説明

多列分配装置

【課題】どのような条件下でも小袋をアタッチ間の一定な位置に投入でき、投入姿勢が小袋の縦横比に影響されることがなく、小袋が種々の幅のものでも専用部品を用いることなく容器に投入でき、容器内径に即した適切な寸法の小袋を容器内へ位置ずれすることなく正確に投入できる多列分配装置小袋を提供する。
【解決手段】多列分配装置は、分割された小袋10を、単位個数毎に搬送吸着手段16によって吸着して分配コンベア部14の搬送開始箇所14aに搬送投入する吸着型小袋搬送部18と、分配コンベア部14によって搬送された複数の小袋10を投入吸着手段20によって吸着して、小袋10投入位置の複数容器12のそれぞれに投入する吸着型小袋配布部22とを備える.

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スープや薬味等の粉末や液体を充填した複数の小袋(「パウチ」とも称する)を個々に分配し、複数並列に搬送される容器内に各小袋を投入する多列分配装置に関する。
【背景技術】
【0002】
店頭に並ぶ各種商品は包装体内に収納したものが多く、一般に、カップ麺等の食品商品は調味料等の小袋と共に容器包装体内に同封している。
【0003】
例えば特開平09−278007号公報(:特許文献1)では、小袋を個別に包装体内に投入する装置を提案している。
【0004】
上記小袋(パウチ、包装体)は、包装袋に同封するまでは、各小袋同士が所定の間隔をおいて繋がった状態(「連包状」ともいう)の連続包装体で流通や取り扱いが行われている。
【0005】
その連続包装体の状態で多列分配装置まで運ばれて、連続包装体から個々に分けられた小袋が、包装袋内に投入される。
【0006】
多列分配装置においては、包装を適正かつ迅速に行うため、近時、食品商品を容器包装体に収容して小袋を同封する製造ラインでは、容器包装体を多列でライン上に搬送し、複数の小袋を個別かつ同時に容器包装体に投入することによって、ラインの生産効率向上を図っている。
【0007】
図9に、小袋の容器内に投入する多列分配装置の従来技術を示す。
図9に示す、多列分配装置は、小袋切断装置a、投入シュートb、分配コンベアc、およびシャッター式配布ユニットdより構成されている。
【0008】
通常、小袋の投入対象となる、それぞれ食品商品が収容された複数の容器e,e…を搬送ラインf(図7ではライン方向から見た断面視図を示している)に並列に搬送しており、この搬送ラインf上に交差して分配コンベアcおよび投入用の配布ユニットdが設けられる。
【0009】
上記の小袋切断装置aは、連包状の連続包装体g0をカッターa1によって各小袋g,g…個々に切断し、投入シュートb上にこの個々の小袋g,g…を自重によって滑らせ、分配コンベアcのアタッチ(しきり壁)c1が移動する溝のある搬送面h上に小袋gを水平方向に誘導する。
【0010】
分配コンベアcは、等間隔でアタッチc1がコンベア面上に立設したコンベアベルトc2を両端のプーリ間で間欠的に循環させるようになっており、コンベアベルトc2から下方の搬送面hに向けてアタッチc1が延在する(立設する)オーバーハングタイプのものである。
【0011】
そして、分配コンベアc入り口に順次投入された小袋gをアタッチc1,c1同士間に位置させた状態でコンベアベルトc2を順次送ることによって、容器搬送ラインf並列数に対応する数の小袋gがそれぞれアタッチc1で押されて配布位置上に達する。
【0012】
この容器搬送ラインf上容器に対応する配布位置に小袋g,g…が搬送されて停止し、位置決めした後に、分配コンベアc下部に位置する配布ユニットdの観音開き式のシャッターd1を開いて、各小袋g,g…を容器e,e…のそれぞれに投入する。
【特許文献1】特開平09−278007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記のような従来の多列分配装置では、下記の問題点がある。
【0014】
[1]小袋が投入シュートを滑るときに発生する投入タイミングのずれが原因して、アタッチに小袋が噛み込む不具合が生じる場合がある。
【0015】
