説明

多目的運動システム

複数の運動ルーチンが単一システムによって実行され得る、運動システムが提供される。運動システムは、スキー運動、ローイング運動およびウエイトトレーニング/抵抗運動のために用いられ得る。システムは、抵抗アセンブリを収納するハウジングを含む。可動のグリップデバイスおよび/またはキャリッジは、抵抗アセンブリとインタフェースし、その結果として、グリップデバイスまたはキャリッジの運動が抵抗を受ける。運動システムは、隠蔽ハウジングを含み得、その結果として、運動システムは、コンパクトでかつ隠蔽された位置に保管され得る。隠蔽ハウジングは、家具の一品または構造物の一部分であり、スペース節約の利益を提供し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
2006年7月17日に出願の仮特許出願第60/831,738号に対する優先権が主張され、該仮特許出願の内容は本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、多種類の運動用に構成可能であり得る運動のシステムおよび器具に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
トレッドミル(treadmill)、固定自転車(stationary bicycle)、ステアマシン(stair machine)、ローイングマシン(rowing machine)、スキートレーナ(ski trainer)、ウエイトマシン(weight machine)などの多種類の運動装置が存在する。運動することを望む人々は、そのような装置の1つ以上を購入することを選択し得るか、または運動器具が使用可能であり得るジムに行き得る。ジムの運動は、ジムへの行き帰りの移動にかかる過度の時間、混雑、列、営業時間および潜在的な清潔さについての懸念などの様々な欠陥を受ける。
【0004】
家庭の運動機器は、公知であり、ジムの運動の一部の欠陥に対処して、家での運動の便利さを提供する。しかしながら家庭用運動機器もまた、様々な欠陥を受ける。そのような欠陥の1つは、機器を配置しかつ使用するための過度のスペースを必要とするという心配であり、該過度のスペースは、アパートおよび家に運動機器を配置する望ましさを減少させる。異なる種類の運動用などに1つ以上の運動器械が所望される場合、この欠陥は悪化される。もちろんスペースの制約は、家の運動のみに限定されるのではなく、ジムもまた、その利用可能なスペースに備え付けられ得る運動器械の数および種類においてスペースが制限される。
【0005】
多くの公知の運動装置の別の欠陥は、それらの装置が特定の種類の運動に特殊化されていることである。例えば、トレッドミルは、ジョギングまたはウォーキングの種類の運動に向けられている。ウエイトすなわちウエイトマシンは、ウエイトトレーニング運動に向けられている。ローイングマシンは、ローイングまたはプリング運動に向けられている。ステアマシンは、クライミング運動に向けられている。クロスカントリースキーマシンは、直線または回転の種類のクロスカントリースキー運動に向けられている。トラバーススキーマシンは、体側対体側(side−to−side)の種類のスキー運動に限定される。従って、家で複数の運動を行なうことを望む人は、複数台の運動機器を入手する必要があり、家のスペースをとり得る。広範囲の運動を提供しようと努めるジムは、多くの異なる種類の器械を購入し配置する必要があり、利用可能なスペースも占有する。スペースの制限は別として、複数の器械を据え付けることは、設置に必要な時間、ジム職員の専門的訓練、ユーザに対する習得期間、メンテナンスおよび掃除などの他の欠陥も発生させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、比較的にコンパクトであり、家具の下または家具内に保管され得、オプションで2つ以上の種類の運動に用いられ得る運動システムに対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の概要)
本発明は、比較的にコンパクトな機構を用いて多種類の運動を提供する能力のある運動システムおよび器具を提供する。本発明の一局面において、運動器具は、比較的に薄い輪郭を有するが、それでも2つ以上の種類の運動を可能にする。本発明の別の局面において、運動器具の比較的に薄い輪郭は、運動システムとして、ソファまたはキャビネット引出しなどの家具の中に運動器具を組み込むことを可能にする。本発明のさらなる局面において、運動器具は、トラバーススキー術、ローイングおよび/またはウエイト抵抗トレーニングなどの数種類の運動を、単一のユニットにて行なう。
【0008】
一実施形態において、概して長方形であるハウジングが提供される。ハウジング内に抵抗アセンブリがあり、該抵抗アセンブリは、ユーザがグリップデバイスまたはキャリッジを動かすとき、抵抗を与える。抵抗アセンブリは、張力変換部材よって所定の形状に構成される張力伝達部材と、事前の負荷の張力を張力伝達部材に提供する、スプリングなどの張力発生部材とを含む。一実施形態において、張力伝達部材はケーブルであり得、張力変換部材はプーリであり得る。
【0009】
少なくとも1つの張力調整部材が、張力伝達部材とインタフェースし、ユーザによるグリップデバイスまたはキャリッジの動きに応答して、張力伝達部材の形状を変化させる。
【0010】
キャリッジは、ハウジングの外部に備えられ、平行移動が可能であり、ローイングタイプの運動などの様々な運動において、またはスキータイプの運動のためのフットサポートとして用いられ得る。さらに、平衡運動または往復運動に関してユーザを援助するために用いられ得る、レールまたはサポートなどの追加の構成要素がハウジングに取り付けられることを可能にする、オプションのアタッチメントが提供される。抵抗アセンブリは、運動中、ユーザに提供される抵抗を変化させるように調整され得る。
【0011】
抵抗アセンブリは、例えば取付けアセンブリなどの張力調整部材の移動の範囲の中立位置を変化させるように調整可能であり得る。例えば、システムの構成は、張力調整部材が移動の範囲の中心の近くに中立位置を有する結果となる。この構成において、張力調整部材がどちらかの方向に移動すると、張力調整部材は、中立位置に張力調整部材を戻すように誘導して作用する抵抗アセンブリによって提供される抵抗に出会う。この構成は、装置がスキー運動器械として用いられるとき所望され得る。システムの構成の別の例示において、張力調整部材は、その移動の範囲の一端部またはその近くに中立位置を有する。この構成は、装置がローイング運動器械として用いられるとき所望され得る。
【0012】
一実施形態において、グリップデバイスは、器械から延びるプルケーブルに連結され、バーまたはハンドルなどの掴むべきものを含む。この構成は、ウエイトトレーニングにおける使用に所望される。ウエイトトレーニングにおいて、ユーザは、グリップデバイスを引っ張り、抵抗アセンブリからの抵抗を受け得る。
【0013】
抵抗の量は、調整機構を操作することによって、加えられるばね力を調整することによって、調整可能である。該機構は、調整を容易にするために、オプションでハウジングの外部の少なくとも一部からアクセス可能である。抵抗は、ノブを回転すること、スライダを操作すること、または電子もしくはデジタルのコントローラを操作することなどによって、コントローラを用いて調整される。
【0014】
運動器具は、一体化運動システムの中に組み込まれ得る。一体化運動システムは、隠蔽ハウジング内に保管されかつ隠蔽され得る運動器具を含む。隠蔽ハウジングは、家具の一品であり得、その結果、運動器具が保管されかつ隠蔽されるとき、運動器具は使用可能なスペースをとらない。例えば、隠蔽ハウジングは、ドレッサーキャビネットであり得、運動器具は、引出しの代わりに、または引き出しの内部に含まれ得る。一実施形態において、運動器具は、動作位置またはその近くにおいてアクセスを容易にするために下部引出しに置かれる。
【0015】
動作時、運動器具は、隠蔽ハウジング内の保管されかつ隠蔽された位置から外に取り出され、使用され得る。オプションで、運動器具は、リンケージを介して隠蔽ハウジングに接続され、リンケージは運動装置を動作位置に置くために手動で起動されるかまたは電動で駆動される。例えば、運動器具は、ソファ構造に組み込まれ得る。そのような例において、運動器具は、リンケージを用いて折り畳まれてソファから取り出され得るか、もしくはソファ内の空間から持ち上げられ得るか、またはカバーのクッションを取り外すことによって適切な位置で動作され得る。別の例において、運動器具は、壁スペースに置かれ、床の近くかまたは床にヒンジで取り付けられ、運動器具を下方に回転させることによってアクセス可能になる、同様に、運動器具は、別の方法でベッドの下などの小面積に保管され得る。
【0016】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、本発明の以下の詳細な説明および添付の図面の検討から理解され、添付の図面において、全体を通じて同様な参照数字は同様な部品を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明に従う第1の構成における運動器具の実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、本発明に従う第2の構成における図1の運動器具の斜視図である。
【図3】図3は、図1の運動器具の一部分の斜視図である。
【図4】図4は、図1の運動器具の別の部分の斜視図である。
【図5】図5は、図1の運動器具の別の部分の斜視図である。
【図6】図6は、図1の運動器具の別の部分の斜視図である。
【図7】図7は、図6の構成において示される、図1の運動器具の別の部分の斜視図である。
【図8】図8は、図1の運動器具の別の部分の斜視図である。
【図9】図9は、図1の運動器具の一部分の別の斜視図である。
【図10】図10は、第2の構成における、図1の運動器具の別の部分の斜視図である。
【図11】図11は、第2の構成における、図1の運動器具の別の部分の斜視図である。
【図12】図12は、本発明に従う運動器具の別の実施形態の斜視図である。
【図13】図13は、本発明に従う運動器具の別の実施形態の斜視図である。
【図14】図14は、図13の運動器具の別の斜視図である。
【図15】図15は、図13の運動器具の一部分の斜視図である。
【図16】図16は、図13の運動器具の別の部分の斜視図である。
【図17】図17は、本発明に従う、運動器具の別の実施形態の斜視図である。
【図18】図18は、図17の運動器具の一部分の斜視図である。
【図19】図19は、図17の運動器具の別の部分の斜視図である。
【図20】図20は、図17の運動器具の一部分の下部斜視図である。
【図21】図21は、ロックされた位置における継手を含む運動器具の一部分の斜視図である。
【図22】図22は、ロックが解かれた位置における継手を含む運動器具の一部分の斜視図である。
【図23】図23は、図21の運動器具の部分の別の斜視図である。
【図24】図24は、図22の運動器具の部分の別の斜視図である。
【図25】図25は、図22の継手の断面図である。
【図26】図26は、運動器具が本発明に従う閉鎖の構成においてソファの中に一体化されている一体化運動システムの実施形態の斜視図である。
【図27】図27は、開放の構成における図26の実施形態の別の斜視図である。
【図28】図28は、運動器具が本発明に従う開放の構成においてソファの中に一体化されている一体化運動システムの別の実施形態の斜視図である。
【図29】図29は、運動器具が本発明に従う閉鎖の構成においてソファの中に一体化されている一体化運動システムの別の実施形態の斜視図である。
【図30】図30は、部分的な開放の構成における図29の実施形態の別の斜視図である。
【図31】図31は、開放の構成における図29の実施形態の別の斜視図である。
【図32】図32は、運動器具が本発明に従う閉鎖の構成においてタンスの中に一体化されている一体化運動システムの実施形態の斜視図である。
【図33】図33は、開放の構成における図32の実施形態の斜視図である。
【図34】図34は、本発明に従う閉鎖の構成における一体化運動器具の壁取付けの実施形態の斜視図である。
【図35】図35は、開放の構成における図34の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(発明の詳細な説明)
以下のパラグラフにおいて、本発明は、添付の図面を参照して例示の目的で詳細に説明される。この説明全体を通して、示される好ましい実施形態および例示は、本発明を制限するものよりもむしろ、代表例として考えられるべきである。本明細書において用いられるように、「本発明」は、本明細書に説明される本発明の実施形態の任意の1つおよび任意の均等物をいう。さらに、この文書全体を通して本発明の様々な局面の言及は、すべての請求される実施形態または方法が言及された局面を含まなければならないということを意味しない。
【0019】
本発明の多目的運動システムは、概して、隠蔽ハウジングに保管されかつ隠され得る運動器具から組み立てられ、それによって、一体化した運動システムに運動器具を一体化し、該一体化した運動システムは、例えば、家庭の家具の一品の形態であり得る。図1〜図11は、本発明の局面に従う運動器具10の実施形態を示す。運動器具10は、概して、ユーザが単一のコンパクトシステムを用いて様々な運動を成し遂げることを可能にするように組み立てられる。特に、運動器具10は図1に示されるように構成され得、運動器具10は、運動器具10に含まれる抵抗アセンブリによって提供される抵抗に対してグリップデバイス107を引くことによって、ユーザがローイング運動またはウエイト抵抗運動を実行することを可能にする。あるいは、運動器具10は、図2に示されるように構成され得、運動器具10は、運動器具10に含まれる抵抗アセンブリによって提供される抵抗に対して横切る方向にキャリッジ105をスライドさせることによって、ユーザが滑降スキー運動または類似の運動をまねる運動を実行することを可能にする。本実施形態において、ケーブル構成要素、プーリ構成要素およびスプリング構成要素は、運動中に抵抗を提供するように用いられる抵抗アセンブリを形成するようにアセンブリされる。
