説明

多機能の直接熱記録体

【課題】チェックインの手続きを円滑にするカードを提供すること
【解決手段】対向する平面状の表面を有するベース支持体と、デジタル写真画像、グラフィック、数値またはテキスト情報、またはそれらの組み合わせをディスプレイするための、前記ベース支持体の少なくとも1つの平面状表面に形成された、少なくとも1つの熱記録層と、前記ベース支持体および/または前記熱記録層の上またはその内部に含まれる、機械で読み取り可能な少なくとも1つの情報記憶システム(例えば磁気ストライプ、バーコード、RFID)とを備えた、多機能の直接熱記録体が提供される。一実施例では、本発明の多機能の直接熱記録体は、識別カードだけでなく、部屋へのアクセスのキーカードとしても働く、ホテルまたは介護機関の宿泊者カードであり、別の実施例では、本発明の記録体は、デビットカードとして働き、元の価値と減少した価値をディスプレイする(またはディスプレイできる)減少バランスタイプのギフトカードまたはクレジットバウチャーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基本的には多機能の直接熱記録体に関し、より詳細には、(i)識別カードとして働くだけでなく、ルームアクセス用のキーカードとしても働くホテルまたは介護機関が発行するゲストカードおよび(ii)デビットカードとして働き、カードまたはバウチャーの元の価値および減少する価値をディスプレイするか(またはディスプレイできる)、商業機関が発行する減少バランスタイプのギフトカードまたはクレジットバウチャーに関する。
【背景技術】
【0002】
電子的に保護されたホテルではチェックイン時に、宿泊者に磁気キーカードが提供される。宿泊者が自分のホテルの部屋を探した後に、宿泊者はドアハンドルの近くにあるスロット内に磁気キーカードを挿入し、緑色のライトがオンとなる(このことはキーカードが作動していることを示す)のを待ち、次にハンドルを回し、部屋に入る。ホテル環境におけるこのキーカードシステムの価値は、容易に明らかとなろう。すなわちキーが失われてもセキュリティが約束され、問題は生じない。各宿泊者がチェックアウトした後に、キーカードが返却されない場合でも、フロントデスクでコンピュータによりキーカードを無効にする。次の宿泊者は、新しいユニークなカードを手にすることになる。
【0003】
ホテルの宿泊者には、ホテルの宿泊者としての個人を識別し、ホテル内の施設のいずれかにおいて宿泊者に課金できる別個の宿泊者カードを与えてもよい。かかるカードは、一般に宿泊者の氏名、口座番号だけでなく、到着日と出発日を表示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、チェックイン時にホテルの宿泊者に対して多数のカードを与えることは、コストがかかるし、非効率的なことである。更に宿泊者が自分のカードの1つを間違って挿入したりすることは、あり得ないことではなく、このようなことは、カードを取り換えなければならないホテルにとって、時間と資源の多くが無駄になってしまう。
【0005】
従って、これらチェックインの手続きを円滑にしたいというニーズが存在する。
【0006】
次に、ギフトカードまたはクレジットバウチャーを例にすると、機関は通常、プラスチックのクレジットカードの形態をした、購入のためのギフト証明書を提供することが多い。このカードは、カードを作成する対象の会社、営業体、ブローカーファーム、小売店または大学を表示するようにユニークにデザインされ、カスタム化されている。
【0007】
いわゆる減少バランスタイプのギフトカードまたはクレジットバウチャーは、カード上の価値が完全になくなるまで、再使用されるようになっている。これらカードは一般に、顧客が何回も使用できるように補充したり、または再課金できるようになっている。不幸なことに、カードを見てもリアルタイムのギフトカードのバランス情報は確認できない。
【0008】
従って、リアルタイムのギフトカードのバランス情報をディスプレイする減少バランスタイプのギフトカードが求められている。
【0009】
上記に鑑み、本発明の目的は、ホテルでのチェックインの手続きに関連し、更に従来の減少バランスタイプのギフトカードに関連した顕著な欠点を克服する、多機能の直接熱記録体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明は、一実施例では、識別カード兼ルームアクセスキーカードとして働く、ホテルまたは介護機関が発行するゲストカードであり、別の実施例では、デビットカードとして働き、カードまたはバウチャーの元の価値と減少価値をディスプレイするか(またはこれらをディスプレイできる)、商業的企業が発行する減少バランスタイプのギフトカードまたはクレジットバウチャーである多機能の直接熱記録体を提供するものである。
【0011】
本発明は特に、対向する平面状の表面を有するベース支持体と、デジタル写真画像、グラフィック、数値またはテキスト情報、またはそれらの組み合わせをディスプレイするための、前記ベース支持体の少なくとも1つの平面状表面に形成された、少なくとも1つの熱記録層と、前記ベース支持体および/または前記熱記録層の上またはその内部に含まれる、機械で読み取り可能な少なくとも1つの情報記憶システム(例えば、磁気ストライプ、バーコード、無線周波数識別器)とを備えた、多機能の直接熱記録体に関する。
【0012】
次の詳細な説明および図面から、当業者には本発明の上記以外の特徴および利点が明らかとなろう。
【0013】
