説明

多層エラストマー組立体を含む近接センサー

【課題】共に動作することによりユーザの接触を検知する、導電性エラストマー部分と非導電性エラストマー部分を含む近接センサーであって、制御された複数のトリガイベントを示す近接センサーの提供。
【解決手段】本発明の容量センサーは、導電性エラストマー部の検知領域内にユーザが接触したことを検知するため、所定の形状に形成された導電性エラストマー部と、導電性エラストマー部の検知領域内の導電性エラストマー部に隣接して配置された誘電体部と、導電性エラストマー部と電気通信して導電性エラストマー部の電気的特性の変化を探知するため制御器とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に近接センサーに関する。特に、本発明は複層近接センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用表示制御パネル技術は、従来の非インタラクティブ表示及び機械的スイッチから、タッチセンサー画面及び電子センサースイッチに移行しつつある。1つの種類のセンサースイッチは、一般に、容量性センサースイッチと呼ばれている。容量センサースイッチは一般に、通常検知領域の境界を形作る電界をそれに隣接して発生するように適合された電極を含む。電極は、非導電性又は低導電性パネルの背面に接続され、この電極は、センサー回路又は制御器と電気通信する。例えば、人間の指などのような、導電性物質又は帯電した物がパネル前面の検知領域内に置かれると、指が電界と相互作用して電極容量が変化する。変化した容量がセンサー回路により検出され、スイッチイベントの発生を示す。
【0003】
導電性パネルは、対象の検知領域内で容量センサースイッチの感度を低下させる電極からの電界を広げることが知られている。さらに、電界の広がりは、望ましくないスイッチ性能の原因となり得る容量センサースイッチのセンサー全体の面積も拡大する。また、これは、制御パネルの表面に取り付けた導電性の装飾仕上げを使用しても現れる。
【0004】
導電性のパネル又は、導電性の装飾仕上げをその上に施した容量センサースイッチを使用することがしばしば所望される。たとえば、導電性の装飾仕上げは、しばしば制御パネルに採用され、所望の美的外観を自動車の車内に提供する。このような、導電性の装飾仕上げが使用された場合、電極の電界の広がりは、検知領域内のパネルの一部を、パネルの残りの部分から電気的に絶縁し、パネルの残りの部分を接地することにより低減されている。しかし、検知領域内のパネルの部分を電気的に絶縁することは、容量センサースイッチの望ましくない動作特性を発生させる可能性があり、パネルの前面に望ましくない美的外観を生み出す可能性がある。
【0005】
容量センサーをユーザインターフェイスの表面に追加する現在の方法には、いくつかの個別の部品が必要である。たとえば、金属又は導電性部品は一般に、従来のユーザインターフェイス(ボタン)の後部に固定され、専用の電気的インターフェイスが、必要な電子回路及びマイクロ制御器を含む回路基板との電気通信を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
共に動作することによりユーザの接触を検知する、導電性エラストマー部分と非導電性エラストマー部分を含む近接センサーであって、制御された複数のトリガイベントを示す近接センサーを開発することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、共に動作することによりユーザの接触を検知する、導電性エラストマー部分と非導電性エラストマー部分とを含む近接センサーであって、制御された複数のトリガイベントを示す近接センサーが、本発明と調和し一致することが見出された。
【0008】
ある実施形態では、容量センサーは、導電性エラストマー部の検知領域内にユーザが接触したことを検知するため、所定の形状に形成された導電性エラストマー部と、導電性エラストマー部の検知領域内の導電性エラストマー部に隣接して配置された誘電体部と、導電性エラストマー部と電気通信して、導電性エラストマー部の電気的特性の変化を検出する制御器とを備える。
【0009】