これは、(a)小袋の表面状態(凹凸、湿気、エッジ、包装材料等)、投入シュートの表面状態(汚れ、コーティングの剥離等)により抵抗が一定しないことや、(b)静電気によって小袋が投入シュート表面に吸い付く現象が生じる(特に数グラムと軽い小袋ではこのくっつきが生じる場合が多い)からである。
【0016】
なお、上記のようにアタッチが搬送ラインに上方から延びるオーバーヘッド型のコンベアでは、小袋の噛み込みが生じると、小袋がアタッチとこれの通過溝に挟み込まれて剪断され(小袋が破袋すると装置の清掃が必要)、または、アタッチが破損し、長時間の生産停止事故となる。
【0017】
[2]流れ方向に対して幅方向が長い小袋の場合に、小袋の投入シュート内での詰まりや投入姿勢の不安定がある。
【0018】
[3]複数の寸法の小袋を投入する場合に、専用部品の交換や調整が必要になる。
【0019】
すなわち、シュート投入では、シュートの側板によって小袋幅をガイドして投入姿勢の維持を図るものであるため、幅寸法の異なる複数の小袋を同じ装置で扱う場合に、小袋の幅毎に専用のシュートまたは幅調整式シュートが必要になる。つまり、操業に必要な部品点数が多くなる。
【0020】
[4]配布投入が自由落下によるものであるので、容器(カップ)への小袋投下位置が安定しない。
(a)小袋の形状、重さ、重量バランスにより、容器への小袋の落下姿勢がばらつく(小袋は水平状態のまま落下する保証がない)。
(b)静電気によりシャッター面に小袋にくっつく。
(c)容器内投入が難しいため、容器内径に対して、小袋の対角長さを10mm程度小さくする必要があり、小袋を容器サイズ(開口寸法)に一杯までの寸法に(ジャストフィットして)製作することができない。
【0021】
本発明は、上記の問題点を解消するためなされたものであって、どのような条件下でも小袋をアタッチ間の一定な位置に投入でき、投入姿勢が小袋の縦横比に影響されることがなく、小袋が種々の幅のものでも専用部品を用いることなく容器に投入でき、容器内径に即した適切な寸法の小袋を容器内へ位置ずれすることなく正確に投入できる多列分配装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の多列分配装置は、内容物が充填された小袋の複数繋がった連続包装体を小袋切断部によって各小袋に分割し、複数の容器を並列に小袋投入位置に搬送し、分割された小袋を当該複数の容器上に分配コンベア部によって搬送して、該小袋を複数の容器それぞれに投入する多列分配装置であって、分割された小袋を、単位個数毎に搬送吸着手段によって吸着して分配コンベア部の搬送開始箇所に搬送投入する吸着型小袋搬送部と、分配コンベア部によって搬送された複数の小袋を投入吸着手段によって吸着して、小袋投入位置の複数容器のそれぞれに投入する吸着型小袋配布部とを備えることを特徴とする多列分配装置である。
【0023】
本発明においては、小袋切断部は、縦方向に順次間欠的に流れてきた連続包装体の最下部の小袋を切り離すものであり、吸着型小袋搬送部は、搬送吸着手段によって切り離し前の小袋をその厚さ方向側面から吸着して、切り離し後の小袋をその厚さ方向側面が上下方向に向くよう向きを変えて分配コンベア部の搬送開始箇所に移設するものであることが好適である。
【0024】
また、本発明においては、分配コンベア部は、一対のプーリ間をベルトが水平方向に循環するベルト型コンベアであって、このベルトには等間隔で複数の仕切り壁が立設し、ベルト上面側の仕切り壁間に各小袋を載置して搬送するものであり、吸着型小袋搬送部は、一方側プーリに隣接するベルト上面側の搬送開始箇所に小袋を搬送投入するものであることが好適である。
【0025】
本発明においては、吸着型小袋搬送部は、搬送側駆動軸によって揺動駆動する搬送駆動アーム部と、その搬送側駆動軸と平行な回転軸によって回転可能なスライダーベースに進退動自在に設けたスライドロッドと、スライドロッド先端部に設けた吸着パッドとを有し、搬送駆動アーム部先端はスライドロッド先端に回動自在に接続し、吸着バッドにはそれに負圧を導入する管路を接続しており、これら吸着パッド、管路および負圧発生手段によって搬送吸着手段を構成することが好適である。
【0026】
