説明

多機能液晶視差バリアーの装置

【課題】多機能液晶視差バリアーの装置を提供する。
【解決手段】多機能液晶視差バリアーの装置は、デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400及びマルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500の2種の視差バリアー構造を備え構成する液晶装置で、2個の視差バリアー400、500は、異なるスクリーン表示の方向にそれぞれ対応して設置され、適当な駆動電圧の制御を通して、フラットディスプレースクリーンの使用を合わせ、二次元画像を表示できる他、異なる表示方向により、デュアルシーン三次元画像とマルチシーン三次元画像をそれぞれ表示する目的を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多機能液晶視差バリアーの装置に関し、特にデュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー及びマルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーの2種の視差バリアー構造を備え構成する液晶装置で、該2個の視差バリアーは、異なるスクリーン表示の方向にそれぞれ対応して設置され、適当な駆動電圧の制御を通して、フラットディスプレースクリーンの使用を合わせ、二次元画像を表示できる他、異なる表示方向により、デュアルシーン三次元画像とマルチシーン三次元画像をそれぞれ表示する目的を達成することができる多機能液晶視差バリアーの装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基本的に、本発明は、特許文献1、2に開示する多機能液晶視差バリアー装置の応用である。
特許文献1に開示する多機能液晶視差バリアー装置は、汎用構造で、2個の独立バリアー電極により構成する液晶視差バリアー装置を通して、該2個の独立バリアー電極を、それぞれ個別の電圧により駆動し、双方向、或いは異なるバリアー配列構造、或いは異なるシーン数により、三次元画像表示の目的を達成する。
図1と図2は、該多機能液晶視差バリアー装置の基本構造を示す。
【0003】
内、図1は、該多機能液晶視差バリアー装置における第一実施例の構造を示す模式図である。
該多機能液晶視差バリアーの装置100は、上リニア偏光板101、上透明基材102、共電極層103、上配向膜層104、液晶分子層105、下配向膜層106、一対のバリアー電極層107、下透明基材111、下リニア偏光板112により構成する。
【0004】
該一対のバリアー電極層107は、上バリアー電極層108、絶縁層109、下バリアー電極層110により構成する。
該絶縁層109は、該2個のバリアー電極層108、110の電気を絶縁し、こうして該2個のバリアー電極層108、110間において、電気ショートの現象が起きることを回避することができる。
【0005】
図2は、該多機能液晶視差バリアー装置における第二実施例の構造を示す模式図である。
該多機能液晶視差バリアーの装置200は、上リニア偏光板201、上透明基材202、上共電極層203、上絶縁層204、上バリアー電極層205、上配向膜層206、液晶分子層207、下配向膜層208、下バリアー電極層209、下絶縁層210、下共電極層211、下透明基材212、下リニア偏光板213により構成する。
【0006】
特許文献2に開示する多機能液晶視差バリアー装置は、特許文献1の応用である。
特許文献2において、図3に示すフラットディスプレー300を利用し、3D画像を表示する時には、先ず、図4、5に示すデュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400とマルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500を、相同の水平表示方向(X軸方向)で、該多機能液晶視差バリアー装置100、200中の異なるバリアー電極108、110、205、209の上にそれぞれ設置する必要がある。
次に、該多機能液晶視差バリアー装置100、200を、図6に示すように、フラットディスプレー300の上に設置する。
さらに、外部の適当な電圧の駆動により、2D表示モード、或いは3D表示モードを選択することができる。
【0007】
該3D表示モードは、デュアルシーン表示モードとマルチシーン表示モードを含む。
該2個の3Dモードを起動後、該2個の視差バリアー400、500は、最適観賞距離上の最適視点位置において、デュアルシーン3D合成画像とマルチシーン3D合成画像(図示なし)に対して、それぞれシーン分離の作用を行うことができる。
これにより、水平方向観賞者の両目に分配され、最適視点位置において、3D画像を観ることができる。
【0008】
上記した特許文献2の特?は、前記2種の視差バリアーの光透過部品に対して、具体的な光学設計を提出する他、観賞距離最適化、光透過部品開口幅最適化の処理についても具体的に掲示している。
しかし、特許文献2では、相同の水平表示方向により、該2個の視差バリアー400、500を設置するため、3D画像の単方向表示の効果しか達成することができない。
すなわち、3D画像の表示において、ディスプレーのスクリーンを90度回転後の使用を可能とすることができず、つまり3D画像の双方向表示のニーズに応えることができない。
本発明は、従来の多機能液晶視差バリアーの装置の上記した欠点に鑑みてなされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】台灣特許第099100423号明細書
