説明

多段式化粧用組成物

【課題】化粧用の皮膚科学的組成物の系、及び、生体表面の視覚的特性を変化させることで、自然で欠点のない見た目をもたらすような、生体表面の美的外観を処置し改善する方法を提供する。
【解決手段】本発明の組成物は、有色素性の下塗りと拡散性の下塗りとの2種の組成物から構成される。本発明に係る組成物は、肌をはじめとする生体表面に、生体表面の美観及び自然な見た目を改善するような分量で、局所的に塗布される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧用、皮膚処理用、又は、製薬用の複数の組成物から構成される系とその使用法とに広く関する。特に、本発明は、化粧用組成物から構成される系と生体表面の見た目を改善するためのその使用法とに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品産業では、自然な仕上がりとなるように肌の見た目を改善する局所適用可能な製品を開発することへの要求が高まっている。理想的には、肌をはじめとする生体表面は、均一な色合いで滑らかで平らな表面の、見て取れる欠陥のない、透明感ある見た目であるべきである。そこで、経年老化又はホルモン老化した肌、或いは、光老化した肌の皮膚科学的徴候を、例えば、小皺、皺、乾燥肌、たるんだ肌、又は、皮膚基質の進行性の劣化などを、緩和し又はその出現を遅らせることが、日光、汚染物質、煙などの環境要因により損傷を受けた肌の見た目を改善することと並んで、消費者の関心事となっている。そのため、欠点のない自然な見た目に化粧することを助ける化粧品が望まれている。
【0003】
しかし、完璧で欠点のない自然な見た目に化粧することは、望ましい発色と被覆率とを提供するような化粧品素材が、一般的に不透明であり、肌の鮮やかで自然な透明感を損なう傾向があるため、難しい。不透明性の低い色素又は粒子も調達できるものの、こうした色素又は粒子では、肌などの生体表面にある欠点を隠蔽又はカムフラージュするために十分な被覆率を得ることができない可能性がある。また、化粧品素材が、小皺又は皺に溜って、肌表面の欠点又は欠陥を際立たせ、こうした欠点又は欠陥により、でこぼこで不自然な見た目がもたらされる可能性がある。そこで、光の屈折率及び反射率を最適化し、光をより拡散させることで、消費者のお肌の皺と欠陥とを少なく見せるような組成物と製造方法とが望まれている。
【0004】
現在のところ、小皺及び皺を効果的にぼかし、並びに、肌の色合いを若々しく自然な見た目にするため、染み、そばかす、及び、傷を隠すために必要な掩蔽物を提供するような、局所肌用彩色化粧製品との間には技術的な隔たりがある。見た目の小皺及び皺を減らす典型的な方法としては、例えば、肌をぼかし又は肌にソフトフォーカス効果を与える方法、或いは、顔を不自然な感じに塗ることになりかねないが、小皺及び皺を不透明な色素で覆う方法などがある。また、典型的な無機化粧用色素をソフトフォーカス充填剤と共に加えると、ぼかし効果が薄れる上に、この混合物を肌に塗ると、不透明で粉を吹いた不自然な見た目となる。典型的な一段式のファンデーションでは、一般的に、不自然な見た目の原因となり得るような不透明度の高い色素が用いられている。また、小皺及び皺に色素が移動して堆積することで、小皺及び皺が強調されることが観察されることもある。また、下塗りに沿って塗られる不透明な上塗りを用いる2段式のファンデーションでは、下塗りがもたらす効用は外からは見えないので、小皺及び皺を十分に減らすことができない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第03/105790号パンフレット
【特許文献2】国際公開第O01/66067号パンフレット
【特許文献3】米国特許第5,847,003号
【特許文献4】米国特許第5,834,513号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“Quantification of the Soft Focus Effect”、Cosmetics & Toiletries、111号、1996年7月
【非特許文献2】“A Natural−Looking Makeup”、Cosmetics & Toiletries、112号、1997年
【非特許文献3】“Measuring Soft Focus Properties of Cosmetic Filler Particles”、HAPPI、2003年8月
【非特許文献4】“Optics”(第4版)、Eugene Hecht著、2002年
【非特許文献5】“CRC Handbook of Chemistry and Physics”、86版、2005−2006年
【非特許文献6】“Cosmetic Ingredient Dictionary(ICID)and Handbook”、Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association(CTFA)刊、10版(2004年)
【非特許文献7】“Method of Treating a Skin Condition,”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、肌の美観を改善するための化粧用組成物の系とその使用法とが求められている。均一な色合いで滑らかで平らな生体表面の、見て取れる欠陥のない、透明感ある見た目、をもたらするような組成物から構成される安全で効果的な系は、肌をはじめとする生体表面向けの処置及び製品の設計に有益であると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、化粧用、皮膚処理用、又は、製薬用の化粧用組成物の系とその使用法とを提供することである。特に、本発明の目的は、使用者の肌の色合いに調和し、傷を隠し、並びに、小皺及び皺をぼかす機能を有する化粧用組成物の系を提供することである。
【0009】
本発明の目的は、各化粧用組成物が、生体表面の見た目に影響を与える特徴を1つ以上改良する機能を有するような、複数の化粧用組成物から構成される系を提供することである。本発明のさらなる目的は、生体表面の見た目を改善することへの各組成物による寄与を最適化するように化粧品系を構成する組成物を用いる方法を提供することである。
【0010】
本発明の目的は、下塗りとなる第1の組成物と上塗りとなる第2の組成物との2種の化粧用組成物から構成される系を提供することである。本発明のさらなる目的は、有色素性の下塗りと拡散性の上塗りとを提供することである。本発明のさらなる目的は、2種の化粧用組成物から構成される系を用いる方法であって、先ず生体表面に下塗りを塗布する工程と、次に下塗りに上塗りを塗布する工程と、からなる方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、先ず生体表面に有色素性の下塗りを塗布する工程と、次に有色素性の下塗りに拡散性の上塗りを塗布する工程と、からなる方法を提供することである。
【0011】
本発明の目的は、傷を隠すための第1の組成物と小皺及び皺をぼかすための第2の組成物との2種の化粧用組成物から構成される系を提供することである。本発明のさらなる目的は、先ず生体表面に傷を隠すための組成物を下塗りとして塗布する工程と、次に小皺及び皺をぼかすための組成物を上塗りとして塗布する工程と、からなる方法を提供することである。本発明のまたさらなる目的は、第1の組成物と第2の組成物とを組み合わせて使用することで、生体表面の見た目を改善することである。
【0012】
本発明の別の目的では、第1の組成物と第2の組成物とは、順番に、表面(例えば、生体表面)に、塗布される。特に、第1の化粧用組成物は、下塗りとして生体表面に塗布され、続いて、第2の化粧用組成物は、上塗りとして第1の化粧用組成物の上に塗布される。本発明のさらなる目的においては、光拡散特性を制御するため、第1及び第2の化粧用組成物は、それぞれ、異なる屈折率を有する。特に、側方への最適な光拡散を得るために、第1の化粧用組成物の屈折率は、第2の化粧用組成物の屈折率よりも高い。
【0013】
本発明の別の目的においては、光拡散特性を制御するため、第1の化粧用組成物(下塗り)は、第2の化粧用組成物(上塗り)とは異なる拡散透過率を有する。特に、第1の化粧用組成物は、第2の化粧用組成物よりも低い拡散透過率を有する。本発明のまた別の目的においては、光拡散特性を制御するため、第1の化粧用組成物(下塗り)は、第2の化粧用組成物とは異なる反射率を有する。特に、第1の組成物(下塗り)は、第2の組成物(上塗り)よりも高い反射率を有する。
【0014】
本発明のさらなる目的は、肌で独特の視覚的効果を生じる2種の化粧用組成物から構成される系を提供することである。また別の目的は、2種の化粧用組成物を効果的な分量で生体表面に順次塗布することにより生体表面の美観又は自然な見た目を改善する方法を提供することである。小皺、皺、たるんだ肌、表面欠陥、及び、染みなどの、損傷を受けた肌、経年老化又はホルモン老化した肌、或いは、光老化した肌の皮膚科学的徴候の見た目への現れを弱めるように、本組成物は塗布される。
【発明の効果】
【0015】
