説明

多成分飲料を瓶詰めするための装置および方法

【課題】多成分飲料の瓶詰めにおいて充填重量を正確に制御可能な装置および方法を提供すること。
【解決手段】充填対象の容器に第1充填手段2により第1成分を充填するステップと、液体の第1成分が充填された容器を第2充填手段4へ輸送するステップと、第1成分が充填された容器に第2充填手段4により液体の第2成分を充填するステップと、を包含する、多成分流動材料を容器10に充填するための方法。本発明によれば、容器10へ第1成分を充填した後に、第1成分の充填量が判断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に充填するための方法および装置に関連する。容器に充填するための多様な方法および装置が、先行技術から周知である。さらに、多成分飲料、つまりいくつかの成分の混合物が容器に充填された飲料が、先行技術から周知である。この例としては、飲料が果物の葉肉または果肉も含有する果物ジュース飲料を挙げることができる。これらの飲料の人気は高まっている。
【背景技術】
【0002】
このような飲料を瓶詰めするには、容器への充填に先立って二つの成分、例えば果物ジュースと果肉とを相互に混合し、続いて、混合物として容器に供給することが知られている。さらに、充填プロセス中に、ジュース成分と果物の葉肉とが同時に容器へ供給されることも知られている。さらに、ピストン充填システムなどの予備調量システムが先行技術から周知である。しかし、これらのシステムはクリーニングが比較的困難であるとともに、比較的不正確であって、瓶詰めされる果物片が壊れることがあるという付加的な短所を備えている。これらのシステムのさらなる短所は、ピストン充填器を用いた調量時に、容器へ充填される製品の正確な組成に関連する追加データが利用可能ではないことである。これは、それぞれの成分の標準偏差が加算されるため充填量の精度が低下することを意味する。
【0003】
特許文献1には、飲料を瓶詰めするための装置および方法が記載されている。ここでは、第1充填手段を用いて飲料の第1部分が最初に充填されてから、別の充填手段を用いて飲料の第2部分が充填される。しかし、この器具では個々の製品部分の正確な調量が可能ではない。
【0004】
特許文献2には、混合可能な成分を含む製品を容器へ充填するための方法が記載されている。これを行う際に、充填用円形コンベヤにおいて第1製品部分が充填され、第2充填用円形コンベヤを用いて第2製品部分が充填される。これとは別に、容器の各充填ステーションで充填される成分の量を制御する制御ユニットが設けられる。この装置では量の点検が行われないため、ここでもかなりの不正確さが予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2008/014333 A2号
【特許文献2】米国特許第6729361 B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため本発明は、多成分飲料の場合に一層正確な瓶詰めまたは瓶詰め量の制御を可能にする装置および方法を提供するという目的に基づいている。本発明によれば、独立請求項の主題によってこれが達成される。好都合な実施形態および発展例が従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
多成分流動材料を容器に充填するための本発明による装置では、第1方法ステップにおいて、第1充填手段により第1成分が充填対象の容器へ充填される。続いて、第1液体成分が充填された容器が第2充填手段へ輸送され、別のステップにおいて、瓶詰めされる材料の第2成分が、第1成分が充填された容器に第2充填手段により充填される。
【0008】
本発明によれば、充填される材料、特に第1成分の充填量が、第1成分が容器へ充填された後で判断される。
【0009】
流動材料は、特に液体、特に好ましくはジュースその他、あるいは一般的に例えば果物片などの粒子を含有する液体である。成分は混合可能であると好都合である。特に、流動材料という語は、例えば果物の葉肉などの粒子を含有する材料も意味するものと理解すべきである。
【0010】
そのため本発明によれば、容器に第1成分が充填されてから、第1成分の充填量が判断されるので、この測定によって特に、瓶詰めされる製品の正確な判断が実行されるようになる。充填プロセス全体で、量の判断が1回のみ実行されることが可能である。
【0011】
しかし、最初に第1成分の量的判断、続いて全体量(これから第1成分の量が任意で導出されてもよい)の量的判断が実行されることも可能である。
【0012】
充填量の測定が重量測定によって実行されると好都合である。特に重量を介した測定によってそれぞれの充填量についての非常に精密な説明が得られることが分かっており、第1成分が果物の葉肉または果肉を含む成分である場合には容量を判断するための流量測定が比較的複雑なので、なおさらそうである。しかし、容量(流量)測定器具を用いた測定も可能である。
