が導入位置のとき、身体側下方支持要素60の、身体側上方支持要素58及び59からの間隔は、間隔dに対して低減される。この間隔はdEKとなる。従って、間隔dEKは、導入位置のとき、基本位置のときのインプラント12の挿入深度dよりも小さいものであるインプラント12の挿入深度を規定する。インプラント12を椎間空間に挿入する際、執刀医が不注意で、棘突起24及び26、或いはその他の身体構造、例えば腱、靭帯、又は筋肉等に当ててしまう危険性は少なくなる。インプラント12を導入位置に挿入する際、患者を傷つける危険性がこれによって低減可能である。
【0144】
インプラント12が導入位置のとき支持アーム31及び32が定置素子14によって支持アーム34に対して展開されることに起因して、支持アーム39及び40が、既に記載したように、展開方向に沿っていわば自動的に支持アーム42に接近する。従って、インプラント12は、支持アーム31と39、32と40が、そして支持アーム34と42もそれぞれ互いに結合される結合素子77を形成する。導入側支持要素55、56、及び57を備えた支持アーム31、32、及び34は、結合素子77の第1結合要素78、79、及び80とも称される。対応するやり方で、支持アーム39、40、及び42は、結合素子77の第2結合要素81、82、及び83と称される。
【0145】
インプラント部品を体内に挿入する際に、第2インプラント部品29が不用のやり方で展開しないようにするために、並びに、支持アーム39及び40が支持アーム42に対して展開方向51に沿って移動しないようにするために、カバー41は、支持アーム39用の阻止要素84、支持アーム42用の阻止要素85を、そして図面(図2B)には示されない支持アーム40用の阻止要素をも含む。阻止要素84は、第1区域62上で第2受け器67の縁部に配置され、支持アーム39の導入側上方支持要素86と協働することができる。対応するやり方で、阻止要素85は、第2区域63上で第2受け器67の縁部に配置され、支持アーム42の導入側下方支持要素と協働する。
【0146】
カバー61は、一体のやり方で形成され、弾性変形可能な合成材料から成る。このカバーは、出荷前に既にインプラント12上に予め装架しておくことができる。一方、インプラント12を使用する直前にカバー61がインプラントに装着されることも可能である。
【0147】
カバー61が第2インプラント部品29を3つの側で包囲することに起因して、このカバーはインプラント12用の保護要素を形成する。
【0148】
カバー61は、区域62及び63の、第2受け器67から離れた側に、2つの楔形突起88及び89を含む。突起88及び89は各々、締付方向49に沿って有効であるそれぞれの展開止め要素90及び91を形成する。この展開止め要素90及び91に、締付方向49に沿って作用する展開力が及ぼされると、この展開力が、第1受け器64内でポジティブロックのやり方で保持される接続部材48に加えられ、従って第1インプラント部品28にも加えられる。従って、突起88及び89を備えたカバー61は、インプラント12を展開するための第1展開支承要素92又は93を形成する。
【0149】
更に、突起88及び89は、締付方向49に対して垂直に、そして展開方向51に対しても垂直に作用するそれぞれの引抜止め要素94及び95を含む。インプラント12からカバー61を(図2Bでは、図面の平面に対して垂直に)引き抜くための引抜方向951を規定するこの方向に作用すれば、このカバーをインプラント12から引き抜くことができる。このようにして、突起88及び89は、インプラント12からカバー61を引き抜くためのそれぞれの引抜支承要素96及び97を形成する。
【0150】
特に図3、図11、及び図12から明らかであるように、クリップ45の、端部側43を向く側に配置される板状のロック要素99を有し、締付方向49に対して垂直の向きである平面を規定するロック素子98を、インプラント12は含む。第2インプラント部品29が第1インプラント部品28に対して締付方向49に沿って移動可能である解放位置からロック位置へとロック要素99が移行するという点で、インプラント12は、このロック要素によって展開方向にロックすることができる。ロック要素99がロック位置のとき、第2インプラント部品29は、締付方向49の方向への移動に抗して、第1インプラント部品28にロックされる。
【0151】
この作用を達成するための機構が、本明細書に援用される刊行物DE 20 2008 009 344 U1に記載されている。ロック要素99は、解放位置(図11)のとき、中で貫通開口100及び101を通過する締付要素46及び47に対して締付方向49に沿って自由に移動可能であるのに対して、ロック位置(図12)のとき、締付要素46及び47上に形成される周縁リブ102の形態のそれぞれのロック部材間で係合される。これによって、ロック要素99は、ロック位置のとき第1インプラント部品28上で支持することができる。定置要素を形成し、これによって第1インプラント部品28に対する移動に抗して固定されるクリップ45により、ロック要素99上では第2インプラント部品29を支持することができる。
【0152】
ロック要素99がロック位置のとき、突起103の形態の部材をロック要素99上に固定し、突起104の形態の部材をクリップ45上に固定することによって、ロック要素99及びクリップ45は前後で付加的に係合することができる。これによって、ロック要素99は、ロック位置のとき、第2インプラント部品29に対する、ロック方向105に対向する方向への移動に抗して固定される。ロック方向105は、締付方向49に対して垂直に、かつ展開方向51に対して垂直に向けられ、引抜方向951に対して平行であり、ロック要素99は解放位置からロック位置へと、ロック方向105に移行させることができる。
【0153】
ロック要素99の、第2インプラント部品29への固定は、ロック位置のとき或る程度自動的に実施される。このことは、インプラント部品28及び29が、展開位置のときに互いに対して締付方向49に沿って付勢されることに起因している。ロック要素99がロック位置を採ると、このロック要素はこれによって、クリップ45に対して締付方向49に沿って移動するので、このことにより、クリップ45とロック要素99とは突起103及び104によって前後で自動的に係合する。
【0154】
図1及び図3から特に明白であるように、上で述べたインプラント12用の保持素子16はクリップの形態である。この目的で、保持素子16は、ただしこの保持素子は以下でアダプタ106と称されるものであるが、第1保持要素107及び第2保持要素108を含む。保持要素107及び108は、アダプタ106の端部側109でウェブ様の接続区域110により共に接続され、クリップ様のアダプタ106の言わばアーム111及び112を形成する。
【0155】
アダプタ106は、端部側109の反対側でアーム111とアーム112との間に受け器113を形成し、クリップ45及びロック要素99はこの受け器内に配置することができる。アーム111及び112の、クリップ45及びロック要素99を向く側は、インプラント12上にアダプタ106が装架される際にクリップ45及びロック要素99が受け器113内で展開方向51に沿ってポジティブロックのやり方で配置されるように、それらの輪郭に合致する。従って、インプラント12はアダプタ106上にしっかりと保持することができる。
【0156】
アダプタ106は、出荷前にインプラント12上に予め装架することができる。一方、アダプタ106が後になってインプラント12に装着されることも可能である。このために、つまりアーム111及び112が展開方向51に沿って互いに対して展開されるという点で、受け器113は広がることができる。そうすればこのことにより、クリップ45及びロック要素99を、受け器内に形成された端部側開口114を通して受け器113へと導入することが可能となる。端部側開口114は、アダプタ106の、端部側109の反対側に位置する端部側115に配置される。
【0157】
端部側開口114は、ロック要素99が解放位置にある限り、及び、ロック位置であってもロック要素がまだクリップ45と連動していない限りにおいて、クリップ45及びロック要素99を、端部側開口114を通して受け器113から取り外しできないような、締付方向49に沿った寸法にされる。このとき、ロック要素99及びクリップ45は(やはり)受け器113内で締付方向49に沿ってポジティブロックのやり方で保持される。
