説明

多周波アンテナ

【課題】複数の周波数帯において良好に動作する小型の多周波アンテナの提供。
【解決手段】地板と、該地板に給電点を介して接続されたマッチング板と、該マッチング板から延出した第1アーム及び第2アームとを有し、第1アームと第2アームとの少なくとも一方の一部分はメアンダ状に形成され、第1アームは、マッチング板から先端側に向けて順に設けられた第1部分〜第4部分の4つの部分から構成され、第2アームは、第1アーム第1部分を共用部分とし、これを含め、これより先端側に向けて順に設けられた第1部分〜第3部分の合計4つの部分から構成され、第1アーム第2部分と第1アーム第4部分とが対向し、且つ第2アーム第1部分と第2アーム第3部分とが対向して配置され、且つ第1アームと第2アームとが同じ方向に設けられていることを特徴とする多周波アンテナ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の周波数帯で動作する携帯電話機等の携帯無線機用アンテナなどとして好適な多周波アンテナに関し、特に、メアンダ構造を利用している多周波共用携帯電話モノポールアンテナに関する。本発明の多周波アンテナの目的の周波数帯域は、例えば、GSM(920MHz)/GPS(1575.42MHz)/DCS(1795MHz)/PCS(1920MHz)/UMTS(2045MHz)である。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話機等の携帯無線機用アンテナとして、いろいろな方式のものが提案されている。例えば、非特許文献1,2には、平面逆Fアンテナが開示されている。また、特許文献1には、ヘリカルアンテナが開示されている。また、非特許文献3〜6には、モノポールアンテナが開示されている。
【非特許文献1】K. Taga, “Analysis of planar inverted-F antennas and antenna design for portable radio equipment,” Analysis, Design, and Measurement of Small and Low Profile Antennas, K. Hirasawa and M. Haneishi, Eds. Boston, MA: Artech, 1992,eh. 5.
【非特許文献2】H.-J. Lee, S.-H. Cho, J.-K. Park Y.-H. Cho, J.-M. Kim, K.-H. Lee, I.-Y. Lee, and J.-S. Kim, “The compact quad-band planar iternal antenna for mobile handsets,”in Proc. IEEE Antennas Propag. Int. Symp., Hawai, USA, 2007, pp. 2045-2048.
【特許文献1】特開2003−37426号公報
【非特許文献3】K.-L. Wong, “Very-low-profile monopoles for internal mobile phone antennas,” Planar antenna for wireless communications, Hoboken, New Jersey: John Wiley & Sons, 2003, ch. 3
【非特許文献4】H.-C. Tung, T.-F. Chen, C.-Y. Chang, C.-Y. Lin, and T.-F. Huang, “Shorted monopole antenna for curved shape phone housing in clamshell phone,”in Proc. IEEE Antennas Propag. Int. Symp., Hawai, USA, 2007, pp. 1060-1063.
【非特許文献5】Y.-W. Chi and K.-L. Wong, “Printed dual-band loop antenna for mobile phone application,”in Proc. IEEE Antennas Propag. Int. Symp., Hawai, USA, 2007, pp. 3576-3579.
