説明

多相固定子デバイス

電気機械の中に配置されるように適合された固定子デバイス10であって、電気機械が可動デバイスをさらに備え、固定子デバイスが多相固定子デバイスであり、複数の相が可動デバイス12の運動の方向に対して直角の方向に互いに並んで配置され、個々の相が、1組の複数の歯27を有する第1の固定子鉄心セクション14、1組の複数の歯27を有する第2の固定子鉄心セクション16及びコイル20を備え、これらの歯27が可動デバイス12に向かって突出するように配置され、また、少なくとも2つの隣り合う相が固定子鉄心セクション14を共有し、したがって第1の相の第1の固定子鉄心セクション14及び第2の相の第2の固定子鉄心セクション16が単一ユニットとして形成される固定子デバイス10が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に電気機械に関する。より詳細には、本発明は、永久磁石回転子又は可動子構造を備えた回転又は線形可動3相横方向磁束機械に関する。このタイプの機械は、応用分野に応じて電動機又は発電機のいずれかとして利用することができる。線形可動機械は、線形機械、横方向可動機械又は並進可動機械を表すこともある。
【背景技術】
【0002】
横方向磁束機械(TFM)トポロジーは、変調磁極機械の一実例である。横方向磁束機械(TFM)トポロジーは、従来の機械に優る多くの利点を有していることが知られている。片面半径方向磁束固定子の基本設計は、エアー・ギャップに対して平行の単純な単相巻線を特徴とし、幾分かU字形をした継鉄セクションが、この巻線を取り囲んでおり、且つ、エアー・ギャップに面している複数の歯の2つの主要平行列で露出している。最新技術の多相構造は、回転子又は可動子の運動の方向に対して直角に積み重ねられて磁気的に分離された複数の単相ユニットを特徴としている。そして、これらの相は、3相構造とするために電気的及び磁気的に120度シフトされ、回転子又は可動子の位置と無関係にその動作を円滑にし、ほぼ均一な力又はトルクを生成する。ここで、参照されている角度は、電気角度で与えられていることに留意されたい。電気角度は、磁極の対の数で割った機械角度と等価である。
【0003】
円筒形電動機には同心固定子及び回転子が使用されており、したがってその運動は、回転運動即ち無限回転と考えられる。線形機械には、並進運動が使用されている。並進運動は、一般的には閉運動パターンではなく、「線」に沿った前後運動であってもよい。線形機械又はドライバは、回転子の代わりに可動子を有している。同じ基本磁気原理によって回転子及び可動子の両方に磁気回路を配置することができるが、幾何構造は異なっていてもよい。
【0004】
有効な回転子又は可動子構造の一実例には、例えばJackらによる国際公開第2007/024184号に記載されているように、永久磁石場に磁束を集中させるために、或いは運動に対して横方向に柔軟になるよう、軟磁極セクション又は軟磁極片と組み合わせたいわゆる埋込み磁石が使用されている。
【0005】
国際公開第2007/024184号には、複数の歯を含んだ実質的に円形の第1の固定子鉄心セクションと、複数の歯を含んだ実質的に円形の第2の固定子鉄心セクションと、第1の円形固定子鉄心セクションと第2の円形固定子鉄心セクションとの間に配置されたコイルと、複数の永久磁石を含んだ回転子とを含んだ電気回転機械が開示されている。第1の固定子鉄心セクション、第2の固定子鉄心セクション、コイル、及び回転子は、共通の幾何学軸を取り囲んでおり、第1の固定子鉄心セクション及び第2の固定子鉄心セクションの複数の歯は、回転子に向かって突出して配置されている。さらに、第2の固定子鉄心セクションの複数の歯は、第1の固定子鉄心セクションの複数の歯に関連して円周方向に変位している。そして、回転子の永久磁石は、軟磁性体でできた軸方向に延在する磁極セクションによって互いに円周方向に分離されている。
【0006】
個々の固定子相セクションの積重ねは、通常、個々の相セクションの間の物理的な磁気分離に基づいており、相と相の間の磁気結合を小さくする。これによって、動作中、エアー・ギャップ中の実効磁束を小さくする効果を有することがある。
