多層ガスケット
本発明は多層ガスケットシールを提供するものである。ガスケットシールは第1のシート表面を有するシートを含む。開口部は第1のシート表面を貫く。第1の溝は第1のシート表面において規定され、開口部の周りの第1の経路に沿って延びている。第1の溝は深さおよび幅を有する。ガスケットシールはまた、第1の溝に配置されたリングシールを含む。リングシールは、溝から離れる方向を向くシーリング表面と溝に対向する反対表面との間で規定される厚さを有する。厚さおよび深さのうちの1つは、開口部の周りでシーリング表面と第1のシート表面との間の距離が変化するように、開口部の周りで変化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は内燃機関内において見られるような比較的剛性の高い多層ガスケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2.関連先行技術の説明
内燃機関(たとえば、ヘッドガスケット、排気マニホルドガスケット、ターボチャージャガスケットなど)におけるさまざまなシーリング用途などのように過酷な圧力および/または温度環境に関連したシーリング用途において、所望の流体シールを提供するために、弾性的に変形可能なエンボス部を有する多層金属ガスケットが用いられている。多層ガスケットはスチールなどの金属の薄い板から作ることができる。エンボス部は均一かつ弾性的な性質を有し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は多層ガスケットシールを提供するものである。ガスケットシールは第1のシート表面を有するシートを含む。開口部は第1のシート表面を貫く。第1の溝は第1のシート表面において規定され、開口部の周りの第1の経路に沿って延びている。第1の溝は、深さおよび/または幅の点で変化するものであってもよい。ガスケットシールはまた、第1の溝に配置されたリングシールを含む。リングシールは、溝から離れる方向を向くシーリング表面と溝に対向する反対表面との間で規定される厚さを有する。厚さおよび深さのうちの1つは、開口部の周りでシーリング表面と第1のシート表面との間の距離が変化するように、開口部の周りで変化する。
【0004】
本発明の利点は、後述する詳細な説明と、添付の図面とを併せて考慮することによって、より容易に理解されるであろう。なお同様の要素は同様の名称を有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図1A】図1の線1A−1Aに沿う第1の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図1B】図1の線1B−1Bに沿う第1の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図2】第1の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図3A】図3の線3A−3Aに沿う第2の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図3B】図3の線3B−3Bに沿う第2の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図4】第2の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図5A】図5の線5A−5Aに沿う第3の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図5B】図5の線5B−5Bに沿う第3の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図6】第3の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図7】本発明の第4の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図7A】図7の線7A−7Aに沿う第4の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図7B】図7の線7B−7Bに沿う第4の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図8】第4の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図9】本発明の第5の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図9A】図9の線9A−9Aに沿う第5の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図9B】図9の線9B−9Bに沿う第5の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図10】第5の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図11】本発明の第6の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図11A】図11の線11A−11Aに沿う第6の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図11B】図11の線11B−11Bに沿う第6の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図12】第6の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図13】本発明の第7の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図13A】図13の線13A−13Aに沿う第7の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図13B】図13の線13B−13Bに沿う第7の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図14】第7の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図15】本発明の第8の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図15A】図15の線15A−15Aに沿う第8の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図15B】図15の線15B−15Bに沿う第8の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図16】図15の第8の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図17】高剛性シールの長さに沿う位置の関数としての高剛性シールの厚さ/幅のプロット図である。
【図18】本発明のガスケットシールの製造方法を説明するフロー図である。
【図19】本発明のシールジョイントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明の複数の異なる実施形態を本願の図において示す。本発明のいくつかの実施形態において類似の特徴部が示される。類似の特徴部には共通の符号が付されている。図面または明細書において特に断らない限り、類似の特徴部は同様に構成され、同様に動作し、および/または同様の機能を有する。さらに、図面または本明細書において特に断らない限り、一の実施形態における特定の特徴部は、他の実施形態における対応する特徴部と代替し得る。
【0007】
本発明は、多くのさまざまなシーリング用途に適用し得るガスケットシールを提供する。本発明の例示的な実施形態の動作環境は自動車用途であり、たとえば内燃機関のシリンダヘッドとエンジンブロックとの間のシールされたジョイントに関連するシリンダヘッドガスケットシールである。
【0008】
図1、1A、1B、および2は、本発明の第1の実施形態におけるガスケットシール10を示す。ガスケットシール10は高剛性ガスケットシート12を含む。高剛性ガスケットシート12は、第1のシートまたはシーリング表面14と、反対または第2のシート表面16とを有する。反対表面16もまた、本発明のさまざまな実施形態においてシーリング表面である。高剛性ガスケットシート12はまた、ガスケットシート12を貫通して延びるシーリング開口部18を含む。高剛性ガスケットシート12はまた、シーリング表面14に形成されたシーリング溝20を含む。シーリング溝20は深さdCおよび幅wCを有する。溝20の深さdCは、図1Aおよび1Bを比較することによってわかるように、変化する。シーリング溝20は開口部18を取囲む経路21を辿っている。シーリング表面23を有する高剛性シール22は、溝20に配置され、厚さtSおよび幅wSを有する。高剛性シール22の厚さtSは溝の最大の深さdCより大きいかまたは等しい。これによりシール22は表面14と少なくとも同じ高さとなる。シーリング溝20の幅wCは、高剛性シール22がシーリング溝20に配置され得るように、高剛性シール22の幅wSに対応している。しかしながら本発明のいくつかの代替的な実施形態において、高剛性シール22とシーリング溝20との間に、若干緩衝する嵌め合いが設けられるようにwSおよびwCが選択されることが好ましい場合もあり得る。
【0009】
高剛性ガスケットシート12は任意の好適な高剛性材料から形成することができる。この材料は、高剛性ポリマー、強化ポリマー、ポリマー複合材料、および金属などを含む。要求される剛性の程度は多くの要因に依存する。この要因は、ガスケットシール10が適用され得るシールされたジョイントに関係するフランジにおいて用いられるデザインや材料を含む。多くの自動車用途を含む多くの用途において、高剛性ガスケットシート12は、好ましくはスチールまたはアルミニウム合金などの金属から形成されるであろう。高剛性ガスケットシート12は、用途上の要求やガスケットシール10が用いられ得るシールジョイントのデザインに応じて、任意の好ましい厚さを有してもよい。
【0010】
シーリング表面14は、ガスケットシート12の上部および下部表面であり、ガスケットシール10が適用され得るシールジョイントに関連するデザイン上の考慮に依存する。この本発明の第1の例示的な実施形態において用いられるものとして、反対表面16は、単純に、ガスケットシート12のシーリング表面14と反対の表面である。
【0011】
例示的な開口部18は、シールジョイントの結合されたフランジ部材における通路に関連するものであってもよく、特に流体通路に関連するものであってもよい。ガスケットシール10がシールジョイントに含まれる場合、ジョイントにおいて開口部18はその周囲がシーリングされることが望まれる流体通路の部分を有してもよい。本発明の第1の例示的な実施形態によれば、ガスケットシート12は少なくとも1つの開口部18を含み得るものであるが、用途に応じて、またガスケットシール10が関連するシールされたジョイントの構成による要求によって、多数の開口部18を含み得る。
【0012】
