多層プリント回路基板の製造方法
【課題】多層プリント基板の厚さを減少させるうえ、生産工程を短縮し、生産効率を増大させることが可能な多層プリント基板およびその製造方法の提供する。
【解決手段】多数の回路層および多数の絶縁層を含むビルドアップ層(108)、バンプがプリントされた前記ビルドアップ層(108)の一面の最外層回路層に形成される絶縁樹脂層(101)、および前記ビルドアップ層(108)の他面の最外層に形成される半田レジスト層(112)を含むことを特徴とし、一面にバンプがプリントされた絶縁樹脂層(101)の他面にビルドアップ層(108)、および半田レジスト層(112)を順次積層することにより製造される、多層プリント基板を提供する。
【解決手段】多数の回路層および多数の絶縁層を含むビルドアップ層(108)、バンプがプリントされた前記ビルドアップ層(108)の一面の最外層回路層に形成される絶縁樹脂層(101)、および前記ビルドアップ層(108)の他面の最外層に形成される半田レジスト層(112)を含むことを特徴とし、一面にバンプがプリントされた絶縁樹脂層(101)の他面にビルドアップ層(108)、および半田レジスト層(112)を順次積層することにより製造される、多層プリント基板を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層プリント回路基板およびその製造方法に係り、より詳しくは、多層プリント基板の厚さを減少させるうえ、生産工程を短縮し、生産効率を増大させることが可能な多層プリント基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリント基板は、各種熱硬化性合成樹脂からなるボードの一面または両面に銅線で配線した後、ボード上にICまたは電子部品を配置固定し、これらの間の電気的配線を実現して絶縁体でコートしたものである。
【0003】
最近、電子産業の発達に伴い、電子部品の高機能化、軽薄短小化に対する要求が急増しており、このような電子部品を搭載するプリント基板も高密度配線化および薄板が要求されている。
【0004】
特に、通常のビルドアップ(build−up)配線基板は、ビルドアップ層をコア基板上に形成し、このコア基板が形成されている状態で製品として用いられるため、配線基板全体の厚さが大きくなってしまうという問題があった。配線基板の厚さが大きい場合、配線の長さが長くなって信号処理に時間が多くかかり、結果として高密度配線化の要求に逆行するという問題があった。
【0005】
かかる問題点を解決するために、コア基板を備えないコアレス基板が提案されている。図4A〜図4Eにはこのような従来のコアレス基板の製造工程が示されている。
【0006】
以下、図4A〜図4Eを参照して、従来のコアレス基板の製造工程について説明する。
【0007】
まず、図4Aに示すように、製造工程中にコアレス基板を支持するためのメタルキャリア10を用意する。
【0008】
次に、図4Bに示すように、メタルキャリア10の一面にメタルバリア(metal barrier)11を形成し、その上に回路パターン12を形成する。
【0009】
その後、図4Cに示すように、回路パターン12上に、多数の絶縁層と多数の回路層を含むビルドアップ層13を積層する。ここで、ビルドアップ層13は通常のビルドアップ工法を用いて積層される。
【0010】
次いで、図4Dに示すように、メタルキャリア10およびメタルバリア11を除去する。その後、図4Eに示すように、ビルドアップ層13の上/下最外層に半田レジスト層14を積層してコアレス基板15を製造する。
【0011】
このような従来のコアレス基板15は、製造工程中に支持体の機能を行うメタルキャリア10を介してビルドアップ層13を積層し、しかる後にメタルキャリア10を除去することにより製造された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、従来のコアレス基板15の製造方法では、メタルキャリア10が製造工程中の支持体の機能を行うだけであって、これを除去するための別途の工程が要求されるうえ、メタルキャリア10が除去された部分の回路層を保護するために追加の半田レジスト層14を形成しなければならないという問題点があった。
【0013】
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的とするところは、製造工程中に支持機能を行う支持部が最外層回路層を保護する機能を同時に行うことにより、別途のPSR工程を伴う必要のない多層プリント基板およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、一対の支持部を付着させ、両面にビルドアップ層を形成することにより、生産性が高い多層プリント基板およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の好適な実施例に係る多層プリント基板は、多数の回路層および多数の絶縁層を含むビルドアップ層、バンプがプリントされた前記ビルドアップ層の一面の最外層回路層に形成される絶縁樹脂層、および前記ビルドアップ層の他面の最外層に形成される半田レジスト層を含むことを特徴とする。
【0015】
ここで、前記バンプは前記絶縁樹脂層を貫通して突出していることを特徴とする。また、前記バンプはAgペーストバンプであることを特徴とする。また、前記バンプは円錐型の形状であることを特徴とする。また、前記ビルドアップ層の他面の最外層には、半田ボールパッドが前記半田レジスト層のオープン部を介して露出していることを特徴とする。 また、前記半田ボールパッドには半田ボールが付着することを特徴とする。
【0016】
本発明の好適な一実施例に係る多層プリント基板の製造方法は、(A)バンプがプリントされた支持体の一面に絶縁樹脂層を形成する段階と、(B)前記支持体を除去して絶縁支持層を製造する段階と、(C)前記支持体が除去された前記絶縁支持層に、多数の回路層と多数の絶縁層を含むビルドアップ層を形成する段階と、(D)前記ビルドアップ層の最外層に半田レジスト層を形成する段階とを含むことを特徴とする。
【0017】
この際、前記(A)段階において、前記支持体に形成された前記絶縁樹脂層の厚さは前記バンプの高さより大きいことを特徴とする。また、前記(D)段階の後、前記バンプの一部が露出するように前記絶縁樹脂層の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする。また、前記絶縁樹脂層の除去はLDA(Laser Direct Ablation)によって行われることを特徴とする。また、前記絶縁樹脂層は、インクジェットプリンティング方式によってコートされることにより、前記支持体の一面に形成されることを特徴とする。
【0018】
本発明の好適な別の実施例に係る多層プリント基板の製造方法は、(A)バンプがプリントされた支持体の一面に絶縁樹脂層を形成する段階と、(B)前記支持体を除去して絶縁支持層を製造する段階と、(C)前記支持体が除去されなかった前記絶縁支持層の一面が互いに対向するように一対の前記絶縁支持層を整列し、接着手段を用いて一対の前記絶縁樹脂層を接着させる段階と、(D)前記支持体が除去された絶縁支持層の他面に、多数の回路層および多数の絶縁層を含むビルドアップ層を形成する段階と、(E)前記ビルドアップ層の最外層に半田レジスト層を形成する段階と、(F)前記一対のビルドアップ層および前記半田レジスト層が形成された前記絶縁支持層をそれぞれ分離する段階とを含むことを特徴とする。
【0019】
この際、前記(A)段階において、前記支持体に形成された前記絶縁樹脂層の厚さは前記バンプの高さより大きいことを特徴とする。また、前記(F)段階の後、前記バンプの一部が露出するように前記絶縁樹脂層の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする。また、前記絶縁樹脂層の除去はLDA(Laser Direct Ablation)によって行われることを特徴とする。また、前記絶縁樹脂層は、インクジェットプリンティング方式によってコートされることにより、前記支持体の一面に形成されることを特徴とする。また、前記接着手段は、熱処理の際に非接着性を示す熱接着剤であることを特徴とする。
【0020】
本発明の好適な別の実施例に係る多層プリント基板の製造方法は、(A)バンプがプリントされた銅箔層の一面に絶縁樹脂層を形成する段階と、(B)前記銅箔層をパターニングして回路層を形成する段階と、(C)前記回路層に、多数の絶縁層と多数の回路層を含むビルドアップ層を形成する段階と、(D)前記ビルドアップ層の最外層に半田レジスト層を形成する段階とを含むことを特徴とする。
【0021】