【非特許文献6】H. Deng and Z. Feng, “A triple-band compact monopole antenna for mobile handsets,”in Proc. IEEE Antennas Propag. Int. Symp., Hawai, USA, 2007, pp. 2069-2072.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
移動電話システムが使用する周波数帯は、一般に複数の周波数帯とされている。例えば、日本におけるPDC方式(Personal Digital Cellular telecommunication system)では、800MHz帯(810−956MHz)と1.4GHz帯(1429−1501MHz)を使用しており、米国におけるディジタルセルラーシステムでは、AMPS(Advanced Mobile Phone Service)方式として900MHz帯(824−894MHz)が、PCS(Personal Communication Service)方式として1.8GHz帯(1850−1990MHz)が少なくとも使用されている。また、欧州においてはGSM(Global System for Mobile communications)方式として900HMz帯(880−960MHz)が、DCS(Digital Cellular System)方式として1.8GHz帯(1710−1880MHz)が使用されている。その他、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)方式として2.0GHz帯(1920−2170MHz)が、Bluetooth方式として2.4GHz帯(2400−2500MHz)が使用されている。このように、複数の周波数帯域を使用しているのは、加入者の増加により一つの周波数帯域では利用周波数が不足しているからである。
【0004】
このように複数の周波数帯域を受信あるいは送信する携帯電話機等の携帯無線機には、複数の周波数帯で動作するアンテナを搭載する必要がある。そこで、従来は、複数の周波数で動作するアンテナとして、メインのアンテナの他に無線機筐体内部に平面アンテナや小体積のチップアンテナを内蔵するようにしていた。しかしながら、このような構造では、アンテナが無線機筐体内部の体積を奪い、携帯無線機の小型化にそぐわないという問題点があった。さらに、携帯無線機をユーザが把持した際に、内蔵するアンテナが手で覆われる比率が大きく、携帯無線機使用時のアンテナ特性を劣化させるという問題点もある。
【0005】
このような要求を満たすアンテナを実現するには、4分の1波長アンテナが有力である。しかしながら、非特許文献1,2に開示されているようなPIFA(Planar Inverted-F antenna、逆F平面アンテナ)を使う場合、アンテナをサポートするための基板の重量やサイズ、また価格の上昇が普及へ向けての問題となる。
【0006】
また、特許文献1に開示されているヘリカルアンテナを利用する場合、ユーザに当たる影響がある程度低減するが、サイズが大きく、携帯無線機に内蔵することが困難である。
【0007】
なお、非特許文献3〜6に開示されているモノポールアンテナは、薄型で、携帯無線機に搭載するアンテナとして魅力的な構造であるが、サイズが大きく、携帯無線機に内蔵することが困難である。その他、非特許文献3〜5に開示されているように、2バンドをカバーすることが可能なアンテナが提案されているが、この場合、周波数帯域では利用周波数が不足している。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、複数の周波数帯において良好に動作する小型の多周波アンテナの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明は、地板と、該地板に給電点を介して接続されたマッチング板と、該マッチング板から延出した第1アーム及び第2アームとを有し、
第1アームと第2アームとの少なくとも一方の一部分はメアンダ状に形成され、
第1アームは、マッチング板から先端側に向けて順に設けられた第1部分〜第4部分の4つの部分から構成され、
第2アームは、第1アーム第1部分を共用部分とし、これを含め、これより先端側に向けて順に設けられた第1部分〜第3部分の合計4つの部分から構成され、