【0158】
一方、ロック要素99及びクリップ45が突起103及び104によって相互に係合する場合、このロック要素及びクリップは、受け器113から端部側開口114を通して取り外すことができる。
【0159】
アダプタ106は、インプラント12を保持する機能に加えて、第2展開支承要素116を形成し、インプラント12を導入位置から展開位置へと移行させる。この理由は、アダプタが、クリップ45に係合し、それ故に第2インプラント部品29に係合し、従ってインプラント12にも係合するためである。アダプタ106が、締付方向49に沿って作用する力を受けると、第2インプラント部品29は第1インプラント部品28に対して移動することができ、従ってインプラントを展開することができる。
【0160】
アダプタ106がカバー61と共にインプラント12に装着される場合、このアダプタは、カバー61により展開方向51に沿って形成される第2受け器67内に、ポジティブロックのやり方で配置される。このことにより、カバー61の第1区域62が第1アーム111用の案内要素117を形成し、カバーの第2区域63がアーム112用の案内要素118を形成する(図2B)。このことにより、アダプタ106の、カバー61に対する特に信頼できる移動が確実になり、それ故に、インプラント12の、導入位置から展開位置への信頼できる移行が確実になる。
【0161】
加えて、アダプタ106は更なる機能を有する。アダプタは、ロック要素99を解放位置からロック位置へと移行させるように働く。この目的で、アダプタ106は、それぞれアーム111及び112上に、特に端部側開口114の縁部121に形成される2つの結合部材119及び120を含む。いずれの場合も、結合部材119及び120はドライバ止め122及び123の形態である。これらのドライバ止めは、ロック要素99に含まれる、ロック要素99の端面に形成される更なる結合部材124と協働することができる。
【0162】
アダプタ106にロック方向105で力が及ぼされると、結合部材119及び120が結合部材124に結合される。このことは、ロック方向105に向けられる力をドライバ止め122及び123によりロック要素99が受けるので、このロック要素を解放位置からロック位置へと移行させることができることを意味する(図11及び図12)。このことに関連して、端部側開口114の、締付方向49に沿った寸法に起因して、ロック要素99もクリップ45も受け器113から離れないことが確実になる。ロック要素99がそのロック位置を採ると、並びに、ロック要素99及びクリップ45が突起103及び104によって前後で係合すると、アダプタ106はそれでもやはり、ロック方向105に更なる力を加えることによりインプラント12から引き抜くことができる。その際、ロック要素99及びクリップ45は受け器113から端部側開口114を通して取り外すことができる。
【0163】
従って、インプラント12からアダプタ106が引き抜かれると共に、既に記載したように、インプラントが自動的に展開位置にロックされる。更に、ロック要素99は、元の解放位置へと再び移行できないように、クリップ45に自動的に固定される。このことにより、インプラント12の信頼できる操作が確実になる。
【0164】
アダプタ106は、端部側109と端部側112との間のほぼ中央の位置に、ラッチ素子126の形態の接続素子125を含む。そうすればこのことにより、アダプタ106を、上で述べた装置10の第1操作素子18に解放可能なやり方で接続することが可能となる。一方、グリッパアーム127の形態である第1操作素子18(図4)も同様に、ラッチ素子129の形態の接続素子128を含み、この接続素子はラッチ素子126に、解放可能なやり方で接続可能である。接続素子128は、グリッパアーム127の一方の端部130に配置される。グリッパアーム127は、端部130の反対側のその端部に、執刀医により単純なやり方で把握することのできる把持要素131を含む。
【0165】
グリッパアーム127は、接続素子128と把持要素131との間のほぼ中央の位置に、支承軸頚132及び133の形態の2つの支承要素を含む。第2操作素子20が、ただしこの第2操作素子は枢動レバー134の形態であるが、グリッパアーム127上で支承軸頚132及び133にて装架され、支承軸頚132及び133により規定されるとともに展開方向51と平行に、従って締付方向49に対して垂直に向けられる枢動軸135の周りで、枢動式となるようにされる。
【0166】
枢動レバー134は、インプラント12を向くその側で、間にグリッパアーム127を収容できる2つの区域136及び137に細分される。区域136及び137のそれぞれの端部138及び139は鉤形状である。区域136及び137はそこに、締付方向49に沿って作用するそれぞれの第2展開止め要素140及び141を含む。これらの第2展開止め要素140及び141は、インプラント12を展開するために、カバー61上で第1展開止め要素90及び91と協働することができる。
【0167】
同様なやり方で、区域136及び137は各々、そのそれぞれの端部138及び139に、第2引抜止め要素142及び143を含む。第2引抜止め要素は、カバー61をインプラント12から引き抜くために、このカバーの第1引抜止め要素95及び96と協働することができる。
【0168】
枢動レバー134は、端部138及び139の反対側に、枢動軸135と平行な向きである枢動軸144の中心に枢動する作動レバー145を含む。作動レバー145は、ラッチレバー146の形態であり、ラッチ歯148の形態のラッチ要素147を含む(図8A及び図8B)。
【0169】
枢動レバー134がグリッパアーム127に対して枢動軸135の周りで枢動しないようにするために、或いはそのようにできるようにするために、ラッチ歯148が、グリッパアーム127上で保持されるラッチバー150の形態の更なるラッチ要素149と協働することができる。この理由で、ラッチレバー146が遮断要素151を形成し、ラッチバー150が遮断要素152を形成する。これらの遮断要素は共に、装置10の遮断素子153を形成する。
【0170】
遮断要素151及び152が互いに係合状態にあるとき(図8B)、枢動レバー134はグリッパアーム127に対して枢動することができない。このことにより、遮断素子153の遮断位置が規定される。遮断位置は遮断素子153の基本位置である。というのも、この位置のとき、ラッチレバー146が、ラッチバー150と自動的に係合するように、ばね154及び155の形態の2つの弾性要素によって枢動軸144の周りで枢動させられるからである。これらのばねは、枢動レバー134内の端部側受け器156内に配置される。
【0171】
ラッチレバー146とラッチバー150とが離脱され(図8A)、遮断素子153がその解放位置を採るのは、執刀医がラッチレバー146をばね154及び155の復元力に抗して押圧する際のみである。その後、枢動レバー134をグリッパアーム127に対して枢動することができる。
【0172】
遮断素子153を遮断位置から解放位置へと移行させるために、執刀医は、作動方向157に沿った作動力をラッチレバー146に加える必要がある。枢動レバー134も、グリッパアーム127に対して、インプラント12を展開するための、作動方向157に沿った力を受ける。その際、このことは、執刀医が遮断素子153を解放位置から移行させる場合に、インプラント12が意図せず展開されないように、インプラント12を導入位置から展開位置へと移行させるだけでよいことを意味する。
【0173】
インプラント12を体内に挿入する時点で、遮断素子153は、体内組織によりクリップ37に及ぼされて導入素子に対向する反対圧力のおかげで、インプラント12の意図しない展開を既に防ぐ。
【0174】
更に、ばね154及び155により遮断要素151及び152が互いに対して付勢することは、インプラント12が多少展開されて棘突起24及び26がインプラント12に力を及ぼす際に、インプラント12を展開位置から導入位置へと再び元に移行させないように働く。むしろインプラントは展開位置に留まる。このことにより、執刀医による装置の操作が容易になる。というのも、ラッチレバー146に力を加えることにより、インプラント12を執刀医により段階的なやり方で展開できるからであり、棘突起24及び26の互いに対する適切な支持を確実にするために、執刀医が、各「展開段階」後に、インプラント12が十分に展開されているかどうかについて或る程度点検することができるからである。