別の実施形態では、容量センサーは、所定の形状に形成された非導電性エラストマー部と、導電性エラストマー部の検知領域内にユーザが接触したことを検知するための非導電性エラストマー部の少なくとも一部に隣接して配置された導電性エラストマー部と、非導電性エラストマー部表面に隣接して配置されたスイッチと、導電性エラストマー部及びスイッチと電気通信する制御器であって、導電性エラストマー部の電気的特性の変化を検出し、機械的スイッチの状態を検出する制御器とを備える。
【0010】
また別の実施形態では、インターフェイスシステムは、非導電性エラストマー部の少なくとも一部に隣接して配置され、所定の形状に形成された非導電性エラストマー部及び導電性エラストマー部の検知領域にユーザが接触したことを検知する導電性エラストマー部を含む容量センサーと、ユーザへのフィードバックを生成するための車両システムと、導電性エラストマーと電気的通信を行って導電性エラストマー部の電気的特性の変化を検出する制御器であって、導電性エラストマー部の電気的特性の変化に応じて車両システムにより生成されたフィードバックを構成する制御器とを備える。
【0011】
上記は、本発明の他の利点と共に、添付の図面の観点から考慮されると、以下の好ましい実施形態の詳細な説明から、当業者には容易に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態による車両に配置されたインターフェイスシステムの斜視図である。
【図2】図1のインターフェイスシステムの概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態による図1のインターフェイスシステムの近接スイッチの拡大部分断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態による近接スイッチの拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明及び添付図面は、本発明のさまざまな実施形態を説明し図示したものである。この説明と図面は、当業者が本発明を作成し使用することができるようにするように作用し、本発明の範囲をいかなる方法においても制限することを意図することを意図しない。開示された方法に関しては、提示された手順は例示的な性質のものであり、したがって、手順の順番は必須又は不可欠ではない。
【0014】
図1〜図3は、本発明の一実施形態による、車両11に統合されたインターフェイスシステム10を示す図である。ただし、インターフェイスシステム10は、車両以外の環境にも配置できることが理解される。図示するように、インターフェイスシステム10は近接センサー12と、ユーザへのフィードバック15を生成するための車両システム14と、近接センサー12と電気的通信を行って、近接センサー12の電気的特性の変化を検出し、その近接センサー12の電気的特性の変化に応じて車両システム14により生成されたフィードバック15を構成する制御器16とを含む。
【0015】
図示した実施形態では、近接センサー12は、所定の形状に形成された非導電性エラストマー部18と、非導電性エラストマー部18の少なくとも一部分に隣接して配置された導電性エラストマー部20と、導電性エラストマー部20と電気通信する回路基板22と、非導電性エラストマー部18及び導電性エラストマー部20のうちの少なくとも1つに隣接して配置されたスイッチ24とを含む。近接センサー12は、車両11の任意の部分、表面、又は一部とも統合することができることが理解される。また、任意の数の近接センサー12を使用することができることも更に理解される。
【0016】
非導電性エラストマー部18は一般に、空洞26がその中に形成された実質的な半球形に形成される。しかし、非導電性エラストマー部18が任意の大きさと形を有することができることが理解される。非限定的な例として、非導電性エラストマー部18は、光を通すことができるよう、透明又は半透明である。半透明エラストマーを、非導電性エラストマー部18を通過する光を分散させるのに使用することができることが理解される。ただし、任意の透過度を使用することができる。さらに非限定的な例として、非導電性エラストマー部18は、空洞26を構成する非導電性エラストマー部20の内部表面上に形成された突起28を含む。したがって、突起28は、非導電性エラストマー部18が変形するとスイッチ24の一部に選択的に当接するように、スイッチ24と整列して配置することができる。
【0017】