特に明記しない限り、本明細書で使用するすべての科学技術用語は、本発明が属す技術における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で引用するすべての刊行物、特許出願、特許およびその他の参考例は、それらの全体を参考例として援用する。争いが生じた場合、定義を含む本明細書を基準とする。更に、材料、方法および実施例は単なる説明のためのものにすぎず、発明を限定するためのものではない。
【0014】
添付図面を参照することにより、本明細書に開示する発明の特定の特徴について説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
スマートキーまたはキー管理システムで使用されるキーに直接熱像形成能力を追加することにより、電子的に保護された機関、例えばホテルはチェックインの手続きをスムーズにすることができる。更に、このような能力の追加により、これら機関はホテルの所有物に対するセキュリティを増し、ホテル内の小売設備での不正を減らすだけでなく、記録された写真ベース上に宿泊客を記録して維持し、例えば宿泊客が望ましくない活動をした場合にホテルが宿泊客を追跡できるようにする、キー上にデジタル画像を作成できるようにもする。ギフトカードまたはクレジットバウチャーに直接熱画像形成できる能力を追加することにより、商業的企業がギフトカードの初期の価値だけでなく、減少バランスタイプのデビットの取引の像をカードに熱形成できるようにするものである。
【0016】
容易に理解できるように、意図するエンドユースアプリケーションで使用される製品に関し、性能の条件を明らかにする。例えば、磁気キーカードシステム内に含まれるスロットとの繰り返し物理的接触を受ける製品に対し、直接熱層を塗布するには、この直接熱層は高い耐久性を有すると共に、記録体は大きい剛性を有していなければならない。
【0017】
本発明の直接熱記録体は、このように要求される製品の用途で使用するのに適している。
【0018】
本発明の多機能直接熱記録体に対する他の意図するエンドユースアプリケーションとして、搭乗券、名刺、IDカード、ラベル、免許証(例えば運転免許証、狩猟免許証)、パスポート、タグ、切符およびリストバンド(例えば病院のリストバンド、リゾートのリストバンド、ウォーターパークのリストバンド)を挙げることができるが、これらだけに限定されるものではない。
【0019】
図1に最良に示されるように、全体が参照番号10で示された、本発明の多機能の直接熱記録体は基本的には、
(1)平面状の両側の表面14、16を有するベース支持体12と、
(2)デジタル写真画像、グラフィック情報、数値情報またはテキスト情報、もしくはこれらの組み合わせをディスプレイするための、前記平面状の表面の少なくとも一方に形成された少なくとも1つの熱記録層18と、
(3)ベース支持体12および/または熱記録層18の上またはその内部に含まれる少なくとも1つの機械で読み取り可能な情報記憶システム20とを備える。
【0020】
ベース支持体12は、固体のコアベース支持体または少なくとも2つのラミネートされたベースシートを含むラミネート構造体のいずれかの形態をとることができ、後者の場合、適当なベースシートは紙、合成樹脂フィルム(合成樹脂フィルムは35以上のダインレベルを有することが好ましい)、金属フォイル、織布および不織布から製造されたシートを含む。
【0021】
ベース支持体12が固体のコアベース支持体である実施例では、ベース支持体12は上記材料、すなわち紙、合成樹脂フィルム(ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニルの合成樹脂フィルム)、金属フォイル、織布、不織布を含む任意の適当な材料から製造でき、高ダインレベルの合成樹脂フィルムから製造することが好ましい。
【0022】
ベース支持体12がラミネートされた構造体である実施例では、ベース支持体12は次のラミネートされた構造体のうちの1つを含む。
(1)紙、合成樹脂フィルム、金属フォイル、織布および/または不織布(例えば製品表示タイベック、不織シート、として、米国19898デラウェア州ウィルミントン、1007マーケットストリートのEIデュポン
デ ニモアス社から入手できる不織紡糸接合されたオレフィンシート)にラミネートされた紙
(2)合成樹脂フィルム、金属フォイル、織布および/または不織布にラミネートされた合成樹脂フィルム
(3)金属フォイル、織布および/または不織布にラミネートされた金属フォイル
(4)織布および/または不織布にラミネートされた織布
(5)不織布にラミネートされた不織布
より好ましい実施例では、ベース支持体12はフィルムとフィルムをラミネートした構造、紙とフィルムをラミネートした構造、または紙と紙をラミネートした構造である。
【0023】
フィルムおよび/または紙のベースシートは、ビカー軟化温度が約20℃〜約180℃の間のレンジ、好ましくは約30〜160℃の間のレンジ内にある熱可塑性ポリマーバインダーを使って共にラミネートすることが好ましい。青柳外に付与された米国特許第4,727,055号には、かかるバインダーだけでなく、ラミネート技術も記載されている。
【0024】
ベース支持体12が約100〜1000ミクロン(μ)の範囲の厚さ、1平方メートル当たり約50〜約1500g(g/m)の範囲の坪重量、約10〜約10000のBekk秒の表面平滑度および(TABER剛性テスター(モデル番号150−B)を使用し、TAPPI T489試験方法に従って測定された)1m当たり少なくとも約0.3ミリニュートン(mNm)の剛性を有することが好ましい。
【0025】
熱記録層18は、無色または淡色の塩基性染料、適当な温度に加熱したときに、塩基性染料における発色を誘導できる発色剤およびバインダーを含む水性コーティング配合剤から製造される。