本発明のこれら及びその他の目的及び利点並びにその均等物は、肌などの生体表面の美観及び自然な見た目を改善するための、2種の化粧用組成物から構成される系、及び、局所適用向けの当該組成物を用いた方法によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】1段式のファンデーションを肌に用いた場合の光が拡散する様子を示す模式図である。
【図2】2段式のファンデーション(拡散性の下塗り及び有色素性の上塗り)を肌に用いた場合の光が拡散する様子を示す模式図である。
【図3】2段式のファンデーション(有色素性の下塗り及び拡散性の上塗り)を肌に用いた場合の光が拡散する様子を示す模式図である。
【図4】拡散性の上塗りと組み合わせた有色素性の下塗りの拡散透過率を、有色素性の上塗りと組み合わせた拡散性の下塗りと比較して示すグラフである。
【図5】拡散性の上塗りと組み合わせた有色素性の下塗りの反射率を、有色素性の上塗りと組み合わせた拡散性の下塗りと比較して示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上記の目的及びその他の詳細について、本発明は、例えば、経年変化、生体表面への外因性の損傷、又は、生まれつきの欠陥を持つ生体表面の美観を改善するような化粧用組成物から構成される系を提供することによって、先行技術に関する欠点を克服する。生体表面又は合成生体表面に一旦適用されると、化粧用組成物から構成される系とそれに係る方法とは、生体表面の美観を改善するために、拡散透過率及び反射特性を高めることで、生体表面の見た目を変えることにより、当該表面の見た目を改善する。生体表面の、例えば、これらに制限されるわけではないが、肌、ケラチン組織、髪、及び、爪などの美観は、本発明の組成物を当該生体表面に、毎日、又は、自然な見た目が望まれるとき、局所的に塗布することにより実現され得る。
【0018】
本発明に係る化粧用組成物から構成される系は、化粧用組成物の光学的特性を変化させ、掩蔽物、不透明性、被覆率、ぼかし、及び、自然な見た目をもたらす。化粧用組成物から構成される系は、下塗りとなる第1の組成物と上塗りとなる第2の組成物との2種の化粧用組成物からなる。本系における化粧用組成物は、肌への局所的な適用に向いている。『下塗り』という語は、本明細書では、下地に直接塗布される化粧品の層を指す。下地は、好ましくは、肌などの生体表面である。『上塗り』という語は、本明細書では、異なる化粧品の層の上に塗布される化粧品の層を指す。上塗りは、好ましくは、下塗りに塗布される。
【0019】
本発明に係る化粧用組成物から構成される系は、有色素性の下塗りと拡散性の上塗りとを提供する。有色素性の下塗りは、肌の色合いと調和し、傷又はそばかすを隠すために用いられる。拡散性の上塗りは、小皺及び皺をぼかすために用いられる。有色素性の下塗りを生体表面に塗布した後、拡散性の上塗りを下塗りに塗布する。上塗りは、拡散剤、塗膜形成剤、及び、化粧品又は薬剤として許容可能な担体から構成され得る。下塗りは、色素、及び、化粧品又は薬剤として許容可能な担体から構成され得る。下塗りは、典型的なファンデーションベースであり得る。
【0020】
ぼかし、ソフトフォーカス効果、あるいは、小皺又は皺を隠蔽する能力、の効率は、拡散透過率の関数であると考えられる(非特許文献1、57ページ)(なお、非特許文献1の記載を参照により本明細書に取り込む)。また、非特許文献2の39ページ、及び、非特許文献3の記載も参照により本明細書に取り込む。変角分光光度計、例えば、村上色彩技術研究所の型番GSP−1Bなど、によって、反射率モード並びに透過率モードにおける角度の関数として色を測定することができる。拡散性の上塗りは、無色、又は、僅かな薄い色であり得る。
【0021】
拡散性の上塗りは、ガラスプレート上に載せた約10ミクロンの薄いフィルム状で、20パーセント以上の、好ましくは、30パーセント以上の、さらに好ましくは、40パーセント以上の拡散透過率を有することを特徴とし得る。ある実施形態では、拡散性の上塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約55パーセント以上の拡散透過率を有する。別の実施形態では、拡散性の上塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約60パーセント以上の拡散透過率を有する。別の実施形態では、拡散性の上塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約65パーセント以上の拡散透過率を有する。ある実施形態では、拡散性の上塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約64パーセントの拡散透過率を有する。拡散性の上塗りは、ガラスプレート上に載せた約10ミクロンの薄いフィルム状で、60パーセント以下の、好ましくは、50パーセント以下の、さらに好ましくは、40パーセント以下の反射率を有することを特徴とし得る。ある実施形態では、拡散性の上塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約20パーセント以下の反射率を有する。別の実施形態では、拡散性の上塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約15パーセント以下の反射率を有する。別の実施形態では、拡散性の上塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約10パーセント以下の反射率を有する。ある実施形態では、拡散性の上塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約12パーセントの反射率を有する。
【0022】
有色素性の下塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、50パーセント以下の、好ましくは、40パーセント以下の、さらに好ましくは、30パーセント以下の拡散透過率を有することを特徴とし得る。ある実施形態では、有色素性の下塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約30パーセント以下の拡散透過率を有する。別の実施形態では、有色素性の下塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約25パーセント以下の拡散透過率を有する。別の実施形態では、有色素性の下塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約20パーセント以下の拡散透過率を有する。ある実施形態では、有色素性の下塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約25パーセントの拡散透過率を有する。有色素性の下塗りは、ガラスプレート上に載せた約10ミクロンの薄いフィルム状で、10パーセント以上の、さらに好ましくは、20パーセント以上の反射率を有することを特徴とし得る。ある実施形態では、有色素性の下塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約15パーセント以上の反射率を有する。ある実施形態では、有色素性の下塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約20パーセント以上の反射率を有する。ある実施形態では、有色素性の下塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約25パーセント以上の反射率を有する。ある実施形態では、有色素性の下塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約30パーセント以上の反射率を有する。ある実施形態では、有色素性の下塗りは、約10ミクロンの薄いフィルム状で、約25パーセントの反射率を有する。
【0023】
有色素性の下塗りと拡散性の上塗りとから構成される本発明に係る化粧品系では、上記のように、上塗りの拡散透過率が高く、且つ、下塗りの反射率が高いことが望ましい。本発明に係る化粧品系は、約10ミクロン薄いフィルム状の有色素性の下塗りの上に約10ミクロンの薄いフィルム状の上塗りを塗布した状態で、約10パーセント以上の、さらに好ましくは、約20パーセント以上の、さらに好ましくは、約30パーセント以上の拡散透過率を有することを特徴とし得る。本発明に係る化粧品系は、約10ミクロン薄いフィルム状の有色素性の下塗りの上に約10ミクロンの薄いフィルム状の上塗りを塗布した状態で、約10パーセント以上の拡散透過率を有することを特徴とし得る。ある実施形態では、本発明に係る化粧品系は、約10ミクロン薄いフィルム状の有色素性の下塗りの上に約10ミクロンの薄いフィルム状の上塗りを塗布した状態で、約15パーセントの拡散透過率及び約75パーセントの反射率を有する。ある実施形態では、本発明に係る化粧品系は、約10ミクロン薄いフィルム状の有色素性の下塗りの上に約10ミクロンの薄いフィルム状の上塗りを塗布した状態で、約25パーセントの拡散透過率及び約25パーセントの反射率を有する。
【0024】
