説明

多層膜の表面形状加工方法及び表面形状加工装置

【課題】イオンビームを利用した多層膜のミリングにおいて、サブナノメートル精度で反射波面の位相を補正するとともに加工時間の短縮を実現した多層膜の表面形状加工方法及び表面形状加工装置を提供することを課題とする。
【解決手段】屈折率に差がある複数の物質を周期的に積層した多層膜のイオンビームによるミリングに際し、反射位相変化の小さい方の物質を基準としてミリングの深さを検知することを特徴とする多層膜の表面形状加工方法及び表面形状加工装置によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層膜の表面形状加工方法及び表面形状加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体微細加工技術の進歩に伴い、更なる微細化を目的として極端紫外線(EUV: Extreme Ultra Violet)を光源とすることが世界的に制定された(EUVリソグラフィ技術)。光による投影露光の解像力は光の回折限界で制限されるが、EUV光を用いれば従来の紫外線露光を大幅に上回る解像力が期待できる。
【0003】
極端紫外線やX線波長域では、物質の屈折率が1に非常に近く従来型の屈折あるいは反射を利用した光学素子を使用することは極めて困難である。そこで図1に示すような屈折率が異なる2種類以上の物質を超研磨基板上に交互に積層した多層膜反射鏡が使用される。多層膜反射鏡は強め合いの干渉効果を利用した反射増加膜であることから、周期膜厚は使用波長の1/2程度の厚さに精密に制御しなければならない。EUVリソグラフィで使用される波長13nm光に対しては、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)を交互に数十層積層することで70%近い直入射反射率が得られる。多層膜を凹面、凸面あるいは非球面基板上に成膜した反射鏡を複数枚組み合わせることで拡大あるいは縮小光学系とする。その一例として図2に多層膜鏡を成膜した凹面、凸面鏡から成るシュバルツシルド光学系の模式図を示す。
【0004】
光学系の波面収差を抑え回折限界の性能を得るためには波面位相を精密に制御することが不可欠である。反射光学系の波面誤差は、反射による光路の折り返しによって基板の形状誤差の2倍となることからその形状精度はMarechal基準であるλ/28(λ: 使用波長)が要求される。複数枚の多層膜反射凹面鏡及び凸面鏡から成るEUV露光装置やEUV顕微鏡では一枚の多層膜鏡に要求される形状精度は0.1 nmオーダーとなる。
【0005】
従来の研磨加工技術で曲面基板の形状精度0.1 nmを実現することは困難である。研磨技術に代わるものとしてイオンビームよる加工技術が開発されている。これは、細く絞ったイオンビームで基板上を走査し加工するものである。加工量(ミリング深さ)はイオンビームの滞在時間で決まるため、イオンビーム強度の時間安定性が要求されるが、現状では数%程度の不安定性があるため加工精度を保障できない。また、EUVリソグラフィなどに用いられる大口径の曲面基板の加工には長時間を要するため実用的ではない。
【0006】
例えばBK7ガラス基板にアルゴンイオンビームを1時間照射した場合、およそ200 nm程度ミリング除去することが出来る。このときの加速電圧は1kV、ビーム電流は0.13 mA/cm2 = 1.3μA/mm2である。直径2mmの収束イオンビームを用いるとするとこのとき得られるビーム電流は4.08μAである。この時、直径100 mmの基板全面を10 nmミリング除去するのに要する時間は、2500×10/200=125 時間となり、約5日掛かる計算となる。EUVリソグラフィで用いる大口径基板ではこの数倍の時間を要する。
【特許文献1】特許第367968号公報
【特許文献2】特開2003−66195号公報
【非特許文献1】東北大学科学計測研究所技術室報告書(1999年第2号pp.11-16)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、イオンビームを利用した多層膜のミリングにおいて、従来の欠点を除去し、サブナノメートル精度で反射波面の位相補正を実現するとともに加工時間の短縮を実現した多層膜の表面形状加工方法及び表面形状加工装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために本発明は、次のような多層膜の表面形状加工方法及び表面形状加工装置を提供するものである。