【0026】
本発明で使用するのに適した塩基性染料は公知のものであり、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタライド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、ロードアミン(O−クロロアニリノ)ラクタム、3−(N−エチル−P−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−P−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−m−トルイジノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス[1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−yl]−4,5,6,7−テトラクロロフタライド、3−(4−ジメチルアミノフェニルアミノ)−5、7−ジメチルフルオラン、3−(4−ジ(n−ブチル)アミノフェニルアミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタライドおよびそれらの混合物を含むが、これらだけに限定されるものではない。好ましい実施例では、塩基性染料は、
(1)BLACK400なる製品名で、日本国601京都府南区上鳥羽 1−1上調子町の山田化学(株)から入手できる、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
(2)S−205なる製品表示で、山田化学(株)から入手できる、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
(3)BLACK305なる製品名で、山田化学(株)から入手できる、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランおよび
(4)LDK1003またはET ACなる製品名で、山田化学(株)から入手できる、3−(N−エチル−P−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
の群から選択されたものである。
【0027】
本発明で使用するのに適した発色剤も公知であり、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェーニルスルフォン、ビス(3−アリール−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、N−(p−トルエンスルフォニル)−N’−(3−p−トルエンスルフォニルオキシフェニル)ユレアを含むが、それだけに限定されるものではない。好ましい実施例では、発色剤は、
(1)TG−SAまたはTG−SHなる製品名で、日本国102東京千代田区富士見1丁目11−2、日本化薬(株)機能製品部から入手できる、ビス(3−アリール−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、および
(2)PERGAFAST201なる製品名で、英国マンチェスターM11 4 AP、アシトンニューロードクレイトン、私書箱2のチバスペシャリティケミカルズから入手できる、N−(P−トルエンスルフォニル)−N’−(3−P−トルエンスルフォニルオキシフェニル)ユレア
の群から選択されたものである。
【0028】
熱記録層18を形成するのに使用される水性コーティング配合剤の塩基性染料および発色剤を結合し、支持するために、種々のタイプのバインダーを使用できる。かかるバインダーの例として、カゼイン、セルロースおよびセルロース誘導体(例えばメチルエーテルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロース)、ゼラチン、アラビアガム、天然スターチ(例えばジャガイモ、コーン)、スターチ誘導体、ポリビニールアルコール(PVA)、PVA誘導体(例えばカルボキシル変性PVA、アセトアセチル基変性PVA、シリコン変性PVA)、樹脂(例えばアミド樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ユレア樹脂)、コーポリマー(例えばジイソブチレン−無水マレイン酸コーポリマー、スチレン−無水マレイン酸コーポリマー、エチレン−アクリル酸コーポリマー、スチレン−アクリル酸コーポリマー、アセトアセチル基変性PVA−アクリルアミド−アクリル酸コーポリマー)、スチレン−ブタジエンコーポリマーエマルジョンおよび同等物を挙げることができるが、これらだけに限定されるものではない。好ましい実施例では、バインダーは、
(1)(a)ELVNOL70−03(加水分解率:99%、平均重合度:300);ELVNOL90−50(加水分解率:99%、平均重合度:1000);ELVNOL51−05(加水分解率:88%、平均重合度:500)およびELVNOL52−22(加水分解率:88%、平均重合度:1700)なる製品名で、デュポン社から、
(b)PVA105(加水分解率:99%、平均重合度:500);PVA110(加水分解率:99%、平均重合度:1000);PVA117(加水分解率:99%、平均重合度:500);PVA105(加水分解率:99%、平均重合度:1700);PVA124(加水分解率:99%、平均重合度:2400);PVA105(加水分解率:99%、平均重合度:500);PVA203(加水分解率:88%、平均重合度:300);PVA205(加水分解率:88%、平均重合度:500);PVA210(加水分解率:88%、平均重合度:1000);PVA217(加水分解率:88%、平均重合度:1700);およびPVA235(加水分解率:88%、平均重合度:3500);なる製品名で、日本国、大阪市北区大淀中1−1−88、クラレ(株)から入手できる、超または完全、および部分的に加水分解したPVA(例えば加水分解率は約87〜100%の範囲であり、平均重合度は約300〜3500に等しい)、