溝20の深さdCおよび幅wCは、長さ方向に沿って同じであってもよい。ここで長さとは、開口部18周りに溝20が延びる経路21によって規定される。ガスケットシール10がシールジョイントに取付けられる際に、シーリング溝20の長さに沿って高剛性シール22へのシーリング圧力を可変に制御するために、溝20の深さdCおよび幅wCの少なくとも1つは、後述するように、溝20の長さに沿って変化し得る。図1、1A、1B、および2に示す実施形態においては、溝幅が一定とされる一方で、長さに沿ってシーリング溝20の深さが変化している。本発明の代替的な実施形態において、ガスケットシール10がシールジョイントに取付けられる際に、シーリング溝20の長さに沿って高剛性シール22に対するシーリング圧力を可変に制御するために、シール22の厚さtSに変化がつけられてもよい。
【0013】
シーリング溝20は、任意の好適な形成方法によって形成することができ、これはガスケットシート12のために用いられる材料に依存する。これは、ガスケットシート12のシーリング表面14におけるシーリング溝の直接的または間接的な形成だけでなく、ガスケットシート12のシーリング表面14からの物質の除去を含み得る。金属の場合、これはさまざまな物質除去または形成技術を含み得るものであり、たとえば機械加工、金属成形(たとえば鋳造)など、さまざまな様式を含み得る。ある種のポリマーの場合、これはまたシーリング溝の形成またはモールディングを含み得る。溝20を形成するために電解加工(ECM)を用いることもできる。
【0014】
高剛性シール22は、高剛性ポリマー、強化ポリマーおよびポリマー複合材料、金属などを含む任意の好適な高剛性材料から形成され得る。ガスケットシート12と同様に、要求される剛性の程度は多くの要因に依存する。たとえば、ガスケットシール10が適用されているシールされたジョイントに関連するフランジにおいて用いられるデザインおよび材料に依存する。高剛性シール12は、スチールまたはアルミニウム合金などの金属から形成され得る。燃焼シリンダシールなどの、高温および/または高強度用途の場合、さまざまなステンレススチールのように、良好な高温強度と耐腐食性とを有する材料が用いられてもよい。シール22の厚さtSおよび幅wSは、シール22がシーリング溝20に配置されることを許容するものである。シーリング表面23は、本発明の第1の例示的な実施形態において、表面14と少なくとも同じ高さであるが、溝20の長さに沿ったいくつかの地点においてシーリング表面14の上方にわずかに突起している。本発明の第1の例示的な実施形態の高剛性シール22は、溝20の長さに沿って一定の厚さtSを有する。本発明の第1の実施形態において、高剛性シール22の幅wSおよび溝20の幅wCは、溝20の長さに沿って一定である。しかしながら高剛性シール22の厚さtSおよび幅wSのいずれかまたは両方は、溝20の長さに沿って変化してもよい。高剛性シール22およびシーリング溝20の幅wS、wCの変化についてであるが、総じて、高剛性シール22の幅の変化は、図1、1A、1Bおよび2の実施形態に示すように、シーリング溝20の幅の変化におおよそ一致することが好ましい。ただしこのことは本発明において必須ではない。
【0015】
高剛性シール22は、溶接、かしめ、接着などの、多数のよく知られた接合方法のいずれによってもガスケットシート12に取付けられることができる。さらに、シールジョイントをなすためにボルト(図示せず)を入れるのに適したボルト穴24など他の特徴をまた、ガスケットシート12は含んでもよい。ガスケットシール10はまた、他の開口部26を含んでもよい。これはシーリングまたは非シーリング開口部のいずれであってもよく、ガスケットシール10がシリンダヘッドガスケットである本実施の形態に示される場合では冷却液供給口がこれに相当する。
【0016】
シールジョイントをシールするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、シーリング溝20の深さdCの変化のプロファイルの一例において、溝20の深さdCはボルト穴24により近い位置で総じてより小さく、溝20においてボルト穴24からより遠い地点で総じてより大きい。この種の深さプロファイルを図17に示す。
【0017】
高剛性シール22およびシーリング溝20の変形例により得ることができるガスケットシール10のいくつかの可能な実施形態について、以下に示す。以下において、「長さ」は、シール22および溝20の長さの両方に対して用いられる。
【0018】
図3、3A、3B、および4は、本発明の第2の実施形態を示す。本実施形態において、シーリング溝20の幅wCが溝20の長さに沿って変化する一方で、シーリング溝20の深さdCは、その長さに沿って一定である。シーリング溝20の幅wCとシール22の幅wSとは、長さに沿って実質的に同じである。高剛性シール22の厚さtSは、長さに沿っ
て一定である。
【0019】
シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、シーリング溝20の幅wCおよびシール22の幅wSの変化の好ましいプロファイルにおいて、シーリング溝20の幅wCは、ボルト穴24に近い位置ほど総じてより小さくなっており、溝においてボルト穴24から遠い位置ほど総じてより大きくなっている。この種の幅プロファイルを図17に示す。
【0020】
図5、5A、5B、および6に本発明の第3の実施形態を示す。本実施形態において、シーリング溝20の深さdCおよび幅wCは、長さに沿って変化している。高剛性シール22の厚さtSは長さに沿って一定であり、一方幅wSは長さに沿って変化している。高剛性シール22の幅wSの変化は、シーリング溝20の幅wCの変化に総じて一致している。シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24を含むガスケットシール10が用いられる場合、シーリング溝20の幅wCの変化のプロファイルにおいて、好ましくは、ボルト穴24により近い位置ほどシーリング溝20の幅wCは総じてより小さく、シーリング溝20の深さdCは総じてより大きくなり、溝20においてボルト穴に4からより離れた地点ほど幅wCは総じてより大きくなり、深さdCは総じてより小さくなる。この種の幅プロファイルを図17に示す。
【0021】
図1〜5Bに概して示されるガスケットシール10は高剛性ガスケットシールであり、シールジョイントに関連する対をなすシーリングフランジの少なくとも1つに変形を与えることによってシールジョイントおよびシールに作用するものであるが、ガスケットシール10はガスケットシート12の反対表面16上に2つのサポート部材をさらに含むいくつかの代替的なデザインによって実施されてもよい。サポート部材は、図7Aおよび7Bに示されるように、外側サポート部材28および内側サポート部材30を含んでもよい。外側サポート部材28はシーリング溝20から径方向外側に配置され、内側サポート部材30はシーリング溝20から径方向内側に配置されている。外側サポート部材28および内側サポート部材30は、ガスケットシート12の部分32の反対表面上に配置されている。部分32はガスケットシール10内部において撓むことができ、これによりガスケットシール10と、シーリングフランジのような、シールジョイントの要素との間のシーリングを高めることができる。
【0022】
ガスケットシール10の撓みまたはコンプライアンスの程度は、外側サポート部材28および内側サポート部材30の間の横方向のスペーシング34、および/または、高剛性シール22に関する内側および外側部材30、28の間のスペーシング36、38を変えることによって、変化させることができる。撓みの程度はまた、サポート部材28および30と高剛性シール22との間の縦方向のスペーシング40を変えることによって変化させることもできる。縦方向のスペーシング40は、シーリング溝20および/または筋溝(たとえば図9Aおよび9Bを参照)の深さを調整することによって変えることができる。これらの溝の少なくとも1つの深さは、その長さに沿って変えられてもよい。内側サポート部材30および外側サポート部材28を含む高剛性シール10のいくつかの実施形態について、以下に説明する。
【0023】
図7、7A、7B、および8に、本発明の第4の実施形態について示す。本実施形態において、シーリング溝20の幅wCは長さに沿って一定であり、一方、シーリング溝20の深さdCは長さに沿って変化している。高剛性シール22の厚さtSおよび幅wSは、長さに沿って一定である。高剛性シール22の幅wSは、シーリング溝20の幅wCに、総じて一致する。ガスケットシール10はまた、外側サポート部材28および内側サポート部材30を含む。外側サポート部材28は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向外側に間隔を空けて配置されている。内側サポート部材30は、シーリン
グ溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向内側に間隔を空けて配置されている。外側サポート部材28は、開口部18周りに経路31に沿って延びる外側サポート溝に配置されている。例示的な外側サポート溝42は、その長さに沿って一定の深さおよび幅を有する。内側サポート部材30は、開口部18周りの経路33に沿って延びる内側サポート溝44に配置されている。経路23、31、33は、互いに平行に延びており、本発明の例示的な実施形態においては同心円状となっている。例示的な内側サポート溝44は、その長さに沿って一定の深さおよび幅を有する。シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、シーリング溝20の深さの変化の好ましいプロファイルにおいて、シーリング溝20の深さdCは、ボルト穴24により近い位置ほど総じてより小さく、溝20においてボルト穴24からより遠い地点ほど総じて大きくなっている。この種の深さプロファイルを図17に示す。横方向のスペーシング34、36、および38と、縦方向のスペーシング40とは、シーリング用途の要求に応じて定められてよい。
【0024】
図9、9A、9B、および10に、本発明の第5の実施形態を示す。本実施形態において、シーリング溝20の深さdCはその長さに沿って一定であり、一方シーリング溝20の幅wCはその長さに沿って変化している。高剛性シール22の厚さtSはtS1およびtS2の間で長さに沿って変化しており、また幅wSも変化している。高剛性シール22の幅wSは、シーリング溝20の幅wCに総じて一致している。ガスケットシール10はまた、外側サポート部材28および内側サポート部材30を含む。外側サポート部材28は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向外側に間隔を空けて配置されている。内側サポート部材30は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向内側に間隔を空けて配置されている。外側サポート部材28は外側サポート溝42内に配置されている。例示的な外側サポート溝42は、その長さに沿って一定の深さおよび幅を有する。内側サポート部材30は、内側サポート溝44内に配置されている。例示的な内側サポート部材44は、その長さに沿って一定の深さおよび幅を有する。明示された代替的な実施形態の任意のものは、具体的に示されていない代替的な実施形態の任意のものと同様、内側または外側溝42、44の幅の深さのいずれかを変え得るように実施されてもよい。シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、シーリング溝20の深さdCの変化の好ましいプロファイルにおいて、シーリング溝20の深さdCは、ボルト穴24により近い位置ほど総じてより小さく、溝20においてボルト穴24からより遠い地点ほど総じてより大きくなっている。この種の深さプロファイルを図17に示す。横方向のスペーシング34、36、および38と、縦方向スペーシング40とは、シーリング用途の要求に応じて定めることができる。
