多中継の直交周波数分割多重(OFDM)システムのリソース割当て方法および装置
多中継のOFDMシステムのリソース割当て方法および装置を開示する。上記方法は、次のステップを含む:実際のチャネル情報を取得するステップ。実際のチャネル情報の数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得するステップであって、このリソース割当てパラメータが、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを含み、数理最適化問題が、チャネル情報に基づいてエンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することによって、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定される問題である、ステップ。リソース割当てパラメータに従って信号を送信するステップ。上記の技術的解決法は、システム性能を最適化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワーク通信技術の分野に関し、詳細には、多中継の直交周波数分割多重システムにおけるリソース割当て技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおける中継ネットワークの基本形は、図1に示す通りである。
【0003】
図1に示す中継ネットワークは、送信元ノード(Source Node)と、中継ノード(Relay Node)と、宛先ノード(Destination Node)とを含む。送信元ノードから宛先ノードへの信号送信プロセスは、2つのタイムスロットで完結される。送信元ノードは第1のタイムスロットで、信号をブロードキャストする。中継ノードおよび宛先ノードは、送信元ノードによって送信された信号を監視する。送信元ノードからの信号が監視された後、中継ノードはまず信号を復号し、第2のタイムスロットで一定の電力を用いて復号された信号を宛先ノードに送信する。宛先ノードは、第1のタイムスロットと第2のタイムスロットでそれぞれ受信した信号を合わせて処理する。
【0004】
中継によるOrthogonal Frequency Division Multiplexing(直交周波数分割多重、OFDM)システムは、中継技術およびOFDM技術を採用する。
【0005】
中継によるOFDMシステムでは、既存のリソース割当て方法は主として次の2つのタイプを含む。
【0006】
方法1は、同じサブキャリアの原理に基づくリソース割当て方法であり、すなわち送信元ノードが中継ノードへ信号を送信するサブキャリアは、中継ノードが宛先ノードへ信号を送信するサブキャリアと同じものである。
【0007】
方法2は、サブキャリアエネルギーのペアリング原理(subcarrier energy pairing principle)に基づくリソース割当て方法であり、すなわち、前のホップで最も強いエネルギーを有するサブキャリアは、後のホップで最も強いエネルギーを有するサブキャリアとマッチングされ、前のホップで2番目に強いエネルギーを有するサブキャリアは、後のホップで2番目に強いエネルギーを有するサブキャリアとマッチングされ、残りも同じようにされることが可能である。
【0008】
本発明を実施する過程で、本発明者は、既存のリソース割当て方法に基づくシステムの性能は、さらに最適化できるということを見出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の諸実施形態は、システムの性能を最適化することができるリソース割当て方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、
実際のチャネル情報を取得するステップと、
実際のチャネル情報に基づき数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得するステップであって、前記リソース割当てパラメータは、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを含み、
前記数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することによって、またチャネル情報に基づいて、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定された数理最適化問題であり、
リソース割当てパラメータに従って信号を送信するステップと、
を含むことを特徴とするリソース割当て方法を提供する。
【0011】
本発明の一実施形態は、
実際のチャネル情報を取得するように構成された取得モジュールと、
実際のチャネル情報に基づいて数理的最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得するように構成されたリソース割当てモジュールであって、リソース割当てパラメータは、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを含み、
前記数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することによって、またチャネル情報に基づいて、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定された数理最適化問題であり、
リソース割当てパラメータに従って信号を送信するように構成された送信モジュールと
を含むことを特徴とするリソース割当て装置を提供する。
【0012】
前述の技術的解決法の説明から、数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することによって、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定され、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つが、数理的最適化問題を解くことによって取得され、信号は、エンドツーエンドの送信レートを改善するように、取得されたリソース割当てパラメータを使用することによって送信され、それによってシステムの性能を最適化することがわかる。
【0013】
本発明の諸実施形態による、または従来技術における技術的解決法をより明確に説明するために、諸実施形態または従来技術について述べるために必要とされる添付の図面について、以下に簡単に説明する。明らかに次の説明中の添付の図面は、本発明の一部の実施形態であるにすぎず、当業者は創造的な努力をせずに添付の図面により他の図面をさらに取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】無線通信システムにおける中継ネットワークの概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるリソース割当て方法のフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態によるリソース割当て方法が適用できる、中継ネットワークを含むOFDMシステムの概略図である。
【図4】本発明の第2の実施形態によるリソース割当て方法のフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施形態によるリソース割当て方法のフローチャートである。
【図6】本発明の第4の実施形態によるリソース割当て方法のフローチャートである。
【図7】本発明の第5の実施形態によるリソース割当て装置の概略図である。
【図7A】本発明の第5の実施形態によるリソース割当てモジュールの第1の概略構造図である。
【図7B】本発明の第5の実施形態によるリソース割当てモジュールの第2の概略構造図である。
【図7C】本発明の第5の実施形態によるリソース割当てモジュールの第3の概略構造図である。
【図8】シミュレーションプロセスにおける中継ノードの分布の概略図である。
【図9】シミュレーションを通して取得されたエンドツーエンドの送信レートの第1の概略比較図である。
【図10】シミュレーションを通して取得されたエンドツーエンドの送信レートの第2の概略比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明の実施形態における技術的解決法について、本発明の諸実施形態における添付の図面を参照して明確に、また十分に説明する。当然ながら、記載する実施形態は、本発明の諸実施形態の全部ではなく一部である。創造的な努力をすることなく本発明の諸実施形態に基づいて当業者によって取得される他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【0016】
実施形態1:リソース割当て方法。この方法のプロセスは、図2に示す通りである。
【0017】
図2において、S200:実際のチャネル情報を取得する。ここでは実際のチャネル情報は、各サブキャリアの等価チャネル利得とすることができる。
【0018】
実際のチャネル情報を取得するプロセスは、各サブキャリアのチャネル係数を取得すること、次いで、各サブキャリアのチャネル係数を使用することによって各サブキャリアの等価チャネル利得を計算することとすることができる。
【0019】
S210:実際のチャネル情報に基づいて、数理最適化問題(mathematical optimization problem)に従ってリソース割当てパラメータを取得する。ここではリソース割当てパラメータは、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを含む。ここでは数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することにより、またチャネル情報に基づいて、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定される数理最適化問題である。エンドツーエンドの送信レート最適化原理は、具体的にはエンドツーエンドの送信レート最大化原理とすることができる。次の実施形態では、エンドツーエンドの送信レート最適化原理が具体的にはエンドツーエンドの送信レート最大化原理であるということは、リソース割当て方法を説明するための一例とみなされる。
【0020】
実際のチャネル情報に基づく数理最適化問題は、取得された実際のチャネル情報が数理最適化問題に代入された後に取得される数理最適化問題である。S210において実際のチャネル情報に基づき数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得することは、実際のチャネル情報が代入された数理最適化問題を解くことである。数理最適化問題は、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定されるので、エンドツーエンドの送信レートを最大にするサブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを、解の結果から取得することができる。この実施形態では、前述の数理最適化問題を解くために双対関数の形を採用することができ、すなわち数理最適化問題は、双対関数の形に変換されて数式になり、変換後に得られる双対関数が解かれる。明らかながらこの実施形態では、数理最適化問題を解くために他の既存の方法を採用することもでき、数理最適化問題を解くための具体的な実施プロセスはこの実施形態では限定されない。
【0021】
S210における数理最適化問題の公式化は、次の式(1)で表すことができる:
【0022】
【数1】
【0023】
【数2】
【0024】
【数3】
【0025】
Psは送信元ノードの総送信電力であり、PR,kは中継ノードkの総送信電力である。
【0026】
前述のRi,i',kは、さらに次の式(2)で表すことができる:
【0027】
【数4】
【0028】
前述の式(2)では、pi,k,1は、送信元ノードから中継ノードkまでのサブキャリアiの電力であり、pi',k,2は、中継ノードkから宛先ノードまでのサブキャリアi'の電力であり、αi,3は、送信元ノードから宛先ノードまでのサブキャリアiの等価チャネル利得であり、αi,k,1は、送信元ノードから中継ノードkまでのサブキャリアiの等価チャネル利得であり、αi',k,2は、中継ノードkから宛先ノードまでのサブキャリアi'の等価チャネル利得である。さらに前述のαi,3は、
【0029】
【数5】
【0030】
のように表すことができる。前述のαi,k,1は、
【0031】
【数6】
【0032】
のように表すことができる。前述のαi',k,2は、
【0033】
【数7】
【0034】
のように表すことができる。hi,3は、送信元ノードから宛先ノードまでのサブキャリアiのチャネル係数であり、hi,k,1は、送信元ノードから中継ノードkまでのサブキャリアiのチャネル係数であり、hi',k,2は、中継ノードkから宛先ノードまでのサブキャリアi'のチャネル係数であり、
【0035】
【数8】
【0036】
は、宛先ノードの雑音分散であり、
【0037】
【数9】
【0038】
は、中継ノードkの雑音分散である。
【0039】
前述の式(2)から、pi,k,1およびpi',k,2について、Ri,i',kは同時に凹関数ではないと理解することができる。中継ノードは、通常、高信号対雑音比の領域では信号を増幅して転送するので、前述の式(2)は、次の式(3)に近似することが可能である:
【0040】
【数10】
【0041】
現在、既存の文書は、例え中継ノードが低信号対雑音比の領域で信号を増幅して転送しても、前述の式(3)を通して取得される送信レートは、基本的に最適容量、すなわち最大送信レートに非常に近くなることを証明している。このことから、この実施形態における数理最適化問題は、サブキャリアのペアリング、中継の選択、およびサブキャリアの電力割当てを合わせて最適化するための数理最適化問題であり、数理最適化問題の最適化目的は、各送信ノードの電力が別々に制限される環境下でエンドツーエンドの送信レートを最大化することを含むと理解することができる。
【0042】
前述の数理最適化問題が双対関数の形を採用することによって解かれる場合、前述の式(1)に記載する数理最適化問題を変換することによって取得される双対関数g(β)は次のようである:
【0043】
【数11】
【0044】
【数12】
【0045】
前述のラグランジュ関数は、詳細には次の式(5)のように表すことができる:
【0046】
【数13】
【0047】
ラグランジュ関数が前述の式(5)のように表される状況下では、前述の式(4)の双対関数g(β)は、次の式(6)に変換することができる:
【0048】
【数14】
【0049】
ここで、
【0050】
【数15】
【0051】
双対関数を解くプロセスは、双対関数の双対変数値を決定すること、次いで双対変数値について双対関数の最適なオリジナル変数を計算することとすることができる。取得された最適なオリジナル変数は、数理最適化問題を解いた結果である。ここでは、双対変数値は、最適双対変数値、すなわち最適双対変数とすることができ、初期双対変数値とすることも可能である。初期双対変数値は、双対変数を初期化するための値である。
【0052】
S210において実際のチャネル情報に基づき数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得する実行プロセスの第1の具体例は、次のようであることが可能である:まず、所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てが取得され、この実施形態における数理最適化問題は、サブキャリアの電力割当て、サブキャリアのペアリング、および中継の選択について設定されるので、2つの所与のリソース割当てパラメータの状況下で、数理最適化問題から第3のリソース割当てパラメータの最適値を取得することができ、次いで所与のサブキャリアのペアリングおよび前述の取得された最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適な中継の選択が取得され、その後、前述の取得された最適なサブキャリアの電力割当ておよび最適な中継の選択の状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングが取得され、例えば、最適なサブキャリアのペアリングは、ハンガリーのアルゴリズムを使用することによって取得される。前述の所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択は、初期化またはランダム割当てなどの方法を採用することによって設定することができる。所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の具体的な設定方法は、この実施形態では限定されない。
【0053】
この実施形態の数理最適化問題が双対関数の形で表される場合、前述の第1の具体例にある最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当ては、双対変数の現在の値における双対関数の最適なオリジナル変数である。双対変数の現在の値は、双対変数の初期値である可能性があり、最適双対変数である可能性もある。
【0054】
前述の第1の具体例における双対変数が双対変数の初期化された値である場合、前述の第1の具体例はさらに必要に応じて、前述の最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいて双対関数の双対変数が収束されるかどうかを判断することと、収束されない場合、双対変数を更新すること、例えば勾配アルゴリズムまたは劣勾配アルゴリズムに従って双対変数を更新することと、次いで、更新された双対変数に基づいて、双対変数が収束するまで、最適なサブキャリのアペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得することとを含む。すなわち、双対変数が収束すると判断されるとき、現在取得される最適なオリジナル変数(すなわち、最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当て)は、数理最適化問題の解である。収束した双対変数は、双対関数の最適双対変数である。
【0055】
さらに、双対変数が収束していると判断した後、前述の第1の具体例はさらに必要に応じて、最適な中継の選択および最適なサブキャリアのペアリングによって、最適なサブキャリア電力割当てを変更することを含むことができる。すなわち、第1の具体例の最適なオリジナル変数の計算プロセス中に双対ギャップ(duality gap)が無視される場合、最適双対変数における双対関数の最適なオリジナル変数が取得された後、最適なサブキャリアの電力割当てのオリジナル変数は、計算済み最適なオリジナル変数の中にある最適な中継の選択オリジナル変数および最適なサブキャリアのペアリングのオリジナル変数を使用することによって修正することができ、サブキャリア電力割当てがより正確になることを保証する。
【0056】
前述の第1の具体例の複雑さは、ホップにおけるサブキャリアの数および中継ノードの数の多項式である。
【0057】
S210において実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得する実行プロセスの第2の具体例は、次のようであることが可能である:まず、サブキャリアの電力が等しく割り当てられ、サブキャリアのペアリングが行われることがわかっている状況下では、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適な中継の選択が取得される。等しいサブキャリアの電力割当てとは、送信ノードに対して、各サブキャリアの電力が同じということである。この実施形態における数理最適化問題は、サブキャリアの電力割当て、サブキャリアのペアリング、および中継の選択の3つについて設定されるので、サブキャリアの電力が等しく割り当てられ、1つのリソース割当てパラメータが与えられることがわかっている状況下では、第3のリソース割当てパラメータの最適値を、数理最適化問題から取得することができる。その後、等しいサブキャリアの電力割当ておよび最適な中継の選択の状況下では、最適なサブキャリアのペアリングを、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から取得することができる。前述の所与のサブキャリアのペアリングは、初期化またはランダム割当てなどの方法を採用することによって設定することができる。所与のサブキャリアのペアリングの具体的な設定方法は、この実施形態では限定されない。
【0058】
この実施形態の数理最適化問題が双対関数の形で表される場合、前述の第2の具体例の中の最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および等しいサブキャリアの電力割当ては、双対変数の現在の値についての双対関数の最適なオリジナル変数である。双対変数の現在の値は、双対変数の初期値である可能性がある。
【0059】
前述の第2の具体例は、実際には事前に設定された等しいサブキャリアの電力割当てに基づいて中継の選択およびサブキャリアのペアリングを合わせて最適化することになる。双対変数の反復プロセスは前述の第2の具体例では行われないことが可能であるので、第2の具体例の複雑さは第1の具体例の複雑さよりもはるかに低下する。
【0060】