(2)(a)GOHSEFIMER Z−200(アセトアセチル基変性PVA)なる製品名で、日本国103東京千代田区日本橋3丁目12−1、日本合成化学工業(株)から、
(b)R1130(シリコン変性PVA)なる製品名でクラレ(株)から、
(c)HARICOAT B1−736(アセトアセチル基変性PVA−アクリルアミドーアクリル酸コーポリマー)なる製品名で、日本国675兵庫県加古川市野口町671−4、水足のハリマ化成(株)から入手できるPVA誘導体、
(3)(a)FIBERSIZE 47−3175(酸化コーンスターチ)なる製品名で、米国08807ニュージャージー州ブリッジウォーター、フィンデームアヴェニュー私書箱6500のナショナルスターチアンドケミカル社から、
(b)SOLFAREX 2530(スターチエーテル)なる製品名で、米国08543ニュージャージー州プリンストン、インディペンデンスウェイ4、プリンストンコーポレートセンターのアヴェベアメリカ社から、および
(c)PETROCOAT C−8(グラフト共重合されたスターチ)なる製品名で、日本国532−0032大阪市淀川区三津屋北3丁目3−29、日本澱粉化学(株)から入手できるスターチ誘導体、
(4)DOW CP−620(スチレン−ブタジレンコーポリマーエマルジョン)なる製品名で、米国48674ミシガン州ミッドランド、ワシントンストリート、1790ビルディングのダウケミカル社から入手できるスチレン−ブタジエンコーポリマーエマルジョン
の群から選択されたものである。
【0029】
上記成分の外に、熱記録層18を製造するのに使用される水性コーティング配合剤は、他の添加物、例えば増感剤、無機顔料、界面活性剤、熱溶融材料および同等物を含むことが好ましい。
【0030】
適当な増感剤の例として、ステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、ステアリン酸エチレンビスアミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、ステアリン酸N−メチロールアミド、ジベンジルテレフタレート、ベンジル p−ベンジルオキシベンゾエート、2−ナフチルベンジルエーテル、m−テルフェニル、ジベンジツオキサレート、ジ−p−メチルベンジルオキサレート、ジ−p−クロロベンジルオキサレート、p−ベンジルビフェニル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メトキシフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−ビフェニル−p−トリルエーテル、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ−(B−ビフェニルエトキシ)−ベンゼン、p−ジ(ビニールオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン、1−フェノキシ−2−(2−ナフトキシ)エタン、1,3−ビス(2−ナフトキシ)プロパン、1−(2−ナフトキシ)−2−(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(m−トリルオキシ)エタン、ジ(4−メチルベンジル)オクサレートおよびそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。好ましい実施例では、増感剤は、
(1)KS202およびKS−235なる製品名で、日本国大阪府泉北郡忠岡町、忠岡北3−10−6の三光化学工業(株)から入手できる、1,2−ジ(m−トリルオキシ)エタンおよび1,2−ジフェノキシエタンおよび
(2)HS−3520なる製品名で、日本国103東京都都中央区日本橋3丁目7−20の、大日本インキ化学(株)から入手できる、ジ−(4−メチルベンジル)オキサレート
の群から選択されたものである。
【0031】
適当な無機顔料の例は、水酸化アルミニウム、アモルファスシリカ、焼成粘土、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、粘土、カオリン、無水珪酸、タルク、二酸化チタンおよび同等物を含むが、これらだけに限定されるものではない。好ましい実施例では、これら無機顔料は、
(1)ZEOTHIX177なる製品名で、米国21078メリーランド州ハヴレドグレース、私書箱310のJ.M.ヒューバー社の化学部から入手できるアモルファスシリカ;
(2)Ultra White 90なる製品名で、米国08830ニュージャージー州のイセリン、101ウッドアヴェニューのエンゲルハードコーポレーションの、紙、顔料および化学薬品グループから入手できる粘土;
(3)HYDRAL 710なる製品名で、米国72011アリゾナ州ボーキサイト、私書箱300のアルミニウムカンパニーオブアメリカから入手できる水酸化アルミニウム;および
(4)Magnum Glossなる製品名で、米国63670モンタナ州、ジェヌヴィエーブSte、ハイウェイ61、私書箱ドローウァー31の、ミシシッピライムカンパニーから入手できる炭酸カルシウム
の群から選択されたものである。
【0032】