【0025】
図11、11A、11B、および12に、本発明の第6の実施形態を示す。本実施形態において、シーリング溝20の幅wCおよび深さdCの両方が、その長さに沿って変化している。高剛性シール22の厚さtSはその長さに沿って一定であるが、幅wSは変化している。高剛性シール22の幅wSは、シーリング溝20の幅wCに、総じて一致している。ガスケットシール10はまた、外側サポート部材28および内側サポート部材30を含む。外側サポート部材28は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向外側に間隔を空けて配置されている。内側サポート部材30は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向内側に間隔を空けて配置されている。外側サポート部材28は外側サポート溝42内に配置されている。図示されているように、外側サポート部材42は、その長さに沿って一定の深さおよび幅を有する。内側サポート部材30は内側サポート溝44内に配置されている。図示されているように、内側サポート溝44は、その長さに沿って一定の深さおよび幅を有する。シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、シーリング溝20の幅wCの変化の好ましいプロファイルにおいて、ボルト穴24によ
り近い位置ほどシーリング溝20の幅wCは総じてより小さく、かつシーリング溝20の深さdCは総じてより大きく、また溝20においてボルト穴24からより遠い地点ほど幅wCは総じてより大きく、かつ深さdCは総じてより小さくなっている。この種の深さプロファイルを図17に示す。横方向のスペーシング34、36、および38と、縦方向のスペーシング40とは、シーリング用途の要求に応じて定めることができる。
【0026】
図13、13A、13B、および14に、本発明の第7の実施形態を示す。本実施形態において、シーリング溝20の幅wCおよび深さdCは、その長さに沿って一定である。高剛性シール22の厚さtSおよび幅wSは、シーリング溝20の長さに沿って一定である。高剛性シール22の幅wSは、シーリング溝20の幅wCに、総じて一致している。ガスケットシール10はまた、外側サポート部材28および内側サポート部材30を含む。外側サポート部材28は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、外側に間隔を空けて配置されている。内側サポート部材30は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、内側に間隔を空けて配置されている。外側サポート部材28は、一定の厚さと、長さに沿って変化する幅とを有する。内側サポート部材30は、一定の厚さと、長さに沿って変化する幅とを有する。外側サポート部材28は外側サポート溝42内に配置されている。図示されているように、外側サポート溝42は、一定の深さと、長さに沿って変化する幅とを有する。内側サポート部材30は内側サポート溝44内に配置されている。図示されているように、内側サポート部材44は、一定の深さと、長さに沿って変化する幅とを有する。シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、外側サポート溝42および内側サポート溝44の幅の変化の好ましいプロファイルにおいて、ボルト穴24により近い位置ほどサポート部材28、30の幅は総じてより小さく(それによって横方向のスペーシング34が増加する)、かつサポート部材28、30の深さは総じてより大きくなり、また溝においてボルト穴24からより遠い地点ほど幅が総じて大きくなり、かつ深さが総じて小さくなる。この種の幅プロファイルを図17に示す。横方向のスペーシング34、36、および38と、縦方向のスペーシング40とは、シーリング用途の要求に応じて定めることができる。
【0027】
図15、15A、15B、および16に、本発明の第8の実施形態を示す。本実施形態において、シーリング溝20の幅wCおよび深さdCは、長さに沿って一定である。高剛性シール22の厚さtSおよび幅wSは、シーリング溝20の長さに沿って一定である。高剛性シール22の幅wSは、シーリング溝20の幅wCに、総じて一致している。ガスケットシール10はまた、外側サポート部材28および内側サポート部材30を含む。外側サポート部材28は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向外側に間隔を空けて配置されている。内側サポート部材30は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向内側に間隔を空けて配置されている。外側サポート部材28は、一定の厚さと、長さに沿って変化する幅を有する。内側サポート部材30は、一定の厚さと、長さに沿って変化する幅とを有する。外側サポート部材28は外側サポート溝42内に配置されている。図示されているように、外側サポート部材42は長さに沿って変動する深さおよび幅を有する。内側サポート部材30は、内側サポート溝44内に配置されている。図示されているように、内側サポート部材44は、長さに沿って変化する変動する深さおよび幅を有する。シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、溝42、44の深さの変化の好ましいプロファイルにおいて、ボルト穴24により近い位置ほど溝42、44の深さは総じて大きく、またボルト穴24から遠いほど深さは総じて大きくなっている。この種の深さプロファイルを図17に示す。横方向のスペーシング34、36、および38と、縦方向のスペーシング40とは、シーリング用途の要求に応じて定めることができる。
【0028】
図18は、本発明によるガスケットシール10の例示的な製造方法の簡略化されたフロー図である。この方法は、溝20を有する高剛性ガスケットシート12を形成するステップ110を含む。またこの方法は、高剛性シール22を形成するステップ120を含む。シール22は、ステップ130にて、溝20内に配置される。高剛性シール22の幅wSと溝20の幅wCとは、シール22が溝20内に嵌るように、相互に考慮されて選択される。またこの方法は、シール22のシーリング表面23とシート12の隣接表面14との間のオフセットを変化させるステップ140を含む。高剛性シール22の厚さtSと溝20の深さdCとは、シール22のシーリング表面23と、シート12の隣接表面14との間のオフセットが変化するように相互に考慮して選択される。このオフセットは、シール22および溝20によって辿られる経路21(溝20の長さおよび/またはシール22の長さとも称される)に沿ういくつかの地点で、ゼロであってもよい。またこのオフセットは、シール22および溝20によって辿られる経路21に沿ういくつかの地点において、ゼロよりも大きい。
【0029】
高剛性ガスケットシート12を形成するステップ110は、ガスケットシート12に用いられる材料に鑑みて、任意の形成技術を用いて行なわれ得る。金属ガスケットシート12が用いられる場合、金属シートから打抜かれてもよい。開口部もまた、打抜き台を用いて打抜かれ得る。シーリング溝20は、フライス加工、鋳造、電解加工(ECM)などを含む種々のよく知られた金属成形方法によって形成され得る。シーリング溝20の深さおよび/または幅が長さに沿って変化する場合、溝は、ECMを用いて形成されることが好ましい。ガスケットシート12がポリマーまたは複合材料の場合、ガスケットシート12およびシーリング溝20の両方を形成するために、任意の好適なポリマーまたは複合材料形成方法が用いられ得る。これは射出成形または他のポリマーまたは複合材料のモールディング方法を含み得る。内側サポート部材30および外側サポート部材28が用いられ、またガスケットシート12の反対表面16に適用される場合、これらは反対表面16に直接適用されてもよく、または上述したように、内側サポート溝44および外側サポート溝42のそれぞれの中に配置されてもよい。ガスケットシート12が外側サポート溝42および内側サポート溝44を含む場合、これらの溝はシーリング溝20を形成するのに用いられたのと同様の形成方法を用いて形成されてもよく、またはここで述べる他の形成方法を用いてもよく、この点は、たとえば、これらの溝が一定の深さを有するものとされるか、または上述したパラメータの周辺で変化する深さを有するものとされるかに依存する。
【0030】
高剛性シール22を形成するステップ120は、任意の形成技術によって行なわれ得る。高剛性シール22が金属よりなる場合、シートから打抜かれたり、粉体粒子が圧縮され焼成されて形成されたり、鋳造されたりしてもよい。高剛性シール22がポリマーまたは複合材料の場合、任意の好適なポリマーまたは複合材料形成方法を共に高剛性シール22を形成するのに用いることができる。この方法は、射出成形または他のポリマーまたは複合材料モールディング方法を含み得る。
【0031】
高剛性シール22は高剛性ガスケットシート12に任意の方法によって取付けられ得る。高剛性シール22および高剛性ガスケットシート12に金属が用いられる場合、溶接、ろう付け、はんだ付け、かしめ、接着などの多くの金属接合技術のいずれも用いられ得る。高剛性シール22にポリマーまたは複合材料が用いられる場合、ガスケットシート12にポリマーを接合するために、接着または他の好適な手段および方法を用いて取付けられ得る。
【0032】
サポート部材28、30などのサポート部材がガスケットシール10に含まれる場合、方法100はまた、適当なステップを含んでもよい。たとえば、高剛性シール22の形状に対応し、かつ高剛性ガスケットシート12の反対表面14上において溝20の長さに沿う高剛性シール22から外側および内側に間隔を空けて配置されるのに適した厚さ、幅、
および形状を有するサポート部材を形成するステップを含んでもよい。形成は、多くのよく知られた形成技術のいずれかを用いて行ない得る。外側高剛性サポート部材28が金属の場合、打抜き、鍛造、粉体金属粒子の焼成などによって形成され得る。外側高剛性サポート部材28がポリマーまたは複合材料の場合、共に、高剛性シール22を形成するために、任意の好適なポリマーまたは複合材料形成方法が用いられ得る。この方法は、射出成形、または他のポリマーまたは複合材料モールディング方法を含み得る。
【0033】
図19は、例示的な動作環境におけるシールジョイント210の要素を示す。シールジョイント210はさまざまなシールジョイント用途に用いることができる。たとえば内燃機関におけるものがあり、この場合、シリンダヘッドとエンジンブロックとの間のシールジョイント、シリンダヘッドと排気マニホルドの間のシールジョイント、またターボエンジンの場合、排気マニホルドおよびターボチャージャの間のシールジョイントなどがある。シールジョイント210はまた、他のシールジョイント用途にも用いられ得るものであり、たとえば温度および圧力の極限条件にさらされるものがある。
【0034】
