説明

外部接続端子実装部構造、携帯端末及び外部接触端子実装方法

【課題】補強実装された外部接続端子部からの軋み音(異音)を防止する外部接続端子実装部構造及びこれを備えた携帯端末、並びに外部接触端子実装方法を提供する。
【解決手段】コネクタが挿入される開口に鍔を備えた外部接続端子1と、コネクタ接続方向に作用する力に反して、外部接続端子1を鍔において支持するために、常態では外部接続端子1とは非接触状態で携帯端末筐体に設けられた間口リブ2とを有し、間口リブ2は、外力が作用した際に外部接続端子1と接する部分に、端末筐体に施される塗装4を排除した非塗装部5を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型・小型携帯端末において補強実装された外部接続端子部からの軋み音(異音)を防止する外部接続端子実装部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末において、外部接続端子の強度を確保するには、外部接続端子自体を樹脂との一体成形することが効果的であるが、外部接続端子を樹脂で一体成形すると、部品が大型化してしまうため、端末を薄型化・小型化することが困難である。
【0003】
一方、外部接続端子のボディ自体を板金のみで構成することによって薄型化・小型化を実現できる。しかし、このような構造では、強度が劣化する問題があり、劣化した外部接続端子の強度を補強するために、図7に示すように外部接続端子の間口や公報の近傍をリブ(間口リブ、後方リブ)で受ける構造は必要である。
【0004】
筐体外観部へは加飾工法として塗装を施すことが一般的であり、間口リブの部分にも同様に塗装が施されている。携帯端末を外部から外部接続端子付近に矢印方向へ荷重を負荷すると、外部接続端子と塗装を施された間口リブとが接触して擦れることによって、軋み音(異音)が発生することがあった。
【0005】
通信機器筐体の外部接続端子実装部の構造に関する発明として、特許文献1に開示される「通信機器筐体のコネクタ取り付け部構造」がある。
【特許文献1】特開2007−73269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯端末においては、外部接続端子には常にケーブルが接続される訳ではなく、頻繁に着脱が行われる。従って、外部接続端子は非使用時には筐体内に隠蔽可能であることが求められる。これに対し、特許文献1に開示される発明は、本体固定用の鍔を備えたコネクタの取り付けに関するものであり、コネクタは筐体の外に突出した構成となる。従って、特許文献1に記載の発明は、携帯端末に適用するのに適した構成ではない。
【0007】
このように、補強実装された外部接続端子部からの軋み音(異音)を防止する外部接続端子実装部構造及びこれを備えた携帯端末、並びに外部接触端子実装方法は提供されていなかった。
【0008】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、補強実装された外部接続端子部からの軋み音(異音)を防止する外部接続端子実装部構造及びこれを備えた携帯端末、並びに外部接触端子実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、コネクタが挿入される開口に鍔を備えた外部接続端子と、コネクタ接続方向に作用する力に反して、外部接続端子を鍔において支持するために、常態では外部接続端子とは非接触状態で携帯端末筐体に設けられたリブとを有し、リブは、外力が作用した際に外部接続端子と接する部分に、端末筐体に施される塗装を排除した非塗装部を備えることを特徴とする外部接続端子実装部構造を提供するものである。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、上記本発明の第1の態様にかかる外部接続端子実装部構造を備えた携帯端末を提供するものである。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、コネクタが挿入される開口に鍔を備えた外部接続端子を、コネクタ接続方向に作用する力に反して、鍔において支持するために、常態では外部接続端子とは非接触状態で携帯端末筐体にリブを設け、リブには、外力が作用した際に外部接続端子と接する部分に、端末筐体に施される塗装を排除した非塗装部を設けることを特徴とする外部接続端子実装方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、補強実装された外部接続端子部からの軋み音(異音)を防止する外部接続端子実装部構造及びこれを備えた携帯端末、並びに外部接触端子実装方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
〔第1の実施形態〕
本発明を好適に実施した第1の実施形態について説明する。
図1に、本発明を好適に実施した第1の実施形態に係る外部接続端子実装部構造を備えた携帯端末を示す。図1は、携帯電話網を介して通信する機能を備えた携帯電話端末に外部接続端子実装部構造を適用した例である。図1では、外部接続端子実装部構造は、携帯端末の側面に実装されている。