【特許文献2】台灣特許第099107311号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、特許文献1に開示する多機能液晶視差バリアー装置を応用し、及び特許文献2に開示する多機能液晶視差バリアー装置を改善する多機能液晶視差バリアーの装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は下記の多機能液晶視差バリアーの装置を提供する。
多機能液晶視差バリアーの装置は、デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー及びマルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーの2種の視差バリアー構造を備えて構成する液晶装置で、
該2個の視差バリアーは、異なるスクリーン表示の方向にそれぞれ対応して設置され、適当な駆動電圧の制御を通して、フラットディスプレースクリーンの使用を合わせ、二次元画像を表示できる他、異なる表示方向により、デュアルシーン三次元画像とマルチシーン三次元画像をそれぞれ表示する目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の多機能液晶視差バリアーの装置は、デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー及びマルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーの2種の視差バリアー構造を備えて構成する液晶装置で、異なるスクリーン表示の方向にそれぞれ対応して設置され、適当な駆動電圧の制御を通して、フラットディスプレースクリーンの使用を合わせ、二次元画像を表示できる他、異なる表示方向により、デュアルシーン三次元画像とマルチシーン三次元画像をそれぞれ表示する目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】多機能液晶視差バリアー装置構造の模式図である。
【図2】多機能液晶視差バリアー装置構造の模式図である。
【図3】一般のフラットディスプレースクリーン構造の模式図である。
【図4】デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー構造の模式図である。
【図5】マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー構造の模式図である。
【図6】多機能液晶視差バリアー装置を設置するフラットディスプレー2D/3Dモード構成の模式図である。
【図7】一般の横方向設置のフラットディスプレースクリーンにおけるR、G、Bサブピクセル配列構造の模式図である。
【図8】一般の縦方向設置のフラットディスプレースクリーンおけるR、G、Bサブピクセル配列構造の模式図である。
【図9】本発明多機能液晶視差バリアー第一実施例の模式図である。
【図10】本発明多機能液晶視差バリアー第一実施例の模式図である。
【図11】本発明多機能液晶視差バリアー第二実施例の模式図である。
【図12】本発明多機能液晶視差バリアー第二実施例の模式図である。
【図13】光透過部品開口の水平幅を最適化しない場合の、光透過部品開口とシーンの対応関係を示す模式図である。
【図14】マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー構造の模式図である。
【図15】4シーン3D合成画像構造の模式図である。
【図16】5シーン3D合成画像構造の模式図である。
【図17】最適化処理がない状態における、光透過部品開口とシーンの対応関係を示す図である。
【図18】光透過部品開口の水平幅を最適化しない場合の、移動式色偏差現象の模式図である。
【図19】光透過部品開口の水平幅を最適化しない場合の、移動式色偏差現象の模式図である。
【図20】光透過部品の水平幅を最適化後の、分布式色偏差現象の模式図である。
【図21】光透過部品の水平幅を最適化後の、分布式色偏差現象の模式図である。
【図22】デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアー用デュアルシーン3D合成画像の模式図である。
【図23】最適化処理がない状態における、デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアー構造の模式図である。
【図24】最適化処理がない状態における、デュアルシーン用傾斜格子状式視差光の光透過部品開口とシーンの対応関係を示す図である。
【図25】光透過部品開口の水平幅に最適化処理を施した後の、デュアルシーン用傾斜格子状式視差光の光透過部品開口とシーンの対応関係を示す模式図である。
【図26】光透過部品開口の水平幅に最適化処理を施した後の、デュアルシーン用傾斜格子状式視差光の光透過部品開口とシーンの対応関係を示す模式図である。
【図27】光透過部品開口の垂直幅に最適化処理を施した後の、デュアルシーン用傾斜格子状式視差光の光透過部品開口とシーンの対応関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
先ず、ディスプレーのスクリーンにおけるR、G、Bサブピクセルの配列とディスプレーのスクリーン回転の関係について説明する。
図7は、一般の横方向設置のフラットディスプレースクリーンにおけるR、G、Bサブピクセル配列構造の模式図である。
いわゆる横方向設置とは、左図に示すように、該フラットディスプレー300のスクリーン310において、その長い方の辺を、水平方向(X軸方向)に設置するものである。