第1アーム第2部分と第1アーム第4部分とが対向し、且つ第2アーム第1部分と第2アーム第3部分とが対向して配置され、
且つ第1アームと第2アームとが同じ方向に設けられていることを特徴とする多周波アンテナを提供する。
【0010】
本発明の多周波アンテナにおいて、第1アームは低周波側の基本モードと高次モードとの制御に用いられ、
第2アームは高周波側の基本モードの調整に用いられ、
第1アームと第2アームとの各部分を分ける折り曲げ線は、それぞれの基本モードと高次モードとの間隔を調整し、共振周波数の間隔を制御することが可能な位置に設定され、
且つ第1アームと第2アームとの各部分の寸法は、低周波側高次モードと高周波側の基本モードを足すことが可能であり、且つ高周波側の帯域を広げることが可能なように設定されていることが好ましい。
【0011】
本発明の多周波アンテナにおいて、24.3mm×20mm×4mmの大きさでアンテナの放射エレメントが構成されたことが好ましい。
【0012】
本発明の多周波アンテナにおいて、GSMの周波数をfGSM、GPSの周波数をfGPS、DCSの周波数をfDCS、PCSの周波数をfPCS、UMTSの周波数をfUMTSとし、880MHz≦fGSM≦960MHz、1570MHz≦fGPS≦1580MHz、1710MHz≦fDCS≦1785MHz、1850MHz≦fPCS≦1910MHz及び1920MHz≦fUMTS≦2170MHzにおいて、電圧定在波比VSWR≦3.5以下であることが好ましい。
【0013】
本発明の多周波アンテナにおいて、モノポール対アンテナであり、地板長さをgL、地板幅をgw、第1アーム第1部分の長さをfeedL、第1アーム第1部分の幅をfeedwとした場合、これら各部の寸法が、40mm≦gL≦150mm、30mm≦gw≦60mm、5mm≦feedL≦40mm、0.1mm≦feedw≦5mmの関係を満たすことが好ましい。
【0014】
本発明の多周波アンテナにおいて、モノポール対アンテナであり、
第1アーム第2部分長さGSM1Lが15mm≦GSM1L≦30mm、
第1アーム第2部分幅GSM1wが0.5mm≦GSM1w≦5mm、
第1アーム第3部分長さGSM2Lが1mm≦GSM2L≦10mm、
第1アーム第3部分幅GSM2wが0.5mmGSM2w≦5mm、
第1アーム第4部分長さGSM3Lが15mm≦GSM3L≦30mm、
第1アーム第4部分幅GSM3wが1mm≦GSM3w≦10mm、
第2アーム第1部分長さDCS1Lが10mm≦DCS1L≦20mm、
第2アーム第1部分幅DCS1wが0.5mm≦DCS1w≦5mm、
第2アーム第2部分長さDCS2Lが1mm≦DCS2L≦10mm、
第2アーム第2部分幅DCS2wが0.5mm≦DCS2w≦5mm、
第2アーム第3部分長さDCS3Lが10mm≦DCS3L≦20mm、
第2アーム第3部分幅DCS3wが1mm≦DCS3w≦10mm、
の関係を満たすことが好ましい。
【0015】
本発明の多周波アンテナにおいて、モノポール対アンテナであり、
第1アーム第4部分がメアンダ状に形成され、このメアンダ状導体の線幅slitGSMが0≦slitGSM≦1mm、メアンダ状導体の間隔spaceGSMが0≦spaceGSM≦1mmの関係を満たすことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の多周波アンテナは、地板と、該地板に給電点を介して接続されたマッチング板と、該マッチング板から延出した第1アーム及び第2アームとを有し、第1アームと第2アームとの少なくとも一方の一部分はメアンダ状に形成され、第1アームは、マッチング板から先端側に向けて順に設けられた第1部分〜第4部分の4つの部分から構成され、第2アームは、第1アーム第1部分を共用部分とし、これを含め、これより先端側に向けて順に設けられた第1部分〜第3部分の合計4つの部分から構成され、第1アーム第2部分と第1アーム第4部分とが対向し、且つ第2アーム第1部分と第2アーム第3部分とが対向して配置され、且つ第1アームと第2アームとが同じ方向に設けられている構成としたものなので、小型化ができ、多周波帯域で十分な放射特性をもつことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の多周波アンテナの一実施形態を示す図であり、図1(a)は多周波アンテナ1の平面図、(b)は斜視図である。この図中、符号1は多周波アンテナ、2は地板、3はマッチング板、4は給電点、5は第1アーム、5aは第1アーム第1部分、5bは第1アーム第2部分、5cは第1アーム第3部分、5dはメアンダ状に形成された第1アーム第4部分、6は第2アーム、6aは第2アーム第1部分、6bは第2アーム第2部分、6cは第2アーム第3部分である。
