説明

外部に接続された機器に割り込みを報知できる情報端末、情報端末への割り込みを報知できる電子機器、当該情報端末および当該電子機器を有するシステム、情報端末を制御するためのプログラム、ならびに、電子機器を制御するためのプログラム

【課題】電子機器に接続されている通信端末における着信を、通信端末の利用者の意図に応じて報知する。
【解決手段】携帯電話機100とテレビ150とは、ケーブル190によって接続されている。テレビ150には、ヘッドホン400が接続されている。携帯電話機100がマナーモードに設定されている場合において携帯電話機100が電話の着信を受けると、携帯電話機100は、着信を報知するメッセージ410を表示するとともに、ケーブル190を介してテレビ150に着信を通知する。テレビ150は、画面にメッセージ420を表示して着信を報知するとともに、発呼音をヘッドホン400に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、割り込みの報知に関し、より特定的には、外部に接続された機器に割り込みを報知できる情報端末、および、情報端末への割り込みを報知できる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
情報端末の多機能化に伴って、通話機能の他に、映像・音響出力機能としてたとえば、テレビ放送受信・録画・再生機能、音楽再生機能、インターネット接続機能などを備えたものが普及している。また、それらの機能を動作させる際に、音・映像を情報端末のみによって再生するのではなく、情報端末と接続したテレビ、パソコン等の外部機器によって再生する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
また、マナーモード機能を有効にしている際に、上述の外部機器と接続している状態で着信があった場合、着信を知らせる音を外部機器に出力する技術が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−193247号公報
【特許文献2】特開2009−124273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子機器に接続されている通信端末が信号を受信した場合、その受信の報知の態様として、電子機器における音声の出力先の設定に応じた報知が必要とされる。しかしながら、従来の技術によれば、電子機器における音声の出力先の設定に応じて受信を報知することができなかった。
【0006】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、接続されている電子機器における音声の出力先の設定に応じて、当該電子機器に受信を報知させることができる情報端末を提供することである。
【0007】
他の目的は、接続されている情報端末における受信を報知できる電子機器を提供することである。
【0008】
他の目的は、接続されている電子機器における音声の出力先の設定に応じて、当該電子機器に受信を報知させるように情報端末を制御するためのプログラムを提供することである。
【0009】
さらに他の目的は、接続されている情報端末における受信を報知できるように電子機器を制御するためのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施の形態に従うと、電子機器に接続可能な情報端末は、情報端末に対する入力操作を受け付けるための入力手段と、電子機器に接続されて電子機器との間でデータを通信するためのインターフェイス手段と、情報端末に対する所定の割り込みを報知するための報知手段と、報知手段による報知を抑制するマナーモードが情報端末において設定されているか否かを示すマナーモード設定と、電子機器における音声出力の設定とに基づいて、情報端末に対する所定の割り込みに応じて、所定の割り込みによる報知の方法を切り替えるための制御手段とを備える。
【0011】
好ましくは、情報端末は、電子機器における音声の出力先と、マナーモード設定と、に基づいて予め設定された報知の方法とを関連付けて格納するための記憶手段をさらに備える。制御手段は、所定の割り込みを検知すると、報知の方法にしたがって、電子機器または情報端末に割り込みを通知させる。
【0012】
好ましくは、制御手段は、電子機器が情報端末に接続されたことに基づいて、電子機器において設定されている音声の出力先を電子機器に問い合わせ、問い合わせに対する電子機器による応答に基づいて、音声の出力先を記憶手段に格納し、入力手段を介した入力操作に基づいて選択される通知の方法を、音声の出力先に関連付ける。
【0013】
好ましくは、インターフェイス手段は、電子機器における音声の出力先が変更されたことを示す信号を電子機器から受信する。制御手段は、電子機器から信号を受信したことを検知すると、変更後の出力先について関連付けられた通知の方法にしたがって、電子機器または情報端末に割り込みを通知させる。
【0014】
他の実施の形態に従うと、情報端末に接続可能な電子機器は、映像を表示するための表示手段と、スピーカと、音声をヘッドホンに出力するための端子と、情報端末とデータを通信するためのインターフェイス手段と、情報端末が電子機器に接続されていることに基づいて、電子機器における音声の出力先を示すデータを、情報端末に送信するための制御手段と、情報端末から送られる命令に基づいて、情報端末に対する所定の割り込みを報知するための報知手段とを備える。