【0015】
該スクリーン310は、MxN個のR、G、Bサブピクセルユニットにより構成され、単一のR、G、Bサブピクセルユニット321は、PW X PHのサイズを備える。
内、PWは、サブピクセル短辺の幅で、PHは、サブピクセル長辺の幅で、しかも両者は以下の式の関係を備える。
PH = 3PW (1)
また、該R、G、Bサブピクセルの配列は、水平方向に沿った配列で、すなわちスクリーンの長い方の辺方向に沿って配列する。
よって、右図に示すように、該フラットディスプレー300を時計回りに90度回転(当然、逆時計回り回転でも良い)させると、縦方向の設置となり、該R、G、Bサブピクセルの配列は、垂直方向(Y軸方向)に沿った配列となる。
【0016】
図8は、一般の縦方向設置のフラットディスプレースクリーンおけるR、G、Bサブピクセル配列構造の模式図である。
いわゆる縦方向設置とは、左図に示すように、該フラットディスプレー300のスクリーン310において、その長い方の辺を、垂直方向(Y軸方向)に設置するもので、該R、G、Bサブピクセルの配列は、水平方向に沿った配列となる。
よって、右図に示すように、該フラットディスプレー300を時計回りに90度回転(当然、逆時計回り回転でも良い)させると、横方向の設置となり、該R、G、Bサブピクセルの配列は、垂直方向に沿った配列となる。
【0017】
また、図7、図8に示す該フラットディスプレースクリーン310は、二次元画像、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー用のデュアルシーン3D合成画像、マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー用のマルチシーン3D合成画像を表示することができる。
【実施例】
【0018】
[第一実施例]
該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400及び該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500の設置方向について、フラットディスプレーをどの方向に設置しようと、R、G、Bサブピクセルをどの方向に配列しようと、3D画像の双方向表示を達成するため、図9、10に示す方式により、該2個の視差バリアー400、500を設置する。
すなわち、該フラットディスプレーの設置方向により、R、G、Bサブピクセルが垂直方向に沿って配列する時は、デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400を対応させて設置し、しかも該垂直ストリップ状式視差バリアー開口の長辺は、該垂直の方向に平行に設置する。
これにより、最適観賞距離上の最適視点位置において、該デュアルシーン3D合成画像に対して、水平方向上において、シーン分離の作用を行い、該デュアルシーン三次元画像の表示を達成する。
【0019】
また、該フラットディスプレーの設置方向により、R、G、Bサブピクセルが水平方向に沿って配列する時は、マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500を対応させて設置し、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーのバリアー水平線構造を(図21及び後述を参照)、該水平の方向に平行に設置する。
これにより、最適観賞距離上の最適視点位置において、該マルチシーン3D合成画像に対して、水平方向上において、シーン分離の作用を行い、該マルチシーン三次元画像の表示を達成する。
【0020】
[第二実施例]
また、図11、12に示す方式では、該2個の視差バリアー400、500を設置する。
すなわち、該フラットディスプレーの設置方向により、R、G、Bサブピクセルが水平方向に沿って配列する時は、デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400を対応させて設置し、しかも該垂直ストリップ状式視差バリアー開口の長辺は、該垂直の方向に平行に設置する。
これにより、最適観賞距離上の最適視点位置において、デュアルシーン3D合成画像に対して、シーン分離の効果を達成する。
【0021】
また、該フラットディスプレーの設置方向により、R、G、Bサブピクセルが垂直方向に沿って配列する時は、マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500を対応させて設置し、しかも該傾斜格子状式視差バリアーのバリアー水平線構造(図21及び後述を参照)を、該水平の方向に平行に設置する。
これにより、最適観賞距離上の最適視点位置において、マルチシーン3D合成画像に対して、シーン分離の効果を達成する。
【0022】
上記した第一、第二実施例の設置方式に対して、特許文献2に基づき、汎用の公式を用いて、該2個の視差バリアー400、500が必要とする設計パラメータを計算し、観賞距離の最適化と光透過部品開口幅最適化の処理を行う。
該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400の設計については、図13に示すように、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400は、デュアルシーン三次元画像を表示し、多数の光透過部品401、遮光部品402により構成する。
該光透過部品401と該遮光部品402は、垂直ストリップ状式の幾何構造を備え、しかもそれぞれB2W
【数1】