(1)屈折率に差がある複数の物質を周期的に積層した多層膜のイオンビームによるミリングに際し、反射位相変化の小さい方の物質を基準としてミリングの深さを検知することを特徴とする多層膜の表面形状加工方法。
(2)(1)に記載の多層膜の表面形状加工方法を実施する表面形状加工装置であって、該多層膜の全面を、一定の加工速度で、一括して加工除去できるミリング加工源と、該多層膜の直前に近接して配置固定されたミリング領域選択マスクと、ミリング深さを検知する機構とを備えることを特徴とする多層膜の表面形状加工装置。
(3)上記ミリング加工源は、一定の速度で加工する手段として、ミリング領域選択マスクを固定した該多層膜を高速で自転させ、ミリング加工流の空間密度分布と加工時間の積を一定にできるミリング加工流分布補正板を備えることを特徴とする(2)に記載の多層膜の表面形状加工装置。
(4)上記ミリング深さを検知する機構は、該多層膜と該多層膜に近接して固定されたミリング領域選択マスクとの間隙に放射される光を検知する手段を含むことを特徴とする(2)又は(3)に記載の多層膜の表面形状加工装置。
(5)上記ミリング深さを検知する機構は、該多層膜に流入又は流出するドレイン電流を検知する手段を含むことを特徴とする(2)又は(3)に記載の多層膜の表面形状加工装置。
(6)上記ミリング領域選択マスクの材質は、該多層膜の反射光に実質的に透明な物質で構成されていることを特徴とする(2)乃至(5)のいずれかに記載の多層膜の表面形状加工装置。
(7)上記ミリング領域選択マスクは、多層膜を構成する物質のいずれかで構成されることを特徴とする(2)乃至(6)のいずれかに記載の多層膜の表面形状加工装置。
(8)上記多層膜は、超研磨基板と基板上に形成された薄膜構造で構成され、薄膜構造がミリング深さを検知できる機構の要素を構成することを特徴とする(2)乃至(7)のいずれかに記載の多層膜の表面形状加工装置。
(9)上記多層膜は、超研磨基板と基板上に形成された反射増加多層膜で構成されることを特徴とする(2)乃至(7)のいずれかに記載の多層膜の表面形状加工装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、厚さ数nmの多層膜の1周期毎のミリング除去により、サブナノメートル精度で反射波面の位相補正を実現できる。また大口径の多層膜全面にイオンビームを一括照射することが可能であり、1周期当たり数分でミリングできるため加工時間の大幅短縮を実現できる。さらに本発明の表面形状加工装置では、多層膜の所定の位置をミリング加工除去しているときに、除去している物質を分析装置により検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係る多層膜の表面形状加工の原理を以下説明する。
基板の形状誤差をΔとすると反射光学系と屈折率nの透過光学系でそれぞれ2Δ、(1-n)Δの光路差を与える。極端紫外線や軟X線領域の屈折率nは1に極めて近く(1-n)は10-2から10-4程度である。ここで、多層膜の反射は多層膜全体からの総和であるから、表面付近の多層膜は透過膜としても機能するはずである。従って、多層膜による光路差は2(1-n)Δで与えられる。図3をもってその原理を説明する。
【0011】
図3(a)に示すように、基板を厚さd除去すると、基板表面に垂直に進む光は2dだけ光路長が変化する。ここでファクター2は反射による効果を表す。次に図3(b)に示す多層膜1周期分をミリング除去した場合について考える。多層膜は透過膜としても機能するので、多層膜1周期分を透過し多層膜構造を含めた実効的な基板で反射する光の光路長は2(nAdA+nBdB)で与えられる。ここで、nA、nBはそれぞれ多層膜を構成する物質A、Bの屈折率を、dAとdBはそれぞれの膜厚を表し、dA+dB=dとする。一方、多層膜を除去した部分の光路長は2dである。従って、多層膜1周期分をミリング除去したことによる光路長の変化、すなわち、光路差OPDは、最表面を反射位相の基準とするとOPD=2d-2(nAdA+nBdB)となる。nA=nB=nと置けば、OPD=2(1-n)dとなる。極端紫外線及びX線領域の物質の屈折率は1に近いため、OPDは微小量となる。