【0175】
執刀医は、目盛り159を含みラッチバー150上に配置される表示素子158によって、グリッパアーム127及び枢動レバー134が互いに対して採った位置について点検することができる。執刀医は、インプラント12が既に拡張した量をこの表示素子から導くことができる。特に、支持面53及び54の互いからの間隔を目盛り159から直接読み取ることができるようなやり方で、目盛り159が較正されることを実現することができる。
【0176】
枢動レバー134の端部には、目盛り161を組み込む更なる表示素子160が配置される。この目盛り161の助けにより、執刀医は、インプラント12を展開するために自分がばね154及び155の復元力に抗してラッチレバー146に加えている作動力の大きさを判断することができる。この作動力は、インプラント12上で棘突起24及び26により引き起こされている、そしてグリッパアーム127及び枢動レバー134を介して導かれる支持力の尺度である。従って、執刀医は、目盛り161の助けにより支持力を判断することもできる。目盛り161は、目盛り159と同じように較正することができる。
【0177】
装置10の第3操作素子22は、ロック方向105及び引抜方向951と平行に変位可能であるようにグリッパアーム127上に装架される摺動子162の形態である。この摺動子は、執刀医用の作動部材164が上に配置される第1端部163を含む。摺動子162は、第1端部163の反対側に位置する第2端部165を含む。摺動子162は、端部163と端部165との間でほぼ中央に位置する地点にて端部165まで、第1区域166を形成する。更に、摺動子は第2区域167を形成する。これらの区域は、互いから離間するので、グリッパアーム127を、そして同様に、カバー61から突出するアダプタ106の端部をも、間に収容することができる。
【0178】
第1区域は第2端部165の端面に逆止め要素168を含み、対応するやり方で、第2区域の端面が逆止め要素169を含む。逆止め要素168及び169がそのように称される理由は、インプラント12からカバー61及びアダプタ106を引き抜くために必要な反作用力を、前記要素を介してインプラント12に加えることができるからである。このことは、摺動子162が設置位置のときに実施することができる。逆止め要素168は、設置位置のとき引張り棒50に、特に締付要素47に当接する。逆止め要素169は、設置位置のとき第2インプラント部品29に、特に支持区域38及び41に当接することができる(図9)。
【0179】
摺動子152がグリッパアーム127に対して変位されることにより移行できる後退位置のとき、逆止め要素168及び169はインプラント12から離間する。
【0180】
これまでの説明をまとめると、本発明による装置10は以下のように機能する。
【0181】
インプラントを基本位置から導入位置へと移動するために、インプラント12に定置素子14が装着される。インプラント12に保持素子16が装着される。これらの2つの予備的段階は工場にて既に実施しておくことができる。通常、保持素子16及びカバー61は、体内に挿入された後にインプラント12から解放できる使い捨て部分であり、その後、この保持素子及びカバーは処分することができる。
【0182】
グリッパアーム127が、ラッチ素子126及び129によってアダプタ106に接続される。執刀医は、インプラント12を把持要素133上でこの把持要素により保持することができる。枢動レバー134はグリッパアーム127に対して、区域136及び137が楔形突起88及び89を滑動するように、枢動することができる。展開止め要素90及び140は、並びに展開止め要素91及び141も、互いと接触することができる。同様なやり方で、引抜止め要素94及び142は、並びに引抜止め要素95及び143も、互いと接触することができる。摺動子162は後退位置を採る。
【0183】
インプラント12は、阻止要素84及び85によって、並びに遮断素子153によっても、意図せず展開して離間することのないようにされる。インプラントは、執刀医により椎間空間に導入することができる(図5)。骨止め要素75及び76は、並びに導入側支持要素55、56及び57も、棘突起24及び26用の止め要素を形成し、これによって、インプラント12の、椎間空間への挿入深度が限定される。
【0184】
作動方向157に沿ってラッチレバー146に力を加えることにより、枢動レバー134はグリッパアーム127に対して枢動することができる。第1インプラント部品28に展開力をかけるために、展開止め要素90及び140が協働し、展開止め要素91及び141も協働する。第2インプラント部品29には、展開工程にとって必要な反作用力が、グリッパアーム127によってアダプタ106を介してかけられる。インプラント12は導入位置から展開位置へと移行する(図6及び図7)。棘突起24及び26は、互いに対してそれぞれの支持面53及び54によって支持される。
【0185】
執刀医はグリッパアーム127を、従ってこのグリッパアームに結合された枢動レバー134を、片方の手だけで保持し動かすことができる。執刀医は、もう片方の手で摺動子162を作動部材164上で後退位置から設置位置へと移行させることができる。インプラント12からカバー61を引き抜くために、引抜止め要素94及び142が協働し、引抜止め要素95及び143も協働する。逆止め要素168及び169によりインプラント12に反作用力が課せられる。
【0186】
同時に、アダプタ106をクリップ37及びロック要素99から引き抜くことができる。逆止め要素168及び169により、この行為にとって必要な反作用力も同様にインプラント12に課すことができ、グリッパアーム127には張力が加えられる。インプラント12からアダプタ106を引き抜く際、既に記載したように、ロック要素99を解放位置からロック位置へと移行させることができ、それ故に、インプラント12は自動的にロックすることができる(図9〜図12)。クリップ37及びロック要素99は、受け器113から端部側開口114を通して取り外すことができる。従って、グリッパアーム127上及び枢動レバー134上で保持されるカバー61及びアダプタ106は、インプラント12から共に引き抜くことができる(図13)。ロックされたインプラント12は、意図されたように、棘突起24と棘突起26との間に展開位置で留まる。
【0187】
アダプタ106及びカバー61は、グリッパアーム127から、及び枢動レバー134からそれぞれ解放し、その後再使用又は処理することができる。
【0188】
図16には、本発明による外科装置の第2の好適な例示的実施形態が部分的に分解図の形態で示され、そこに参照記号170が割り当てられる。この外科装置は、インプラント172、定置素子174、保持素子16、第1操作素子18と同じやり方で機能する第1操作素子176、第2操作素子20を含み、第3操作素子178をも含む。
【0189】
装置170の個々の部品は、大部分が装置10の部品と同一であるので、装置10及び170の、等価の特性及び機能的に等価の特性には同じ参照記号が使用される。装置10により達成可能な利点は、装置170によっても同様に得ることができる。装置10及び170の個々の部品間の基本的な差異のみが以下で検討される。
【0190】
インプラント12の場合には異なっていたことであるが、インプラント172では、支持アーム31、32、34、39、40、及び42の、展開方向51に沿った向きが逆にされる。このことは、支持アーム31及び32がそれぞれ導入側上方支持要素179及び180を含み、支持アーム34が導入側下方支持要素181を含むことを意味する。支持アーム39及び40はそれぞれ身体側下方支持要素182及び183を含み、支持アーム42は身体側上方支持要素184を含む(図14〜図15B)。従って、支持アーム31、32、34、39、40、及び42は、支持要素179、180、181、182、183、及び184用の担体を形成する。
【0191】
それに応じて、インプラント172が導入位置のとき、導入側上方支持要素179及び180は定置素子174の上方止め要素70及び71に当接し、導入側下方支持要素181は定置素子174の下方止め要素73及び74に当接する。
【0192】
カバー61の場合には異なっていたことであるが、定置素子174により形成されるカバー185は骨止め要素75及び76を組み込まない。