の水平幅を備える。
【0023】
特許文献2に基づき、該光透過部品401の水平幅B2W、該遮光部品402の水平幅
【数2】

最適観賞距離Z20、視差バリアーの設置距離LB、両目間の平均距離LE等のパラメータは、以下の基本的関係を備える。
【数3】

【数4】

【数5】

内、P2Wは、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400の最小シーン画像表示ユニットの水平幅である。
【0024】
第一実施例中では、図9、10に示すように、該最小シーン画像表示ユニットの水平幅P2Wは、以下の式の関係を備えることができる。
P2W = mPH (5)
内、mは、正の整数である。
また、第二実施例中では、図11、12に示すように、該最小シーン画像表示ユニットの水平幅P2Wは、以下の式の関係を備えることができる。
P2W = mPW (6)
【0025】
該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500について、図14に示すように、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500は、マルチシーン三次元画像を表示し、多数の光透過部品501、遮光部品502により構成する。
該光透過部品501と該遮光部品502は、格子状式の幾何構造を備え、しかもそれぞれBnW
【数6】

の水平幅を備える。
内、nは、シーン数で、しかもn≧2である。
【0026】
特許文献2に基づき、該光透過部品501の水平幅BnW、該遮光部品502の水平幅
【数7】

最適観賞距離Zn0、視差バリアーの設置距離LB、両目間の平均距離LE等のパラメータは、以下の基本的関係を備える。
【数8】

【数9】

【数10】

内、PnWは、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500の最小シーン画像表示ユニットの水平幅である。
【0027】
第一実施例中では、図9、10に示すように、該最小シーン画像表示ユニットの水平幅は、以下の式の関係を備えることができる。
PnW = mPW (10)
内、mは、正の整数である。
また、第二実施例中では、図11、12に示すように、該最小シーン画像表示ユニットの水平幅PnWは、以下の式の関係を備えることができる。
PnW = mPH (11)
内、mは、正の整数である。
また、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500において、その光透過部品501の垂直幅BHは、第一実施例中では、以下の通りである。
【数11】

第二実施例中では、以下の通りである。
【数12】

【0028】
1.観賞距離の最適化
該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400と該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500に、相同の最適観賞距離で、3D画像を表示させることにより、観賞使用の利便性を達成することができる。
第一実施例中では、必ずP2W = PnWで、そのため、式(5)、(10)に基づき、以下を得ることができる。
mPH = mPW (14)
しかも、式(1)に基づけば、PH = 3PWで、よって以下のようになる。
m = 3m (15)
【0029】
すなわち、第一実施例中では、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400と該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500に対し、式(15)の関係は、観賞距離最適化の条件となる。
また、シーン画像均一分布の要因を考慮すると、式(15)の最適の?は、m=1、m=3である。
つまり、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400において、その光透過部品水平の開口は、ピクセル1個分の幅の画像に対応する。
該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500において、その光透過部品水平の開口は、サブピクセル3個分の幅の画像に対応する。
言い換えれば、該2個の視差バリアーが対応する該最小シーン画像表示ユニットの水平幅はみな、ピクセルの幅である。
【0030】
また、上記した観賞距離最適化の条件で、しかもm=1、m=3の条件において、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500が対応して表示するマルチシーン3D合成画像Σnは、以下の式に表される。
【数13】

j≧iである時、以下の通りである。
【数14】

j<iである時、以下の通りである。
【数15】

内、nは、シーン数で、しかも、n≧2である。
【数16】

は、単一シーンの画像で、Λは、該単一シーン画像の通し番号で、しかも、0≦Λ<nの関係を備える。
i、jは、該フラットディスプレースクリーン上における、第i行と第j列サブピクセルの位置である。
intは、商を求める関数で、Modは、余りを求める関数である。
【0031】
式(16)〜(18)に基づき、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーにおいて、マルチシーン3D合成画像の構成について、以下に例を挙げる。
図15は、n=4の4シーン3D合成画像構成の模式図で、図16は、n=5の5シーン3D合成画像構成の模式図である。
内、数字0〜4は、各単一シーン画像の通し番号を代表し、i、jは、該フラットディスプレースクリーン上において、該単一シーン0〜4が、第 i行と第j列のサブピクセル位置上の画像であることを表す。
【0032】
さらに、現在市場で主流となっている3D応用(デュアルシーンを主とする)を考慮し、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500のシーン数nを、n=2とする。
すなわち、該傾斜格子状式視差バリアー500が、デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーである時、該2個の視差バリアー400、500は、相同の光透過部品水平幅BW0、遮光部品水平幅
【数17】

最適観賞距離Z0、視差バリアーの設置距離LB、両目間の平均距離LE等のパラメータを備え、それぞれ以下の式により表される。
【数18】

【数19】

【数20】

該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーにおいて、その光透過部品の垂直幅BH0は、以下の通りである。
【数21】

【0033】
また、第二実施例の観賞距離最適化の条件においては、必ずP2W = PnWであり、よって、式(6)、(11)に基づき、以下を得ることができる。
mPW = mPH (23)
しかも、式(1)に基づけば、PH = 3PWで、以下を得ることができる。
m = 3m (24)
そのため、第二実施例中では、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400と該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500に対し、式(24)の関係は、観賞距離最適化の条件となる。
また、シーン画像均一分布の要因を考慮すると、式(24)の最適の値は、m=1、m=3である。
すなわち、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400において、その光透過部品水平の開口は、サブピクセル3個分の幅の画像に対応し、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500の、その光透過部品水平の開口は、ピクセル1個分の幅の画像に対応する。
【0034】
つまり、該2個の視差バリアーの該最小シーン画像表示ユニットの水平幅はみな、R、G、Bピクセルの幅である。
さらに、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500のシーン数nについては、n=2である。
すなわち、該傾斜格子状式視差バリアー500が、デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーでもある時、該2個の視差バリアー400、500は、相同の光透過部品水平幅BW0、遮光部品水平幅
【数22】