界面活性剤の例として、エチルアルコールとメチルアルコールと水の混合物中のナトリウムビス−トリデシルスルフォスクシネートおよびエチルアルコールと水の混合物中のナトリウムビス−オクチルスルフォスクシネートを挙げることができるが、これらだけに限定されるものではない。好ましい実施例では、界面活性剤は、AEROSOL OT 75%の水含有率なる製品名で、米国07470ニュージャージー州ウェインのアメリカンシアナミドカンパニーから入手できる、エチルアルコールと水の混合物中のナトリウム−ビス−オクチルスルフォスクシネートである。
【0033】
熱溶融材料の例として、ワックス、例えばパラフィンワックスおよびオレフィンワックス、ステアリン酸カルシウム、ステアリン亜鉛および同等物を挙げることができるが、これらだけに限定されるものではない。好ましい実施例では、この熱溶融材料では、
(1)HIDORIN P−7なる製品名で、米国32701ケンタッキー州エリザベスタウン、906ピータースンドライブのサイテックプロダクツ社から入手できるパラフィンワックス;および
(2)HIDORIN Z−8なる製品名で、サイテックプロダクツ社から入手できるステアリン酸亜鉛
の群から選択されたものである。
【0034】
好ましい実施例によれば、本発明の熱記録層18は、次のものから成るコーティング配合剤を使って製造される。
(1)3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランおよびそれらの組み合わせを含む群から選択された、コーティング配合剤の全重量に対して、約3〜約40重量%(より好ましくは、約4〜約35重量%、最も好ましくは、約5〜約30重量%)の塩基性染料;
(2)ビス(3−アリールー4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、N−(p−トルエンスルフォニル)−N’−(3−p−トルエンスルフォニルオキシフェニル)ユレアおよびそれらの組み合わせを含む群から選択された、コーティング配合剤の全重量に対して、約3〜約50重量%(より好ましくは、約4〜約45重量%、最も好ましくは、約5〜約40重量%)の発色剤;および
(3)PVA、PVA誘導体、スターチ、スターチ誘導体、スチレン−ブラジエンコーポリマーエマルジョンおよびそれらの組み合わせを含む群から選択された、コーティング配合剤の全重量に対して、約2〜約60重量%(より好ましくは、約5〜約50重量%、最も好ましくは、約10〜約40重量%)のバインダー。
【0035】
より好ましい実施例によれば、熱記録層18は、
1,2−ジ(m−トリルオキシ)エタンおよび1,2−ジフェノキシエタンの群から選択された、コーティング配合剤の全重量に対して、約1〜約60重量%(より好ましくは約5〜約50重量%、最も好ましくは約10〜約40重量%)の増感剤と、
水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、粘土、シリカおよびそれらの混合物から選択された、コーティング配合剤の全重量に対して、約0〜約40重量%(より好ましくは、約5〜約30重量%、最も好ましくは約10〜約20重量%)の無機顔料と、
(エチルアルコール、メチルアルコールおよび水の混合物内の)ナトリウムビス−トリデシルスルフォスクシネート、(エチルアルコールと水の混合物内の)ナトリウムビス−オクチルスルフォスクシネートの群から選択された、コーティング配合剤の全重量に対して、約0.01〜約1.0重量%(より好ましくは約0.05〜約0.75重量%、最も好ましくは約0.1〜約0.5重量%)の界面活性剤とを更に含む。
【0036】
熱記録層18を製造するのに使用されるコーティング配合剤は、コーティング配合剤の全重量(乾量基準)に対して、約5〜約80%の範囲の固体成分を有する水性組成物を得るように、上記成分と水を混合することによって製造される。次に、例えばブレードコーティング器を使用するような高剪断コーティングアプリケーションまたは、例えば空気ナイフコーティング器、ロッドコーティング器またはグラビアコーティング器を使用するような低剪断コーティングアプリケーションのいずれかを用いて、ベース支持体12に塗布することができる。
【0037】
コーティング配合剤の全重量(乾量基準)に対して、1平方メートル当たり約0.1〜約50g(g/m)の範囲の平均被膜重量を得るように、コーティング配合剤を塗布することが好ましい。
【0038】
乾燥は、室温空気乾燥、高温空気乾燥または熱放射乾燥を含む公知の方法または技術によって達成できる。
【0039】
熱記録層18内で発色させるための温度(すなわち熱附勢温度)は、40℃以上である。
【0040】
本明細書で使用する「熱附勢温度」なる用語は、熱記録層18内で(適当なフィルタ(例えばビジュアルフィルタ)を使用し、米国49418ミシシッピ州サウスウェストグランビル、3100 44ストリートのX−Rite社によって製造されたX−Rite 418 反射密度計によって測定したときに)、少なくとも1.00の画像密度を有する像が形成される温度を意味するものである。
【0041】
ベース支持体12および/または熱記録層18上またはその内部に含まれる、機械で読み取り可能な情報記憶システム20は、少なくとも情報またはデータを記憶し、スキャンされたときに、読み取り器へ記憶された情報またはデータを送る。これらの例として、光学的キャラクター認識デバイスにより認識できる磁気ストライプ、一次元および二次元のバーコード、テキスト、ビデオ画像認識デバイス、無線周波数識別器などによって認識できる画像を挙げることができる。
【0042】