【0020】
ハウジング12は、運動器具10の抵抗アセンブリのケーブル構成要素およびスプリング構成要素を収納する。ハウジング12は、第1の側面パネル101、第2の側面パネル102、第3の側面パネル103、第4の側面パネル104、上部カバー106およびオプションの下部カバー(図示されていない)によって囲まれる。示されるようにハウジング12は、第1の側面パネル101および第2の側面パネル102を有する長方形であり、第1の側面パネル101および第2の側面パネル102は、概して平行であり、長方形のハウジング12の最短の側面を形成し得る。第3の側面パネル103および第4の側面パネル104は、概して平行であり、長方形ハウジング12の細長い側面を形成し、該長方形ハウジング12の細長い側面は、ハウジング12の長手方向軸に平行である。
【0021】
上部カバー106は、好ましくは、ハウジング12の内部を覆い隠し、快い外観と耐久性のある囲いを提供するように、ハウジング12の側面パネルによって囲まれる領域全体に広がる。オプションでカバー106は、他のハウジング構成要素に対して可動であるように構成され得、その結果、ハウジング12の内部にアクセスし得る。例えば、カバー106は、側面パネル101、102、103もしくは104の1つにヒンジで取り付けられるか、またはハウジング12から取り外し可能であり得る。
【0022】
好ましい実施形態において、カバー106はまた、取り付けられ閉鎖位置にあるとき、100ポンド〜500ポンドなどの典型的なユーザの重量を支持するほどに十分に頑丈である。閉じられているとき、カバー106は、ハウジング12の内部へのアクセスを防ぎ、ケーブルおよびスプリングアセンブリの稼動し動く構成要素を保護することを助け、運動中のユーザに対して支持表面を提供する。
【0023】
連結材(connector)118および連結材119などのさらなる支持部材は、第3の側面パネル103と第4の側面パネル104との間に張り渡り、ハウジング12に対してさらなる支持を提供する。連結材118および119は、それらが抵抗アセンブリの動作を妨げることなく、抵抗アセンブリの構成要素を取り付けるためにも用いられ得るように、配置される。例えば、抵抗ケーブル130などの抵抗アセンブリの張力伝達部材は、連結材119の上と下の両方に延び、連結材119は、抵抗アセンブリに含まれるプーリ132を支持する。
【0024】
さらにバリア126が含まれ、運動器具10の内部内の構成要素の少なくとも一部分の間の分離を提供し得る。バリア126は、内部構成要素間の望ましくない相互作用を防ぎ、装置のメンテナンス中のユーザに保護を付加し得る。バリア126はまた、ハウジング自体または連結材118および119の組合せの剛性を増加させ得る。
【0025】
抵抗アセンブリは、上部カバー106などのハウジング12の様々な構成要素が取り外されている図3および図4を参照して説明される。概して抵抗アセンブリは、例えば抵抗ケーブル130などの張力伝達部材を備えていて、該張力伝達部材は、例えばプーリなどの複数の張力方向変換部材を介して所定の形状で、ハウジング12を通って延びる。例えば、ねじりスプリング135などの張力発生部材は、抵抗ケーブル130に連結され、その結果として、抵抗ケーブル130は選択された張力を事前に負荷される。少なくとも1つの張力調整部材は、抵抗ケーブル130に連結され、抵抗ケーブル130に沿った張力調整部材の移動がねじりスプリング135によって抵抗ケーブル130に加えられる張力における変化をもたらすように構成される。本明細書における用語「プーリ」は、任意の形態の張力方向変換部材またはアセンブリを示すために用いられることに注意されるべきである。
【0026】
本実施形態において、抵抗ケーブル130の第1の端部は、第1のディスク131に連結される。抵抗ケーブル130は、第1のディスク131から、概して第1の側面パネル101の方向に取付けアセンブリ127に配置された通過プーリ128を通過して延びる。取付けアセンブリ127は、張力調整部材の例であり、以下により詳細に説明されるように、ハウジング12に対して可動であって、抵抗ケーブル130の形状を変化させる。抵抗ケーブル130とプーリ128との相互作用は、ハウジング12の長手方向軸に概して平行な方向から斜めの方向に抵抗ケーブル130を向け直し、この場合、抵抗ケーブル130は、概して側面パネル101と側面パネル104との交点に向かって延びる。
【0027】
抵抗ケーブル130は、概してプーリ128からプーリ147に延び、プーリ147は、パネル101と側面パネル104との交点に隣接して配置される。プーリ147は、プーリ149に向かって鉛直方向の下方に向けて短い距離で抵抗ケーブル130を向け直す。プーリ149は、抵抗ケーブル130をプーリ143に向け直し、プーリ143は、張力調整部材の別の例であるアタッチメント142上に配置される。
【0028】
抵抗ケーブル130は、アタッチメント142のプーリ143からプーリ150に延び、プーリ150は、概して水平であり、側面パネル102と側面パネル104との交点に概して隣接して配置される。プーリ150から、抵抗ケーブル130は、側面パネル102に概して平行にプーリ151に延び、プーリ151は、側面パネル102と側面パネル103との交点に隣接して配置される。抵抗ケーブル130は次いで、プーリ151からアタッチメント142のプーリ144に延びる。
【0029】
抵抗ケーブル130は、プーリ144から側面パネル101と側面パネル103との交点に概して隣接して配置されたプーリ122に進む。プーリ122は、プーリ120に向かって鉛直方向の上方に抵抗ケーブル130を向け直す。最後に、抵抗ケーブル130は、側面パネル103から離れるように、プーリ120から取付けアセンブリ127上に配置されたプーリ129に進み、次いで側面パネル102の方向に進む。抵抗ケーブル130は、第2のディスク134において終結する。
【0030】
プーリ120、プーリ122、プーリ147およびプーリ149は、対でハウジング12に取り付けられ、抵抗ケーブル130を鉛直方向に向け直すように構成される。さらに、プーリ120および122は、それらが互いに対して動くことが可能なように取り付けられる。同様に、プーリ147および149は、それらが互いに対して動くことが可能なようにハウジング12に取り付けられる。示されるように、プーリ120およびプーリ122は、それらが心棒121に沿って延びる第1の鉛直軸の周りに互いに対して回転することが可能であるようにハウジング12に取り付けられる。プーリ147およびプーリ149は同様に、それらが心棒148に沿って延びる第2の鉛直軸の周りに互いに対して回転することが可能であるようにハウジング12に取り付けられる。
【0031】
図4に示されるように、抵抗ケーブル130は、それが概して2つのレベルを形成するように構成される。例えば、第1のディスク131と、プーリ128と、プーリ147との間に延びる抵抗ケーブル130の部分は、第2のディスク134と、プーリ129と、プーリ120との間に延びる抵抗ケーブル130の部分と同じ平面にあり、それによって第1のレベルを形成する。第2のレベルは、プーリ122と、プーリ144と、プーリ151と、プーリ150と、プーリ143と、プーリ149との間に延びる抵抗ケーブル130の部分によって形成され、これらもまた同じ平面にある。
【0032】
第1のレベルの抵抗ケーブル130は、概して「Y」構成の形をしていて、第2のレベルは、概して「X」構成の形をしている。より詳細に以下に説明されるように、第1のレベルの抵抗ケーブル130は、ローイングトレーニングタイプ運動またはウエイトトレーニングタイプ運動に対する抵抗を提供することに特に良く適しており、一方、第2のレベルは、スキータイプ運動などの、中間の中立位置から反対方向への移動を伴う運動に対して抵抗を提供することに特に良く適している。
【0033】
抵抗ケーブル130は、一端部において第1のディスク131に、第2の端部において第2のディスク134に接続される。好ましくは、第1のディスク131は、第1のディスク131とプーリ128の接触点との間において抵抗ケーブル130が進む経路が、取付けアセンブリ127の往復運動に実質的に平行に整列されるように配置される。同様に第2のディスク134は、第2のディスク134とプーリ129の接触点との間において抵抗ケーブル130が進む経路が、取付けアセンブリ127の往復運動に実質的に平行に整列されるように配置される。
【0034】
ねじりスプリング135は、抵抗ケーブル130に事前に負荷をかけ、かつ運動装置10の使用中に張力調整部材の移動の結果生じる、抵抗ケーブル130における増加した張力に反発するために用いられる。ねじりスプリング135は、第1のディスク131と、第2のディスク134と、サポート133と、リンケージ139と、カプラ140と、サポート152とから形成される抵抗リンケージを介して抵抗ケーブル130に連結される。抵抗リンケージは、抵抗ケーブル130における張力をねじりスプリング135の端部の回転変位に変換する。特に、抵抗ケーブル130が第1のディスク131および第2のディスク134に対して力を働かせると、サポート133が回転し、リンケージ139およびカプラ140を介してねじりスプリング135の端部を回転させ、それによって、抵抗ケーブル130における増加した張力の少なくとも一部分に対抗するようにスプリング力を発生する。
【0035】
第1のディスク131および第2のディスク134は、サポート133に取り付けられる。本実施形態において、第1のディスク131および第2のディスク134は、サポート133に固定して連結され、サポート133は、第4の側面パネル104および第3の側面パネル103に連結され、その結果として、サポート133は回転し得る。サポート133は、リンケージ139およびカプラ140によってねじりスプリング135に接続される。好ましくは、リンケージ139は、サポート133に固定して取り付けられ、ピン、ヒンジ、または相対運動を許容する他の種類の接続部を介してカプラ140の第1の端部に連結される。
【0036】
カプラ140の第2の端部はアタッチメント153に連結され、アタッチメント153はサポート152上に配置される。カプラ140は、サポート133の回転がアタッチメント153に伝達されるように構成され、それよってアタッチメント153を回転させる。サポート152は、ハウジング12の第4の側面パネル104と第3の側面パネル103との間に配置され、側面パネルに対して回転し得る。側面パネル104の近くに位置するサポート152の一方の端部は、フランジ145における開口部内に配置される。サポート152の他方の端部は、側面パネル103に連結される。アタッチメント153は、側面パネル103の近傍においてサポート152に付着され、ピン、ヒンジ、または相対運動を許容する他の種類の接続部によってカプラ140に連結される。
【0037】
フランジ145は、サポート152の端部の周りに配置され、第4のパネル104に取り付けられる。フランジ145もまた、アタッチメント146に連結され、アタッチメントはフランジ145の周りに回転し得る。アタッチメント146はノブアセンブリ116に連結され、その結果として、ノブアセンブリ116の調整はアタッチメント146の角度位置を変化させる。
【0038】
ねじりスプリング135は、サポート152を取り囲む。ねじりスプリング135の一方の端部はアタッチメント146に取り付けられ、一方、ねじりスプリング135の他方の端部は、アタッチメント153に取り付けられる。その結果、抵抗ケーブル130から、ディスク131および134、サポート133、リンケージ139ならびにカプラ140を介してアタッチメント153に伝達される力は、ねじりスプリング135の一方の端部をねじりスプリング135の他方の端部に対して回転させる。従って、サポート133が抵抗ケーブル130の増加した張力により回転させられると、力は、ねじりスプリング135に伝達される。その結果として、ねじりスプリング135は、歪められ、該歪みに抵抗し、以前の位置にサポート133を戻らせるように働く反力を加える。張力調整部材が抵抗ケーブル130における張力を増加させるとき、ねじりスプリング135によって提供されるスプリング力は、運動器具10の使用中に抵抗を提供する。
【0039】
例えば取付けアセンブリ127およびアタッチメント142などの張力調整部材の移動と、抵抗アセンブリによって提供される抵抗との間の関係が、所望の動作特性を提供するために選択され得ることは理解されるべきである。例えば、関係は、必要に応じて線形または非線形であり得る。例えば、ディスク131および134は、一定の直径または変化する直径が備えられ、その結果として、抵抗ケーブル130とサポート133との間に備えられるモーメントアームは、ディスク131および134の角度方向に基づき変化する。サポート133の回転をアタッチメント153およびねじりスプリング135の回転に伝達するために用いられるリンケージ機構はまた、張力調整部材の運動と抵抗アセンブリによって提供される抵抗との間の任意の所望の関係を提供するように設計され得る。
【0040】
図1に示されるように、運動器具10はユーザがローイングタイプ運動およびウエイト抵抗タイプ運動を実行することを可能にするように構成され得る。その構成において、オプションのグリップデバイス107は、運動器具10に含まれ得る。プルケーブル108の第1の端部は、永続的または取り外し可能のいずれかでグリップデバイス107に取り付けられる。プルケーブル108は、グリップデバイス107から延び、プーリ111によってプーリ112に向かって鉛直方向に下方に向け直され、プーリ112は、側面パネル101を通ってハウジング12の中にプルケーブル108を向け直す。ハウジング12に入った後、プルケーブル108は、取付けアセンブリ127上に配置されたプーリ136の周りにループし、戻って側面パネル101を通ってハウジング12から出るように向け直される。プルケーブル108の第2の端部は、側面パネル101の外側表面に配置されたスプール155に取り外し可能に連結される。