最適観賞距離Z0を備え、式(19)〜(21)により表される。
該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーの、その光透過部品の垂直幅BH0は、以下の通りである。
【数23】

【0035】
2.色偏差の現象
図9〜12の左図においては、デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー400であろうと、マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー500であろうと、図17に示すように、光透過部品開口(該光透過部品開口の水平幅は、未だ最適化されていない)が、3個のR、G、Bサブピクセルに対応する時、すなわち、最小シーン画像表示ユニットの水平幅が、ピクセルの幅である場合には、色偏差の現象が発生し易い。
以下では、図示の便のため、該2個の視差バリアー400、500は共にデュアルシーン表示を例とし、色偏差の現象とその解決方法について説明する。
【0036】
図18、19は、光透過部品開口の水平幅を最適化しない場合の、移動式色偏差現象の模式図である。
観賞者の目530が、最適視点位置から、水平の移動を行う(例えば、頭部を水平に揺らす)と、視角が変化するため、隣接するシーンの画像が見え易い(すなわち、ゴーストイメージ)。
しかも、左へと移動すると、その色は赤色に偏り、右へと移動すると、青色へと偏る。
【0037】
図20、21は、光透過部品の水平幅を最適化後の、分布式色偏差現象の模式図である。
光透過部品開口の水平幅を最適化、つまり該開口水平幅を△Bの量だけ削減したが、これにより水平可視範囲を拡大する目的を達成することができる。
しかし、図20、21に示すように、該開口の削減量△Bが、いかなる値(例えば、△B=BW0/3、或いは△B=2BW0/3) であっても、シーン画像全体は、色分布不均一の現象を生じ易い。
もし、観賞の位置をさらに移動するなら、同様に移動式色偏差の現象が生じる(図示なし)。
【0038】
第二実施例に掲示する垂直ストリップ状式視差バリアー400において、上記のように、観賞距離最適化の処理を行った後、その光透過部品の開口は、3個のR、G、Bサブピクセルに対応し、その垂直ストリップ状構造の問題により、色偏差の問題を解決することはできない。
つまり、第二実施例は、観賞距離最適化の要求に応えることができない。
【0039】
一方、第一実施例に掲示する傾斜格子状式視差バリアー500は、従来の傾斜格子状式視差バリアー (すなわち、サブピクセル単位を最小シーン画像表示ユニットとし、3D画像を表示するもの)とは異なる。
本発明傾斜格子状式視差バリアーの構造では、その光透過部品開口は、3個のR、G、Bサブピクセルに対応し、すなわち、ピクセル単位を最小シーン画像表示ユニットとし、3D画像を表示する。
さらに、垂直に隣接する光透過部品に対して、適当な水平移動と適当な光透過部品開口幅を削減する方法を行うことで、色偏差の問題を解決し、同時に、水平及び垂直可視範囲拡大の目的を達成することができる。
【0040】
3.デュアルシーン3D画像の合成とデュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーの構成
図22は、該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアー500に対応した、デュアルシーン3D合成画像の模式図である。
該デュアルシーン3D合成画像330は、2個の単一シーン画像V0、V1により構成する(V0、V1はそれぞれ左、右の画像で、反対でも良い)。
該V0、V1は、以下の式により表される。
【数24】

内、該kは、該単一シーン画像の通し番号である。
【数25】

は、該フラットディスプレースクリーン310上の第i行と第j列位置にあるサブピクセル画像である。
前記のように、該フラットディスプレースクリーン310は、M x N個のR、G、Bサブピクセルにより構成し、しかも、R、G、Bサブピクセルは、水平方向に沿って配列する。
また、該デュアルシーン3D合成画像330は、式(16)〜(18)に基づき、以下の式により表される。
【数26】

j≧iである時には、以下の通りである。
【数27】

j<iである時には、以下の通りである。
【数28】

【0041】
図23は、最適化処理がない状態における、該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアー構造の模式図である。
前記のように、該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアー500は、光透過部品501と遮光部品502により、バリアー基本構造503を構成する。
該光透過部品501と該遮光部品502は、格子状式の幾何構造を備え、しかもそれぞれBW0
【数29】