【0193】
同様に、カバー61とは対照的に、カバー185は阻止要素84及び85を含まない。
【0194】
第3操作素子178は、第3操作素子22と同様であり、第1区域187及び第2区域188を有する摺動子186の形態である。基本的には、区域187及び188は、互いに対してグリッパアーム127に沿って変位可能であり、異なる仕方で互いに結合することができる。
【0195】
特に図16及び図17から明白であるように、第1区域187は、摺動子186の第1端部189に作動部材190を含む。第1区域187は、第1端部189の反対側に位置するその第2端部191に、摺動子186が設置位置のときに引張り棒50に当接するように配置される逆止め要素192を含む。
【0196】
第1区域187は、端部189と端部191との間のほぼ中央にある地点に、第2区域188のほうに向けられる突起193を有する。突起193は、2つの結合要素194及び195を形成し、ドライバ止め196又はラッチ鼻197の形態である。これらの結合要素は各々、ロック方向105に沿って作用する。第2区域188は、第1端部189の反対側のその第2端部198に、スリット様の間隙201により互いから分離する1対の逆止め要素199及び200を含む。第2区域188は、端部189と端部198との間のほぼ中央にある地点に、ドライバ止め196用に逆止め204の形態の結合要素203を形成する突起202を含む。更に、第2区域188は、突起202に近接しているラッチ鼻197用に突起206の形態の結合要素205を含む。更に、第2区域188は、作動部材290と協働することのできる肩部208の形態の結合要素207を形成する。
【0197】
装置170の事例においてインプラント172を体内に導入するために、グリッパアーム127がまずアダプタ106に定置され、枢動レバー134がカバー185に適合される(図17、ただしそこには枢動レバー134は図示されない)。摺動子186は、逆止め要素192、199、及び200がインプラント172から離間しラッチ鼻197が突起206に当接する後退位置を採る。
【0198】
インプラント172を体内に導入する前に、摺動子186は、インプラント172のほうに向けられる、及び執刀医により作動部材190を介して加えられる力を受ける。区域187及び188はラッチ鼻197及び突起206によって結合する。このことにより、逆止め要素199及び200を、インプラント172の支持区域38と支持区域41との間に形成される間隙209へ送り込むことができる(図15A及び図15B)。これによって、締付要素46及び47は、逆止め要素199と逆止め要素200との間の間隙201内で係合する(図18及び図19)。
【0199】
第2区域188が、間隙209内で逆止め要素199及び200に抗してポジティブロックのやり方で嵌合するようになっているので、支持アーム39及び40が支持アーム42に対して展開方向51に沿って展開することはできない。この理由で、逆止め要素199及び200はそれぞれの阻止要素210及び211を形成し、このことの助けにより、インプラント172の不用の展開を防ぐことができる。このことも、間隙209内で第2区域188がポジティブフィット式に係合することに起因して、アダプタ106がカバー185に対して移動しないようにされることの結果である。第2区域188が間隙209内で係合する摺動子186の位置は、摺動子186の阻止位置と称される。
【0200】
インプラント172が椎間空間に導入された後にこのインプラントを展開するために、執刀医は、ロック方向105に向けられる力を作動部材190に受けさせねばならない。これによって、区域187及び188がドライバ止め196及び逆止め204によって結合される。従って、摺動子186をもう一度後退位置へと移行させることができる。その結果、インプラント172は、インプラント12について既に記載した方法に対応するやり方で、導入位置から展開位置へと移行させることができる(図20)。
【0201】
インプラント172の展開後、このインプラント172からカバー185及びアダプタ106を解放するために、執刀医は再び、インプラント172のほうに向けられる力を作動部材190に受けさせることができる。このことにより、第2区域188は、逆止め要素199及び200により第2インプラント部品29と接触し、その後、この第2インプラント部品上で支持される。執刀医により加えられる作動力、及びインプラント172の反作用力の作用に起因して、突起206からラッチ鼻197を連結解除することができる。従って、第1区域187は、第2区域188に対してグリッパアーム127に沿って、作動部材190が肩部208と接触する時点まで変位することができる(図21)。この場合、第1区域187の逆止め要素192が締付要素47に当接する。
【0202】
肩部208がドライバ止め212を形成するので、インプラント172のほうに向けられる力を作動部材190に継続して受けさせることにより、カバー185及びアダプタ106を引き抜くための反作用力をインプラントに加えることができる。結果として、装置170の場合、インプラント172からカバー185及びアダプタ106を引き抜くことができ、更に、装置10の事例について既に記載したように、アダプタ106を自動的にロックすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1椎体(25)の上方棘突起(24)を上方支持面(53)により且つ第2椎体(27)の下方棘突起(26)を下方支持面(54)により、相互に支持するためのインプラント(12;172)を含む外科装置(10;170)であって、
前記インプラント(12;172)が、第1インプラント部品(28)及び第2インプラント部品(29)を含み、基本位置から、前記上方支持面(53)と前記下方支持面(54)の互いからの間隔が前記基本位置よりも大きい展開位置へと、締付方向(49)に対して交差する向きである展開方向(51)に前記インプラント(12;172)を移行させるために、前記第2インプラント部品(29)が、前記第1インプラント部品(28)に対して前記締付方向(49)に沿って移動可能であるように構成され、
前記インプラント(12;172)が、該インプラント(12;172)の前記展開位置において前記上方棘突起(24)及び前記下方棘突起(26)を導入側で側方からそれぞれ支持するために使用される、少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)及び少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)を含む、
外科装置(10;170)において、
該装置(10;170)が、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)及び前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)を互いに対して前記展開方向(51)に沿って展開するために使用される、前記インプラント(12;172)用の定置素子(14;174)を含み、
該定置素子(14;174)により、前記インプラント(12;172)が、前記基本位置から、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)と前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)の互いに対する間隔(dEE)が前記基本位置よりも大きい導入位置へと移動可能であり、
前記第2インプラント部品(29)を前記第1インプラント部品(28)に対して前記締付方向(49)に沿って移動させることにより、前記インプラント(12;172)が前記導入位置から前記展開位置へと移行可能であること、
を特徴とする外科装置。
【請求項2】
請求項1に記載の外科装置において、
前記定置素子(14;174)が、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)又は該少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)を組み込む担体(34;31、32)に対して前記展開方向(51)に対向する方向に作用する少なくとも1つの第1上方止め(70)を含む又は形成すること、及び/又は