ここで、前記(A)段階において、前記支持体に形成された前記絶縁樹脂層の厚さは前記バンプの高さより大きいことを特徴とする。また、前記(D)段階の後、前記バンプの一部が露出するように前記絶縁樹脂層の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の好適な別の実施例に係る多層プリント基板の製造方法は、(A)バンプがプリントされた銅箔層の一面に絶縁樹脂層を形成する段階と、(B)前記銅箔層のない前記絶縁樹脂層の一面が互いに対向するように、前記銅箔層に形成された一対の前記絶縁樹脂層を整列し、接着手段を用いて、前記銅箔層に形成された一対の前記絶縁樹脂層を接着させる段階と、(C)前記銅箔層をパターニングして回路層を形成する段階と、(D)前記回路層に、多数の絶縁層と多数のビルドアップ回路層を含むビルドアップ層を形成する段階と、(E)前記ビルドアップ層の最外層に半田レジスト層を形成する段階と、(F)熱処理によって、前記熱接着剤から、前記一対のビルドアップ層および前記半田レジスト層が形成された前記絶縁樹脂層をそれぞれ分離する段階とを含むことを特徴とする。
【0023】
この際、前記(A)段階において、前記支持体に形成された前記絶縁樹脂層の厚さは前記バンプの高さより大きいことを特徴とする。また、前記(F)段階の後、前記バンプの一部が露出するように前記絶縁樹脂層の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする。また、前記接着手段は、熱処理の際に非接着性を示す熱接着剤であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る多層プリント基板およびその製造方法によれば、絶縁支持層が製造工程では支持機能を行って基板の厚さを減らすことができるうえ、回路層の電気的絶縁を行う半田レジスト層の機能を行うところ、PSR工程が不要になる。
また、本発明によれば、一対の絶縁支持層を付着させ、両面にビルドアップ層を形成することにより、生産性が増大する。
また、本発明によれば、絶縁支持層に形成されたバンプは、絶縁支持層の強度を増大させて製造工程中に絶縁支持層の支持機能を助け、電子部品等と多層プリント基板とを連結する連結部としての二重的機能を行う。
また、本発明によれば、バンプが円錐型の形状を持つことにより、外部電子部品との微細接触が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の好適な実施形態に係る多層プリント基板を示す図である。
【図2A】本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図2B】本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図2C】本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図2D】本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図2E】本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図2F】本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3A】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3B】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3C】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3D】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3E】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3F】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3G】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3H】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図4A】従来の技術に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図4B】従来の技術に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図4C】従来の技術に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図4D】従来の技術に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図4E】従来の技術に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態に係る多層プリント基板およびその製造方法について詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の好適な実施形態に係る多層プリント基板を示す図、図2A〜図2Fは本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図、図3A〜図3Hは本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【0028】
次に、図1を参照して、本発明の好適な実施形態に係る多層プリント基板について説明する。
【0029】
本発明の好適な実施形態に係る多層プリント基板100は、ビルドアップ層108、絶縁樹脂層101、および半田レジスト層112を含んでなる。
【0030】
ビルドアップ層108は、多数の絶縁層111と多数の回路層109を含んでなる。ここで、ビルドアップ層108の一面の最外層には回路パターン106およびランド107を含む回路層105が形成され、ビルドアップ層108の他面の最外層には突出した半田ボールパッド110が形成される。この半田ボールパッド110にはマザーボードまたは電子部品等と連結するための半田ボールが付着できる。
【0031】
絶縁樹脂層101は、製造工程中にビルドアップ層を支持する機能を行い、最外層に形成された回路層の酸化防止および電気的絶縁を提供するためのもので、その一面に最外層回路層105が形成され、バンプ103が形成されている。ここで、絶縁樹脂層101は、一般に用いられるエポキシ樹脂(epoxy)、ガラスエポキシ(glass epoxy)樹脂、アルミナ(alumina)を含有したエポキシ樹脂などからなるが、これに限定されない。
【0032】
バンプ103は、外部電子部品と多層プリント基板100とを連結するためのもので、ランド107にプリントされ、好ましくは絶縁樹脂層101を貫通して突出するように設けられる。
【0033】
ここで、バンプ103は、導電性ペースト、例えばAg、Pd、Pt、Ni、またはAg/Pdペーストで形成できる。また、バンプ103は円錐型の形状を持つことが好ましく、このような形状を持つことにより、外部電子部品との微細接触が可能になる。
【0034】
半田レジスト層112は、ビルドアップ層108の最外層に形成された回路層の酸化を防止し且つ電気的絶縁を提供するためのもので、ビルドアップ層108の最外層に形成され、ビルドアップ層108の最外層に形成された半田ボールパッド110を露出させるためのオープン部113が設けられる。
【0035】
以下、図2A〜図2Fを参照して、本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法について説明する。
【0036】
まず、図2Aに示すように、バンプ103がプリントされた支持体102の一面に絶縁樹脂層101を形成する。この際、プリントされたバンプ103の高さより大きい厚さを持つ絶縁樹脂層101を形成することが好ましい。
【0037】
ここで、支持体102は、バンプ103のプリントができるように一定の強度以上を持つことが好ましい。支持体102の材料としては、例えば、金属または重合体、特に剥離性重合体からなる材料のいずれでも使用可能であり、一例として銅箔を挙げることができる。
【0038】
バンプ103は、スクリーンプリント(screen print)方式によってプリントできる。スクリーンプリントは、開口部が設けられたマスクを介して導電性ペースト転写過程を経てバンプをプリントする方式である。すなわち、マスクの開口部の位置を整列し、導電性ペーストをマスクの上面に塗布する。そして、スキージ(squeegee)などを用いて導電性ペーストを押圧すると、開口部を介して導電性ペーストが押し出されながら支持体102上に転写され、所望の形状と高さでプリントすることが可能である。勿論、他の公知の方法でバンプ103をプリントすることも本発明の範疇内に含まれるといえる。
【0039】