【0015】
好ましくは、制御手段は、音声の出力先が変更されたことを検知すると、変更後の出力先を示すデータを、電子機器に送信する。
【0016】
好ましくは、制御手段は、電子機器において設定されている音声の出力先の問い合わせを情報端末から受信すると、音声の出力先を情報端末に返信する。
【0017】
他の実施の形態に従うと、上記のいずれかに記載の情報端末と、上記のいずれかに記載の電子機器とを備える、システムが提供される。
【0018】
他の実施の形態に従うと、電子機器に接続可能な情報端末を制御するためのプログラムが提供される。このプログラムは、情報端末に、情報端末に対する入力操作を受け付けるステップと、電子機器との間でデータを通信するステップと、報知を抑制するマナーモードが情報端末において設定されているか否かを示すマナーモード設定と、電子機器における音声出力の設定とに基づいて、情報端末に対する割り込みに応じて、割り込みの通知の方法を切り替えるステップとを実行させる。
【0019】
さらに、他の実施の形態に従うと、情報端末に接続可能な電子機器を制御するためのプログラムが提供される。このプログラムは、電子機器に、情報端末とデータを通信するステップと、情報端末が電子機器に接続されていることに基づいて、電子機器における音声の出力先を示すデータを、情報端末に送信するステップと、情報端末から送られる命令に基づいて、情報端末に対する所定の割り込みを報知するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0020】
ある実施の局面において、情報端末と電子機器とが接続されている状態において情報端末における所定の割り込みの報知方法が、情報端末の利用者の期待する方法に切り替わるため、利用者の利便性が向上する。
【0021】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】携帯電話機100およびテレビ150の各ハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図2】携帯電話機100とテレビ150とが実行する一連の処理の一部を表わすシーケンスチャートである。
【図3】メモリ113におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。
【図4】テレビ150が着信を報知する態様を表わす図である。
【図5】携帯電話機100とテレビ150とが実行する一連の処理の一部を表わすシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0024】
[ハードウェア構成]
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る携帯電話機100とテレビ150の構成について説明する。図1は、携帯電話機100およびテレビ150の各ハードウェア構成を表わすブロック図である。携帯電話機100は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル190によってテレビ150に接続されている。なお、以下の説明では、携帯電話機100が情報端末の一例として示されているが、情報端末は、携帯電話機100に限られない。たとえば、情報端末は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、デジタルカメラ、ゲーム端末等であってもよい。また、情報端末に接続可能な電子機器は、テレビ150に限られず、モニタ装置、ラップトップ型コンピュータ、ノートブック型コンピュータ等であってもよい。
【0025】
携帯電話機100は、CPU(Central Processing Unit)110と、ディスプレイ111と、複数のキー112と、メモリ113と、スピーカ114と、イヤーピース端子115と、モータ117と通信部118と、外部接続端子116とを備える。
【0026】
CPU110は、携帯電話機100に対して与えられる命令に基づいて、あるいは、予め定められた条件が成立することに基づいて、予め規定された処理を実行し、携帯電話機100に当該命令に応じた動作を実行させる。
【0027】
ディスプレイ111は、メモリ113に格納されているデータに基づいて、文字、画像、動画などを表示する。ディスプレイ111は、液晶モニタ、有機EL(Electro Luminescence)モニタ等によって実現される。
【0028】
複数のキー112の各々は、携帯電話機100に対して与えられる命令の入力を受け付け、当該入力に応じた信号をCPU110に送出する。複数のキー112は、テンキーその他の物理的なスイッチとして、または、ディスプレイ111がタッチパネル式の表示装置である場合におけるソフトウェアキーとして実現される。
【0029】
メモリ113は、携帯電話機100に対して与えられたデータ、または、CPU110によって生成されたデータを格納する。メモリ113は、揮発メモリまたは不揮発メモリによって構成される。
【0030】
スピーカ114は、CPU110の命令に従って生成された信号に基づき音声を出力する。音声は、音楽、電話の呼出音などを含む。イヤーピース端子115は、ヘッドホン(図示しない)の装着を受け付け、音声信号を出力する。