前記定置素子(14;174)が、前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)又は該少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)を組み込む担体(31、32;34)に対して前記展開方向(51)に対向する方向に作用する少なくとも1つの第1下方止め(73)を含む又は形成すること、
を特徴とする外科装置。
【請求項3】
請求項2に記載の外科装置において、
前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)又は該導入側上方支持要素(57;179、180)を組み込む前記担体(34;31、32)が、前記インプラントの前記導入位置(12;172)において前記少なくとも1つの第1上方止め(70)に当接すること、及び/又は
前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)又は該導入側下方支持要素(55、56;181)を組み込む前記担体(31、32;34)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において前記少なくとも1つの第1下方止め(73)に当接すること、
を特徴とする外科装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の外科装置において、
前記定置素子(14;174)が、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)又は該少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)を組み込む担体(31、32;34)に対して前記展開方向(51)に作用する少なくとも1つの第2上方止め(71)を含む又は形成すること、及び/又は
前記定置素子(14;174)が、前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)又は該少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)を組み込む担体(31、32;34)に対して前記展開方向(51)に作用する少なくとも1つの第2下方止め(74)を含む又は形成すること、
を特徴とする外科装置。
【請求項5】
請求項4に記載の外科装置において、
前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)又は該導入側上方支持要素(57;179、180)を組み込む前記担体(31、32;34)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において前記少なくとも1つの第2上方止め(71)に当接すること、及び/又は
前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)又は該導入側下方支持要素(55、56;181)を組み込む前記担体(31、32;34)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において前記少なくとも1つの第2下方止め(74)に当接すること、
を特徴とする外科装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の外科装置において、
前記定置素子(14;174)が、前記上方棘突起(24)用の少なくとも1つの導入側上方骨止め要素(75)を含む又は形成すること、及び/又は
前記定置素子(14;174)が、前記下方棘突起(26)用の少なくとも1つの導入側下方骨止め要素(76)を含む又は形成すること、
を特徴とする外科装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の外科装置において、前記第1インプラント部品(28)が、前記少なくとも1つの導入側上方支持要素(57;179、180)及び前記少なくとも1つの導入側下方支持要素(55、56;181)を含むこと、を特徴とする外科装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の外科装置において、前記インプラント(12;172)が、該インプラント(12;172)の前記展開位置において前記上方棘突起(24)及び前記下方棘突起(26)を身体側で側方からそれぞれ支持するための、少なくとも1つの身体側上方支持要素(58、59;184)及び少なくとも1つの身体側下方支持要素(60;182、183)を含むこと、を特徴とする外科装置。
【請求項9】
請求項8に記載の外科装置において、前記第2インプラント部品(29)が、前記少なくとも1つの身体側上方支持要素(58、59;184)及び前記少なくとも1つの身体側下方支持要素(60;182、183)を含むこと、を特徴とする外科装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の外科装置において、
該外科装置(10;170)が、導入側支持要素(55、56、57;179、180、181)に結合される少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)と、身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)に結合される少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)とを有する結合素子(77)を含み、
前記少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において前記少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)と協働し、前記少なくとも1つの身体側上方支持要素(58、59;184)と前記少なくとも1つの身体側下方支持要素(60;182、183)の互いからの間隔(dEK)を、前記インプラント(12;172)の前記基本位置におけるその互いからの間隔(dG)に対して減少させること、
を特徴とする外科装置。
【請求項11】
請求項10に記載の外科装置において、前記インプラント(12;172)が前記結合素子(77)を含む又は形成すること、を特徴とする外科装置。
【請求項12】
請求項11に記載の外科装置において、
前記第1インプラント部品(28)が前記少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)を含むこと、及び
前記少なくとも1つの第2インプラント部品(29)が前記少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)を含むこと、
を特徴とする外科装置。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1項に記載の外科装置において、前記結合素子(77)が、導入側上方支持要素(57;179、180)に結合される第1結合要素(78、79、80)と、前記第1結合要素(78、79、80)と協働し且つ身体側下方支持要素(60;182、183)に結合される第2結合要素(81、82、83)とを含むこと、を特徴とする外科装置。
【請求項14】
請求項10〜13のいずれか1項に記載の外科装置において、前記結合素子(77)が、導入側下方支持要素(55、56;181)に結合される第1結合要素(78、79、80)と、前記第1結合要素(78、79、80)と協働し且つ身体側上方支持要素(58、59;184)に結合される第2結合要素(81、82、83)とを含むこと、を特徴とする外科装置。
【請求項15】
請求項10〜14のいずれか1項に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)及び/又は前記少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)が、少なくとも部分的に、棘突起(24、26)用の支持面(53、54)を形成すること、を特徴とする外科装置。
【請求項16】
請求項10〜15のいずれか1項に記載の外科装置において、前記結合素子(77)が、導入側上方支持要素(57;179、180)用の第1結合要素(78、79、80)と、導入側下方支持要素(55、56;181)用の第1結合要素(78、79、80)とを含み、