ある実施形態では、非導電性エラストマー部18の一部は、図形、印、その他同様のものを含む装飾仕上げ30を含む。非限定的な例として、装飾仕上げ30は、非導電性エラストマー部18の第1の表面32(例えば、接触表面、ユーザが係合可能な表面、前面など)に隣接して形成される。装飾仕上げ30は、ユーザに図形的な識別記号を視覚的に示すため、任意の材料から形成することができることが理解される。さらに非限定的な例として、装飾フィルム(図示せず)又はペイントを、非導電性エラストマー部18の第1の表面32に適用して装飾仕上げ30を作成することができる。また、装飾仕上げ30は、近接センサー12に関連付けられた機能を表すことができることが更に理解される。
【0018】
導電性エラストマー部20は、非導電性エラストマー部18の一部に隣接して配置され、制御器16と電気通信する。ある実施形態では、近接センサー分野の当業者には理解されるように、導電性エラストマー部20は、非導電性エラストマー部18の第1の表面32に隣接して配置され、非導電性エラストマー部18の第1の表面32の一部は導電性エラストマー部18の検知領域(例えば、電界など)内に配置される。非限定的な例として、非導電性エラストマー部18の一部は導電性エラストマー部20上に構成され、ユーザの指と導電性エラストマー部20との間の誘電体バリアを提供する。当業者には理解されるように、他の誘電性材料も、導電性エラストマー部20に適用して、近接センサー用の誘電体バリアを提供するために使用することができる。導電性エラストマー部20が任意の寸法と形状を有することができることが理解される。
【0019】
ある実施形態では、導電性エラストマー部20は、非導電性エラストマー部18を用いて、車両11のある表面又は一部に複数の「検知領域」を作り出すように配設される。導電性エラストマー部20の個別の部分は、さまざまな機能を制御するための複数の分離されかつ個別の「検知領域」を提供するために、互いに離間することができ、非導電性エラストマー部18(又は誘電性材料)により電気的に絶縁できることが理解される。導電性エラストマー部20は、任意の数の「検知領域」を作り出すために任意の配設を有することができることが更に理解される。
【0020】
回路基板22は一般に、非導電エラストマー部18及び導電性エラストマー部20のうちの少なくとも1つに隣接して、導電性エラストマー部20及び制御器16と電気通信するように配置される。ただし、回路基板22は非導電エラストマー部18及び導電性エラストマー部20のうちの少なくとも1つから離間することができ、電気的インターフェイス(図示せず)により導電性エラストマー部20と電気通信するように配置することができる。回路基板22は、導電性エラストマー部20と、制御器16及び電気エネルギー源(図示せず)のうち少なくとも1つとの間で電気的相互通信を提供することができることが理解される。また、回路基板22は、インターフェイスシステム10の電気的特性を管理するための制御要素と保護要素を含むことができることも更に理解される。
【0021】
ある実施形態では、導電性エラストマー部20は回路基板22の導電部に当接し、導電性エラストマー部20と回路基板22との間に電気的相互通信を提供する。非限定的な例として、締め付け要素34(例えば、筐体)を非導電性エラストマー部18及び導電性エラストマー部20のうちの少なくとも1つに隣接して配置し、導電性エラストマー部20を回路基板22の導電部35と直接接触するよう固定する。導電性エラストマー部20と回路基板22の導電部35との間の直接接触により、別個の電気的相互接続デバイスの必要性が少なくなることが理解される。しかし、電気的相互接続のための任意の手段を、導電性エラストマー部20を制御器16及び/又は回路基板22に電気的に連結するために使用することができることが理解される。
【0022】
スイッチ24は一般に、スイッチ24の切り替えに応じて電気信号を生成するよう構成された押しボタンスイッチなどの機械的に作動するスイッチである。ただし、その他のスイッチ(例えば、電気機械スイッチ)も使用することができる。非限定的な例として、スイッチ24は、非導電性エラストマー部18内に形成された空洞26内に配置される。さらに非限定的な例として、スイッチ24は制御器16と電気通信する(例えば、回路基板22を介して)。ある実施形態では、スイッチ24は回路基板22に連結されて、スイッチ24を非導電性エラストマー部18に対して実質的に静的な位置に固定する。
