説明

多機能血圧計

【課題】従来の腕型血圧計で用いられる圧迫帯連結具と圧力測定方式とをそのまま用いて血圧及び呼吸を測定することができるので、簡単、かつ、容易に血圧測定と血圧降下訓練を行える多機能血圧計を提供する。
【解決手段】本発明は、人体の腕に取り付けられ空気の供給を受けて血圧を測定する血圧測定圧迫帯と、人体の腹部に取り付けられ空気の供給を受けて呼吸を測定し、血圧降下訓練ができるようにする呼吸測定圧迫帯と、前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯に空気を供給及び排気させ、測定された血圧または呼吸、脈拍などを表示し、前記呼吸測定圧迫帯を制御して血圧降下訓練用に切り替えられる本体とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多機能血圧計に関し、より詳細には、従来の腕型血圧計で用いられる圧迫帯と圧力測定方式とを用いて血圧を測定することができ、機能を変換して呼吸測定圧帯により呼吸を測定し、呼吸に対するバイオフィードバック機能を通じて血圧降下のための訓練が可能な多機能血圧計に関する。
【背景技術】
【0002】
高血圧は現代社会で致死率の高い3代疾患の1つと呼ばれるほど、深刻な問題として浮上している。
【0003】
高血圧の内でも気質的異常が見つからない本態性高血圧はストレス関連の障害であって、その原因は主に心理的な特質と生理的な素質にあると知られている。生理的な原因に対して接近する伝統的な薬物療法は、副作用の恐れがあるという問題があり、特に軽微な高血圧の場合には、副作用から薬物の使用をあまり勧めないため、心理学的な処置が必要な対象といえる。
【0004】
近年は薬物を用いることなく、心理学的な処置を施す、いわゆる3世代治療法であるバイオフィードバック訓練の効果が期待されている。
【0005】
即ち、血圧を下げるためのバイオフィードバック訓練方法として、皮膚電気反応法、筋電図法、温度フィードバック法及び呼吸法がある。
【0006】
そのうち、特に呼吸法の場合、腹部を利用する遅い深呼吸の誘導方法が最も効果的な血圧降下訓練法として知られている。
【0007】
呼吸量が少なくて効率が下がる胸式呼吸法とは異なり、腹部を利用する腹式呼吸法は最小限の努力で酸素と二酸化炭素が最大限に効率よく交換できるため、弛緩を促進するのに役立つ。
【0008】
胸を利用する呼吸を最大限抑制し、腹部を利用して深呼吸を持続的に行う場合、呼吸の速度が落ち、その結果、心臓の拍動数が減少して、究極には血圧が降下する原理を用いたものである。
【0009】
従って、このような呼吸バイオフィードバック訓練を通じて血圧降下の有意義な効果を得ることができるので、伝統的な薬物療法に対する補完的または補助的な処置方法として適用できる。
【0010】
従来の呼吸訓練装置の場合、伸縮性ベルトセンサであるストレインゲージを用いて呼吸を測定するようになっている。
【0011】
ストレインゲージの場合、価格が割高で、センサに直接の外力が加えられるので、センサの寿命が短くなり、回路構成が複雑になるという短所がある。
【0012】
そのため、血圧計に該当機能が含まれているとしても、内部的に別途のセンサ接続端子と回路構成及び零点調節のための別途の方法が必要になるという短所がある。
【0013】
そのような理由により、呼吸測定を通じた血圧降下訓練機能を備えた装置を血圧計と統合させることは回路と接続端子など完全に独立した別途の装置が必要であるため、非常に高い追加費用が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、従来の腕型血圧計で用いられる圧迫帯連結具と圧力測定方式とをそのまま用いて血圧及び呼吸を測定することができるので、簡単、かつ、容易に血圧測定と血圧降下訓練を行える多機能血圧計を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、従来の血圧計に既に取り付けられているモータポンプと弁を利用するようになっており、呼吸を測定するための別途の増幅回路やセンサが全く不要であるので、最小限の追加費用で血圧測定及び血圧降下訓練を行える多機能血圧計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明に係る多機能血圧計は、人体の腕に取り付けられ空気の供給を受けて血圧を測定する血圧測定圧迫帯と、人体の腹部に取り付けられ空気の供給を受けて呼吸を測定し、血圧降下訓練ができるようにする呼吸測定圧迫帯と、前