また、本発明においては、吸着型小袋配布部は、投入吸着手段によって分配コンベア部上の小袋をその厚さ方向側面から吸着して、その小袋の向きをほぼ変化させずに容器に投入するものであることが好適である。
【0027】
本発明においては、吸着型小袋配布部は、ベルト型コンベアの移動方向に平行な分配側駆動軸上にそれぞれ距離をおいて固定された対の駆動アーム部と、対の駆動アーム部の先端同士に回転可能に連結された支持ロッドと、上記分配側駆動軸に平行な支持軸によって揺動運動する支持アーム部と、一端が支持アーム部先端に回転可能に設けられ他端が支持ロッド先端に回転方向に固定されるリンク部と、支持ロッドにその長さ方向に間隔をおいて配設された複数の吸着パッドとを有し、これら吸着バッドには負圧を導入する管路を接続しており、これら吸着パッド、管路および負圧発生手段によって投入吸着手段を構成することが好適である。
【0028】
なお、本発明において、吸着型小袋配布部は、駆動アーム部と支持アーム部はアーム長さが同じで、支持軸と分配側駆動軸の間隔はリンク部の長さと同じであり、支持軸と分配側駆動軸には、分配側駆動軸の駆動力を支持軸に同一回転方向に伝達する伝達部材を設けており、支持ロッド上の吸着パッドは、駆動アーム部の正転運動によってベルト型コンベア上の小袋を吸着箇所に位置し、一方、駆動アーム部の逆転運動によって複数の容器の小袋投入位置に位置するように分配側駆動軸を回転制御する手段を設けたことが好適である。
【発明の効果】
【0029】
本発明の多列分配装置によれば、分割された小袋を、吸着型小袋搬送部で、単位個数毎に搬送吸着手段によって吸着して分配コンベア部の搬送開始箇所に搬送投入し、吸着型小袋配布部で、この分配コンベア部によって搬送された複数の小袋を投入吸着手段によって吸着して、小袋投入位置の複数容器のそれぞれに投入する。
したがって、次の各作用・効果を奏する。
【0030】
(1)どのような条件であっても仕切り壁間の投入位置に常に安定的に投入できる。
(2)小袋の投入姿勢が変わらないので、小袋の縦横比に影響されずに投入箇所に正確に投入できる。つまり、投入を滑り落しや落下によって行うと小袋が途中で引っかかったりして投入姿勢が不安定になり易いが本発明では吸着によるため安定的に小袋投入できる。
【0031】
(3)小袋は寸法が種々であっても、滑り落しや落下の際に必要であった専用部品を必要としないので、部品テンスを不要になり、部品点数のすく案区手超す時夫を低下させることができる。
(4)落下させて投入するときには、小袋の踊りを生じさせずに吸着によって安定的に投入できるため、小袋の寸法と投入箇所の寸法に一杯まで対応させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0033】
図1〜図は本発明に係る多列分配装置の実施形態の説明図である。
図1は実施形態に係る多列分配装置の全体構成の平面視説明図、図2はこの多列分配装置の分配コンベア部の正面視説明図、図3同多列分配装置の小袋切断部及び吸着型小袋搬送部周辺の正面視説明図、図4はその吸着型小袋搬送部の詳細な正面視図、図5は同吸着型小袋搬送部の右側面視動作説明図、図6は同斜視図、図7は分配コンベア部および吸着型小袋配布部周辺の詳細な斜視説明図、図8は同吸着型小袋配布部の側面視(分配コンベア部の搬送方向に沿う方向視)動作説明図である。
【0034】
図1〜図3に示すように、実施形態に係る多列分配装置は、内容物が充填された小袋10の複数繋がった連続包装体10Aを小袋切断部34によって各小袋10に分割し、複数の容器12を並列に小袋10投入位置に搬送し、分割された小袋10を当該複数の容器12上に分配コンベア部14によって搬送して、該小袋10を複数の容器12それぞれに投入するものであって、分割された小袋10を、単位個数毎に搬送吸着手段16によって吸着して分配コンベア部14の搬送開始箇所14aに搬送投入する吸着型小袋搬送部18と、分配コンベア部14によって搬送された複数の小袋10を投入吸着手段20によって吸着して、小袋10投入位置の複数容器12のそれぞれに投入する吸着型小袋配布部22とを備えるものである。
【0035】