前記導入側上方支持要素(57;179、180)用の第1結合要素(78、79、80)及び前記導入側下方支持要素(55、56;181)用の第1結合要素(78、79、80)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において、前記インプラント(12;172)の前記基本位置よりも更に、互いに対して前記展開方向(51)に沿って前記定置素子(14;174)により展開されること、
を特徴とする外科装置。
【請求項17】
請求項10〜16のいずれか1項に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)及び/又は前記少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)が、弾性変形可能であるように形成されること、を特徴とする外科装置。
【請求項18】
請求項10〜17のいずれか1項に記載の外科装置において、
前記少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)が、自由端に前記導入側支持要素(55、56、57;179、180、181)を含む第1担体(31、32、34)として形成されると共に、前記少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)に対して前記展開方向(51)に沿って作用する滑動要素を形成すること、及び
前記少なくとも1つの第2結合要素(81、82、83)が、自由端に前記身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)を含む第2担体(39、40、42)として形成されると共に、前記少なくとも1つの第1結合要素(78、79、80)に対して前記展開方向(51)に沿って作用する滑動要素を形成すること、
を特徴とする外科装置。
【請求項19】
請求項8〜18のいずれか1項に記載の外科装置において、該外科装置(10;170)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)が前記展開方向(51)に沿って移動することを防ぐための少なくとも1つの阻止要素(84、85;210、211)を含むこと、を特徴とする外科装置。
【請求項20】
請求項19に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの阻止要素(84、85;210、211)が、前記身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)又は該身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)を組み込む担体(39、40、42)と協働する止めを含む又は形成すること、を特徴とする外科装置。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が前記少なくとも1つの阻止要素(84、85)を含む又は形成すること、を特徴とする外科装置。
【請求項22】
請求項19〜21のいずれか1項に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの阻止要素(84、85;210、211)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において前記身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)又は該身体側支持要素(58、59、60;182、183、184)を組み込む担体(39、40、42)に当接するように配置されると共に、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させる前に前記支持要素(58、59、60;182、183、184)又は前記担体(39、40、42)から取り外し可能であること、を特徴とする外科装置。
【請求項23】
請求項22に記載の外科装置において、
前記少なくとも1つの阻止要素(210、211)が、身体側上方支持要素(184)を組み込む第1担体(39、40)と身体側下方支持要素(182、183)を組み込む第2担体(42)の間に形成された間隙(209)に挿入可能であり、
前記第1担体(39、40)及び前記第2担体(42)が、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させる時、互いに対して前記展開方向(51)に沿って展開可能であること、
を特徴とする外科装置。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の外科装置において、該外科装置(10;170)が、前記インプラント(12;172)用の少なくとも1つの保護要素(61;185)を含むこと、を特徴とする外科装置。
【請求項25】
請求項24に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの保護要素(61;185)が、前記インプラント(12;172)を前記導入側で少なくとも部分的に包囲するカバー(61;185)の形態であること、を特徴とする外科装置。
【請求項26】
請求項25に記載の外科装置において、前記カバー(61;185)が、前記第2インプラント部品(29)を少なくとも部分的に包囲すること、を特徴とする外科装置。
【請求項27】
請求項24〜26のいずれか1項に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が、前記少なくとも1つの保護要素(61;185)を含む又は形成すること、を特徴とする外科装置。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか1項に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が略U形の断面を有すること、を特徴とする外科装置。
【請求項29】
請求項1〜28のいずれか1項に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が一体のやり方で形成されること、を特徴とする外科装置。
【請求項30】
請求項1〜29のいずれか1項に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が合成材料から作られること、を特徴とする外科装置。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が変形可能な材料から作られること、を特徴とする外科装置。
【請求項32】
請求項31に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が弾性変形可能な材料から作られること、を特徴とする外科装置。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれか1項に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が前記インプラント(12;172)上に予め装架されること、を特徴とする外科装置。
【請求項34】
請求項1〜33のいずれか1項に記載の外科装置において、前記インプラント(12;172)上に装架された定置素子(14;174)が、該インプラント(12;172)から解放可能であること、を特徴とする外科装置。
【請求項35】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が、前記インプラント(12;172)から前記定置素子(14;174)を引き抜くための第1引抜支承要素(96、97)を形成すること、を特徴とする外科装置。
【請求項36】
請求項35に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が、前記締付方向(49)に対して交差する向きである引抜方向(951)に作用する少なくとも1つの引抜止め要素(94、95)を含む又は形成すること、を特徴とする外科装置。
【請求項37】
請求項36に記載の外科装置において、前記引抜方向(951)が前記展開方向(51)に対して交差する向きであること、を特徴とする外科装置。