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯に空気を供給及び排気させ、測定された血圧または呼吸、脈拍などを表示し、前記呼吸測定圧迫帯を制御して血圧降下訓練用に切り替えられる本体とを含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る多機能血圧計は、前記本体は、前記本体に電源を印加する電源部と、前記本体の動作機能を設定及び選択できる入力部と、前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯により測定された血圧と呼吸及び前記入力部により入力された血圧降下訓練時間、動作機能モードなどを表示する出力部と、前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯のチューブが連結されるチューブ連結具と、前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯に空気を供給する内部モータポンプと、前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯内部の空気圧力の変化を測定し、それを電気的な信号に変換させる圧力センサと、前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯内部の空気を排気させることができる排気弁と、前記入力部により選択された機能に応じて前記モータポンプの作動及び排気弁の開閉などを制御し、前記圧力センサから空気圧力変化の測定値の提供を受けて前記出力部に伝達し出力させる制御部とを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明に係る多機能血圧計は、前記出力部は、前記入力部により入力された前記本体の動作機能と前記制御部により伝達された空気圧力変化の測定値を視角で表示するためのディスプレイ窓または聴覚で表示するためのスピーカの何れか1つで備えられたものを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明に係る多機能血圧計は、前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯は、前記チューブ連結具を介して注入される空気が入る圧迫帯と、前記チューブ連結具と前記圧迫帯とを連結して空気を供給するか、排気させるチューブと、前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯を人体の腕または腹部に取り付けられるようにするベルトとを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明に係る多機能血圧計は、前記圧力センサと前記制御部との間には、圧力センサの信号を前記制御部に増幅させて伝達する増幅器が更に含まれることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る多機能血圧計は、前記モータポンプ及び排気弁は選択的に手作業により空気を供給するか、排気可能に備えられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
以上で詳述した本発明に係る多機能血圧計によれば、従来の腕型血圧計で用いられる圧迫帯連結具と圧力測定方式とをそのまま用いて血圧及び呼吸を測定することができるので、簡単、かつ、容易に血圧測定と血圧降下訓練を行えるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明は従来の血圧計に既に取り付けられているモータポンプと弁を利用するようになっており、呼吸を測定するための別途の増幅回路やセンサが全く不要であるので、最小限の追加費用で血圧測定及び血圧降下訓練を行えるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
従来の腕型血圧計の場合、腕に取り付けるための血圧測定圧迫帯と本体、そして血圧測定圧迫帯と本体を連結するチューブから構成されており、本体には血圧測定圧迫帯を連結するためのチューブ連結具が設けられている。
【0025】
このチューブ連結具により腕に取り付けた血圧測定圧迫帯の内部に空気を注入し、空気の圧力変化を感知して血圧を計算するようになっている。
【0026】
本発明に係る多機能血圧計は血圧を測定しようとするとき、本体に血圧測定用圧迫帯を連結して血圧を測定し、血圧降下訓練をしようとするときには血圧測定用圧迫帯を除去し、その代わりに呼吸測定圧迫帯を本体に装着して腹部の呼吸を測定できるようになっている。