【0013】
好ましくは粒子を含む成分である第1成分を充填するプロセスは、時間制御または時間および圧力制御方法で実行されることが好ましい。
【0014】
しかし、二つの充填手段の間で重量測定が実行されることも可能であろう。こうすると、他のシステム、つまり例えば容量測定により、または電気プローブかプローブ管によって、第2成分が量的に判断されることも可能である。
【0015】
ゆえに、特に第1成分のための複数の充填ユニットを備える別の充填手段が、第2成分のための充填手段の上流に設けられることが提案される。一つの方法では、(第1成分の)最終充填量は、測定手段としてのロードセルによって判断される、つまり第1成分の充填が完了すると、重量測定が実行されるのである。しかし、充填された製品の全体量を判断することも可能である。
【0016】
第2成分の充填に先立って充填量の測定が実行されると、好都合である。第1充填手段が時間制御ユニットを介して第1成分を容器に充填することが好ましいが、ピストン充填器など、予備調量には一般的な調量ポンプまたは手段を設けることも可能である。第2充填手段では、上述したように、第2成分の充填に先立って、好ましくは計量によって第1成分の量が判断されることが好ましい。
【0017】
ゆえに、充填された第1成分の(重量)測定は第1充填手段とは別の箇所で実行されることが好ましい。この重量測定が第2充填手段で実行され、その結果、同一の測定手段を用いて第1成分の量とともに全体量が判断されると好都合である。ゆえに、重量測定手段が、最初に第1成分の量(または重量)を判断し、別の過程、特に第2成分が充填された後で、両方の成分の全体量または全体重量を判断することが可能であろう。これは、本発明によれば、最初に静的重量測定、次に連続重量測定を実行するのに同一の測定手段が使用され得ることを意味する。
【0018】
二つの充填プロセスの間の量測定または重量判断は、いくつかの長所を有する。
【0019】
まず、各容器が同じ全体量(質量または容量)を含むように、個々の容器それぞれについて必要とされる第2成分の充填量が計算される。実際に充填された第1成分の量についての遡及的判断により、第1充填の標準偏差が相殺される。この時これは、各充填バルブにおいて第2成分を容器固有量だけ充填することが可能であることを意味する。他方、先行技術では、すべての充填ユニットが同じ量を調量することが慣例的である。
【0020】
さらに、各充填箇所に固有の方法で第1成分の時間関連充填が連続的に最適化される。単一の充填箇所で初期量を充填された容器が目標充填レベル(遡及的測定によって後で検出されることは言うまでもない)から離れている場合には、目標量の第1成分が瓶に充填されるまで、制御ユニットによって充填時間が調節される。第1成分が容量測定により充填された場合にも、この調節が可能であろう。そのためこの場合には、第1成分の容器への充填が制御される。
【0021】
最後に、適当なプロセス制御および/または文書化システムにより、正確に調量された果物成分の量とともに全体充填量が、充填された各容器について記録および評価される。この時、この割合から果物成分を計算することと、これを容器と関連付けることとは非常に単純な作業である。ここで瓶のラベルにある果物成分の所定の最少内容量をシステムオペレータが保証する場合には、充填された容器を追跡することで、この保証量に達していない容器を自動的に取り除くことが可能であろう。
【0022】
第1充填手段を用いて容器を輸送した後で、第1成分の充填量が判断されることが好ましい。ゆえに、第2充填ユニットによる容器の輸送中まで充填量が判断されないことが可能であるが、第1充填手段から第2充填手段への容器の輸送中に充填量が判断されることも可能であろう。
【0023】
第1成分の充填の後、容器は第1充填手段によってまだ輸送されている。ゆえに、実際の充填プロセスがすでに完了していること、そして第1成分の充填の後で例えば輸送用円形コンベヤなどの第1充填手段により製品がまだ輸送されていることも可能である。ゆえに、例えば、実際の充填プロセスの後でそれぞれの充填ユニットまたは充填バルブから残留液体が滴下するか液体が噴射され、こうすることでそれぞれの充填バルブの清潔さを高めることが可能である。
【0024】
例えば充填ホイールなどの輸送手段に配設された複数の第1充填ユニットを、第1充填手段が含むと好都合である。第1成分がそれぞれ充填された容器の個別重量測定によって、第1充填手段の各個別充填ユニットの充填量が個別に点検され、また制御される。こうして、第1充填手段の各充填ユニットが正確にはどれだけ充填したかを、電子機器のシフトレジスタを介して、また機械的に固定された設計により、判断および/または制御することが可能である。例えば、各充填ユニットの各調量ユニットの各調量時間の調節を介して、この充填手段が制御されてもよい。第2充填手段も、第2成分を容器に充填するための複数の第2充填ユニットを含むことが好ましい。ここで、作業中には、第2充填ユニットによる所定容器の充填の間に、同じ容器に第1成分を充填したのはどの第1充填ユニットであるかが判断されるように、各第2充填ユニットが第1充填ユニットと関連付けられる。