【0023】
ある実施形態では、インターフェイスシステム10は、少なくとも1つの、近接センサー12の部分が光るよう配置された光源36を更に含む。非限定的な例として、少なくとも1つの光源36は、非導電性エラストマー部18内部に形成された空洞26に配置され、非導電性エラストマー部18を通して光線を放射するように構成される。さらに、非限定的な例として、少なくとも1つの光源36は回路基板22と電気通信し、電気エネルギー源(図示せず)により選択的に電源供給される。
【0024】
車両システム14は一般に、可視出力(例えば、フィードバック15)をユーザに示すためのディスプレイ38を含むユーザインターフェイスである。1つを含む、任意の数のディスプレイ38を使用することができることが理解される。2Dディスプレイ、3Dディスプレイ、タッチスクリーン、及びその他同様のディスプレイなど、任意の種類のディスプレイを使用することができることが更に理解される。ある実施形態では、車両システム14は、少なくとも1つの可聴フィードバック、触覚フィードバック、及び視覚的フィードバックをユーザに提供するよう構成される。
【0025】
制御器16は、近接センサー12(例えば、導電性エラストマー部20)及び車両システム14と電気通信し、近接センサー12の電気特性(例えば、容量)の変化を検出し、近接センサー12の電気特性の変化に応じて車両システム14により生成されたフィードバック15を構成する。
【0026】
ある実施形態では、制御器16は、電気エネルギーを導電性エラストマー部20に提供してそれに隣接する電界(つまり検知領域)を作り出す。さらに、制御器16は、導電性エラストマー部20の電気特性(例えば、容量)の変化を検出するよう構成され、この変化した電気特性は、導電性の要素(例えば、人間の指)が導電性エラストマー部20の検知領域内にあることを示す。非限定的な例として、制御器16は、導電性エラストマー部20の第1の閾値を超える電気特性の変化に応じて第1のイベントをトリガするように構成することができる。第1の閾値は、接触していない場合の導電性エラストマー部20の容量変化の閾値を示すよう予め定義することができることが理解される。さらに非限定的な例として、制御器16は、導電性エラストマー部20の第2の閾値を超える電気特性の変化に応じて第2のイベントをトリガするように構成することができる。第2の閾値は、ユーザが近接センサー12の第1の表面32(誘電体層など)に接触したときに起こる電導性エラストマー部20の容量変化の接触に対する閾値を示すよう予め定義することができることが理解される。更なる非限定的な例として、制御器16は、スイッチ24の状態の変化に応じて第3のイベントをトリガするよう設定することができる。
【0027】
使用中、インターフェイスシステム10の単一の領域において、複数のトリガイベントがユーザに対して可能である。具体的には、ユーザの指が近接センサー12の検知領域に侵入するにつれ、導電性エラストマー部20の電気特性(例えば、容量)が変化し、制御器16が予め定義された第1のトリガイベントを実行する。非限定的な例として、第1のトリガイベントは、ディスプレイ38により示される視覚的出力(フィードバック15など)の一部を強調又は目立たせるようにすることを含むことができる。さらに非限定的な例として、近接センサー12の装飾仕上げ30は、ラジオの音量制御などの車両システム14に関連する特定の機能を表してもよい。したがって、ユーザの指が近接センサー12の検知領域に侵入すると、車両システム14のディスプレイ38が、ユーザに、ユーザの指が近接センサー12の検知領域内にあることを、ユーザに表示されるフィードバック15を操作することにより示す(例えば、音量コントロールを表す視覚的出力を強調する)。制御器16は、第1のトリガイベントに応じた任意のシステムを構成することができることが理解される。
【0028】
ユーザの指が近接センサー12の第1の表面32に接触すると、制御器16は予め定義された第2のトリガイベントを実行する。非限定的な例として、ユーザが近接センサー12の第1の表面32に接触すると、制御器16は、ユーザに対して表示されている装飾仕上げ30と一致した様態で車両システム14を構成する。具体的には、装飾仕上げ30はラジオの音量コントロールを表す場合、ユーザは近接センサー12の第1の表面32に接触してラジオの音量を増減することができる。制御器16は、第2のトリガイベントに応じた任意のシステムを構成することができることが理解される。