の水平幅を備える。
該多数のバリアー基本構造503は、水平方向に沿って重複配列し、先ずバリアー水平線構造510を構成する。
該多数のバリアー水平線構造510はさらに、垂直方向に沿って重複配列し、該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアー500を構成する。
該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアー500を構成するすべてのバリアー水平線構造510において、垂直方向上で、隣接する任意の2個のバリアー水平線構造510、511の水平方向の設置位置を、右へと移動量Sだけ移動させる。
該移動量は、S=PWの関係を備える。
【0042】
当然、上記式(27)〜(29)中に定義するデュアルシーン3D合成画像に対して、左右画像配列位置入れ替わりの処理を行えば、該隣接する任意の2個のバリアー水平線構造510、511の水平方向の設置位置は、左へと移動量Sだけ移動する(図示なし)。
よって、該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアー500を、該フラットディスプレースクリーン310上に適当に設置することで、図24に示すように、該各光透過部品501は、1組の3個のR、G、Bサブピクセルにより構成するV0画像に正確に対応する。
【0043】
4.色偏差現象の解決と光透過部品開口幅の最適化
図25、26は、光透過部品開口の水平幅に最適化処理を施した後の、該光透過部品開口とシーンの対応関係を示す模式図である。
図25に示すように、該光透過部品開口水平幅を△BW=BW0/3の量だけ削減する。
これにより、各光透過部品の開口は、3分の2のピクセルに対応する。
垂直方向上では、3個の垂直に隣接する光透過部品の開口は、サブピクセル幅移動の関係を備えるため、観賞者に対しては、その視点水平の位置に関係なく、隣接するシーン画像が見えないという条件下で、該3個の垂直に隣接する光透過部品の開口は、2個の完全ピクセルの画像に対応する。
よって、色偏差の問題を解決することができる。
【0044】
図26に示すように、該光透過部品開口水平幅を、△BW=2BW0/3の量だけ削減する。
これにより、各光透過部品の開口は、3分の1のピクセルに対応する。
垂直方向上では、3個の垂直に隣接する光透過部品の開口は、サブピクセル幅移動の関係を備えるため、観賞者に対しては、その視点水平の位置に関係なく、隣接するシーン画像が見えないという条件下で、該3個の垂直に隣接する光透過部品の開口は、1個の完全ピクセルの画像に対応する。
よって、色偏差の問題を解決することができる。
【0045】
また、特許文献2中に開示するように、該光透過部品開口の水平幅を削減することで、水平可視範囲拡大の目的を達成することができる。
同様に、図27に示すように、適当な該光透過部品開口の垂直幅(すなわち、△BHの量を削減)は、垂直可視範囲を拡大する目的を達成することができる。
水平であろうと、垂直であろうと、光透過部品開口幅の適当な削減は、可視範囲拡大の目的を達成することができるが、それに伴い画像の輝度を低下させてしまう。
【0046】
上記したように、本発明多機能液晶視差バリアーの装置は、デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー及びマルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーの2種の視差バリアー構造を備え構成する液晶装置である。
第一実施例と第二実施例に掲示するように、R、G、Bサブピクセル配列の方向に基づき、該2個の視差バリアーは、異なるスクリーン表示の方向にそれぞれ対応して設置され、適当な駆動電圧の制御を通して、フラットディスプレースクリーンの使用を合わせ、二次元画像を表示できる他、異なる表示方向により、デュアルシーン及びマルチシーン三次元画像をそれぞれ表示する目的を達成する。
また、色偏差の問題が発生しない状況において、第一実施例により構成する該2個の視差バリアーは、観賞距離最適化の処理を行うことができ、同時に、水平及び垂直可視範囲拡大の目的を達成することができる。
【0047】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は特許の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0049】
101、201 上リニア偏光板
102、202 上透明基材
103、203、211 共電極層
104、206 上配向膜層
105、207 液晶分子層
106、208 下配向膜層
107 一対のバリアー電極層
108、205 上バリアー電極層
109、204、210 絶縁層
110、209 下バリアー電極層
111、212 下透明基材
112、213 下リニア偏光板
300 フラットディスプレー
310 スクリーン
320 多数のR、G、Bサブピクセルユニット
321 単一のR、G、Bサブピクセルユニット
330 デュアルシーン3D合成画像
400 デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー
401、501 光透過部品
402、502 遮光部品
500 マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー
503 デュアルシーン用傾斜格子状式視差光のバリアー基本構造
510、511 デュアルシーン用傾斜格子状式視差光のバリアー水平線構造
530 観賞者の目
XYZ 座標系
PWR、G、B サブピクセル短辺の幅
PHR、G、B サブピクセル長辺の幅
B2W、BnW、BW0 視差バリアー光透過部品開口の水平幅
BH、BH0 視差バリアー光透過部品開口の垂直幅
【数30】