【0041】
グリップデバイス107は、ユーザがプルケーブルをつかみ、押し、かつ/または引くことを可能にする任意の形態であり得ることは理解されるべきである。さらに、プルケーブルはユーザによるグリップデバイスの移動を伝える任意のデバイスであり得ることも理解されるべきであり、プルケーブルは、例えば、ケーブル、ワイヤ、ベルト、ロープまたは、グリップデバイスと取付けアセンブリ127との間の引張り力または圧縮力を伝達することの可能な任意の他の構造であり得る。
【0042】
取付けアセンブリ127は、ハウジング12の長手方向軸に概ね平行な方向に往復運動するように構成される。本実施形態において、取付けアセンブリ127は、ベルト137によって吊るされる。特に、ベルト137は、閉ループを形成し、プーリ124およびプーリ132の周りに延びる。取付けアセンブリ127は、ベルト137に固定して連結され、その結果として、取付けアセンブリ127の動きは、ベルト137の経路に限定される。取付けアセンブリ127は、示されるようにベルト137の2つの端部に連結されるか、またはベルト137の一部分の上に取り付けられ得ることは理解されるべきである。取付けアセンブリ127は、ベルト137によって作られるループの限定された部分の範囲を、好ましくはプーリ124とプーリ132との間の所定の経路に限定されて、平行移動することが理解されるべきである。あるいは、取付けアセンブリ127は、必要に応じてベルト137に取り付けられるよりはむしろ、軌道に沿って転がるかまたは滑るように構成され得る。
【0043】
取付けアセンブリ127は、プーリ128と、プーリ129と、プーリ136とを支持する。上記のように、プーリ128および129は、第1のレベルの抵抗ケーブル130の一部分に係合し、プーリ136は、プルケーブル108の一部分に係合する。その結果、取付けアセンブリ127は、グリップデバイス107と運動器具10の抵抗アセンブリとの間に力の伝達を提供する。より詳細に以下に論議されるように、ベルト137の経路に沿った取付けアセンブリ127の移動は、抵抗ケーブル130の形状を変化させ、該形状の変化は、抵抗ケーブル130の張力の大きさおよび抵抗アセンブリによってグリップデバイス107に加えられる抵抗の大きさを変化させる。
【0044】
プーリ128および129は、取付けアセンブリ127に置かれ、その結果として、それらは、第1のレベルの抵抗ケーブル130を「Y」形に導く。特に、プーリ128および129は、取付けアセンブリ127上に位置し、その結果として、プーリ128と第1のディスク131との間に延びる抵抗ケーブル130の一部分およびプーリ129と第2のディスク134との間に延びる部分が、ハウジング12の長手方向に概ね平行である。さらに、プーリ128と129は、それらがプーリ120および147よりもハウジングの長手方向の中心線に接近するように、置かれる。その結果として、取付けアセンブリ127から側面パネル101の方向に延びる抵抗ケーブル130の部分もまた、側面パネル103および104に向かって横方向に外側に延びる。
【0045】
取付けアセンブリ127と抵抗ケーブル130との相互作用によって形成される第1のレベルの抵抗ケーブル130の「Y」形の構成は、取付けアセンブリ127が側面パネル102の方向に誘導されるようにすることは理解される。特に、抵抗ケーブル130の事前の負荷の張力は、概して側面パネル102の方向に取付けアセンブリを押しやる。
【0046】
グリップデバイス107を引くことによるなど、ユーザによって取付けアセンブリ127を側面パネル101の方向へ移動することは、第1のレベルの抵抗ケーブル130の形状を変化させ、それによって抵抗ケーブル130の張力を増加させ、取付けアセンブリ127に側面パネル102の方向に加えられる力を増加させる。本明細書において用いられるように、第1のレベルの抵抗ケーブル130の「Y」形としての説明は、取付けアセンブリ127が側面パネル102により接近するように引かれるときには、「V」形に近づく、第1のレベルの構成を包含することが意図されることはさらに理解される。
【0047】
上記のように、ベルト137は、プーリ124およびプーリ132の周りにループをなす。プーリ124は振り子123に回転可能に連結され、振り子123は心棒125に連結される。心棒125は、側面パネル101に取り付けられ、20の内部に向かって延び、振り子123の一部分を旋回するように支持し、その結果として、振り子は心棒125の端部の周りに回転され得る。振り子123はまた、振り子123の心棒125への旋回接続部から離れた位置においてノブアセンブリ113に連結される。ノブアセンブリ113は、所定の方向へのノブアセンブリ113の回転が振り子123を心棒125との旋回接続部の周りを回転させるように構成される。振り子の回転は、プーリ124とプーリ132との間の距離を変化させ、それによってベルト137の張力を変化させる。ベルト137の張力を変化させることによって、グリップデバイス107に加えられる抵抗の大きさが変化させられる。
【0048】
プーリ132はプーリマウント141に連結され、プーリマウント141は連結材119に付着される。プーリマウント141は、プーリ132がハウジング12の長手方向軸に平行な軸に沿ってプーリ124と概ね整列されるように、連結材119上に配置される。本発明の一局面に従って、プーリマウント141、プーリ132、プーリ124およびベルト137は、第4の側面パネル104と第3の側面パネル103とのほぼ中間に配置される。
【0049】
プーリ124および132は、第1のディスク131がベルト137よりも側面パネル104に接近し、第2のディスク134がベルト137より側面パネル103に接近するように配置される。さらにプーリ124および132は、ベルト137が第1のディスク131および第2のディスク134から等距離となるように配置される。
【0050】
プーリ136は、取付けアセンブリ127に回転可能に連結される。プーリ136は、ハウジング12の長手方向軸に概ね鉛直である軸の周りに回転するように構成される。例えば、本実施形態において、プルケーブル108は、ハウジング12内で、水平面内に配置されるループを形成する。プーリ136の回転軸は、鉛直であり、その結果として、プルケーブル108がプーリ136と容易に係合し得る。プーリ136の回転軸が、水平である必要がないハウジング12内のプルケーブル108の部分の平面に概ね鉛直であることは理解されるべきである。プルケーブル108の第1の端部がグリップデバイス107に連結され、プルケーブル108の第2の端部が取付けアセンブリ127に直接に連結される場合のような、他の実施形態がプーリ136を省略し得ることはさらに理解される。
【0051】
取付けアセンブリ127の移動の範囲は、限定され得る。例えば、取付けアセンブリ127は、スピンドル138を含み、スピンドル138は、取付けアセンブリ127から下方に延びる。スピンドル138は、限定部材154または連結材119などの他の構成要素と接触し、それによって、第2の側面パネル102の方向への移動所望の終点において取付けアセンブリ127の運動を妨害するように構成され得る。同様に、取付けアセンブリ127の運動の範囲は、スピンドル138と連結材118のような他の物体との間における接触によって、第1の側面パネル101の方向への移動の所望の終点において限定され得る。
【0052】
再び図1を参照すると、鉛直サポート109は、側面パネル101に連結され、運動器具10にプーリ111を連結するための骨組みを提供する。例示された実施形態において、鉛直サポート109は、側面パネル101にまたはその近くに取り外し可能に連結され、水平サポート110およびプーリ111を取り付けるために用いられ得る。本発明の一局面に従って、水平サポート110は、コッタピン、ちょうナットまたは他のそのようなデバイスなどを用いて様々な高さで鉛直サポート109に取り付けられ得る。従って、プーリ111の高さおよび方向は、プルケーブル108を介して掛けられる張力の方向を向け直すために、ユーザまたはトレーニングプログラムの範囲に適合され得る。例えば、一部のウエイト抵抗トレーニング運動は、上昇した位置にプーリ111を置くことによって実行され得、ローイングタイプの運動は、キャリッジ105または上部カバー106上の着席位置からユーザが容易にアクセス可能な比較的より低い位置にプーリ111を置くことによって促進され得る。
【0053】
図5〜図7を参照すると、ウエイト抵抗構成またはローイング構成における運動器具10の動作が説明される。これらの図において、キャリッジ105、上部カバー106およびバリア126は、明快さのために取り外されている。但しそれらの各々は、運動器具10の通常の動作中、好ましくも適切な場所に置かれている。ユーザがグリップデバイス107に引く力を加えると、引張り力はプルケーブル108に沿って伝達される。その結果、力は、取付けアセンブリ127に加えられ、第1の側面パネルの方向に取付けアセンブリ127を移動させるように誘導する。抵抗アセンブリによって提供される抵抗は、取付けアセンブリ127の移動を継続させるために必要とする力を増加させる。取付けアセンブリ127が第1の側面パネル101の方向に移動された後に引く力が減少したときには、取付けアセンブリによって提供される増加した抵抗は、取付けアセンブリ127を第2の側面パネル102の方向に移動して戻るように誘導する。
【0054】
図5において、わずかに最小量の力がグリップデバイス107に加えられた。この力は、水平の負荷として加えられ、重力に打ち勝ち、グリップデバイス107を持ち上げるのに十分であるが、スピンドル138が部材154と接触している点から取付けアセンブリ127を動かすためには、十分ではない。
【0055】
グリップデバイス107に働く水平の引く力が増加すると、図6および図7に示されるように、取付けアセンブリ127は第1の側面パネル101により近づくように移動させられる。抵抗ケーブル130における張力が図5と比較して図6および図7においてより大きくなるが、それは、取付けアセンブリ127の移動ならびにプーリ128および129と抵抗ケーブル130との間の相互作用によって引き起こされる、抵抗ケーブル130の形状の変化による。特に、抵抗ケーブル130は、抵抗ケーブル130の長い方の長さが取付けアセンブリ127の往復運動の経路に本質的に平行であり、短い方の長さが取付けアセンブリ127とプーリ120および147との間に、より大きい角度で延びるように、強制的に歪められる。対照的に、取付けアセンブリ127が第2の側面パネル102の方向に移動すると、抵抗ケーブル130の張力は減少させられる。
【0056】
抵抗アセンブリによって提供される抵抗の大きさを調節するための手段が提供され、それによってトレーニングの困難さまたは強度のレベルをユーザがカスタマイズすることを可能にする。グリップデバイス107の運動中に抵抗アセンブリによって加えられる抵抗の大きさを変化させる1つの方法は、ノブアセンブリ113を調整することである。上記のように、ノブアセンブリ113が調整されると、振り子123が回転し、このことがプーリ124とプーリ132との間の相対運動を引き起こす。ベルト137がプーリ124とプーリ132との上を通るループを形成するので、プーリ124がプーリ132から離れるように遠くに移動させられればさせられるほど、ベルト137の張力が大きくなる。
【0057】
プーリ132はオプションで、プーリ132が一方向のみに回転することを許容する単方向クラッチを備える。特に、プーリ132は、取付けアセンブリ127が第2の側面パネル102の方向に移動するときには自由に回転するように構成されるが、取付けアセンブリ127が第1の側面パネル101の方向に移動するときには、回転が妨げられる。この方法で、ノブアセンブリ113がベルト137の張力を増加するように調整されると、第1の側面パネル101の方向に所定の距離だけ取付けアセンブリ127を移動させるために、より大きな力がグリップデバイス107に加えられなければならない。増加した力が必要であるのは、ベルト137を固定プーリ132の上を滑らせるためにベルト137とプーリ132との間に与えられる摩擦に打ち勝たなければならないからである。プーリ132は、反対の方向に自由に回転するので、グリップデバイス107に加えられる引く力が減少させられるときには、取付けアセンブリ127は、第2の側面パネル102の方向に移動し、その元の位置に戻り得る。
【0058】
グリップデバイス107の運動中に抵抗アセンブリによって加えられる抵抗の大きさを変化させる別の方法は、ノブアセンブリ116を調整することである。上記のように、アタッチメント146はノブアセンブリ116に連結され、その結果として、ノブアセンブリ116の調整がアタッチメント146の角度位置を変化させる。ねじりスプリング135の端部はアタッチメント146に連結されているので、アタッチメント146の角度位置を変化させることは、ねじりスプリング135によって抵抗ケーブル130に加えられる事前の負荷を変化させるために用いられ得る。事前の負荷を増加させることは、抵抗アセンブリによって加えられる抵抗を増加させ、一方、事前の負荷を減少させることは、抵抗アセンブリによって加えられる抵抗を減少させる。
【0059】
図8を参照すると、運動器具10の部分図が説明される。本発明の一局面に従って、ノブアセンブリ116の1つの端部は側面パネル102の外側に配置され、その結果として、ユーザはノブアセンブリ116を操作し得る。ノブアセンブリ116の一部分は、側面パネル102にある開口部を通過し、ノブアセンブリ116の第2の端部はアタッチメント146に連結される。ノブアセンブリ116は、アタッチメント146の位置を調整するように構成される。調整は、アタッチメント146およびノブアセンブリ116の第2の端部にねじ山を備えることによって達成され得る。従って、ノブアセンブリ116が回されると、アタッチメント146は、ノブアセンブリ116の長さに沿って移動する。あるいは、調整は、ピン、ヒンジまたは他の可動機構を用いてアタッチメント146にノブアセンブリ116を取り付けること、ならびにノブアセンブリ116および側面パネル102の開口に沿ってねじ山を備えることによって、達成され得る。この調整を達成する他の方法が可能であり、それらの方法が本発明の範囲内に入ることが意図されることは理解される。