S210において実際のチャネル情報に基づき数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得する実行プロセスの第3の具体例は、以下のようである可能性がある:まず、基地のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で、実際のチャネル情報に基づき数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得する。この実施形態の数理最適化問題は、サブキャリアの電力割当て、サブキャリアのペアリング、および中継の選択の3つについて設定されるので、既知のサブキャリアのペアリングおよび1つの所与のリソース割当てパラメータの状況下では、数理最適化問題から第3のリソース割当てパラメータの最適値を取得することができる。その後、既知のサブキャリアのペアリングおよび最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適な中継の選択を取得することができる。前述の所与の中継の選択は、初期化またはランダム割当てなどの方法を採用することによって設定することができる。所与の中継の選択の具体的な設定方法は、この実施形態では限定されない。
【0061】
この実施形態の数理最適化問題が双対関数の形で表される場合、前述の第3の例における最適な中継の選択および最適なサブキャリア電力割当ては、双対変数の現在の値における双対関数の最適なオリジナル変数である。双対変数の現在の値は、双対変数の初期値である場合があり、また最適双対変数である場合もある。
【0062】
前述の第3の具体例における双対変数が、双対変数の初期値である場合、前述の第3の具体例はさらに必要に応じて、既知のサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリア電力割当てに基づいて双対関数の双対変数が収束するかどうかを判断することと、収束しない場合、双対変数を更新する、例えば勾配アルゴリズムもしくは劣勾配アルゴリズムに従って双対変数を更新することと、次いで、更新された双対変数に基づいて、双対変数が収束するまで、最適な中継の選択および最適なサブキャリア電力割当てを再取得することとを含むことができる。すなわち、双対変数が収束すると判断されるとき、現在取得される最適変数(すなわち、最適な中継の選択および最適なサブキャリア電力割当て)が、数理最適化問題の解である。収束した双対変数は、双対関数の最適双対変数である。
【0063】
また、双対変数が収束すると判断された後に、前述の第3の具体例は、さらに必要に応じて、最適な中継の選択および既知のサブキャリアのペアリングを使用することによって、最適なサブキャリア電力割当てを変更することを含むことができる。すなわち、最適双対変数における双対関数の最適なオリジナル変数が取得された後に、第3の具体例の最適なオリジナル変数の計算プロセスの間、双対ギャップが無視される場合、計算された最適なオリジナル変数の中の最適な中継の選択オリジナル変数および既知のサブキャリアのペアリングのオリジナル変数を使用することによって、最適なサブキャリアの電力割当てのオリジナル変数を修正することができ、サブキャリア電力割当てがより正確になることを保証する。
【0064】
前述の第3の具体例は、実際には事前に設定された固定サブキャリアのペアリングに基づいて中継の選択およびサブキャリアの電力割当てを合わせて最適化している。前述の第3の具体例ではオリジナル変数のサブキャリアのペアリングはわかっているので、サブキャリアのペアリングを取得するプロセスが省かれる。したがって、第3の具体例の複雑さは、第1の具体例の複雑さよりもわずかに低下する。
【0065】
S220:数理最適化問題の解の結果を得た後、この解の結果を使用することによって信号を送信する。例えば信号は、最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに従って送信され、別の例では信号は、最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および等しいサブキャリアの電力割当てに従って送信され、別の例では信号は、既知のサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに従って送信される。
【0066】
S220では、解によって取得されるリソース割当てパラメータを使用することによって、および既存の信号送信動作に基づいて、信号送信が実行されることが可能であり、リソース割当てパラメータを使用することによる信号送信の具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0067】
前述の第1の実施形態の実行対象は、送信元ノードであることが可能であり、中継ノードであることも可能である。
【0068】
実施形態2:リソース割当て方法。この方法が適用できるOFDMシステムは、図3に示す通りであり、このOFDMシステムは、中継ネットワークを含む。この方法のプロセスは、図4に示す通りである。
【0069】
図3は、2ホップの多中継協調のOFDMシステムを示し、このOFDMシステムは、増幅転送(amplify-and-forward、AF)プロトコルに基づいている。このOFDMシステムは、送信元ノードSと、K個の中継ノードすなわちR1からRKと、宛先ノードDとを含んでいる。送信元ノードSは、K個の中継ノードを介して宛先ノードDとOFDMによる通信を行う。
【0070】
図3では、送信元ノードSとK個の中継ノードとの間にK本のチャネルが存在する。送信元ノードSと宛先ノードDとの間にチャネルが存在する。K個の中継ノードと宛先ノードDとの間にK本のチャネルが存在する。したがって図3には、(2K+1)本のチャネルが含まれる。(2K+1)本のチャネルの帯域幅は同じものに設定することができ、各チャネルは独立した周波数選択性フェージングを受ける。各チャネルは、N個の並列直交サブキャリアに論理的に分割され、各サブキャリアが一様フェージング(flat fading)を受ける。送信元ノードSから各中継ノードへのサブキャリアは、第1のホップのサブキャリアであり、各中継ノードから宛先ノードへのサブキャリアは、第2のホップのサブキャリアである。
【0071】
図3の各中継ノードは、半二重モードで動作し、AFプロトコルを採用する。送信元ノードSと宛先ノードDとの間の通信は、いくつかのフレームに分割され、各フレームはいくつかのOFDMシンボルによって形成され、さらに各フレームは2つのタイムスロットに分割される。第1のタイムスロットでは、送信元ノードSはすべてのサブキャリアで信号を送信する。宛先ノードDおよびすべての中継ノードは、チャネルを監視する。第2のタイムスロットでは、各中継ノードが各サブキャリアから受信される監視した信号を増幅し、増幅した信号を宛先ノードDへ転送する。例えば、中継ノードKは、第1のホップのサブキャリアiで、送信元ノードSによって送信された信号を受信する。中継ノードKはこの信号を増幅し、増幅した信号を第2のタイムスロットにおいて第2のホップのサブキャリアi'で宛先ノードDへ送信する。ここでは第1のホップのサブキャリアiと第2のホップのサブキャリアi'は同じものとすることができ、異なる場合もある。第1のホップのサブキャリアiおよび第2のホップのサブキャリアi'は、サブキャリアのペアリング(i, i')を形成する。中継ノード間の干渉を避けるために、各サブキャリアのペアリングは、1つの中継ノードにのみ割り当てることができるが、複数のサブキャリアのペアリングを1つの中継ノードに割り当てることができる。1つの中継ノードしか存在しない極端な場合には、すべてのサブキャリアのペアリングがこの中継ノードに割り当てられる。各フレームの最後では、宛先ノードは2つのタイムスロットで受信した信号を組み合せ、送信元ノードSによって送信されたフレームを取得するために最適な検出を行う。
【0072】
図3に示すように、中継ノードR1に割り当てられたサブキャリアのペアリングは、(第1のホップのサブキャリア2,第2のホップのサブキャリア1)および(第1のホップのサブキャリア3,第2のホップのサブキャリア6)であり、中継ノードR2に割り当てられたサブキャリアのペアリングは、(第1のホップのサブキャリア5,第2のホップのサブキャリア7)であり、中継ノードRkに割り当てられたサブキャリアのペアリングは、(第1のホップのサブキャリア1,第2のホップのサブキャリア8)、(第1のホップのサブキャリア4,第2のホップのサブキャリア4)、および(第1のホップのサブキャリア7,第2のホップのサブキャリア3)であり、中継ノードRKに割り当てられたサブキャリアのペアリングは、(第1のホップのサブキャリア6,第2のホップのサブキャリア5)、および(第1のホップのサブキャリア9,第2のホップのサブキャリア2)である。
【0073】
図4では、S400:実際のチャネル情報を取得する、すなわちすべてのサブキャリアのチャネル情報を取得する。
【0074】
S400において取得されるチャネル情報は、各サブキャリアの等価チャネル利得であり、各サブキャリアの等価チャネル利得は、チャネル係数の計算によって得られる。各サブキャリアの等価チャネル利得は、送信元ノードSと中継ノードkとの間のサブキャリアiの等価チャネル利得、すなわち第1のホップのサブキャリアiの等価チャネル利得αi,k,1と、中継ノードkと宛先ノードDとの間のサブキャリアiの等価チャネル利得、すなわち第2のホップのサブキャリアiの等価チャネル利得αi,k,2と、送信元ノードSと宛先ノードDとの間でいかなる中継ノードもなく直接接続されるサブキャリアiの等価チャネル利得αi,3とを含むことができる。
【0075】
前述の等価チャネル利得は、
【0076】
【数16】
【0077】
、
【0078】
【数17】
【0079】
および
【0080】
【数18】
【0081】
のように定義することができる。hi,k,1は、中継ノードkの第1のホップのサブキャリアiのチャネル係数であり、hi,k,2は、中継ノードkの第2のホップのサブキャリアiのチャネル係数であり、hi,3は、送信元ノードSと宛先ノードDとの間いかなる中継ノードもなく直接接続されたサブキャリアiのチャネル係数である。i∈{1,…,N}、ここでNは送信元ノードからすべての中継ノードまでのサブキャリアの数である。
【0082】
【数19】
【0083】
は、k番目の中継ノードの雑音分散であり、
【0084】
【数20】
【0085】
は、宛先ノードの雑音分散である。k∈{1,…,K}、ここでKは中継ノードの数である。
【0086】
S400における双対関数は、数理最適化問題に従って取得され、数理最適化問題は、送信元ノードと宛先ノードとの間の送信レートを最大にするためのサブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングの設定方法に関して記述される。
【0087】
前述の数理最適化問題の制約は、中継の選択の制約、サブキャリアのペアリングの制約、送信元ノード電力の制約、および中継ノード電力の制約を含む。中継の選択の制約は、1対のサブキャリアは1つの中継ノードにのみ割り当て可能であることである。サブキャリアのペアリングの制約は、1つの第1のホップのサブキャリアは、1つの第2のホップのサブキャリアとのみペアになることができることである。送信元ノード電力の制約は、すべての第1のホップのサブキャリアの送信電力の合計が、送信元ノードの総送信電力を超えないことである。中継ノード電力の制約は、すべての第2のホップのサブキャリアの送信電力の合計が、中継ノードの総送信電力を超えないことである。
【0088】
数理最適化問題の制約が式によって表される場合、数理最適化問題の制約は、次の式(7)から式(10)によって表すことができる:
中継の選択の制約:
【0089】
【数21】
【0090】
Kは、中継ノードの数であり、ti,i',k∈{0,1}、およびti,i',kは2値変数とすることができ、ti,i',k = 1は、サブキャリアのペアリング(i,i')が中継ノードkに割り当てられることを示し、ti,i',k = 0は、サブキャリアのペアリング(i,i')が中継ノードkに割り当てられないことを示す。
サブキャリアのペアリングの制約:
【0091】
【数22】
【0092】
Nは第1のホップのサブキャリアの数であり、第2のホップのサブキャリアの数でもあり、ρi,i'∈{0,1}、およびρi,i'は2値変数とすることができ、ρi,i' = 1は、第1のホップのサブキャリアiが第2のホップのサブキャリアi'と対にされることを示し、ρi,i' = 0は、第1のホップのサブキャリアiが第2のホップのサブキャリアi'と対にされないことを示す。
送信元ノードの電力の制約:
【0093】
【数23】
【0094】
Nは中継ノードkの第1のホップのサブキャリアの数であり、Kは中継ノードの数であり、pi,k,1は中継ノードkへ送信元ノードによってサブキャリアiを送信するための電力であり、Psは送信元ノードの総送信電力である。
中継ノードの電力の制約:
【0095】
【数24】
【0096】
Nは中継ノードkの第2のホップのサブキャリアの数であり、中継ノードkの第1のホップのサブキャリアの数は、中継ノードkの第2のホップのサブキャリアの数と同じであり、pi',k,2は、第1のホップのサブキャリアiと対にされた第2のホップのサブキャリアi'を送信元ノードによって中継ノードkへ送信するための電力であり、Psは、送信元ノードの総送信電力である。
【0097】
【数25】
【0098】
【数26】
【0099】
S400において双対関数を表すための式は、前述の式(4)、式(5)、および式(6)に示す通りとすることができ、ここでは繰り返して説明しない。
【0100】
この実施形態における双対関数の双対最適化問題は、次のように表すことができる:
【0101】
【数27】
【0102】
【数28】
【0103】
S410:双対変数βを初期化する、すなわち双対変数βの初期値を設定する。双対変数βの初期値として、事前に設定されたデフォルト値を使用することができる。あるいは、双対変数βの初期値は、ランダムに生成することができる。双対変数βを初期化するための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0104】
S420:所与の双対変数における最適なオリジナル変数t*、p*、およびρ*を計算し、t*、p*、およびρ*に基づく双対関数を取得する。所与の双対変数は、双対変数の現在の値である。
【0105】
S420の具体的な実行プロセスは、以下を含む:
【0106】
1. 所与のサブキャリアのペアリングのオリジナル変数および所与の中継の選択のオリジナル変数について、サブキャリア電力割当てのオリジナル変数を最適化する。所与のサブキャリアのペアリングのオリジナル変数および所与の中継の選択のオリジナル変数は、初期化またはランダム割当てのような方法を採用することによって設定することができる。
【0107】
サブキャリアのペアリング(i,i')は、中継ノードkに割り当てられる、すなわちρi,i' = 1、およびti,i',k = 1と設定される。この場合、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数は、次の式(11)を解くことによって取得することができる:
max Li,i',k
s.t. pi,k,1≧0, p i',k,2≧0 式(11)
【0108】
前述の式(11)から、Li,i',kは(pi,k,1,p i',k,2)に関する凸関数であることを理解することができる。KKTを割り当てることによって取得される最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数は、次の式(12)および式(13)に示す通りである:
【0109】
【数29】
【0110】
【数30】
【0111】
前述の式(12)および式(13)中のci,i',kは、次の式(14)に示す通りである:
【0112】
【数31】
【0113】
2. 所与のサブキャリアのペアリングのオリジナル変数については、中継の選択のオリジナル変数を最適化する。
【0114】
前述の式(12)および式(13)が式(6)のLi,i',kに代入されて、式(15)が得られる:
【0115】
【数32】
【0116】
式(15)では、Hi,i',kは次の2つのタイプの定義を有することができる。
【0117】
a. 信号送信が中継ノードを使用することなく送信元ノードSと宛先ノードDとの間で直接行われる状況下では、Hi,i',kは、次の式(16)に示す通りである:
【0118】
【数33】
【0119】
a. 信号協調送信が送信元ノードSと宛先ノードDとの間で中継ノードを使用することによって行われる状況下では、Hi,i',kは次の式(17)に示す通りである:
【0120】
【数34】
【0121】
【数35】
【0122】
所与のサブキャリアのペアリング(i,i')が、サブキャリアのペアリングの制約、すなわちρi,i' = 1を満たすと仮定する。選択された最適な中継ノードは、Hi,i',kを最大にすべきであることを式(15)から理解することができる。すなわち、中継の選択の最適なオリジナル変数は、式(16)および式(17)が最大値を取得できるようにすべきであり、これは式(18)で表すことができる:
【0123】
【数36】
【0124】
式(16)または式(17)において定義されたHi,i',kは、中継の選択の最適基準であることを、これから知ることができる。Hi,i',kを最大にする複数の中継ノードが存在するとき、サブキャリアのペアリング(i,i')のために複数の中継ノードから1つの中継ノードをランダムに選択することができる。
【0125】
3. サブキャリアのペアリングのオリジナル変数を最適化する。
【0126】
次の式(19)は、式(18)を式(15)に代入することによって取得され、次の式(19)はg(β)の閉じた式である:
【0127】
【数37】
【0128】
先の式(19)では、
【0129】
【数38】
【0130】
であり、ここでDはρの範囲である。
【0131】
N×Nの利益行列(profit matrix)
【0132】
【数39】
【0133】
が定義される。集合Dにおける式(19)を最大にするために、この利益行列の各行および各列から、総利益をできるだけ大きくするように要素が選択される。明らかにこれは標準線形割当て問題であり、標準線形割当て問題は、ハンガリーのアルゴリズム(Hungarian algorithm)を使用することによって解くことができる。すなわち式(19)は、最適なサブキャリアのペアリングのオリジナル変数を取得するように、ハンガリーのアルゴリズムを使用することによって解くことができる。
【0134】
π(i)(i = 1,…,N)が、第2のホップのサブキャリアにあって、第1のホップのサブキャリアiと対にされるサブキャリアのラベルを示すように設定される場合、最適なサブキャリアのペアリングのオリジナル変数は、次の式(20)で示す通りとすることができる:
【0135】
【数40】
【0136】
【数41】
【0137】
S430:現在の双対変数が、最適なオリジナル変数に基づいて前述の取得された双対関数により、また勾配アルゴリズムもしくは劣勾配アルゴリズムを使用することによって、収束されるかどうかを判断し、判断の結果、現在の双対変数が収束されるという場合はS440に進み、収束されないという場合はS450に進む。
【0138】
この実施形態において双対変数が収束されるかどうかを判断するのに、既存の多くの収束判断法を採用することができる。現在の双対変数が収束されるかどうかを判断する具体的な判断プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0139】
S440:最適なサブキャリアのペアリングのオリジナル変数および最適な中継の選択のオリジナル変数を使用することによって、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を修正する。その後、最適なサブキャリアのペアリングのオリジナル変数、最適な中継の選択オリジナル変数、および修正された最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を使用して信号を送信する。
【0140】
サブキャリアの数が限定される状況下では、双対ギャップをおよそゼロとみなすことができない。したがって、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数は不正確である可能性があり、修正される必要がある。最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数
【0141】
【数42】
【0142】
は、t*(β*)およびρ*(β*)を使用することによって更新することができ、更新された最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数
【0143】
【数43】
【0144】
は、数理最適化問題にあるサブキャリア電力の制約および送信元ノード電力の制約を満たす。最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を修正する具体例は、サブキャリア電力割当てのみを考慮に入れる既存のリソース割当て方法を使用することによって、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を修正することである。