図19を参照して、シールジョイント210は第1の部材212を含み、第1の部材212はその中に第1のシーリング表面214および第1の開口部216を有する。シールジョイント210はまた第2の部材218を含み、第2の部材218はその中に第2のシーリング表面220および第2の開口部222を有する。例として、第1の部材212はシリンダヘッドであり、第2の部材218はエンジンブロックであり得る。第1の開口部216および第2の開口部222は、多くの流体通路の任意のものに関連する開口部であり得る。他の例として、第1の部材212は排気マニホルドであり、第2の部材218はシリンダヘッドであり得る。このような例においては、第1の開口部216は排気マニホルド内部の排気通路に関連するものであり、第2の開口部222はシリンダヘッド内の排気ポートのためのものであり得る。またシールジョイント210は内燃機関内部の他の多くのシールジョイントの任意のものに適用可能であると理解される。
【0035】
図19を参照して、シールジョイント210はまた、本発明の金属ガスケットシート224を含む。シート22は、サポート部材28、30によって支持されているシート12に示されるように、サポート部材によって支持されてもよく、また支持されなくてもよい。金属ガスケットシート224は第1のシーリング表面214と第2のシーリング表面220との間に配置されている。金属ガスケットシート224は、上部表面226と、下部表面228と、開口部230とを有する。図19に示されるように、開口部216、222、230は整列されている。開口部230は周面232を有する。周面232は任意の所望の形状を有することができる。金属ガスケットシート224がシリンダヘッドガスケットの場合、周面232は筒状形状を有し得る。ガスケット224がターボチャージャ用のガスケットシールの場合、周面232は、一般に矩形状または正方形状であり得るものであり、典型的には図2に示されるように丸められた角部を有する。周面232は開口部216、222の形状と異なってもよい。
【0036】
金属ガスケットシート224はまた、開口部230を取囲む、突出した高剛性シール234を含む。図18に示す実施形態において、高剛性シール234のシーリング表面223は、隣接表面226から高さ236だけオフセットされている。このオフセットは、開口部230の長さに沿って高さ236から変化している。
【0037】
シール234およびシート224に圧縮またはシーリング力を加え、高剛性シール234付近で部材212に弾性変形を生じさせるのに、捩じ込みボルト242を用いることができる。離間またはストッパ層を有し、または有しない多層金属ガスケットを用いたシーリングと比較して、表面214において生じる弾性変形は、顕著に異なるものである。多層金属ガスケットはシーリングビードなどのガスケット部材のシーリング部品の変形に基
づいてシーリングを行なう。これに対して本発明においては、シールされる少なくとも1つの部材の弾性変形によって、シーリングがなされる。第1のシーリング表面214および第2のシーリング表面220に関連する第1の部材212および第2の部材218の断面厚さは、典型的には、従来の多層金属ガスケットの層の厚さに比してはるかに大きい。このため、第1の部材212および第2の部材218内部における応力および歪みレベルと分布とが、シールジョイント210に関連するデバイスの動作中にこれらの部材において疲労クラックが生じるだけの強さまたは集中に至らないように設定され得る。さらに、第1の部材212、金属ガスケット224、高剛性シール234、および第2の部材218の組合せにより、多層金属ガスケットを用いたシールジョイントに比してはるかに堅いシールジョイント210が得られる。またシールジョイント210のコンプライアンスが多層金属ガスケットを含むシールジョイントに比して小さいということにより、シールジョイント210の性能の向上が予期される。たとえば、シリンダヘッドガスケット用途における燃焼シリンダをシールするシールジョイントに関して上述したように、ジョイント変形の問題に関しての性能の向上が予期される。代わって、もし高剛性シール234が本明細書に記載のような高剛性外側サポート部材と高剛性内側サポート部材とを含むなら、部材の間の金属ガスケットの部分に関しては高剛性シール234は片持ちにされ、それにより金属ガスケット内部での撓みが許容され、第1の部材212および第2の部材218上のシールのシーリングがなされる。この代替的な実施形態においては、シーリングは、第1の部材212および第2の部材218の弾性変形よりはむしろ、ガスケット内部の撓みによって主に生じる。
【0038】
金属ガスケットシート224は、各応用分野を考慮して、任意の好適な金属から形成され得る。内燃機関用途など、いくつかの環境では、金属ガスケットシート224は、ステンレススチール301型のようなステンレススチールから作られ得る。金属ガスケットシート224は、その用途に応じて任意の好適な形状を有することができ、また単一の開口部230または複数の開口部230を含み得る。金属ガスケットシート224が複数の開口部230を含む場合、開口部の形状および大きさは同一であってもよくまた異なっていてもよい。金属ガスケットシート224はその用途に応じて任意の好適な厚さを有することができ、内燃機関用途においては、金属ガスケットシート224の厚さは、一般に、約0.008〜0.10インチの範囲内にある。
【0039】
高剛性シール234は金属、複合材料および有機または無機ポリマーを含む任意の好適な高剛性材料から形成され得る。ここで高剛性という文言によって、シールのために選択された、厚さ、幅、および材料が、高剛性シール234に隣接する第1のシーリング表面214の部分に比して、より小さいコンプライアンスを有し、また好ましくは有意に小さいコンプライアンスを有することが意味され得るものであり、それにより弾性変形の大部分が高剛性シール234内部よりはむしろ表面214内で生じる。したがってこの要求を満たすように、第1の部材212と、そのシーリング表面214と、第2の部材218と、その第2のシーリング表面220との材料およびデザインを考慮して、高剛性シール234の材料およびデザインは選択されるものである。高剛性シール234が金属である場合、この高剛性シール234の金属は、金属ガスケットシート224の金属と同じであっても、あるいは異なる金属であってもよい。たとえば内燃機関用途において、高剛性シール234は、301型のステンレススチールのように、ステンレススチールであってもよい。
【0040】
高剛性シール234は周面230に対して任意の好適な形態または配置によって置かれ得る。たとえば高剛性シール234は周面230に直接隣接して配置されてもよく、あるいは本実施の形態に示されるように、周面230から内側に空間を空けて配置されてもよい。
【0041】
上述したように、高剛性シール234の厚さおよび幅の輪郭プロファイルと、溝225の深さおよび幅のプロファイルとは、高剛性シール234および溝225の長さに沿う位置の関数として変化する。これらの寸法の範囲は、特定の動作環境に応じて変わり得る。好ましくは表面223、226間のオフセットは、固定具242から遠いほど総じて大きく、固定具242に近いほど総じて小さい。好ましくは高剛性シール234および溝225の幅は、固定具242から遠いほど総じて大きく、固定具242に近いほど総じて小さい。概して好ましくはシーリング力または圧力は、高剛性剛性シール234の長さに沿って均一とされる。高剛性シール234に沿って均一なシーリング力を与える輪郭プロファイルを決定するために、コンピュータ援用設計およびモデリングが用いられてもよい。
【0042】
本発明の多くの改善または変形が、上記の開示に鑑みて、当然に可能である。よって特に断らない限り添付の請求の範囲内において本発明は実施され得ると解されるべきである。本発明は請求の範囲によって、その範囲が定められる。
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は内燃機関内において見られるような比較的剛性の高い多層ガスケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2.関連先行技術の説明
内燃機関(たとえば、ヘッドガスケット、排気マニホルドガスケット、ターボチャージャガスケットなど)におけるさまざまなシーリング用途などのように過酷な圧力および/または温度環境に関連したシーリング用途において、所望の流体シールを提供するために、弾性的に変形可能なエンボス部を有する多層金属ガスケットが用いられている。多層ガスケットはスチールなどの金属の薄い板から作ることができる。エンボス部は均一かつ弾性的な性質を有し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は多層ガスケットシールを提供するものである。ガスケットシールは第1のシート表面を有するシートを含む。開口部は第1のシート表面を貫く。第1の溝は第1のシート表面において規定され、開口部の周りの第1の経路に沿って延びている。第1の溝は、深さおよび/または幅の点で変化するものであってもよい。ガスケットシールはまた、第1の溝に配置されたリングシールを含む。リングシールは、溝から離れる方向を向くシーリング表面と溝に対向する反対表面との間で規定される厚さを有する。厚さおよび深さのうちの1つは、開口部の周りでシーリング表面と第1のシート表面との間の距離が変化するように、開口部の周りで変化する。
【0004】
本発明の利点は、後述する詳細な説明と、添付の図面とを併せて考慮することによって、より容易に理解されるであろう。なお同様の要素は同様の名称を有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図1A】図1の線1A−1Aに沿う第1の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図1B】図1の線1B−1Bに沿う第1の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図2】第1の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図3A】図3の線3A−3Aに沿う第2の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図3B】図3の線3B−3Bに沿う第2の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図4】第2の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図5A】図5の線5A−5Aに沿う第3の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図5B】図5の線5B−5Bに沿う第3の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図6】第3の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図7】本発明の第4の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図7A】図7の線7A−7Aに沿う第4の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図7B】図7の線7B−7Bに沿う第4の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図8】第4の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図9】本発明の第5の