絶縁樹脂層101は、支持体102上にバンプ103の高さより大きい厚さを持つように形成される。これは接触または無接触方式によって行われる。
【0040】
ここで、接触方式は、バンプ103がプリントされた支持体102に絶縁樹脂層101を積層する方式である。この際、バンプ103は絶縁樹脂層101を貫通するように絶縁樹脂層101より強度が大きいことが好ましく、絶縁樹脂層101の材料としては熱硬化性樹脂で形成された半硬化状態のプリプレグが好ましい。絶縁樹脂層101はバンプ103の高さより大きい厚さを持つので、バンプ103はその高さだけ絶縁樹脂層101を一部貫通する。
【0041】
一方、非接触方式は、インクジェットプリンティング方式によって絶縁樹脂粉末をコートする方式である。この非接触方式は、接触方式においてバンプ103が絶縁樹脂層101を貫通するにつれて力を受けることにより発生しうるバンプ103の形状変化、またはバンプ103と絶縁樹脂層101間の微細な隙間の発生といった問題を最小化するという点で有用である。
【0042】
次いで、図2Bに示すように、支持体102を除去することにより、絶縁樹脂層101にバンプ103が形成された絶縁支持層104を製造する。この絶縁支持層104は、後述するように、製造工程中にその上に形成されるビルドアップ層108を支持する機能を行う。
【0043】
その後、図2Cに示すように、支持体102が除去された絶縁樹脂層101の一面に、通常のセミ−アディティブ(semi−additive)などの方法を用いて回路層105を形成する。
【0044】
ここで、回路層105は回路パターン106およびランド107を含み、ランド107はバンプ103と連結される位置に形成される。
【0045】
次に、図2Dに示すように、回路層105に、通常のビルドアップ方式を用いて、多数の絶縁層111と多数の回路層109を含むビルドアップ層108を形成し、ビルドアップ層108の最外層に半田レジスト層112を形成する。
【0046】
この際、ビルドアップ層108は、通常のビルドアップ工法を用いて積層可能である。このビルドアップ層108の最外層には突出した半田ボールパッド110が形成される。
【0047】
一方、半田レジスト層112は、他の電子製品またはマザーボード等との連結のために、ビルドアップ層108の最外層に形成された半田ボールパッド110が露出できるようオープン部113が設けられる。このオープン部113はLDA(Laser Direct Ablation)または機械的ドリリング等によって設けられることが可能である。
【0048】
また、絶縁層111は、一般に用いられるエポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、またはアルミナを含有したエポキシ樹脂などからなるが、これに限定されない。また、絶縁層111の厚さは必要に応じて様々に変更することができ、上述したように絶縁支持層104よって支持されるので、薄い厚さで製造可能である。このような製造工程によって、多プリント基板100が製造される。
【0049】
また、図2Eに示すように、絶縁樹脂層101に形成されたバンプ103が電子部品等との連結のために露出するように、絶縁樹脂層101の一部を厚さ方向に除去することが好ましい。
【0050】
この際、バンプ103が形成された部分を除いて、LDAによって絶縁樹脂層101の一部を除去する。
【0051】
一方、この絶縁樹脂層101は、最外層回路層を保護する半田レジスト層の機能を行うので、下部に別途のPSR工程を行う必要がなくなる。
【0052】
このように製造された多層プリント基板100の半田ボールパッド110には、図2Fに示すように、マザーボードまたは電子部品等と連結するための半田ボール114が付着できる。
【0053】
一方、本実施例に係る製造工程において支持体102として銅箔層を使用することにより、短縮された製造工程によって図1の多層プリント基板100を製造することができる。
【0054】
すなわち、銅箔層の一面にバンプ103をプリントし、このプリントされたバンプ103の高さより大きい厚さを持つ絶縁樹脂層101を形成する。その後、この銅箔層をパターニングして回路層105を形成した後、図2D〜図2Fに示した工程を行うことにより、図1の多層プリント基板を製造することができる。
【0055】
このような方法は、支持体102として用いられた銅箔層が回路層105の形成に使用されるため、銅箔層を除去する工程が不要になり、回路層105を形成するために別途の銅箔層を使用する必要がなくて材料が節減されるという利点を持つ。
【0056】
以下、図3A〜図3Hを参照して、本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法について説明する。
【0057】
本第2実施例は、バンプが形成された絶縁支持層を両面に付着させて両面に多層プリント基板を製造した後、分離することにより、2つの多層プリント基板を一度に製造する以外は、上述した第1実施例と実質的に同様の方法で行われるところ、重複説明を省略して簡略に説明すると、次の通りである。
【0058】
まず、図3Aに示すように、バンプ203がプリントされた支持体202の一面に絶縁樹脂層201を形成する。この際、プリントされたバンプ203の高さより大きい厚さを持つ絶縁樹脂層201を形成することが好ましい。
【0059】
その後、図3Bに示すように、支持体202を除去し、絶縁樹脂層201にバンプ203が形成された絶縁支持層204を製造する。
【0060】
次いで、図3Cに示すように、支持体202が除去されなかった絶縁支持層204の一面が互いに対向するように一対の絶縁支持層204を整列し、熱接着剤215を用いて一対の絶縁支持層204を接着させる。
【0061】
この際、一対の絶縁支持層204は、支持体202が除去されなかった一面が対向するように整列されることが好ましい。これは、例えば、絶縁支持層204に形成されたバンプ203が円錐型の形状であれば、鋭い部分は電子製品と連結される部分であって露出しなければならないので、この鋭い部分が後述の絶縁樹脂層201の除去によって露出できるようにするための整列方式である。
【0062】
熱接着剤215は、熱処理の際に非接着性を示す物質であって、常温では接着された状態のままでの接着性を維持し、熱処理によって接着性を失って被接着物との剥離が可能なものであれば特に限定されず、当業界における公知の全ての熱接着剤(接着手段)を使用することができる。例えば、温度約100〜150℃での熱処理の際に、非接着性を示すアクリルと発泡剤からなる熱接着剤などが使用可能であるが、特にこれに限定されるものではない。一方、この熱接着剤215は、工程進行中に接着された絶縁支持層204が分離されないように工程進行中に発生する温度では接着性を失わず、それ以上の温度を加えることにより接着性を失うことが好ましい。
【0063】
次いで、図3Dに示すように、支持体202が除去された絶縁樹脂層201の一面に通常のセミアディティブなどの方法を用いて回路層205を形成する。
【0064】
その後、図3Eに示すように、回路層205に、通常のビルドアップ方式を用いて、多数の絶縁層211と多数のビルドアップ回路層209を含むビルドアップ層208を形成し、ビルドアップ層208の最外層に半田レジスト層212を形成する。
【0065】
その際、ビルドアップ層208の最外層には突出した半田ボールパッド210が形成され、半田レジスト層212にはこの半田ボールパッド210が露出できるようにオープン部213が設けられる。
【0066】
その後、図3Fに示すように、一対のビルドアップ層208および半田レジスト層212が形成された絶縁支持層204をそれぞれ分離する。
【0067】
上述したように、熱接着剤215は熱処理によって接着性を失って被接着物と分離される。よって、熱接着剤215に一定の熱を加えることにより、ビルドアップ層208および半田レジスト層212が形成されたそれぞれの絶縁支持層204を分離することができる。このような製造工程によって多層プリント基板が製造される。
【0068】
また、図3Gに示すように、絶縁樹脂層201に形成されたバンプ203が電子部品等との連結のために一部が露出できるように、絶縁樹脂層201の一部を厚さ方向に除去することが好ましい。
【0069】
このように製造された多層プリント基板の半田ボールパッド210には、図3Hに示すように、マザーボードまたは電子部品等と連結するための半田ボール214が付着できる。
【0070】
一方、本実施例に係る製造工程も、上述したように支持体202として銅箔層を使用することにより多層プリント基板を製造することができ、別途に支持体202を除去する工程が不要であるうえ、この銅箔層を回路層の形成に使用することにより工程短縮および材料節減の効果を達成することができる。
【0071】