【0145】
サブキャリアの数Nが十分に大きいとき、双対ギャップは徐々に小さくなり、修正されることのない最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数は、基本的に最適解とみなすことができる。サブキャリアの数Nが十分に大きいとき、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数が修正される場合、修正された最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数の数式は、基本的に前述の式(12)および式(13)と同じものであることを証明することは難しくない。
【0146】
S450:双対関数の劣勾配を計算し、計算結果を使用することによって現在の所与の双対変数を更新する。S420に進む。
【0147】
双対変数の劣勾配は、勾配アルゴリズムまたは劣勾配アルゴリズムを使用することによって計算することができる。双対変数の劣勾配を計算するための具体的な実行方法は、この実施形態では限定されない。
【0148】
双対変数を更新する複雑さは、Kの多項式、すなわちKαであり、サブキャリアのペアリングの最適なオリジナル変数を取得する複雑さは、O(N3)である。したがって、第2の実施形態の全体的な複雑さは、O(N3Kα)である。
【0149】
実施形態3:リソース割当て方法。この方法は、各サブキャリアに割り当てられる電力が等しい状況下のリソース割当て方法、すなわち、等しいサブキャリアの電力割当てに基づくリソース割当て方法である。この方法のプロセスは、図5に示す通りである。
【0150】
図5では、S500:実際のチャネル情報を取得する、すなわち、すべてのサブキャリアのチャネル情報を取得する。
【0151】
S500において取得されるチャネル情報は、各サブキャリアの等価チャネル利得であり、各サブキャリアの等価チャネル利得は、チャネル係数の計算を通して取得される。各サブキャリアの等価チャネル利得は、送信元ノードSと中継ノードkとの間のサブキャリアiの等価チャネル利得、すなわち第1のホップのサブキャリアiの等価チャネル利得αi,k,1と、中継ノードkと宛先ノードDとの間のサブキャリアiの等価チャネル利得、すなわち第2のホップのサブキャリアiの等価チャネル利得αi,k,2と、送信元ノードSと宛先ノードDとの間でいかなる中継ノードもなく直接接続されるサブキャリアiの等価チャネル利得αi,3とを含むことができる。
【0152】
この実施形態では、すべての送信ノード(すなわち送信元ノードおよび各中継ノード)が同じ独立した電力制限、すなわちPs = PR,k = P,∀kに従うことができる。
【0153】
S510:双対変数βを初期化する、すなわち双対変数βの初期値を設定する。双対変数βの初期値として、事前に設定されたデフォルト値を使用することができる。あるいは、双対変数βの初期値は、ランダムに生成することができる。双対変数βを初期化するための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0154】
S520:所与の双対変数における最適なオリジナル変数t*およびp*を計算する。所与の双対変数は、双対変数の現在の値である。その後、最適なオリジナル変数t*およびp*およびサブキャリアの電力割当ての平均値を使用することによって、信号が送信される。
【0155】
S520の具体的な実行プロセスは、所与のサブキャリアのペアリングのオリジナル変数およびサブキャリア電力割当ての、計算されて取得された平均値に対して中継の選択を最適化することを含む。サブキャリア電力割当ての、計算されて取得された平均値は、次の式(21)に示す通りである:
【0156】
【数44】
【0157】
【数45】
【0158】
双対変数については収束判断が行われる必要がなく、さらに双対変数の現在の値は、更新される必要がない。第3の実施形態の複雑さは、O(N3)である。
【0159】
実施形態4:リソース割当て方法。この方法は、各サブキャリアのペアリングがわかっている状況下のリソース割当て方法、すなわち、事前に設定された固定サブキャリアのペアリングに基づくリソース割当て方法である。この方法のプロセスは、図6に示す通りである。
【0160】
図6では、S600:実際のチャネル情報を取得する、すなわち、すべてのサブキャリアのチャネル情報を取得する。
【0161】
S600において取得されるチャネル情報は、各サブキャリアの等価チャネル利得であり、各サブキャリアの等価チャネル利得は、チャネル係数の計算を通して取得される。各サブキャリアの等価チャネル利得は、送信元ノードSと中継ノードkとの間のサブキャリアiの等価チャネル利得、すなわち第1のホップのサブキャリアiの等価チャネル利得αi,k,1と、中継ノードkと宛先ノードDとの間のサブキャリアiの等価チャネル利得、すなわち第2のホップのサブキャリアiの等価チャネル利得αi,k,2と、送信元ノードSと宛先ノードDとの間でいかなる中継ノードもなく直接接続されるサブキャリアiの等価チャネル利得αi,3とを含むことができる。
【0162】
事前に設定された固定サブキャリアのペアリング方式は、π(i) = i,∀iであり、すなわち、サブキャリアで送信元ノードによって送信される信号は、同じサブキャリアで中継ノードによって宛先ノードへ転送されることが設定される。
【0163】
S610:双対変数βを初期化する、すなわち双対変数βの初期値を設定する。双対変数βの初期値として、事前に設定されたデフォルト値を使用することができる。あるいは、双対変数βの初期値は、ランダムに生成することができる。双対変数βを初期化するための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0164】
S620:所与の双対変数における最適なオリジナル変数t*、およびp*を計算し、t*、p*、およびπ(i) = i,∀iに基づく双対関数を取得する。所与の双対変数は、双対変数の現在の値である。
【0165】
S620の具体的な実行プロセスは、以下を含む:
【0166】
1. π(i) = i,∀iおよび所与の中継の選択のオリジナル変数については、サブキャリア電力割当てを最適化する、すなわち最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を取得する。
【0167】
π(i) = i,∀iが中継ノードkに割り当てられる、すなわちρi,i = 1およびti,i,k = 1である。この場合、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数は、
max Li,i',k
s.t. pi,k,1≧0、pi,k,2≧0
を解くことによって取得することができる。
【0168】
2. π(i) = i,∀iについて、中継の選択を最適化する、すなわち最適な中継の選択のオリジナル変数を取得する。
【0169】
前述の最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数およびπ(i) = i,∀iは、式(6)のLi,i',kに代入され、代入後に式(6)に基づいて最適な中継の選択のオリジナル変数
【0170】
【数46】
【0171】
が計算される。中継ノード選択のアルゴリズムは、k(i,i) = arg maxk Hi,i',k,∀iとして表すことができる。
【0172】
π(i) = i,∀iおよび最適なオリジナル変数
【0173】
【数47】
【0174】
を式(6)に代入することによって、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数、最適な中継の選択のオリジナル変数、および所与のサブキャリアのペアリングに基づく双対関数を取得することができる。
【0175】
S630:最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数、最適な中継の選択のオリジナル変数、および所与のサブキャリアのペアリングに基づく前述の取得された双対関数に従って、現在の所与の双対変数が勾配アルゴリズムまたは劣勾配アルゴリズムを使用することによって収束されるかどうかを判断し、判断の結果、現在の所与の双対変数が収束されるという場合、S640に進み、収束されないという場合はS650に進む。
【0176】
この実施形態では、多くの既存の収束判断法を採用して、双対変数が収束されるかどうかを判断することができる。現在の所与の双対変数が収束されるかどうかを判断する具体的な判断プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0177】
S640:π(i) = i,∀iおよび最適な中継の選択のオリジナル変数を使用することによって、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を修正する。最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を修正するための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。その後、π(i) = i,∀i、最適な中継の選択のオリジナル変数、および修正された最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を使用することによって、信号が送信される。
【0178】
S650:双対関数の劣勾配を計算し、計算結果を使用することによって現在の所与の双対変数を更新する。S620に進む。
【0179】
双対変数の劣勾配は、勾配アルゴリズムまたは劣勾配アルゴリズムを使用することによって計算することができる。双対変数の劣勾配を計算するための具体的な実行方法は、この実施形態では限定されない。
【0180】
第4の実施形態において双対変数を更新するためにはKαのステップが必要とされ、各ステップにおける中継の選択および電力割当ての複雑さは、O(NK)である。したがって、第4の実施形態の総合的な複雑さは、O(NKα+1)である。
【0181】
実施形態5:リソース割当て装置この装置の構造は、図7に示す通りである。図7のリソース割当て装置は、多中継直交周波数分割多重システムにおける送信元ノードとすることができ、多中継直交周波数分割多重システムにおける中継ノードとすることもできる。図7の装置は、取得モジュール(obtaining module)700と、リソース割当てモジュール710と、送信モジュール720とを含む。
【0182】
取得モジュール700は、実際のチャネル情報を取得するように構成される。ここでは実際のチャネル取得情報は、各サブキャリアの等価チャネル利得とすることができる。
【0183】
取得モジュール700によって実際のチャネル情報を取得する具体例は、まず取得モジュール700によって各サブキャリアのチャネル係数を取得すること、次いで取得モジュール700によって、各サブキャリアのチャネル係数を使用することにより各サブキャリアの等価チャネル利得を計算することである場合がある。
【0184】
リソース割当てモジュール710は、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得するように構成される。ここでは、リソース割当てパラメータは、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、および副搬送波のペアリングのうちの少なくとも2つを含む。ここでは数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することにより、またチャネル情報に基づいて、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定される数理最適化問題である。エンドツーエンドの送信レート最適化原理は、具体的にはエンドツーエンドの送信レート最大化原理である。次の実施形態では、エンドツーエンドの送信レート最適化原理が具体的にはエンドツーエンドの送信レート最大化原理であるということは、主としてリソース割当て装置を説明するための一例とみなされる。
【0185】
数理最適化問題は、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定されるので、リソース割当てモジュール710は、解の結果からエンドツーエンドの送信レートを最大にするサブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを取得することができる。
【0186】
リソース割当てモジュール710は、双対関数の形式を採用することによって前述の数理最適化問題を解くことができ、また他の方法を採用することによって数理最適化問題を解くこともできる。リソース割当てモジュール710は、数理最適化問題を格納することができ、また数理最適化問題から変換された双対関数を格納することもできる。リソース割当てモジュール710によって数理最適化問題を解くための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。この実施形態における数理最適化問題、双対関数などは、前述の第1の実施形態から第4の実施形態で説明した通りであり、ここでは繰り返して詳細に説明しない。
【0187】
リソース割当てモジュール710によって双対関数を解く具体的な例は、まず、リソース割当てモジュール710によって双対関数の双対変数の値を決定すること、次いでリソース割当てモジュール710によってこの双対変数について双対関数の最適なオリジナル変数を計算することである場合がある。リソース割当てモジュール710によって取得される最適なオリジナル変数は、数理最適化問題を解いた結果である。ここでは、双対変数の値は、双対変数の最適値、すなわち最適双対変数とすることができ、双対変数の初期値とすることも可能である。双対変数の初期値は、双対変数を初期化するための値である。
【0188】
最適なオリジナル変数を取得した後、リソース割当てモジュール710は、最適なオリジナル変数により信号を送信することができる。
【0189】
リソース割当てモジュール710の構造の具体例は、図7Aに示す通りである。図7Aにおけるリソース割当てモジュール710は、第1の割当てサブモジュール711と、第2の割当てサブモジュール712と、第3の割当てサブモジュール713とを含む。必要に応じて、リソース割当て装置は、第1の収束モジュールおよび第1の修正モジュールのうちのいずれか1つまたは2つをさらに含むことができる。
【0190】
第1の割当てサブモジュール711は、所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得するように構成される。第1の割当てサブモジュール711は、初期化またはランダム割当てなどの方法を採用することによって、所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択を設定することができる。第1の割当てサブモジュール711によって所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択を設定するための具体的な方法は、この実施形態では限定されない。
【0191】
第2の割当てサブモジュール712は、所与のサブキャリアのペアリングおよび第1の割当てサブモジュール711によって取得される最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するように構成される。
【0192】
第3の割当てサブモジュール713は、第1の割当てサブモジュール711および第2の割当てサブモジュール712によって取得される最適な中継の選択の状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングを取得するように構成される。
【0193】
数理最適化問題が双対関数の形で表されるとき、第1の割当てサブモジュール711、第2の割当てサブモジュール712、および第3の割当てサブモジュール713によって取得される最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てが、双対変数の現在の値における双対関数の最適なオリジナル変数である。双対変数の現在の値は、双対変数の初期値である場合があり、また最適双対変数である場合もある。
【0194】
双対変数の初期化された値を使用することによって、第1の割当てサブモジュール711、第2の割当てサブモジュール712、および第3の割当てサブモジュール713が最適なオリジナル変数を取得した後に、リソース割当て装置の中の第1の収束モジュールは、前述の最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいて双対関数における双対変数が収束されるかどうかを判断する必要があり、収束されない場合、第1の収束モジュールは双対変数を更新する。例えば、第1の収束モジュールは、勾配アルゴリズムまたは劣勾配アルゴリズムにより双対変数を更新し、次いで第1の割当てサブモジュール711、第2の割当てサブモジュール712、および第3の割当てサブモジュール713は、第1の収束モジュールが、双対変数が収束されると判断するまで、更新された双対変数に基づいて、最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得する。すなわち、第1の収束モジュールが、双対変数が収束されると判断するとき、第1の割当てサブモジュール711、第2の割当てサブモジュール712、および第3の割当てサブモジュール713によって現在取得される最適なオリジナル変数は、数理最適化問題の解である。収束した双対変数は、双対関数の最適双対変数である。
【0195】
さらに第1の収束モジュールが、双対変数が収束される判断した後に、リソース割当て装置の中の第1の修正モジュールが、最適なサブキャリアのペアリングおよび最適な中継の選択を使用することによって最適なサブキャリアの電力割当てを変更することができ、したがって、サブキャリアの電力割当てがより正確になる。第1の割当てサブモジュール711、第2の割当てサブモジュール712、第3の割当てサブモジュール713、第1の収束モジュール、および第1の修正モジュールによる操作を行うための具体例は、前述の第2の実施形態で説明した通りであり、ここでは繰り返して説明しない。
【0196】
リソース割当てモジュール710の構造の第2の具体例は、図7Bに示す通りである。図7Bにおけるリソース割当てモジュール710は、第4の割当てサブモジュール714および第5の割当てサブモジュール715を含む。
【0197】
第4の割当てサブモジュール714は、所与のサブキャリアのペアリングおよび等しいサブキャリアの電力割当ての状況下で実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適な中継の選択を得るように構成される。等しいサブキャリアの電力割当ては、送信ノードについて、各サブキャリアの電力が同じということである。第4の割当てサブモジュール714は、初期化またはランダム割当てなどの方法を採用することによって、所与のサブキャリアのペアリングを設定することができる。第4の割当てサブモジュール714によって、所与のサブキャリアのペアリングを設定するための具体的な実行方法は、この実施形態では限定されない。
【0198】
数理最適化問題が双対関数の形で表されるとき、第4の割当てサブモジュール714は、双対変数βをさらに初期化する。第4の割当てサブモジュール714は、双対変数βの初期値として、事前に設定されたデフォルト値を使用することができ、また双対変数βの初期値をランダムに生成することもできる。第4の割当てサブモジュール714によって、双対変数βを初期化するための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0199】
第5の割当てサブモジュール715は、第4の割当てサブモジュール714によって取得される等しいサブキャリアの電力割当ておよび最適な中継の選択の状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングを取得するように構成される。
【0200】
数理最適化問題が双対関数の形で表されるとき、第4の割当てサブモジュール714および第5の割当てサブモジュール715によって取得される最適な中継の選択および最適なサブキャリアのペアリングは、双対変数βの初期化された値に基づいて取得することができる。第4の割当てサブモジュール714および第5の割当てサブモジュール715によって操作を行うための具体例は、前述の第3の実施形態で説明する通りであり、ここでは繰り返して説明しない。
【0201】
リソース割当てモジュール710の構造の第3の具体例は、図7Cに示す通りである。図7Cにおけるリソース割当てモジュール710は、第6の割当てサブモジュール716および第7の割当てサブモジュール717を含む。必要に応じて、リソース割当て装置は、第2の収束モジュールおよび第2の修正モジュールのうちのいずれか1つまたは2つをさらに含むことができる。
【0202】
第6の割当てサブモジュール716は、既知のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得するように構成される。第6の割当てサブモジュール716は、初期化またはランダム割当てなどの方法を採用することによって、所与の中継の選択を設定することができる。第6の割当てサブモジュール716によって、所与の中継の選択を設定するための具体的な実行方法は、この実施形態では限定されない。