磁気ストライプは磁気的にコード化された情報のトラックを含む。より詳細には、これらストライプは情報の1本、2本または3本のトラックを含むことができ、この場合、最初の2本のトラックは一般に取引の処理で使用される標準的情報、例えば個人の氏名および口座番号を含み、第3のトラックは、より個人的なデモグラフィック情報を一般に含む。従来の磁気ストライプ読み取り器を使って、これらトラック内の磁気的にコード化された情報を読み取ることができる。
【0043】
バーコードは一般に四角形の形状をした、明暗領域の1つ以上の行から構成されており、暗い領域(すなわちバー)内の幅および/または明るい領域の幅(すなわちバーの間のスペース)は、領域がグループに分けられているときに、読み出すべきコード化された情報を表示する。バーコードによって形成されたコード化された情報は、従来の電子光学的スキャナー、例えばバーコードシンボルスキャナーを使って読み取りできる。
【0044】
無線周波数識別器、すなわちRFIDは小型の電子モジュールまたはブロックの形態をしたマイクロ電子素子である。これらブロックは、(a)情報を記録するためのメモリ回路および/または関連するメモリ内に記憶される情報を操作するためのマイクロプロセッサ(または電子処理回路)と、(b)非接触式インターフェース(例えばアンテナおよび支持回路)と、オプションの(c)内部電源とを収納または含む。例えば米国特許第5,721,781号、同第5,955,961号、同第6,000,607号、同第6,047,888号、同第6,193.163号、同第6,199,144号、同第6,202,932号、同第6,244,514号、同第6,247,644号、同第6,257,486号、同第6,424,029号、同第6,485,319号および同第6,843,422号を参照されたい。
【0045】
RFIDは情報およびデータの記憶、かかる情報およびデータの操作または処理、(例えばパスコード、パスワードなどを搬送することによる)アクセスの制御、識別情報などの提供を含むが、これらに限定されない種々の機能を実行できる。
【0046】
RFIDは従来の方法および技術を使用して、本発明の多機能直接熱記録体10に追加または埋め込むことができる。例えばベース支持体12内の予めドリル加工された孔にRFIDを挿入し、次に、例えば溶融流動接着剤を使って所定位置に接着できる。
【0047】
記憶され、可能な場合にはRFIDにより操作または処理される情報およびデータは、例えば従来のスマートカード読み取り器を使って読み取りできる。
【0048】
上記の外に、1つだけの熱記録層18だけしか含まない本発明の実施例では、本発明の記録体9は、熱記録層18を含む平面状表面と反対のプリント可能な表面または層も含むことができる。かかる一実施例では、高ダインレベルの合成樹脂フィルムからベース支持体12を製造し、記録体10に対して裏面をプリント可能にする。
【0049】
記録体10のプリント可能な表面または層は、リソグラフィ、フレキソ、レタープレスおよびスクリーンプレスを使ってプリントできる。
【0050】
本発明の直接熱記録体10は、更に1つ以上の外側保護層も含むことができる。外側保護層は引っ掻きなどによって生じる表面の破損、オイル、可塑剤および水によって生じる破損から、熱記録装置18を保護するように働き、更に熱ヘッドまたは熱源と記録層18との直接接触を防止する。圧力が加えられた状態で熱源に接触し、熱源を通過するように移動しなければならない熱記録層18のための適当な保護層は、加熱されながら熱源を通過するように移動する間、局部的な変形に対する抵抗力および良好なスリップ特性を呈しなければならない。記録体10と共に使用するための、外側保護層を形成する際に使用するのに適した材料として、顔料、バインダー、潤滑剤、界面活性剤などを挙げることができるが、これらだけに限定されるものではない。
【0051】
好ましい実施例では、外側保護層は、
(1)コーティング配合剤に対して、約0〜約90重量%(より好ましくは約10〜約80重量%、最も好ましくは約30〜約70重量%)の粘土顔料と、
(2)コーティング配合剤の全重量に対して、約100〜約10重量%(より好ましくは約90〜約20重量%、最も好ましくは約70〜約30重量%)のPVAバインダーを含む。
【0052】
コーティング配合剤は、この配合剤の全重量(乾量基準)に対して、約5〜約70%の範囲の好ましい固体成分を有する水性組成物を得るように、成分と水とを混合することによって製造される。次に、高剪断塗布アプリケーションまたは低剪断コーティングアプリケーションのいずれかを用いて熱記録層18にコーティング配合剤を塗布できる。
【0053】
コーティング配合剤の全重量(乾量基準)に対して、約0.5〜約10g/mの範囲の平均被膜重量を得るように、コーティング配合剤を塗布することが好ましい。任意の公知の方法または技術により、乾燥を行うことができる。
【0054】
本発明のより好ましい実施例では、直接熱記録体10は、ホテルの宿泊者を識別し、その宿泊者が部屋にアクセスできるようにする宿泊者カードである。図2aおよび2bに最良に示されるように、本発明の記録体10は、カードを発行したホテルまたは介護施設に関するプリント情報24を含むプリント可能な表の面または上部表面22と、コード化可能な磁気ストライプ28、スキャン可能なバーコード30、ホテルの宿泊者のデジタル写真画像32、宿泊者に関するプリントされた情報34およびキーカードを使用するためのインストラクション36を含む熱記録の裏面または下方の表面26とを含む。
【0055】
図3に示された、このより好ましい実施例の横断面図から、本発明の直接熱記録体10は、バインダー層42を介して共にラミネートされた2枚のベースシート38、40から構成されたベース支持体12と、熱記録層18と、コード化可能な磁気ストライプ28と、プリント可能な表面または層44と、外側保護層46とを含むことが理解できよう。