以上、本発明を好適な実施例によって詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明に係る多層プリント基板およびその製造方法はこれに限定されないことは言うまでもない。当該分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内において変形または改良を加え得ることは明らかである。本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は特許請求の範囲によって定められる。
【符号の説明】
【0072】
101、201 絶縁樹脂層
102、202 支持体
103、203 バンプ
104、204 絶縁支持層
108、208 ビルドアップ層
110、210 半田ボールパッド
112、212 半田レジスト層
114、214 半田ボール
215 熱接着剤
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層プリント回路基板およびその製造方法に係り、より詳しくは、多層プリント基板の厚さを減少させるうえ、生産工程を短縮し、生産効率を増大させることが可能な多層プリント基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリント基板は、各種熱硬化性合成樹脂からなるボードの一面または両面に銅線で配線した後、ボード上にICまたは電子部品を配置固定し、これらの間の電気的配線を実現して絶縁体でコートしたものである。
【0003】
最近、電子産業の発達に伴い、電子部品の高機能化、軽薄短小化に対する要求が急増しており、このような電子部品を搭載するプリント基板も高密度配線化および薄板が要求されている。
【0004】
特に、通常のビルドアップ(build−up)配線基板は、ビルドアップ層をコア基板上に形成し、このコア基板が形成されている状態で製品として用いられるため、配線基板全体の厚さが大きくなってしまうという問題があった。配線基板の厚さが大きい場合、配線の長さが長くなって信号処理に時間が多くかかり、結果として高密度配線化の要求に逆行するという問題があった。
【0005】
かかる問題点を解決するために、コア基板を備えないコアレス基板が提案されている。図4A〜図4Eにはこのような従来のコアレス基板の製造工程が示されている。
【0006】
以下、図4A〜図4Eを参照して、従来のコアレス基板の製造工程について説明する。
【0007】
まず、図4Aに示すように、製造工程中にコアレス基板を支持するためのメタルキャリア10を用意する。
【0008】
次に、図4Bに示すように、メタルキャリア10の一面にメタルバリア(metal barrier)11を形成し、その上に回路パターン12を形成する。
【0009】
その後、図4Cに示すように、回路パターン12上に、多数の絶縁層と多数の回路層を含むビルドアップ層13を積層する。ここで、ビルドアップ層13は通常のビルドアップ工法を用いて積層される。
【0010】
次いで、図4Dに示すように、メタルキャリア10およびメタルバリア11を除去する。その後、図4Eに示すように、ビルドアップ層13の上/下最外層に半田レジスト層14を積層してコアレス基板15を製造する。
【0011】
このような従来のコアレス基板15は、製造工程中に支持体の機能を行うメタルキャリア10を介してビルドアップ層13を積層し、しかる後にメタルキャリア10を除去することにより製造された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、従来のコアレス基板15の製造方法では、メタルキャリア10が製造工程中の支持体の機能を行うだけであって、これを除去するための別途の工程が要求されるうえ、メタルキャリア10が除去された部分の回路層を保護するために追加の半田レジスト層14を形成しなければならないという問題点があった。
【0013】
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的とするところは、製造工程中に支持機能を行う支持部が最外層回路層を保護する機能を同時に行うことにより、別途のPSR工程を伴う必要のない多層プリント基板およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、一対の支持部を付着させ、両面にビルドアップ層を形成することにより、生産性が高い多層プリント基板およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の好適な実施例に係る多層プリント基板は、多数の回路層および多数の絶縁層を含むビルドアップ層、バンプがプリントされた前記ビルドアップ層の一面の最外層回路層に形成される絶縁樹脂層、および前記ビルドアップ層の他面の最外層に形成される半田レジスト層を含むことを特徴とする。
【0015】
ここで、前記バンプは前記絶縁樹脂層を貫通して突出していることを特徴とする。また、前記バンプはAgペーストバンプであることを特徴とする。また、前記バンプは円錐型の形状であることを特徴とする。また、前記ビルドアップ層の他面の最外層には、半田ボールパッドが前記半田レジスト層のオープン部を介して露出していることを特徴とする。 また、前記半田ボールパッドには半田ボールが付着することを特徴とする。
【0016】
本発明の好適な一実施例に係る多層プリント基板の製造方法は、(A)バンプがプリントされた支持体の一面に絶縁樹脂層を形成する段階と、(B)前記支持体を除去して絶縁支持層を製造する段階と、(C)前記支持体が除去された前記絶縁支持層に、多数の回路層と多数の絶縁層を含むビルドアップ層を形成する段階と、(D)前記ビルドアップ層の最外層に半田レジスト層を形成する段階とを含むことを特徴とする。
【0017】
この際、前記(A)段階において、前記支持体に形成された前記絶縁樹脂層の厚さは前記バンプの高さより大きいことを特徴とする。また、前記(D)段階の後、前記バンプの一部が露出するように前記絶縁樹脂層の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする。また、前記絶縁樹脂層の除去はLDA(Laser Direct Ablation)によって行われることを特徴とする。また、前記絶縁樹脂層は、インクジェットプリンティング方式によってコートされることにより、前記支持体の一面に形成されることを特徴とする。
【0018】
本発明の好適な別の実施例に係る多層プリント基板の製造方法は、(A)バンプがプリントされた支持体の一面に絶縁樹脂層を形成する段階と、(B)前記支持体を除去して絶縁支持層を製造する段階と、(C)前記支持体が除去されなかった前記絶縁支持層の一面が互いに対向するように一対の前記絶縁支持層を整列し、接着手段を用いて一対の前記絶縁樹脂層を接着させる段階と、(D)前記支持体が除去された絶縁支持層の他面に、多数の回路層および多数の絶縁層を含むビルドアップ層を形成する段階と、(E)前記ビルドアップ層の最外層に半田レジスト層を形成する段階と、(F)前記一対のビルドアップ層および前記半田レジスト層が形成された前記絶縁支持層をそれぞれ分離する段階とを含むことを特徴とする。
【0019】
この際、前記(A)段階において、前記支持体に形成された前記絶縁樹脂層の厚さは前記バンプの高さより大きいことを特徴とする。また、前記(F)段階の後、前記バンプの一部が露出するように前記絶縁樹脂層の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする。また、前記絶縁樹脂層の除去はLDA(Laser Direct Ablation)によって行われることを特徴とする。また、前記絶縁樹脂層は、インクジェットプリンティング方式によってコートされることにより、前記支持体の一面に形成されることを特徴とする。また、前記接着手段は、熱処理の際に非接着性を示す熱接着剤であることを特徴とする。
【0020】
本発明の好適な別の実施例に係る多層プリント基板の製造方法は、(A)バンプがプリントされた銅箔層の一面に絶縁樹脂層を形成する段階と、(B)前記銅箔層をパターニングして回路層を形成する段階と、(C)前記回路層に、多数の絶縁層と多数の回路層を含むビルドアップ層を形成する段階と、(D)前記ビルドアップ層の最外層に半田レジスト層を形成する段階とを含むことを特徴とする。
【0021】