【0025】
さらに好都合な方法では、第1成分は固体を含有する。ここで第1成分は、果肉、果実片、その他を含有する材料でよい。液体が飲料であると好都合である。
【0026】
さらに好都合な方法では、第1成分の容器への充填および/または第2成分の容器への充填は、測定された(特に第1成分の)充填量に基づいて制御される。こうして上述したように、一方では第1充填ユニットの充填量を調節することが可能であるが、他方では例えば果物ジュースの、第2成分の各充填量を制御することも可能であろう。さらに、このようにして第1充填手段の個別充填ユニットを長期間にわたって監視するために、測定されたそれぞれの量を記憶することも可能であろう。第1成分の容器への充填と第2成分の容器への充填との間にエリアが設けられ、ここで容器は単に輸送される、つまりここに休止ゾーンが設けられると好都合である。
【0027】
第1成分を測定することにより、最終充填量が許容範囲となることで調量に関する充填ミスが補正されるように、第2充填手段を用いた第2製品の充填量も調節されることが好ましく、これは、実質的に一定である所定の空スペースを容器に残すのが可能であることを意味し、空スペースが広すぎる場合には容器は大きな変形を受けるので、これは高温充填プロセスには特に重要である。そのため、二つの成分の少なくとも一方が40°より高い、好ましくは60°より高い、好ましくは70°より高い温度で容器へ充填されると好都合である。ここでは、これが第2液体成分であると好都合である。充填される製品の全体量が所定範囲内であるように、第2充填ユニットの充填量が制御されると好都合である。
【0028】
そのため、二つの充填機能のために測定手段が一つのみ設けられると好都合であり、その結果、充填量に関しては測定ユニットの標準偏差が一つ考慮されるだけでよく、これが特に、顧客およびエンドユーザにとって重要である最終充填量であることは言うまでもない。
【0029】
本発明はさらに、多成分流動材料、特に液体を容器に充填するための装置に関する。この器具は、材料の第1成分を容器に充填する第1充填手段を有し、第1充填手段は少なくとも一つの充填要素を含む。さらに装置は、材料の第2成分を容器に充填する第2充填手段を有する。
【0030】
ここで、第2充填手段は少なくとも一つの充填ユニットを含み、第2充填手段は容器の輸送方向において第1充填手段の下流に設置される。さらに、第1充填手段から第2充填手段へ容器を輸送する輸送手段が設けられる。これとは別に、容器に充填される第1成分の量を判断する容量測定手段も設けられる。
【0031】
本発明によれば、容器に充填される材料、特にその第1成分の量測定が第1成分の容器への充填の後に実行されるように、量測定手段が配設される。そのため、第1成分が充填された後でその量測定が実行されることも、装置に関して提案される。ここでは全体量が充填されることが可能であるが、第1成分の充填の後で第2成分の充填に先立って量が判断されると好都合である。
【0032】
第1充填手段から第2充填手段へ容器を輸送する輸送手段は、例えば星形コンベヤまたは輸送チェーンでよい。しかし、第1充填手段の直後に第2充填手段が続くことと、例えば第1充填ホイールから第2充填ホイールへの直接移送が実行されることも可能であろう。この場合、輸送手段は例えば、第1充填手段から第2充填手段へ容器を渡す輸送要素であるが、それぞれ、第1および第2充填ホイールに配設された容器用の対応グリップであってもよい。
【0033】
複数の充填ユニットを輸送するか、複数の第1充填ユニットが配設された輸送手段を第1充填手段が含む、および/または複数の充填ユニットを輸送する輸送手段を第2充填手段も有すると好都合である。
【0034】
量測定手段が重量測定手段であると好都合である。
【0035】
ここで、量測定手段は第2充填手段または輸送手段に配設されることが特に好ましいため、第2成分が充填される前であっても第1成分の量的判断が実行される。
【0036】
第1充填手段と第2充填手段との間に配置される計量用星形コンベヤを設けることも可能であろう。既存のシステムの場合には、このような計量用星形コンベヤまたはこのような測定手段が(別々に)改造されてもよい。長所の一つは、必要とされる測定点がさらに少なくなる、または第2充填手段が独自の測定手段またはロードセルを有していない場合でも改造が実行されることである。
【0037】
容器への第1成分の供給の調量を行う制御ユニットが設けられると好都合であり、これが、時間との相関関係で所望の量を計量する時間制御供給手段であると都合がよい。ここでは星形ロードセルを用いて容器が点検され、必要に応じて、調量される量が調節可能である。次に、第2成分の充填の後に各容器で一定の充填レベルに再び達成するように、調量された値が、第2成分のための第2充填手段へ伝達されて、例えば最終充填量から差し引かれる。