【0027】
これは呼吸(吸気及び呼気)するときに人体の胸部及び腹部に体積の変化が発生するのを利用したものであって、内部の空気が漏れないように遮蔽された空気袋としての役割を果たす呼吸測定圧迫帯に一定の空気を注入し、使用者の腹部部分に呼吸測定圧迫帯を装着すれば、使用者が呼吸する際に発生する腹部の体積変化の動きが呼吸測定圧迫帯内の圧力を変化させ、それが本体内部の圧力センサに伝達されて圧力の変化量を通じて呼吸を測定でき、それにより血圧降下訓練を行えることになる。
【0028】
以下、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
しかし、これらの図面は例示的な目的があるだけであって、本発明がこれに限定されるのではない。
【0030】
図1は、呼吸測定圧迫帯の装着及び本体との連結を示す状態図である。
【0031】
図1を参照すれば、呼吸測定圧迫帯40を人体の腹部に取り付けるようにするベルト60が連結バックル61により装着され、長さ調節環62を用いて個人の腹囲に合うように調節される。
【0032】
前記ベルト60は伸縮性のない材質で備えられるのが効果的である。
【0033】
腹部に呼吸測定圧迫帯40を取り付けた後には圧迫帯50に設けられているチューブ51を本体20に連結する。
【0034】
前記チューブ51はシリコン材質であることが好ましく、血圧測定圧迫帯(図2の70)のチューブも同様である。
【0035】
チューブ51の一方の末端には接続具52が取り付けれており、接続具52を本体20のチューブ連結具(図示せず)に挿入することで、呼吸を測定するための準備が完了する。
【0036】
このとき、チューブ51が折れ曲がった場合、空気の注入及び呼吸の測定が不可能であるため、チューブ51が折れ曲がらないように気をつける。
【0037】
本体20の一部には入力部33、即ち複数の設定及び入力ボタン34が設けられており、それとは別に使用者が入力部34に入力した本体20の動作機能と呼吸測定圧迫帯40により測定される呼吸などの情報、血圧降下訓練と関連する内容を表示できるように出力部35即ち、LCD36が配置される。
【0038】
このとき、入力部33には血圧測定モードまたは呼吸測定モードへの切り替えが可能なモード変換ボタン34が含まれ、使用者の選択に応じて本発明に係る多機能血圧計10の機能を変換させることができる。
【0039】
そして、出力部35は視角的に表示するLCD36のようなディスプレイ窓で構成できるが、聴覚的に表示するためのスピーカ(図示せず)をともに用いることが好ましい。
【0040】
また、図示していないが、本体20の内部には本体20の駆動のために電源を印加する電源部(図示せず)が設けられる。
【0041】
本体20を駆動させるための電源は、外部コンセントなどに連結される電源線(図示せず)により提供されても、携帯用バッテリ(図示せず)などにより印加されてもよい。
【0042】
図2は、本発明に係る多機能血圧計システムの全体ブロック図である。
【0043】
図2を参照すれば、血圧を測定する場合には、使用者の腕に血圧測定圧迫帯70を取り付けた後に血圧測定圧迫帯70に設けられているチューブの接続具(図示せず)を本体20のチューブ連結具(図示せず)に挿入させ、呼吸測定または血圧降下訓練を行う場合には、血圧測定圧迫帯70を除去した後に使用者の腹部に呼吸測定圧迫帯40を取り付け、やはりチューブ51の接続具52を本体20のチューブ連結具(図示せず)に挿入させる。
【0044】
本体20の内部には血圧測定または呼吸測定圧迫帯70、40内部の空気圧力の量を測定し、測定された値を電気的な電圧信号に変換する圧力センサ21と、圧力センサ21により変換された電圧信号を増幅させる増幅器22、そして増幅器22により拡大された電圧信号を出力部35を介して出力させる制御部30が設けられる。
【0045】
また、制御部30では使用者が入力部33により設定及び選択する動作に応じてモータポンプ31の作動及び排気弁32の開閉を制御する。
【0046】
血圧測定または呼吸測定圧迫帯70、40のチューブ51が連結されるチューブ連結具(図示せず)と本体20の内部に設けられている圧力センサ21、モータポンプ31及び排気弁32は互いに連結されているため、血圧測定または呼吸測定圧迫帯70、40の内部への空気の注入と空気圧力の維持及び圧力の測定が、いずれもチューブ連結具(図示せず)を通じて全て行われる。
【0047】
図3は、本発明に係る呼吸測定圧迫帯の構造図である。
【0048】