【0060】
図8に描かれる構成において、ノブアセンブリ116が抵抗を増加させる方法で調整されると、アタッチメント146は、Aで示される方向にフランジ145の周りに回転させられる。ねじりスプリング135の一端部はアタッチメント146に取り付けられているので、力が、ねじりスプリング135に加えられ、ねじりスプリングをA方向に回転させるように誘導する。
【0061】
ここで図9を参照すると、ねじりスプリング135がA方向に回転するように誘導されると、ねじりスプリング135のもう一方の端部に付着されるアタッチメント153もまた、アタッチメント153がまた付着されるサポート152と共に、A方向に回転するように誘導される。図9に示される位置から、A方向へのアタッチメント153の動きは、カプラ140を介してリンケージ139に力を伝達させる。従って、リンケージ139は、B方向に回転するように誘導され、同じ方向へのサポート133の対応する回転を引き起こす。明白であるが、サポート133およびサポート152の回転は、例えば、望ましくない摩擦力を減少させるためにベアリングを用いることによって、促進され得る。
【0062】
サポート133がB方向に回転するように誘導されると、第1のディスク131および第2のディスク134は各々、B方向に回転するように誘導される。抵抗ケーブル130は、両方の端部で第1のディスク131および第2のディスク134に取り付けられる。従って、第1のディスク131および第2のディスク134がB方向に回転するように誘導されると、抵抗ケーブル130の各端部は、側面パネル102の方向に引かれ、それによって抵抗ケーブル130の張力を増加させ、張力調整部材の運動に対するより大きな抵抗を発生する。従って、より激しいトレーニングが提供され得る。第1ディスク131および第2のディスク134の直径を増加させることは、張力を抵抗ケーブル130に加えるディスク131および134によって形成されるモーメントアームの長さを増加させることが理解される。
【0063】
キャリッジ105は、ハウジング12に沿って長手方向に自由に回転するかまたはスライドするように構成され得る。例えば、上部カバー106上をキャリッジ105が転がることを可能にする車輪またはローラが、キャリッジ105に連結され得る。あるいは、第3の側面パネル103および第4の側面パネル104は、キャリッジ105の車輪またはローラを受ける軌道を含み得る。
【0064】
ウエイトトレーニングに用いられるとき、水平サポート110の高さは調整され得る。水平サポート110の高さが調整されると、水平サポート110とグリップデバイス107との間のプルケーブル108の長さの対応する調整が生じる。ユーザがこの長さ調整することを可能にするために、スプール155の周りに巻きつけられたプルケーブル108の部分は変化され得る。従って、プーリ111とグリップデバイス107との間のプルケーブル108の長さが、スプール155の周りに巻かれたプルケーブル108の部分を変化させることによって変化され得ることは理解されるべきである。好ましい実施形態において、スプール155は、プルケーブル108の十分な長さを収容するのに十分大きく、その結果として、グリップデバイス107は、側面パネル101のある点に、または側面パネル101に引き込まれ、それにより保管のための運動器具10の望ましい構成を提供し得る。
【0065】
図2、図10および図11に示されるように、運動器具10は、ダウンヒルスキー術をまねる運動ような、中立の中間位置から反対方向への移動を必要とする運動をユーザが実行することを可能にするように構成され得る。その構成において、キャリッジ105は、ハウジング12のカバー106の上に配置され、ハウジング12の長手方向軸に概ね平行な経路に沿って往復運動され得る。キャリッジ105は、好ましくは、張力調整部材の別の例であるアタッチメント142に連結され、その結果として、抵抗アセンブリはハウジング12に対するキャリッジ105の移動に対して抵抗を加えるために用いられ得る。
【0066】
再び図4を参照すると、アタッチメント142は、側面パネル104および側面パネル103の下に延在する。特許請求される発明の一局面に従って、2つの連結材114が、ハウジング12の外部からアクセス可能であるアタッチメント142の端部に備えられる。キャリッジ105は、連結材114およびアタッチメント117を介してアタッチメント142に連結される。アタッチメント142の各端部は連結材114を含むので、キャリッジ105とアタッチメント142との間で伝えられる力の平衡が生じ、それによって、キャリッジ105からアタッチメント142に加えられる大きなモーメントの危険性を減少させる。この構成において、キャリッジ105が移動されるとき、アタッチメント142は移動される。アタッチメント117は、キャリッジ105の開口部を下方に貫通して連結材114の中に入るノブまたはピンなどの、キャリッジ105を連結材114に連結するための任意の適切なデバイスであり得る。
【0067】
プーリ143およびプーリ144は、複数の連結材114間でアタッチメントに取り付けられる。プーリ143およびプーリ144は各々、抵抗ケーブル130の第2のレベルの一部分を係合し、抵抗ケーブル130を歪め、第2のレベルの概略「X」形を提供するように構成される。特に、プーリ143とプーリ144との間の距離は、プーリ150とプーリ151との間の距離およびプーリ122とプーリ149との間の距離よりも著しく小さい。
【0068】
キャリッジ105は、ハウジング12の横の寸法(すなわち、側面パネル103から104までの間の寸法)よりもわずかに広い横の寸法を有し、下方に延びるキャリッジガイド表面1053および1054、ならびにキャリッジ上部表面1056を含む。キャリッジ105は、好ましくは、摩擦を減少させ、その所望の経路に沿ってキャリッジ105を導くことを助ける、ガイド表面1053および1054に取り付けられるオプションのガイドローラまたは他のデバイスを用いて、側面パネル103および104と係合する。同様に、オプションのガイドローラまたは他のデバイスが、平衡を保ち滑らかな走行動作を可能にするように、キャリッジ105の上部表面1056の下に、キャリッジ105とハウジング12の上部カバー106との間に取り付けられ得る。
【0069】
バランスサポート115がオプションで、側面パネル103または側面パネル104のいずれかの端部にまたはその近くに取り外し可能に連結される。バランスサポート115は、多くの他の構成要素の場合のように、任意の他の適切な位置に置かれ得ることは理解される。例えば、バランスサポート115は、後部の側面パネル103のいずれかの端にまたはその近くに配置され得る。同様に別の実施形態において、バランスサポートは用いられないか、または代わりに、ユーザはバランスを助け得るスキーポールを保持する。
【0070】
図11は、スキー運動用に構成されるが、明快にするためにカバー106が取り外された状態で示される運動器具10を示す。但しこの構成要素は、通常の使用中好ましくも、適切な所に置かれる。この位置において、キャリッジ105は、側面パネル101の方に移動され、側面パネル101と側面パネル102との間のほぼ正中線にある、アタッチメント142の中立位置から離れている。キャリッジ105の位置は、ユーザが力を加えることによってキャリッジ105を移動させた位置を表す。
【0071】
図11に示されるように、スキータイプの運動用に運動器具10を使用中、取付けアセンブリ127のスピンドル138は、部材154と接触したままであり、取付けアセンブリ127は、スキー運動中その位置から移動し離れるように誘導されない。その代わりに、アタッチメント142は、側面パネル101と側面パネル102との間の経路に沿ってキャリッジ105と共に前後に往復運動する。
【0072】
再び図4を参照すると、抵抗ケーブル130とアタッチメント142との間の相互作用および抵抗ケーブル130の第2のレベルの概略「X」形により、アタッチメント142は、外部の力が作用するまで、中央の中立静止位置の方に促されることは当業者によって理解される。その位置は、抵抗ケーブル130の張力によりアタッチメント142に反対方向に作用する力が等しい点において生じる。好ましくは、中立静止位置の方向に、プーリ143からプーリ149までの距離がプーリ143からプーリ150までの距離と同じであり、プーリ144からプーリ122までの距離がプーリ144からプーリ151までの距離と同じである位置に置かれる。
【0073】
ユーザがスキー運動を実行しているときのように、キャリッジ105がこの中立静止位置から移動させられると、抵抗ケーブル130によって加えられるままのアタッチメント142上の力は、不平衡となり、アタッチメント142を中立位置に戻すように誘導する回復力を加える。アタッチメント142が中立位置からさらに移動すると、回復力は増加する。従って、ユーザがキャリッジ105上で側面から側面に移動するときには、強度が変化する回復力がキャリッジ105の運動に対抗するように作用し、それによってトレーニングプログラムのための抵抗を提供する。グリップデバイス107はスキー用に使用されないので、取付けアセンブリ127は、スキー運動中は、静止のままであり得る。
【0074】
スキー運動用に運動器具10を構成するときには、ユーザは、ノブアセンブリ116を調整することによって抵抗を調整し得る。上記のように、ノブアセンブリ116を調整することは、抵抗ケーブル130の事前の負荷の張力を変化させ、該事前の負荷の張力は、中立位置からキャリッジ105と一緒にアタッチメント142が移動することに抵抗するように、アタッチメント142に対して作用する。
【0075】
運動器具10は、保管に便利なように部分的に分解され得る。これに関してプルケーブル108は、上記のように引き込まれ得る。同様に、鉛直サポート109および水平サポート110は、取り外し可能であり、スキーサポート115と共に、運動器具10の内部空間内に保管され得る。これらの構成要素が取り外され保管されるときには、運動器具10は、箱に似た形状有し、約1600mmの長さ、約600mmの幅、および約180mmの高さを有し得る。
【0076】
キャリッジ105が、所望の運動に従って、ハウジング12に対して任意の所望の方向に移動するか、または静止するように構成され得ることは理解されるべきである。再び、ローイングトレーニングまたはウエイトトレーニング用に用いられるとき、運動器具10は、好ましくはキャリッジ105が連結材114から切り離されるように構成される。従って、キャリッジ105は自由に移動し得、一方、アタッチメント142は中立位置に静止したままである。運動器具10がローイングトレーニングまたはウエイトトレーニング用に用いられるとき、ユーザによって加えられる力は取付けアセンブリ127を移動させ、アタッチメント142はほぼ静止のままである。
【0077】
本明細書に説明される任意の運動器具は、コンピュータ制御を含むように修正され得る。例えば、図12は、スキー装置として使用するように構成されている運動器具14を示す。運動器具14は、アジャスタ182と通信する電子的またはデジタルのコントローラ180を含み、アジャスタ182は、内部かまたは示されるように外部に配置され得る。アジャスタ182は、前述のノブアセンブリ113および116の機能性を提供するために用いられる。特に、オプションの電動アジャスタ182は、上記のものと類似の原理を用いて、抵抗を増加または減少させるために用いられる。従って、運動器具14上で運動する人は、器具から降りて手動でノブを調整する必要なく、コントローラ180によって、器具の抵抗を増加または減少させ得る。
【0078】
当業者は、本発明が様々な実施形態および構成において実施され得ることを理解する。例えば、運動器具10は、例えば抵抗ケーブル130などの張力伝達部材を備える抵抗アセンブリを含み、該張力伝達部材は、上記のように第1のレベルおよび第2のレベルを有する経路をたどる。他の実施形態は、スキー術、ローイング、およびウエイトトレーニングのための運動装置を備え得、該運動装置において、抵抗アセンブリは単一のレベルで構成される張力伝達部材を含む。
【0079】
ここで図13〜図16を参照すると、本発明に従う運動器具20の別の実施形態が説明され、運動器具20において張力伝達部材は単一のレベルで構成される。運動器具20は、スキー運動、ローイング運動およびウエイトトレーニング用に用いられ得る。運動器具20は、第1の側面パネル201と、第2の側面パネル202と、第3の側面パネル203と、第4の側面パネル204と、第1のカバー206と、第2のカバー217とを含むハウジング22を備える。カバー206は、側面パネル203に旋回可能に取り付けられ、その結果として、ハウジング22は、ユーザによって選択的に開放および閉鎖され得る。
【0080】
サポート260は、ハウジング22の内部に配置され、カバー206が閉じられているときカバー206に対する支持を提供する。サポート260は、好ましくは、側面パネル203および204に連結され、補足の支持ポイントを提供することによって、カバー206に強度を提供する。使用中カバー206に加えられる重量は、サポート260によって支持され得、サポート260は、地面または床に置かれているハウジング22の側面パネル203および204ならびにカバー217に力を伝える。
【0081】
カバー206は、磁石262、留め金(clasp)、ラッチ、または他の固定機構によって閉鎖位置に固定され得る。これらのデバイスは、運動器具20が扱われているときにカバー206の不慮の開放を防ぐことを助けるように作用する。器具の移動および/またはカバー206の開放をさらに容易にするために、ハウジング22は、ハンドルとして用いられ得る1つ以上の開口部264を備える。
【0082】
ハウジング22は、運動器具20に備えられている抵抗アセンブリを収納する。本実施形態において、抵抗アセンブリは、単一レベルを形成する例えば抵抗ケーブル230などの張力伝達部材を含む。ユーザは、抵抗ケーブル230の形状を変更し得、その結果として、抵抗ケーブル230は、所望の運動に従って「Y」形の形状または「X」形の形状に構成され得る。