【0012】
波長13 nmでMo/Si多層膜を用いた場合を例示して本発明の原理を説明する。極端紫外線及び軟X線領域での波長に対するSi、Moの屈折率は、それぞれnSi=1.00236、nMo=0.9314であり、直入射で用いる場合のそれぞれの膜厚はdSi=4.01 nm、dMo=2.64 nmである。これらの値を用いて光路差OPDを計算すると0.34 nmとなる。これは基板ミリングに換算すると0.17 nmである。つまり、多層膜1周期分6.65 nmをミリング除去すれば、基板を0.17 nmミリング除去したことと同等の効果が得られることを示す。
【0013】
図4、5に60周期Mo/Si多層膜の最上層に30 nmのMo層を付加した場合のミリング除去による位相変化の計算結果を示す。ミリング厚さが30 nmに達するまでは除去量とともに位相は減少し、反射率は増加する。多層膜表面に達すると以後-1°/nmで位相が変化する。一方、反射率は干渉効果による周期的な変動を見せるだけでほとんど変化しない。反射率は積層数とともに増加し、ある積層数を超えると飽和して一定となることから、反射率が十分飽和するまで積層すれば、ミリングによる反射率の低下は生じない。位相変化を詳細に見てみると、Siの屈折率が1に極めて近いため、大きな反射位相変化はMo層のミリングで生じ、Si層のミリングでは反射位相も反射率もほとんど変化しない。つまり、Si層のミリング深さを精密に制御することなく、Si層が最表面層となる条件を検知すれば反射波面の高精度な位相補正を実現することができる。図6に形状誤差が有る多層膜凹面鏡の集光と多層膜を除去し反射波面の補正を行った後の多層膜凹面鏡の集光の模式図を示す。
【0014】
これまで述べたような多層膜のミリングによる波面補正は、回折限界の結像性能を実現できることから、顕微鏡や望遠鏡に有効であり、その適用波長は軟X線に限定されることなく可視光や赤外光にも有効である。例えば、可視光では、フィルタリングやホログラフィーのための位相制御、光通信に利用される赤外光では、光波の伝送特性を向上するための波面制御や位相補正などにも適用できる。また、これらの波長や反射鏡に限定することなく、多層膜を付加した素子、例えば透過フィルターなどにも適用することができる。
【0015】
一方、高い解像力を持つ光学系には非球面基板の採用が必須であることから、基板の加工技術では、従来の研磨技術や収束イオンビームによる非球面加工が行われつつある。
【0016】
次に、本発明の表面形状加工装置について、図面を参照しながら説明する。
図7は多層膜の表面形状加工装置の概略図である。図7に示すように、表面形状加工装置は、2つの真空容器を有し、互いにゲートバルブを介して接続されている。一方の真空容器にはイオン源が設置され(以後、ガンチャンバーと呼ぶ)、もう一方には多層膜を有する反射鏡を設置固定するステージが配置されている(以後、ワークチャンバーと呼ぶ)。多層膜はイオン源から照射されるイオンビームに正対するように設置する。
【0017】
また、多層膜の全面を一括でミリング加工するために、多層膜の直径と比べて大きな照射領域を持つイオンビームをイオン源から照射するものとする。また、イオンビームはミリング加工対象の表面粗さを抑えるために300V程度の低加速電圧で照射できる。多層膜の全面を実質的に一定の速度で加工するために、反射鏡を高速で自転させ、イオンビームの空間密度分布と加工時間の積を一定に出来るミリング加工流分布補正板を備える。また、ミリング加工する領域を指定するために、多層膜の表面の近傍にミリング領域選択マスクを固定する。このミリング領域選択マスクは反射鏡の回転ステージに固定され、多層膜とともに自転する。なお、ミリング領域によって複数枚のミリング領域選択マスクを用意し、位置の再現性良く且つ簡便に回転ステージに取り付け可能な構造とする。照射するイオンビームの安定化を図るため、ミリング領域選択マスクの交換時には、ゲートバルブを閉じ、ガンチャンバーの動作を保持したままワークチャンバーを大気開放することが可能である。
【0018】