【0038】
流動製品を容器に充填するための少なくとも一つの充填ユニットを装置が有し、この充填ユニットが、製品を容器へ充填するための充填パイプを有すると好都合である。この充填パイプは、ここでは、製品を充填パイプから出すための端部の出口区分とともに、充填パイプへの流動製品の供給を制御する第1バルブ手段を有する。
【0039】
本発明によれば、特に充填プロセスの後で充填手段にガス状材料を供給するためと、瓶詰めされる流動製品から残留物を除去するため、充填手段が第2バルブ手段を有する。
【0040】
上記の充填手段が上述の装置から独立して使用されてもよいことに言及しておく。出願人は特に充填手段も請求する権利を持っている。可動、特に回転可能なキャリヤに充填ユニットが取り付けられると好都合である。容器を保持するための保持器具を充填ユニットが有すると好都合である。
【0041】
充填手段へガス状材料を供給するため、充填手段が第3バルブ手段を含むと好都合である。ここで、流動製品が充填手段を通って輸送されてから、充填ユニット、特に充填パイプへガス状材料を供給する制御手段が設けられることが特に好ましい。
図面と関連する以下の説明から、長所および利点が分かるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第一の方法を図示するための概略図である。
【図2】別の好都合な方法を図示するための図である。
【図3a】予備調量バルブの図である。
【図3b】予備調量バルブの図である。
【図3c】予備調量バルブの図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明による方法の概略図を示す。ここで容器10は、充填装置1の中を矢印Pに沿って輸送される。まず、供給ホイール22によって輸送された容器は、第1充填手段2に達する。この充填手段では、液体、特に飲料の第1成分が最初に区画または段階Iで容器へ供給される。第1成分のこの調量の後に、容器は休止区画IIへ輸送され、ここでは供給は行われない。区画IIIでは、第1成分の残留物を容器へ移すため、または各充填パイプから残留物を取り除くために、充填ユニットの各出口が噴射される。別の区画IVでは、第1成分の残留物をまだ容器へ滴下することができる。
【0044】
第1充填手段は、複数の充填ユニット12が好ましくは等距離で配設された、例えば充填ホイールなどの輸送手段12を含む。これらの個別充填ユニット12aはこうして、材料の第1成分を容器へ充填する。
【0045】
このプロセスの後、三つの星形コンベヤ(輸送手段)24,26,28を経由して容器が第2充填手段4へ輸送される。この輸送中に、容器10の充填がまだ実行されない定置段階Vが設けられることが好ましい。測定段階VIでは、容器内の第1成分の量が(測定手段6によって)測定され、この過程で、特に内容物を含む容器が計量され、これは静的重量測定が実行されることを意味する。この目的のため、ここには量測定手段が設けられている。ここでは、第2充填手段4の各個別充填ステーションまたは充填ユニットが、量を測定するための独自のロードセル6を有することが可能である。
【0046】
参照番号14は、個別充填ユニット14aを輸送する輸送手段に関連している(充填ユニット14aは一つのみ図示)。ここでこれらの輸送手段14は、個別充填ユニットが好ましくは等距離で配設された充填ホイールとしても形成されている。
【0047】
別の段階VIIでは、容器に第2成分が充填され、続いて星形コンベヤ32へ移される。ここで第2充填手段は制御ユニット40を含み、第1充填手段2も制御ユニット30を含む。これら二つの制御ユニット30,40は、二つの充填手段2,4に配設された個別充填ユニットを制御するのに使用される。
【0048】
ここで、これらの制御ユニット30,40によって、各個別充填ユニット12a,14aにより吐出される液体の個別制御が可能となる。これは、第2成分の吐出プロセス中に、所望の合計重量が充填されてしまうまで連続的な重量測定が実行されることを意味する。量測定手段6が第2充填ユニット14aにおいて指定の充填重量を判断する場合、第1充填手段2では対応する第1充填要素12aによって対応の容器が充填されているとの結論を制御ユニットが下すことができる。測定された量に応じて、例えば次の回にはより多量またはより少量の第1成分を容器へ充填するように、対応する第1充填要素12aが再調整される。開ループまたは閉ループ制御により、より多量またはより少量の第2成分を容器へ充填するように、重量測定に応じて対応する第2充填要素14aを制御することも可能である。
【0049】