【請求項38】
請求項1〜37のいずれか1項に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させるための第1展開支承要素(92、93)を形成すること、を特徴とする外科装置。
【請求項39】
請求項38に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が、前記締付方向(49)に沿って作用する少なくとも1つの展開止め要素(90、91)を含む又は形成すること、を特徴とする外科装置。
【請求項40】
請求項38又は39に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの展開止め要素(90、91)が、前記定置素子(14;174)により形成された受け器(65)に結合され、該受け器(65)内に前記第1インプラント部品(28)が保持されること、を特徴とする外科装置。
【請求項41】
請求項1〜40のいずれか1項に記載の外科装置において、該外科装置(10;170)が、前記第2インプラント部品(29)用の受け器(113)を含む保持素子(16)を有し、該受け器(113)内に前記第2インプラント部品(29)が部分的に保持されること、を特徴とする外科装置。
【請求項42】
請求項41に記載の外科装置において、前記保持素子(16)が、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させるための第2展開支承要素を形成すること、を特徴とする外科装置。
【請求項43】
請求項42に記載の外科装置において、前記定置素子(14;174)が、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させる時、前記保持素子(16)用の案内要素(117、118)を形成すること、を特徴とする外科装置。
【請求項44】
請求項41〜43のいずれか1項に記載の外科装置において、前記保持素子(16)が、前記インプラント(12;172)を該外科装置(10;170)の第1操作素子(18)に接続するための接続素子(125)を含むこと、を特徴とする外科装置。
【請求項45】
請求項44に記載の外科装置において、前記接続素子(125)がラッチ素子(126)の形態であること、を特徴とする外科装置。
【請求項46】
請求項41〜45のいずれか1項に記載の外科装置において、
前記インプラント(12;172)が、ロック要素(99)を含むロック素子(98)を有し、前記インプラント(12;172)の前記展開位置において、該ロック要素(99)が、前記第2インプラント部品(29)が前記第1インプラント部品(28)に対して前記締付方向(49)に沿って移動可能である解放位置から、前記第2インプラント部品(29)が前記第1インプラント部品(28)にロックされて前記締付方向(49)に対向する方向への移動を防ぐロック位置へと、前記締付方向(49)に対して交差する向きであるロック方向(105)に移行可能であること、及び
前記ロック要素(99)が、前記第2インプラント部品(29)に含まれ且つ前記インプラント(12;172)をロックするために前記ロック要素(99)と協働する定置要素(45)と共に、前記受け器(113)内に保持されること、
を特徴とする外科装置。
【請求項47】
請求項46に記載の外科装置において、前記保持素子(16)が、少なくとも1つの第1結合部材(119、120)を含む又は形成し、該少なくとも1つの第1結合部材(119、120)が、前記ロック要素(99)を前記解放位置から前記ロック位置へと移行させるために、前記ロック要素(99)に含まれる又は前記ロック要素(99)により形成される少なくとも1つの第2結合部材(124)と協働すること、を特徴とする外科装置。
【請求項48】
請求項47に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの第1結合部材(119、120)が、前記ロック方向(105)に沿って作用する前記ロック要素(99)用のドライバ止め(122、123)の形態であること、を特徴とする外科装置。
【請求項49】
請求項46〜48のいずれか1項に記載の外科装置において、前記ロック要素(99)の前記ロック位置において、前記保持素子(16)が前記インプラント(12;172)から前記ロック方向(105)に後退可能であること、を特徴とする外科装置。
【請求項50】
請求項46〜49のいずれか1項に記載の外科装置において、前記受け器(113)が開口(114)を含み、該開口(114)を通して、前記定置要素(45)及び前記ロック要素(99)が前記ロック要素(99)の前記ロック位置において前記受け器(113)から取り外し可能であること、を特徴とする外科装置。
【請求項51】
請求項46〜50のいずれか1項に記載の外科装置において、前記ロック方向(105)が、前記インプラント(12;172)の前記定置素子(14;174)に対する引抜方向(951)に平行な成分を有すること、を特徴とする外科装置。
【請求項52】
請求項41〜51のいずれか1項に記載の外科装置において、前記保持素子(16)が前記インプラント(12;172)上に予め装架されること、を特徴とする外科装置。
【請求項53】
請求項41〜52のいずれか1項に記載の外科装置において、前記保持素子(16)が一体のやり方で形成されること、を特徴とする外科装置。
【請求項54】
特に請求項1〜53のいずれか1項に記載の外科装置において、該外科装置(10;170)が、インプラント(12;172)、特に請求項1〜53のいずれか1項に記載の前記外科装置(10;170)の前記インプラント(12;172)を保持するための把持要素(131)を有する第1操作素子(18;176)を含むこと、を特徴とする外科装置。
【請求項55】
請求項54に記載の外科装置において、前記第1操作素子(18;176)が、前記インプラント(12;172)用の保持素子(16)に接続するための接続素子(128)を含むこと、を特徴とする外科装置。
【請求項56】
請求項55に記載の外科装置において、前記接続素子(128)がラッチ素子(129)の形態であること、を特徴とする外科装置。
【請求項57】
請求項54〜56のいずれか1項に記載の外科装置において、前記第1操作素子(18;176)が、長手方向に延びるグリッパアーム(127)の形態であること、を特徴とする外科装置。
【請求項58】
請求項54〜57のいずれか1項に記載の外科装置において、
前記外科装置(10;170)が、前記インプラント(12;172)用の第2操作素子(20)を含み、該第2操作素子(20)が、前記第1操作素子(18;176)に対して移動可能であり、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させるために前記第1操作素子(18;176)と協働すること、及び
前記第2操作素子(20)が、前記第1操作素子(18;176)に対して第1位置から第2位置へと移行可能であり、前記第2操作素子(20)の端部(138、139)が、前記インプラント(12;172)を保持する前記第1操作素子(18;176)の端部に対して、前記締付方向(49)に沿って、前記第2位置とは異なる間隔を前記第1位置において有すること、
を特徴とする外科装置。
【請求項59】
請求項58に記載の外科装置において、前記第2操作素子(20)が、前記第1操作素子(18;176)上に、移動可能なやり方で装架されること、を特徴とする外科装置。
【請求項60】
請求項59に記載の外科装置において、前記第2操作素子(20)が、前記第1操作素子(18;176)上に、前記締付方向(49)に対して交差する向きにされた枢動軸(135)を中心に枢動するように装架されること、を特徴とする外科装置。
【請求項61】
請求項58〜60のいずれか1項に記載の外科装置において、前記第2操作素子(20)が枢動レバー(134)の形態であること、を特徴とする外科装置。
【請求項62】
請求項58〜61のいずれか1項に記載の外科装置において、前記第2操作素子(20)が少なくとも1つの第2展開止め要素(140、141)を含む又は形成し、該少なくとも1つの第2展開止め要素(140、141)が、前記インプラント(12;172)を前記導入位置から前記展開位置へと移行させる時に少なくとも1つの第1展開止め要素(90、91)と協働すること、を特徴とする外科装置。