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図9A】図9の線9A−9Aに沿う第5の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図9B】図9の線9B−9Bに沿う第5の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図10】第5の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図11】本発明の第6の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図11A】図11の線11A−11Aに沿う第6の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図11B】図11の線11B−11Bに沿う第6の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図12】第6の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図13】本発明の第7の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図13A】図13の線13A−13Aに沿う第7の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図13B】図13の線13B−13Bに沿う第7の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図14】第7の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図15】本発明の第8の実施形態におけるガスケットシールの平面図である。
【図15A】図15の線15A−15Aに沿う第8の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図15B】図15の線15B−15Bに沿う第8の例示的なガスケットシールの部分断面図である。
【図16】図15の第8の例示的なガスケットシールの斜視図である。
【図17】高剛性シールの長さに沿う位置の関数としての高剛性シールの厚さ/幅のプロット図である。
【図18】本発明のガスケットシールの製造方法を説明するフロー図である。
【図19】本発明のシールジョイントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明の複数の異なる実施形態を本願の図において示す。本発明のいくつかの実施形態において類似の特徴部が示される。類似の特徴部には共通の符号が付されている。図面または明細書において特に断らない限り、類似の特徴部は同様に構成され、同様に動作し、および/または同様の機能を有する。さらに、図面または本明細書において特に断らない限り、一の実施形態における特定の特徴部は、他の実施形態における対応する特徴部と代替し得る。
【0007】
本発明は、多くのさまざまなシーリング用途に適用し得るガスケットシールを提供する。本発明の例示的な実施形態の動作環境は自動車用途であり、たとえば内燃機関のシリンダヘッドとエンジンブロックとの間のシールされたジョイントに関連するシリンダヘッドガスケットシールである。
【0008】
図1、1A、1B、および2は、本発明の第1の実施形態におけるガスケットシール10を示す。ガスケットシール10は高剛性ガスケットシート12を含む。高剛性ガスケットシート12は、第1のシートまたはシーリング表面14と、反対または第2のシート表面16とを有する。反対表面16もまた、本発明のさまざまな実施形態においてシーリング表面である。高剛性ガスケットシート12はまた、ガスケットシート12を貫通して延びるシーリング開口部18を含む。高剛性ガスケットシート12はまた、シーリング表面14に形成されたシーリング溝20を含む。シーリング溝20は深さdCおよび幅wCを有する。溝20の深さdCは、図1Aおよび1Bを比較することによってわかるように、変化する。シーリング溝20は開口部18を取囲む経路21を辿っている。シーリング表面23を有する高剛性シール22は、溝20に配置され、厚さtSおよび幅wSを有する。高剛性シール22の厚さtSは溝の最大の深さdCより大きいかまたは等しい。これによりシール22は表面14と少なくとも同じ高さとなる。シーリング溝20の幅wCは、高剛性シール22がシーリング溝20に配置され得るように、高剛性シール22の幅wSに対応している。しかしながら本発明のいくつかの代替的な実施形態において、高剛性シール22とシーリング溝20との間に、若干緩衝する嵌め合いが設けられるようにwSおよびwCが選択されることが好ましい場合もあり得る。
【0009】
高剛性ガスケットシート12は任意の好適な高剛性材料から形成することができる。この材料は、高剛性ポリマー、強化ポリマー、ポリマー複合材料、および金属などを含む。要求される剛性の程度は多くの要因に依存する。この要因は、ガスケットシール10が適用され得るシールされたジョイントに関係するフランジにおいて用いられるデザインや材料を含む。多くの自動車用途を含む多くの用途において、高剛性ガスケットシート12は、好ましくはスチールまたはアルミニウム合金などの金属から形成されるであろう。高剛性ガスケットシート12は、用途上の要求やガスケットシール10が用いられ得るシールジョイントのデザインに応じて、任意の好ましい厚さを有してもよい。
【0010】
シーリング表面14は、ガスケットシート12の上部および下部表面であり、ガスケットシール10が適用され得るシールジョイントに関連するデザイン上の考慮に依存する。この本発明の第1の例示的な実施形態において用いられるものとして、反対表面16は、単純に、ガスケットシート12のシーリング表面14と反対の表面である。
【0011】
例示的な開口部18は、シールジョイントの結合されたフランジ部材における通路に関連するものであってもよく、特に流体通路に関連するものであってもよい。ガスケットシール10がシールジョイントに含まれる場合、ジョイントにおいて開口部18はその周囲がシーリングされることが望まれる流体通路の部分を有してもよい。本発明の第1の例示的な実施形態によれば、ガスケットシート12は少なくとも1つの開口部18を含み得るものであるが、用途に応じて、またガスケットシール10が関連するシールされたジョイントの構成による要求によって、多数の開口部18を含み得る。
【0012】
溝20の深さdCおよび幅wCは、長さ方向に沿って同じであってもよい。ここで長さとは、開口部18周りに溝20が延びる経路21によって規定される。ガスケットシール10がシールジョイントに取付けられる際に、シーリング溝20の長さに沿って高剛性シール22へのシーリング圧力を可変に制御するために、溝20の深さdCおよび幅wCの少なくとも1つは、後述するように、溝20の長さに沿って変化し得る。図1、1A、1B、および2に示す実施形態においては、溝幅が一定とされる一方で、長さに沿ってシーリング溝20の深さが変化している。本発明の代替的な実施形態において、ガスケットシール10がシールジョイントに取付けられる際に、シーリング溝20の長さに沿って高剛性シール22に対するシーリング圧力を可変に制御するために、シール22の厚さtSに変化がつけられてもよい。
【0013】
シーリング溝20は、任意の好適な形成方法によって形成することができ、これはガスケットシート12のために用いられる材料に依存する。これは、ガスケットシート12のシーリング表面14におけるシーリング溝の直接的または間接的な形成だけでなく、ガスケットシート12のシーリング表面14からの物質の除去を含み得る。金属の場合、これはさまざまな物質除去または形成技術を含み得るものであり、たとえば機械加工、金属成形(たとえば鋳造)など、さまざまな様式を含み得る。ある種のポリマーの場合、これはまたシーリング溝の形成またはモールディングを含み得る。溝20を形成するために電解加工(ECM)を用いることもできる。
【0014】
高剛性シール22は、高剛性ポリマー、強化ポリマーおよびポリマー複合材料、金属などを含む任意の好適な高剛性材料から形成され得る。ガスケットシート12と同様に、要求される剛性の程度は多くの要因に依存する。たとえば、ガスケットシール10が適用されているシールされたジョイントに関連するフランジにおいて用いられるデザインおよび材料に依存する。高剛性シール12は、スチールまたはアルミニウム合金などの金属から形成され得る。燃焼シリンダシールなどの、高温および/または高強度用途の場合、さまざまなステンレススチールのように、良好な高温強度と耐腐食性とを有する材料が用いられてもよい。シール22の厚さtSおよび幅wSは、シール22がシーリング溝20に配置されることを許容するものである。シーリング表面23は、本発明の第1の例示的な実施形態において、表面14と少なくとも同じ高さであるが、溝20の長さに沿ったいくつかの地点においてシーリング表面14の上方にわずかに突起している。本発明の第1の例示的な実施形態の高剛性シール22は、溝20の長さに沿って一定の厚さtSを有する。本発明の第1の実施形態において、高剛性シール22の幅wSおよび溝20の幅wCは、溝20の長さに沿って一定である。しかしながら高剛性シール22の厚さtSおよび幅wSのいずれかまたは両方は、溝20の長さに沿って変化してもよい。高剛性シール22およびシーリング溝20の幅wS、wCの変化についてであるが、総じて、高剛性シール22の幅の変化は、図1、1A、1Bおよび2の実施形態に示すように、シーリング溝20の幅の変化におおよそ一致することが好ましい。ただしこのことは本発明において必須ではない。
【0015】
高剛性シール22は、溶接、かしめ、接着などの、多数のよく知られた接合方法のいずれによってもガスケットシート12に取付けられることができる。さらに、シールジョイントをなすためにボルト(図示せず)を入れるのに適したボルト穴24など他の特徴をまた、ガスケットシート12は含んでもよい。ガスケットシール10はまた、他の開口部26を含んでもよい。これはシーリングまたは非シーリング開口部のいずれであってもよく、ガスケットシール10がシリンダヘッドガスケットである本実施の形態に示される場合では冷却液供給口がこれに相当する。
【0016】
シールジョイントをシールするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、シーリング溝20の深さdCの変化のプロファイルの一例において、溝20の深さdCはボルト穴24により近い位置で総じてより小さく、溝20においてボルト穴24からより遠い地点で総じてより大きい。この種の深さプロファイルを図17に示す。
【0017】
高剛性シール22およびシーリング溝20の変形例により得ることができるガスケットシール10のいくつかの可能な実施形態について、以下に示す。以下において、「長さ」は、シール22および溝20の長さの両方に対して用いられる。
【0018】
図3、3A、3B、および4は、本発明の第2の実施形態を示す。本実施形態において、シーリング溝20の幅wCが溝20の長さに沿って変化する一方で、シーリング溝20の深さdCは、その長さに沿って一定である。シーリング溝20の幅wCとシール22の幅wSとは、長さに沿って実質的に同じである。高剛性シール22の厚さtSは、長さに沿っ
て一定である。
【0019】
シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、シーリング溝20の幅wCおよびシール22の幅wSの変化の好ましいプロファイルにおいて、シーリング溝20の幅wCは、ボルト穴24に近い位置ほど総じてより小さくなっており、溝においてボルト穴24から遠い位置ほど総じてより大きくなっている。この種の幅プロファイルを図17に示す。
【0020】
図5、5A、5B、および6に本発明の第3の実施形態を示す。本実施形態において、シーリング溝20の深さdCおよび幅wCは、長さに沿って変化している。高剛性シール22の厚さtSは長さに沿って一定であり、一方幅wSは長さに沿って変化している。高剛性シール22の幅wSの変化は、シーリング溝20の幅wCの変化に総じて一致している。シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24を含むガスケットシール10が用いられる場合、シーリング溝20の幅wCの変化のプロファイルにおいて、好ましくは、ボルト穴24により近い位置ほどシーリング溝20の幅wCは総じてより小さく、シーリング溝20の深さdCは総じてより大きくなり、溝20においてボルト穴に4からより離れた地点ほど幅wCは総じてより大きくなり、深さdCは総じてより小さくなる。この種の幅プロファイルを図17に示す。
【0021】
図1〜5Bに概して示されるガスケットシール10は高剛性ガスケットシールであり、シールジョイントに関連する対をなすシーリングフランジの少なくとも1つに変形を与えることによってシールジョイントおよびシールに作用するものであるが、ガスケットシール10はガスケットシート12の反対表面16上に2つのサポート部材をさらに含むいくつかの代替的なデザインによって実施されてもよい。サポート部材は、図7Aおよび7Bに示されるように、外側サポート部材28および内側サポート部材30を含んでもよい。外側サポート部材28はシーリング溝20から径方向外側に配置され、内側サポート部材30はシーリング溝20から径方向内側に配置されている。外側サポート部材28および内側サポート部材30は、ガスケットシート12の部分32の反対表面上に配置されている。部分32はガスケットシール10内部において撓むことができ、これによりガスケットシール10と、シーリングフランジのような、シールジョイントの要素との間のシーリングを高めることができる。
【0022】
ガスケットシール10の撓みまたはコンプライアンスの程度は、外側サポート部材28および内側サポート部材30の間の横方向のスペーシング34、および/または、高剛性シール22に関する内側および外側部材30、28の間のスペーシング36、38を変えることによって、変化させることができる。撓みの程度はまた、サポート部材28および30と高剛性シール22との間の縦方向のスペーシング40を変えることによって変化させることもできる。縦方向のスペーシング40は、シーリング溝20および/または筋溝(たとえば図9Aおよび9Bを参照)の深さを調整することによって変えることができる。これらの溝の少なくとも1つの深さは、その長さに沿って変えられてもよい。内側サポート部材30および外側サポート部材28を含む高剛性シール10のいくつかの実施形態について、以下に説明する。
【0023】
図7、7A、7B、および8に、本発明の第4の実施形態について示す。本実施形態において、シーリング溝20の幅wCは長さに沿って一定であり、一方、シーリング溝20の深さdCは長さに沿って変化している。高剛性シール22の厚さtSおよび幅wSは、長さに沿って一定である。高剛性シール22の幅wSは、シーリング溝20の幅wCに、総じて一致する。ガスケットシール10はまた、外側サポート部材28および内側サポート部材30を含む。外側サポート部材28は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向外側に間隔を空けて配置されている。内側サポート部材30は、シーリン
グ溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向内側に間隔を空けて配置されている。外側サポート部材28は、開口部18周りに経路31に沿って延びる外側サポート溝に配置されている。例示的な外側サポート溝42は、その長さに沿って一定の深さおよび幅を有する。内側サポート部材30は、開口部18周りの経路33に沿って延びる内側サポート溝44に配置されている。経路23、31、33は、互いに平行に延びており、本発明の例示的な実施形態においては同心円状となっている。例示的な内側サポート溝44は、その長さに沿って一定の深さおよび幅を有する。シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、シーリング溝20の深さの変化の好ましいプロファイルにおいて、シーリング溝20の深さdCは、ボルト穴24により近い位置ほど総じてより小さく、溝20においてボルト穴24からより遠い地点ほど総じて大きくなっている。この種の深さプロファイルを図17に示す。横方向のスペーシング34、36、および38と、縦方向のスペーシング40とは、シーリング用途の要求に応じて定められてよい。
【0024】
図9、9A、9B、および10に、本発明の第5の実施形態を示す。本実施形態において、シーリング溝20の深さdCはその長さに沿って一定であり、一方シーリング溝20の幅wCはその長さに沿って変化している。高剛性シール22の厚さtSはtS1およびtS2の間で長さに沿って変化しており、また幅wSも変化している。高剛性シール22の幅wSは、シーリング溝20の幅wCに総じて一致している。ガスケットシール10はまた、外側サポート部材28および内側サポート部材30を含む。外側サポート部材28は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向外側に間隔を空けて配置されている。内側サポート部材30は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向内側に間隔を空けて配置されている。外側サポート部材28は外側サポート溝42内に配置されている。例示的な外側サポート溝42は、その長さに沿って一定の深さおよび幅を有する。内側サポート部材30は、内側サポート溝44内に配置されている。例示的な内側サポート部材44は、その長さに沿って一定の深さおよび幅を有する。明示された代替的な実施形態の任意のものは、具体的に示されていない代替的な実施形態の任意のものと同様、内側または外側溝42、44の幅の深さのいずれかを変え得るように実施されてもよい。シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、シーリング溝20の深さdCの変化の好ましいプロファイルにおいて、シーリング溝20の深さdCは、ボルト穴24により近い位置ほど総じてより小さく、溝20においてボルト穴24からより遠い地点ほど総じてより大きくなっている。この種の深さプロファイルを図17に示す。横方向のスペーシング34、36、および38と、縦方向スペーシング40とは、シーリング用途の要求に応じて定めることができる。
【0025】
図11、11A、11B、および12に、本発明の第6の実施形態を示す。本実施形態において、シーリング溝20の幅wCおよび深さdCの両方が、その長さに沿って変化している。高剛性シール22の厚さtSはその長さに沿って一定であるが、幅wSは変化している。高剛性シール22の幅wSは、シーリング溝20の幅wCに、総じて一致している。ガスケットシール10はまた、外側サポート部材28および内側サポート部材30を含む。外側サポート部材28は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向外側に間隔を空けて配置されている。内側サポート部材30は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向内側に間隔を空けて配置されている。外側サポート部材28は外側サポート溝42内に配置されている。図示されているように、外側サポート部材42は、その長さに沿って一定の深さおよび幅を有する。内側サポート部材30は内側サポート溝44内に配置されている。図示されているように、内側サポート溝44は、その長さに沿って一定の深さおよび幅を有する。シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、シーリング溝20の幅wCの変化の好ましいプロファイルにおいて、ボルト穴24によ
り近い位置ほどシーリング溝20の幅wCは総じてより小さく、かつシーリング溝20の深さdCは総じてより大きく、また溝20においてボルト穴24からより遠い地点ほど幅wCは総じてより大きく、かつ深さdCは総じてより小さくなっている。この種の深さプロファイルを図17に示す。横方向のスペーシング34、36、および38と、縦方向のスペーシング40とは、シーリング用途の要求に応じて定めることができる。
【0026】
図13、13A、13B、および14に、本発明の第7の実施形態を示す。本実施形態において、シーリング溝20の幅wCおよび深さdCは、その長さに沿って一定である。高剛性シール22の厚さtSおよび幅wSは、シーリング溝20の長さに沿って一定である。高剛性シール22の幅wSは、シーリング溝20の幅wCに、総じて一致している。ガスケットシール10はまた、外側サポート部材28および内側サポート部材30を含む。外側サポート部材28は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、外側に間隔を空けて配置されている。内側サポート部材30は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、内側に間隔を空けて配置されている。外側サポート部材28は、一定の厚さと、長さに沿って変化する幅とを有する。内側サポート部材30は、一定の厚さと、長さに沿って変化する幅とを有する。外側サポート部材28は外側サポート溝42内に配置されている。図示されているように、外側サポート溝42は、一定の深さと、長さに沿って変化する幅とを有する。内側サポート部材30は内側サポート溝44内に配置されている。図示されているように、内側サポート部材44は、一定の深さと、長さに沿って変化する幅とを有する。シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、外側サポート溝42および内側サポート溝44の幅の変化の好ましいプロファイルにおいて、ボルト穴24により近い位置ほどサポート部材28、30の幅は総じてより小さく(それによって横方向のスペーシング34が増加する)、かつサポート部材28、30の深さは総じてより大きくなり、また溝においてボルト穴24からより遠い地点ほど幅が総じて大きくなり、かつ深さが総じて小さくなる。この種の幅プロファイルを図17に示す。横方向のスペーシング34、36、および38と、縦方向のスペーシング40とは、シーリング用途の要求に応じて定めることができる。
【0027】