【数31】

【数32】

視差バリアー遮光部品遮光の水平幅
△B、△BW 光透過部品開口水平幅の削減量
△BH 光透過部品開口垂直幅の削減量
n シーン数
m、m 正の整数

PnW、P2W 最小シーン画像表示ユニットの水平幅
LE 両目間の平均距離
Zn0、Z20、Z0 最適観賞距離
LB 視差バリアーの設置距離
i、j フラットディスプレースクリーン上における、第 i行と第j列サブピクセルの位置MxN フラットディスプレースクリーンを構成するサブピクセルの数
V0、V1、VK 単一シーン画像
【数33】

【数34】

単一シーンの画像
Λ 単一シーン画像の通し番号
Σ2 デュアルシーン3D合成画像
Σn マルチシーン3D合成画像
S 移動量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー及びマルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーの2種の視差バリアーを備えて構成する液晶装置において、
該2個の視差バリアーは、異なる表示方向に設置し、適当な駆動電圧の制御を通して、二次元画像を表示でき、
及び異なる表示方向において、デュアルシーン三次元画像及びマルチシーン三次元画像を個別に表示することを特徴とする多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項2】
前記液晶装置は、上リニア偏光板、上透明基材、共電極層、上配向膜層、液晶分子層、下配向膜層、上バリアー電極層、絶縁層、下バリアー電極層、下透明基材、下リニア偏光板により構成することを特徴とする請求項1に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項3】
前記液晶装置は、上リニア偏光板、上透明基材、上共電極層、上絶縁層、上バリアー電極層、上配向膜層、液晶分子層、下配向膜層、下バリアー電極層、下絶縁層、下共電極層、下透明基材、下リニア偏光板により構成することを特徴とする請求項1に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項4】
前記上、下バリアー電極層上の電極の構造は、異なる表示方向により、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアーと該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーを、個別に装置することを特徴とする請求項2或いは3に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項5】
前記多機能液晶視差バリアーの装置は、90度回転可能なフラットディスプレースクリーンの上に設置でき、
該フラットディスプレースクリーンは、MxN個のR、G、Bサブピクセルユニットにより構成され、
該単一のサブピクセルユニットは、PWxPHのサイズを備え、
PWは、サブピクセル短辺の幅で、PHは、サブピクセル長辺の幅で、しかもPH=3PWの関係を備え、
該R、G、Bサブピクセルの配列方向は、水平方向、或いは垂直方向の内のどちらかで、 該フラットディスプレースクリーンは、二次元画像、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー用のデュアルシーン3D合成画像、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー用のマルチシーン3D合成画像を表示できることを特徴とする請求項1に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項6】
前記デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアーの設置方向は、該フラットディスプレーの設置方向により、R、G、Bサブピクセルが垂直方向に沿って配列する時には、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアーに対応させて設置し、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー開口の長い方の辺を、該垂直の方向に平行に設置し、
該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアーは、最適観賞距離上の最適視点位置において、該デュアルシーン3D合成画像に対して、水平方向上において、シーン分離の作用を行い、該デュアルシーン三次元画像を表示でき、
該フラットディスプレーの設置方向により、R、G、Bサブピクセルが水平方向に沿って配列する時には、マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーを対応させて設置し、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーのバリアー水平線構造を、該水平の方向に平行に設置し、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーは、最適観賞距離上の最適視点位置において、該マルチシーン3D合成画像に対して、水平方向上において、シーン分離の作用を行い、該マルチシーン三次元画像を表示することを特徴とする請求項4に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項7】
前記デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアーは、多数の光透過部品、遮光部品により構成され、
該光透過部品と遮光部品は、垂直ストリップ状式の幾何構造を備え、しかもそれぞれB2W
【数1】

の水平幅を備え、
該光透過部品の水平幅B2W、該遮光部品の水平幅
【数2】

最適観賞距離Z20、視差バリアーの設置距離LB、両目間の平均距離LE等のパラメータは、以下の基本的関係を備え、
【数3】

【数4】

【数5】

内、P2Wは、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー対応の最小シーン画像表示ユニットの水平幅で、以下の式の関係を備え、
P2W = mPH
内、mは、正の整数で、
該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーは、多数の光透過部品、遮光部品により構成され、
該光透過部品と遮光部品は、格子状式の幾何構造を備え、しかもそれぞれBnW
【数6】

の水平幅を備え、内、nは、シーン数で、しかもn≧2で、
該光透過部品の水平幅BnW、該遮光部品の水平幅
【数7】

最適観賞距離Zn0、視差バリアーの設置距離LB、両目間の平均距離LE等のパラメータは、以下の基本的関係を備え、
【数8】

【数9】

【数10】

内、PnWは、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー対応の最小シーン画像表示ユニットの水平幅で、以下の式の関係を備え、
PnW = mPW
内、mは、正の整数で、
該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーの光透過部品の垂直幅BHは、
【数11】