【0018】
本実施形態の多周波アンテナ1は、地板2と、地板2に給電点4を介して接続されたマッチング板3と、該マッチング板3から延出した第1アーム5及び第2アーム6とを有し、第1アーム5と第2アーム6との少なくとも一方の一部分(本例示では第1アーム第4部分5d)はメアンダ状に形成されている。第1アーム5は、マッチング板3から先端側に向けて順に設けられた第1部分〜第4部分5a〜5dの4つの部分から構成され、第2アーム6は、第1アーム第1部分5aを共用部分とし、これを含め、これより先端側に向けて順に設けられた第1部分〜第3部分6a〜6cの合計4つの部分から構成されている。アーム各部分のうち、第1アーム第2部分5bと第1アーム第4部分5dとは対向し、且つ第2アーム第1部分6aと第2アーム第3部分6cとは対向して配置されており、且つ第1アーム5と第2アーム6とは、同じ方向に設けられている。この多周波アンテナ1は、完全導体を利用して構成されている。
【0019】
本実施形態の多周波アンテナ1において、第1アーム5は、低周波側の基本モードと高次モードとの制御に用いられ、第2アーム6は、高周波側の基本モードの調整に用いられる構成になっている。第1アーム5と第2アーム6との各部分を分ける折り曲げ線7は、それぞれの基本モードと高次モードとの間隔を調整し、共振周波数の間隔を制御することが可能な位置に設定され、且つ第1アーム5と第2アーム6との各部分の寸法は、低周波側高次モードと高周波側の基本モードを足すことが可能であり、且つ高周波側の帯域を広げることが可能なように設定されている。
【0020】
本実施形態の多周波アンテナ1において、GSMの周波数をfGSM、GPSの周波数をfGPS、DCSの周波数をfDCS、PCSの周波数をfPCS、UMTSの周波数をfUMTSとし、880MHz≦fGSM≦960MHz、1570MHz≦fGPS≦1580MHz、1710MHz≦fDCS≦1785MHz、1850MHz≦fPCS≦1910MHz及び1920MHz≦fUMTS≦2170MHzにおいて、電圧定在波比VSWR≦3.5以下であることが好ましい。
【0021】
本実施形態の多周波アンテナ1は、モノポール対アンテナであって、地板長さをgL、地板幅をgw、第1アーム第1部分の長さをfeedL、第1アーム第1部分の幅をfeedwとした場合、これら各部の寸法が、40mm≦gL≦150mm、30mm≦gw≦60mm、5mm≦feedL≦40mm、0.1mm≦feedw≦5mmの関係を満たすことが好ましい。
【0022】
本実施形態の多周波アンテナ1において、
第1アーム第2部分長さGSM1Lが15mm≦GSM1L≦30mm、
第1アーム第2部分幅GSM1wが0.5mm≦GSM1w≦5mm、
第1アーム第3部分長さGSM2Lが1mm≦GSM2L≦10mm、
第1アーム第3部分幅GSM2wが0.5mmGSM2w≦5mm、
第1アーム第4部分長さGSM3Lが15mm≦GSM3L≦30mm、
第1アーム第4部分幅GSM3wが1mm≦GSM3w≦10mm、
第2アーム第1部分長さDCS1Lが10mm≦DCS1L≦20mm、
第2アーム第1部分幅DCS1wが0.5mm≦DCS1w≦5mm、
第2アーム第2部分長さDCS2Lが1mm≦DCS2L≦10mm、
第2アーム第2部分幅DCS2wが0.5mm≦DCS2w≦5mm、
第2アーム第3部分長さDCS3Lが10mm≦DCS3L≦20mm、
第2アーム第3部分幅DCS3wが1mm≦DCS3w≦10mm、
の関係を満たすことが好ましい。
【0023】
本実施形態の多周波アンテナ1において、第1アーム第4部分5dがメアンダ状に形成され、このメアンダ状導体の線幅slitGSMが0≦slitGSM≦1mm、メアンダ状導体の間隔spaceGSMが0≦spaceGSM≦1mmの関係を満たすことが好ましい。
【0024】
本実施形態の多周波アンテナ1は、2つのアーム5,6を利用することで、2共振を発生することが可能であり、マッチング板3を利用することで、高周波側の帯域を広げることが可能である。
【0025】