図2は、本発明による方法の別の実施形態を示している。ここで第1充填手段2による充填プロセスは、図1に示された充填プロセスに対応する。ここでも、容器は星形コンベヤ24によって移される。しかしここでは、定置段階Vおよび測定段階VIは、別の移送ホイール26にある。ここでも、第1充填バルブ12aを個別に判断して、必要であればこれを再調整することが可能である。第2充填手段4は、容器に第2成分を充填するに過ぎない。既存のシステムにおいて計量用星形ホイール26が改造される場合には、図2に示された実施形態が特に好都合である。
【0050】
図3a〜3cは、予備調量バルブとして作用する第1充填ユニット12aの三つの図を示す。ここでは、この予備調量バルブ12aは複数のバルブ手段を有する。供給ライン64は、例えば果肉など充填される成分を第1バルブ62の方向に運ぶ。この第1バルブ62はこうして、例えば支持リング上の保持器具(不図示)によって出口区画54に保持された容器(不図示)への、充填パイプ52および出口区画54を通した第1成分の供給を制御する。参照番号82は、クリーニング作業中に出口区画を被覆する被覆器具またはCIPキャップを指している。
【0051】
ここでは、バルブ62が開いている時間によって第1成分の充填量が制御されることが好ましい。この調量時間は実験によって予め決定されて、上述したように次の充填機械に配置された図1および2に図示のロードセル6によって生産中に点検されると好都合である。ロードセル6はそれから、必要に応じて調量時間を調節し、可能であれば再調整する。
【0052】
滴下を防止するか調量精度を高めるため、計量時に送りパイプ52または出口区画54にまだ存在している製品残留物が充填パイプ52から噴射されることが好ましい。この目的のため、いくつかの噴射圧力が使用される。ノズルに大きな果物片が詰まった場合、または調量バルブが閉じた後でノズル断面全体を製品が塞いで真空が形成された場合に、噴射ノズル54に製品残留物が発生する。
【0053】
非常に希薄な材料の場合の表面張力は、製品をノズルに保持するのにもはや充分でないため、非制御状態でブローノズル52,54が空になることが状況によっては起こり得る。この目的のため、接続パイプ52と出口区画54とを通して低圧を送るように、第2バルブ76が最初に開けられる。この低圧は、噴射ノズルの簡易クリーニングに使用される。このプロセスでは、充填パイプ52の製品残留物が低圧によって調量プロセス時に噴射ノズル54からゆっくりと噴射される。製品残留物が容器へあまりに急激に「当たって」、製品残留物の衝突の結果として、調量済みの瓶内の製品が瓶から飛散しないように、ここでの圧力を過剰に上昇させるべきでない。噴射ノズル54内の真空の結果として製品残留物が発生する場合には、調量プロセス(無圧状態)中のできる限り初期にバルブ76を開くことが可能である。こうして、常にパイプの通気が行われ、簡易クリーニングは必要ない。参照番号94は、加圧空気のための供給ラインを表している。
【0054】
続いて、第2バルブ76が閉じられて第3バルブ72が開かれると、好都合である。この第3バルブは、充填パイプ52または出口区画54へ高圧を供給するのに使用される。充填パイプ52または出口区画54の内壁に付着した液滴を噴射するには、高圧が必要である。この目的のため、パイプ内の高速流のガス、ゆえに高圧が使用される。高圧での噴射は、噴射ノズル54から液滴が非制御状態で落下するのを防止することを意味する。
【0055】
両方の噴射圧力が調整可能であると好都合である。ここでは、噴射プロセスが実行される時(調量中、調量後)、その長さ、そしてその圧力が調整可能である。噴射のための材料として、ここでは空気が使用されると好都合である。しかし、殺菌用途の場合には特に、殺菌空気を噴射に使用することも可能であろう。
【0056】
製品残留物がより良好に滴下するように、充填パイプ52または出口区画54が適当な方法でコーティングされると好都合である。このコーティングは、内側と外側の両方に施される。
【0057】
ゆえに、連続する二つの異なる圧力レベルにより、充填パイプまたは出口区画54の噴射が実行されることが提案される。開いたバルブ76により、ゆえに低圧で、大気圧となるまで充填作業が実行され、続いて、充填パイプまたは出口区画54のクリーニングまたは洗浄が高圧で実行されることも可能であろう。
【0058】
参照番号74は、充填ユニット12aをクリーニングするのに使用される別のバルブを示している。ここでは例えば、クリーニング媒体が供給されて、個別のパイプ52または必要であれば64も、特殊なクリーニング作業においてクリーニング媒体でクリーニングされる。
【0059】
参照番号66は、高温の復帰ラインに使用される別のバルブに関連する。生産停止または生産準備の場合には、高温に維持するためバルブ66を介して製品が回路に供給される。この目的のため、バルブ62が閉じられ、回路は供給ライン64を通って復帰ライン68を介して戻る。
【0060】
出願人は、出願書類に開示された特徴が単独または組合せで先行技術を超える新規性を持つ限り、これら特徴のすべてを発明に不可欠なものとして請求する権利を保有している。
【符号の説明】
【0061】
1 装置
2 第1充填手段
4 第2充填手段