【0056】
容易に理解できるように、本発明の直接熱記録体10は、宿泊者の登録および記録に使用される方法をスムーズにし、重複した情報を含む多数のカードを発行する必要性を解消することによって効率を高めるものである。本発明の記録体10は、宿泊者のホテルの部屋へ入れるようにし、他のセキュリティエリア、例えばフィットネスセンターや駐車場へも入れるようにする。
【0057】
本発明の記録体10はセキュリティも高める。例えばコード化可能な磁気ストライプ28およびスキャン可能なバーコード30は同じ情報を含むことができる。このように、磁気ストライプ28が何らかの方法で書き直されたり変更されたりした場合、コード化された情報を比較し、その差を検出するようになっているデバイスをホテルの従業員が使用することにより、容易にそれを検出できる。
【0058】
本発明の別のより好ましい実施例では、多機能の直接熱記録体10は、デビットカードとして機能し、カードまたはバウチャーの元の価値と、減少する価値とをディスプレイする減少バランスタイプのギフトカードまたはクレジットバウチャーである。
【0059】
以上で、本発明の詳細な実施例を参照し、本発明について説明し、かつ図示したが、当業者であれば特許請求の範囲に記載した発明の要旨から逸脱することなく、本発明の形態および細部について種々の変更を行うことが理解できよう。
【0060】
関連出願
本願は、2004年6月21日に出願された米国仮特許出願第60/583,722号に基づく優先権を主張するものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の多機能の直接熱記録体の一実施例の横断面図である。
【図2a】本発明の直接熱記録体の、より好ましい実施例の、プリント可能な正面を示す。
【図2b】本発明の直接熱記録体の、より好ましい実施例の、熱記録裏面を示す。
【図3】図2内の3−3線に沿った、より好ましい実施例の横断面図である。
【符号の説明】
【0062】
12 ベース支持体
14、16 平面状表面
18 熱記録層
20 情報記憶システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する平面状の表面を有するベース支持体と、デジタル写真画像、グラフィック、数値またはテキスト情報、またはそれらの組み合わせをディスプレイするための、前記ベース支持体の少なくとも1つの平面状表面に形成された、少なくとも1つの熱記録層と、前記ベース支持体および/または前記熱記録層の上またはその内部に含まれる、機械で読み取り可能な少なくとも1つの情報記憶システムとを備えた、多機能の直接熱記録体。
【請求項2】
前記ベース支持体が,紙、合成樹脂フィルム、金属フォイル、織布および不織布の群から選択された材料から製造された、1つのベースシートを含む固体のコアベース支持体である、請求項1記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項3】
前記固体のコアベース支持体の前記ベースシートが、高ダインレベルの合成樹脂フィルムから製造されている、請求項2記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項4】
前記ベース支持体が、少なくとも2つのラミネートされたベースシートを含む、ラミネートされた構造体であり、各ベースシートが、紙、合成樹脂フィルム、金属フォイル、織布および不織布の群から選択された材料から製造されたものである、請求項1記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項5】
前記ベース支持体が、約100〜約1000ミクロンの範囲の厚さ、1平方メートル当たり約50〜約1500gの範囲の坪重量、約10〜約10000のBekk(ベック)秒の表面平滑度および1メートル当たり少なくとも約0.3ミリニュートン(TAPPI T489)の剛性を有する、請求項1記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項6】
前記熱記録層が無色または淡色の塩基性染料、適当な温度に加熱したときに塩基性染料における色の形成を誘導できる発色剤およびバインダーを含む水性コーティング配合剤から製造されたものである、請求項1記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項7】
前記熱記録層を、
(1)3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランおよびそれらの組み合わせを含む群から選択された、コーティング配合剤の全重量に対して、約3〜約40重量%の塩基性染料;
(2)ビス(3−アリールー4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、N−(p−トルエンスルフォニル)−N’−(3−p−トルエンスルフォニルオキシフェニル)ユレアおよびそれらの組み合わせを含む群から選択された、コーティング配合剤の全重量に対して、約3〜約50重量%の発色剤;および
(3)PVA、PVA誘導体、スターチ、スターチ誘導体、スチレン−ブタジエンコーポリマーエマルジョンおよびそれらの組み合わせを含む群から選択された、コーティング配合剤の全重量に対して、約2〜約60重量%のバインダーを含む水性コーティング配合剤から製造した、請求項1記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項8】
前記水性コーティング配合剤が、