【0007】
いくつかの用途では、限られた所与の空間に適合させるために、また、高い体積特化性能、例えば体積当たりのトルク[Nm/m]で表される性能を有することができるようにするためには、可能な限り幾何構造的にコンパクトな機械が提供されることが望ましい。
【0008】
従来の平衡120度移相3相正弦波又は台形駆動スキームは、動作のタイム・サイクリングの間、鉄心と磁気的に完全に係合しない。そのため、総固定子鉄心体積のかなりの部分が常に有効に使用されていない。
【0009】
したがって、従来技術は、0°、120°及び240°の相順序で1組の3相ユニットを調整することを開示している。
【0010】
体積当たりのトルク及び/又は電流当たりのトルクなどの性能数又は性能値の最適化は、依然として問題である。
【0011】
欧州特許第1005136号明細書に、結合相を有する横方向磁束機械が開示されている。しかしながら、このような電気機械のより単純な構造を提供することが依然として望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2007/024184号
【特許文献2】欧州特許第1005136号明細書
【特許文献3】米国特許第6348265号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
固定子デバイス及び可動デバイスを備える電気機械であって、固定子デバイスが、可動デバイスの運動の方向に対して直角の横方向に互いに並んで配置された複数の相を備える多相固定子デバイスであり、固定子デバイスが、複数組の複数の歯を備え、個々の歯が、可動デバイスに向かって突出し、可動デバイスに面した境界表面を備え、個々の組の複数の歯が運動の方向に沿って分配されており、複数組の複数の歯が、2つの周囲セット及びこれらの周囲セットの間に横方向に配置された複数の内部セットを備え、内部セットの複数の歯は、周囲セットの複数の歯よりも横方向の幅が広く、2つの隣り合う相によって共有される共通磁束通路を提供する電気機械が開示される。
【0014】
電気機械の実施形態では、可動デバイスは、横方向に細長い直線状ロッドとして形成された、固定子のすべての相にわたって横方向に延在する磁極セクションによって、前記運動の方向に互いに分離された複数の永久磁石を備えている。詳細には、周囲セットの複数の歯の境界表面は、横方向に測定した、固定子デバイスと可動デバイスの間のアクティブ・エアー・ギャップ領域の横方向の範囲を画定することができ、ロッドは、アクティブ・エアー・ギャップの横方向の範囲全体にわたって延在する磁束通路を提供することができる。
【0015】
電気機械の実施形態では、個々の組の複数の歯は、他の組の複数の歯に対して運動の方向に変位して配置されている。
【0016】
固定子デバイスの個々の相は、2つの固定子鉄心セクションによって形成することができ、2つの隣り合う相のうちの第1の相の第1の固定子鉄心セクションの複数の歯、及び2つの隣り合う相のうちの第2の相の第2の固定子鉄心セクションの対応する複数の歯は、隣り合う両方の相によって共有される共通磁束通路を提供する共通組の複数の歯として形成されている。
【0017】
したがって、隣り合う相の複数の歯は、2つの隣り合う/隣接する相に対して共通であり、且つ、2つの隣り合う/隣接する相によって磁気的に共有される共通組の複数の歯として磁気的に機能している。可動デバイス及び固定子デバイスは、それぞれいくつかの部品を含んだ単純な構造を有している。可動デバイスの部品は、それぞれ単純な幾何学形状を有している。したがって、有効で費用効果の高い構造にすることができる。
【0018】
2つの隣り合う相のうちの第1の相の第1の固定子鉄心セクションの複数の歯は、2つの隣り合う相のうちの第2の相の第2の固定子鉄心セクションの対応する複数の歯の位置と同じ位置に(可動デバイスの運動の方向に対して直角の方向に沿って)配置することができる。すなわち、隣り合う相の隣接する固定子鉄心セクションの複数の歯を可動デバイスの運動の方向に対して直角の方向に互いに整列させることができる。第1の相の第1の固定子鉄心セクション及び第2の相の第2の固定子鉄心セクションは、背中合わせに配置された、例えば互いに当接している2つの個別ユニットとして形成することができ、或いは単一ユニットとしてそれらを形成し、したがって隣り合う相に対して共通の共通固定子鉄心セクションを形成することも可能である。