ここで、前記(A)段階において、前記支持体に形成された前記絶縁樹脂層の厚さは前記バンプの高さより大きいことを特徴とする。また、前記(D)段階の後、前記バンプの一部が露出するように前記絶縁樹脂層の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の好適な別の実施例に係る多層プリント基板の製造方法は、(A)バンプがプリントされた銅箔層の一面に絶縁樹脂層を形成する段階と、(B)前記銅箔層のない前記絶縁樹脂層の一面が互いに対向するように、前記銅箔層に形成された一対の前記絶縁樹脂層を整列し、接着手段を用いて、前記銅箔層に形成された一対の前記絶縁樹脂層を接着させる段階と、(C)前記銅箔層をパターニングして回路層を形成する段階と、(D)前記回路層に、多数の絶縁層と多数のビルドアップ回路層を含むビルドアップ層を形成する段階と、(E)前記ビルドアップ層の最外層に半田レジスト層を形成する段階と、(F)熱処理によって、前記熱接着剤から、前記一対のビルドアップ層および前記半田レジスト層が形成された前記絶縁樹脂層をそれぞれ分離する段階とを含むことを特徴とする。
【0023】
この際、前記(A)段階において、前記支持体に形成された前記絶縁樹脂層の厚さは前記バンプの高さより大きいことを特徴とする。また、前記(F)段階の後、前記バンプの一部が露出するように前記絶縁樹脂層の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする。また、前記接着手段は、熱処理の際に非接着性を示す熱接着剤であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る多層プリント基板およびその製造方法によれば、絶縁支持層が製造工程では支持機能を行って基板の厚さを減らすことができるうえ、回路層の電気的絶縁を行う半田レジスト層の機能を行うところ、PSR工程が不要になる。
また、本発明によれば、一対の絶縁支持層を付着させ、両面にビルドアップ層を形成することにより、生産性が増大する。
また、本発明によれば、絶縁支持層に形成されたバンプは、絶縁支持層の強度を増大させて製造工程中に絶縁支持層の支持機能を助け、電子部品等と多層プリント基板とを連結する連結部としての二重的機能を行う。
また、本発明によれば、バンプが円錐型の形状を持つことにより、外部電子部品との微細接触が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の好適な実施形態に係る多層プリント基板を示す図である。
【図2A】本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図2B】本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図2C】本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図2D】本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図2E】本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図2F】本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3A】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3B】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3C】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3D】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3E】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3F】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3G】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図3H】本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図4A】従来の技術に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図4B】従来の技術に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図4C】従来の技術に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図4D】従来の技術に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【図4E】従来の技術に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態に係る多層プリント基板およびその製造方法について詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の好適な実施形態に係る多層プリント基板を示す図、図2A〜図2Fは本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図、図3A〜図3Hは本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法を説明するための工程流れ図である。
【0028】
次に、図1を参照して、本発明の好適な実施形態に係る多層プリント基板について説明する。
【0029】
本発明の好適な実施形態に係る多層プリント基板100は、ビルドアップ層108、絶縁樹脂層101、および半田レジスト層112を含んでなる。
【0030】
ビルドアップ層108は、多数の絶縁層111と多数の回路層109を含んでなる。ここで、ビルドアップ層108の一面の最外層には回路パターン106およびランド107を含む回路層105が形成され、ビルドアップ層108の他面の最外層には突出した半田ボールパッド110が形成される。この半田ボールパッド110にはマザーボードまたは電子部品等と連結するための半田ボールが付着できる。
【0031】
絶縁樹脂層101は、製造工程中にビルドアップ層を支持する機能を行い、最外層に形成された回路層の酸化防止および電気的絶縁を提供するためのもので、その一面に最外層回路層105が形成され、バンプ103が形成されている。ここで、絶縁樹脂層101は、一般に用いられるエポキシ樹脂(epoxy)、ガラスエポキシ(glass epoxy)樹脂、アルミナ(alumina)を含有したエポキシ樹脂などからなるが、これに限定されない。
【0032】
バンプ103は、外部電子部品と多層プリント基板100とを連結するためのもので、ランド107にプリントされ、好ましくは絶縁樹脂層101を貫通して突出するように設けられる。
【0033】
ここで、バンプ103は、導電性ペースト、例えばAg、Pd、Pt、Ni、またはAg/Pdペーストで形成できる。また、バンプ103は円錐型の形状を持つことが好ましく、このような形状を持つことにより、外部電子部品との微細接触が可能になる。
【0034】
半田レジスト層112は、ビルドアップ層108の最外層に形成された回路層の酸化を防止し且つ電気的絶縁を提供するためのもので、ビルドアップ層108の最外層に形成され、ビルドアップ層108の最外層に形成された半田ボールパッド110を露出させるためのオープン部113が設けられる。
【0035】
以下、図2A〜図2Fを参照して、本発明の好適な第1実施例に係る多層プリント基板の製造方法について説明する。
【0036】
まず、図2Aに示すように、バンプ103がプリントされた支持体102の一面に絶縁樹脂層101を形成する。この際、プリントされたバンプ103の高さより大きい厚さを持つ絶縁樹脂層101を形成することが好ましい。
【0037】
ここで、支持体102は、バンプ103のプリントができるように一定の強度以上を持つことが好ましい。支持体102の材料としては、例えば、金属または重合体、特に剥離性重合体からなる材料のいずれでも使用可能であり、一例として銅箔を挙げることができる。
【0038】
バンプ103は、スクリーンプリント(screen print)方式によってプリントできる。スクリーンプリントは、開口部が設けられたマスクを介して導電性ペースト転写過程を経てバンプをプリントする方式である。すなわち、マスクの開口部の位置を整列し、導電性ペーストをマスクの上面に塗布する。そして、スキージ(squeegee)などを用いて導電性ペーストを押圧すると、開口部を介して導電性ペーストが押し出されながら支持体102上に転写され、所望の形状と高さでプリントすることが可能である。勿論、他の公知の方法でバンプ103をプリントすることも本発明の範疇内に含まれるといえる。
【0039】
絶縁樹脂層101は、支持体102上にバンプ103の高さより大きい厚さを持つように形成される。これは接触または無接触方式によって行われる。
【0040】