6 ロードセル(量測定手段)
10 容器
12 第1充填手段の輸送手段
12a 充填ユニット、予備調量バルブ
14 第2充填手段の輸送手段
14a 第2充填ユニット
22 供給ホイール
24,26,28,32 星形コンベヤ(輸送手段)
26 移送ホイール、計量用星形コンベヤ
30,40 制御ユニット
52 充填パイプ、噴射ノズル
54 出口区画、噴射ノズル
62 第1バルブ
64 供給ライン
66 バルブ
68 復帰ライン
72 第3バルブ
74 バルブ
76 第2バルブ
82 カバー手段
94 供給ライン
I,III,IV,VII 区画
II 休止区画
V 設置段階
VI 測定段階
P 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填対象の容器に第1充填手段により第1成分を充填するステップと、
前記第1液体成分が充填された前記容器を第2充填手段へ輸送するステップと、
前記第1成分が充填された前記容器に前記第2充填手段により第2液体成分を充填するステップと、
を含む、多成分流動材料を容器に充填するための方法であって、
前記容器に前記第1成分を充填した後に、前記第1成分の充填量が判断されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記充填量の測定は重量測定を通して実行されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記容器に前記第1成分を充填した後に、前記第1充填手段により前記容器が輸送されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1成分は固体を含有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
測定された前記充填量に基づいて、前記容器への前記第1成分の充填および/または前記容器への前記第2成分の充填が制御されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1充填手段を用いて前記容器を輸送した後に、前記第1成分の前記充填量が判断されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
材料多成分流動材料の第1成分を容器に充填する第1充填手段と、
材料前記材料の第2成分を前記容器に充填する第2充填手段と、
前記第1充填手段から前記第2充填手段へ前記容器を輸送する輸送手段と、
前記容器に充填された第1成分の量を判断する量測定手段と、
を備え、
前記第1充填手段は少なくとも一つの充填ユニットを有し、
前記第2充填手段は少なくとも一つの充填ユニットを有し、前記容器の輸送方向において前記第1充填手段の下流に配置される、多成分流動材料を容器に充填するための装置であって、
前記量測定手段は、前記容器に充填された前記材料の前記量測定が、前記容器への前記第1成分の充填の後に実行されるように配設されることを特徴とする装置。
【請求項8】
前記第1充填手段は複数の充填ユニットを輸送する輸送手段を有する、および/または、前記第2充填手段は複数の充填ユニットを輸送する輸送手段を有することを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記量測定手段は重量測定手段であることを特徴とする、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記量測定手段は前記第2充填手段または前記輸送手段に配設されることを特徴とする、請求項7から9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
流動製品を容器に充填するための充填パイプと、
前記流動製品の前記充填パイプへの供給を制御する第1バルブ手段とを備え、
前記充填パイプはその端部に出口区画を有し、
前記出口区画は製品を前記充填パイプに排出する、
流動製品を容器に充填するための充填ユニットであって、
ボトル詰めされる前記流動製品の残留物を除去するように、特に充填プロセスの後に前記充填ユニットへガス状材料を供給する第2バルブ手段を備えることを特徴とする充填ユニット。
【請求項12】
前記充填ユニットは、前記充填手段へガス状材料を供給する第3バルブ手段を有することを特徴とする、請求項11に記載の充填ユニット。


【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【公開番号】特開2012−35913(P2012−35913A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−155318(P2011−155318)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(508120916)クロネス アーゲー (65)
【Fターム(参考)】