本実施形態の多周波アンテナ1は、第1アーム5を用いて、低周波側の基本モードと高次モードを制御し、第2アーム6を利用することで高周波側の基本モードを調整することが可能となる。また、第1アーム5と第2アーム6の折り曲げ線7の位置で、それぞれの基本モードと高次モードの間隔を調整することができ、共振周波数の間隔を制御することが可能である。それらの2つのアーム5,6を利用することで、低周波側の高次モードと高周波側の基本モードを足すことが可能であり、高周波側の帯域を広げることができる。なお、第1アーム5と第2アーム6の位置を変えることは構わない。
【0026】
また、小型アンテナで一般的に使われているアーム長の1/4の波長が大き過ぎるため、本実施形態の多周波アンテナ1においては、第1アンテナ第4部分5dにメアンダ構造を用いたことによって、アンテナを小型化している。
【実施例】
【0027】
図2に示す多周波アンテナ(以下、アンテナと略記する。)を作製した。図2(a)はアンテナの斜視図、(b)はアーム各部を表す要部拡大図、(c)は各アームを展開した状態の平面図である。本実施例で作製したアンテナは、前述した図1のアンテナ1と同様の構造であり、同一の構成要素には同一符号を付してある。
【0028】
本実施例のアンテナは、全体の大きさが24.3mm×20mm×4mmとなっている。なお、使用した地板2の大きさは、携帯電話機として典型的な値のgL=70mm×gw=40mmとした。詳細寸法を表1にまとめて記す。
【0029】
【表1】

【0030】
以上のパラメータを用いて、作製したアンテナの特性を調べた。
図3はSパラメータを示す。この図より、波線で表している目的としている周波数帯のGSM900と3Gのバンド(DCS、PCS、UMTS)で2共振が行われることが分かる。また、VSWR<3.5の基準を仮定すれば、900MHz帯(920MHz中心)と3Gのバンド(ここで1920MHz中心)の帯域幅がそれぞれ87.3MHzと856.2MHzである。詳細な結果を表2にまとめて記す。
【0031】
【表2】

【0032】
図4は、アンテナの整合状態を表す。この図より、925MHzと1995MHzの抵抗とリアクタンスがそれぞれRin925MHz=40.29Ω、Rin1995MHz=66.64Ω、Xin925MHz=2.16Ω、Xin1995MHz=1.52Ωであることが分かる。
【0033】
図5(a)〜(e)は、このアンテナのyz平面において、アンテナの(垂直面内の)放射特性を示し、図6(a)〜(e)は、アンテナのxy平面において、アンテナの(水平面内の)放射特性を示す。なお、アンテナの放射特性は、Sパラメーターの一番落ちている値の周波数で示す。
また、図5の結果から得られた各帯域でのピーク利得値を表3にまとめて記す。
【0034】
【表3】

【0035】
図5、図6及び表3の結果から、このアンテナは、GSM(920MHz)/GPS(1575.42MHz)/DCS(1795MHz)/PCS(1920MHz)/UMTS(2045MHz)の各帯域で利用可能であることが分かる。
また、図6より、本実施例のアンテナがモノポールの近い特性を持つことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の多周波アンテナの実施形態を示し、(a)は多周波アンテナの平面図、(b)は斜視図である。
【図2】本発明に係る実施例で作製した多周波アンテナを示し、(a)はアンテナの斜視図、(b)はアーム各部を表す要部拡大図、(c)は各アームを展開した状態の平面図である。
【図3】実施例のアンテナのSパラメータを示すグラフである。
【図4】実施例のアンテナの整合状態を表すグラフである。
【図5】このアンテナのyz平面において、アンテナの(垂直面内の)放射特性を示すグラフである。
【図6】アンテナのxy平面において、アンテナの(水平面内の)放射特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0037】
1…多周波アンテナ、2…地板、3…マッチング板、4…給電点、5…第1アーム、5a…第1アーム第1部分、5b…第1アーム第2部分、5c…第1アーム第3部分、5d…第1アーム第4部分、6…第2アーム、6a…第2アーム第1部分、6b…第2アーム第2部分、6c…第2アーム第3部分、7…折り曲げ線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地板と、該地板に給電点を介して接続されたマッチング板と、該マッチング板から延出した第1アーム及び第2アームとを有し、
第1アームと第2アームとの少なくとも一方の一部分はメアンダ状に形成され、