【0083】
上記の運動器具10の取付けアセンブリ127に類似している取付けアセンブリ227は、抵抗ケーブル230とインタフェースし、抵抗ケーブル230の構成に従ってハウジングの側面の方向かまたは中間の中立位置に向かってバイアス力を加えられる。示されるように、取付けアセンブリ227は、一対のプーリの周りに閉ループを形成するベルト237に取付けられ、その結果として、取付けアセンブリ227は、往復運動の経路に沿って移動され得る。
【0084】
抵抗ケーブル230の第1の端部は、第1の偏心部材231に付着され、部分的に偏心部材231の周囲に沿って配置される。抵抗ケーブル230は側面パネル203と概ね平行にプーリ247に延び、プーリ247はアタッチメント258を介してサポート218に取り付けられる。
【0085】
抵抗ケーブル230の経路はプーリ247によってプーリ228の方に向き直され、プーリ228は取付けアセンブリ227に付着される。抵抗ケーブル230はプーリ228からプーリ249に伸び、プーリ249はアタッチメント256を介してサポート219に取り付けられる。
【0086】
抵抗ケーブル230はプーリ249によってプーリ250に向け直され、プーリ250はサポート233に取り付けられる。カバー217に対するプーリ249と250との高さの差は、抵抗ケーブル230が、抵抗ケーブル230の他の部分を妨害することなく、ハウジング22を横切るように向けられることを可能にする。好ましくは、プーリ249は、水平面から傾けられ、その結果として、抵抗ケーブル230が概ね下方にプーリ250に向けられる。
【0087】
プーリ250は、抵抗ケーブル230をハウジング22を横切ってプーリ251に向け直し、プーリ251もまたサポート233に取り付けられる。抵抗ケーブル230の残りの経路は、前述の部分の実質的に鏡像であることが理解される。特に、抵抗ケーブル230はプーリ251からプーリ222に延び、プーリ222はアタッチメント257を介してサポート219に取り付けられる。抵抗ケーブル230は、プーリ222から取付けアセンブリ227に付着されるプーリ229に延び、さらにプーリ220に延びる。プーリ220は抵抗ケーブル230を第2の偏心部材234に向け直し、抵抗ケーブル230の第2の端部は、第2の偏心部材に付着される。
【0088】
偏心部材231は、旋回点として作用する心棒221を介してハウジング22に回転可能に連結される。偏心部材231は、心棒221から偏心部材231の周囲上の位置までの半径距離が、周囲に沿って変化するように構成される。従って、旋回点から抵抗ケーブル230が偏心部材231から解かれる位置までの距離は、偏心部材231の回転量に従って変化する。
【0089】
同様に、偏心部材234は、旋回点としても作用する心棒248を介してハウジング22に回転可能に連結される。偏心部材234はまた、抵抗ケーブル230が偏心部材234から係合を解かれる位置までの旋回点からの距離が偏心部材234の回転量に従って変化するように構成される。
【0090】
偏心部材231および234の各々は、ねじりスプリング235に連結され、その結果として、偏心部材の回転は、ねじりスプリングの一方の端部の回転移動を、対応するねじりスプリングのもう一方の端部に対して引き起こす。本実施形態において、各偏心部材は、リンケージ239およびカプラ240を介してねじりスプリング235に連結される。
【0091】
ねじりスプリング235は、リンケージ239およびカプラ240を介してそれぞれの偏心部材に対して力を働かせるように構成される。従って、カプラ240が偏心部材231および234に力を加え、それによって偏心部材231および234は、それぞれの心棒の周りにモーメントを受ける。
【0092】
偏心部材231および234の使用が、抵抗アセンブリによって取付けアセンブリ227に加えられる抵抗力と取付けアセンブリ227の動きとの間の非線形的関係をもたらし得ることは、当業者によって理解される。これに関して、単純なスプリングの歪みは、スプリングに加えられる力と線形の関係を有する。本明細書および図13〜図16に説明される構成において、カプラ240、リンケージ239ならびに偏心部材231および234の使用は、力と歪みとの間の非線形的関係をもたらし、このことが運動器具20を用いる人に対して、より望ましい運動条件を提供し得る。
【0093】
上に簡単に説明されたように、単一レベルの抵抗ケーブル230の形状は、「Y」形の形状と「X」形の形状との間で変更され得る。その機能は、サポート218上にプーリ220および247を移動可能に取り付けること、ならびにサポート219上にプーリ222および249を移動可能に取り付けることによって提供され得る。特に、プーリ247および220をそれぞれ支持するアタッチメント258および259は、サポート218に連結され、その結果として、サポート218上のアタッチメント258および259の位置は調整可能である。本実施形態において、アタッチメント258および259はサポート218に対してねじ山をつけられ、その結果として、サポート218の回転はアタッチメント258および259をサポート218に沿って互いに反対方向に移動させる。
【0094】
同様に、プーリ249および222をそれぞれ支持するアタッチメント256および257は、サポート219に連結され、その結果として、サポート219上のそれらのアタッチメントの位置もまた調整され得る。特に、アタッチメント256および257はサポート219に対してねじ山をつけられ、その結果として、サポート219の回転はアタッチメント256および257をサポート219に沿って互いに反対方向に移動させる。
【0095】
アジャスタ213および216は、プーリの位置を操作するために備えられる。アジャスタ213は、サポート219に連結され、その結果として、アジャスタ213の回転は、サポート219に沿ってプーリ222および249の位置を変化させる。アジャスタ216は、サポート218に連結され、その結果として、アジャスタ216の回転は、サポート218に沿ってプーリ220および247の位置を変化させる。好ましくは、アジャスタ213および216は、ハウジング22の外部からアクセス可能であり、その結果として、プーリは、ハウジング22の内部にアクセスする必要なく、操作され得る。位置インジケータが、アジャスタ213、216および/または側面パネル203の上に含まれ、サポートに沿ったプーリの位置を示し得、または抵抗ケーブル230が「Y」または「X」構成であるかどうかを示し得る。
【0096】
所望の場合、1つの対のプーリが調整可能であり得、一方、第2の対のプーリが固定されることは理解されるべきである。好ましくは、そのような構成において、プーリがハウジング22の互いに反対のコーナーに隣接するように、固定されたプーリは間隔を空けて置かれる。そのような構成において、一対のプーリが調整可能であることは、抵抗ケーブルが単一の「Y」構成および単一の「X」構成に構成され得ることを可能にする。
【0097】
ローイングまたはウエイトトレーニングに運動器具20を用いるとき、抵抗ケーブル230が「Y」構成であるように、プーリは調整される。使用中、ユーザは、プルケーブル208の一端に取り付けられたグリップデバイス(図示されていない)を引っ張り得る。プルケーブル208は、側面パネル201を貫通して伸び、取付けアセンブリ227に付着されたプーリ236の周りにループにされる。プルケーブル208は次いで、側面パネル201を貫通してハウジング22を出て戻り方向に延び、もう一方の端部は、運動器具20の外部に位置するスプール255に付着される。側面パネル201に開口部が備えられ、プルケーブル208の通過を可能にする。プルケーブル208の余分の長さは、好ましくは側面パネル201上の開口部の近くに取り付けられたスプール255の周りにプルケーブルを巻くことによって巻き取られ得る。
【0098】
前述の実施形態と同様に、取付けアセンブリ227はベルト237上に取り付けられ、ベルト237はプーリ224および232の周りにループされる。ベルト237の回転経路の一部分は、取付けアセンブリ227の経路を画定する。
【0099】
ユーザがグリップデバイスを引っ張るとき、引張り力がユーザによってプルケーブル208に対して加えられ、このことが、取付けアセンブリ227を側面パネル201の方向に移動させる。ユーザによって加えられる力が減少すると、取付けアセンブリ227は、ねじりスプリング235によって加えられる抵抗ケーブル230の事前の負荷の張力の影響を受けて、同じ経路に沿って戻る。
【0100】
プーリ211を支持する直立サポート209は、運動器具20がローイングまたはウエイトトレーニングに用いられるとき、水平サポート210に取外し可能に係合され得る。プルケーブル208は次いで、プーリ212からプーリ211に延び、その結果として、グリップデバイスは種々の高さで用いられ得る。水平サポート210は、プルケーブル208が通るプーリ212を固定するために用いられ得る。
【0101】
ユーザは、ハウジング22に対する運動器具20の水平サポート210の位置を所望の位置に調整し得る。水平サポート210は、取付け部材253を介して側面パネル201に取り付けられ、その結果として、側面パネル201から水平サポートまでの距離は容易に調整され得る。例えば、側面パネル201の穴は取付け部材253を受けるように構成され得、中央の内腔を含むスリーブ254が含まれ得、中央の内腔もまた取付け部材253を受ける。スリーブ254は、内腔のサイズを減少するように構成され得、その結果として、側面パネル201にスリーブが強く締めつけられると、中央の内腔は取付け部材253の周りで縮小する。従って、取付け部材がスリーブの内腔内に置かれ、スリーブが側面パネル201に強く締めつけられるときには、取付け部材253および水平サポート210は正しい位置に固定される。別の実施形態において、取付け部材253は、ねじ切りされたロッドを備え、該ねじ切りされたロッドは、側面パネル201に連結されたねじ切りされたスリーブの中にねじ込むように構成される。
【0102】
水平サポート210は、マウント274をさらに備える。マウント274は、直立サポート209に適合するように選択された所定の距離だけ互いに水平方向に中央線を外して置かれる。従って、運動器具20が、あるウエイトトレーニングまたは抵抗運動用に用いられるとき、直立サポート209はマウント274に取り付けられ得、プルケーブル208は、プーリ212、次いで直立サポート209に取り付けられるプーリ211の周りを通り得る。一部の実施形態において、直立サポートは、プーリ211の高さが所定の範囲内において選択されることを可能にするさらなる調整機能を有し得る。
【0103】
運動器具20がローイング装置として用いられるとき、ローイング構成のさらなる特徴は、ハウジング22上の自由転がりシートとしてのキャリッジ205の使用を含む。さらに、水平サポート210はフットサポートとして用いられ得る。
【0104】
図13に示されるように、スキー運動用に運動器具20を構成するために、システムは、取付けアセンブリ227が好ましくは取付けアセンブリ227の往復運動経路の中央点またはその近くにある中立の安定した位置を有するように構成される。このことは、抵抗ケーブル230が「X」構成となるように、プーリの位置を調整することによって達成され得る。「X」構成において、抵抗ケーブル230によって取付けアセンブリ227に対して作用する力は、静止時かつ取付けアセンブリ227が中間の中立位置にあるとき、平衡が保たれる。直立サポート209もまた、側面パネル203に連結され得、その結果として、ユーザは、運動中、安定のために直立サポート209を掴み得る。
【0105】
さらに、カバー206の上に沿って移動するように構成されるキャリッジ205は、連結材214を介して取付けアセンブリ227に連結され、その結果として、抵抗アセンブリはキャリッジ205の動きに対する抵抗を提供する。連結材214は、ピン、ねじ、またはキャリッジ205を取付けアセンブリ227に連結する他の構成要素であり得る。取付けアセンブリ227は、好ましくはハウジング22内に収納される。その結果として、連結材214は、示されるようにカバー206に含まれるスロットを貫通して延びるように構成され得るか、または、以下により詳細に説明されるように、取付けセンブリ227は、キャリッジ205が取り付けられ得るようにハウジング22の外側に向かって左右に延びる部分を含み得る。
【0106】
使用中、ユーザは、往復運動の経路に沿ってキャリッジ205を動かす。キャリッジ205は取付けアセンブリ227に連結されているので、取付けアセンブリ227はまたキャリッジ205の経路に沿って動かされ、取付けアセンブリ227と抵抗ケーブル230との間の相互作用はその動きに抵抗する。さらに、抵抗ケーブルが「X」構成となるようにプーリが調整されるので、取付けアセンブリ227は、ハウジングのほぼ中心にある中立位置に向かってバイアス力を加えられる。その結果として、中立位置から側面パネル201または側面パネル202のいずれかの方向へのキャリッジ205の移動は、抵抗アセンブリの抵抗ケーブル230によって抵抗される。
【0107】
取付けアセンブリ227を中立位置に戻すように作用する抵抗ケーブル230によって加えられる力は、中立位置からの取付けアセンブリ227の移動の増加と共に増加する。そのような方法で、ユーザは、キャリッジ205の体側対体側の運動に対する抵抗を受け、それによって、スキー運動の機械的作用を提供する。
【0108】