【0203】
第7の割当てサブモジュール717は、既知のサブキャリアのペアリングおよび第6の割当てサブモジュールによって取得される最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するように構成される。
【0204】
数理最適化問題が双対関数の形で表されるとき、第6の割当てサブモジュール716および第7の割当てサブモジュール717によって取得される最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てが、双対変数の現在の値における双対関数の最適なオリジナル変数である。双対変数の現在の値は、双対変数の初期値である場合があり、また最適双対変数である場合もある。
【0205】
双対変数の初期化された値を使用することによって、第6の割当てサブモジュール716および第7の割当てサブモジュール717が最適なオリジナル変数を取得した後に、リソース割当て装置の中の第2の収束モジュールは、前述の既知のサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいて双対関数の双対変数が収束されるかどうかを判断する必要があり、収束されない場合、第2の収束モジュールは双対変数を更新する。例えば、第2の収束モジュールは、勾配アルゴリズムまたは劣勾配アルゴリズムにより双対変数を更新し、次いで第6の割当てサブモジュール716および第7の割当てサブモジュール717は、第2の収束モジュールが、双対変数が収束されると判断するまで、更新された双対変数に基づいて、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得する。すなわち、第2の収束モジュールが、双対変数が収束されると判断するとき、第6の割当てサブモジュール716および第7の割当てサブモジュール717によって現在取得される最適なオリジナル変数が、数理最適化問題の解である。収束した双対変数は、双対関数の最適双対変数である。
【0206】
さらに、第2の収束モジュールが、双対変数が収束されると判断した後に、リソース割当て装置の中の第2の修正モジュールが、既知のサブキャリアのペアリングおよび最適な中継の選択を使用することによって最適なサブキャリアの電力割当てを変更することができ、したがってサブキャリアの電力割当てはさらに正確になる。第6の割当てサブモジュール716、第7の割当てサブモジュール717、第2の収束モジュール、および第2の修正モジュールによって操作を行うための具体例は、前述の第4の実施形態で説明する通りであり、ここでは繰り返して説明しない。
【0207】
送信モジュール720は、リソース割当てモジュール710によって取得されるリソース割当てパラメータに従って信号を送信するように構成される。送信モジュール720は、前述のリソース割当てパラメータを使用すること、および既存の信号送信操作を採用することによって信号送信を実行することができる。送信モジュール720によって信号を送信するための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0208】
本発明の諸実施形態におけるシステム性能について、シミュレーション結果を参照して次に説明する。
【0209】
AFによる2ホップのOFDMシステムが、送信元ノードと、宛先ノードと、4つの中継ノードとを含み、すなわちK = 4であって、4つの中継ノードの宛先は、図8に示す通りであるように設定される。図8の4つの中継ノードは、正方形領域にランダムに分布している。チャネルモデルとして、中心周波数1.9GHzを有するStanford University Interim (SUI)チャネルモデルが採用される。各送信ノードが同じ独立した電力制限を有し、雑音電力が1に正規化されると仮定する。チャネルの総帯域幅は、1MHzで固定される。伝搬路損失係数(path loss factor)は3.5であり、影(shadow)の影響を考慮に入れないように設定される。サブキャリアの数は16であり、すなわちN = 16であり、すべてのサブキャリアが一様フェージングを受ける。
【0210】
比較基準を設けるために、OFDMシンボルによる中継の選択(例えば、全チャネル帯域幅で平均チャネル利得を最大にすることができる中継ノードを選択する)の基準方式(reference scheme)のシステム性能を図示している。基準方式は、以下のことを含む:(1)各中継ノードについて、チャネル利得に従って各ホップでそれぞれサブキャリアを配列すること、(2)2つのトップで配列に従って1つずつサブキャリアをペアリングすること。このような配列およびペアリング方法が単一中継システムでは最適であることを既存の文書が証明している。また電力割当てが等しいという仮定の下で各中継に対応する総送信レートを計算すること、および(3)送信レートを最大にすることができる中継ノードを選択し、各サブキャリアのペアに最適な電力割当てを行うこと。
【0211】
送信ノードの様々な送信電力において、100種類の任意の中継ノードの分布の平均的システム性能は、図9に示す通りである。
【0212】
図9では、横座標は送信ノードの送信電力であり、縦座標はエンドツーエンドの送信レートの平均値である。ブロック付きの曲線は、本発明の第2の実施形態のシステム性能の曲線である。三角形付きの曲線は、本発明の第3の実施形態のシステム性能の曲線である。縦棒付きの曲線は、本発明の第4の実施形態のシステム性能の曲線である。五芒星形付きの曲線は、OFDMシンボルに基づく中継の選択基準方式のシステム性能の曲線である。図9に示す曲線から、本発明の第2の実施形態におけるシステム性能、第3の実施形態におけるシステム性能、および第4の実施形態におけるシステム性能は、基準方式におけるシステム性能よりも明らかに優れていることを知ることができる。特に、各ノードの電力が20dBWであるとき、本発明の第2の実施形態のエンドツーエンドの周波数スペクトル効率は、約40%改善される可能性がある。本発明の第3の実施形態および第4の実施形態のシステム性能を第2の実施形態のシステム性能と比較することから、前述の第3の実施形態および第4の実施形態により、電力損失がわずか1dB未満になることを知ることができる。
【0213】
また図9に示すシステム性能の曲線から、高信号対雑音比の領域では、本発明の第3の実施形態におけるシステム性能は、本発明の第4の実施形態におけるシステム性能よりもわずかに優れていることを知ることができる。
【0214】
ネットワークにおける4つの中継ノードは、送信元ノードと宛先ノードとの間の接続回線上に分布された中継ノードのクラスタを形成する。中継クラスタの半径は、送信元ノードと宛先ノードとの間の距離未満の距離である。図10の横座標の変数dは、送信元ノードと中継との間の距離対送信元ノードと宛先ノードとの間の距離の比を示す。縦座標は、エンドツーエンドの送信レートの平均値である。中継ノードの位置が変わると変化するエンドツーエンドの平均送信レートは、図10に示す通りである。
【0215】
図10では、ブロック付きの曲線が、本発明の第2の実施形態のシステム性能の曲線である。三角形付きの曲線は、本発明の第3の実施形態のシステム性能の曲線である。縦棒付きの曲線は、本発明の第4の実施形態のシステム性能の曲線である。五芒星形付きの曲線は、OFDMシンボルに基づく中継の選択基準方式のシステム性能の曲線である。ブロック付きの曲線から、本発明の第2の実施形態について、d = 0.3であるとき、システム送信レートが最大となり、基準方式におけるエンドツーエンドの送信レートよりも70%高くなることを理解することができる。
【0216】
また図10に示す曲線から、d≧0.3のとき、本発明の第3の実施形態におけるエンドツーエンドの送信レートは本発明の第4の実施形態におけるエンドツーエンドの送信レートよりも優れていることを理解することができる。
【0217】
上記の実施形態の説明を通して、本発明は、必要なハードウェアプラットフォームを加えたソフトウェアによって実行でき、またハードウェアによっても実行できるが、多くの場合は前者が好ましい実行方法であることを、当業者は明らかに理解することができる。このような理解に基づいて、従来の技術に貢献する本発明の技術的解決法の一部または全部を、ソフトウェア製品の形で取り入れることができる。ソフトウェア製品を使用して、前述の方法のプロセスを行うことができる。コンピュータソフトウェア製品は、例えばROM/RAM、磁気ディスク、もしくは光ディスクなどの可読記憶媒体に格納することができ、コンピュータデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスなど)に、本発明の諸実施形態または諸実施形態のある部分で説明する方法を実行するよう命令するために使用されるいくつかの命令を含む。
【0218】
諸実施形態を通して本発明を説明しているが、本発明の趣旨を逸脱することのない本発明の多くの変形形態および変更形態が、本発明の出願文書の特許請求の範囲に含まれるべきであることを当業者には理解されたい。
【符号の説明】
【0219】
700 取得モジュール
710 リソース割当てモジュール
711 第1の割当てサブモジュール
712 第2の割当てサブモジュール
713 第3の割当てサブモジュール
714 第4の割当てサブモジュール
715 第5の割当てサブモジュール
716 第6の割当てサブモジュール
717 第7の割当てサブモジュール
720 送信モジュール
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワーク通信技術の分野に関し、詳細には、多中継の直交周波数分割多重システムにおけるリソース割当て技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおける中継ネットワークの基本形は、図1に示す通りである。
【0003】
図1に示す中継ネットワークは、送信元ノード(Source Node)と、中継ノード(Relay Node)と、宛先ノード(Destination Node)とを含む。送信元ノードから宛先ノードへの信号送信プロセスは、2つのタイムスロットで完結される。送信元ノードは第1のタイムスロットで、信号をブロードキャストする。中継ノードおよび宛先ノードは、送信元ノードによって送信された信号を監視する。送信元ノードからの信号が監視された後、中継ノードはまず信号を復号し、第2のタイムスロットで一定の電力を用いて復号された信号を宛先ノードに送信する。宛先ノードは、第1のタイムスロットと第2のタイムスロットでそれぞれ受信した信号を合わせて処理する。
【0004】
中継によるOrthogonal Frequency Division Multiplexing(直交周波数分割多重、OFDM)システムは、中継技術およびOFDM技術を採用する。
【0005】
中継によるOFDMシステムでは、既存のリソース割当て方法は主として次の2つのタイプを含む。
【0006】
方法1は、同じサブキャリアの原理に基づくリソース割当て方法であり、すなわち送信元ノードが中継ノードへ信号を送信するサブキャリアは、中継ノードが宛先ノードへ信号を送信するサブキャリアと同じものである。
【0007】
方法2は、サブキャリアエネルギーのペアリング原理(subcarrier energy pairing principle)に基づくリソース割当て方法であり、すなわち、前のホップで最も強いエネルギーを有するサブキャリアは、後のホップで最も強いエネルギーを有するサブキャリアとマッチングされ、前のホップで2番目に強いエネルギーを有するサブキャリアは、後のホップで2番目に強いエネルギーを有するサブキャリアとマッチングされ、残りも同じようにされることが可能である。
【0008】
本発明を実施する過程で、本発明者は、既存のリソース割当て方法に基づくシステムの性能は、さらに最適化できるということを見出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の諸実施形態は、システムの性能を最適化することができるリソース割当て方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、
実際のチャネル情報を取得するステップと、
実際のチャネル情報に基づき数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得するステップであって、前記リソース割当てパラメータは、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを含み、
前記数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することによって、またチャネル情報に基づいて、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定された数理最適化問題であり、
リソース割当てパラメータに従って信号を送信するステップと、
を含むことを特徴とするリソース割当て方法を提供する。
【0011】
本発明の一実施形態は、
実際のチャネル情報を取得するように構成された取得モジュールと、
実際のチャネル情報に基づいて数理的最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得するように構成されたリソース割当てモジュールであって、リソース割当てパラメータは、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを含み、
前記数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することによって、またチャネル情報に基づいて、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定された数理最適化問題であり、
リソース割当てパラメータに従って信号を送信するように構成された送信モジュールと
を含むことを特徴とするリソース割当て装置を提供する。
【0012】
前述の技術的解決法の説明から、数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することによって、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定され、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つが、数理的最適化問題を解くことによって取得され、信号は、エンドツーエンドの送信レートを改善するように、取得されたリソース割当てパラメータを使用することによって送信され、それによってシステムの性能を最適化することがわかる。
【0013】
本発明の諸実施形態による、または従来技術における技術的解決法をより明確に説明するために、諸実施形態または従来技術について述べるために必要とされる添付の図面について、以下に簡単に説明する。明らかに次の説明中の添付の図面は、本発明の一部の実施形態であるにすぎず、当業者は創造的な努力をせずに添付の図面により他の図面をさらに取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】無線通信システムにおける中継ネットワークの概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるリソース割当て方法のフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態によるリソース割当て方法が適用できる、中継ネットワークを含むOFDMシステムの概略図である。
【図4】本発明の第2の実施形態によるリソース割当て方法のフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施形態によるリソース割当て方法のフローチャートである。
【図6】本発明の第4の実施形態によるリソース割当て方法のフローチャートである。
【図7】本発明の第5の実施形態によるリソース割当て装置の概略図である。
【図7A】本発明の第5の実施形態によるリソース割当てモジュールの第1の概略構造図である。
【図7B】本発明の第5の実施形態によるリソース割当てモジュールの第2の概略構造図である。
【図7C】本発明の第5の実施形態によるリソース割当てモジュールの第3の概略構造図である。
【図8】シミュレーションプロセスにおける中継ノードの分布の概略図である。
【図9】シミュレーションを通して取得されたエンドツーエンドの送信レートの第1の概略比較図である。
【図10】シミュレーションを通して取得されたエンドツーエンドの送信レートの第2の概略比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明の実施形態における技術的解決法について、本発明の諸実施形態における添付の図面を参照して明確に、また十分に説明する。当然ながら、記載する実施形態は、本発明の諸実施形態の全部ではなく一部である。創造的な努力をすることなく本発明の諸実施形態に基づいて当業者によって取得される他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【0016】
実施形態1:リソース割当て方法。この方法のプロセスは、図2に示す通りである。
【0017】
図2において、S200:実際のチャネル情報を取得する。ここでは実際のチャネル情報は、各サブキャリアの等価チャネル利得とすることができる。
【0018】
実際のチャネル情報を取得するプロセスは、各サブキャリアのチャネル係数を取得すること、次いで、各サブキャリアのチャネル係数を使用することによって各サブキャリアの等価チャネル利得を計算することとすることができる。
【0019】
S210:実際のチャネル情報に基づいて、数理最適化問題(mathematical optimization problem)に従ってリソース割当てパラメータを取得する。ここではリソース割当てパラメータは、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを含む。ここでは数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することにより、またチャネル情報に基づいて、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定される数理最適化問題である。エンドツーエンドの送信レート最適化原理は、具体的にはエンドツーエンドの送信レート最大化原理とすることができる。次の実施形態では、エンドツーエンドの送信レート最適化原理が具体的にはエンドツーエンドの送信レート最大化原理であるということは、リソース割当て方法を説明するための一例とみなされる。
【0020】
実際のチャネル情報に基づく数理最適化問題は、取得された実際のチャネル情報が数理最適化問題に代入された後に取得される数理最適化問題である。S210において実際のチャネル情報に基づき数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得することは、実際のチャネル情報が代入された数理最適化問題を解くことである。数理最適化問題は、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定されるので、エンドツーエンドの送信レートを最大にするサブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを、解の結果から取得することができる。この実施形態では、前述の数理最適化問題を解くために双対関数の形を採用することができ、すなわち数理最適化問題は、双対関数の形に変換されて数式になり、変換後に得られる双対関数が解かれる。明らかながらこの実施形態では、数理最適化問題を解くために他の既存の方法を採用することもでき、数理最適化問題を解くための具体的な実施プロセスはこの実施形態では限定されない。
【0021】
S210における数理最適化問題の公式化は、次の式(1)で表すことができる:
【0022】
【数1】
【0023】
【数2】
【0024】
【数3】
【0025】
Psは送信元ノードの総送信電力であり、PR,kは中継ノードkの総送信電力である。
【0026】
前述のRi,i',kは、さらに次の式(2)で表すことができる:
【0027】
【数4】
【0028】
前述の式(2)では、pi,k,1は、送信元ノードから中継ノードkまでのサブキャリアiの電力であり、pi',k,2は、中継ノードkから宛先ノードまでのサブキャリアi'の電力であり、αi,3は、送信元ノードから宛先ノードまでのサブキャリアiの等価チャネル利得であり、αi,k,1は、送信元ノードから中継ノードkまでのサブキャリアiの等価チャネル利得であり、αi',k,2は、中継ノードkから宛先ノードまでのサブキャリアi'の等価チャネル利得である。さらに前述のαi,3は、
【0029】
【数5】
【0030】
のように表すことができる。前述のαi,k,1は、
【0031】
【数6】
【0032】
のように表すことができる。前述のαi',k,2は、
【0033】
【数7】
【0034】
のように表すことができる。hi,3は、送信元ノードから宛先ノードまでのサブキャリアiのチャネル係数であり、hi,k,1は、送信元ノードから中継ノードkまでのサブキャリアiのチャネル係数であり、hi',k,2は、中継ノードkから宛先ノードまでのサブキャリアi'のチャネル係数であり、
【0035】
【数8】
【0036】