【0029】
さらに、ユーザは近接センサー12の第1の表面32に、非導電性エラストマー部18を押し下げる(即ち、変形させる)のに十分な力を加えることができる。結果として、非導電性エラストマー部18が変形し、非導電性エラストマー部18の一部(例えば、突起)がスイッチ24と係合し、スイッチ24の状態を切り替える。スイッチ24の状態の変化に応じて、制御器16が予め定義された第3のトリガイベントを実行する。非限定的な例として、ユーザが近接センサー12の第1の表面32を押し下げたとき、制御器16は、ユーザに対して表示されている装飾仕上げ30と一致した態様で車両システム14を構成する。具体的には、装飾仕上げ30はラジオの音量コントロールを表す場合、ユーザは近接センサー12の第1の表面32を押し下げてラジオの音量をただちに消音することができる。制御器16が、第3のトリガイベントに応じた任意のシステムを構成することができることが理解される。近接センサー12及び制御器16が、近接センサー12の電気特性の変化及びスイッチ24の状態の変化のうちの少なくとも1つに関する、任意の数の閾値に基づいて、任意の数のトリガイベントを提供するように構成できることが更に理解される。
【0030】
図4は、本発明の別の実施形態による近接センサー12と下記に説明する事項を除いて同様の、近接センサー12’を図示している。図示するように、近接センサー12’は、所定の形状に形成された非導電性エラストマー部18’と、非導電性エラストマー部18’の少なくとも一部に隣接した配置された導電性エラストマー部20’とを含む。近接センサー12’は、車両11の任意の部分、表面、又は一部と統合できることが理解される。任意の数の近接センサー12’を使用することができることも更に理解される。
【0031】
非導電性エラストマー部18’は一般に、回路基板22と非導電性エラストマー部18’との間の空洞26を構成する曲線の輪郭を有する。しかし、非導電性エラストマー部18’は任意の大きさと形を有することができることが理解される。非限定的な例として、非導電性エラストマー部18’は、そこを光が通過することができるように透明又は半透明である。半透明エラストマーは、非導電性エラストマー部18’を通過する光を分散させるために使用することができることが理解される。ただし、任意の透過度を使用できる。さらに、非限定的な例として、非導電性エラストマー部18’は、空洞26を構成する非導電性エラストマー部18’の内部表面から伸びる突起28を含む。したがって、突起28は、非導電性エラストマー部18’の変形によりスイッチ24に選択的に当接することができるよう、スイッチ24と整列して配置できる。
【0032】
導電性エラストマー部20’は、非導電性エラストマー部18’の一部に隣接し、制御器16と電気通信するよう配置される。非限定的な例として、非導電性エラストマー部18’の一部は導電性エラストマー部20’上に構成され、ユーザの指と導電性エラストマー部20’との間に誘電体バリアを提供する。
【0033】
さらに非限定的な例として、誘導性フィルム40が導電性エラストマー部20’上に構成され、ユーザの指と導電性エラストマー部20’との間に誘導体バリアを提供する。図示するように、誘導性フィルムは、図形、印、又は同様のものなどの装飾要素42を含む。非限定的な例として、誘導性フィルム40は、近接センサー12’の接触表面32’(即ち、ユーザが係合可能な表面、前面)を提供する。装飾要素42は、ユーザに図形的な識別記号を視覚的に示すため、任意の材料で形成することができることが理解される。装飾要素42が、近接センサー12’に関連付けられた機能を表すことができることが更に理解される。当業者には理解されるように、他の誘電性材料も、導電性エラストマー部20’に適用して、近接センサー用の誘電体バリアを提供することができることが理解される。導電性エラストマー部20’は任意の寸法と形状を有することができることが理解される。
【0034】