図3を参照すれば、呼吸測定圧迫帯40に空気が注入されても漏れないように連結部53を除いては全ての部分が遮蔽される。
【0049】
柔軟なプラスチックビニル材質で形成される圧迫帯50は、一対のベルト連結板63を通じてベルト60に連結され、連結部53から始まったチューブ51は約50〜60cmの長さで構成され、チューブ51の終端には接続具52が設けられて本体20のチューブ連結具(図示せず)に取り付けられる。
【0050】
以下では、前記のように構成された本発明の動作について説明する。図面では血圧測定圧迫帯の使用に関する部分が省略されているが、本発明の特徴に大きな影響を及ぼさない上、従来用いられている方法であるので、関連図面を省略している。
【0051】
図4は、本発明に係る血圧降下訓練の順序を示す順序図、図5は、本発明に係る血圧降下訓練の段階順序図である。
【0052】
前記Amaxは呼吸大きさの最大値を、Aminは呼吸大きさの最小値を、Rthは基準呼吸大きさの値を表す。
【0053】
図4乃至図5を参照すれば、血圧降下訓練を行うために、まず血圧測定圧迫帯70を除去し、腹部に呼吸測定圧迫帯40を取り付けた後にチューブ51を本体20のチューブ連結具(図示せず)に接続させる(S20)。
【0054】
前記呼吸測定圧迫帯40を取り付ける前に使用者が血圧降下訓練に関連する様々な設定(訓練時間の設定など初期設定段階、(S10)をすることができ、工場で製品の出荷時に基本的に設定しておいた血圧降下訓練モードを用いることもできる。
【0055】
製品の出荷時に基本的に設定しておいた血圧降下訓練モードを用いる場合は、初期設定段階(S10)は省略され、以下で説明するのは製品の出荷時に基本的に設定されているものを活用する。
【0056】
本体20の外部に配置されている入力部33の複数のボタン34のうち、モード変換ボタンを押すと、血圧測定モードから血圧降下訓練モードへ切り替えられる(S30)。
【0057】
このとき、血圧測定モードを用いる時や血圧降下訓練モードを用いる時には、血圧測定または呼吸測定圧迫帯70、40に空気を注入する前に自動零点調節を実施して基準値を0に合せる過程が1〜2秒間行われる(S40)。
【0058】
自動零点調整(S40)が終了した後には呼吸測定圧迫帯70の内部に空気を注入するために排気弁32を閉鎖させ、モータポンプ31を用いて徐々に加圧し始める(S50)。
【0059】
加圧する途中でも使用者の呼吸は続けられ、圧力センサ21で呼吸の大きさに応じた呼吸測定圧迫帯70の内部空気の圧力変化を通じて息を吐いた状態の最大呼吸大きさ値(Amax)と、息を吸った状態の最小呼吸大きさ値(Amin)を感知する。
【0060】
この最大値と最小値との差値を予め設定された基準呼吸大きさ値Rthと比較し、差値が基準呼吸大きさ値Rthを超えると(S60)、制御部30ではモータポンプ31の作動を中止させて加圧を中止させ、本格的な訓練を準備する(S70)。
【0061】
本発明で設定した血圧降下のための呼吸訓練の目標は5秒間息を吸い込んだ後、5秒間息を吐き出す呼吸を15分間行う(S80)。これは使用者が初期設定段階(S10)で別途に設定することができる。
【0062】
訓練の初期には吸気を指示するようになるが、出力部35、即ちLCD36とスピーカ(図示せず)を介してディスプレイ及びブザー音または人間の音声などを発生させて同時に息を吸い込むように指示する。
【0063】
吸気の指示があってから、使用者は最大限に胸の動きを抑制し、腹部のみを利用して息を吐き出す呼吸をする。
【0064】
このとき、最大限に腹部の動きを誘導するために、使用者に自分の腹部の動きをフィードバックさせることができるようにLCD36にバーグラフ(図7の92)などを用いて呼吸の吸気の状態を表示させることが良い。
【0065】
吸気の場合、空気が肺の内部へ流入する過程であるので、腹部が膨張して呼吸測定圧迫帯40の内部圧力が増加する。
【0066】
5秒間持続的に圧力が増加すれば、成功的に吸気訓練が達成したことになるので、後で呼気の指示をLCD36とブザー音または人間の音声などにより表示する。
【0067】
呼気の場合は肺の内部の空気が抜け出るので、腹部が収縮して呼吸測定圧迫帯40内部の圧力が減少する。
【0068】
5秒間持続的に圧力が減少すれば、成功的に呼気訓練が達成したことになるので、後で再び吸気を指示する。
【0069】
このような訓練を15分間実施すれば、自動的に訓練を止め、排気弁32を急速排気させて呼吸測定圧迫帯40内部の空気を全て放出させ、訓練を終了する(S90)。
【0070】