1,2−ジ(m−トリルオキシ)エタンおよび1,2−ジフェノキシエタンの群から選択された、コーティング配合剤の全重量に対して、約1〜約60重量%の増感剤と、
水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、粘土、シリカおよびそれらの混合物から選択された、コーティング配合剤の全重量に対して、約0〜約40重量%の無機顔料と、
エチルアルコール、メチルアルコールおよび水の混合物内のナトリウムビス−トリデシルスルフォスクシネート、エチルアルコールと水の混合物内のナトリウムビス−オクチルスルフォスクシネートの群から選択された、コーティング配合剤の全重量に対して、約0.01〜約1.0重量%の界面活性剤とを更に含む、請求項7記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項9】
前記少なくとも1つの機械で読み取り可能な情報記憶システムが、磁気ストライプ、バーコード、光学的文字認識デバイスによって認識できるテキスト、ビデオ画像認識デバイスによって認識できる画像、無線周波数識別器およびそれらの組み合わせの群から選択されたものである、請求項1記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの機械で読み取り可能な情報記憶システムが、磁気的にコード化された情報を含む1本以上の磁気ストライプを含む、請求項9記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項11】
前記少なくとも1つの機械で読み取り可能な情報記憶システムが、1つ以上のバーコードを含む、請求項9記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項12】
前記少なくとも1つの機械で読み取り可能な情報記憶システムが、1つ以上の無線周波数識別器を含む、請求項9記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項13】
前記1つ以上の無線周波数識別器が、(a)情報を記憶するためのメモリ回路および/または関連するメモリに記憶された情報を操作するためのマイクロプロセッサ、(b)無接触のインターフェース、およびオプションとしての(c)内部電源を含む、請求項12記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項14】
前記熱記録層を含む前記平面状表面と反対の、前記ベース支持体の平面状表面に設けられたプリント可能な表面または層を更に含む、請求項1記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項15】
1つ以上の外側保護層を更に含む、請求項1記載の多機能の直接熱記録体。
【請求項16】
対向する平面状の表面を有するベース支持体と、デジタル写真画像、グラフィック、数値またはテキスト情報、またはそれらの組み合わせをディスプレイするための、前記ベース支持体の少なくとも1つの平面状表面に形成された、少なくとも1つの熱記録層と、前記ベース支持体および/または前記熱記録層の上または内部に含まれる少なくとも1つの機械で読み取り可能な情報記憶システムとを備えた、ホテルの宿泊者を識別し、宿泊者が部屋にアクセスできるように働く宿泊者カード。
【請求項17】
前記少なくとも1つの機械で読み取り可能な情報記憶システムが、磁気ストライプ、バーコード、光学的文字認識デバイスによって認識できるテキスト、ビデオ画像認識デバイスによって認識できる画像、無線周波数識別器およびそれらの組み合わせの群から選択されたものである、請求項16記載の宿泊者カード。
【請求項18】
カードを発行したホテルまたは介護用の部屋に関するプリントされた情報を含むプリント可能な表の面または上部表面、およびコード化可能な磁気ストライプ、スキャン可能なバーコード、ホテルの宿泊者のデジタル写真画像、宿泊者に関するプリントされた情報およびカードを使用するためのインストラクションを含む熱記録用裏面または下方表面を有するベース支持体を備えた、ホテルの宿泊者を識別し、宿泊者を部屋にアクセスするように働く宿泊者カード。
【請求項19】
前記ベース支持体が、1つ以上の無線周波数識別器を含む、請求項18記載の宿泊者カード。
【請求項20】
対向する平面状表面を有するベース支持体と、前記ベース支持体の少なくとも一方の平面状表面に形成され、デジタル写真画像、グラフィック、数値またはテキスト情報またはそれらの組み合わせをディスプレイするための少なくとも1つの熱記録層と、前記ベース支持体および/または熱記録層上またはその内部に含まれる機械で読み取り可能な少なくとも1つの情報記憶システムとを備えた、デビットカードとして働き、カードまたはバウチャーの元の価値と現在の価値とをディスプレイするかまたはディスプレイできる、ギフトカードまたはクレジットバウチャー。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−504988(P2008−504988A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519477(P2007−519477)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/023494
【国際公開番号】WO2006/005000
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(507000246)カンザキ スペシャルテー ペーパーズ インコーポレテッド (1)
【Fターム(参考)】