【請求項63】
請求項58〜62のいずれか1項に記載の外科装置において、前記第2操作素子(20)が少なくとも1つの第2引抜止め要素(142、143)を含む又は形成し、該少なくとも1つの第2引抜止め要素(142、143)が、前記定置素子(14;174)を前記インプラント(12;172)から引き抜くために、前記定置素子(14;174)に含まれる又は前記定置素子(14;174)により形成される少なくとも1つの第1引抜止め要素(94、95)と協働すること、を特徴とする外科装置。
【請求項64】
請求項58〜63のいずれか1項に記載の外科装置において、
前記外科装置(10;170)が、前記第1操作素子(18;176)に含まれる第1遮断要素(152)と、前記第2操作素子(20)に含まれる第2遮断要素(151)を有する遮断素子(153)とを含み、
前記第1遮断要素(152)及び前記第2遮断要素(151)が、該第1遮断要素(152)及び該第2遮断要素(151)が前記第2操作素子(20)の前記第1操作素子(18;176)に対する移動を不能にするために協働する不能位置から、前記第1遮断要素(152)及び前記第2遮断要素(151)が協働せず、前記第2操作素子(20)が前記第1操作素子(18;176)に対して移動可能である解放位置へと、或いはその逆へと、互いに対して移行可能であること、
を特徴とする外科装置。
【請求項65】
請求項64に記載の外科装置において、前記第1遮断要素(152)及び前記第2遮断要素(151)が、前記ロック位置に関して、前記解放位置において互いに対して付勢されること、を特徴とする外科装置。
【請求項66】
請求項64又は65に記載の外科装置において、前記遮断素子(153)がラッチ爪を形成すること、を特徴とする外科装置。
【請求項67】
請求項66に記載の外科装置において、1つの遮断要素(152)がラッチバー(150)の形態であり、1つの遮断要素(151)がラッチレバー(146)の形態であること、を特徴とする外科装置。
【請求項68】
請求項58〜67のいずれか1項に記載の外科装置において、前記外科装置(10;170)が、前記第1操作素子(18;176)及び前記第2操作素子(20)の相対的な位置を表示するための表示素子(158)を含むこと、を特徴とする外科装置。
【請求項69】
請求項68に記載の外科装置において、前記表示素子(158)が前記遮断素子(153)上に配置されること、を特徴とする外科装置。
【請求項70】
請求項58〜69のいずれか1項に記載の外科装置において、
該外科装置(10;170)が、前記インプラント(12;172)用の第3操作素子(22;178)を含み、該第3操作素子(22;178)が、前記第1操作素子(18;176)に対して移動可能であるように構成され、前記インプラント(12;172)の前記展開位置において前記定置素子(14;174)及び/又は保持素子(16)或いは前記第1操作素子(18;176)を前記インプラント(12;172)から引き抜くために前記インプラント(12;172)と協働すること、及び
前記第3操作素子(22;178)が、前記第1操作素子(18;176)に対して後退位置から設置位置へと移行可能であり、前記第3操作素子(22;178)に含まれる又は前記第3操作素子(22;178)により形成される少なくとも1つの逆止め要素(168、169;192、199、200)が、前記後退位置においては前記インプラント(12;172)から離間され、前記設置位置においては前記インプラント(12;172)に当接すること、
を特徴とする外科装置。
【請求項71】
請求項70に記載の外科装置において、前記第3操作素子(22;178)が、前記第1操作素子(18;176)上に、移動可能なやり方で装架されること、を特徴とする外科装置。
【請求項72】
請求項71に記載の外科装置において、前記第3操作素子(22;178)が、前記第1操作素子(18;176)上に、前記定置素子(14;174)の前記インプラント(12;172)からの前記引抜方向(951)に平行に向けられた方向に沿って及び/又は前記ロック要素(99)の前記ロック方向(105)に平行に向けられた方向に沿って、変位可能なやり方で装架されること、を特徴とする外科装置。
【請求項73】
請求項72に記載の外科装置において、前記第3操作素子(22;178)が摺動子(162;186)の形態であること、を特徴とする外科装置。
【請求項74】
請求項70〜73のいずれか1項に記載の外科装置において、
前記第3操作素子(22;178)が、逆止め要素(168;192)を備えた第1区域(166;187)と、逆止め要素(169;199、200)を備えた第2区域(167;188)とを含むこと、及び
前記第1区域(166;187)の前記逆止め要素(168;192)が、前記第2区域(167;188)の前記逆止め要素(169;199、200)から、前記締付方向(49)に沿って離間されること、
を特徴とする外科装置。
【請求項75】
請求項70〜74のいずれか1項に記載の外科装置において、
前記第3操作素子(178)が、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において身体側支持要素(182、183、184)が前記展開方向(51)に沿って移動することを防ぐための少なくとも1つの阻止要素(210、211)を形成し、
該少なくとも1つの阻止要素(210、211)が、前記導入位置において、前記身体側支持要素(182、183、184)に当接するように配置され又は前記身体側支持要素(182、183、184)を組み込む担体(39、40、42)上に配置され、これにより前記第3操作素子(178)が阻止位置を採ること、
を特徴とする外科装置。
【請求項76】
請求項75に記載の外科装置において、前記インプラント(12;172)の前記導入位置において、前記第3操作素子(178)が、前記後退位置から前記阻止位置へと、或いはその逆へと移行可能であること、を特徴とする外科装置。
【請求項77】
請求項75又は76に記載の外科装置において、前記少なくとも1つの阻止要素(210、211)が、前記第3操作素子(178)の1つの端部(198)に形成される又は前記端部(198)に含まれること、を特徴とする外科装置。
【請求項78】
請求項74〜77のいずれか1項に記載の外科装置において、
前記第1区域(187)が、前記第2区域(188)に対して移動可能であるように構成されること、及び
前記第1区域(187)及び前記第2区域(188)が、前記第3操作素子(178)を、前記後退位置から前記阻止位置へと或いはその逆へと移行させるために及び/又は前記後退位置から前記設置位置へと移行させるために、結合要素(194、195、203、205)により結合され、該結合要素(194、195、203、205)が、対になって協働すると共に、前記第1区域(187)及び前記第2区域(188)に含まれる又は前記第1区域(187)及び前記第2区域(188)により形成されること、
を特徴とする外科装置。
【請求項79】
請求項78に記載の外科装置において、前記第2区域(188)を前記設置位置において前記インプラント(12;172)上に設置する結果、前記第3操作素子(178)を前記後退位置から前記阻止位置へと移行させるために前記第1区域(187)と前記第2区域(188)の間の結合を実施する前記結合要素(194、205)が、互いから切り離されること、を特徴とする外科装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2013−517858(P2013−517858A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550347(P2012−550347)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/070361
【国際公開番号】WO2011/091918
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(502154016)アエスキュラップ アーゲー (61)
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap−Platz, 78532 Tuttlingen Germany
【Fターム(参考)】