【0019】
したがって、固定子鉄心総体積の実質的な部分が常に有効使用されるため、動作中、これらの相を結合して固定子鉄心セクションを磁気的に共有することは有利である。
【0020】
隣り合う相と相の間で磁束通路が共有されるため、磁化のデューティ・サイクルが改善されることは有利である。
【0021】
体積及び重量特化性能が改善されるため、固定子デバイスを片面横方向磁束機械として機能させることができることは有利である。したがって、例えば体積当たりのトルク及び/又は電流当たりのトルクに対する性能数を改善することができる。
【0022】
相と相の間の磁気分離セクションの幾何学的な幅がより広くなるため、運動の方向に対して直角の方向の機械の幾何学的な幅を狭くすることができることは有利である。
【0023】
さらに、電気回転機械が、軸方向の全体の長さが、分離された相を有する従来の固定子デバイスの軸方向の全体の長さよりも短い永久磁石を備えることができることは有利である。永久磁石の軸方向の長さがより短いため、コストがより安価になることは、さらに有利である。
【0024】
隣り合う相の共通固定子セクションが単一ユニットとして形成される場合、複数の相と相の間で固定子鉄心セクションが共有されるため、固定子デバイスのために必要なコンポーネントの数が少なくなる。従来技術による固定子デバイスの場合、個々の相は、独自の個別の組の複数の固定子鉄心セクションを有している。
【0025】
さらに、固定子デバイスをより頑丈にすることができ、且つ、より容易に製造することができるため、より高いレベルで統合されたコンポーネントが存在することは有利である。
【0026】
1組の複数の歯は、複数の歯などの一群の複数の歯として画定される。
【0027】
相は、可動デバイスの運動の方向に対して直角の方向に互いに並んで配置されるため、その方向は回転機械の軸の方向になる。
【0028】
可動デバイスは、回転可動デバイス内の回転子であっても、或いは線形可動デバイス内の可動子であってもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、固定子鉄心セクションは軟磁性構造である。軟磁性構造の改善された利用により、体積当たりの性能が改善されることは有利である。一実施形態では、固定子鉄心セクションは軟磁性粉末でできている。固定子鉄心セクションを軟磁性粉末から製造することにより、固定子デバイスの製造を単純化することができ、また、有効な三次元磁束通路の利点を利用した磁束集中をより効果的にすることができる。
【0030】
個々の固定子鉄心セクションは、固定子鉄心バック・セクション、及び固定子鉄心セクションから延在する1組の複数の歯を備えることができ、固定子鉄心バック・セクションは、これらの複数の歯を接続し、且つ、隣り合う歯と歯の間に、運動の方向の磁束通路を提供している。固定子鉄心セクションは、同じ相の複数の組のうちの他の1組の複数の歯を備えた他の固定子鉄心セクションに向かう横方向の磁束通路を提供する継鉄セクションをさらに備えることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、固定子デバイスは、すべての相の固定子鉄心セクションを接続している単一の継鉄セクションを備えている。回転機械の場合、磁束ブリッジは、第1及び第2の固定子鉄心セクションと同心で配置された固定子継鉄セクションであってもよい。このような固定子鉄心セクションを配置することにより、固定子アセンブリの部品の製造プロセス及び固定子アセンブリの組立てプロセスを容易にすることができ、且つ、費用効果をより高くすることができる。
【0032】