拡散性の上塗りと有色素性の上塗りとは、それぞれ、屈折率を有する。最適の光拡散を得るために、拡散性の上塗りの屈折率は、好ましくは、有色素性の下塗りの屈折率よりも小さい。様々な材料の屈折率は、屈折計を用いて測定され得る。屈折の原理に関する詳細は、非特許文献4に、見ることができるだろう。材料の屈折率に関しての詳細は、非特許文献5に、見ることができるだろう。この記載を参照により本明細書に取り込む。
【0025】
有色素性の下塗りの屈折率は、約1.38から3.52の間、好ましくは、約1.40から3.50の間、さらに好ましくは、約1.42から3.40の間、であり得る。ある実施形態では、有色素性の下塗りは、約1.42から1.60の間の屈折率を有する。この屈折率の範囲の色素には、これらに制限されるわけではないが、酸化チタン(ルチル又はアナターゼ)、酸化亜鉛、及び、酸化鉄などが挙げられる。本発明のある実施形態では、下塗りの色素材料は、屈折率が約2.50の酸化チタン(アナターゼ)である。
【0026】
拡散性の上塗りの屈折率は、約1,30から2.20の間、さらに好ましくは、約1.40から2.00の間であり得る。本発明のある実施形態では、拡散性の上塗りは、約1.50の屈折率を有する。別の実施形態では、拡散性の上塗りは、屈折率が約1.53のナイロンを含有する。別の実施形態では、拡散性の上塗りは、屈折率が約1.46のシリカビーズからなる光拡散粒子を含有する。
【0027】
本発明に適合可能な無機色素としては、これらに制限されるわけではないが、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び、酸化セリウム、並びに、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、及び、フェリックブルーが挙げられる。本発明に適合可能な有機色素としては、これらに制限されるわけではないが、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、アルミニウムレーキ、及び、カーボンブラックなどが挙げられる。所望の効果を生じるような任意の色素材料が本発明の組成物として使用可能であり、こうした色素材料としては、これらに制限されるわけではないが、酸化チタン、酸化鉄、及び、酸化アルミニウムなどの金属酸化物が挙げられる。化粧品工業で用いられる典型的な色素に関しては、非特許文献6を参照のこと。
【0028】
拡散性の上塗りでの使用に向いているような、本発明に適合可能な光拡散剤としては、これらに制限されるわけではないが、ナイロン、ポリウレタン、シリカビーズ、トスパール(モメンティブ社)、ヴェルヴシル(モメンティブ社)などのシリコーンクロスポリマー、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、例えば、テフロン(登録商標))、ポリメチルシロキサン、セルロースビーズ、窒化ホウ素、マイカ、ポリウレタン粉末、セリサイト、シリカ、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、シリコーン粉末、及び、これらの組み合わせ、が挙げられる。拡散性の上塗りでの使用に向いているような、本発明に適合可能な光拡散剤としては、これらに制限されるわけではないが、ナイロン、ポリウレタン、シリカビーズ、トスパール(モメンティブ社)、ヴェルヴシル(モメンティブ社)などのシリコーンエラストマー、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、例えば、テフロン(登録商標))、ポリメチルシロキサン、セルロースビーズ、窒化ホウ素、マイカ、ポリウレタン粉末、セリサイト、シリカ、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、シリコーン粉末、及び、これらの組み合わせ、が挙げられる。組成物全重量に対する光拡散剤の割合は、好ましくは、約0.01から50重量%である。
【0029】
拡散剤の上塗りでの使用に向いているような、本発明に適合可能な塗膜形成剤としては、これらに制限されるわけではないが、スルホポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールポリマー、アクリル樹脂、シリコーンアクリレートポリマー(信越化学などから調達可能)、ポリビニルピロリドン、高分子量シリコーン、オルガノシロキサン、ポリウレタン、疎水性アクリレートコポリマー、並びに、先行技術で知られる他の材料が挙げられる。こうした先行技術としては、例えば、特許文献1があり、この明細書の記載を参照により本明細書に取り込む。組成物全重量に対する塗膜形成剤の割合は、好ましくは、約0.01から20重量%である。
【0030】
拡散剤の上塗りでの使用に向いているような、本発明に適合可能な、化粧品として許容可能な担体としては、これらに制限されるわけではないが、乳剤、ジェル、クリーム、ローション、及び、以下で記載する先行技術で既知のその他の担体など、が挙げられる。上塗りは、無水(anhydrous)物(炭化水素又はシリコーン系)、或いは、乳剤であり得る。
【0031】
本発明のある実施形態では、有色素性の下塗りは、直接生体表面に塗布される。有色素性の下塗りを生体表面に塗布した後、拡散性の上塗りを下塗りの上に塗布する。有色素性の下塗りと拡散剤の上塗りとは、好ましくは、互いに相性が良い。
【0032】
下塗りと上塗りとは、それぞれ、可視光の散乱挙動を変更可能であり、これにより、生体表面の、皺、小皺、又は、欠陥を隠蔽する化粧用組成物中で役立つようなソフトフォーカス効果、又は、ぼかし効果を提供する。下塗りと上塗りとの間の屈折率の差は、約0.01から1.50の間であり得る。本発明のある実施形態では、下塗りと上塗りとの間の屈折率の差は、約1.0以下である。本発明のある実施形態では、下塗りと上塗りとの間の屈折率の差は、約0.2である。ある実施形態では、下塗りは、肌の色合いと調和し、且つ、傷を隠すように、着色されている。上塗りは、小皺及び皺をぼかすために、無色、又は、僅かな薄い色であり得る。好ましくは、有色素性の下塗りは肌の色合いと調和し、且つ、傷を隠すように設けられ、並びに、無色の上塗りは、小皺及び皺をぼかすように設けられる。
【0033】
下塗りは、約1.0から20ミクロンの間の厚さの層状に、皮膚に、塗布され得る。下塗りは、好ましくは、厚さ約10ミクロンの層状にある。上塗りは、約1.0から20ミクロンの間の厚さの層状に、下塗りに、塗布され得る。上塗りは、好ましくは、厚さ約10ミクロンの層状にある。上塗りと下塗りとの厚さの合計は、好ましくは、約20ミクロン以下であり、さらに好ましくは、2.0から20ミクロンの間である。ある実施形態では、上塗りは、約2.0mg/cmの量で塗布される。ある実施形態では、下塗りは、約2.0mg/cmの量で塗布される。
【0034】
本発明のある実施形態では、第1の化粧用組成物と第2の化粧用組成物とから構成される化粧品系が提供される。化粧品系は、好ましくは、2種の組成物から構成される化粧道具として提供される。ある実施形態では、2種の化粧用組成物を効果的な分量で生体表面に順次塗布することにより生体表面の美観又は自然な見た目を改善する方法が提供される。
【0035】
ある実施形態では、生体表面に有色素性の下塗りを塗布する工程と、続いて、有色素性の下塗りに拡散性の上塗りを塗布する工程と、からなる方法が提供される。拡散剤の上塗りは、有色素性の下塗りが生体表面に塗布された後、該有色素性の下塗りに、好ましくは、約10分以下のうちに、さらに好ましくは、約7分以下のうちに、最も好ましくは、約5分以下のうちに、塗布される。
【0036】
代替実施形態では、3種以上の組成物が提供される。こうした実施形態の1つでは、3種の化粧用組成物から構成される系が提供される。3種の化粧用組成物から構成される系においては、色素を含有する第1の組成物と、拡散剤を含有する第2の組成物と、第3の組成物と、が提供される。3種以上の組成物から構成される実施形態では、第3の組成物は、美容上の利益を付与するために設けられ得る。第3の組成物での使用に向いているような、有益な薬剤としては、これらに制限されるわけではないが、吸収剤、抗ニキビ活性物質、親水性又は疎水性コンディショナー、皮膚鎮静剤、日焼け止め剤、ビタミン、又は、これらの組み合わせ、が挙げられる。
【0037】
第3の組成物は、1つ以上の表面へ塗布するために設けられ、例えば、肌をはじめとする表面に、又は、第2の組成物の層に、又は、第1の組成物の層に、塗布される。第3の組成物は、好ましくは、層状に生体表面に塗布され、その後、色素を含有する第1の組成物が層状に塗布され、さらにその後、拡散剤を含有する第2の組成物が層状に塗布される。ある実施形態では、吸収剤を含有する第3の組成物が層状に肌に塗布され、その後、色素を含有する第1の組成物が層状に塗布され、さらにその後、拡散剤を含有する第2の組成物が層状に塗布される。
【0038】
代替実施形態では、第3の組成物は、有色素性の基層と拡散剤を含有する中間層との上の上層として塗布されるために設けられる。特に、色素を含有する第1の組成物が層状に生体表面に塗布され、その後、拡散剤を含有する第2の組成物が層状に塗布され、さらにその後、第3の組成物が層状に塗布される。こうした実施形態では、第3の組成物は、日焼け止め剤又は封止剤などの有益な薬剤を含有するように設けられ得る。