詳しくは、上記多列分配装置は、水平方向に沿う支持盤24が脚部フレーム26によって土間28上に設置されている。そして、この支持盤24上には、剛性の高い概略矩形形状の縦向きボディー30が立設してその上方に送り部32が下方に小袋切断部34が配置されており、その小袋切断部34の下方であって水平方向に分配コンベア部14が延在されている。
【0036】
また、多列分配装置の送り部32は、上記縦向きボディー30の前面側部に縦方向に連続包装体10Aを小袋切断部34に順次間欠的に流すものである。
【0037】
また、上記縦向きボディー30の肩部から延びたステー36Aによって回転自在にリール36が支持されており、このリール36の連続包装体10Aが巻き出されて縦向きボディー30の前面中央部付近から下方向きに送り部32に入る。なお、多列分配装置部の制御部38は中央処理ユニット、記憶装置からなるコンピュータユニットによるものであり、その操作部である上記縦向きボディー30の側部であって操作者側正面を向く各種スイッチ等のインターフェースを設けたスイッチボックス40内にコンピュータユニットが配設されている。
【0038】
具体的には、まず、連続包装体10Aは、筒状に形成された樹脂製包装材が一定間隔で横シール部(符号10Bで示す)によって溶着され、その横シール部10B,10B間の空間内に被包装物を収容し、中央部が膨出した厚みを有する連続状態の小袋10になる。そして、横シール部10Bで切断されて各個の小袋10になるものである。
【0039】
また、上記の送り部32は、連続包装体10Aを幅方向から挟むガイドロールと、小袋10の接続箇所(横シール部10B)検出用の光学式またはその他方式の検出センサと、連続包装体10Aをその厚さ方向から挟んで、上記検出センサの横シール部のピッチおき(小袋10の配列ピッチおき)に下方の小袋切断部34に間欠送りする対の送りローラとを有している。
【0040】
小袋切断部34は、対向する切断歯同士が互いに横シール部を剪断するものであり、タイミングを合わせて横シール部を切断する切断装置であれば、各種のものを採用できる。
【0041】
図1〜図6に示すように、この小袋切断部34の小袋10出側に吸着型小袋搬送部18が設けられる。
小袋切断部34は、縦方向に順次間欠的に流れてきた連続包装体10Aの最下部の小袋10(実施形態では1個の小袋10)を切り離すようになっており、吸着型小袋搬送部18は、図4に二点鎖線で小袋10の軌跡(符号10fで示す)を示すように、搬送吸着手段16によって切り離し前の小袋10をその厚さ方向側面から吸着して、切り離し後の小袋10をその厚さ方向側面が上下方向に向くよう向きを変えて分配コンベア部14の搬送開始箇所(符号14aで示す)に移設するものである。
【0042】
このようにして、分配コンベア上に小袋10をその厚さ方向側面を上下に向けるという安定した姿勢で設置することができる。
【0043】
ここで、分配コンベア部14は、一対のプーリ間をベルトが水平方向に循環するベルト型コンベアであって、このベルトには等間隔で複数の仕切り壁が立設し、ベルト上面側の仕切り壁間に各小袋10を載置して搬送するものであり、吸着型小袋搬送部18は、一方側プーリに隣接するベルト上面側の搬送開始箇所14aに小袋10を搬送投入するものである。したがって、小袋10は仕切り壁間に隔てられているため小袋10の二重搬送・二重投入が無くなる他、位置ずれが無く、投入吸着手段20によって確実に吸着して投入できる。
【0044】
吸着型小袋搬送部18は、具体的には、図2〜図6に示すように、搬送側駆動軸42によって揺動駆動する搬送駆動アーム部42aと、その搬送側駆動軸42と平行な回転軸によって回転可能なスライダーベース44に進退動自在に設けたスライドロッド44aと、スライドロッド44a先端部に設けた吸着パッド46とを有し、搬送駆動アーム部42a先端はスライドロッド44a先端に回動自在に接続し、吸着パッド46にはそれに負圧を導入する管路48を接続している。
【0045】
搬送駆動軸の回転によって搬送駆動アーム部42aを揺動駆動し、この搬送駆動アーム部42aの揺動によってスライドロッド44aがスライドベースを中心にして揺動かつ進退動し、搬送駆動アーム部42aが例えば角度75〜125度の範囲で揺動すると横向きの小袋10側面に吸着手段によって吸着し、逆方向に揺動して小袋10側面を搬送部分配コンベア部14の搬送開始箇所14aに確実に移設することができる。