したがって固定子鉄心セクションは、少数の部品のみを備えるように製造することができ、且つ、1組の複数の歯の個々の歯を、同じ相の複数の組のうちの他の1組の複数の歯のうちの複数の歯と磁気結合させることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、固定子デバイスは3相固定子である。相の数は奇数であることが有利である。何故なら、電流の瞬時合計はゼロであるからである。このことは、機械への供給線路の数が1本少なくなり、また、コンバータ内に必要なスイッチング・デバイスの数が2つ少なくなることを意味する。したがって数が奇数の複数の相の最少数は3である。5相、7相、9相などの奇数の他の相を提供することも可能である。したがって、一般に、多相固定子デバイスは、それぞれ単一の隣り合う相を有する2つの周囲相と、それぞれ2つの隣り合う相を有するn−2個の内部相とを含むn個の相(nは2以上の整数)を備えることができ、個々の内部相は2つの共通組の複数の歯を備え、個々の共通組の複数の歯は、内部相の個々の隣り合う相のうちの一方と共通/共有され、個々の周囲相は、周囲相の個々の隣り合う相と共通/共有される1組の複数の周囲歯及び1組の複数の共通歯を備えている。
【0034】
さらに、偶数個の相を提供することも可能であるが、場合によっては上述の奇数個の相ほどには有利ではない。
【0035】
いくつかの実施形態では、電気機械は回転機械である。可動デバイスは回転子である。この場合、第1の固定子鉄心セクション、第2の固定子鉄心セクション、コイル及び回転子は、共通の幾何学軸を取り囲むことができる。回転機械の場合、横方向は機械の軸方向であり、また、運動の方向は機械の円周方向である。
【0036】
可動デバイス内の永久磁石は、横方向に延在する、直線状のロッドの形態の磁極セクションによって運動の方向に互いに分離されることができる。磁極セクションは、軟磁性粉末で製造することができる。永久磁石は、交互配向で運動の方向に磁化することができる。通常、永久磁石は、横方向に細長い直線状のロッドであってもよく、このロッドは、アクティブ・エアー・ギャップの横方向の範囲全体にわたって延在させることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、電気機械は、横方向磁束機械などの変調磁極機械である。
【0038】
従来の機械の場合、コイルは多重極構造の磁界を明確に形成しており、磁心の機能は、磁石及び/又は他のコイルを鎖交させるために単にこの多重極磁界を運ぶことにすぎない。
【0039】
変調磁極機械の場合、コイルによって生成される、はるかに低い、通常は2つの磁極場から多重極磁界を形成するのは磁気回路である。変調磁極機械の場合、磁石は、通常、整合多重極磁界を明確に形成しているが、単一の磁石から多重極磁界を形成する磁気回路を有することも可能である。
【0040】
変調磁極機械は、固定子内及び可動デバイス内の両方の横方向、例えば回転機械の軸方向の磁束通路を利用した三次元(3D)磁束通路を有しており、可動デバイスは回転子である。結合相固定子を利用する場合、3次元磁束通路はとりわけ適している。
【0041】
したがっていくつかの実施形態では、固定子デバイス及び/又は可動デバイスは、運動の方向に対して横方向の磁束通路成分を含んだ3次元(3D)磁束通路を備えている。
【0042】
変調を有する利点は、すべての磁極がコイルのすべての起磁力(MMF)に遭遇し、したがって磁極の数が多くなると、それに伴って、コイルを全く変更することなく磁界強度(MMF/メートル)が大きくなることである。これは、磁極の数が多くなるとコイルの数も多くなり、したがって個々のコイルがより小さくなる従来の機械と比較することができる。しかしながら磁極の数が多くなると、それに伴って磁極ピッチが減少し、したがって従来の機械の場合、MMF/コイルの低減と磁極ピッチの低減が平衡するため、磁極の数が多くなると、磁界強度が多少安定する。
【0043】
変調磁極機械のための通常の設計は、高磁極数のための設計である。これは、恐らくは必要な導体の体積に対する適度の要求事項を伴って、電気負荷即ち磁界強度を極めて大きくすることができる。
【0044】