【0014】
図2に、本実施形態に係る外部接続端子実装部構造を示す。
本実施形態においては、軋み音が発生する箇所に、マスキングをしてから塗装4を施すことにより、非塗装部5を形成し、強度を確保しつつ異音を防止する。
【0015】
マスキングを施す箇所は、外部接続端子の接続作業を容易にするために開閉可能なカバー6が取り付けられており、部分的に塗装4が施されていない領域は通常使用時にはカバー6にて隠蔽されているため、携帯端末の外観上の美観に影響を及ぼすことはない。
【0016】
このように、外部接続端子実装部のリブに非塗装部を設けることで、強度を確保しつつ軋み音の発生を防止できる。
【0017】
〔第2の実施形態〕
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。図3に本実施形態に係る外部接続端子実装部構造の断面図を示す。また、図4に、本実施形態に係る外部接続端子実装部構造の斜視図を示す。図5に、本実施形態に係る外部端子実装部構造の斜視拡大図を示す。比較のために、第1の実施形態に係る外部接続端子実装部構造の斜視拡大図を図6に示す。本実施形態においては、塗装4を施す部分と施さない部分との境界に段差8が形成されている。
【0018】
段差8が存在することにより、塗装部と非塗装部との見切りが明確となり、外観上の美観を向上させることができる。
【0019】
なお、上記各実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることなく、様々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を好適に実施した第1の実施形態に係る外部接続端子実装部構造を備えた携帯端末の構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る外部接続端子実装部構造を示す図である。
【図3】本発明を好適に実施した第2の実施形態に係る外部接続端子実装部構造を示す図である。
【図4】第2の実施形態に係る外部接続端子実装部構造を備えた携帯端末の斜視図である。
【図5】第2の実施形態に係る外部接続端子実装部構造の斜視拡大図である。
【図6】第1の実施形態に係る外部接続端子実装部構造の斜視拡大図である。
【図7】本発明に関連する外部接続端子実装部構造を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1 外部接続端子
2 間口リブ
3 後方リブ
4 塗装
5 非塗装部
6 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタが挿入される開口に鍔を備えた外部接続端子と、
コネクタ接続方向に作用する力に反して、前記外部接続端子を前記鍔において支持するために、常態では前記外部接続端子とは非接触状態で携帯端末筐体に設けられたリブとを有し、
前記リブは、外力が作用した際に前記外部接続端子と接する部分に、前記端末筐体に施される塗装を排除した非塗装部を備えることを特徴とする外部接続端子実装部構造。
【請求項2】
リブは、前記塗装が施される部分と前記非塗装部との境界が段差となっていることを特徴とする外部接続端子実装部構造。
【請求項3】
前記前記リブの先端近傍に前記非塗装部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の外部接続端子実装部構造。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の外部接続端子実装部構造を備えた携帯端末。
【請求項5】
コネクタが挿入される開口に鍔を備えた外部接続端子を、コネクタ接続方向に作用する力に反して、前記鍔において支持するために、常態では前記外部接続端子とは非接触状態で携帯端末筐体にリブを設け、
前記リブには、外力が作用した際に前記外部接続端子と接する部分に、前記端末筐体に施される塗装を排除した非塗装部を設けることを特徴とする外部接続端子実装方法。
【請求項6】
前記非塗装部にマスキングを施し、前記端末筐体に塗装を施した後に前記マスキングを除去することを特徴とする請求項5記載の外部接続端子実装方法。
【請求項7】
前記リブの先端近傍に前記非塗装部を設けることを特徴とする請求項5又は6記載の外部接続端子実装方法。
【請求項8】
前記前記リブに設けられた段差を境界として、前記非塗装部を形成することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項記載の外部接続端子実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−97907(P2010−97907A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269903(P2008−269903)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】