【0039】
図1は、1段式の有色素性のファンデーションを肌表面に用いた場合の光が拡散する様子を示す模式図である。有色素性のファンデーション及び肌に向けられた光(矢印で示す)は、当該有色素性のファンデーションと相互作用する。光が、有色素性のファンデーション層中に拡散し、当該有色素性のファンデーション及び肌から反射する様子が図1から読み取れるだろう。
【0040】
図2は、2段式の有色素性のファンデーションを肌表面に用いた場合の光が拡散する様子を示す模式図である。肌の上にある下塗りと、下塗りの上にある上塗りとの、2つの層が示されている。図2では、拡散性の下塗りと有色素性の上塗りとが示されている。上塗り、下塗り、及び、肌に向けられた光(矢印で示す)は、有色素性の上塗り及び拡散性の下塗りと相互作用する。光が、有色素性のファンデーション層中に拡散し、有色素性の上塗り、拡散性の下塗り、及び、肌から反射する様子が図2から読み取れるだろう。
【0041】
図3は、本発明に係る2段式の有色素性のファンデーションを肌表面に用いた場合の光が拡散する様子を示す模式図である。図3には、肌の上にある下塗りと、下塗りの上にある上塗りとの、2つの層が示されている。図3では、有色素性の下塗りと拡散性の上塗りとが示されている。上塗り、下塗り、及び、肌に向けられた光(矢印で示す)は、拡散性の上塗り及び有色素性の下塗りと相互作用する。光が、拡散性の上塗り中に拡散し、散乱する様子が図3から読み取れるだろう。光は、有色素性の下塗り、拡散性の上塗り、及び、肌から反射する。図3に示す2段式ファンデーション系から反射する光の量は、図2に示す反転された2段式ファンデーション系で反射する光の量よりも少ない。
【0042】
図4は、色素の厚さの関数として、本発明に係る拡散性の上塗りと有色素性の下塗りとから構成される系の拡散透過率を、有色素性の上塗りと拡散性の下塗りとから構成される系と比較して示す。測定した各厚さに関して、本発明に係る拡散性の上塗りと有色素性の下塗りとから構成される系は、有色素性の上塗りと拡散性の下塗りとから構成される系よりも、高い拡散透過率を示す。この2つの系のそれぞれに関して(本発明の拡散性の上塗りと組み合わせた有色素性の下塗りは(▲)で、有色素性の上塗りと組み合わせた拡散性の下塗りは(■)で示す)、拡散性の上塗り、又は、拡散性の下塗りの厚さは、約10ミクロンである。
【0043】
図5は、色素の厚さの関数として、本発明に係る拡散性の上塗りと有色素性の下塗りとから構成される系の反射率を、有色素性の上塗りと拡散性の下塗りとから構成される系と比較して示す。測定した各厚さに関して、本発明に係る拡散性の上塗りと有色素性の下塗りとから構成される系は、有色素性の上塗りと拡散性の下塗りとから構成される系よりも、低い反射率を示す。この2つの系のそれぞれに関して(本発明の拡散性の上塗りと組み合わせた有色素性の下塗りは(△)で、有色素性の上塗りと組み合わせた拡散性の下塗りは(□)で示す)、拡散性の上塗り、又は、拡散性の下塗りの厚さは、約10ミクロンである。
【0044】
図4及び図5は、図2及び図3で記載した特性を裏付けるデータを提示する。特に、図4のデータで示されるように、図3(有色素性の下塗り及び拡散性の上塗り)の本発明に係る化粧品系は、図2(拡散性の下塗り及び有色素性の上塗り)の系よりも、高い拡散透過率として描かれている。同様に、図5のデータで示されるように、図3(有色素性の下塗り及び拡散性の上塗り)の本発明に係る化粧品系は、図2(拡散性の下塗り及び有色素性の上塗り)の系よりも、低い反射率として描かれている。
【0045】
図2(拡散性の下塗り及び有色素性の上塗り)と図5とは、肌表面に向けられた光の大部分が、有色素性の上塗りで反射し、拡散性の下塗りに届きさえしないことを示す。このため、拡散性の上塗りの効用は実感されない。対照的に、図3で描いたように、本発明に係る化粧品系の拡散性の上塗りと有色素性の下塗りとを用いることで、肌の色合いを維持しながら、小皺及び皺の見た目への現れを減少させるように、光は拡散される。
【0046】
本発明に係る化粧品系は、肌上の拡散性の上塗りと拡散性の下塗りとを介して、光拡散特性を操作する。拡散性の上塗りの屈折率は、有色素性の下塗りの屈折率よりも小さい。光、例えば、日光、は、最初は拡散性の上塗りに入り、次に有色素性の下塗りに入る。上塗りと下塗りとの間の屈折率の差によって、上塗りと下塗りとの境界面における光の全反射及び全散乱は制御されるだろう。拡散性の上塗り及び有色素性の下塗りの設計及び選択によって、入射角を全反射のための臨界角よりも大きくすることができ、これにより、境界面での光の拡散を高めることができる。屈折率の高い有色素性の下塗りを用いることで、上塗りによる高い被覆率並びにぼかし効果を得ることができる。屈折率の高い下塗りと屈折率の低い上塗りとを組み合わせることで、拡散透過率を高めることによるぼかし効果を示し、これにより、組成物が塗布される生体表面の見た目を改善するような化粧品系が可能となる。理論に制約されるわけではないが、ぼかし、ソフトフォーカス効果、あるいは、小皺又は皺をカムフラージュする能力、の効率は、拡散透過率の関数であると考えられる(非特許文献1、57ページ)。そこで、高い拡散透過率を示す組成物の系は、ぼかし効果を生じさせるのに都合が良く、当該組成物が塗布される生体表面の自然な見た目を改善し、不透明で不自然で粉を吹くような典型的な1段式の化粧品、及び、拡散性の下塗りと有色素性の上塗りとから構成される2段式の化粧品の欠点を克服する。
【0047】
本発明に係る化粧品系の利点には、これらに制限されるわけではないが、質感及び色合いの欠陥を取り除くことで、欠点のない肌の仕上がりをもたらすことなどが挙げられる。2段式の化粧品系の別の利点としては、各組成物の効用(例えば、ぼかし及び被覆率)を最適化し、系全体のパフォーマンスを高められることが挙げられる。2段式の化粧品系の別の利点としては、紫外線防護を与えるフィルム及び塗膜を形成するように組成物を調節できることが挙げられる。2段式の化粧品系の別の利点としては、例えば、油分、皮脂、及び、湿気などを吸収するように下塗りを調節できることが挙げられる。こうした特性は、化粧用の及び皮膚科学的な処方設計又は組成物にさらなる効用をもたらし、肌などの生体表面の美観及び自然な見た目を高める。
【0048】
本発明のさらなる実施形態は、生体表面の美観及び自然な見た目を高め、視覚的なぼかしをもたらすような光学的特性、並びに、拡散光透過率、光散乱及び反射、を有するような2段式の化粧品系を提供する。このとき、これらにより、経年老化、光老化、ホルモン老化、及び/又は、化学線老化の皮膚科学的徴候の見た目への現れを減少させる。また、小皺及び/又は皺の見た目への現れを減少させる。また、顔の小皺及び皺、頬及び額の皺、目と目の間の縦皺、目の上の横皺、口の周りの皺、豊齢線、並びに、特に深い皺又はひだ、の目立ち度を減少させる。また、小皺及び/又は皺の見た目及び/又は深さを減少させる。また、眼窩下の小皺及び/又は目尻の見た目を改善する。また、カラスの足跡の見た目への現れを減少させる。また、若返り治療中及び/又は再活性化中の肌の見た目を改善し、また、老化した肌の見た目への現れを減少させる。また、皮膚脆弱症の見た目への現れを減少させる。また、グリコサミノグリカン及び/又はコラーゲンの損失の見た目への現れを減少させる。また、エストロゲンの不均衡の見た目への現れを減少させる。また、皮膚萎縮の見た目への現れを減少させる。また、高色素沈着の見た目への現れを減少させる。また、肌の染みが見た目へ現れるのを減少させる。また、肌の色合い、輝き、透明度、及び/又は、張りの見た目への現れを減少させる。また、肌のたるみが見た目へ現れるのを減少させる。また、肌のきめ細かさ、丸み、しなやかさ、及び/又は、柔らかさの見た目への現れを改善する。また、プロコラーゲン及び/又はコラーゲン産生の見た目への現れを改善する。また、肌の質感及び/又は皮膚の再組織化の見た目への現れを改善する。また、皮膚バリア回復及び/又は皮膚バリア機能の見た目への現れを改善する。また、肌の凹凸の見た目を改善する。また、肌のてかり及び/又は輝きを減少させ見た目を改善する。また、疲労及び/又はストレスの皮膚科学的徴候の見た目への現れを改善する。また、外的ストレスの見た目への現れを改善する。また、細胞老化の見た目への現れを改善する。また、肌の乾燥の見た目への現れを改善する。また、可塑性及び/又は弾力性のある肌の見た目を改善する。また、微小循環の見た目への現れを改善する。また、セルライト形成の見た目への現れを減少させる。また、これらを組み合わせて実現する。
【0049】
本発明に係る別の実施形態は、生体表面の美観又は自然な見た目を改善する方法であって、それぞれが生体表面の美観又は自然な見た目を改善するのに効果的な量で塗布されるような、生体表面に、例えば、これらに制限されるわけではないが、ケラチン組織、肌、髪、及び、爪などに塗布される有色素性の下塗りと、その後、下塗りに塗布される拡散性の上塗りと、から構成される方法に関する。
【0050】
生体表面は、化粧品、個人医療製品、皮膚科学的組成物、及び、薬学的組成物、が典型的に塗布されるような任意の表面であり得、例えば、これらに制限されるわけではないが、肌、唇、髪、及び、爪などが挙げられる。生体表面に塗布される本発明の系は、自然な老化プロセス、染み、生体表面への慢性で累積的な損傷、及び、当該表面の欠陥をカムフラージュすることで、肌の美観を改善又は改良する。