したがって変調磁極機械は、磁極数が多く、且つ、従来のコイルを使用した可能電気負荷が小さい状況においてその最大の利点を発揮することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、変調磁極機械は、クロー磁極構造又は延長部分を備えている。
【0046】
変調磁極機械の場合、円周方向/軸方向表面からトルクを形成する幾何構造、つまり半径方向磁界機械を定着したものとして取り上げると、磁気回路を使用して、1磁極ピッチで円周方向にエアー・ギャップの両端間を半径方向に磁界を運ぶことができ、これは、コイルを取り囲むために、固定子又は回転子の中で、或いは部分的にこれらの両方の中で実施することができ、また、両方の方向に軸方向に実施することができる。軸方向の回路がコイルの周りの固定子内で閉じている場合、クロー磁極構造が生成される。
【0047】
クロー磁極構造又は延長部分は、結合相と共に使用することができるが、軸方向クロー延長部分は、漏れの原因にならないよう、制限するか或いは小さくしなければならない。クローが重畳すると、場合によってはこれらの重畳面が漏れ磁束のための望ましくない通路を提供することになるため、クローが互いに重畳すると漏れが生じることがある。クローが相の軸方向の幅の半分までしか延びていない場合であっても、これらのクローが互いに近接して、望ましくない大量の磁気漏れの原因になることがあるため、結合相を使用する場合は、ごく小さい、つまりごくわずかなクローを使用しなければならない。したがって、半クロー磁極として定義されるわずかなクローを使用して磁極先端領域を調整することは可能であるが、結合相の移相によって固定子の軸方向の延長部分全体にわたるクローの自由な延長が妨害されるため、これらのクローを軸方向に重畳させることはできない。
【0048】
本発明は、上で説明した、また、以下で説明する固定子デバイス、及び対応する方法、デバイス及び/又は製品手段を含んだ異なる態様に関しており、これらの各々が、言及されている第1の態様に関連して説明されている利益及び利点のうちの1つ又は複数をもたらし、また、これらの各々は、言及されている第1の態様に関連して説明されている実施形態、及び/又は添付の特許請求の範囲に開示されている実施形態に対応する1つ又は複数の実施形態を有している。
【0049】
本発明の上記及び/又は追加目的、特徴並びに利点は、添付の図面を参照して行う、本発明の実施形態についての以下の実例による非制限の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1a】従来技術による機械及び分離相を備えた固定子デバイスの実例を示す図である。
【図1b】従来技術による機械及び分離相を備えた固定子デバイスの実例を示す図である。
【図1c】従来技術による機械及び分離相を備えた固定子デバイスの実例を示す図である。
【図1d】従来技術による機械及び分離相を備えた固定子デバイスの実例を示す図である。
【図2】個別の相を備えた3相機械の横断面の実例を示す図である。
【図3】個別の相を備えた3相機械の磁束フェーザ線図の実例を示す図である。
【図4】固定子をエアー・ギャップ平面の法線方向から示す、個別の相を備えた3相機械の固定子構造の実例を示す図である。
【図5】磁気的に結合した相を備えた固定子デバイスの実例を示す図である。
【図6】磁気的に結合した相を備えた3相機械の横断面の実例を示す図である。
【図7】磁気的に結合した相を備えた3相機械の磁束フェーザ線図の実例を示す図である。
【図8】固定子をエアー・ギャップ平面の法線方向から示す、磁気的に結合した相を備えた3相機械の固定子構造の実例を示す図である。
【図9】磁気的に結合した相を備えた3相機械の構造の実例を示す図である。
【図10a】3相線形可動機械の構造の実例を示す図である。
【図10b】3相線形可動機械の構造の実例を示す図である。
【図11a】磁気的に結合した相及び半クロー磁極を備えた3相機械の構造の実例を示す図である。
【図11b】磁気的に結合した相及び半クロー磁極を備えた3相機械の構造の実例を示す図である。