【0046】
そして、これら吸着パッド46、管路48および負圧発生手段(負圧コンプレッサ等:図示省略)によって搬送吸着手段16を構成する。吸着パッド46はゴム、エラストマー等の弾性体で弾性変形して気密を容易に保つことができるものにしている。管路48は図示しない負圧発生手段に接続され、長さ方向には可曲性があり、負圧によって径方向に変形しない材質が好適である。
【0047】
一方、吸着型小袋配布部22は、図1〜図2や図7〜図8に示すように、投入吸着手段20によって分配コンベア部14上の小袋10をその厚さ方向側面から吸着して、その小袋10の向きをほぼ変化させずに容器12に投入するものである。これによって、吸着型小袋配布部22は、小袋10の向きをほぼ変化させずに容器12に投入するものにすれば、小袋10を踊らせることなく容器12内に安定して投入することができる。
【0048】
また、吸着型小袋配布部22は、ベルト型コンベアの移動方向に平行な分配側駆動軸50上にそれぞれ距離をおいて固定された対の駆動アーム部52と、対の駆動アーム部52の先端同士に回転可能に連結された支持ロッド54と、上記分配側駆動軸50に平行な支持軸56によって揺動運動する支持アーム部58と、一端が支持アーム部58先端に回転可能に設けられ他端が支持ロッド54先端に回転方向に固定されるリンク部60と、支持ロッド54にその長さ方向に間隔をおいて配設された複数の吸着パッド62とを有し、これら吸着バッドには負圧を導入する管路64を接続している。
この構成によって、分配側駆動時によって、支持アーム部58がリンク部60を介して連れ回りし、リンク部60は上下方向の姿勢を変えずに、分配コンベア部14側から分配側駆動軸50上を超えて反分配コンベア部14側に移動するので、そのリンク部60に回転方向に固定された支持ロッド54の姿勢もあまり変わること無く移動する。この支持ロッド54に吸着パッド62が固定されるので、吸着パッド62の姿勢も変わることなく移動することから、小袋10を吸着した状態で姿勢を変えずに吸着パッド62によって安定して小袋10を分配コンベア部14のコンベアベルト14b上から容器12内に投入することができる。
【0049】
そして、これら吸着パッド62、管路64および負圧発生手段によって投入吸着手段20を構成する。この投入吸着手段20は、前記搬送吸着手段16と同様の各部構成にできる。
【0050】
吸着型小袋配布部22において、特に、駆動アーム部52と支持アーム部58はアーム長さが同じで、支持軸56と分配側駆動軸50の間隔はリンク部60の長さと同じである。
【0051】
支持軸56と分配側駆動軸50には、分配側駆動軸50の駆動力を支持軸56に同一回転方向に伝達する伝達部材を設けている。実施形態では、図2に示すように、伝達部材は、分配側駆動軸50と支持軸56に共通径のプーリが設けられ、タイミングベルト50cが巻きかけられて駆動力を伝達しているものである。
【0052】
支持ロッド54上の吸着パッド62は、駆動アーム部52の正転運動によって分配コンベア部14のベルト型コンベア上の小袋10を吸着箇所に位置し、一方、駆動アーム部52の逆転運動によって複数の容器12の小袋投入位置に位置するように分配側駆動軸50を回転制御する手段(実施形態では、図2に示すように、回転位置をフォトインタラプタ等のセンサ50bで検出して上記制御部38によって駆動モータ50aを駆動制御することによって行う手段)を設けたものである。
【0053】
上記のようにして、駆動アーム部52と支持アーム部58、支持軸56および分配側駆動軸50とリンク部60とは、平行四辺形を呈するので、リンク部60は平行運動をする。したがって、そのリンク部60に回転方向に固定された支持ロッド54の姿勢は確実に上下方向の向きが変わること無く移動し、吸着パッド62の姿勢も一層の変化することなく移動することから、小袋10を吸着した状態で姿勢を変えずに吸着パッド62によって安定して小袋10をベルトコンベア上から容器12内に投入することができる。