【0051】
本発明の実施形態は、化粧品組成物から構成される系が、小皺、皺、毛穴、たるみ、又は、老化に伴うその他の状態をカムフラージュできるという発見に関する。そこで、各組成物の光学的特性、及び、各組成物間の境界面は、使用者が、老化の兆候、生体表面の皮膚科学的劣化、及び、生体表面の欠陥をカムフラージュし、これにより、肌の美観及び自然な見た目を改善することを可能にする。
【0052】
本発明の実施形態は、化粧品組成物から構成される系を肌の患部に塗布する方法に関する。本系は、好ましくは、少なくとも1日に1回、さらに好ましくは、1日に2回、局所的に塗布され、肌の患部にとどまる。このとき、肌の患部には、これらに制限されるわけではないが、顔、首、足、大腿部、頭皮、及び、全身が挙げられる。
【0053】
化粧用組成物の系は、局所的に塗布された場合、生体表面の、例えば、肌、唇、及び、爪などの、美観及び自然な見た目を改善するのに有効である。また、本発明の組成物は、これらに制限されるわけではないが、生体表面の、老化、炎症、及び、劣化に関連する医学的及び/又は美容的状態を減少させ、弱め、又は、カムフラージュするのに有効な活性素材を含む。こうした状態には、本明細書での使用例に従えば、通常、これらに制限されるわけではないが、皮膚科学的老化(経年老化、ホルモン老化、及び/又は、化学線老化)、皮膚炎、皮膚脆弱症、毛脆弱症、多毛症、酒さ(赤鼻)、肌の傷、過敏肌、高色素沈着、低色素沈着、薄肌、荒れ症、角化症、皮膚萎縮、皺、小皺、過形成、線維症、及び、これらの組み合わせ、が挙げられる。また、本発明の活性成分は、肌における、全体的な健康、体力、状態、及び、美観をよりよくするのに有効であり得る。
【0054】
本発明において、化粧用組成物の系は、局所的に塗布されるような、組成物、抗酸化剤、抗炎症剤、日焼け止め剤、化粧品をはじめとする美容品、老化の皮膚科学的徴候を、例えば、皺、小皺、及び、たるんだ肌などを、減少させるための組成物、内で有効であり得る。また、本発明において、追加の成分が、様々な製品の形態で、組成物中に処方され得る。組成物は、特に局所適用及び投与向きの、標的化導入系を用いて、例えば、クリーム、ローション、皮膚保湿剤、ジェル、化粧液、美容液、スプレー、フォーム、及び、粉末などとして、製造される。
【0055】
さらに、本発明は、好ましくは、過剰な刺激を与えないような、局所投与又は標的化導入向けの化粧用組成物から構成される系を提供する。組成物から構成される本発明の系は、全ての肌の種類に、例えば、普通の肌、敏感肌、乾燥肌、又は、脂性肌に適しており、好ましくは、乾燥肌及び十分に年を重ねた肌によく反応する。ある実施形態では、組成物は乾燥肌に適したものであり得る。本組成物系は、肌の美観及び自然な見た目をよりよくするために十分な期間の間、肌に塗布される。本組成物系は、生体表面に、例えば、肌、唇、及び、髪に、1日に1回、2回、又はそれ以上の回数、塗布され得る。
【0056】
本局所組成物は、他の添加物又は物質を含有し得るリポソームに、及び/又は、投与後にある場所に特異的に到達し或いは留まるように修飾され得るリポソームに、処方され得る。本発明の実施形態に係る組成物は、上述の状態又はその組合せの少なくとも1つをカムフラージュ又は改善することで、肌の美観を改善する。
【0057】
当業者にとっては周知のことであるが、化粧品組成物から構成される系を用いた美容処置は、例えば、本明細書に記載のように、こうした系を塗布するための所定の技術に従って、化粧品組成物を局所的に塗布することで、行うことができる。化粧用の、又は、皮膚科学的な、又は、薬学的な組成物から構成される局所適用される系は、好ましくは、少なくとも1週間に1度、塗布されるが、2、4、8、12週間、又は、これ以上の期間に1度、塗布されてもよい。化粧用組成物から構成される系は、好ましくは、顔又は首に塗布されるが、美観の改善が望まれる皮膚の場所であればどこに塗布されてもよい。このとき、化粧用組成物は、皮膚の患部に留まり、好ましくは、肌から取り除かれ、洗い流されたりしない。所定の一般的に行われている技術を用いて、クリーム、ローション、ジェル、美容液、軟膏、美容品、日焼け止め剤などを塗布することができる。化粧用組成物から構成される系は、好ましくは、局所的に残り続ける組成物である。このとき、塗布の形式としては噴霧が想定される。
【0058】
本発明の別の実施形態は、ヒトの組織又は合成による等価物を含む哺乳類の生きた組織と接触させることに適した、使用者に有害な生理学的効果が実質的にないような、化粧用、皮膚処理用、又は、製薬用に許容可能な組成物を提供する。本発明に係る組成物は、化粧用に、及び/又は、皮膚科学的に適切な任意の形態で、好ましくは、ローション又はクリームとして、提供され得る。また、これに限らず、無水又は水性溶媒中に溶解させた状態、並びに、噴霧可能な液体の形態で、提供され得る。本発明の組成物に関するその他の適切な化粧用製品の形態としては、これらに制限されるわけではないが、例えば、乳剤、クリーム、香油、グロス、ローション、フォーム、パック、美容液、化粧液、軟膏、ムース、パッチ、ポマード、溶液、スプレー、ワックス棒、又は、ウェットティッシュなどが挙げられる。また、本発明に係る組成物は、当業者にとって周知の一般的に使用されるような、化粧品として許容可能で、相性の良いアジュバントを1種類以上含み得る。こうしたアジュバントとしては、例えば、香料、皮膚軟化剤、保湿剤、保存料、ビタミン、キレート剤、増粘剤、エゴマ油、エゴマ種子油、などが挙げられる。これらは、特許文献2から非特許文献7に記載されており、これらの記載を参照により本明細書に取り込む。また、その他のアジュバントとして、以下に記載のように、植物由来成分、例えば、アロエ、カモミールなどが挙げられる。
【0059】
本発明の化粧用組成物は、生体表面の老化及び炎症の皮膚科学的な徴候を減少させ改善し又は防止するために用いられる際、化粧用に、皮膚科学的に、生理学的に、及び、薬学的に、許容可能であるような、賦形剤、溶剤、希釈剤、又は、担体中に包含され得る。局所適用を含む実施形態では、本発明の組成物は、哺乳類の生体表面と、例えば、肌、唇、髪、及び、爪などと相性の良い溶剤(賦形剤、希釈剤、又は、担体)を含有する。本組成物は、水相、油相、アルコール、又は、水/アルコールベースの溶液、軟膏、クリーム、ジェル、水中ワックス型乳剤、或いは、クリーム、ジェル、マイクロ乳液、又は、エアロゾルの形態をとる油中水、水中油、水中油中水型三重乳液、として処方され得る。
【0060】
水相は、室温(25℃)で液体、半固体、又は、個体であるような1種類以上の水溶性又は水分散性の素材からなる混合物である。賦形剤は、懸濁液、分散液、水溶液、又は、水性アルコール性賦形剤を包含し、即ち、これらの形態であり得、また、増粘剤又はゲル化剤を含み得る。当業者であれば、その知識に基づき、化粧品としての形態、そこに含有される素材、並びに、それを製造する方法を適切に選択できるだろう。
【0061】
ある実施形態では、組成物の1つ又は両方が、水相を含む。この水槽は、水、又は、水と少なくとも1種の親水性の有機溶媒との混合物を含み得る。この親水性の有機溶媒としては、アルコール、特に、炭素数2から5の直線状又は分枝状の低級1価アルコール、例えば、エタノール、又は、プロパノールなど、多価アルコール、例えば、プロピレングリコール、ソルビトール、グリセロール、ジグリセロール、パンテノール、又は、ポリエチレングリコールなど、及び、これらの組合せが挙げられる。この水相は、組成物の全重量で約0.5から99.99重量%に相当し得る。
【0062】
本発明に係る系に含まれる1種以上の組成物が、乳剤の形態であるような別の実施形態では、この1種以上の組成物は、好ましくは、組成物の全重量で約0.1から30重量%の、特に、約1から20重量%の、界面活性剤を、選択的に含み得る。
【0063】
本発明のさらなる実施形態では、1種以上の組成物が、増粘性のポリマー、例えば、両親媒性のポリウレタン、ポリアクリル酸の単重合体又は共重合体、ポリエステル、並びに、炭化水素系樹脂からなり得る。他の非制限的なポリマーとしては、炭素数1から18の脂肪族化合物からなるビニルエステル(酢酸ビニルなど)、炭素数1から18のアルコールからなるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、及び、メタクリル酸ブチルなど)、並びに、モノ及びジ−エチレン系不飽和炭化水素(エチレンイソブチレン、スチレン、及び、ブタジエン、イソプロピレン、クロロプレン等の脂肪族化合物)、からなるホモポリマー又はコポリマーが挙げられる。
【0064】
本発明のある実施形態はさらに、油相を含むような1種以上の組成物に関する。この油相は、油溶性又は油分散性の素材を含み得る。この素材は、室温(25℃)で液体、及び/又は、室温で油状又はワックス状の物質、例えば、ワックス、半固体、粘性物質、及び、これらの組合せである。この油相は、有機溶媒を含み得る。
【0065】