図15、15A、15B、および16に、本発明の第8の実施形態を示す。本実施形態において、シーリング溝20の幅wCおよび深さdCは、長さに沿って一定である。高剛性シール22の厚さtSおよび幅wSは、シーリング溝20の長さに沿って一定である。高剛性シール22の幅wSは、シーリング溝20の幅wCに、総じて一致している。ガスケットシール10はまた、外側サポート部材28および内側サポート部材30を含む。外側サポート部材28は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向外側に間隔を空けて配置されている。内側サポート部材30は、シーリング溝20の長さに沿う高剛性シール22から、径方向内側に間隔を空けて配置されている。外側サポート部材28は、一定の厚さと、長さに沿って変化する幅を有する。内側サポート部材30は、一定の厚さと、長さに沿って変化する幅とを有する。外側サポート部材28は外側サポート溝42内に配置されている。図示されているように、外側サポート部材42は長さに沿って変動する深さおよび幅を有する。内側サポート部材30は、内側サポート溝44内に配置されている。図示されているように、内側サポート部材44は、長さに沿って変化する変動する深さおよび幅を有する。シールジョイントをシーリングするためのボルト(図示せず)を入れるためのボルト穴24をガスケットシール10が含む場合、溝42、44の深さの変化の好ましいプロファイルにおいて、ボルト穴24により近い位置ほど溝42、44の深さは総じて大きく、またボルト穴24から遠いほど深さは総じて大きくなっている。この種の深さプロファイルを図17に示す。横方向のスペーシング34、36、および38と、縦方向のスペーシング40とは、シーリング用途の要求に応じて定めることができる。
【0028】
図18は、本発明によるガスケットシール10の例示的な製造方法の簡略化されたフロー図である。この方法は、溝20を有する高剛性ガスケットシート12を形成するステップ110を含む。またこの方法は、高剛性シール22を形成するステップ120を含む。シール22は、ステップ130にて、溝20内に配置される。高剛性シール22の幅wSと溝20の幅wCとは、シール22が溝20内に嵌るように、相互に考慮されて選択される。またこの方法は、シール22のシーリング表面23とシート12の隣接表面14との間のオフセットを変化させるステップ140を含む。高剛性シール22の厚さtSと溝20の深さdCとは、シール22のシーリング表面23と、シート12の隣接表面14との間のオフセットが変化するように相互に考慮して選択される。このオフセットは、シール22および溝20によって辿られる経路21(溝20の長さおよび/またはシール22の長さとも称される)に沿ういくつかの地点で、ゼロであってもよい。またこのオフセットは、シール22および溝20によって辿られる経路21に沿ういくつかの地点において、ゼロよりも大きい。
【0029】
高剛性ガスケットシート12を形成するステップ110は、ガスケットシート12に用いられる材料に鑑みて、任意の形成技術を用いて行なわれ得る。金属ガスケットシート12が用いられる場合、金属シートから打抜かれてもよい。開口部もまた、打抜き台を用いて打抜かれ得る。シーリング溝20は、フライス加工、鋳造、電解加工(ECM)などを含む種々のよく知られた金属成形方法によって形成され得る。シーリング溝20の深さおよび/または幅が長さに沿って変化する場合、溝は、ECMを用いて形成されることが好ましい。ガスケットシート12がポリマーまたは複合材料の場合、ガスケットシート12およびシーリング溝20の両方を形成するために、任意の好適なポリマーまたは複合材料形成方法が用いられ得る。これは射出成形または他のポリマーまたは複合材料のモールディング方法を含み得る。内側サポート部材30および外側サポート部材28が用いられ、またガスケットシート12の反対表面16に適用される場合、これらは反対表面16に直接適用されてもよく、または上述したように、内側サポート溝44および外側サポート溝42のそれぞれの中に配置されてもよい。ガスケットシート12が外側サポート溝42および内側サポート溝44を含む場合、これらの溝はシーリング溝20を形成するのに用いられたのと同様の形成方法を用いて形成されてもよく、またはここで述べる他の形成方法を用いてもよく、この点は、たとえば、これらの溝が一定の深さを有するものとされるか、または上述したパラメータの周辺で変化する深さを有するものとされるかに依存する。
【0030】
高剛性シール22を形成するステップ120は、任意の形成技術によって行なわれ得る。高剛性シール22が金属よりなる場合、シートから打抜かれたり、粉体粒子が圧縮され焼成されて形成されたり、鋳造されたりしてもよい。高剛性シール22がポリマーまたは複合材料の場合、任意の好適なポリマーまたは複合材料形成方法を共に高剛性シール22を形成するのに用いることができる。この方法は、射出成形または他のポリマーまたは複合材料モールディング方法を含み得る。
【0031】
高剛性シール22は高剛性ガスケットシート12に任意の方法によって取付けられ得る。高剛性シール22および高剛性ガスケットシート12に金属が用いられる場合、溶接、ろう付け、はんだ付け、かしめ、接着などの多くの金属接合技術のいずれも用いられ得る。高剛性シール22にポリマーまたは複合材料が用いられる場合、ガスケットシート12にポリマーを接合するために、接着または他の好適な手段および方法を用いて取付けられ得る。
【0032】
サポート部材28、30などのサポート部材がガスケットシール10に含まれる場合、方法100はまた、適当なステップを含んでもよい。たとえば、高剛性シール22の形状に対応し、かつ高剛性ガスケットシート12の反対表面14上において溝20の長さに沿う高剛性シール22から外側および内側に間隔を空けて配置されるのに適した厚さ、幅、
および形状を有するサポート部材を形成するステップを含んでもよい。形成は、多くのよく知られた形成技術のいずれかを用いて行ない得る。外側高剛性サポート部材28が金属の場合、打抜き、鍛造、粉体金属粒子の焼成などによって形成され得る。外側高剛性サポート部材28がポリマーまたは複合材料の場合、共に、高剛性シール22を形成するために、任意の好適なポリマーまたは複合材料形成方法が用いられ得る。この方法は、射出成形、または他のポリマーまたは複合材料モールディング方法を含み得る。
【0033】
図19は、例示的な動作環境におけるシールジョイント210の要素を示す。シールジョイント210はさまざまなシールジョイント用途に用いることができる。たとえば内燃機関におけるものがあり、この場合、シリンダヘッドとエンジンブロックとの間のシールジョイント、シリンダヘッドと排気マニホルドの間のシールジョイント、またターボエンジンの場合、排気マニホルドおよびターボチャージャの間のシールジョイントなどがある。シールジョイント210はまた、他のシールジョイント用途にも用いられ得るものであり、たとえば温度および圧力の極限条件にさらされるものがある。
【0034】
図19を参照して、シールジョイント210は第1の部材212を含み、第1の部材212はその中に第1のシーリング表面214および第1の開口部216を有する。シールジョイント210はまた第2の部材218を含み、第2の部材218はその中に第2のシーリング表面220および第2の開口部222を有する。例として、第1の部材212はシリンダヘッドであり、第2の部材218はエンジンブロックであり得る。第1の開口部216および第2の開口部222は、多くの流体通路の任意のものに関連する開口部であり得る。他の例として、第1の部材212は排気マニホルドであり、第2の部材218はシリンダヘッドであり得る。このような例においては、第1の開口部216は排気マニホルド内部の排気通路に関連するものであり、第2の開口部222はシリンダヘッド内の排気ポートのためのものであり得る。またシールジョイント210は内燃機関内部の他の多くのシールジョイントの任意のものに適用可能であると理解される。
【0035】
図19を参照して、シールジョイント210はまた、本発明の金属ガスケットシート224を含む。シート22は、サポート部材28、30によって支持されているシート12に示されるように、サポート部材によって支持されてもよく、また支持されなくてもよい。金属ガスケットシート224は第1のシーリング表面214と第2のシーリング表面220との間に配置されている。金属ガスケットシート224は、上部表面226と、下部表面228と、開口部230とを有する。図19に示されるように、開口部216、222、230は整列されている。開口部230は周面232を有する。周面232は任意の所望の形状を有することができる。金属ガスケットシート224がシリンダヘッドガスケットの場合、周面232は筒状形状を有し得る。ガスケット224がターボチャージャ用のガスケットシールの場合、周面232は、一般に矩形状または正方形状であり得るものであり、典型的には図2に示されるように丸められた角部を有する。周面232は開口部216、222の形状と異なってもよい。
【0036】
金属ガスケットシート224はまた、開口部230を取囲む、突出した高剛性シール234を含む。図18に示す実施形態において、高剛性シール234のシーリング表面223は、隣接表面226から高さ236だけオフセットされている。このオフセットは、開口部230の長さに沿って高さ236から変化している。
【0037】
シール234およびシート224に圧縮またはシーリング力を加え、高剛性シール234付近で部材212に弾性変形を生じさせるのに、捩じ込みボルト242を用いることができる。離間またはストッパ層を有し、または有しない多層金属ガスケットを用いたシーリングと比較して、表面214において生じる弾性変形は、顕著に異なるものである。多層金属ガスケットはシーリングビードなどのガスケット部材のシーリング部品の変形に基
づいてシーリングを行なう。これに対して本発明においては、シールされる少なくとも1つの部材の弾性変形によって、シーリングがなされる。第1のシーリング表面214および第2のシーリング表面220に関連する第1の部材212および第2の部材218の断面厚さは、典型的には、従来の多層金属ガスケットの層の厚さに比してはるかに大きい。このため、第1の部材212および第2の部材218内部における応力および歪みレベルと分布とが、シールジョイント210に関連するデバイスの動作中にこれらの部材において疲労クラックが生じるだけの強さまたは集中に至らないように設定され得る。さらに、第1の部材212、金属ガスケット224、高剛性シール234、および第2の部材218の組合せにより、多層金属ガスケットを用いたシールジョイントに比してはるかに堅いシールジョイント210が得られる。またシールジョイント210のコンプライアンスが多層金属ガスケットを含むシールジョイントに比して小さいということにより、シールジョイント210の性能の向上が予期される。たとえば、シリンダヘッドガスケット用途における燃焼シリンダをシールするシールジョイントに関して上述したように、ジョイント変形の問題に関しての性能の向上が予期される。代わって、もし高剛性シール234が本明細書に記載のような高剛性外側サポート部材と高剛性内側サポート部材とを含むなら、部材の間の金属ガスケットの部分に関しては高剛性シール234は片持ちにされ、それにより金属ガスケット内部での撓みが許容され、第1の部材212および第2の部材218上のシールのシーリングがなされる。この代替的な実施形態においては、シーリングは、第1の部材212および第2の部材218の弾性変形よりはむしろ、ガスケット内部の撓みによって主に生じる。
【0038】
金属ガスケットシート224は、各応用分野を考慮して、任意の好適な金属から形成され得る。内燃機関用途など、いくつかの環境では、金属ガスケットシート224は、ステンレススチール301型のようなステンレススチールから作られ得る。金属ガスケットシート224は、その用途に応じて任意の好適な形状を有することができ、また単一の開口部230または複数の開口部230を含み得る。金属ガスケットシート224が複数の開口部230を含む場合、開口部の形状および大きさは同一であってもよくまた異なっていてもよい。金属ガスケットシート224はその用途に応じて任意の好適な厚さを有することができ、内燃機関用途においては、金属ガスケットシート224の厚さは、一般に、約0.008〜0.10インチの範囲内にある。