ここで、呼吸測定圧迫帯40内部の圧力が増加(減少)、即ち呼吸波形が上昇(下降)しない場合、制御部では呼吸波形が上昇(下降)するまで待機する。
【0071】
このとき、待機時間を設定して一定時間が過ぎても呼吸波形が上昇(下降)しない場合、再び吸気(呼気)を指示するように構成することもできる。
【0072】
図6は、血圧降下訓練モードの訓練順序に係る呼吸測定圧迫帯内部の圧力変化図である。
【0073】
図6を参照すれば、まず血圧降下訓練モードを選択し、自動零点調整が終了した後にモータポンプ31を用いて呼吸測定圧迫帯40の内部へ空気を注入し、 持続的に圧力が上昇する。
【0074】
呼吸測定圧迫帯40を用いて使用者の呼吸を測定できるだけの十分な量の空気が注入されれば、制御部30ではモータポンプ31の作動を中止させて加圧を中止するようになり、本格的な血圧降下訓練が開始する。
【0075】
5秒間隔の吸気と呼気が腹部の持続的な動きを通じて成功的に15分間達成されれば、制御部30では排気弁32を開放することで、急速排気をするようになり、訓練を終了させ、呼吸測定圧迫帯40内部の圧力は0mmHgまで下降する。
【0076】
図7は、血圧測定モード及び血圧降下訓練モードにおける出力部のうちのLCDの画面構成図である。
【0077】
図7を参照すれば、血圧測定モードではLCD80が大きく2つの部分に設けられており、測定後に拡張期及び弛緩期81、82を表示させている。
【0078】
測定前は自動零点調整過程が必須であるので、この時に排気弁32の排気状態を表示するための排気表示部85が設けられている。
【0079】
血圧測定が開始すれば、制御部30ではモータポンプ31を作動させて血圧測定圧迫帯70に空気を供給して加圧し始めるが、このとき、加圧状態を表示するために加圧表示部84が設けられており、血圧測定中には脈拍表示部83を通じて脈の発生状態を表示するように構成される。
【0080】
血圧測定モードとは異なり、血圧降下訓練モードを行う場合、LCD90画面に表示される数字と記号はそれぞれ異なる役割を果たす。
【0081】
まず、拡張期の血圧81を表示するのに用いた部分は訓練進行時間がどれ程経過しているのか分かるように訓練時間表示部91で示す。
【0082】
そして、血圧測定モードで加圧表示部84と排気表示部85として用いられた表示はそれぞれ訓練時に吸気及び呼気指示部93、94として用いられる。
【0083】
また、吸気記号表示部95と呼気記号表示部96との間には多数の長方形からなる呼吸大きさ表示部92が設けられて使用者の腹部動きの状態を表示することで、視覚的なバイオフィードバックを提供するように構成されている。
【0084】
ここで、使用者の腹部動きの状態を表示するために多数の長方形の記号を用いたが、面白いキャラクタの動きなどで表示して血圧降下訓練の際に一種の遊戯を楽めるようにすることも好ましい。
【0085】
本発明では、血圧降下訓練時に吸気、呼気の間隔が5秒であり、全体の訓練時間は15分であると説明したが、使用者の設定に応じてそれぞれの訓練時間を加減できるようにすることが好ましい。
【0086】
本発明では、本体を駆動させるに際して、電源が印加されて制御部で自動的にモータポンプの作動と弁の開閉を制御すると説明したが、本体に印加される電源がない場合、モータポンプ及び排気弁は手動的に空気を供給及び排気させることのできる手動空気ポンプ及び手動排気弁から構成されることが好ましい。
【0087】
このように、本発明の属する技術分野における従事者であれば、本発明がその技術的思想や必須特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できるということが理解できるだろう。
【0088】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係る呼吸測定圧迫帯の装着及び本体との連結を示す状態図である。
【図2】本発明に係る多機能血圧計システムの全体ブロック図である。
【図3】本発明に係る呼吸測定圧迫帯の構造図である。
【図4】本発明に係る血圧降下訓練の順序を示す順序図である。
【図5】本発明に係る血圧降下訓練の段階順序図である。
【図6】本発明に係る血圧降下訓練モードの訓練順序に係る呼吸測定圧迫帯内部の圧力変化図である。
【図7】血圧測定モード及び血圧降下訓練モードにおける出力部のうちのLCDの画面構成図である。
【符号の説明】
【0090】
10 多機能血圧計
20 本体
21 圧力センサ
22 増幅器
30 制御部
31 モータポンプ
32 排気弁
33 入力部
34 ボタン
35 出力部
36 LCD
40 呼吸測定圧迫帯