図13に示されるように、キャリッジ205は、カバー206におけるスロットを介して取付けアセンブリ227とインタフェースする。しかしながら、別の実施形態において、キャリッジ205は、前述の実施形態のアタッチメント142と同様に、取付けアセンブリ227から左右に外側に延びるアタッチメントを介して取付けアセンブリ227に連結され得る。その結果として、カバー206を貫通するスロットは必要ではなく、このことはハウジング22の内部に異物が入る可能性を減少させる。そのような実施形態において、側面パネル203および204は床から離れるように持ち上げられ、アタッチメントが取付けアセンブリ227から側面パネルの下に左右に外側に延びることを可能にし得る。あるいは、側面パネル203、204は、それらの長さに沿って延びるスロットを含み得、該スロットは、アタッチメントの部分が、床の上での取付けアセンブリ227からハウジングから外に延びることを可能にし得る。地面に接近した位置でハウジング22から左右に外側に延びるアタッチメントを有することが望ましい実施形態においては、抵抗アセンブリは、上下を裏返しにされ得、その結果として、取付けアセンブリ227は、床の近くに配置される。
【0109】
キャリッジ205は、ハウジング22に沿った移動を容易にするための車輪を備え得る。上記のように、キャリッジ205は、運動器具20がスキー運動用に構成され、取付けアセンブリ227に連結されるとき、用いられる。しかしながら、キャリッジ205は、自由転がり構成、および任意の所望の運動時に用いられ得ることは理解されるべきである。キャリッジ205は、キャリッジ205と取付けアセンブリ227との間にアタッチメントがないとき、自由転がりであり得る。キャリッジ205は、所望により、クッション、パッドまたは他のサポートを含み得る。
【0110】
運動器具20をローイング運動に用いるとき、システムは、取付けアセンブリ227が、好ましくは側面パネル202に最も近い、取付けアセンブリの往復運動の経路の端部またはその近くに位置する静止位置を有するように、構成され得る。例えば、アジャスタ213は、アタッチメント256および257が互いに比較的接近して動くように操作され得る。好ましい実施形態において、アタッチメント256と257との間の距離は、プーリ222と249との間の距離が取付けアセンブリ上のプーリ228と229との間の距離とほぼ同じくなるように、選択される。アジャスタ216もまた、アタッチメント258および259が互いに離れて動くように操作される。この構成において、プーリ220および247は、ハウジング22の内部空間のコーナーの近くに置かれ、一方、プーリ222および249は中心線の近くに置かれる。
【0111】
従って、カバー206が開放位置にある状態で見たとき、抵抗ケーブル230は、「Y」、または取り付けアセンブリ227が側面パネル202に隣接しているとき「V」に似るように構成される。その構成において、抵抗ケーブル230によって取り付けアセンブリ227に対して作用する力は、その構成要素を側面パネル202の方に誘導し、取付けアセンブリの往復運動の経路の端部に取付けアセンブリ227を維持することを助ける。
【0112】
例えばユーザがグリップデバイスを介してプルケーブル208を引くことによって、ユーザが取付けアセンブリ227に力を加えるとき、取付けアセンブリ227は側面パネ201の方向に移動する。このことが起ると、抵抗ケーブル230の張力が増加し、それによってねじりスプリング235によって加えられる回復力を増加させ、該回復力は、取付けアセンブリ227を静止位置の方向に、すなわち、ローイング構成においては側面パネル202の方向に、またはスキー構成においては中立位置の方向に誘導する。取付けアセンブリ227をその開始位置に戻すように作用する、抵抗ケーブル230によって加えられる力は、取り付けアセンブリ227の移動の増加と共に増加する。そのような方法において、ユーザは、そのユーザがプルケーブル208を引っ張り続けると、運動に対する抵抗を受け得、それによってローイング運動の機械的作用を提供する。
【0113】
取付けアセンブリ227をその開始位置に戻すように作用する、抵抗ケーブル230によって加えられる力は、プーリ222と249との間の距離およびプーリ220と247との間の距離を変化させることによって変化され得ることは、当業者によって理解される。プーリが互いに遠ければ遠いほど、取付けアセンブリ227の所与の移動に対する回復力は大きくなる。反対に、一対のプーリの各々がもう一方に近づけば近づくほど、所与の移動に対する回復力は小さくなる。好ましくは、各々のプーリ対におけるプーリの位置は、ハウジング22の中央線に関して対称であり、プーリ228および229に釣り合った力を提供する。
【0114】
ウエイトトレーニングまたは類似の抵抗運動に用いられるときには、プーリは、ローイング運動に類似した方法で配置される。従って、ローイング運動にとって適切であるプーリ構成は、ウエイトトレーニング運動にとっても適切である。運動器具20がウエイトトレーニングに用いられるときの運動器具20の構成とローイングに用いられるときの構成との比較における主な相違は、キャリッジ205の除去と直立サポート209の追加である。キャリッジ205を自由に転がるシートとして用いることが望ましいローイング運動と異なり、運動器具20をウエイトトレーニングに用いるときには固定した表面に座るかまたは立つかのいずれかが望まれ得る。従って、キャリッジ205は、ウエイトトレーニング用にハウジング22から選択的に除去され得る。同様に、直立サポート209は、マウント274に取り付けられ、プルケーブル208が高い位置でプーリ211を通ることを可能にし得る。この方法で、ユーザは、上昇位置でプルケーブル208の位置を定め、それによってウエイトトレーニング運動における多用性の増加を提供する。
【0115】
一実施形態において、ユーザは、運動器具20の上下を反転することによって運動装置20の構成を選択し得、その結果として、カバー206またはカバー217のいずれかが、ハウジング22の上部表面を形成する。例えば、運動器具20は、運動器具20をスキー運動に用いるときには、カバー206をハウジング22の上に置く構成にされ、ローイング運動またはウエイトトレーニング用に装置を用いるときには、カバー217をハウジングの上に置くように適応され得る。そのような特徴は、より詳細に以下に論議されるように、単方向クラッチを用いる実施形態において用いられ得る。後者の向きにおいて、ユーザは、運動ルーチンのあいだ、内部抵抗アセンブリによって提供される抵抗に対して、プルケーブル208などの張力伝達部材の一端部に取り付けられたグリップデバイス207を引っ張り得る。
【0116】
オプションで、ベルト237を支持するプーリ232は、所定の回転方向に運動を制限するように構成され得る。この制限は、図16に示されるように、クラッチ270およびクラッチブレーキ272のような単方向クラッチを用いて提供され得る。クラッチ270がプーリ232と係合しているとき、プーリ232は一方向に回転し得、反対方向の回転は制限されるかまたは妨げられる。クラッチ270がプーリ232から係合を解かれると、プーリ232は両方の方向に自由に回転し得る。
【0117】
クラッチ270は、運動器具20の向き、すなわち、ハウジング22がカバー206またはカバー217のいずれかを上部表面とする向きであるかに応答して、クラッチブレーキ272を介して選択的に係合されるかまたは係合を解かれる。運動器具20がスキー運動用に構成されるときには、クラッチブレーキ272は、重力によって加えられる下方への力により一方向に誘導され得、クラッチ270の係合を解くように構成される。従って、プーリ232は、自由に回転し得、取付けアセンブリ227(および、従ってキャリッジ205)がクラッチ270からの感知可能な抵抗なしに、体側対体側の移動を可能にする。
【0118】
反対に、運動器具20がローイング運動またはウエイトトレーニング運動用に構成されるとき、運動器具20はスキー構成から上下を反転され得る。そのような向きにおいて、クラッチブレーキ272は、重力によって加えられる下方への力により第2の方向に誘導され、クラッチ270と係合するように構成される。従って、プーリ232は、一方向のみに自由に回転し、取付けアセンブリ227が一方向に自由に動くがもう一方の方向には動かないようにし得る。その結果としてベルト237は、一方向にプーリ232の上をスライドすることを必要とし、それによって、取付けアセンブリ227の一方向の運動に対するさらなる抵抗を提供する。従って、システムは、抵抗ケーブル230を介して人によって加えられる引張り力に応答する取付けアセンブリ227の運動に抵抗するように構成され得るが、しかし一旦その引張り力が減少すると、取付けアセンブリが以前の位置に自由に戻ることを可能にする。
【0119】
さらに、プーリ232は振り子223に取り付けられ得、その結果として、プーリの位置は調整され得る。本実施形態において、プーリ232の位置を変化させるノブアセンブリ225が備えられている。プーリ232の位置を調整することは、ベルト237の張力を変化させ、このことは、抵抗アセンブリによって取付けアセンブリ227の動き対して加えられる抵抗の大きさを変化させる。従って、ノブアセンブリ225を回すことは、取付けアセンブリ227の動きに対する抵抗を変化させる。
【0120】
運動器具20が保管され、かつ使用されないとき、直立サポート209は、取り外され、運動器具の内部に置かれるか、または以下に論議される隠蔽ハウジングの内部に置かれ得る。内部空間へのアクセスを容易にするために、カバー206はヒンジを用いて旋回して開き得る。カバー206が閉じられ、そして運動器具20が保管のために構成されるとき、システムは家具の下に収まり得る。他の実施形態において、運動器具は、以下に説明されるように、家具、壁、または他の家庭用品または構造物と一体化され得る。
【0121】
別の実施形態である運動器具30が、図17〜図25に示される。運動器具30は、第1の側面パネル301、第2の側面パネル302、第3の側面パネル303、第4の側面パネル304およびカバー306から構成されるハウジング32を備える。前述の実施形態と同様に、ハウジング32は、運動中、ユーザに対して抵抗を提供する抵抗アセンブリを収納する内部空間を画定する。本実施形態において、抵抗アセンブリおよびハウジングは、概して上記の運動器具10の構成と同じ構成を有する。さらに運動器具30は、スキー運動、ローイング運動およびウエイトトレーニング用に構成され得る。
【0122】
図17に示されるように、運動器具はウエイトトレーニング運動用に構成される。その構成において、ハウジング32の長手方向の軸に沿って平行移動するように構成されるキャリッジは、取り外され、その結果として、ユーザは、カバー306の上に立ち、プルケーブル308を介して抵抗アセンブリに連結されるグリップデバイス307を引くことによって運動をし得る。
【0123】
本実施形態において、抵抗アセンブリは、上記の運動器具10と概して同一の構造を有する2つのレベルのアセンブリであるが、しかし、プルケーブル308の形状は、図20に示されるように運動器具30の全体のサイズを減少させるように修正されている。特に、プルケーブル308は、グリップデバイス307から水平サポート310によって支持されるプーリ311に延びる。プーリ311は、ハウジング32の内部に置かれるプーリ312の方向にプルケーブルを向け直す。プルケーブル308は、カバー306に含まれる開口部317を貫通して延び、プーリ312と係合する。プーリ312は、側面パネル301に隣接するハウジング32に取り付けられるプーリ314にプルケーブル308を向け直す。プーリ314は、抵抗アセンブリに含まれる取付けアセンブリ(図示されていない)に含まれるプーリ336の方向にプルケーブル308を向け直す。取付けアセンブリのプーリ336は、側面パネル301の方にプルケーブル308を向け直し、そこでプルケーブル308はハウジング32を出る。
【0124】
ハウジング32から外に延びるプルケーブル308の自由端部、すなわち、グリップデバイス307を有するアタッチメントの反対にあるプルケーブルの端部は、前述のようなスプールよりもむしろ固定クランプ355によって選択的に固定される。固定クランプ355は、平行な回転軸の周りに回転するように構成される一対の回転カム356を含み、該回転軸は、本実施形態において側面パネル301の外側表面に鉛直である。カム356は、好ましくは、反対方向に回転するように、バイアス力を加えられ、外表面とプルケーブル308との間の摩擦を増加させるように構成される、外表面上の係合機能を含み得る。
【0125】
固定クランプ355は、プルケーブル308の自由端部がハウジング32の内部の方向に引かれることを防ぐように構成される。例えば、本実施形態において、ユーザがグリップデバイス307に力を加えると、プルケーブル308の張力が増加する。その増加した張力は、プルケーブル308の自由端部をハウジング32の内部の方に引き込む傾向を有する。プルケーブル308とカム356との間の摩擦は、プルケーブル308が平行移動するとき、カム356を回転させる。さらに、カム356は、プルケーブル308がハウジング32の内部の方向に平行移動し、カム356が回転すると、カム356の間の距離が減少し、このことが、カム間のプルケーブル308の部分を締めつけるように、構成される。カム356がプルケーブル308を締めつけると、それらは、プルケーブル308の平行移動を制限し、それによって、プルケーブル308の自由端部がハウジング32の内部の中に引き込まれることを防ぐ。
【0126】
運動器具30はまた、抵抗アセンブリによって可動キャリッジまたはグリップデバイス307の移動に対して加えられる抵抗の大きさを、ユーザが調整することを可能にする機構を含む。特に、抵抗アセンブリによってグリップデバイス307の移動に対して加えられる抵抗をユーザが調整することを可能にする、ノブアセンブリ313が含まれる。さらに、可動キャリッジまたはグリップデバイス307のいずれかに加えられる抵抗をユーザが調整することを可能にする、ノブアセンブリ316が含まれる。ノブアセンブリ313および316の動作は、運動器具10に含まれる同じデバイスの動作に類似している。
【0127】
直立サポート309は、側面パネル301に隣接してハウジング32に連結される。直立サポート309は、水平サポート310を支持する上部分とフットサポート384を支持する下部分とを含む。水平サポート310は、直立サポート309の上部分を水平に横切って延び、一体化されたプーリ311を含む。プーリ311はプーリ311が水平サポート310の長手方向の軸の周りに回転するように水平サポートによって支持される。