本発明に適合可能な、室温で液体の、多くの場合油と言われる、油状物質としては、動物由来性炭化水素系油(例えば、ペルヒドロスクワレンなど)、植物由来性炭化水素系油(例えば、炭素数4から10の脂肪酸からなる液体トリグリセリド、即ち、ヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド)、又は、植物油(例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ダイズ油、ブドウ種油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ホホバ油、鉱物又は合成物由来の直線状又は分枝状炭化水素(例えば、流動パラフィン及びその誘導体、ワセリンなど)、合成エステル及び合成エーテル、特に、脂肪アルコールからなるエステル(名前をあげれば、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリルなど)、ヒドロキシル化エステル(例えば、乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、ヘプタン酸エステル、並びに、脂肪アルコールからなるオクタン酸エステル、及び、デカン酸エステル)、多価アルコールエステル(例えば、ジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコール、及び、ペンタエリスリチルエステル)、炭素数12から26の脂肪アルコール(オクチルドデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール)、部分的に炭化水素系のフルオロ油及び/又はフルオロシリコーン油、シリコーン油(例えば、室温において液体又は半固体で、揮発性又は不揮発性で、直線状又は環状の、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、例を挙げれば、シクロメチコン、及び、ジメチコンなど、並びに、付加的にフェニル基を含むもの、例えば、フェニルトリメチコン、シロキサンなど)、及び、これらの組合せが挙げられる。油相の重量に対するこれらの油の割合は、通常、約0から90重量%、好ましくは、約1.0から80重量%である。
【0066】
本発明の1種以上の組成物の油相は、1種以上の化粧品として許容可能な有機溶媒からなる。組成物全重量に対するこれら溶媒の割合は、約0.1から80重量%、好ましくは、約1.0から50重量%であり、これら溶媒は、脂溶性有機溶媒、両親媒性有機溶媒、及び、これらの混合物からなる群より選択され得る。本発明の組成物に用いられるような適合可能な溶媒としては、酢酸エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸2−メトキシエチル、又は、酢酸イソプロピルなど)、炭化水素(例えば、トルエン、キシレン、p−キシレン、ヘキサン、又は、ヘプタンなど)、炭素数3以上のエーテル、及び、これらの混合物などが挙げられる。
【0067】
本発明の1種以上の組成物は、さらに、化粧品分野で通常利用される任意の素材を含有しうる。これらの素材としては、保存剤、水相増粘剤(多糖類、バイオポリマー、合成ポリマー)、及び、脂相増粘剤、香料、親水性又は脂溶性の活性剤、及び、これらの混合物などが挙げられる。こうした種々の素材の量は、これらの素材が意図する目的を達成できるような、化粧品分野で通常利用される分量であり、典型的には、組成物の全重量の約0.1から20重量%である。これら組成物の性質と分量とは、本発明に係る組成物の生産物と相性が良いものである必要がある。
【0068】
本発明に係る1種以上の組成物は、追加の粒子相を含有し、組成物全重量に対するこの粒子相の割合は、典型的には、約0.1から30重量%、好ましくは、約0.5から20重量%であり、この粒子相は、化粧品組成物で用いられる真珠光沢剤及び/又は充填剤からなり得る。本発明に適合可能な真珠光沢剤としては、酸化チタン又は酸化鉄でコートされた雲母が挙げられる。
【0069】
組成物全重量に対する充填剤の割合は、通常、約0.1から30重量%、好ましくは、約0.5から15重量%である。本発明に適合可能な充填剤としては、タルク、シリカ、ステアリン酸亜鉛、雲母、カオリン、ナイロン(特に、オルガソル)の粉末、ポリエチレン粉末、テフロン(登録商標)、デンプン、窒化ホウ素、コポリマーマイクロスフィア(例えば、エクスパンセル(登録商標、ノーベル工業、スエーデン)、ポリトラップ(登録商標、ダウコーニング社、米国ミッドランド)など)、及び、シリコーン樹脂マイクロビーズ(トスパール(登録商標、ジーイー東芝シリコーン社、日本))などが挙げられる。
【0070】
本発明に係る組成物の油相は、1種以上の、ワックス、粘性物質、又は、これらの混合物からなり得る。ワックスとしては、炭化水素系ワックス、フルオロワックス、及び/又は、シリコーンワックスなどが挙げられ、植物由来、鉱物由来、動物由来、及び/又は、合成由来であり得る。特に、25℃を超える、好ましくは、45℃を超える融点のワックスが好ましい。本発明に係る組成物は、組成物の全重量で、約0.1から20重量%のワックスを含有しうる。
【0071】
粘性物質は、一般的に、高分子量のポリジメチルシロキサン(PDMS)、セルロースガム、又は、多糖類であり、半固体材料は、一般的に、炭化水素系化合物(例えば、これらに制限されるわけではないが、ラノリン、及び、その誘導体)、又は、代わりに、PDMSであり得る。本発明に係る組成物は、組成物の全重量で、約0.1から20重量%の粘性物質、典型的には、約0.5から10重量%の粘性物質を含有し得る。
【0072】
特に、局所適用向けの組成物は、肌の保護ケア向けの組成物の形態であり得、好ましくは、顔、首、手、足、又は、その他の体の部分の保護ケア向けの組成物の形態であり得る。これらに制限されるわけではないが、昼用クリーム又はローション、夜用クリーム又はローション、保湿剤、サーヴ(salve)、日焼け止めクリーム又はローション又はオイル、軟膏、ジェル、ボディーミルク、美容品(ファンデーション、ブロンザー)、人工的な日焼け組成物、脱毛剤、パッチ、乳化剤、或いは、スティック又はディッシュとして注入又は鋳型成型される個体、などが挙げられる。化粧品組成物から構成される系は、2段式のファンデーション製品で用いられることが理想的である。なぜなら、この系は、自然な見た目をもたらすような高いカモフラージュ及びぼかし効果を得ることがきるためである。
【0073】
別の実施形態では、本発明に係る局所適用される組成物は、肌浸透促進剤、吸収剤、日焼け止め剤、皮膚軟化剤、皮膚肉付け剤(skin plumper)、光拡散剤、剥離促進剤、及び、抗酸化剤の1種以上を含有し得る。これら及びその他の本発明に適合可能な化粧用組成物の詳細に関しては、非特許文献6の2177−2299ページを参照のこと。本書の記載を参照により本明細書に取り込む。
【0074】
皮膚軟化剤は、肌の滑らかさを高め、細かい皺又は深い皺の見た目への現われを減らし、保湿するという機能的効用を提供する。これらに制限されるわけではないが、ミリスチン酸イソプロピル、ペトロラタム、ラノリン脂肪酸イソプロピル、シリコーン(例えば、メチコン、ジメチコン)、油、鉱油、脂肪酸エステル、又は、これらの混合物などが挙げられる。組成物全重量に対する皮膚軟化剤の割合は、好ましくは、約0.1から50重量%である。
【0075】
皮膚肉付け剤は、肌のコラーゲンを強化する役割を果たす。本発明に適合可能な好ましい皮膚肉付け剤としては、パルミトイルオリゴペプチドが挙げられる。他の皮膚肉付け剤としては、コラーゲン及び/又はグリコサミノグリカン(GAG)強化剤が挙げられる。下塗りの全重量に対する皮膚肉付け剤の割合は、好ましくは、約0.1から20重量%である。
【0076】
日焼け止め剤は、肌を紫外線によるダメージから守る。本発明の例示的実施形態では、日焼け止め剤は、単一の日焼け止め剤又は日焼け止め剤の組み合わせにより、UVA及びUVB両方への防御を提供する。本発明に適合可能な日焼け止め剤としては、アヴォベンゾン、ケイ皮酸誘導体(例えば、メトキシ桂皮酸オクチル)、サリチル酸オクチル、オキソベンゾン、非メソポーラス型酸化チタン、酸化亜鉛、又は、これらの任意の混合物などが挙げられる。組成物全重量に対する日焼け止め剤の割合は、約1から30重量%である。日焼け止め剤を加えることで、紫外線照射から皮膚を守ることができる。日焼け止め剤を含有する本発明の組成物は、肌の美観をさらに改善するものであり、例えば、日焼けを最小化すること、肌の黒化を最小化すること、及び、赤剥けを減少することなどの効果の少なくとも1つを達成する。
【0077】
本発明の実施形態では、1種以上の組成物が、1種以上の剥離促進剤を含有し得る。本発明に適合可能な剥離促進剤としては、アルファヒドロキシ酸(AHA)、過酸化ベンゾイル、ベータヒドロキシ酸、ケト酸(例えば、ピルビン酸、2−オキソプロピオン酸、2−オキソブタン酸、及び、2−オキソペンタン酸など)、特許文献3及び特許文献4に記載のオキサ酸、サリチル酸、尿素、又は、これらの任意の混合物などが挙げられる。なお、上記特許出願の記載を参照によって本明細書に取り込む。好ましい剥離促進剤としては、3,6,9−トリオキサウンデカンジオン酸、グリコール酸、乳酸、又は、これらの任意の混合物などが挙げられる。(非特許文献6の2205ページを参照のこと)