【0031】
モータ117は、CPU110から送られる信号に基づいて、バイブレータ(図示しない)を予め設定された周波数で振動させる。バイブレータは、たとえば電話の着信、メールの受信、または、目覚まし、もしくはスケジュールアラームその他の予め定められたタイマの作動などを報知するために用いられる。
【0032】
通信部118は、基地局と通信セッションを形成することにより、他の携帯電話機、インターネットに接続されている他の情報通信装置と通信する。
【0033】
外部接続端子116は、HDMIケーブル190その他の通信ケーブルの装着を受け付けて、通信ケーブルを介してデータを通信する。
【0034】
ある局面において、CPU110は、通信の着信報知を抑制するマナーモードが携帯電話機100において設定されているか否かを示すマナーモード設定と、テレビ150における音声出力の設定とに基づいて、携帯電話機100に対する割り込みに応じて、当該割り込みの通知の方法を切換えるように構成されている。ここで、割り込みは、電話の着信、メールの受信、または、目覚まし、もしくはスケジュールアラームその他の予め定められたタイマの作動などを含む。割り込みは、電話の着信やメールの受信のように、割り込みのタイミングが未知なものと、目覚ましまたはタイマの作動のように、割り込みのタイミングが予め定められているものとを含む。
【0035】
他の局面において、メモリ113は、テレビ150における音声の出力先(たとえば、スピーカ164、またはヘッドホン端子165)と、当該マナーモード設定とに基づいて予め設定された通知の方法とを関連付けて格納する。メモリ113におけるデータの格納の態様は、後述する。CPU110は、割り込みを検知すると、予め設定された通知の方法に従って、テレビ150または携帯電話機100に当該割り込みを通知させる。
【0036】
他の局面において、CPU110は、テレビ150が携帯電話機100に接続されたことに基づいて、テレビ150において設定されている音声の出力先をテレビ150に問い合わせる。テレビ150は、その問い合わせに基づき、テレビ150において設定されている音声の出力先(たとえば、スピーカ164、またはヘッドホン端子165)を携帯電話機100に返す。CPU110は、テレビ150からそのような問い合わせに対する回答を受信すると、当該音声の出力先をメモリ113に格納する。さらに、CPU110は、複数のキー112を介したユーザの入力操作に基づいて選択される通知の方法を、上記音声の出力先に関連付ける。
【0037】
さらに他の局面において、外部接続端子116は、テレビ150における音声の出力先が変更されたことを示す信号を、テレビ150から受信する。CPU110は、テレビ150からその信号を受信したことを検知すると、変更後の出力先について関連付けられた通知の方法に従って、テレビ150または携帯電話機100に割り込みを通知させる。
【0038】
図1を再び参照して、テレビ150は、CPU160と、ディスプレイ161と、キー162と、メモリ163と、スピーカ164と、ヘッドホン端子165と、外部接続端子166と、受光部167とを備える。
【0039】
CPU160は、テレビ150の動作を制御する。ディスプレイ161は、たとえば液晶パネルまたはプラズマパネルまたは有機ELパネルによって構成される。キー162は、テレビ150に対する命令の入力を受け付ける。メモリ163は、テレビ150に予め設定された動作を実行させるための制御データ、携帯電話機100その他の情報端末から受信したデータを格納する。
【0040】
スピーカ164は、チューナ168から信号処理によって分離された音声信号に基づき音声を出力する。ヘッドホン端子165は、音声の出力先として接続されているヘッドホン(図示しない)に音声を出力する。受光部167は、テレビ150を作動させるためにリモコン端末(図示しない)から発信される赤外線信号を受信する。チューナ168は、アンテナ(図示しない)から送られる信号に基づいてCPU160によって指定されたチャンネルを選局し、映像信号および音声信号を出力する。
【0041】
外部接続端子166は、HDMIケーブル190その他の通信ケーブルの装着を受け付け、通信ケーブルを介して他の情報通信装置(たとえば携帯電話機100)とデータを通信する。
【0042】
ある局面において、CPU160は、携帯電話機100がテレビ150に接続されていることに基づいて、テレビ150における音声の出力先を示すデータを、携帯電話機100に送信するように構成される。また、CPU160は、携帯電話機100から送られる命令に基づいて、携帯電話機100に対する割り込みを報知するように構成される。報知の態様は、たとえばディスプレイ161における報知を示すメッセージの表示、スピーカ164またはヘッドホン端子165に対する割り込みを報知するための音声信号の出力などを含む。
【0043】
他の局面において、CPU160は、音声の出力先が変更されたことを検知すると、変更後の出力先を示すデータを、携帯電話機100に送信する。
【0044】
他の局面において、CPU160は、テレビ150において設定されている音声の出力先の問い合わせを携帯電話機100から受信すると、当該音声の出力先を携帯電話機100に返信する。
【0045】