ここで、接触方式は、バンプ103がプリントされた支持体102に絶縁樹脂層101を積層する方式である。この際、バンプ103は絶縁樹脂層101を貫通するように絶縁樹脂層101より強度が大きいことが好ましく、絶縁樹脂層101の材料としては熱硬化性樹脂で形成された半硬化状態のプリプレグが好ましい。絶縁樹脂層101はバンプ103の高さより大きい厚さを持つので、バンプ103はその高さだけ絶縁樹脂層101を一部貫通する。
【0041】
一方、非接触方式は、インクジェットプリンティング方式によって絶縁樹脂粉末をコートする方式である。この非接触方式は、接触方式においてバンプ103が絶縁樹脂層101を貫通するにつれて力を受けることにより発生しうるバンプ103の形状変化、またはバンプ103と絶縁樹脂層101間の微細な隙間の発生といった問題を最小化するという点で有用である。
【0042】
次いで、図2Bに示すように、支持体102を除去することにより、絶縁樹脂層101にバンプ103が形成された絶縁支持層104を製造する。この絶縁支持層104は、後述するように、製造工程中にその上に形成されるビルドアップ層108を支持する機能を行う。
【0043】
その後、図2Cに示すように、支持体102が除去された絶縁樹脂層101の一面に、通常のセミ−アディティブ(semi−additive)などの方法を用いて回路層105を形成する。
【0044】
ここで、回路層105は回路パターン106およびランド107を含み、ランド107はバンプ103と連結される位置に形成される。
【0045】
次に、図2Dに示すように、回路層105に、通常のビルドアップ方式を用いて、多数の絶縁層111と多数の回路層109を含むビルドアップ層108を形成し、ビルドアップ層108の最外層に半田レジスト層112を形成する。
【0046】
この際、ビルドアップ層108は、通常のビルドアップ工法を用いて積層可能である。このビルドアップ層108の最外層には突出した半田ボールパッド110が形成される。
【0047】
一方、半田レジスト層112は、他の電子製品またはマザーボード等との連結のために、ビルドアップ層108の最外層に形成された半田ボールパッド110が露出できるようオープン部113が設けられる。このオープン部113はLDA(Laser Direct Ablation)または機械的ドリリング等によって設けられることが可能である。
【0048】
また、絶縁層111は、一般に用いられるエポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、またはアルミナを含有したエポキシ樹脂などからなるが、これに限定されない。また、絶縁層111の厚さは必要に応じて様々に変更することができ、上述したように絶縁支持層104よって支持されるので、薄い厚さで製造可能である。このような製造工程によって、多プリント基板100が製造される。
【0049】
また、図2Eに示すように、絶縁樹脂層101に形成されたバンプ103が電子部品等との連結のために露出するように、絶縁樹脂層101の一部を厚さ方向に除去することが好ましい。
【0050】
この際、バンプ103が形成された部分を除いて、LDAによって絶縁樹脂層101の一部を除去する。
【0051】
一方、この絶縁樹脂層101は、最外層回路層を保護する半田レジスト層の機能を行うので、下部に別途のPSR工程を行う必要がなくなる。
【0052】
このように製造された多層プリント基板100の半田ボールパッド110には、図2Fに示すように、マザーボードまたは電子部品等と連結するための半田ボール114が付着できる。
【0053】
一方、本実施例に係る製造工程において支持体102として銅箔層を使用することにより、短縮された製造工程によって図1の多層プリント基板100を製造することができる。
【0054】
すなわち、銅箔層の一面にバンプ103をプリントし、このプリントされたバンプ103の高さより大きい厚さを持つ絶縁樹脂層101を形成する。その後、この銅箔層をパターニングして回路層105を形成した後、図2D〜図2Fに示した工程を行うことにより、図1の多層プリント基板を製造することができる。
【0055】
このような方法は、支持体102として用いられた銅箔層が回路層105の形成に使用されるため、銅箔層を除去する工程が不要になり、回路層105を形成するために別途の銅箔層を使用する必要がなくて材料が節減されるという利点を持つ。
【0056】
以下、図3A〜図3Hを参照して、本発明の好適な第2実施例に係る多層プリント基板の製造方法について説明する。
【0057】
本第2実施例は、バンプが形成された絶縁支持層を両面に付着させて両面に多層プリント基板を製造した後、分離することにより、2つの多層プリント基板を一度に製造する以外は、上述した第1実施例と実質的に同様の方法で行われるところ、重複説明を省略して簡略に説明すると、次の通りである。
【0058】
まず、図3Aに示すように、バンプ203がプリントされた支持体202の一面に絶縁樹脂層201を形成する。この際、プリントされたバンプ203の高さより大きい厚さを持つ絶縁樹脂層201を形成することが好ましい。
【0059】
その後、図3Bに示すように、支持体202を除去し、絶縁樹脂層201にバンプ203が形成された絶縁支持層204を製造する。
【0060】
次いで、図3Cに示すように、支持体202が除去されなかった絶縁支持層204の一面が互いに対向するように一対の絶縁支持層204を整列し、熱接着剤215を用いて一対の絶縁支持層204を接着させる。
【0061】
この際、一対の絶縁支持層204は、支持体202が除去されなかった一面が対向するように整列されることが好ましい。これは、例えば、絶縁支持層204に形成されたバンプ203が円錐型の形状であれば、鋭い部分は電子製品と連結される部分であって露出しなければならないので、この鋭い部分が後述の絶縁樹脂層201の除去によって露出できるようにするための整列方式である。
【0062】
熱接着剤215は、熱処理の際に非接着性を示す物質であって、常温では接着された状態のままでの接着性を維持し、熱処理によって接着性を失って被接着物との剥離が可能なものであれば特に限定されず、当業界における公知の全ての熱接着剤(接着手段)を使用することができる。例えば、温度約100〜150℃での熱処理の際に、非接着性を示すアクリルと発泡剤からなる熱接着剤などが使用可能であるが、特にこれに限定されるものではない。一方、この熱接着剤215は、工程進行中に接着された絶縁支持層204が分離されないように工程進行中に発生する温度では接着性を失わず、それ以上の温度を加えることにより接着性を失うことが好ましい。
【0063】
次いで、図3Dに示すように、支持体202が除去された絶縁樹脂層201の一面に通常のセミアディティブなどの方法を用いて回路層205を形成する。
【0064】
その後、図3Eに示すように、回路層205に、通常のビルドアップ方式を用いて、多数の絶縁層211と多数のビルドアップ回路層209を含むビルドアップ層208を形成し、ビルドアップ層208の最外層に半田レジスト層212を形成する。
【0065】
その際、ビルドアップ層208の最外層には突出した半田ボールパッド210が形成され、半田レジスト層212にはこの半田ボールパッド210が露出できるようにオープン部213が設けられる。
【0066】
その後、図3Fに示すように、一対のビルドアップ層208および半田レジスト層212が形成された絶縁支持層204をそれぞれ分離する。
【0067】
上述したように、熱接着剤215は熱処理によって接着性を失って被接着物と分離される。よって、熱接着剤215に一定の熱を加えることにより、ビルドアップ層208および半田レジスト層212が形成されたそれぞれの絶縁支持層204を分離することができる。このような製造工程によって多層プリント基板が製造される。
【0068】
また、図3Gに示すように、絶縁樹脂層201に形成されたバンプ203が電子部品等との連結のために一部が露出できるように、絶縁樹脂層201の一部を厚さ方向に除去することが好ましい。
【0069】
このように製造された多層プリント基板の半田ボールパッド210には、図3Hに示すように、マザーボードまたは電子部品等と連結するための半田ボール214が付着できる。
【0070】
一方、本実施例に係る製造工程も、上述したように支持体202として銅箔層を使用することにより多層プリント基板を製造することができ、別途に支持体202を除去する工程が不要であるうえ、この銅箔層を回路層の形成に使用することにより工程短縮および材料節減の効果を達成することができる。
【0071】
以上、本発明を好適な実施例によって詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明に係る多層プリント基板およびその製造方法はこれに限定されないことは言うまでもない。当該分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内において変形または改良を加え得ることは明らかである。本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は特許請求の範囲によって定められる。