であることを特徴とする請求項6に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項8】
前記デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー及び該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーに対して、観賞距離最適化の処理を行い、
該観賞距離最適化の条件は、該2個の視差バリアーがそれぞれ対応する該シーン画像最小表示ユニットの水平幅P2W、PnWが、相同の?を備え、P2W=PnWの関係を備え、m=3mの関係となることで、
これにより、該2個の視差バリアーは、相同の最適観賞距離を備えることを特徴とする請求項7に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項9】
前記観賞距離最適化の条件は、該m=3mの関係において、好ましくはm=1、m=3で、
該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアーにおいて、その光透過部品水平の開口が、ピクセル1個分の幅の画像に対応し、
該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーの光透過部品水平の開口が、サブピクセル3個分の幅の画像に対応し、
該2個の視差バリアーが対応する該最小シーン画像表示ユニットの水平幅がみな、ピクセルの幅であることを特徴とする請求項8に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項10】
前記観賞距離最適化の条件下において、しかもm=1、m=3の条件下において、
該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーのシーン数nは、それがn=2である時、該傾斜格子状式視差バリアーがデュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーである場合には、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアーと該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーは、相同の光透過部品水平幅BW0、相同の遮光部品水平幅
【数12】

相同の最適観賞距離Z0を備え、しかも以下の関係を備え、
【数13】

【数14】

【数15】

該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーの光透過部品垂直幅BH0は、
【数16】

であることを特徴とする請求項8、9に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項11】
前記デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーの構造は、該光透過部品と該遮光部品により、バリアー基本構造を構成し、
さらに、多数の該バリアー基本構造を、水平方向に沿って重複配列する方式により、バリアー水平線構造を構成し、
さらに、多数の該バリアー水平線構造を、垂直方向に沿って重複配列する方式により、該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーを構成し、
該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーを構成するすべての該バリアー水平線構造において、垂直方向上において、隣接する任意の2個の該バリアー水平線構造の水平方向の設置位置はみな、移動量Sだけ偏り、
該移動量はS=PWの関係を備えることを特徴とする請求項10に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項12】
前記マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアー用のマルチシーン3D合成画像において、該観賞距離最適化の条件が、m=1、m=3の関係を備える時、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーの光透過部品水平の開口が、サブピクセル3個分の幅の画像に対応する場合には、該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーが対応して表示する該マルチシーン3D合成画像 は、以下の式により表され、
【数17】

j≧iである時には、以下の式により表され、
【数18】

j<iである時には、以下の式により表され、
【数19】

内、nは、シーン数で、しかも、n≧2で、
【数20】

は、単一シーン画像で、Λは、単一シーン画像の通し番号で、しかも、0≦Λj<nの関係を備え、
i、jは、該フラットディスプレースクリーン上における、第i行と第j列サブピクセルの位置で、intは、商を求める関数で、Modは、余りを求める関数であることを特徴とする請求項5に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項13】
前記デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアーと該デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーは、該光透過部品開口の水平幅を適当に削減することで、その削減量は△BWで、光透過部品開口水平幅の最適化を達成することを特徴とする請求項10に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項14】
前記削減量△BWは、好ましくはBW0/3≦△BW≦2BW0/3の関係を備えることを特徴とする請求項13に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項15】
前記デュアルシーン用傾斜格子状式視差バリアーは、該光透過部品開口の垂直幅を適当に削減することで、光透過部品開口垂直幅の最適化を達成することを特徴とする請求項10に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。
【請求項16】
前記デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアーの設置方向について、
該フラットディスプレーの設置方向により、R、G、Bサブピクセルが水平方向に沿って配列する時には、該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアーを対応させて設置し、
該デュアルシーン用垂直ストリップ状式視差バリアー開口の長い方の辺を、該垂直の方向に平行に設置し、最適観賞距離上の最適視点位置において、該デュアルシーン3D合成画像に対して、水平方向上において、シーン分離の作用を行い、該デュアルシーン三次元画像の表示を達成し、
該フラットディスプレーの設置方向により、R、G、Bサブピクセルが垂直方向に沿って配列する時、マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーを対応させて設置し、
該マルチシーン用傾斜格子状式視差バリアーのバリアー水平線構造を、該水平の方向に平行に設置し、最適観賞距離上の最適視点位置において、該マルチシーン3D合成画像に対して、水平方向上において、シーン分離の作用を行い、該マルチシーン三次元画像の表示を達成することを特徴とする請求項6に記載の多機能液晶視差バリアーの装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−197676(P2011−197676A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64351(P2011−64351)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(508232633)原創奈米科技股▲ふん▼有限公司 (9)
【Fターム(参考)】