[制御構造]
図2を参照して、本発明の実施の形態に係る携帯電話機100とテレビ150の制御構造について説明する。図2は、携帯電話機100とテレビ150とが実行する一連の処理の一部を表わすシーケンスチャートである。
【0046】
ステップS210にて、携帯電話機100とテレビ150とは、HDMIケーブル190によって互いに接続される。
【0047】
ステップS215にて、携帯電話機100のCPU110は、携帯電話機100がテレビ150に接続されたことを検知すると、音声出力の方法をテレビ150に問い合わせる。
【0048】
ステップS220にて、テレビ150のCPU160は、携帯電話機100から問い合わせを受けたことを検知すると、テレビ150における現在の音声出力の設定を確認し、その設定の内容を携帯電話機100に通知する。設定の内容は、たとえば、音声の出力先がスピーカであるか、ヘッドホンであるかあるいはミュート(音声出力しない)であるかを含む。
【0049】
ステップS225にて、CPU110は、映像出力の設定の有無を、テレビ150に問い合わせる。
【0050】
ステップS230にて、テレビ150のCPU160は、その問い合わせに応答して、ディスプレイ161に対する映像出力の有無を通知する。
【0051】
ステップS235にて、CPU110は、テレビ150から受信した音声出力の方法、および、映像出力の有無を示すデータを、メモリ113に保存する。
【0052】
ステップS240にて、CPU110は、通信部118から送られる信号に基づいて、携帯電話機100が着信を受けたことを検知する。なお、ここでは、割り込みの一例として着信が示されているが、割り込みの例は、電話の着信に限られず、メールの受信、予め設定されたタイマ時刻の到来などを含み得る。
【0053】
ステップS245にて、CPU110は、下記の状況に応じて、当該着信の報知方法を決定する。当該状況は、たとえば、1)携帯電話機100のマナーモードがオンになっているか否か、2)テレビ150の映像表示の設定が有効か無効か、または、3)テレビ150の音声出力の方法が、スピーカであるかヘッドホンであるかあるいはミュートであるか、を含む。他の局面において、他の状況が設定されてもよい。
【0054】
ステップS250にて、CPU110は、テレビ150に対して着信を報知するための映像信号を送信する。テレビ150は、外部から受信した映像を表示するモード(たとえばピクチャ・イン・ピクチャ)が有効に設定されている場合には、携帯電話機100から受信した信号に基づき、着信を報知するための映像をディスプレイ161の表示領域の一部に表示する。なお、表示の態様は、ピクチャ・イン・ピクチャに限られず、外部から受信された信号に基づく映像が、表示中の他の映像に隣接する態様で表示されてもよい。この場合、当該他の映像の大きさは小さくなる。
【0055】
ステップS255にて、CPU110は、着信を報知するための音声信号をHDMIケーブル190を介してテレビ150に送信する。テレビ150において、音声の出力先がスピーカまたはヘッドホンに設定されている場合には、その設定に応じて音声が出力される。
【0056】
ステップS260にて、携帯電話機およびテレビ150は、各々において設定された報知の態様に基づいて、電話の着信を報知する。たとえば、携帯電話機100のマナーモードがオンに設定されている場合には、携帯電話機100は、着信を報知しない。この場合、テレビ150において報知がオンに設定されているとき、テレビ150は、その設定に応じて携帯電話機100が電話の着信を受けたことを報知する。たとえば、前述のように、テレビ150は、ディスプレイ161に着信を示すメッセージもしくは画像を表示し、または、スピーカ164もしくはヘッドホンを介して着信の音声を出力する。
【0057】
[データ構造]
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る携帯電話機100のデータ構造について説明する。図3は、メモリ113におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。メモリ113は、データ項目として、外部接続機器の音声の出力先310と、外部接続機器の映像の有無320と、マナーモードがオフに設定されている場合の動作330と、マナーモードがオンに設定されている場合の動作340とを規定している。
【0058】
たとえば、ある局面において、音声の出力先がスピーカであって映像の出力がありに設定されている場合、マナーモードがオフであるとき携帯電話機100において着信を通知し、マナーモードがオンであるとき、テレビ150のディスプレイ161において着信を通知するように設定され得る。
【0059】
また、他の局面において、音声の出力先がスピーカであり、映像の出力がないと設定されている場合には、マナーモードがオフに設定されるとき、携帯電話機100において着信を通知し、一方、マナーモードがオンに設定されている場合にも携帯電話機100において着信を通知するように設定され得る。
【0060】
また、他の局面として、音声の出力先がヘッドホンであり映像の出力がありと設定されている場合において、マナーモードがオフに設定されると、テレビ150において映像と音声で携帯電話機100の着信を通知し、また、マナーモードがオンに設定されている場合にも、テレビ150の映像と音声で着信を通知するように設定される。