【0078】
本発明の実施形態が剥離促進剤を含有する場合、組成物全重量に対する剥離促進剤の割合は、約0.1から30重量%、好ましくは、約1.0から15重量%、さらに好ましくは、約1.0から10重量%である。
【0079】
抗酸化剤は、様々な働きはあれど、肌のフリーラジカルを取り除くことで、外的因子から肌を守る。本発明に適合可能な抗酸化剤としては、フェノール性ヒドロキシル官能基を有する化合物(例えば、アスコルビン酸及びその誘導体/エステルなど)、ベータカロテン、カテキン、クルクミン、フェルラ酸誘導体(例えば、フェルラ酸エチル、フェルラ酸ナトリウムなど)、没食子酸誘導体(例えば、没食子酸プロピルなど)、リコピン、還元酸、ロスマリン酸、タンニン酸、テトラヒドロクルクミン、トコフェロール及びその誘導体、尿酸、又は、これらの任意の混合物などが挙げられる。本発明に適合可能なその他の抗酸化剤としては、1つ以上のチオール基を有するような、還元型又は非還元型の抗酸化剤、例えば、グルタチオン、リポ酸、チオグリコール酸、及び、その他のスルフヒドリル化合物が挙げられる。抗酸化剤は、無機物、例えば、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸塩、亜硫酸塩、又は、その他の硫黄を含有する無機塩及び無機酸であってもよい。組成物全重量に対する抗酸化剤の割合は、約0.001から10重量%、好ましくは、約0.01から5重量%である。(非特許文献6の2184ページを参照のこと)
【0080】
本発明の実施形態では、1種以上の組成物は、以下の化粧用の薬学的な、活性剤、賦形剤、素材、又は、アジュバント、を1種以上含有し得る。麻酔剤、抗生物質(例えば、エリスロマイシン、及び、テトラサイクリン)、サリチル酸、抗アレルギー剤、抗真菌剤、防腐剤、抗刺激剤、抗炎症剤、抗菌剤、鎮痛剤、一酸化窒素合成酵素抑制剤、防虫剤、セルフタンニング剤、皮膚浸透促進剤、皮膚冷却材、キレート剤、着色剤(例えば、未処理の、或いは、濡れ性又はその他の特性を改善するために表面を化学処理された、染色剤、レーキ、及び、色素など)、皮膚軟化剤、乳化剤、香料、保湿剤、pH調整剤、保存料、安定剤、界面活性剤、増粘剤、塗膜形成剤、可塑剤、粘度調整剤、ビタミン、又は、これらの混合物などが挙げられる。組成物中のこれら物質の割合は、それらが目的とする効果を達成するために化粧品又は薬学の分野において通常利用される程度であり、例えば、組成物全重量に対して、約0.01から20重量%であり得る。
【0081】
本発明の1種以上の組成物に組み入れることができる活性剤の例としては、これらに制限されるわけではないが、皺及び/又は小皺の処置への効果を有するような試薬が挙げられ、既述の活性剤に加えては、例えば、角質溶解剤(皮膚を落屑させたり、剥離させたり、或いは、磨き上げたりする特性を有する活性剤)、又は、皮膚角質層を柔らかくすることのできる活性剤が挙げられる。その他の、抗皺又は抗小皺活性剤としては、ヒドロキシ酸、及び、レチノイドが挙げられる。これらの薬剤は、例えば、組成物全重量に対して約0.01から5重量%の割合で、組成物に組み込まれ得る。
【0082】
本発明に適合可能なヒドロキシ酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、2−ヒドロキシアルカン酸、マンデル酸、サリチル酸、及び、これらのアルキル誘導体(例えば、5−n−オクタノイルサリチル酸、5−n−ドデカノイルサリチル酸、5−n−オクチルサリチル酸、5−n−ヘプチルオキシサリチル酸、4−n−ヘプチルオキシサリチル酸、及び、2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸)、又は、これらのアルコキシル誘導体(例えば、2−ヒドロキシ−3−メチオキシ安息香酸など)などが挙げられる。
【0083】
乳化剤は、典型的には、本発明に係る組成物の1種以上に含まれ、組成物全重量に対する乳化剤の割合は、約0.01から30重量%、好ましくは、約0.1から30重量%である。しかし、必ずしも全ての組成物が乳化剤を含むというわけではない。(非特許文献6の2276−2285ページを参照のこと)
【0084】
本発明に適合可能な増粘剤としては、これらに制限されるわけではないが、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボマー、アカシアゴム、セピゲル305(仏国、セピック社から販売)、及び、粘土(ケイ酸マグネシウムアルミニウムなど)などが挙げられる。(非特許文献6の2293−2299ページを参照のこと)
【0085】
本発明に係る局所組成物は、1種以上の保湿剤、例えば、尿素、ピロリドンカルボン酸、アミノ酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ある種の多価アルコール、及び、吸湿性のその他の化合物などを含有してもよく、本組成物は、これらの保湿剤によって、改善され得る。(非特許文献6の2244ページを参照のこと)
【0086】
また、本発明に係る局所組成物の肌への一般的な活性及び寛恕性は、pHを約3.5から7.0の間に中和することで、より好ましくは、pHを約3.7から5.6の間に中和することで、高められる。中和反応は、好ましくは、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アルギニン又はその他のアミノ酸。及び/又は、トリエタノールアミン、の1種以上により行われる。
【0087】
レチノイドとしては、これらに制限されるわけではないが、レチノイン酸(例えば、トランス型、又は、13−シス型)、レチノイン酸誘導体、レチノール(ビタミンA)、レチノールエステル(例えば、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール、プロピオン酸レチノール)、及び、レチノール塩。
【0088】
本発明に係る1種以上の組成物は、化粧用又は皮膚処理用に許容可能な、賦形剤、溶媒、又は、担体に組み込まれ得る。さらに、1種以上の組成物は、当業者にとって周知の手順で、化粧用組成物、例えば、乳剤、ジェル、クリーム、ローション、パック、化粧液、美容液、油、或いは、クリーム、ジェル、マイクロ乳液、軟膏、ペースト、スティック、ケーキ、ペン、エアロゾル、及び、精油などの形態をとる水中油中水型三重乳液、並びに、その他の局所化粧用賦形剤など、を提供するために処方され得る。本発明に係る局所組成物は、送達システムに、例えば、リポソーム、並びに、局所用の、パッチ、テープ、及び、スプレーなどに組み込まれ得ることも考えられる。
【0089】
さらに、本組成物は、上記のようなイオン性及び/又は非イオン性の脂質を含有する小胞性分散液の形態であり得る。こうした組成物の適切な単位用量は、当技術分野で用いられる通常の知識及び技術に従って設計される。
【0090】
以下の実施例では、本発明を例示するため、本発明の特定の態様について記載するものであり、当業者に本発明の方法を説明するものである。本実施例は、本発明を制限ものと解釈されるべきではなく、本発明及びその種々の態様を理解し実践するために有用な特定の手順を提供するためのものと解釈されるべきである。
【実施例】
【0091】
本実施例では、化粧用組成物から構成される系を製造し、拡散透過率及び反射率の測定試験を行った。この系は、有色素性の下塗り及び拡散性の上塗りの2種の組成物を含んでいた。有色素性の下塗りは、酸化チタンを含有しており、清潔なガラススライドの上に、2ミクロン、5ミクロン、10ミクロンの厚さで、計3回塗布された。拡散性の上塗りは、下塗りの上に塗布された。拡散性の上塗りは、ナイロンを含有していた。拡散性の上塗りは、10ミクロンの厚さで塗布された。
【0092】
下塗りの厚さが2ミクロンの場合、有色素性の下塗りと拡散性の上塗りとは、約30%の拡散透過率を示した。下塗りの厚さが5ミクロンの場合、有色素性の下塗りと拡散性の上塗りとは、約15%の拡散透過率を示した。下塗りの厚さが10ミクロンの場合、有色素性の下塗りと拡散性の上塗りとは、約9%の拡散透過率を示した。図4に、これらの結果を示す。
【0093】
さらに、下塗りの厚さが2ミクロンの場合、有色素性の下塗りと拡散性の上塗りとは、約40%の反射率を示した。下塗りの厚さが5ミクロンの場合、有色素性の下塗りと拡散性の上塗りとは、約69%の拡散透過率を示した。下塗りの厚さが10ミクロンの場合、有色素性の下塗りと拡散性の上塗りとは、約83%の拡散透過率を示した。図5に、これらの結果を示す。
【0094】
本明細書で参照した、特許、特許出願、刊行物、紀要集、書籍、リファレンスマニュアルの全てに関して、本発明に付随する技術の情勢を十分に説明するため、それら全ての内容を、参照によって、本明細書に取り込む。特記がなければ、本明細書中及び請求項に記載の濃度は全て、重量%で示される。
【0095】
これまでの記載は、本発明の例示に過ぎないと解されるべきである。当業者であれば、本願発明を外れることなく、種々の代替実施形態及び修正実施形態を想起できるであろう。そこで、本発明は、これら代替実施形態、修正実施形態、及び、請求項の範囲にある変形例の全てを本願することを意図するものである。
【0096】
以下、本発明とその実施態様をまとめて説明する。
1.