【符号の説明】
【0072】
101、201 絶縁樹脂層
102、202 支持体
103、203 バンプ
104、204 絶縁支持層
108、208 ビルドアップ層
110、210 半田ボールパッド
112、212 半田レジスト層
114、214 半田ボール
215 熱接着剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の回路層(109)および多数の絶縁層(111)を含むビルドアップ層(108)と、
バンプ(103)がプリントされた前記ビルドアップ層(108)の一面の最外層回路層に形成される絶縁樹脂層(101)と、
前記ビルドアップ層(108)の他面の最外層に形成される半田レジスト層(112)とを含んでなることを特徴とする、多層プリント基板。
【請求項2】
前記バンプ(103)は前記絶縁樹脂層(101)を貫通して突出していることを特徴とする、請求項1に記載の多層プリント基板。
【請求項3】
前記バンプ(103)はAgペーストバンプであることを特徴とする、請求項1に記載の多層プリント基板。
【請求項4】
前記バンプ(103)は円錐型の形状であることを特徴とする、請求項1に記載の多層プリント基板。
【請求項5】
前記ビルドアップ層(108)の他面の最外層には、半田ボールパッド(110)が前記半田レジスト層(112)のオープン部(113)を介して露出していることを特徴とする、請求項1に記載の多層プリント基板。
【請求項6】
前記半田ボールパッド(110)には半田ボール(114)が付着することを特徴とする、請求項5に記載の多層プリント基板。
【請求項7】
(A)バンプ(103)がプリントされた支持体(102)の一面に絶縁樹脂層(101)を形成する段階と、
(B)前記支持体(102)を除去して絶縁支持層(104)を製造する段階と、
(C)前記支持体(102)が除去された前記絶縁支持層(104)に、多数の回路層(109)と多数の絶縁層(111)を含むビルドアップ層(108)を形成する段階と、
(D)前記ビルドアップ層(108)の最外層に半田レジスト層(112)を形成する段階とを含むことを特徴とする、多層プリント基板の製造方法。
【請求項8】
前記(A)段階において、前記支持体(102)に形成された前記絶縁樹脂層(101)の厚さは前記バンプ(103)の高さより大きいことを特徴とする、請求項7に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項9】
前記(D)段階の後、前記バンプ(103)の一部が露出するように前記絶縁樹脂層(101)の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁樹脂層(101)の除去はLDA(Laser Direct Ablation)によって行われることを特徴とする、請求項9に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項11】
前記絶縁樹脂層(101)は、インクジェットプリンティング方式によってコートされることにより、前記支持体(102)の一面に形成されることを特徴とする、請求項7に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項12】
(A)バンプ(203)がプリントされた支持体(202)の一面に絶縁樹脂層(201)を形成する段階と、
(B)前記支持体(202)を除去して絶縁支持層(204)を製造する段階と、
(C)前記支持体(202)が除去されなかった前記絶縁支持層(204)の一面が互いに対向するように一対の前記絶縁支持層(204)を整列し、接着手段を用いて一対の前記絶縁樹脂層(201、201)を接着させる段階と、
(D)前記支持体(202)が除去された絶縁支持層(204)の他面に、多数の回路層(209)および多数の絶縁層(211)を含むビルドアップ層(208)を形成する段階と、
(E)前記ビルドアップ層(208)の最外層に半田レジスト層(212)を形成する段階と、
(F)前記一対のビルドアップ層(208、208)および前記半田レジスト層(212、212)が形成された前記絶縁支持層(204)をそれぞれ分離する段階とを含むことを特徴とする、多層プリント基板の製造方法。
【請求項13】
前記(A)段階において、前記支持体(202)に形成された前記絶縁樹脂層(201)の厚さは前記バンプ(203)の高さより大きいことを特徴とする、請求項12に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項14】
前記(F)段階の後、前記バンプ(203)の一部が露出するように前記絶縁樹脂層(201)の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項15】
前記絶縁樹脂層(201)の除去はLDA(Laser Direct Ablation)によって行われることを特徴とする、請求項14に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項16】
前記絶縁樹脂層(201)は、インクジェットプリンティング方式によってコートされることにより、前記支持体(202)の一面に形成されることを特徴とする、請求項12に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項17】
前記接着手段は、熱処理の際に非接着性を示す熱接着剤(215)であることを特徴とする、請求項12に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項18】
(A)バンプ(103)がプリントされた銅箔層の一面に絶縁樹脂層(101)を形成する段階と、
(B)前記銅箔層をパターニングして回路層(105)を形成する段階と、
(C)前記回路層(105)に、多数の絶縁層(111)と多数の回路層(109)を含むビルドアップ層(108)を形成する段階と、
(D)前記ビルドアップ層(108)の最外層に半田レジスト層(112)を形成する段階とを含むことを特徴とする、多層プリント基板の製造方法。
【請求項19】
前記(A)段階において、前記銅箔層に形成された前記絶縁樹脂層(101)の厚さは前記バンプ(103)の高さより大きいことを特徴とする、請求項18に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項20】
前記(D)段階の後、前記バンプ(103)の一部が露出するように前記絶縁樹脂層(101)の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項19に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項21】
(A)バンプ(203)がプリントされた銅箔層の一面に絶縁樹脂層(201)を形成する段階と、
(B)前記銅箔層のない前記絶縁樹脂層(201)の一面が互いに対向するように、前記銅箔層に形成された一対の前記絶縁樹脂層を整列し、接着手段を用いて、前記銅箔層に形成された一対の前記絶縁樹脂層(201)を接着させる段階と、
(C)前記銅箔層をパターニングして回路層(205)を形成する段階と、
(D)前記回路層(205)に、多数の絶縁層(211)と多数のビルドアップ回路層(209)を含むビルドアップ層(208)を形成する段階と、
(E)前記ビルドアップ層(208)の最外層に半田レジスト層(212)を形成する段階と、
(F)熱処理によって、前記接着手段から、前記一対のビルドアップ層(208、208)および前記半田レジスト層(212、212)が形成された前記絶縁樹脂層(201、201)をそれぞれ分離する段階とを含むことを特徴とする、多層プリント基板の製造方法。
【請求項22】
前記(A)段階において、前記銅箔層に形成された前記絶縁樹脂層(201)の厚さは前記バンプ(203)の高さより大きいことを特徴とする、請求項21に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項23】
前記(F)段階の後、前記バンプ(203)の一部が露出するように前記絶縁樹脂層(201)の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項24】
前記接着手段は、熱処理の際に非接着性を示す熱接着剤(215)であることを特徴とする、請求項21に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項1】
多数の回路層(109)および多数の絶縁層(111)を含むビルドアップ層(108)と、
バンプ(103)がプリントされた前記ビルドアップ層(108)の一面の最外層回路層に形成される絶縁樹脂層(101)と、