は、宛先ノードの雑音分散であり、
【0037】
【数9】
【0038】
は、中継ノードkの雑音分散である。
【0039】
前述の式(2)から、pi,k,1およびpi',k,2について、Ri,i',kは同時に凹関数ではないと理解することができる。中継ノードは、通常、高信号対雑音比の領域では信号を増幅して転送するので、前述の式(2)は、次の式(3)に近似することが可能である:
【0040】
【数10】
【0041】
現在、既存の文書は、例え中継ノードが低信号対雑音比の領域で信号を増幅して転送しても、前述の式(3)を通して取得される送信レートは、基本的に最適容量、すなわち最大送信レートに非常に近くなることを証明している。このことから、この実施形態における数理最適化問題は、サブキャリアのペアリング、中継の選択、およびサブキャリアの電力割当てを合わせて最適化するための数理最適化問題であり、数理最適化問題の最適化目的は、各送信ノードの電力が別々に制限される環境下でエンドツーエンドの送信レートを最大化することを含むと理解することができる。
【0042】
前述の数理最適化問題が双対関数の形を採用することによって解かれる場合、前述の式(1)に記載する数理最適化問題を変換することによって取得される双対関数g(β)は次のようである:
【0043】
【数11】
【0044】
【数12】
【0045】
前述のラグランジュ関数は、詳細には次の式(5)のように表すことができる:
【0046】
【数13】
【0047】
ラグランジュ関数が前述の式(5)のように表される状況下では、前述の式(4)の双対関数g(β)は、次の式(6)に変換することができる:
【0048】
【数14】
【0049】
ここで、
【0050】
【数15】
【0051】
双対関数を解くプロセスは、双対関数の双対変数値を決定すること、次いで双対変数値について双対関数の最適なオリジナル変数を計算することとすることができる。取得された最適なオリジナル変数は、数理最適化問題を解いた結果である。ここでは、双対変数値は、最適双対変数値、すなわち最適双対変数とすることができ、初期双対変数値とすることも可能である。初期双対変数値は、双対変数を初期化するための値である。
【0052】
S210において実際のチャネル情報に基づき数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得する実行プロセスの第1の具体例は、次のようであることが可能である:まず、所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てが取得され、この実施形態における数理最適化問題は、サブキャリアの電力割当て、サブキャリアのペアリング、および中継の選択について設定されるので、2つの所与のリソース割当てパラメータの状況下で、数理最適化問題から第3のリソース割当てパラメータの最適値を取得することができ、次いで所与のサブキャリアのペアリングおよび前述の取得された最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適な中継の選択が取得され、その後、前述の取得された最適なサブキャリアの電力割当ておよび最適な中継の選択の状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングが取得され、例えば、最適なサブキャリアのペアリングは、ハンガリーのアルゴリズムを使用することによって取得される。前述の所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択は、初期化またはランダム割当てなどの方法を採用することによって設定することができる。所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の具体的な設定方法は、この実施形態では限定されない。
【0053】
この実施形態の数理最適化問題が双対関数の形で表される場合、前述の第1の具体例にある最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当ては、双対変数の現在の値における双対関数の最適なオリジナル変数である。双対変数の現在の値は、双対変数の初期値である可能性があり、最適双対変数である可能性もある。
【0054】
前述の第1の具体例における双対変数が双対変数の初期化された値である場合、前述の第1の具体例はさらに必要に応じて、前述の最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいて双対関数の双対変数が収束されるかどうかを判断することと、収束されない場合、双対変数を更新すること、例えば勾配アルゴリズムまたは劣勾配アルゴリズムに従って双対変数を更新することと、次いで、更新された双対変数に基づいて、双対変数が収束するまで、最適なサブキャリのアペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得することとを含む。すなわち、双対変数が収束すると判断されるとき、現在取得される最適なオリジナル変数(すなわち、最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当て)は、数理最適化問題の解である。収束した双対変数は、双対関数の最適双対変数である。
【0055】
さらに、双対変数が収束していると判断した後、前述の第1の具体例はさらに必要に応じて、最適な中継の選択および最適なサブキャリアのペアリングによって、最適なサブキャリア電力割当てを変更することを含むことができる。すなわち、第1の具体例の最適なオリジナル変数の計算プロセス中に双対ギャップ(duality gap)が無視される場合、最適双対変数における双対関数の最適なオリジナル変数が取得された後、最適なサブキャリアの電力割当てのオリジナル変数は、計算済み最適なオリジナル変数の中にある最適な中継の選択オリジナル変数および最適なサブキャリアのペアリングのオリジナル変数を使用することによって修正することができ、サブキャリア電力割当てがより正確になることを保証する。
【0056】
前述の第1の具体例の複雑さは、ホップにおけるサブキャリアの数および中継ノードの数の多項式である。
【0057】
S210において実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得する実行プロセスの第2の具体例は、次のようであることが可能である:まず、サブキャリアの電力が等しく割り当てられ、サブキャリアのペアリングが行われることがわかっている状況下では、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適な中継の選択が取得される。等しいサブキャリアの電力割当てとは、送信ノードに対して、各サブキャリアの電力が同じということである。この実施形態における数理最適化問題は、サブキャリアの電力割当て、サブキャリアのペアリング、および中継の選択の3つについて設定されるので、サブキャリアの電力が等しく割り当てられ、1つのリソース割当てパラメータが与えられることがわかっている状況下では、第3のリソース割当てパラメータの最適値を、数理最適化問題から取得することができる。その後、等しいサブキャリアの電力割当ておよび最適な中継の選択の状況下では、最適なサブキャリアのペアリングを、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から取得することができる。前述の所与のサブキャリアのペアリングは、初期化またはランダム割当てなどの方法を採用することによって設定することができる。所与のサブキャリアのペアリングの具体的な設定方法は、この実施形態では限定されない。
【0058】
この実施形態の数理最適化問題が双対関数の形で表される場合、前述の第2の具体例の中の最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および等しいサブキャリアの電力割当ては、双対変数の現在の値についての双対関数の最適なオリジナル変数である。双対変数の現在の値は、双対変数の初期値である可能性がある。
【0059】
前述の第2の具体例は、実際には事前に設定された等しいサブキャリアの電力割当てに基づいて中継の選択およびサブキャリアのペアリングを合わせて最適化することになる。双対変数の反復プロセスは前述の第2の具体例では行われないことが可能であるので、第2の具体例の複雑さは第1の具体例の複雑さよりもはるかに低下する。
【0060】
S210において実際のチャネル情報に基づき数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得する実行プロセスの第3の具体例は、以下のようである可能性がある:まず、基地のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で、実際のチャネル情報に基づき数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得する。この実施形態の数理最適化問題は、サブキャリアの電力割当て、サブキャリアのペアリング、および中継の選択の3つについて設定されるので、既知のサブキャリアのペアリングおよび1つの所与のリソース割当てパラメータの状況下では、数理最適化問題から第3のリソース割当てパラメータの最適値を取得することができる。その後、既知のサブキャリアのペアリングおよび最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適な中継の選択を取得することができる。前述の所与の中継の選択は、初期化またはランダム割当てなどの方法を採用することによって設定することができる。所与の中継の選択の具体的な設定方法は、この実施形態では限定されない。
【0061】
この実施形態の数理最適化問題が双対関数の形で表される場合、前述の第3の例における最適な中継の選択および最適なサブキャリア電力割当ては、双対変数の現在の値における双対関数の最適なオリジナル変数である。双対変数の現在の値は、双対変数の初期値である場合があり、また最適双対変数である場合もある。
【0062】
前述の第3の具体例における双対変数が、双対変数の初期値である場合、前述の第3の具体例はさらに必要に応じて、既知のサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリア電力割当てに基づいて双対関数の双対変数が収束するかどうかを判断することと、収束しない場合、双対変数を更新する、例えば勾配アルゴリズムもしくは劣勾配アルゴリズムに従って双対変数を更新することと、次いで、更新された双対変数に基づいて、双対変数が収束するまで、最適な中継の選択および最適なサブキャリア電力割当てを再取得することとを含むことができる。すなわち、双対変数が収束すると判断されるとき、現在取得される最適変数(すなわち、最適な中継の選択および最適なサブキャリア電力割当て)が、数理最適化問題の解である。収束した双対変数は、双対関数の最適双対変数である。
【0063】
また、双対変数が収束すると判断された後に、前述の第3の具体例は、さらに必要に応じて、最適な中継の選択および既知のサブキャリアのペアリングを使用することによって、最適なサブキャリア電力割当てを変更することを含むことができる。すなわち、最適双対変数における双対関数の最適なオリジナル変数が取得された後に、第3の具体例の最適なオリジナル変数の計算プロセスの間、双対ギャップが無視される場合、計算された最適なオリジナル変数の中の最適な中継の選択オリジナル変数および既知のサブキャリアのペアリングのオリジナル変数を使用することによって、最適なサブキャリアの電力割当てのオリジナル変数を修正することができ、サブキャリア電力割当てがより正確になることを保証する。
【0064】
前述の第3の具体例は、実際には事前に設定された固定サブキャリアのペアリングに基づいて中継の選択およびサブキャリアの電力割当てを合わせて最適化している。前述の第3の具体例ではオリジナル変数のサブキャリアのペアリングはわかっているので、サブキャリアのペアリングを取得するプロセスが省かれる。したがって、第3の具体例の複雑さは、第1の具体例の複雑さよりもわずかに低下する。
【0065】
S220:数理最適化問題の解の結果を得た後、この解の結果を使用することによって信号を送信する。例えば信号は、最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに従って送信され、別の例では信号は、最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および等しいサブキャリアの電力割当てに従って送信され、別の例では信号は、既知のサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに従って送信される。
【0066】
S220では、解によって取得されるリソース割当てパラメータを使用することによって、および既存の信号送信動作に基づいて、信号送信が実行されることが可能であり、リソース割当てパラメータを使用することによる信号送信の具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0067】
前述の第1の実施形態の実行対象は、送信元ノードであることが可能であり、中継ノードであることも可能である。
【0068】
実施形態2:リソース割当て方法。この方法が適用できるOFDMシステムは、図3に示す通りであり、このOFDMシステムは、中継ネットワークを含む。この方法のプロセスは、図4に示す通りである。
【0069】
図3は、2ホップの多中継協調のOFDMシステムを示し、このOFDMシステムは、増幅転送(amplify-and-forward、AF)プロトコルに基づいている。このOFDMシステムは、送信元ノードSと、K個の中継ノードすなわちR1からRKと、宛先ノードDとを含んでいる。送信元ノードSは、K個の中継ノードを介して宛先ノードDとOFDMによる通信を行う。
【0070】
図3では、送信元ノードSとK個の中継ノードとの間にK本のチャネルが存在する。送信元ノードSと宛先ノードDとの間にチャネルが存在する。K個の中継ノードと宛先ノードDとの間にK本のチャネルが存在する。したがって図3には、(2K+1)本のチャネルが含まれる。(2K+1)本のチャネルの帯域幅は同じものに設定することができ、各チャネルは独立した周波数選択性フェージングを受ける。各チャネルは、N個の並列直交サブキャリアに論理的に分割され、各サブキャリアが一様フェージング(flat fading)を受ける。送信元ノードSから各中継ノードへのサブキャリアは、第1のホップのサブキャリアであり、各中継ノードから宛先ノードへのサブキャリアは、第2のホップのサブキャリアである。
【0071】
図3の各中継ノードは、半二重モードで動作し、AFプロトコルを採用する。送信元ノードSと宛先ノードDとの間の通信は、いくつかのフレームに分割され、各フレームはいくつかのOFDMシンボルによって形成され、さらに各フレームは2つのタイムスロットに分割される。第1のタイムスロットでは、送信元ノードSはすべてのサブキャリアで信号を送信する。宛先ノードDおよびすべての中継ノードは、チャネルを監視する。第2のタイムスロットでは、各中継ノードが各サブキャリアから受信される監視した信号を増幅し、増幅した信号を宛先ノードDへ転送する。例えば、中継ノードKは、第1のホップのサブキャリアiで、送信元ノードSによって送信された信号を受信する。中継ノードKはこの信号を増幅し、増幅した信号を第2のタイムスロットにおいて第2のホップのサブキャリアi'で宛先ノードDへ送信する。ここでは第1のホップのサブキャリアiと第2のホップのサブキャリアi'は同じものとすることができ、異なる場合もある。第1のホップのサブキャリアiおよび第2のホップのサブキャリアi'は、サブキャリアのペアリング(i, i')を形成する。中継ノード間の干渉を避けるために、各サブキャリアのペアリングは、1つの中継ノードにのみ割り当てることができるが、複数のサブキャリアのペアリングを1つの中継ノードに割り当てることができる。1つの中継ノードしか存在しない極端な場合には、すべてのサブキャリアのペアリングがこの中継ノードに割り当てられる。各フレームの最後では、宛先ノードは2つのタイムスロットで受信した信号を組み合せ、送信元ノードSによって送信されたフレームを取得するために最適な検出を行う。
【0072】
図3に示すように、中継ノードR1に割り当てられたサブキャリアのペアリングは、(第1のホップのサブキャリア2,第2のホップのサブキャリア1)および(第1のホップのサブキャリア3,第2のホップのサブキャリア6)であり、中継ノードR2に割り当てられたサブキャリアのペアリングは、(第1のホップのサブキャリア5,第2のホップのサブキャリア7)であり、中継ノードRkに割り当てられたサブキャリアのペアリングは、(第1のホップのサブキャリア1,第2のホップのサブキャリア8)、(第1のホップのサブキャリア4,第2のホップのサブキャリア4)、および(第1のホップのサブキャリア7,第2のホップのサブキャリア3)であり、中継ノードRKに割り当てられたサブキャリアのペアリングは、(第1のホップのサブキャリア6,第2のホップのサブキャリア5)、および(第1のホップのサブキャリア9,第2のホップのサブキャリア2)である。
【0073】
図4では、S400:実際のチャネル情報を取得する、すなわちすべてのサブキャリアのチャネル情報を取得する。
【0074】
S400において取得されるチャネル情報は、各サブキャリアの等価チャネル利得であり、各サブキャリアの等価チャネル利得は、チャネル係数の計算によって得られる。各サブキャリアの等価チャネル利得は、送信元ノードSと中継ノードkとの間のサブキャリアiの等価チャネル利得、すなわち第1のホップのサブキャリアiの等価チャネル利得αi,k,1と、中継ノードkと宛先ノードDとの間のサブキャリアiの等価チャネル利得、すなわち第2のホップのサブキャリアiの等価チャネル利得αi,k,2と、送信元ノードSと宛先ノードDとの間でいかなる中継ノードもなく直接接続されるサブキャリアiの等価チャネル利得αi,3とを含むことができる。
【0075】
前述の等価チャネル利得は、
【0076】
【数16】
【0077】
、
【0078】
【数17】
【0079】
および
【0080】
【数18】
【0081】
のように定義することができる。hi,k,1は、中継ノードkの第1のホップのサブキャリアiのチャネル係数であり、hi,k,2は、中継ノードkの第2のホップのサブキャリアiのチャネル係数であり、hi,3は、送信元ノードSと宛先ノードDとの間いかなる中継ノードもなく直接接続されたサブキャリアiのチャネル係数である。i∈{1,…,N}、ここでNは送信元ノードからすべての中継ノードまでのサブキャリアの数である。
【0082】
【数19】
【0083】
は、k番目の中継ノードの雑音分散であり、
【0084】
【数20】
【0085】
は、宛先ノードの雑音分散である。k∈{1,…,K}、ここでKは中継ノードの数である。
【0086】
S400における双対関数は、数理最適化問題に従って取得され、数理最適化問題は、送信元ノードと宛先ノードとの間の送信レートを最大にするためのサブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングの設定方法に関して記述される。
【0087】
前述の数理最適化問題の制約は、中継の選択の制約、サブキャリアのペアリングの制約、送信元ノード電力の制約、および中継ノード電力の制約を含む。中継の選択の制約は、1対のサブキャリアは1つの中継ノードにのみ割り当て可能であることである。サブキャリアのペアリングの制約は、1つの第1のホップのサブキャリアは、1つの第2のホップのサブキャリアとのみペアになることができることである。送信元ノード電力の制約は、すべての第1のホップのサブキャリアの送信電力の合計が、送信元ノードの総送信電力を超えないことである。中継ノード電力の制約は、すべての第2のホップのサブキャリアの送信電力の合計が、中継ノードの総送信電力を超えないことである。
【0088】
数理最適化問題の制約が式によって表される場合、数理最適化問題の制約は、次の式(7)から式(10)によって表すことができる:
中継の選択の制約:
【0089】
【数21】
【0090】
Kは、中継ノードの数であり、ti,i',k∈{0,1}、およびti,i',kは2値変数とすることができ、ti,i',k = 1は、サブキャリアのペアリング(i,i')が中継ノードkに割り当てられることを示し、ti,i',k = 0は、サブキャリアのペアリング(i,i')が中継ノードkに割り当てられないことを示す。
サブキャリアのペアリングの制約:
【0091】
【数22】
【0092】
Nは第1のホップのサブキャリアの数であり、第2のホップのサブキャリアの数でもあり、ρi,i'∈{0,1}、およびρi,i'は2値変数とすることができ、ρi,i' = 1は、第1のホップのサブキャリアiが第2のホップのサブキャリアi'と対にされることを示し、ρi,i' = 0は、第1のホップのサブキャリアiが第2のホップのサブキャリアi'と対にされないことを示す。
送信元ノードの電力の制約:
【0093】
【数23】
【0094】
Nは中継ノードkの第1のホップのサブキャリアの数であり、Kは中継ノードの数であり、pi,k,1は中継ノードkへ送信元ノードによってサブキャリアiを送信するための電力であり、Psは送信元ノードの総送信電力である。
中継ノードの電力の制約:
【0095】
【数24】
【0096】