【0054】
上記実施形態によれば、内容物が充填された小袋10の複数繋がった連続包装体10Aを小袋切断部34によって各小袋10に分割する。一方、複数の容器12を並列に小袋10投入位置に搬送しており、分割された小袋10を当該複数の容器12上に分配コンベア部14によって搬送して、該小袋10を複数の容器12それぞれに投入する。
【0055】
その際に、分割された小袋10を、吸着型小袋搬送部18によって、単位個数毎に搬送吸着手段16によって吸着して分配コンベア部14の搬送開始箇所14aに搬送投入する。そして、吸着型小袋配布部22は、分配コンベア部14によって搬送された複数の小袋10を投入吸着手段20によって吸着して、小袋10投入位置の複数容器12のそれぞれに投入する。
【0056】
上記のように、小袋10の搬送の容器12への投入を行うので、下記の作用効果を奏する。
【0057】
(1)小袋10の分配コンベア部14への搬送投入および複数容器12への投入を、それぞれの吸着手段によって、滑り落しや落下によらず吸着した状態で行うため、どのような条件であっても仕切り壁間の投入位置に常に安定的に投入できる。
【0058】
(2)上記の吸着手段によって搬送投入および投入を行うことから、小袋10の投入姿勢が変わらないので、小袋10の縦横比に影響されずに投入箇所に正確に投入できる。つまり、投入を滑り落しや落下によって行うと小袋10が途中で引っかかったりして投入姿勢が不安定になり易いが本発明では吸着によるため安定的に小袋10投入できる。
【0059】
(3)小袋10は寸法が種々であっても、搬送吸着手段16および投入吸着手段20によって吸着して搬送投入するため、滑り落しや落下の際に必要であった専用部品を必要としないので、部品テンスを不要になり、部品点数のすく案区手超す時夫を低下させることができる。
【0060】
(4)落下させて投入するときには、小袋10の縦横比によっては開口部に引っかかる(容器12の開口部に隙間の無い寸法の小袋10を投入しようとする場合に顕著である)虞があるが、本実施形態では、このような小袋10の踊りを生じさせずに吸着によって安定的に投入できるため、小袋10の寸法と投入箇所の寸法に一杯まで対応させることができる。
【0061】
また、支持軸56と分配側駆動軸50には、分配側駆動軸50の駆動力を支持軸56に同一回転方向に伝達する伝達部材を設けることによって、分配側駆動軸50の駆動力が支持軸56に伝達されてスムーズかつ確実な滞りのない動作が可能になる。
仕切り壁と小袋が干渉しても従来のオーバーヘッド型コンベアのように切断上にならない。小袋の上方にコンベア本体が無いため視認性もよい。
【0062】
尚、本発明の多列分配装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る多列分配装置の実施形態の説明図であって、実施形態に係る多列分配装置の全体構成の平面視説明図である。
【図2】図1の多列分配装置の分配コンベア部の正面視説明図である。
【図3】同多列分配装置の小袋切断部及び吸着型小袋搬送部周辺の正面視説明図である。
【図4】同吸着型小袋搬送部の詳細な正面視図である。
【図5】同吸着型小袋搬送部の右側面視動作説明図である。
【図6】同斜視図である。
【図7】同分配コンベア部および吸着型小袋配布部周辺の詳細な斜視説明図である。
【図8】同吸着型小袋配布部の側面視(分配コンベア部の搬送方向に沿う方向視)動作説明図である。
【図9】従来の多列分配装置の説明図である。
【符号の説明】
【0064】
10 小袋
10A 連続包装体
12 容器
14 分配コンベア部
14a 搬送開始箇所
14b コンベアベルト
16 搬送吸着手段
18 吸着型小袋搬送部
20 投入吸着手段
22 吸着型小袋配布部
24 支持盤
26 脚部フレーム
34 小袋切断部
38 制御部
40 スイッチボックス
42 搬送側駆動軸
42a 搬送駆動アーム部
44 スライダーベース
44a スライドロッド
46 吸着パッド
48 管路
50 分配側駆動軸
52 駆動アーム部
54 支持ロッド
56 支持軸
58 支持アーム部
60 リンク部
62 吸着パッド