ある実施形態では、支持構造44は、装飾フィルム40に支持を提供するように配置される。非限定的な例として、支持構造44は、非導電性エラストマー部18’及び導電性エラストマー部20’のうちの少なくとも1つに連結され、近接センサー12’の所望の形を支持する。任意の寸法及び形状を有する任意の材料で形成された任意の構造を使用することができることが理解される。
【0035】
ある実施形態では、導電性エラストマー部20’は、車両11のある表面又は一部に複数の「検知領域」を作り出すために、非導電性エラストマー部18’とともに配列される。導電性エラストマー部20’の複数の個別の部分は、さまざまな機能を制御するための複数の分離された個別の「検知領域」を提供するため、互いに離間して配置することができ、非導電性エラストマー部18’(又は誘電性材料)により電気的に絶縁することができることが理解される。導電性エラストマー部20’は、任意の数の「検知領域」を作り出すために任意の配列を有することができることが更に理解される。
【0036】
ある実施形態では、導電性エラストマー部20’は回路基板22の導電部に当接し、導電性エラストマー部20’と回路基板22との間の電気的相互通信を提供する。非限定的な例として、締め付け要素34(例えば、筐体(ハウジング))は、装飾フィルム40、非導電性エラストマー部18’及び導電性エラストマー部20’のうち少なくとも1つに隣接して配置され、導電性エラストマー部20’を回路基板22の導電部35と直接接触するよう固定する。導電性エラストマー部20’と回路基板22の導電部35との間の直接接触により、個別の電気的相互接続デバイスの必要性が少なくなることが理解される。しかし、電気的相互接続のための任意の手段を、導電性エラストマー部20’を制御器16及び/又は回路基板22に電気的に連結するために使用できることが理解される。
【0037】
本発明の近接センサー12、12’は、共に動作してユーザの接触を検知する非導電性エラストマー部18、18’及び導電性エラストマー部20、20’を含み、近接センサー12、12’は複数の制御されたトリガイベントを示す。近接センサー12、12’の検知領域は、所望の場所に維持される。近接センサー12、12’は、装飾的な可視的表面の使用を提供し、この近接センサー12、12’の性能が最大化され、所望の美的外観を生み出すための選択肢が最大化される。
【0038】
前述の説明から、当業者は、本発明の基本的な特性を容易に確認し、かつ、その精神と範囲を逸脱することなく、さまざまな使用及び条件に適合させるように、本発明にさまざまな変更や修正を施すことができる。
【符号の説明】
【0039】
10 インターフェイスシステム
11 車両
12、12’ 近接センサー
14 車両システム
15 フィードバック
16 制御器
18、18’ 非導電性エラストマー部
20、20’ 電導性エラストマー部
22 回路基板
24 スイッチ
26 空洞
28 突起
30 装飾仕上げ
32 表面
32’ 接触表面
34 締め付け要素
35 導電部
38 ディスプレイ
40 装飾フィルム
42 装飾要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性エラストマー部の検知領域内でユーザの接触を検知するため、所定の形状に形成された導電性エラストマー部と、
導電性エラストマー部の前記検知領域内の前記導電性エラストマー部に隣接して配置された誘電体部と、
前記導電性エラストマー部と電気通信して、前記導電性エラストマー部の電気特性の変化を検出する制御器と、
を備える容量センサー。
【請求項2】
前記誘電体部は、非導電性エラストマー部から形成されている、請求項1に記載の容量センサー。
【請求項3】
前記制御器は、前記導電性エラストマー部の前記電気特性の前記変化が第1の閾値を超えたことに応じて第1のイベントを開始する、請求項1に記載の容量センサー。
【請求項4】
前記制御器は、前記導電性エラストマー部の前記電気特性の前記変化が第2の閾値を超えたことに応じて第2のイベントをトリガする、請求項1に記載の容量センサー。
【請求項5】
前記誘電体部は装飾仕上げを含む、請求項1に記載の容量センサー。
【請求項6】
前記導電性エラストマー部及び前記制御器と電気通信して、前記導電性エラストマー部と前記制御器との間に電気相互通信を提供する回路基板を更に備える、請求項1に記載の容量センサー。
【請求項7】
前記導電性エラストマーは、前記回路基板の導電性部に当接し、前記導電性エラストマー部と前記回路基板との間の電気通信を提供する、請求項6に記載の容量センサー。