Nは中継ノードkの第2のホップのサブキャリアの数であり、中継ノードkの第1のホップのサブキャリアの数は、中継ノードkの第2のホップのサブキャリアの数と同じであり、pi',k,2は、第1のホップのサブキャリアiと対にされた第2のホップのサブキャリアi'を送信元ノードによって中継ノードkへ送信するための電力であり、Psは、送信元ノードの総送信電力である。
【0097】
【数25】
【0098】
【数26】
【0099】
S400において双対関数を表すための式は、前述の式(4)、式(5)、および式(6)に示す通りとすることができ、ここでは繰り返して説明しない。
【0100】
この実施形態における双対関数の双対最適化問題は、次のように表すことができる:
【0101】
【数27】
【0102】
【数28】
【0103】
S410:双対変数βを初期化する、すなわち双対変数βの初期値を設定する。双対変数βの初期値として、事前に設定されたデフォルト値を使用することができる。あるいは、双対変数βの初期値は、ランダムに生成することができる。双対変数βを初期化するための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0104】
S420:所与の双対変数における最適なオリジナル変数t*、p*、およびρ*を計算し、t*、p*、およびρ*に基づく双対関数を取得する。所与の双対変数は、双対変数の現在の値である。
【0105】
S420の具体的な実行プロセスは、以下を含む:
【0106】
1. 所与のサブキャリアのペアリングのオリジナル変数および所与の中継の選択のオリジナル変数について、サブキャリア電力割当てのオリジナル変数を最適化する。所与のサブキャリアのペアリングのオリジナル変数および所与の中継の選択のオリジナル変数は、初期化またはランダム割当てのような方法を採用することによって設定することができる。
【0107】
サブキャリアのペアリング(i,i')は、中継ノードkに割り当てられる、すなわちρi,i' = 1、およびti,i',k = 1と設定される。この場合、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数は、次の式(11)を解くことによって取得することができる:
max Li,i',k
s.t. pi,k,1≧0, p i',k,2≧0 式(11)
【0108】
前述の式(11)から、Li,i',kは(pi,k,1,p i',k,2)に関する凸関数であることを理解することができる。KKTを割り当てることによって取得される最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数は、次の式(12)および式(13)に示す通りである:
【0109】
【数29】
【0110】
【数30】
【0111】
前述の式(12)および式(13)中のci,i',kは、次の式(14)に示す通りである:
【0112】
【数31】
【0113】
2. 所与のサブキャリアのペアリングのオリジナル変数については、中継の選択のオリジナル変数を最適化する。
【0114】
前述の式(12)および式(13)が式(6)のLi,i',kに代入されて、式(15)が得られる:
【0115】
【数32】
【0116】
式(15)では、Hi,i',kは次の2つのタイプの定義を有することができる。
【0117】
a. 信号送信が中継ノードを使用することなく送信元ノードSと宛先ノードDとの間で直接行われる状況下では、Hi,i',kは、次の式(16)に示す通りである:
【0118】
【数33】
【0119】
a. 信号協調送信が送信元ノードSと宛先ノードDとの間で中継ノードを使用することによって行われる状況下では、Hi,i',kは次の式(17)に示す通りである:
【0120】
【数34】
【0121】
【数35】
【0122】
所与のサブキャリアのペアリング(i,i')が、サブキャリアのペアリングの制約、すなわちρi,i' = 1を満たすと仮定する。選択された最適な中継ノードは、Hi,i',kを最大にすべきであることを式(15)から理解することができる。すなわち、中継の選択の最適なオリジナル変数は、式(16)および式(17)が最大値を取得できるようにすべきであり、これは式(18)で表すことができる:
【0123】
【数36】
【0124】
式(16)または式(17)において定義されたHi,i',kは、中継の選択の最適基準であることを、これから知ることができる。Hi,i',kを最大にする複数の中継ノードが存在するとき、サブキャリアのペアリング(i,i')のために複数の中継ノードから1つの中継ノードをランダムに選択することができる。
【0125】
3. サブキャリアのペアリングのオリジナル変数を最適化する。
【0126】
次の式(19)は、式(18)を式(15)に代入することによって取得され、次の式(19)はg(β)の閉じた式である:
【0127】
【数37】
【0128】
先の式(19)では、
【0129】
【数38】
【0130】
であり、ここでDはρの範囲である。
【0131】
N×Nの利益行列(profit matrix)
【0132】
【数39】
【0133】
が定義される。集合Dにおける式(19)を最大にするために、この利益行列の各行および各列から、総利益をできるだけ大きくするように要素が選択される。明らかにこれは標準線形割当て問題であり、標準線形割当て問題は、ハンガリーのアルゴリズム(Hungarian algorithm)を使用することによって解くことができる。すなわち式(19)は、最適なサブキャリアのペアリングのオリジナル変数を取得するように、ハンガリーのアルゴリズムを使用することによって解くことができる。
【0134】
π(i)(i = 1,…,N)が、第2のホップのサブキャリアにあって、第1のホップのサブキャリアiと対にされるサブキャリアのラベルを示すように設定される場合、最適なサブキャリアのペアリングのオリジナル変数は、次の式(20)で示す通りとすることができる:
【0135】
【数40】
【0136】
【数41】
【0137】
S430:現在の双対変数が、最適なオリジナル変数に基づいて前述の取得された双対関数により、また勾配アルゴリズムもしくは劣勾配アルゴリズムを使用することによって、収束されるかどうかを判断し、判断の結果、現在の双対変数が収束されるという場合はS440に進み、収束されないという場合はS450に進む。
【0138】
この実施形態において双対変数が収束されるかどうかを判断するのに、既存の多くの収束判断法を採用することができる。現在の双対変数が収束されるかどうかを判断する具体的な判断プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0139】
S440:最適なサブキャリアのペアリングのオリジナル変数および最適な中継の選択のオリジナル変数を使用することによって、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を修正する。その後、最適なサブキャリアのペアリングのオリジナル変数、最適な中継の選択オリジナル変数、および修正された最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を使用して信号を送信する。
【0140】
サブキャリアの数が限定される状況下では、双対ギャップをおよそゼロとみなすことができない。したがって、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数は不正確である可能性があり、修正される必要がある。最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数
【0141】
【数42】
【0142】
は、t*(β*)およびρ*(β*)を使用することによって更新することができ、更新された最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数
【0143】
【数43】
【0144】
は、数理最適化問題にあるサブキャリア電力の制約および送信元ノード電力の制約を満たす。最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を修正する具体例は、サブキャリア電力割当てのみを考慮に入れる既存のリソース割当て方法を使用することによって、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を修正することである。
【0145】
サブキャリアの数Nが十分に大きいとき、双対ギャップは徐々に小さくなり、修正されることのない最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数は、基本的に最適解とみなすことができる。サブキャリアの数Nが十分に大きいとき、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数が修正される場合、修正された最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数の数式は、基本的に前述の式(12)および式(13)と同じものであることを証明することは難しくない。
【0146】
S450:双対関数の劣勾配を計算し、計算結果を使用することによって現在の所与の双対変数を更新する。S420に進む。
【0147】
双対変数の劣勾配は、勾配アルゴリズムまたは劣勾配アルゴリズムを使用することによって計算することができる。双対変数の劣勾配を計算するための具体的な実行方法は、この実施形態では限定されない。
【0148】
双対変数を更新する複雑さは、Kの多項式、すなわちKαであり、サブキャリアのペアリングの最適なオリジナル変数を取得する複雑さは、O(N3)である。したがって、第2の実施形態の全体的な複雑さは、O(N3Kα)である。
【0149】
実施形態3:リソース割当て方法。この方法は、各サブキャリアに割り当てられる電力が等しい状況下のリソース割当て方法、すなわち、等しいサブキャリアの電力割当てに基づくリソース割当て方法である。この方法のプロセスは、図5に示す通りである。
【0150】
図5では、S500:実際のチャネル情報を取得する、すなわち、すべてのサブキャリアのチャネル情報を取得する。
【0151】
S500において取得されるチャネル情報は、各サブキャリアの等価チャネル利得であり、各サブキャリアの等価チャネル利得は、チャネル係数の計算を通して取得される。各サブキャリアの等価チャネル利得は、送信元ノードSと中継ノードkとの間のサブキャリアiの等価チャネル利得、すなわち第1のホップのサブキャリアiの等価チャネル利得αi,k,1と、中継ノードkと宛先ノードDとの間のサブキャリアiの等価チャネル利得、すなわち第2のホップのサブキャリアiの等価チャネル利得αi,k,2と、送信元ノードSと宛先ノードDとの間でいかなる中継ノードもなく直接接続されるサブキャリアiの等価チャネル利得αi,3とを含むことができる。
【0152】
この実施形態では、すべての送信ノード(すなわち送信元ノードおよび各中継ノード)が同じ独立した電力制限、すなわちPs = PR,k = P,∀kに従うことができる。
【0153】
S510:双対変数βを初期化する、すなわち双対変数βの初期値を設定する。双対変数βの初期値として、事前に設定されたデフォルト値を使用することができる。あるいは、双対変数βの初期値は、ランダムに生成することができる。双対変数βを初期化するための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0154】
S520:所与の双対変数における最適なオリジナル変数t*およびp*を計算する。所与の双対変数は、双対変数の現在の値である。その後、最適なオリジナル変数t*およびp*およびサブキャリアの電力割当ての平均値を使用することによって、信号が送信される。
【0155】
S520の具体的な実行プロセスは、所与のサブキャリアのペアリングのオリジナル変数およびサブキャリア電力割当ての、計算されて取得された平均値に対して中継の選択を最適化することを含む。サブキャリア電力割当ての、計算されて取得された平均値は、次の式(21)に示す通りである:
【0156】
【数44】
【0157】
【数45】
【0158】
双対変数については収束判断が行われる必要がなく、さらに双対変数の現在の値は、更新される必要がない。第3の実施形態の複雑さは、O(N3)である。
【0159】
実施形態4:リソース割当て方法。この方法は、各サブキャリアのペアリングがわかっている状況下のリソース割当て方法、すなわち、事前に設定された固定サブキャリアのペアリングに基づくリソース割当て方法である。この方法のプロセスは、図6に示す通りである。
【0160】
図6では、S600:実際のチャネル情報を取得する、すなわち、すべてのサブキャリアのチャネル情報を取得する。
【0161】
S600において取得されるチャネル情報は、各サブキャリアの等価チャネル利得であり、各サブキャリアの等価チャネル利得は、チャネル係数の計算を通して取得される。各サブキャリアの等価チャネル利得は、送信元ノードSと中継ノードkとの間のサブキャリアiの等価チャネル利得、すなわち第1のホップのサブキャリアiの等価チャネル利得αi,k,1と、中継ノードkと宛先ノードDとの間のサブキャリアiの等価チャネル利得、すなわち第2のホップのサブキャリアiの等価チャネル利得αi,k,2と、送信元ノードSと宛先ノードDとの間でいかなる中継ノードもなく直接接続されるサブキャリアiの等価チャネル利得αi,3とを含むことができる。
【0162】
事前に設定された固定サブキャリアのペアリング方式は、π(i) = i,∀iであり、すなわち、サブキャリアで送信元ノードによって送信される信号は、同じサブキャリアで中継ノードによって宛先ノードへ転送されることが設定される。
【0163】
S610:双対変数βを初期化する、すなわち双対変数βの初期値を設定する。双対変数βの初期値として、事前に設定されたデフォルト値を使用することができる。あるいは、双対変数βの初期値は、ランダムに生成することができる。双対変数βを初期化するための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0164】
S620:所与の双対変数における最適なオリジナル変数t*、およびp*を計算し、t*、p*、およびπ(i) = i,∀iに基づく双対関数を取得する。所与の双対変数は、双対変数の現在の値である。
【0165】
S620の具体的な実行プロセスは、以下を含む:
【0166】
1. π(i) = i,∀iおよび所与の中継の選択のオリジナル変数については、サブキャリア電力割当てを最適化する、すなわち最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を取得する。
【0167】
π(i) = i,∀iが中継ノードkに割り当てられる、すなわちρi,i = 1およびti,i,k = 1である。この場合、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数は、
max Li,i',k
s.t. pi,k,1≧0、pi,k,2≧0
を解くことによって取得することができる。
【0168】
2. π(i) = i,∀iについて、中継の選択を最適化する、すなわち最適な中継の選択のオリジナル変数を取得する。
【0169】
前述の最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数およびπ(i) = i,∀iは、式(6)のLi,i',kに代入され、代入後に式(6)に基づいて最適な中継の選択のオリジナル変数
【0170】
【数46】
【0171】
が計算される。中継ノード選択のアルゴリズムは、k(i,i) = arg maxk Hi,i',k,∀iとして表すことができる。
【0172】
π(i) = i,∀iおよび最適なオリジナル変数
【0173】
【数47】
【0174】
を式(6)に代入することによって、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数、最適な中継の選択のオリジナル変数、および所与のサブキャリアのペアリングに基づく双対関数を取得することができる。
【0175】
S630:最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数、最適な中継の選択のオリジナル変数、および所与のサブキャリアのペアリングに基づく前述の取得された双対関数に従って、現在の所与の双対変数が勾配アルゴリズムまたは劣勾配アルゴリズムを使用することによって収束されるかどうかを判断し、判断の結果、現在の所与の双対変数が収束されるという場合、S640に進み、収束されないという場合はS650に進む。
【0176】
この実施形態では、多くの既存の収束判断法を採用して、双対変数が収束されるかどうかを判断することができる。現在の所与の双対変数が収束されるかどうかを判断する具体的な判断プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0177】
S640:π(i) = i,∀iおよび最適な中継の選択のオリジナル変数を使用することによって、最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を修正する。最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を修正するための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。その後、π(i) = i,∀i、最適な中継の選択のオリジナル変数、および修正された最適なサブキャリア電力割当てのオリジナル変数を使用することによって、信号が送信される。
【0178】
S650:双対関数の劣勾配を計算し、計算結果を使用することによって現在の所与の双対変数を更新する。S620に進む。
【0179】
双対変数の劣勾配は、勾配アルゴリズムまたは劣勾配アルゴリズムを使用することによって計算することができる。双対変数の劣勾配を計算するための具体的な実行方法は、この実施形態では限定されない。
【0180】
第4の実施形態において双対変数を更新するためにはKαのステップが必要とされ、各ステップにおける中継の選択および電力割当ての複雑さは、O(NK)である。したがって、第4の実施形態の総合的な複雑さは、O(NKα+1)である。
【0181】
実施形態5:リソース割当て装置この装置の構造は、図7に示す通りである。図7のリソース割当て装置は、多中継直交周波数分割多重システムにおける送信元ノードとすることができ、多中継直交周波数分割多重システムにおける中継ノードとすることもできる。図7の装置は、取得モジュール(obtaining module)700と、リソース割当てモジュール710と、送信モジュール720とを含む。
【0182】
取得モジュール700は、実際のチャネル情報を取得するように構成される。ここでは実際のチャネル取得情報は、各サブキャリアの等価チャネル利得とすることができる。
【0183】
取得モジュール700によって実際のチャネル情報を取得する具体例は、まず取得モジュール700によって各サブキャリアのチャネル係数を取得すること、次いで取得モジュール700によって、各サブキャリアのチャネル係数を使用することにより各サブキャリアの等価チャネル利得を計算することである場合がある。
【0184】
リソース割当てモジュール710は、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得するように構成される。ここでは、リソース割当てパラメータは、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、および副搬送波のペアリングのうちの少なくとも2つを含む。ここでは数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することにより、またチャネル情報に基づいて、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定される数理最適化問題である。エンドツーエンドの送信レート最適化原理は、具体的にはエンドツーエンドの送信レート最大化原理である。次の実施形態では、エンドツーエンドの送信レート最適化原理が具体的にはエンドツーエンドの送信レート最大化原理であるということは、主としてリソース割当て装置を説明するための一例とみなされる。
【0185】
数理最適化問題は、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定されるので、リソース割当てモジュール710は、解の結果からエンドツーエンドの送信レートを最大にするサブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを取得することができる。
【0186】
リソース割当てモジュール710は、双対関数の形式を採用することによって前述の数理最適化問題を解くことができ、また他の方法を採用することによって数理最適化問題を解くこともできる。リソース割当てモジュール710は、数理最適化問題を格納することができ、また数理最適化問題から変換された双対関数を格納することもできる。リソース割当てモジュール710によって数理最適化問題を解くための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。この実施形態における数理最適化問題、双対関数などは、前述の第1の実施形態から第4の実施形態で説明した通りであり、ここでは繰り返して詳細に説明しない。