【0128】
水平サポートはまた、クランプ本体386とリリース部材387とを含むクランプ部材385を含む。本実施形態において、各クランプ本体386は、直立サポート309の一部分の回りに延びる。リリース部材387は、クランプ本体386に連結される回転ノブであり、リリース部材387を回すことが、選択的にクランプ本体386に直立サポート309に対する締めつけ力を加えさせ、それによって水平サポート310を正しい位置に保持するように構成される。ピン、クイックリリースカムデバイス、ねじなどの任意のクランプデバイスが用いられ得ることが理解されるべきである。
【0129】
フットサポート384は、直立サポート309の下部分に各端部において連結される概ねC形の部材である。クランプ部材388が、直立サポート309にフットサポート384を選択的に連結するために用いられる。各クランプ部材388は、クランプ本体389とリリース部材390とを含む。本実施形態において、クランプ本体389は、フットサポート384の端部を受ける管状部分を含み、リリース部材390は、管状部分、フットサポートの端部および直立サポート309の開口部を貫通して延びるボルトである。クランプ本体389はまた、直立サポートの一部分を受ける弓形表面と、リリース部材390と嵌合するクランプサドルとを含む。リリース部材390が締めつけられると、直立サポート309の一部分は、クランプ本体389の弓形表面とクランプサドルとの間でクランプされる。しかしながら、当該分野において公知の任意のクランプ機構が用いられ得ることは理解されるべきである。
【0130】
一対のフットレスト391がフットサポート384に取りつけられ、ユーザが足を快適にのせるための表面を提供する。フットレスト391はまた、フットストラップ392を含み、その結果として、ユーザは、例えばローイング運動中、フットレスト391上の適切な位置にユーザの足をストラップで縛り得る。フットレスト391は、フットサポート384に連結され、その結果として、フットサポート384上の足の位置は、ユーザが快適であるように調整するために変化され得る。
【0131】
運動器具30はまた、スキー術をまねる運動用に構成され得る。上記のように、サポート部材が、例えば、図11に示されるように、スキー運動中、ユーザにグリップ用表面を提供するためにハウジングに連結され得る。運動器具30は、ハウジング32に連結されるスキーポールサポート393を含み、ユーザのスキーポールの一部分を受けるための機能を提供し、その結果として、ユーザは、サポート部材よりはむしろ実際のスキー用品を用い得る。
【0132】
図17に示されるように、ポールサポート393は、側面パネル302に隣接してハウジング32のコーナーに置かれ、このことは、概ね保管構成と一致する。スキー運動用に運動器具30を用いるために、平行移動キャリッジがハウジング32に取り付けられ、抵抗アセンブリに連結され、ポールサポート393のうちの1つは、側面パネル301に隣接するハウジングのコーナーに移動され、その結果として、両方のポールサポート393は、側面パネル303または側面パネル304のいずれかに隣接するハウジング32のコーナーに置かれる。
【0133】
ポールサポート393は、概ねL形の部材であり、それは、ハウジング32のコーナーに含まれる開口部395の中に延びる取付け部分394と、スキーポール受け入れ部分396とを含む。スキーポール受け入れ部分396は、ユーザのスキーポール398の先端を受けるように構成される開口部397を含む。開口部397は、スキーポール398がサポート393に取り付けられたとき傾くことが可能であるようなサイズである。
【0134】
スキー構成において、移動キャリッジ305は、好ましくはカップリングを介して取付けアセンブリなどの張力調整部材に連結される。図21〜図25を参照すると、例示的なカップリング320が説明される。カップリング320は、概してキャリッジ305の一部分に回転可能に連結されるハウジング322を含む。ハウジング322は、図21に示されるロック位置と、図22に示されるアンロック位置との間を選択的で回転され得る。
【0135】
ハウジング322は開口部324を含み、該開口部は、ハウジング32から横に延びる取付けアセンブリ上に含まれるロックタブ326を受けるように構成される。キャリッジ305の移動方向の開口部324の長さは、カップリング320がロックされているとき、開口部324の縁とロックタブ326の縁との間に最小の間隙があるように選択され、その結果として、使用中、ロックタブ326とハウジング322との間の相対運動が最小にされる。
【0136】
図23〜図25を参照すると、ハウジング322は、スプリング328およびロックカラー330によって、ロック位置またはアンロック位置のいずれかにおいて保持される。スプリング328は、2つのアーム329を含み、概ねU形をしている。スプリング328はハウジング322の内方向に向けられ、その結果として、アーム329はカラー330の外側表面上に正反対の方向から半径方向の力を加える。
【0137】
カラー330は、互いに正反対に位置する一対のファセット(facet)332を含む。ファセット332は、スプリング328のアーム329とインタフェースする概して平らな表面であり、ハウジング322の緊張緩和位置を提供する。ファセット332の表面間の距離は、スプリング328が非歪み状態にあるときの、スプリング328のアーム329の間の寸法と概ね一致する。さらに、カラー330の残部の直径は、ファセット332の間の距離よりも大きく、その結果として、スプリングがロック位置またはアンロック位置以外の任意の位置にあるとき、アーム329は歪められる。
【0138】
ハウジング322は、スプリング328とファセット332との間のインタフェースによってロック位置またはアンロック位置のいずれかに保持される。ユーザがハウジング322をこれらの緊張緩和位置のうちの1つから回転させることを望むときには、追加のねじり力が加えられなければならない。なぜならスプリング328のアーム329が、ファセット332から離れて回転するために歪められなければならないからである。
【0139】
さらに運動器具30は、器具を所望の位置に転がすために用いられ得る車輪399を含む。車輪399は、ユーザが所望により器具の位置を定める際に援助する。器具の移動を容易にするために、任意のローラ、車輪または低摩擦部材が取り付けられ得ることは理解されるべきである。
【0140】
運動器具のなおも他の実施形態は、ねじりスプリングの使用を省略し、その代わりに弾性部材を備えている1つ以上の張力伝達部材を用い得る。これらの後者の実施形態において、張力調整部材を介してユーザから入力された力により、張力伝達部材がより緩和した位置からより張りつめた位置に延ばされると、増加した抵抗が提供される。
【0141】
さらに、上記の実施形態の可動キャリッジは、連結されて完全なキャリッジを形成する複数の構成要素から形成され得ることは理解されるべきである。そのような実施形態において、キャリッジに取り付けられる張力調整部材もまた、連結されて完全な張力調整部材を形成する別個の構成要素から形成され得る。その結果として、構成要素が別個であるとき、キャリッジの第1の部分は、張力調整部材の第1の部分に連結され得、キャリッジの第2の部分は、張力調整部材の第2の部分に連結され得る。ユーザは次いで、キャリッジの一部分を他方とは無関係に移動させ得る。張力調整部材の各部分が所定の経路に沿って移動すると、各部分は、張力伝達部材の形状を変化させ、抵抗アセンブリが張力調整部材の部分の動きに対して抵抗を加える結果をもたらす。そのような実施形態は、クロスカントリースキー術をまねる運動を実行するユーザにとって特に適している。
【0142】
さらなる代案として、キャリッジの部分は一対のプルケーブルに連結され得、該一対のプルケーブルの各々は張力調整部材の一部に取り付けられる。そのような実施形態において、キャリッジの一部分が初期位置から動かされると、張力調整部材と張力伝達部材との間の相互作用はキャリッジの部分を初期位置に戻すように誘導する。
【0143】
上記の任意の運動器具は手動または電動のレッグレベラーが供給され得、その結果として、床に対するハウジングの角度が変化され得ることもまた理解されるべきである。ハウジングの傾斜または下り勾配の調整可能性が所望され得、その結果として、更なる抵抗を提供するために重力が用いられ得る。例えば、ユーザは、ローイング運動中、ハウジングを傾斜させることを所望し得、その結果として、その運動はさらなる抵抗を提供するために坂を上るようにキャリッジを動かすことを強制される。
【0144】
本発明の運動器具は、容易に保管され、または家具物品の中に一体化され得るコンパクトな形式で、ユーザが多数の運動を実行することが可能であるように構成される。図26〜図32を参照すると、一体化された運動器具の様々な実施形態が説明される。明らかなように、運動器具は、例えば、ソファ、ドレッサーなどのキャビネットまたはベッドのような家具物品の中に一体化され得る。運動器具はまた、壁またはクロゼットスペースなどの構造物に一体化され得る。本明細書において説明されるように、多数の種類の家具が運動器具を組み込み得ることは理解される。
【0145】
図26〜図31を参照すると、運動器具がソファの中に一体化される一体化運動システム400の様々な例示的な実施形態が説明される。一体化運動システム400は、概して運動器具404を隠蔽しかつ保管するために用いられる隠蔽ハウジング402を含む。隠蔽ハウジング402は、概してソファとして構成され、背もたれ406と、アーム408と、ベース410と、着席クッション412とを含む。本実施形態において、背もたれ406、アーム408およびクッション412は、当該分野における公知の任意の方法で構成され得る。運動システム400は、従来のソファのように、人がシステムの上に座り得るかまたは横たわり得るように構成される。
【0146】
しかしながら、ベース410は、運動器具404を受容しかつ隠蔽するように構成される。図27を参照すると、ベースは、クッション412が取り外されたとき、開かれかつアクセス可能である空洞414を提供するように構成される。空洞414は、運動器具404が空洞414の中に下ろされ、運動器具404の上にクッション412を置くことによって隠蔽され得るようなサイズである。あるいは、運動システム400は、ユーザがベース410から運動器具404を取り外すことなく、運動をし得るように構成され得ることは理解されるべきである。
【0147】
好ましくは、ベース410は、空洞414の上に置かれ、クッション412の配置のための表面を提供し得る取り外し可能カバー(図示されていない)を含む。カバーは、空洞414内に運動器具404が存在するかどうかに関わらず、ソファが着席用に構成され得るように用いられ得る。カバーは、取り外し可能であり得るか、またはヒンジで取り付けられ、空洞414へのアクセスを提供し得る。
【0148】
あるいは、空洞414がベース410の任意の側面を経由してアクセスされ得るように、アクセスパネル(図示されていない)がまた、または代わりに、備えられ得る。例えば、取り外し可能であるかまたはヒンジで取り付けられたアクセスパネルは、ベース410の前部または後部の鉛直な側壁上に含められ得、その結果として、運動器具404は、アクセスパネルを開いた後に運動器具を空洞414から滑らせて取り出すことによって、隠蔽ハウジング402から取り外され得る。さらなる代案として、1つまたは両方のアーム408が、運動器具404への類似のアクセスを可能にするアクセスパネルを含み得る。
【0149】
ベース410から運動器具404の取り外しを必要とするそれらのシステムにおいて、側面アクセスパネルを提供する利点は、ユーザが空洞414から運動器具を持ち上げる必要がないことである。その代わりに、運動器具404は、隠蔽ハウジング402に対して運動器具404を滑らせるかまたは転がすことによって、空洞414から取り外され得る。低摩擦レール、ローラまたはキャスタなどを滑らせるかまたは転がすによって器具の平行移動を可能にする、平行移動部材が運動器具404に含まれ得ることは理解されるべきである。あるいは、運動器具404は、ベース410と運動器具404との間の相対移動を可能にする滑走軌道または回転軌道を介してベース410に連結され得る。
【0150】
運動器具404は、上記の実施形態のようにコンパクトな保管を提供し、ユーザが多数の運動を実行することを可能にする任意の運動器具であり得る。図27に示されるように、運動器具404は、上記の運動器具10と実質的に同一である。運動器具は、概して、グリップデバイスまたはキャリッジ418を操作するユーザに対して抵抗を提供する抵抗アセンブリを含むハウジング416を含む。上記のように、運動器具404のハウジング416は、保管のために鉛直および/または水平の支持部材および/またはグリップデバイスをハウジング内に受容するようなサイズであり得る。
【0151】
図28に示される一体化運動システム400の別の実施形態において、運動器具404は、リンケージ420を介して隠蔽ハウジング402に連結され得る。リンケージ420は、空洞414から運動器具404を取り出す際にユーザを援助するように構成される。リンケージは、好ましくは、空洞414から運動器具404をより容易に持ち上げるために機械的な有用性をユーザに提供するスプリング部材を含む。運動器具404は、所望の場合リンケージ420から取り外し可能であり得、その結果として、空洞414から運動器具404を取り出した後に、運動器具404は隠蔽ハウジング402とは無関係に移動され得ることは理解されるべきである。さらなる実施形態として、リンケージは電動駆動であり得、電子制御が備えられ得、その結果として、運動器具404は、電子制御を単に動作させることによって空洞414から取り出され得る。
【0152】
図29〜図31を参照すると、一体化運動システムの別の実施形態が説明される。前述の実施形態と同様に、一体化運動システム400’は、概してソファとして構成され、運動器具404を隠蔽しかつ保管するために用いられる隠蔽ハウジング402’を含む。隠蔽ハウジング402’は、運動器具404を隠蔽することが所望されるときには、隠蔽ハウジング402’が運動器具404の上に組み立てられ得るように構成される。ユーザが運動を所望するときには、隠蔽ハウジング402’は分解され、運動器具404から取り外される。隠蔽ハウジング402’は、概して、一対の背部材406’と、一対のベース部材410’と、クッション412’とを含む。