(a)
(1)色素と、
(2)化粧品または薬剤として許容可能な賦形剤と、
からなる第1の組成物と、
(b)
(1)拡散剤と、
(2)塗膜形成剤と、
(3)化粧品または薬剤として許容可能な賦形剤と、
からなる第2の組成物と、から構成されることを特徴とする化粧道具。
2.前記拡散剤はナイロンからなり、前記色素は酸化チタンからなる、1.に記載の化粧道具。
3.前記第1の組成物は約1.38から3.52の間の屈折率を有し、前記第2の組成物は約1.30から2.20の間の屈折率を有する、1.に記載の化粧道具。
4.第1の組成物は第1の屈折率を有し、第2の組成物は第2の屈折率を有し、このとき、第1の屈折率と第2の屈折率との差は約0.01から1.50の間である、1.に記載の化粧道具。
5.前記第1の組成物は約1.42から1.60の間の屈折率を有し、前記第2の組成物は約1.40から2.00の間の屈折率を有する、1.に記載の化粧道具。
6.前記色素は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、フェリックブルー、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、アルミニウムレーキ、および、カーボンブラック、からなる群より選択される、1.に記載の化粧道具。
7.前記拡散剤は、シリカ、ヒュームドシリカ、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルシロキサン、窒化ホウ素、マイカ、ヒュームドアルミナ、および、セルロース誘導体、からなる群より選択される、6.に記載の化粧道具。
8.前記色素は酸化チタンであり、前記拡散剤はシリカである、1.に記載の化粧道具。
9.前記色素は酸化鉄である、1.に記載の化粧道具。
10.色素と、化粧品または薬剤として許容可能な賦形剤と、からなる第1の化粧用組成物、および、拡散剤と、塗膜形成剤と、化粧品または薬剤として許容可能な賦形剤と、からなる第2の化粧用組成物を用いる方法であって、前記第1の化粧用組成物を下塗りとして皮膚に塗布する工程と、その後、前記第2の化粧用組成物を前記下塗りの上に上塗りとして塗布する工程と、からなり、前記第1の化粧用組成物と前記第2の化粧用組成物とは、皮膚の見た目を改善するような量で用いられることを特徴とする、方法。
11.前記色素は酸化チタンであり、前記拡散剤はナイロンである、10.に記載の方法。
12.前記下塗りの厚さが約1から20ミクロンであり、前記上塗りの厚さが約1から20ミクロンである、10.に記載の方法。
13.前記第2の化粧用組成物は約60パーセント以下の反射率を有する、10.に記載の方法。
14.前記第2の化粧用組成物は約40パーセント以下の反射率を有し、前記色素は酸化チタンであり、かつ、前記拡散剤はナイロンである、12.に記載の方法。
15.前記第2の化粧用組成物は約20パーセント以下の反射率を有する、12.に記載の方法。
16.
(a)
(1)色素と、
(2)化粧品または薬剤として許容可能な賦形剤と、
からなる第1の組成物を下塗りとして生体表面に塗布する工程と、
続いて、
(b)
(1)拡散剤と、
(2)塗膜形成剤と、
(3)化粧品または薬剤として許容可能な賦形剤と、からなる第2の組成物を、上塗りとして、前記下塗りの上に塗布する工程と、からなる生体表面への化粧用組成物の塗布方法。
17.前記拡散剤はナイロンからなり、前記色素は酸化チタンからなる、16.に記載の方法。
18.前記第1の組成物は約1.42から1.60の間の屈折率を有し、前記第2の組成物は約1.40から2.00の間の屈折率を有する、16.に記載の方法。
19.前記下塗りの厚さが約1から20ミクロンであり、前記上塗りの厚さが約1から20ミクロンである、16.に記載の方法。
20.前記第2の化粧用組成物は約40パーセント以下の反射率を有し、前記色素は酸化チタンであり、かつ、前記拡散剤はナイロンである、19.に記載の方法。
21.前記色素は酸化鉄である、19.に記載の方法。
22.前記第2の組成物は約20パーセント以下の反射率を有する、19.に記載の方法。
23.基質と、前記基質と接する下塗りとして形成された、第1の組成物と、前記第1の組成物と接する上塗りとして形成された第2の組成物と、からなり、前記第1の組成物は色素を含有し、前記第2の組成物は拡散剤を含有することを特徴とする、化粧用組成物の層状配置体。
24.前記上塗りの厚さが約10ミクロンである、23.に記載の化粧用組成物の層状配置体。
25.前記上塗りは約60パーセント以下の反射率を有する、24.に記載の化粧用組成物の層状配置体。
26.前記上塗りは約20パーセント以下の反射率を有する、24.に記載の化粧用組成物の層状配置体。
27.前記色素は酸化チタンであり、前記拡散剤はナイロンである、23.に記載の化粧用組成物の層状配置体。
28.約10パーセント以上の反射率を有する、23.に記載の化粧用組成物の層状配置体。
29.約20パーセントの反射率を有する、23.に記載の化粧用組成物の層状配置体。
30.約25パーセントの反射率を有する、23.に記載の化粧用組成物の層状配置体。
31.約75パーセントの反射率を有する、23.に記載の化粧用組成物の層状配置体。
32.前記第1の組成物は酸化鉄を含む、23.に記載の化粧用組成物の層状配置体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)
(1)色素と、
(2)化粧品または薬剤として許容可能な賦形剤と、
からなる第1の組成物と、
(b)
(1)拡散剤と、
(2)塗膜形成剤と、
(3)化粧品または薬剤として許容可能な賦形剤と、
からなる第2の組成物と
から構成されることを特徴とする化粧道具。
【請求項2】
記拡散剤はナイロンからなり、前記色素は酸化チタンからなる、請求項1に記載の化粧道具。
【請求項3】
前記第1の組成物は約1.38から3.52の間の屈折率を有し、前記第2の組成物は約1.30から2.20の間の屈折率を有する、請求項1に記載の化粧道具。
【請求項4】
前記色素は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、フェリックブルー、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、アルミニウムレーキ、および、カーボンブラック、からなる群より選択される、請求項1に記載の化粧道具。
【請求項5】
前記拡散剤は、シリカ、ヒュームドシリカ、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルシロキサン、窒化ホウ素、マイカ、ヒュームドアルミナ、および、セルロース誘導体、からなる群より選択される、請求項1に記載の化粧道具。
【請求項6】
前記色素は酸化チタンからなり、前記拡散剤はシリカからなる、請求項1に記載の化粧道具。
【請求項7】
前記色素は酸化鉄である、請求項1に記載の化粧道具。
【請求項8】
色素と、化粧品または薬剤として許容可能な賦形剤とからなる第1の化粧用組成物、および、拡散剤と、塗膜形成剤と、化粧品または薬剤として許容可能な賦形剤とからなる第2の化粧用組成物を用いる方法であって、前記第1の化粧用組成物を下塗りとして皮膚に塗布する工程と、その後、前記第2の化粧用組成物を前記下塗りの上に上塗りとして塗布する工程とからなり、前記第1の化粧用組成物と前記第2の化粧用組成物とは皮膚の見た目を改善するような量で用いられることを特徴とする、方法。
【請求項9】
前記下塗りの厚さが約1から20ミクロンであり、前記上塗りの厚さが約1から20ミクロンである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の化粧用組成物は約60パーセント以下の反射率を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の化粧用組成物は約40パーセント以下の反射率を有し、前記色素は酸化チタンであり、かつ、前記拡散剤はナイロンである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の化粧用組成物は約20パーセント以下の反射率を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
(a)
(1)色素と、
(2)化粧品または薬剤として許容可能な賦形剤と、
からなる第1の組成物を下塗りとして生体表面に塗布する工程と、
続いて、
(b)
(1)拡散剤と、
(2)塗膜形成剤と、
(3)化粧品または薬剤として許容可能な賦形剤と、
からなる第2の組成物を上塗りとして前記下塗りの上に塗布する工程と、
からなる生体表面への化粧用組成物の塗布方法。
【請求項14】
前記拡散剤はナイロンからなり、前記色素は酸化チタンからなる、請求項9または13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の組成物は約1.42から1.60の間の屈折率を有し、前記第2の組成物は約1.40から2.00の間の屈折率を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記下塗りの厚さが約1から20ミクロンであり、前記上塗りの厚さが約1から20ミクロンである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の化粧用組成物は約40パーセント以下の反射率を有し、前記色素は酸化チタンであり、かつ、前記拡散剤はナイロンである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記色素は酸化鉄である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の組成物は約20パーセント以下の反射率を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
基質と、前記基質と接する下塗りとして形成された、第1の組成物と、前記第1の組成物と接する上塗りとして形成された第2の組成物と、からなり、前記第1の組成物は色素を含有し、前記第2の組成物は拡散剤を含有することを特徴とする、化粧用組成物の層状配置体。
【請求項21】
前記上塗りの厚さが約10ミクロンである、請求項20に記載の化粧用組成物の層状配置体。
【請求項22】
前記上塗りは約60パーセント以下の反射率を有する、請求項21に記載の化粧用組成物の層状配置体。
【請求項23】
前記色素は酸化チタンからなり、前記拡散剤はナイロンからなる、請求項20に記載の層状配置体。
【請求項24】
約10パーセント以上の反射率を有する、請求項20に記載の化粧用組成物の層状配置体。
【請求項25】
約20から75パーセントの反射率を有する、請求項20に記載の化粧用組成物の層状配置体。
【請求項26】
前記第1の組成物は酸化鉄を含む、請求項20に記載の化粧用組成物の層状配置体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−506450(P2011−506450A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538022(P2010−538022)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/083344
【国際公開番号】WO2009/075992
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(399130393)エイボン プロダクツ インコーポレーテッド (75)
【Fターム(参考)】