【0061】
さらに他の局面として、音声の出力先がヘッドホンであり映像の出力がないと設定されている場合には、マナーモードがオフであるとき、テレビ150において音声で着信を通知し、またマナーモードがオンであるときも、テレビ150で音声を用いて着信を通知するように設定される。
【0062】
[着信の報知]
図4を参照して、本発明の実施の形態に係る携帯電話機100とテレビ150との使用態様について説明する。図4は、テレビ150が着信を報知する態様を表わす図である。
【0063】
ある局面において、携帯電話機100は、HDMIケーブルを介してテレビ150に接続されている。また、テレビ150には、ヘッドホン400が接続されている。このような場合において、携帯電話機100が電話の着信を検知すると、携帯電話機100のCPU110は、着信を報知するメッセージをディスプレイ111に表示すると共に、着信を受けたことをテレビ150に報知する。
【0064】
テレビ150は、音声の出力先がヘッドホン400に設定されている場合には、携帯電話機100から受信した信号に基づき、着信を通知する音声(たとえば、発呼音または通知のためのメロディ音)をヘッドホン400に送信する。ヘッドホン400を使用してテレビ150を視聴しているユーザは、携帯電話機100の着信を知ることができる。また、他の局面において、テレビ150は、ディスプレイ161に、着信を通知するメッセージ420を表示し得る。
【0065】
[制御構造]
図5を参照して、他の局面における携帯電話機100とテレビ150との動作について説明する。図5は、携帯電話機100とテレビ150とが実行する一連の処理の一部を表わすシーケンスチャートである。
【0066】
ステップS510にて、携帯電話機100とテレビ150とは、HDMIケーブル190を介して互いに接続される。
【0067】
ステップS520にて、テレビ150のCPU160は、ヘッドホン400がヘッドホン端子165に挿入されたこと、あるいは、ヘッドホン400がヘッドホン端子165から抜かれたことを検知する。
【0068】
ステップS530にて、CPU160は、ステップS520における検知の結果に基づいて、テレビ150における音声出力の方法の変更を通知する。変更の内容は、たとえば音声の出力先がスピーカ164に変更されたか否か、あるいはヘッドホン端子165に接続されるヘッドホン400に音声が出力されるか否か、あるいは音声が出力されないかを含む。
【0069】
ステップS540にて、CPU160は、映像出力のデバイスがオフされたあるいはオンされたことを検知する。ここで、検知の内容は、たとえばテレビ150の電源がオフされたこと、オンされたことあるいは映像の入力ソースの切換によりディスプレイ161に映像が表示されなくなったことあるいはされるようになったことを含む。
【0070】
ステップS550にて、CPU160は、携帯電話機100に対して、映像出力の有無の変更を通知する。
【0071】
ステップS560にて、携帯電話機100のCPU110は、テレビ150から受信した信号に基づいて、音声出力の変更あるいは映像出力の変更の内容をメモリ113に格納する。
【0072】
以上のようにして、本実施の形態によると、携帯電話機100およびテレビ150は、それらの利用者の意図を反映させた報知を実現できる。
【0073】
たとえば、従来の技術のように、携帯電話機100がテレビ150に接続されている状態で、かつ、テレビ150の音声が、ヘッドホン400に出力されていたときに、携帯電話機100が着信を受けた場合には、特定の方法で着信は報知される。たとえば、携帯電話機100のスピーカ114、モータ117による振動機能、テレビ150のスピーカ164、ヘッドホン端子165に接続されるヘッドホン400のいずれかを用いて、着信が報知される。この場合、着信が、携帯電話機100のスピーカ114、あるいは、モータ117による振動機能にて報知された場合、利用者は、ヘッドホン400を装着している場合が多いため、携帯電話機100による報知に気づかない可能性がある。あるいは、携帯電話機100における着信が、テレビ150のスピーカ164を用いて報知された場合、スピーカ164が着信音を発すると、携帯電話機100の報知方法として、いわゆるマナーモード(音声を出力しないモード)が設定されていた場合、利用者の意図に反した報知が行なわれることになる。
【0074】
これに対して、本実施の形態に係る携帯電話機100およびテレビ150によると、携帯電話機100がテレビ150に接続された場合に、携帯電話機100は、テレビ150に問い合わせて、テレビ150における音声出力の方法、映像出力の有無を確認する。その後、携帯電話機100は、電話の着信やメールの受信を検知すると、確認の結果に応じて、当該着信や受信をテレビ150に報知させる。このようにすると、利用者の意図に沿った報知が実現される。
【0075】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、携帯電話機、スマートフォン、タブレットPCその他の通信機能を有する情報端末と、テレビ、モニタ装置、コンピュータ装置その他の通信機能を有する電子機器とに適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