前記ビルドアップ層(108)の他面の最外層に形成される半田レジスト層(112)とを含んでなることを特徴とする、多層プリント基板。
【請求項2】
前記バンプ(103)は前記絶縁樹脂層(101)を貫通して突出していることを特徴とする、請求項1に記載の多層プリント基板。
【請求項3】
前記バンプ(103)はAgペーストバンプであることを特徴とする、請求項1に記載の多層プリント基板。
【請求項4】
前記バンプ(103)は円錐型の形状であることを特徴とする、請求項1に記載の多層プリント基板。
【請求項5】
前記ビルドアップ層(108)の他面の最外層には、半田ボールパッド(110)が前記半田レジスト層(112)のオープン部(113)を介して露出していることを特徴とする、請求項1に記載の多層プリント基板。
【請求項6】
前記半田ボールパッド(110)には半田ボール(114)が付着することを特徴とする、請求項5に記載の多層プリント基板。
【請求項7】
(A)バンプ(103)がプリントされた支持体(102)の一面に絶縁樹脂層(101)を形成する段階と、
(B)前記支持体(102)を除去して絶縁支持層(104)を製造する段階と、
(C)前記支持体(102)が除去された前記絶縁支持層(104)に、多数の回路層(109)と多数の絶縁層(111)を含むビルドアップ層(108)を形成する段階と、
(D)前記ビルドアップ層(108)の最外層に半田レジスト層(112)を形成する段階とを含むことを特徴とする、多層プリント基板の製造方法。
【請求項8】
前記(A)段階において、前記支持体(102)に形成された前記絶縁樹脂層(101)の厚さは前記バンプ(103)の高さより大きいことを特徴とする、請求項7に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項9】
前記(D)段階の後、前記バンプ(103)の一部が露出するように前記絶縁樹脂層(101)の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁樹脂層(101)の除去はLDA(Laser Direct Ablation)によって行われることを特徴とする、請求項9に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項11】
前記絶縁樹脂層(101)は、インクジェットプリンティング方式によってコートされることにより、前記支持体(102)の一面に形成されることを特徴とする、請求項7に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項12】
(A)バンプ(203)がプリントされた支持体(202)の一面に絶縁樹脂層(201)を形成する段階と、
(B)前記支持体(202)を除去して絶縁支持層(204)を製造する段階と、
(C)前記支持体(202)が除去されなかった前記絶縁支持層(204)の一面が互いに対向するように一対の前記絶縁支持層(204)を整列し、接着手段を用いて一対の前記絶縁樹脂層(201、201)を接着させる段階と、
(D)前記支持体(202)が除去された絶縁支持層(204)の他面に、多数の回路層(209)および多数の絶縁層(211)を含むビルドアップ層(208)を形成する段階と、
(E)前記ビルドアップ層(208)の最外層に半田レジスト層(212)を形成する段階と、
(F)前記一対のビルドアップ層(208、208)および前記半田レジスト層(212、212)が形成された前記絶縁支持層(204)をそれぞれ分離する段階とを含むことを特徴とする、多層プリント基板の製造方法。
【請求項13】
前記(A)段階において、前記支持体(202)に形成された前記絶縁樹脂層(201)の厚さは前記バンプ(203)の高さより大きいことを特徴とする、請求項12に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項14】
前記(F)段階の後、前記バンプ(203)の一部が露出するように前記絶縁樹脂層(201)の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項15】
前記絶縁樹脂層(201)の除去はLDA(Laser Direct Ablation)によって行われることを特徴とする、請求項14に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項16】
前記絶縁樹脂層(201)は、インクジェットプリンティング方式によってコートされることにより、前記支持体(202)の一面に形成されることを特徴とする、請求項12に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項17】
前記接着手段は、熱処理の際に非接着性を示す熱接着剤(215)であることを特徴とする、請求項12に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項18】
(A)バンプ(103)がプリントされた銅箔層の一面に絶縁樹脂層(101)を形成する段階と、
(B)前記銅箔層をパターニングして回路層(105)を形成する段階と、
(C)前記回路層(105)に、多数の絶縁層(111)と多数の回路層(109)を含むビルドアップ層(108)を形成する段階と、
(D)前記ビルドアップ層(108)の最外層に半田レジスト層(112)を形成する段階とを含むことを特徴とする、多層プリント基板の製造方法。
【請求項19】
前記(A)段階において、前記銅箔層に形成された前記絶縁樹脂層(101)の厚さは前記バンプ(103)の高さより大きいことを特徴とする、請求項18に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項20】
前記(D)段階の後、前記バンプ(103)の一部が露出するように前記絶縁樹脂層(101)の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項19に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項21】
(A)バンプ(203)がプリントされた銅箔層の一面に絶縁樹脂層(201)を形成する段階と、
(B)前記銅箔層のない前記絶縁樹脂層(201)の一面が互いに対向するように、前記銅箔層に形成された一対の前記絶縁樹脂層を整列し、接着手段を用いて、前記銅箔層に形成された一対の前記絶縁樹脂層(201)を接着させる段階と、
(C)前記銅箔層をパターニングして回路層(205)を形成する段階と、
(D)前記回路層(205)に、多数の絶縁層(211)と多数のビルドアップ回路層(209)を含むビルドアップ層(208)を形成する段階と、
(E)前記ビルドアップ層(208)の最外層に半田レジスト層(212)を形成する段階と、
(F)熱処理によって、前記接着手段から、前記一対のビルドアップ層(208、208)および前記半田レジスト層(212、212)が形成された前記絶縁樹脂層(201、201)をそれぞれ分離する段階とを含むことを特徴とする、多層プリント基板の製造方法。
【請求項22】
前記(A)段階において、前記銅箔層に形成された前記絶縁樹脂層(201)の厚さは前記バンプ(203)の高さより大きいことを特徴とする、請求項21に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項23】
前記(F)段階の後、前記バンプ(203)の一部が露出するように前記絶縁樹脂層(201)の一部を厚さ方向に除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の多層プリント基板の製造方法。
【請求項24】
前記接着手段は、熱処理の際に非接着性を示す熱接着剤(215)であることを特徴とする、請求項21に記載の多層プリント基板の製造方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【公開番号】特開2013−30807(P2013−30807A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−235945(P2012−235945)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【分割の表示】特願2010−251951(P2010−251951)の分割
【原出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【分割の表示】特願2010−251951(P2010−251951)の分割
【原出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
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