図8及び9に示すように、多層膜とミリング領域選択マスクの間のわずかな隙間から放射される光の分光スペクトルを計測するための検出器がワークチャンバーに設置される。また、ワークチャンバーには多層膜とミリング領域選択マスクの間のわずかな隙間から放射される光の全強度を計測するための検出器が、多層膜表面には多層膜に流入あるいは流出するドレイン電流を計測する計測器がそれぞれ多層膜回転ステージに固定設置される。
【0019】
多層膜にイオンビームのような高エネルギーの粒子を照射すると、構成物質に起因した発光が見られる。すなわち、イオンビームを照射しながら分光スペクトル計測を行えば、多層膜の最表面に露出した物質を同定することができる。通常、Mo/Si多層膜の最表面はMo層であるから、ミリング開始はMoに起因した発光スペクトルが検出される。Mo層のミリング除去が完了すると、Moに起因したスペクトルに変わりSiに起因したスペクトルが検出される。Mo/Si多層膜のミリングによる反射位相変化はMo層で生じるため、Siに起因した発光スペクトルが現れた時点でミリングを終了すればよい。MoとSiに起因した発光スペクトルの変化は交互に現れることから、これらの変化をモニターし、Si起因の発光スペクトルが現れたときにミリングを終了すれば所望の波面補正効果が得られる。
【0020】
イオンビームを多層膜に照射すると多層膜の構成物質に起因した発光スペクトルが計測される。各波長における光強度を計測波長域に渡って足し合わせるとその総和は物質によって異なる。つまり、光全強度検出器からの信号強度変化はミリング物質の切り替わりで生じることから、切り替わる回数をカウントすれば、所望の層数分だけミリング除去することができる。
【0021】
イオンビームが照射される領域に露出した物質に対応して、多層膜に流入あるいは流出するドレイン電流が変化する。すなわち、ミリング中のドレイン電流値変化はミリング領域に露出した物質に応じて変化するため、ドレイン電流変化をモニターすれば所望の層数分だけミリング除去することが出来る。
【0022】
本表面形状加工装置は、発光スペクトル計測、光全強度計測あるいはドレイン電流計測によって波面補正に必要な層数のミリング除去をカウントし、所望の層数に達した時に、イオンビーム照射を瞬時に停止する機構又は、ゲートバルブを瞬時に閉じる機構を持つ。
【0023】
イオン源の加速電極板がイオン流によって削られ、削られた加速電極板が多層膜に付着し影響を及ぼすことを防ぐため、加速電極板の材質は多層膜の反射光に実質的に透明な物質で構成されている。例えば、波長13 nm用Mo/Si多層膜のミリングには、モリブデン、ルテニウム、ロジウムなどを材質とする。また、炭素の窓波長域(4 nmから6 nm程度の波長域)では、カーボン、クロム、コバルトなどを、水の窓波長域(2 nmから4 nm程度の波長域)では、スカンジウムやクロムなどを材質とする。
【0024】
多層膜のミリング加工領域を指定するミリング領域選択マスクの概念図を図10に示す。ミリング加工を行う領域は、干渉計測などによって得られた反射波面マップによって決定する。ミリング領域選択マスクの開口部をイオン流が通過し、所定の位置のみミリング加工を行うことができる。ミリング領域選択マスクがイオン流によって削られ、削られたマスク構成物質が多層膜に付着し影響を及ぼすことを防ぐため、ミリング領域選択マスクの材質は多層膜の反射光に実質的に透明な物質を素材とする。例えば、波長13 nm用Mo/Si多層膜のミリングには、シリコン、モリブデン、ルテニウム、ロジウムなどを材質とする。また、炭素の窓波長域(4 nmから6 nm程度の波長域)では、カーボン、クロム、コバルトなどを、水の窓波長域(2 nmから4 nm程度の波長域)では、スカンジウムやクロムなどを材質とする。
【0025】
イオンビーム強度の分布補正板の概念図を図11に示す。分布補正板がイオン流によって削られ、削られた分布補正板構成物質が多層膜に付着し影響を及ぼすことを防ぐため、分布補正板の材質は多層膜の反射光に実質的に透明な物質を素材とする。例えば、波長13 nm用Mo/Si多層膜のミリングには、シリコン、モリブデン、ルテニウム、ロジウムなどを材質とする。また、炭素の窓波長域(4 nmから6 nm程度の波長域)では、カーボン、クロム、コバルトなどを、水の窓波長域(2 nmから4 nm程度の波長域)では、スカンジウムやクロムなどを材質とする。分布補正板を設置しない状態で計測したイオン流の二次元強度分布を元に、ミリング対象範囲でミリング加工流の空間密度分布と加工時間の積が一定となるように分布補正板の形状を決定する。