【0039】
高剛性シール234は金属、複合材料および有機または無機ポリマーを含む任意の好適な高剛性材料から形成され得る。ここで高剛性という文言によって、シールのために選択された、厚さ、幅、および材料が、高剛性シール234に隣接する第1のシーリング表面214の部分に比して、より小さいコンプライアンスを有し、また好ましくは有意に小さいコンプライアンスを有することが意味され得るものであり、それにより弾性変形の大部分が高剛性シール234内部よりはむしろ表面214内で生じる。したがってこの要求を満たすように、第1の部材212と、そのシーリング表面214と、第2の部材218と、その第2のシーリング表面220との材料およびデザインを考慮して、高剛性シール234の材料およびデザインは選択されるものである。高剛性シール234が金属である場合、この高剛性シール234の金属は、金属ガスケットシート224の金属と同じであっても、あるいは異なる金属であってもよい。たとえば内燃機関用途において、高剛性シール234は、301型のステンレススチールのように、ステンレススチールであってもよい。
【0040】
高剛性シール234は周面230に対して任意の好適な形態または配置によって置かれ得る。たとえば高剛性シール234は周面230に直接隣接して配置されてもよく、あるいは本実施の形態に示されるように、周面230から内側に空間を空けて配置されてもよい。
【0041】
上述したように、高剛性シール234の厚さおよび幅の輪郭プロファイルと、溝225の深さおよび幅のプロファイルとは、高剛性シール234および溝225の長さに沿う位置の関数として変化する。これらの寸法の範囲は、特定の動作環境に応じて変わり得る。好ましくは表面223、226間のオフセットは、固定具242から遠いほど総じて大きく、固定具242に近いほど総じて小さい。好ましくは高剛性シール234および溝225の幅は、固定具242から遠いほど総じて大きく、固定具242に近いほど総じて小さい。概して好ましくはシーリング力または圧力は、高剛性剛性シール234の長さに沿って均一とされる。高剛性シール234に沿って均一なシーリング力を与える輪郭プロファイルを決定するために、コンピュータ援用設計およびモデリングが用いられてもよい。
【0042】
本発明の多くの改善または変形が、上記の開示に鑑みて、当然に可能である。よって特に断らない限り添付の請求の範囲内において本発明は実施され得ると解されるべきである。本発明は請求の範囲によって、その範囲が定められる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシート表面と、前記第1のシート表面を貫く開口部と、前記第1のシート表面において規定され、かつ前記開口部の周りの第1の経路に沿って延び、かつ深さおよび幅を有する第1の溝とを含むシートと、
前記第1の溝に配置され、前記溝から離れる方向を向くシーリング表面と前記溝に対向する反対表面との間で規定される厚さを有するリングシールとを備え、
前記シーリング表面と前記第1のシート表面との間の距離が前記開口部の周りで変化するように、前記厚さおよび前記深さのうちの1つが前記開口部の周りで変化する、多層ガスケットシール。
【請求項2】
前記幅が前記経路に沿って変化する、請求項1に記載の多層ガスケットシール。
【請求項3】
前記深さが前記経路に沿って変化する、請求項1に記載の多層ガスケットシール。
【請求項4】
前記厚さが前記経路に沿って一定である、請求項3に記載の多層ガスケットシール。
【請求項5】
前記厚さが前記経路に沿って変化する、請求項1に記載の多層ガスケットシール。
【請求項6】
前記深さが前記経路に沿って一定である、請求項5に記載の多層ガスケットシール。
【請求項7】
前記シートが金属である、請求項1に記載の多層ガスケットシール。
【請求項8】
前記シートがスチールである、請求項7に記載の多層ガスケットシール。
【請求項9】
前記リングシールが金属である、請求項8に記載の多層ガスケットシール。
【請求項10】
前記シートは、
前記第1のシート表面の反対に位置する第2のシート表面と、
前記第2のシート表面において規定され、かつ前記開口部の周りの前記第1の経路に平行な第2の経路に沿って延び、かつ深さおよび幅を有する第2の溝とをさらに含み、前記第1の溝は前記第2の溝と前記開口部との間に配置され、
前記第2の溝に入れられ、かつ第1の厚さを有する第1のサポート部材と、
前記開口部の周りの前記第1の経路に平行な第3の経路に沿って延び、かつ深さおよび幅を有する第3の溝とをさらに含み、前記第3の溝は前記第1の溝と前記開口部との間に配置され、
前記第3の溝に入れられ、かつ第2の厚さを有する第2のサポート部材とをさらに含む、請求項1に記載の多層ガスケットシール。
【請求項11】
前記第2および第3の溝の前記深さが前記第2および第3の経路のそれぞれに沿って変化する、請求項10に記載の多層ガスケットシール。
【請求項12】
前記第1および第2のサポート部材の前記厚さが前記第2および第3の経路のそれぞれに沿って変化する、請求項10に記載の多層ガスケットシール。
【請求項13】
前記第2および第3の溝の前記幅が前記第2および第3の経路のそれぞれに沿って変化する、請求項10に記載の多層ガスケットシール。
【請求項14】
開口部で第1のシートを貫く工程と、
前記第1のシートの第1のシート表面において深さおよび幅を有し、かつ前記開口部の
周りの第1の経路に沿って延びる溝を規定する工程と、
前記溝から離れる方向を向くシーリング表面と前記溝に対向する反対表面との間で規定される厚さを有するリングシールを前記溝に配置する工程と、
前記シーリング表面と前記第1のシート表面との間の距離が前記開口部の周りで変化するように、前記リングシールの前記厚さと、前記深さとのうちの1つを前記開口部の周りで変化させる工程とを備えた、多層ガスケットシールの形成方法。
【請求項15】
第1のシート表面と、前記第1のシート表面を貫く開口部と、前記第1のシート表面において規定され、かつ前記開口部の周りの第1の経路に沿って延び、かつ深さおよび幅を有する第1の溝とを含むシートと、
前記第1の溝に配置され、前記溝から離れる方向を向くシーリング表面と前記溝に対向する反対表面との間で規定される厚さを有するリングシールとを備え、
前記シーリング表面と前記第1のシート表面との間の距離が前記開口部の周りで変化するように、前記深さが前記開口部の周りで変化する、多層ガスケットシール。
【請求項1】
第1のシート表面と、前記第1のシート表面を貫く開口部と、前記第1のシート表面において規定され、かつ前記開口部の周りの第1の経路に沿って延び、かつ深さおよび幅を有する第1の溝とを含むシートと、
前記第1の溝に配置され、前記溝から離れる方向を向くシーリング表面と前記溝に対向する反対表面との間で規定される厚さを有するリングシールとを備え、
前記シーリング表面と前記第1のシート表面との間の距離が前記開口部の周りで変化するように、前記厚さおよび前記深さのうちの1つが前記開口部の周りで変化する、多層ガスケットシール。
【請求項2】
前記幅が前記経路に沿って変化する、請求項1に記載の多層ガスケットシール。
【請求項3】
前記深さが前記経路に沿って変化する、請求項1に記載の多層ガスケットシール。
【請求項4】
前記厚さが前記経路に沿って一定である、請求項3に記載の多層ガスケットシール。
【請求項5】
前記厚さが前記経路に沿って変化する、請求項1に記載の多層ガスケットシール。
【請求項6】
前記深さが前記経路に沿って一定である、請求項5に記載の多層ガスケットシール。
【請求項7】
前記シートが金属である、請求項1に記載の多層ガスケットシール。
【請求項8】
前記シートがスチールである、請求項7に記載の多層ガスケットシール。
【請求項9】
前記リングシールが金属である、請求項8に記載の多層ガスケットシール。
【請求項10】
前記シートは、
前記第1のシート表面の反対に位置する第2のシート表面と、
前記第2のシート表面において規定され、かつ前記開口部の周りの前記第1の経路に平行な第2の経路に沿って延び、かつ深さおよび幅を有する第2の溝とをさらに含み、前記第1の溝は前記第2の溝と前記開口部との間に配置され、
前記第2の溝に入れられ、かつ第1の厚さを有する第1のサポート部材と、
前記開口部の周りの前記第1の経路に平行な第3の経路に沿って延び、かつ深さおよび幅を有する第3の溝とをさらに含み、前記第3の溝は前記第1の溝と前記開口部との間に配置され、
前記第3の溝に入れられ、かつ第2の厚さを有する第2のサポート部材とをさらに含む、請求項1に記載の多層ガスケットシール。
【請求項11】
前記第2および第3の溝の前記深さが前記第2および第3の経路のそれぞれに沿って変化する、請求項10に記載の多層ガスケットシール。
【請求項12】
前記第1および第2のサポート部材の前記厚さが前記第2および第3の経路のそれぞれに沿って変化する、請求項10に記載の多層ガスケットシール。
【請求項13】
前記第2および第3の溝の前記幅が前記第2および第3の経路のそれぞれに沿って変化する、請求項10に記載の多層ガスケットシール。
【請求項14】
開口部で第1のシートを貫く工程と、
前記第1のシートの第1のシート表面において深さおよび幅を有し、かつ前記開口部の
周りの第1の経路に沿って延びる溝を規定する工程と、
前記溝から離れる方向を向くシーリング表面と前記溝に対向する反対表面との間で規定される厚さを有するリングシールを前記溝に配置する工程と、
前記シーリング表面と前記第1のシート表面との間の距離が前記開口部の周りで変化するように、前記リングシールの前記厚さと、前記深さとのうちの1つを前記開口部の周りで変化させる工程とを備えた、多層ガスケットシールの形成方法。
【請求項15】
第1のシート表面と、前記第1のシート表面を貫く開口部と、前記第1のシート表面において規定され、かつ前記開口部の周りの第1の経路に沿って延び、かつ深さおよび幅を有する第1の溝とを含むシートと、
前記第1の溝に配置され、前記溝から離れる方向を向くシーリング表面と前記溝に対向する反対表面との間で規定される厚さを有するリングシールとを備え、
前記シーリング表面と前記第1のシート表面との間の距離が前記開口部の周りで変化するように、前記深さが前記開口部の周りで変化する、多層ガスケットシール。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2010−513775(P2010−513775A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541608(P2009−541608)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/087529
【国際公開番号】WO2008/076863
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/087529
【国際公開番号】WO2008/076863
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】
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