【0187】
リソース割当てモジュール710によって双対関数を解く具体的な例は、まず、リソース割当てモジュール710によって双対関数の双対変数の値を決定すること、次いでリソース割当てモジュール710によってこの双対変数について双対関数の最適なオリジナル変数を計算することである場合がある。リソース割当てモジュール710によって取得される最適なオリジナル変数は、数理最適化問題を解いた結果である。ここでは、双対変数の値は、双対変数の最適値、すなわち最適双対変数とすることができ、双対変数の初期値とすることも可能である。双対変数の初期値は、双対変数を初期化するための値である。
【0188】
最適なオリジナル変数を取得した後、リソース割当てモジュール710は、最適なオリジナル変数により信号を送信することができる。
【0189】
リソース割当てモジュール710の構造の具体例は、図7Aに示す通りである。図7Aにおけるリソース割当てモジュール710は、第1の割当てサブモジュール711と、第2の割当てサブモジュール712と、第3の割当てサブモジュール713とを含む。必要に応じて、リソース割当て装置は、第1の収束モジュールおよび第1の修正モジュールのうちのいずれか1つまたは2つをさらに含むことができる。
【0190】
第1の割当てサブモジュール711は、所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得するように構成される。第1の割当てサブモジュール711は、初期化またはランダム割当てなどの方法を採用することによって、所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択を設定することができる。第1の割当てサブモジュール711によって所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択を設定するための具体的な方法は、この実施形態では限定されない。
【0191】
第2の割当てサブモジュール712は、所与のサブキャリアのペアリングおよび第1の割当てサブモジュール711によって取得される最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するように構成される。
【0192】
第3の割当てサブモジュール713は、第1の割当てサブモジュール711および第2の割当てサブモジュール712によって取得される最適な中継の選択の状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングを取得するように構成される。
【0193】
数理最適化問題が双対関数の形で表されるとき、第1の割当てサブモジュール711、第2の割当てサブモジュール712、および第3の割当てサブモジュール713によって取得される最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てが、双対変数の現在の値における双対関数の最適なオリジナル変数である。双対変数の現在の値は、双対変数の初期値である場合があり、また最適双対変数である場合もある。
【0194】
双対変数の初期化された値を使用することによって、第1の割当てサブモジュール711、第2の割当てサブモジュール712、および第3の割当てサブモジュール713が最適なオリジナル変数を取得した後に、リソース割当て装置の中の第1の収束モジュールは、前述の最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいて双対関数における双対変数が収束されるかどうかを判断する必要があり、収束されない場合、第1の収束モジュールは双対変数を更新する。例えば、第1の収束モジュールは、勾配アルゴリズムまたは劣勾配アルゴリズムにより双対変数を更新し、次いで第1の割当てサブモジュール711、第2の割当てサブモジュール712、および第3の割当てサブモジュール713は、第1の収束モジュールが、双対変数が収束されると判断するまで、更新された双対変数に基づいて、最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得する。すなわち、第1の収束モジュールが、双対変数が収束されると判断するとき、第1の割当てサブモジュール711、第2の割当てサブモジュール712、および第3の割当てサブモジュール713によって現在取得される最適なオリジナル変数は、数理最適化問題の解である。収束した双対変数は、双対関数の最適双対変数である。
【0195】
さらに第1の収束モジュールが、双対変数が収束される判断した後に、リソース割当て装置の中の第1の修正モジュールが、最適なサブキャリアのペアリングおよび最適な中継の選択を使用することによって最適なサブキャリアの電力割当てを変更することができ、したがって、サブキャリアの電力割当てがより正確になる。第1の割当てサブモジュール711、第2の割当てサブモジュール712、第3の割当てサブモジュール713、第1の収束モジュール、および第1の修正モジュールによる操作を行うための具体例は、前述の第2の実施形態で説明した通りであり、ここでは繰り返して説明しない。
【0196】
リソース割当てモジュール710の構造の第2の具体例は、図7Bに示す通りである。図7Bにおけるリソース割当てモジュール710は、第4の割当てサブモジュール714および第5の割当てサブモジュール715を含む。
【0197】
第4の割当てサブモジュール714は、所与のサブキャリアのペアリングおよび等しいサブキャリアの電力割当ての状況下で実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適な中継の選択を得るように構成される。等しいサブキャリアの電力割当ては、送信ノードについて、各サブキャリアの電力が同じということである。第4の割当てサブモジュール714は、初期化またはランダム割当てなどの方法を採用することによって、所与のサブキャリアのペアリングを設定することができる。第4の割当てサブモジュール714によって、所与のサブキャリアのペアリングを設定するための具体的な実行方法は、この実施形態では限定されない。
【0198】
数理最適化問題が双対関数の形で表されるとき、第4の割当てサブモジュール714は、双対変数βをさらに初期化する。第4の割当てサブモジュール714は、双対変数βの初期値として、事前に設定されたデフォルト値を使用することができ、また双対変数βの初期値をランダムに生成することもできる。第4の割当てサブモジュール714によって、双対変数βを初期化するための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0199】
第5の割当てサブモジュール715は、第4の割当てサブモジュール714によって取得される等しいサブキャリアの電力割当ておよび最適な中継の選択の状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングを取得するように構成される。
【0200】
数理最適化問題が双対関数の形で表されるとき、第4の割当てサブモジュール714および第5の割当てサブモジュール715によって取得される最適な中継の選択および最適なサブキャリアのペアリングは、双対変数βの初期化された値に基づいて取得することができる。第4の割当てサブモジュール714および第5の割当てサブモジュール715によって操作を行うための具体例は、前述の第3の実施形態で説明する通りであり、ここでは繰り返して説明しない。
【0201】
リソース割当てモジュール710の構造の第3の具体例は、図7Cに示す通りである。図7Cにおけるリソース割当てモジュール710は、第6の割当てサブモジュール716および第7の割当てサブモジュール717を含む。必要に応じて、リソース割当て装置は、第2の収束モジュールおよび第2の修正モジュールのうちのいずれか1つまたは2つをさらに含むことができる。
【0202】
第6の割当てサブモジュール716は、既知のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得するように構成される。第6の割当てサブモジュール716は、初期化またはランダム割当てなどの方法を採用することによって、所与の中継の選択を設定することができる。第6の割当てサブモジュール716によって、所与の中継の選択を設定するための具体的な実行方法は、この実施形態では限定されない。
【0203】
第7の割当てサブモジュール717は、既知のサブキャリアのペアリングおよび第6の割当てサブモジュールによって取得される最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で、実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するように構成される。
【0204】
数理最適化問題が双対関数の形で表されるとき、第6の割当てサブモジュール716および第7の割当てサブモジュール717によって取得される最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てが、双対変数の現在の値における双対関数の最適なオリジナル変数である。双対変数の現在の値は、双対変数の初期値である場合があり、また最適双対変数である場合もある。
【0205】
双対変数の初期化された値を使用することによって、第6の割当てサブモジュール716および第7の割当てサブモジュール717が最適なオリジナル変数を取得した後に、リソース割当て装置の中の第2の収束モジュールは、前述の既知のサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいて双対関数の双対変数が収束されるかどうかを判断する必要があり、収束されない場合、第2の収束モジュールは双対変数を更新する。例えば、第2の収束モジュールは、勾配アルゴリズムまたは劣勾配アルゴリズムにより双対変数を更新し、次いで第6の割当てサブモジュール716および第7の割当てサブモジュール717は、第2の収束モジュールが、双対変数が収束されると判断するまで、更新された双対変数に基づいて、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得する。すなわち、第2の収束モジュールが、双対変数が収束されると判断するとき、第6の割当てサブモジュール716および第7の割当てサブモジュール717によって現在取得される最適なオリジナル変数が、数理最適化問題の解である。収束した双対変数は、双対関数の最適双対変数である。
【0206】
さらに、第2の収束モジュールが、双対変数が収束されると判断した後に、リソース割当て装置の中の第2の修正モジュールが、既知のサブキャリアのペアリングおよび最適な中継の選択を使用することによって最適なサブキャリアの電力割当てを変更することができ、したがってサブキャリアの電力割当てはさらに正確になる。第6の割当てサブモジュール716、第7の割当てサブモジュール717、第2の収束モジュール、および第2の修正モジュールによって操作を行うための具体例は、前述の第4の実施形態で説明する通りであり、ここでは繰り返して説明しない。
【0207】
送信モジュール720は、リソース割当てモジュール710によって取得されるリソース割当てパラメータに従って信号を送信するように構成される。送信モジュール720は、前述のリソース割当てパラメータを使用すること、および既存の信号送信操作を採用することによって信号送信を実行することができる。送信モジュール720によって信号を送信するための具体的な実行プロセスは、この実施形態では限定されない。
【0208】
本発明の諸実施形態におけるシステム性能について、シミュレーション結果を参照して次に説明する。
【0209】
AFによる2ホップのOFDMシステムが、送信元ノードと、宛先ノードと、4つの中継ノードとを含み、すなわちK = 4であって、4つの中継ノードの宛先は、図8に示す通りであるように設定される。図8の4つの中継ノードは、正方形領域にランダムに分布している。チャネルモデルとして、中心周波数1.9GHzを有するStanford University Interim (SUI)チャネルモデルが採用される。各送信ノードが同じ独立した電力制限を有し、雑音電力が1に正規化されると仮定する。チャネルの総帯域幅は、1MHzで固定される。伝搬路損失係数(path loss factor)は3.5であり、影(shadow)の影響を考慮に入れないように設定される。サブキャリアの数は16であり、すなわちN = 16であり、すべてのサブキャリアが一様フェージングを受ける。
【0210】
比較基準を設けるために、OFDMシンボルによる中継の選択(例えば、全チャネル帯域幅で平均チャネル利得を最大にすることができる中継ノードを選択する)の基準方式(reference scheme)のシステム性能を図示している。基準方式は、以下のことを含む:(1)各中継ノードについて、チャネル利得に従って各ホップでそれぞれサブキャリアを配列すること、(2)2つのトップで配列に従って1つずつサブキャリアをペアリングすること。このような配列およびペアリング方法が単一中継システムでは最適であることを既存の文書が証明している。また電力割当てが等しいという仮定の下で各中継に対応する総送信レートを計算すること、および(3)送信レートを最大にすることができる中継ノードを選択し、各サブキャリアのペアに最適な電力割当てを行うこと。
【0211】
送信ノードの様々な送信電力において、100種類の任意の中継ノードの分布の平均的システム性能は、図9に示す通りである。
【0212】
図9では、横座標は送信ノードの送信電力であり、縦座標はエンドツーエンドの送信レートの平均値である。ブロック付きの曲線は、本発明の第2の実施形態のシステム性能の曲線である。三角形付きの曲線は、本発明の第3の実施形態のシステム性能の曲線である。縦棒付きの曲線は、本発明の第4の実施形態のシステム性能の曲線である。五芒星形付きの曲線は、OFDMシンボルに基づく中継の選択基準方式のシステム性能の曲線である。図9に示す曲線から、本発明の第2の実施形態におけるシステム性能、第3の実施形態におけるシステム性能、および第4の実施形態におけるシステム性能は、基準方式におけるシステム性能よりも明らかに優れていることを知ることができる。特に、各ノードの電力が20dBWであるとき、本発明の第2の実施形態のエンドツーエンドの周波数スペクトル効率は、約40%改善される可能性がある。本発明の第3の実施形態および第4の実施形態のシステム性能を第2の実施形態のシステム性能と比較することから、前述の第3の実施形態および第4の実施形態により、電力損失がわずか1dB未満になることを知ることができる。
【0213】
また図9に示すシステム性能の曲線から、高信号対雑音比の領域では、本発明の第3の実施形態におけるシステム性能は、本発明の第4の実施形態におけるシステム性能よりもわずかに優れていることを知ることができる。
【0214】
ネットワークにおける4つの中継ノードは、送信元ノードと宛先ノードとの間の接続回線上に分布された中継ノードのクラスタを形成する。中継クラスタの半径は、送信元ノードと宛先ノードとの間の距離未満の距離である。図10の横座標の変数dは、送信元ノードと中継との間の距離対送信元ノードと宛先ノードとの間の距離の比を示す。縦座標は、エンドツーエンドの送信レートの平均値である。中継ノードの位置が変わると変化するエンドツーエンドの平均送信レートは、図10に示す通りである。
【0215】
図10では、ブロック付きの曲線が、本発明の第2の実施形態のシステム性能の曲線である。三角形付きの曲線は、本発明の第3の実施形態のシステム性能の曲線である。縦棒付きの曲線は、本発明の第4の実施形態のシステム性能の曲線である。五芒星形付きの曲線は、OFDMシンボルに基づく中継の選択基準方式のシステム性能の曲線である。ブロック付きの曲線から、本発明の第2の実施形態について、d = 0.3であるとき、システム送信レートが最大となり、基準方式におけるエンドツーエンドの送信レートよりも70%高くなることを理解することができる。
【0216】
また図10に示す曲線から、d≧0.3のとき、本発明の第3の実施形態におけるエンドツーエンドの送信レートは本発明の第4の実施形態におけるエンドツーエンドの送信レートよりも優れていることを理解することができる。
【0217】
上記の実施形態の説明を通して、本発明は、必要なハードウェアプラットフォームを加えたソフトウェアによって実行でき、またハードウェアによっても実行できるが、多くの場合は前者が好ましい実行方法であることを、当業者は明らかに理解することができる。このような理解に基づいて、従来の技術に貢献する本発明の技術的解決法の一部または全部を、ソフトウェア製品の形で取り入れることができる。ソフトウェア製品を使用して、前述の方法のプロセスを行うことができる。コンピュータソフトウェア製品は、例えばROM/RAM、磁気ディスク、もしくは光ディスクなどの可読記憶媒体に格納することができ、コンピュータデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスなど)に、本発明の諸実施形態または諸実施形態のある部分で説明する方法を実行するよう命令するために使用されるいくつかの命令を含む。
【0218】
諸実施形態を通して本発明を説明しているが、本発明の趣旨を逸脱することのない本発明の多くの変形形態および変更形態が、本発明の出願文書の特許請求の範囲に含まれるべきであることを当業者には理解されたい。
【符号の説明】
【0219】
700 取得モジュール
710 リソース割当てモジュール
711 第1の割当てサブモジュール
712 第2の割当てサブモジュール
713 第3の割当てサブモジュール
714 第4の割当てサブモジュール
715 第5の割当てサブモジュール
716 第6の割当てサブモジュール
717 第7の割当てサブモジュール
720 送信モジュール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多中継直交周波数分割多重システムのリソース割当て方法であって、
実際のチャネル情報を取得するステップと、
前記実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得するステップと、
前記リソース割当てパラメータに従って信号を送信するステップと、
を含み、
前記リソース割当てパラメータは、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを含み、
前記数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することによって、またチャネル情報に基づく、前記サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定される数理最適化問題であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題に従って前記リソース割当てパラメータを前記取得するステップが、
所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得するステップと、
前記所与のサブキャリアのペアリングおよび前記最適なサブキャリア電力の割当ての状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するステップと、
前記最適なサブキャリアの電力割当ておよび前記最適な中継の選択の状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングを取得するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記数理最適化問題が双対関数の形で表されるとき、前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当ては、前記双対関数の初期化された双対変数または前記双対関数の最適双対変数に基づいて取得され、
前記双対関数の前記初期化された双対変数に基づいて、前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを取得するとき、前記方法はさらに、
前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいた双対関数の双対変数が収束されるかどうかを判断するステップと、
前記双対変数が収束されない場合には、前記双対変数を更新し、前記更新した双対変数を使用することによって、前記双対変数が収束するまで前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得するステップと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記双対変数が収束された後、前記方法がさらに、
前記最適な中継の選択および最適なサブキャリアのペアリングを使用することによって前記最適なサブキャリアの電力割当てを変更するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題に従って前記リソース割当てパラメータを前記取得するステップは、
所与のサブキャリアのペアリングおよび等しいサブキャリアの電力割当ての状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するステップと、