64 管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が充填された小袋の複数繋がった連続包装体を小袋切断部によって各小袋に分割し、複数の容器を並列に小袋投入位置に搬送し、分割された小袋を当該複数の容器上に分配コンベア部によって搬送して、該小袋を複数の容器それぞれに投入する多列分配装置であって、
分割された小袋を、単位個数毎に搬送吸着手段によって吸着して分配コンベア部の搬送開始箇所に搬送投入する吸着型小袋搬送部と、
分配コンベア部によって搬送された複数の小袋を投入吸着手段によって吸着して、小袋投入位置の複数容器のそれぞれに投入する吸着型小袋配布部とを備えることを特徴とする多列分配装置。
【請求項2】
小袋切断部は、縦方向に順次間欠的に流れてきた連続包装体の最下部の小袋を切り離すものであり、
吸着型小袋搬送部は、搬送吸着手段によって切り離し前の小袋をその厚さ方向側面から吸着して、切り離し後の小袋をその厚さ方向側面が上下方向に向くよう向きを変えて分配コンベア部の搬送開始箇所に移設するものであることを特徴とする請求項1に記載の多列分配装置。
【請求項3】
分配コンベア部は、一対のプーリ間をベルトが水平方向に循環するベルト型コンベアであって、このベルトには等間隔で複数の仕切り壁が立設し、ベルト上面側の仕切り壁間に各小袋を載置して搬送するものであり、
吸着型小袋搬送部は、一方側プーリに隣接するベルト上面側の搬送開始箇所に小袋を搬送投入するものであることを特徴とする請求項2に記載の多列分配装置。
【請求項4】
吸着型小袋搬送部は、搬送側駆動軸によって揺動駆動する搬送駆動アーム部と、その搬送側駆動軸と平行な回転軸によって回転可能なスライダーベースに進退動自在に設けたスライドロッドと、スライドロッド先端部に設けた吸着パッドとを有し、搬送駆動アーム部先端はスライドロッド先端に回動自在に接続し、吸着バッドにはそれに負圧を導入する管路を接続しており、
これら吸着パッド、管路および負圧発生手段によって搬送吸着手段を構成することを特徴とする請求項1から3のうちの1項に記載の多列分配装置。
【請求項5】
吸着型小袋配布部は、投入吸着手段によって分配コンベア部上の小袋をその厚さ方向側面から吸着して、その小袋の向きをほぼ変化させずに容器に投入するものであることを特徴とする請求項1から4のうちの1項に記載の多列分配装置。
【請求項6】
吸着型小袋配布部は、
ベルト型コンベアの移動方向に平行な分配側駆動軸上にそれぞれ距離をおいて固定された対の駆動アーム部と、
対の駆動アーム部の先端同士に回転可能に連結された支持ロッドと、
上記分配側駆動軸に平行な支持軸によって揺動運動する支持アーム部と、
一端が支持アーム部先端に回転可能に設けられ他端が支持ロッド先端に回転方向に固定されるリンク部と、
支持ロッドにその長さ方向に間隔をおいて配設された複数の吸着パッドとを有し、これら吸着バッドには負圧を導入する管路を接続しており、
これら吸着パッド、管路および負圧発生手段によって投入吸着手段を構成することを特徴とする請求項5に記載の多列分配装置。
【請求項7】
吸着型小袋配布部は、駆動アーム部と支持アーム部はアーム長さが同じで、支持軸と分配側駆動軸の間隔はリンク部の長さと同じであり、
支持軸と分配側駆動軸には、分配側駆動軸の駆動力を支持軸に同一回転方向に伝達する伝達部材を設けており、
支持ロッド上の吸着パッドは、駆動アーム部の正転運動によってベルト型コンベア上の小袋を吸着箇所に位置し、一方、駆動アーム部の逆転運動によって複数の容器の小袋投入位置に位置するように分配側駆動軸を回転制御する手段を設けたことを特徴とする請求項6に記載の多列分配装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−126163(P2007−126163A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318487(P2005−318487)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(591272343)株式会社三橋製作所 (13)
【Fターム(参考)】