【0153】
ベース部材410’は、結合して空洞414’を形成し、空洞414’は運動器具404およびクッション412’を受容するようなサイズであり、クッション412’は、運動器具404の上部表面に配置される。各ベース部材410’は、運動器具404の上に別々に置かれ、両方のベース部材410’が正しく位置決めされた後に、ベース部材410’は、分離しないように連結部材415’を用いて連結され得る。例えば、連結部材415’は、一片のフックおよびループファスナ材料であり得る。
【0154】
本実施形態において、ベース部材410’は着席表面を提供する。特に、ベース部材410’の着席部分は、緩衝性を提供する弾力性のある材料から形成され得る。さらに、組み立てられたシステム400’において、クッション412’はベース部材410’の着席部分の下に配置され、弾力性のある材料から構成され、さらなる緩衝性を提供し得る。あるいは、ベース部材410’がクッション412’のための支持表面を提供し、その結果として、クッション412’がベース部材410’の上部に置かれ得るようにベース部材410’が構成され得ることは理解されるべきである。さらなる代案として、ベース部材410’は、単一のベースユニットによって置き換えられ得るか、または3個以上のベース部材410’が提供されかつ結合され、ベースを形成し得る。
【0155】
背部材406’は、ベース部材410’に取り外し可能に連結され、隠蔽ハウジング402’の背もたれ部分を提供する。背部材406’は、剛性または半剛性の構造として構成され得、好ましくは、弾性のある背もたれ部分を含み得る。背部材406’は、1つ以上の連結部材を含み得、その結果として、背部材406’は、ベース部材410’に連結され得る。背部材406’は、フックおよびループタブなどのファスナー421’を用いてベース部材410’に取り外し可能に連結され得る。
【0156】
運動器具404は、隠蔽ハウジング402’を分解することによってアクセスされ得る。保管の構成において、一体化運動システム400’は、図29に示されるように構成され、図29において、運動器具404は、ソファとして組み立てられた隠蔽ハウジング402’内に隠蔽される。ユーザが運動器具404を用いることを所望するときには、図30に示されるように、ユーザは、廃部材406’を取り外し、ベース部材410’を分解する。ベース部材410’が分解されかつ取り外された後に、クッション412’が取り外される。図31に示されるように、背部材406’の後に、ベース部材410’およびクッション412’が取り外され、運動器具404がアクセス可能となる。
【0157】
一体化運動システム500の別の実施形態が、図32および図33を参照して説明される。一体化運動システム500は、例えばタンス本体502、および複数の引出し504の隠蔽ハウジングを備える。引出し504は、従来の引出しのように保管場所を提供する。運動器具506は、引出し504の代わりにまたは引出し504の内部にドレッサー本体502によって画定される空洞510の中に配置され得る。好ましい実施形態において、運動器具506は、ドレッサータンス本体502の下部分に置かれた空洞510内に保管されかつ隠蔽され、引出し504の正面に似ている外観が、運動器具506の側面パネルに取り付けられる。
【0158】
運動器具506は、滑走軌道または回転軌道508によってドレッサー本体502に連結され得、その結果として、図33に示されるように、運動器具506は、ユーザによって容易にドレッサー本体502から滑り出され得る。運動器具506はまた、所望の場合、軌道508から取り外され得る。軌道508は、ロック、ラッチまたはブレーキ機構を提供することによって、ドレッサー本体502に対して運動器具506の不用意の移動を防ぐように構成され得る。ドレッサー本体502および運動器具506は、直接に連結される必要はなく、空洞510は、ドレッサー本体502の任意の部分に備えられ得ることは理解されるべきである。一旦取り外されると、運動器具506は、スキー運動、ローイング運動およびウエイトトレーニング運動を提供するように動作され得る。
【0159】
運動器具は、類似した方法で、ベッドフレームの中に組み込まれ得ることは理解されるべきである。特に、ベッドフレームは、上記のもののように、それが運動器具を受容するようなサイズである空洞を画定するように構成され得る。ユーザが運動を所望するときには、運動器具は、空洞から滑らされるかまたは転がされ、そして用いられ得る。
【0160】
図34および図35を参照すると、一体化運動システム600は、隠蔽空洞606を提供しかつ壁に取り付けられる隠蔽ハウジングと、壁パネル602と、運動器具604とを含む。運動器具604は、直立位置と水平位置との間で旋回するように構成される壁パネル602に連結される。壁パネル602は、壁608などの構造物に備えられる空洞606をカバーするように構成される。本実施形態の隠蔽ハウジングは、事前に構成されかつ壁608に取り付けられる箱であり得ること、または、壁608の一部分が隠蔽ハウジングの一部を形成し得ることは、理解されるべきである。
【0161】
壁パネル602は、空洞606の開口部内に収まるサイズである概して平らな部材である。さらに、壁パネルはヒンジ609または他の旋回部材を用いて床に接続され、その結果として、壁パネル602は、取り付けられた運動器具604が空洞606内に隠蔽される直立位置から、運動器具604が使用のための位置に置かれる床上の水平位置に、旋回され得る。あるいは、運動器具604は、使用の前に壁パネル602から取り外され得る。好ましくは、壁パネル602はロッキング部材を含み、その結果として、壁パネル602は直立位置にロックされ得る。ロッキング部材は、滑りラッチまたは旋回ラッチまたは当該分野において公知の任意の他のロッキング部材であり得る。
【0162】
なおもさらなる実施形態において、空洞を囲むためにドアが壁に連結され得、その結果として、ドアは、従来のドアのように開きかつ閉じ、運動器具は、空洞内に分離して取り付けられ得、その結果として、運動器具は直立の隠蔽位置と水平の使用位置の間で移動され得る。そのような実施形態において、運動器具は、その移動を可能にするリンケージに取り付けられ得、リンケージは手動または電動で動作され得る。
【0163】
上記の実施形態は、他の家庭用品または構造物に運動器具を組み込む一体化運動システムの例である。この方法で、運動器具は、他の家具の部品および構造物とスペースを共有し得、またはそれらの中に組み込まれ得、それによって、大量の体積を占有しない運動のためのシステムを人に提供する。いくつかの例が上に説明されたが、他の家具の部品または他の構成が同じ結果を達成するために用いられ得ることは理解される。そのようなシステムを本発明の範囲内に含むことは、本発明の目的である。
【0164】
かくして、運動システムが提供されることが分かる。限定のためではなく例示の目的のためにこの説明において提示された、好ましい実施形態以外の実施形態によって本発明が実施され得、本発明は以下の特許請求の範囲によってのみ限定されることを当業者は理解する。この説明において論議された特定の実施形態の均等物は、同様に本発明を実施し得ることに注意されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
該ハウジング内に配置される抵抗アセンブリと、
該ハウジング内に配置される張力調整部材であって、該張力調整部材は、該抵抗アセンブリとインタフェースし、第1の位置と第2の位置との間で可動である、張力調整部材と
を備える、運動器具であって、
該抵抗アセンブリは、該張力調整部材の第1の位置に対応する第1の形状と該張力調整部材の第2の位置に対応する第2の形状とを有し、
該抵抗アセンブリは、該第1の形状において該張力調整部材に第1の力を、そして第2の形状において該張力調整部材に第2の力を加えるように構成され、該第1の力は該第2の力とは異なる大きさを有する、運動器具。
【請求項2】
前記張力調整部材に連結されたグリップデバイスをさらに備えている、請求項1に記載の運動器具。
【請求項3】
前記抵抗アセンブリは、張力伝達部材と該張力伝達部材に事前に負荷をかけるように構成されるスプリングとを含み、前記張力調整部材は、該張力伝達部材の一部分と接触し、その結果として、該張力伝達部材はY形の構成である、請求項2に記載の運動器具。
【請求項4】
前記張力調整部材に取り外し可能に連結されたキャリッジをさらに備えている、請求項1に記載の運動器具。
【請求項5】
前記抵抗アセンブリは、張力伝達部材と該張力伝達部材に事前に負荷をかけるように構成されるスプリングとを含み、前記張力調整部材は、該張力伝達部材の一部分と接触し、その結果として、該張力伝達部材はX形の構成である、請求項4に記載の運動器具。
【請求項6】
前記張力調整部材は、前記抵抗アセンブリに含まれる張力伝達部材と接触する接触面を含み、該接触面は、該張力調整部材に取り付けられたプーリに含まれる、請求項1に記載の運動システム。
【請求項7】
前記抵抗アセンブリは、張力伝達部材と該張力伝達部材において張力を事前に負荷をかけるように構成されるスプリングとを含み、該スプリングに調整機構が連結され、その結果として、該事前の負荷が調整され得る、請求項1に記載の運動システム。
【請求項8】
前記調整機構に連結され、前記スプリングの事前の負荷を遠隔で調整するように構成されたコントローラをさらに備えている、請求項7に記載の運動システム。
【請求項9】
前記スプリングは、回転可能なサポートアセンブリに連結された第1の端部と前記調整機構に連結された第2の端部とを有するねじりスプリングである、請求項7に記載の運動システム。
【請求項10】
前記ねじりスプリングの第1の端部は、リンケージによって前記回転可能なサポートに連結される、請求項9に記載の運動システム。
【請求項11】
前記張力伝達部材は、前記回転可能なサポートアセンブリ上に配置されるディスクに連結される、請求項9に記載の運動システム。
【請求項12】
前記張力伝達部材は、前記回転可能なサポートアセンブリ上に配置されるカムに連結される、請求項9に記載の運動システム。
【請求項13】
ハウジングと、該ハウジング内に配置された抵抗アセンブリと、該ハウジング内に配置された張力調整部材とを含む運動器具であって、該張力調整部材は、該抵抗アセンブリとインタフェースし、第1の位置と第2の位置との間で可動であり、該抵抗アセンブリは、該張力調整部材の第1の位置に対応する第1の形状と該張力調整部材の第2の位置に対応する第2の形状とを有し、該抵抗アセンブリは、該第1の形状において該張力調整部材に第1の力を、そして第2の形状において該張力調整部材に第2の力を加えるように構成され、該第1の力は該第2の力とは異なる大きさを有する、運動器具と、
該運動器具を受容するような大きさである空洞を画定する隠蔽ハウジングと
を備える、一体化運動システムであって、
該運動器具が保管の構成であるとき、該運動器具は該空洞内に配置される、
運動システム。
【請求項14】
前記張力調整部材に連結されたグリップデバイスをさらに備えている、請求項13に記載の運動システム。
【請求項15】
前記抵抗アセンブリは、張力伝達部材と該張力伝達部材に張力を事前に負荷するように構成されるスプリングとを含み、前記張力調整部材は、該張力伝達部材の一部分と接触し、その結果として、該張力伝達部材はY形の構成である、請求項14に記載の運動システム。
【請求項16】
前記張力調整部材に取り外し可能に連結されたキャリッジをさらに備えている、請求項13に記載の運動システム。
【請求項17】
前記抵抗アセンブリは、張力伝達部材と該張力伝達部材に張力に事前に負荷するように構成されるスプリングとを含み、前記張力調整部材は、該張力伝達部材の一部分と接触し、その結果として、該張力伝達部材はX形の構成である、請求項16に記載の運動システム。
【請求項18】
前記運動器具は、スライド式またはロール式の軌道によって前記隠蔽ハウジングに連結される、請求項13に記載の運動システム。
【請求項19】
前記隠蔽ハウジングは、ソファの背もたれ、複数のソファアームおよびベースを含み、前記空洞は、該ソファベースによって少なくとも部分的に画定される、請求項13に記載の運動システム。
【請求項20】
前記運動器具を前記隠蔽ハウジングに連結するリンケージ機構をさらに備え、該リンケージ機構は、第1の保管の構成および開放の構成との間で可動である、請求項19に記載の運動システム。
【請求項21】
前記隠蔽ハウジングは、ドレッサー本体および少なくとも1つの引出しを含む、請求項13に記載の運動システム。
【請求項22】
前記隠蔽ハウジングは、壁パネルを含む、請求項13に記載の運動システム。
【請求項23】
前記運動器具は、前記壁パネルの内部面に連結され、該壁パネルが閉鎖の構成であるとき、該運動器具は前記空洞内に配置される、請求項22に記載の運動システム。
【請求項24】
前記壁パネルは、閉鎖の構成と開放の構成との間で前記空洞に対してヒンジで動くように構成される、請求項22に記載の運動システム。
【請求項25】
前記壁パネルを前記閉鎖の構成に保持するように構成される少なくとも1つのロック部材をさらに備えている、請求項22に記載の運動システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2009−543628(P2009−543628A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519948(P2009−519948)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057202
【国際公開番号】WO2008/009626
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(507091853)
【Fターム(参考)】