50 圧迫帯
51 チューブ
52 接続具
53 連結部
60 ベルト
61 連結バックル
62 長さ調節環
63 ベルト連結板
70 血圧測定圧迫帯
80 血圧測定モードにおけるLCD
81 拡張期血圧表示部
82 弛緩期血圧表示部
83 脈拍表示部
84 加圧表示部
85 排気表示部
90 血圧降下訓練モードにおけるLCD
91 訓練時間表示部
92 呼吸大きさ表示部
93 吸気指示部
94 呼気指示部
95 吸気記号表示部
96 呼気記号表示部
B 腹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の腕に取り付けられ空気の供給を受けて血圧を測定する血圧測定圧迫帯と、
人体の腹部に取り付けられ空気の供給を受けて呼吸を測定し、血圧降下訓練ができるようにする呼吸測定圧迫帯と、
前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯に空気を供給及び排気させ、測定された血圧または呼吸、脈拍などを表示し、前記呼吸測定圧迫帯を制御して血圧降下訓練用に切り替えられる本体と
を含むことを特徴とする多機能血圧計。
【請求項2】
前記本体は、
前記本体に電源を印加する電源部と、
前記本体の動作機能を設定及び選択できる入力部と、
前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯により測定された血圧と呼吸及び前記入力部により入力された血圧降下訓練時間、動作機能モードなどを表示する出力部と、
前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯のチューブが連結されるチューブ連結具と、
前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯に空気を供給する内部モータポンプと、
前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯内部の空気圧力の変化を測定し、それを電気的な信号に変換させる圧力センサと、
前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯内部の空気を排気させることができる排気弁と、
前記入力部により選択された機能に応じて前記モータポンプの作動及び排気弁の開閉などを制御し、前記圧力センサから空気圧力変化の測定値の提供を受けて前記出力部に伝達し出力させる制御部と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の多機能血圧計。
【請求項3】
前記出力部は、前記入力部により入力された前記本体の動作機能と前記制御部により伝達された空気圧力変化の測定値を視角で表示するためのディスプレイ窓または聴覚で表示するためのスピーカの何れか1つで備えられたものを含むことを特徴とする請求項2に記載の多機能血圧計。
【請求項4】
前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯は、
前記チューブ連結具を介して注入される空気が入る圧迫帯と、
前記チューブ連結具と前記圧迫帯とを連結して空気を供給するか、排気させるチューブと、
前記血圧測定または呼吸測定圧迫帯を人体の腕または腹部に取り付けられるようにするベルトと
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の多機能血圧計。
【請求項5】
前記圧力センサと前記制御部との間には、圧力センサの信号を前記制御部に増幅させて伝達する増幅器が更に含まれることを特徴とする請求項2に記載の多機能血圧計。
【請求項6】
前記モータポンプ及び排気弁は選択的に手作業により空気を供給するか、排気可能に備えられることを特徴とする請求項2に記載の多機能血圧計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−507319(P2008−507319A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522413(P2007−522413)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【国際出願番号】PCT/KR2005/002177
【国際公開番号】WO2006/028325
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(507024253)
【Fターム(参考)】