【請求項8】
前記導電性エラストマー部及び前記誘電体部のうちの少なくとも1つに隣接して配置され、前記導電性エラストマー部を前記回路基板の導電性部と直接接触するように固定する締め付け構造を更に備える、請求項6に記載の容量センサー。
【請求項9】
所定の形状に形成された非導電性エラストマー部と、
前記非電導性エラストマー部の少なくとも一部に隣接して配置され、前記導電性エラストマー部の検知領域内のユーザの接触を検知するための導電性エラストマー部と、
前記非導電性エラストマー部の表面に隣接して配置されたスイッチと、
前記導電性エラストマー部及び前記スイッチと電気通信する制御器であって、前記導電性エラストマー部の電気特性の変化を検出し、前記機械的スイッチの状態を検出する制御器と、
を備える容量センサー。
【請求項10】
前記非導電性エラストマー部は、多軸、多次元の形状を有する、請求項9に記載の容量センサー。
【請求項11】
前記制御器は、前記導電性エラストマー部の前記電気特性の前記変化が第1の閾値を超えたことに応じて第1のイベントを開始する、請求項9に記載の容量センサー。
【請求項12】
前記制御器は、前記スイッチの前記状態の変化に応じて第2のイベントを開始する、請求項11に記載の容量センサー。
【請求項13】
前記導電性エラストマー部及び前記制御器と電気通信して、前記導電性エラストマー部と前記制御器との間の電気相互通信を提供する回路基板を更に備える、請求項9に記載の容量センサー。
【請求項14】
前記非導電性エラストマー部に隣接して配置され、非導電性エラストマー部を通して光を放出するよう構成された光源を更に備える、請求項9に記載の容量センサー。
【請求項15】
前記非導電性エラストマー部が、前記光源により光る図形的な印を含む、請求項14に記載の容量センサー。
【請求項16】
所定の形状に形成された非導電性エラストマー部及び前記非導電性エラストマー部の少なくとも一部に隣接して配置された導電性エラストマー部を含み、電導性エラストマー部の検知領域内のユーザの接触を検知する容量センサーと、
前記ユーザにフィードバックを生成するための車両システムと、
前記導電性エラストマー部と電気通信して、前記導電性エラストマー部の電気特性の変化を検出する制御器であって、前記導電性エラストマー部の電気特性の前記変化に応じて前記車両システムにより生成された前記フィードバックを構成する制御器と、
を備えたインターフェイスシステム。
【請求項17】
前記制御器は、第1の閾値を超える前記導電性エラストマー部の前記電気特性の前記変化に応じて第1のイベントを開始し、前記第1のイベントは、前記車両システムにより生成された前記フィードバックの構成を表示する、請求項16に記載のインターフェイスシステム。
【請求項18】
前記制御器は、第2の閾値を超える前記導電性エラストマー部の前記電気特性の前記変化に応じて第2のイベントを開始し、前記第2のイベントは、前記車両システムにより生成された前記フィードバックの構成を表示する、請求項17に記載のインターフェイスシステム。
【請求項19】
前記非導電性エラストマー部及び前記導電性エラストマー部のうちの少なくとも1つに隣接して配置されたスイッチを更に備え、前記スイッチの状態が前記非導電性エラストマー部及び前記導電性エラストマー部のうちの少なくとも1つの変形により選択的に切り替わる、請求項16に記載のインターフェイスシステム。
【請求項20】
前記制御器は、前記スイッチの前記状態の変化に応じてイベントを開始し、前記イベントは、前記車両システムにより生成された前記フィードバックの構成を表示する、請求項19に記載のインターフェイスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−134148(P2012−134148A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−280159(P2011−280159)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【出願人】(505450755)ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド (140)
【Fターム(参考)】