前記等しいサブキャリアの電力割当ておよび前記最適な中継の選択の状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングを取得するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記数理最適化問題は、双対関数の形で表され、
前記最適なサブキャリアのペアリングおよび最適な中継の選択は、前記双対関数の初期化された双対変数に基づいて取得されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題に従って前記リソース割当てパラメータを前記取得するステップは、
既知のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得するステップと、
前記既知のサブキャリアのペアリングおよび前記最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記数理最適化問題が、双対関数の形で表されるとき、前記最適な中継の選択および最適なサブキャリアの電力割当ては、前記双対関数の初期化された双対変数、または前記双対関数の最適双対変数に基づいて取得され、
前記双対関数の前記初期化された双対変数に基づいて、前記最適な中継の選択および最適なサブキャリアの電力割当てを取得するとき、前記方法がさらに、
前記既知のサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいた双対関数の双対変数が収束されるかどうかを判断するステップと、
前記双対変数が収束されない場合、前記双対変数を更新し、前記更新した双対変数を使用することによって、前記双対変数が収束するまで前記最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得するステップと、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記双対変数が収束された後、前記方法が、
前記最適な中継の選択および前記既知のサブキャリアのペアリングを使用することによって前記最適なサブキャリアの電力割当てを変更するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
実際のチャネル情報を取得するように構成された、取得モジュールと、
前記実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得するように構成された、リソース割当てモジュールと、
前記リソース割当てパラメータに従って信号を送信するように構成された、送信モジュールと、
を含み、
前記リソース割当てパラメータは、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを含み、
前記数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することによって、またチャネル情報に基づく、前記サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定される数理最適化問題であることを特徴とするリソース割当て装置。
【請求項11】
前記リソース割当てモジュールが、
所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得するように構成された、第1の割当てサブモジュールと、
前記所与のサブキャリアのペアリングおよび前記最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するように構成された、第2の割当てサブモジュールと、
前記最適なサブキャリアの電力割当ておよび前記最適な中継の選択の状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングを取得するように構成された、第3の割当てサブモジュールと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記数理最適化問題が、双対関数の形で表されるとき、前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当ては、前記双対関数の初期化された双対変数、または前記双対関数の最適双対変数に基づいて取得され、
前記双対関数の前記初期化された双対変数に基づいて、前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを取得するとき、前記装置がさらに、
前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいた双対関数の双対変数が収束されるかどうかを判断し、
前記双対変数が収束されない場合、前記双対変数を更新し、前記更新された双対変数を使用することによって、前記双対変数が収束されるまで、前記第1の割当てサブモジュール、第2の割当てサブモジュール、および第3の割当てサブモジュールに、前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得することを通知するように構成された、第1の収束モジュールを含むことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
双対変数が収束された後、前記最適な中継の選択、および最適なサブキャリアのペアリングを使用することによって、前記最適なサブキャリアの電力割当てを変更するように構成された、第1の修正モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記リソース割当てモジュールが、
所与のサブキャリアのペアリングおよび等しいサブキャリアの電力割当ての状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するように構成された、第4の割当てサブモジュールと、
前記等しいサブキャリアの電力割当ておよび前記最適な中継の選択の状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングを取得するように構成された、第5の割当てサブモジュールと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記リソース割当てモジュールが、
既知のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得するように構成された、第6の割当てサブモジュールと、
前記既知のサブキャリアのペアリングおよび前記最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するように構成された、第7の割当てサブモジュールと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記数理最適化問題が、双対関数の形で表されるとき、前記最適な中継の選択および最適なサブキャリアの電力割当てが、前記双対関数の初期化された双対変数、または前記双対関数の最適双対変数に基づいて取得され、
前記双対関数の前記初期化された双対変数に基づいて、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを取得するとき、前記装置がさらに、
前記既知のサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいた双対関数の双対変数が収束されるかどうかを判断し、
前記双対変数が収束されない場合、前記双対変数を更新し、前記更新された双対変数を使用することによって、前記双対変数が収束されるまで、最適な中継の選択および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得するように構成された、第2の収束モジュールを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記双対変数が収束された後、前記最適な中継の選択、および前記既知のサブキャリアのペアリングを使用することによって、前記最適なサブキャリアの電力割当てを変更するように構成された、第2の修正モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項1】
多中継直交周波数分割多重システムのリソース割当て方法であって、
実際のチャネル情報を取得するステップと、
前記実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得するステップと、
前記リソース割当てパラメータに従って信号を送信するステップと、
を含み、
前記リソース割当てパラメータは、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを含み、
前記数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することによって、またチャネル情報に基づく、前記サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定される数理最適化問題であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題に従って前記リソース割当てパラメータを前記取得するステップが、
所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得するステップと、
前記所与のサブキャリアのペアリングおよび前記最適なサブキャリア電力の割当ての状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するステップと、
前記最適なサブキャリアの電力割当ておよび前記最適な中継の選択の状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングを取得するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記数理最適化問題が双対関数の形で表されるとき、前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当ては、前記双対関数の初期化された双対変数または前記双対関数の最適双対変数に基づいて取得され、
前記双対関数の前記初期化された双対変数に基づいて、前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを取得するとき、前記方法はさらに、
前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいた双対関数の双対変数が収束されるかどうかを判断するステップと、
前記双対変数が収束されない場合には、前記双対変数を更新し、前記更新した双対変数を使用することによって、前記双対変数が収束するまで前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得するステップと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記双対変数が収束された後、前記方法がさらに、
前記最適な中継の選択および最適なサブキャリアのペアリングを使用することによって前記最適なサブキャリアの電力割当てを変更するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題に従って前記リソース割当てパラメータを前記取得するステップは、
所与のサブキャリアのペアリングおよび等しいサブキャリアの電力割当ての状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するステップと、
前記等しいサブキャリアの電力割当ておよび前記最適な中継の選択の状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングを取得するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記数理最適化問題は、双対関数の形で表され、
前記最適なサブキャリアのペアリングおよび最適な中継の選択は、前記双対関数の初期化された双対変数に基づいて取得されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題に従って前記リソース割当てパラメータを前記取得するステップは、
既知のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得するステップと、
前記既知のサブキャリアのペアリングおよび前記最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で、前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記数理最適化問題が、双対関数の形で表されるとき、前記最適な中継の選択および最適なサブキャリアの電力割当ては、前記双対関数の初期化された双対変数、または前記双対関数の最適双対変数に基づいて取得され、
前記双対関数の前記初期化された双対変数に基づいて、前記最適な中継の選択および最適なサブキャリアの電力割当てを取得するとき、前記方法がさらに、
前記既知のサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいた双対関数の双対変数が収束されるかどうかを判断するステップと、
前記双対変数が収束されない場合、前記双対変数を更新し、前記更新した双対変数を使用することによって、前記双対変数が収束するまで前記最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得するステップと、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記双対変数が収束された後、前記方法が、
前記最適な中継の選択および前記既知のサブキャリアのペアリングを使用することによって前記最適なサブキャリアの電力割当てを変更するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
実際のチャネル情報を取得するように構成された、取得モジュールと、
前記実際のチャネル情報に基づいて数理最適化問題に従ってリソース割当てパラメータを取得するように構成された、リソース割当てモジュールと、
前記リソース割当てパラメータに従って信号を送信するように構成された、送信モジュールと、
を含み、
前記リソース割当てパラメータは、サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングのうちの少なくとも2つを含み、
前記数理最適化問題は、エンドツーエンドの送信レート最適化原理を使用することによって、またチャネル情報に基づく、前記サブキャリアの電力割当て、中継の選択、およびサブキャリアのペアリングについて設定される数理最適化問題であることを特徴とするリソース割当て装置。
【請求項11】
前記リソース割当てモジュールが、
所与のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得するように構成された、第1の割当てサブモジュールと、
前記所与のサブキャリアのペアリングおよび前記最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するように構成された、第2の割当てサブモジュールと、
前記最適なサブキャリアの電力割当ておよび前記最適な中継の選択の状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングを取得するように構成された、第3の割当てサブモジュールと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記数理最適化問題が、双対関数の形で表されるとき、前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当ては、前記双対関数の初期化された双対変数、または前記双対関数の最適双対変数に基づいて取得され、
前記双対関数の前記初期化された双対変数に基づいて、前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを取得するとき、前記装置がさらに、
前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいた双対関数の双対変数が収束されるかどうかを判断し、
前記双対変数が収束されない場合、前記双対変数を更新し、前記更新された双対変数を使用することによって、前記双対変数が収束されるまで、前記第1の割当てサブモジュール、第2の割当てサブモジュール、および第3の割当てサブモジュールに、前記最適なサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得することを通知するように構成された、第1の収束モジュールを含むことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
双対変数が収束された後、前記最適な中継の選択、および最適なサブキャリアのペアリングを使用することによって、前記最適なサブキャリアの電力割当てを変更するように構成された、第1の修正モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記リソース割当てモジュールが、
所与のサブキャリアのペアリングおよび等しいサブキャリアの電力割当ての状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するように構成された、第4の割当てサブモジュールと、
前記等しいサブキャリアの電力割当ておよび前記最適な中継の選択の状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアのペアリングを取得するように構成された、第5の割当てサブモジュールと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記リソース割当てモジュールが、
既知のサブキャリアのペアリングおよび所与の中継の選択の状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適なサブキャリアの電力割当てを取得するように構成された、第6の割当てサブモジュールと、
前記既知のサブキャリアのペアリングおよび前記最適なサブキャリアの電力割当ての状況下で前記実際のチャネル情報に基づいて前記数理最適化問題から最適な中継の選択を取得するように構成された、第7の割当てサブモジュールと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記数理最適化問題が、双対関数の形で表されるとき、前記最適な中継の選択および最適なサブキャリアの電力割当てが、前記双対関数の初期化された双対変数、または前記双対関数の最適双対変数に基づいて取得され、
前記双対関数の前記初期化された双対変数に基づいて、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てを取得するとき、前記装置がさらに、
前記既知のサブキャリアのペアリング、最適な中継の選択、および最適なサブキャリアの電力割当てに基づいた双対関数の双対変数が収束されるかどうかを判断し、
前記双対変数が収束されない場合、前記双対変数を更新し、前記更新された双対変数を使用することによって、前記双対変数が収束されるまで、最適な中継の選択および最適なサブキャリアの電力割当てを再取得するように構成された、第2の収束モジュールを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記双対変数が収束された後、前記最適な中継の選択、および前記既知のサブキャリアのペアリングを使用することによって、前記最適なサブキャリアの電力割当てを変更するように構成された、第2の修正モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2013−512596(P2013−512596A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540270(P2012−540270)
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【国際出願番号】PCT/CN2010/078365
【国際公開番号】WO2011/063708
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(504277388)▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 (220)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【国際出願番号】PCT/CN2010/078365
【国際公開番号】WO2011/063708
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(504277388)▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 (220)
【Fターム(参考)】
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