第1アームは、マッチング板から先端側に向けて順に設けられた第1部分〜第4部分の4つの部分から構成され、
第2アームは、第1アーム第1部分を共用部分とし、これを含め、これより先端側に向けて順に設けられた第1部分〜第3部分の合計4つの部分から構成され、
第1アーム第2部分と第1アーム第4部分とが対向し、且つ第2アーム第1部分と第2アーム第3部分とが対向して配置され、
且つ第1アームと第2アームとが同じ方向に設けられていることを特徴とする多周波アンテナ。
【請求項2】
第1アームは低周波側の基本モードと高次モードとの制御に用いられ、
第2アームは高周波側の基本モードの調整に用いられ、
第1アームと第2アームとの各部分を分ける折り曲げ線は、それぞれの基本モードと高次モードとの間隔を調整し、共振周波数の間隔を制御することが可能な位置に設定され、
且つ第1アームと第2アームとの各部分の寸法は、低周波側高次モードと高周波側の基本モードを足すことが可能であり、且つ高周波側の帯域を広げることが可能なように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の多周波アンテナ。
【請求項3】
24.3mm×20mm×4mmの大きさでアンテナの放射エレメントが構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の多周波アンテナ。
【請求項4】
GSMの周波数をfGSM、GPSの周波数をfGPS、DCSの周波数をfDCS、PCSの周波数をfPCS、UMTSの周波数をfUMTSとし、880MHz≦fGSM≦960MHz、1570MHz≦fGPS≦1580MHz、1710MHz≦fDCS≦1785MHz、1850MHz≦fPCS≦1910MHz及び1920MHz≦fUMTS≦2170MHzにおいて、電圧定在波比VSWR≦3.5以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多周波アンテナ。
【請求項5】
モノポール対アンテナであり、地板長さをgL、地板幅をgw、第1アーム第1部分の長さをfeedL、第1アーム第1部分の幅をfeedwとした場合、これら各部の寸法が、40mm≦gL≦150mm、30mm≦gw≦60mm、5mm≦feedL≦40mm、0.1mm≦feedw≦5mmの関係を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多周波アンテナ。
【請求項6】
モノポール対アンテナであり、
第1アーム第2部分長さGSM1Lが15mm≦GSM1L≦30mm、
第1アーム第2部分幅GSM1wが0.5mm≦GSM1w≦5mm、
第1アーム第3部分長さGSM2Lが1mm≦GSM2L≦10mm、
第1アーム第3部分幅GSM2wが0.5mmGSM2w≦5mm、
第1アーム第4部分長さGSM3Lが15mm≦GSM3L≦30mm、
第1アーム第4部分幅GSM3wが1mm≦GSM3w≦10mm、
第2アーム第1部分長さDCS1Lが10mm≦DCS1L≦20mm、
第2アーム第1部分幅DCS1wが0.5mm≦DCS1w≦5mm、
第2アーム第2部分長さDCS2Lが1mm≦DCS2L≦10mm、
第2アーム第2部分幅DCS2wが0.5mm≦DCS2w≦5mm、
第2アーム第3部分長さDCS3Lが10mm≦DCS3L≦20mm、
第2アーム第3部分幅DCS3wが1mm≦DCS3w≦10mm、
の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜5のアンテナ。
【請求項7】
モノポール対アンテナであり、
第1アーム第4部分がメアンダ状に形成され、このメアンダ状導体の線幅slitGSMが0≦slitGSM≦1mm、メアンダ状導体の間隔spaceGSMが0≦spaceGSM≦1mmの関係を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の多周波アンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−44518(P2009−44518A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207985(P2007−207985)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】