100 携帯電話機、111,161 ディスプレイ、112,162 キー、113,163 メモリ、114,164 スピーカ、115 イヤーピース端子、116,166 外部接続端子、117 モータ、118 通信部、150 テレビ、165 ヘッドホン端子、167 受光部、168 チューナ、190 ケーブル、400 ヘッドホン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に接続可能な情報端末であって、
前記情報端末に対する入力操作を受け付けるための入力手段と、
前記電子機器に接続されて前記電子機器との間でデータを通信するためのインターフェイス手段と、
前記情報端末に対する所定の割り込みを報知するための報知手段と、
前記報知手段による報知を抑制するマナーモードが前記情報端末において設定されているか否かを示すマナーモード設定と、前記電子機器における音声出力の設定とに基づいて、前記情報端末に対する所定の割り込みに応じて、前記所定の割り込みによる報知の方法を切り替えるための制御手段とを備える、情報端末。
【請求項2】
前記電子機器における音声の出力先と、前記マナーモード設定と、に基づいて予め設定された報知の方法とを関連付けて格納するための記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記所定の割り込みを検知すると、前記報知の方法にしたがって、前記電子機器または前記情報端末に前記割り込みを通知させる、請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記電子機器が前記情報端末に接続されたことに基づいて、前記電子機器において設定されている音声の出力先を前記電子機器に問い合わせ、
前記問い合わせに対する前記電子機器による応答に基づいて、前記音声の出力先を前記記憶手段に格納し、
前記入力手段を介した入力操作に基づいて選択される通知の方法を、前記音声の出力先に関連付ける、請求項2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記インターフェイス手段は、前記電子機器における前記音声の出力先が変更されたことを示す信号を前記電子機器から受信し、
前記制御手段は、前記電子機器から前記信号を受信したことを検知すると、前記変更後の出力先について関連付けられた通知の方法にしたがって、前記電子機器または前記情報端末に前記割り込みを通知させる、請求項2に記載の情報端末。
【請求項5】
情報端末に接続可能な電子機器であって、
映像を表示するための表示手段と、
スピーカと、
音声をヘッドホンに出力するための端子と、
前記情報端末とデータを通信するためのインターフェイス手段と、
前記情報端末が前記電子機器に接続されていることに基づいて、前記電子機器における音声の出力先を示すデータを、前記情報端末に送信するための制御手段と、
前記情報端末から送られる命令に基づいて、前記情報端末に対する所定の割り込みを報知するための報知手段とを備える、電子機器。
【請求項6】
前記制御手段は、前記音声の出力先が変更されたことを検知すると、変更後の出力先を示すデータを、前記電子機器に送信する、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御手段は、前記電子機器において設定されている前記音声の出力先の問い合わせを前記情報端末から受信すると、前記音声の出力先を前記情報端末に返信する、請求項5または6に記載の電子機器。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載の情報端末と、請求項5〜7のいずれかに記載の電子機器とを備える、システム。
【請求項9】
電子機器に接続可能な情報端末を制御するためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記情報端末に、
前記情報端末に対する入力操作を受け付けるステップと、
前記電子機器との間でデータを通信するステップと、
報知を抑制するマナーモードが前記情報端末において設定されているか否かを示すマナーモード設定と、前記電子機器における音声出力の設定とに基づいて、前記情報端末に対する割り込みに応じて、前記割り込みの通知の方法を切り替えるステップとを実行させる、プログラム。
【請求項10】
情報端末に接続可能な電子機器を制御するためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記電子機器に、
前記情報端末とデータを通信するステップと、
前記情報端末が前記電子機器に接続されていることに基づいて、前記電子機器における音声の出力先を示すデータを、前記情報端末に送信するステップと、
前記情報端末から送られる命令に基づいて、前記情報端末に対する所定の割り込みを報知するステップとを実行させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−90081(P2013−90081A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227756(P2011−227756)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】