ミリング領域選択マスク及びミリング加工流分布補正板は、サンドブラスト法、エッチング法、機械加工などによって作製する。
【0026】
本発明の表面加工装置によって、広い面積を持つ光学素子の表面を一括且つ低加速のイオンビームで加工することができる。従って、様々な表面形状及び非球面形状を創生できる表面形状加工装置、非球面光学素子、それを用いた光学系、顕微鏡、露光装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】多層膜の断面模式図。
【図2】シュバルツシルド拡大光学系模式図。
【図3】a)基板ミリングとb)多層膜ミリングによる反射を示す概略図。
【図4】Mo/Si多層膜のミリングによる反射位相変化を示す計算図。
【図5】図4の計算図の部分拡大図。
【図6】多層膜凹面鏡の波面補正前の集光(左図)と波面補正後の集光(右図)の模式図。
【図7】表面形状加工装置の模式図。
【図8】終点検出機構配置模式図(側面図)。
【図9】終点検出機構配置模式図(正面図)。
【図10】ミリング領域選択マスクの概念図。
【図11】ミリング加工流分布補正板マスクの概念図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈折率に差がある複数の物質を周期的に積層した多層膜のイオンビームによるミリングに際し、反射位相変化の小さい方の物質を基準としてミリングの深さを検知することを特徴とする多層膜の表面形状加工方法。
【請求項2】
請求項1に記載の多層膜の表面形状加工方法を実施する表面形状加工装置であって、該多層膜の全面を、一定の加工速度で、一括して加工除去できるミリング加工源と、該多層膜の直前に近接して配置固定されたミリング領域選択マスクと、ミリング深さを検知する機構とを備えることを特徴とする多層膜の表面形状加工装置。
【請求項3】
上記ミリング加工源は、一定の速度で加工する手段として、ミリング領域選択マスクを固定した該多層膜を高速で自転させ、ミリング加工流の空間密度分布と加工時間の積を一定にできるミリング加工流分布補正板を備えることを特徴とする請求項2に記載の多層膜の表面形状加工装置。
【請求項4】
上記ミリング深さを検知する機構は、該多層膜と該多層膜に近接して固定されたミリング領域選択マスクとの間隙に放射される光を検知する手段を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の多層膜の表面形状加工装置。
【請求項5】
上記ミリング深さを検知する機構は、該多層膜に流入又は流出するドレイン電流を検知する手段を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の多層膜の表面形状加工装置。
【請求項6】
上記ミリング領域選択マスクの材質は、該多層膜の反射光に実質的に透明な物質で構成されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の多層膜の表面形状加工装置。
【請求項7】
上記ミリング領域選択マスクは、多層膜を構成する物質のいずれかで構成されることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の多層膜の表面形状加工装置。
【請求項8】
上記多層膜は、超研磨基板と基板上に形成された薄膜構造で構成され、薄膜構造がミリング深さを検知できる機構の要素を構成することを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の多層膜の表面形状加工装置。
【請求項9】
上記多層膜は、超研磨基板と基板上に形成された反射増加多層膜で構成されることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の多層膜の表面形状加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−225190(P2008−225190A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65078(P2007−65078)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】