【図12】固定子デバイス内及び可動デバイス内の磁束通路の実例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下の説明には、添付の図が参照されている。本発明を実施することができる方法が、説明図によって示されている
【0052】
図1〜4は、個別の相を備えた3相機械の実例を示したものである。これは、個別相変調磁極機械(SPMPM)と呼ばれている。
【0053】
図1a)〜1b)は、従来技術による3相半径方向機械の実例を示したものである。電気回転機械は、固定子アセンブリ及び回転子を備えている。本説明の目的のために、’のプライム符号が付された参照数表示は、一般に第1の相の特徴を表しており、’’は第2の相の対応する特徴を表し、また、’’’は第3の相の対応する特徴を表しており、一方、プライム符号のない参照数表示は、すべての相の対応する特徴を表している。3つの固定子アセンブリ10’、10’’、10’’’が示されており、個々の固定子アセンブリは、第1の固定子鉄心セクション14、第2の固定子鉄心セクション16、固定子継鉄セクション18及びコイル20を備えている。3つの回転子12’、12’’、12’’’が示されており、個々の回転子12は、永久磁石22及び磁極セクション24を備えている。回転子が取り付けられる軸50が示されている。個々の固定子鉄心セクション14、16の形状は本質的に円形であり、また、これらの個々の固定子鉄心セクション14、16には、半径方向に延在する複数の歯26が含まれている。これらの歯は、回転子12と共に閉回路磁束通路を形成するために、回転子12に向かって延在するように配置されている。
【0054】
それぞれの相セクション、すなわち単相機械が、自身の回転子を含んで示されている。すなわち、個々の相セクションは、単相機械に完全に対応している。
【0055】
図1c)は、従来技術による、相と相との間の空間分離の実例を示したものである。図には、個々の相の第1の固定子鉄心セクション14’、14’’、14’’’が示されている。この実例の空間分離は、1つの相の固定子鉄心セクションの複数の歯26が他の相の固定子鉄心セクションの複数の歯に対して円周方向に変位しているということに関連している。
【0056】
分離相を備えた固定子デバイスの図1d)の概略実例には、分離された3つの相が示されている。すなわち、固定子アセンブリ10’の相1、固定子アセンブリ10’’の相2及び固定子アセンブリ10’’’の相3が示されている。
【0057】
個々の基本ユニットつまり相ユニットは、単一のコイルつまり磁心20、第1の固定子鉄心セクション14、第2の固定子鉄心セクション16及び固定子継鉄セクション18を備えている。この相ユニットにより、単一方向のパルス状トルクが生成される。
【0058】
図2は、3相個別相変調磁極機械(SPMPM)の横断面を示したものである。相1は、A、固定子鉄心セクション14’及び固定子アセンブリ10’によって示されている。相2は、B、固定子鉄心セクション14’’及び固定子アセンブリ10’’によって示されている。また、相3は、C、固定子鉄心セクション14’’’及び固定子アセンブリ10’’’によって示されている。第1の固定子鉄心セクション14、第2の固定子鉄心セクション16及び固定子継鉄セクション18は、個々の相ユニットに対して示されている。
【0059】
回転子12が示されており、また、回転子と固定子アセンブリ10’、10’’、10’’’の各々との間のエアー・ギャップ30が示されている。個々の相に対する磁束Ψ通路が示されている。Ψは相A、Ψは相B、また、Ψは相Cに対する磁束である。また、エアー・ギャップ30における個別の磁束の値、+又は−も示されている。
【0060】
図3は、分離相ユニットに対する磁束フェーザ線図を示したものである。これらの相ユニットの変位は120°である。相1の磁束はΨで示され、相2の磁束はΨで示され、また、相3の磁束はΨで示されている。
【0061】
図4は、回転子磁極に対する相ユニット、相A、相B及び相Cの変位の実例を示したものである。回転子磁極基準は、相A、相B及び相C全体にわたって点で囲まれた長方形121で示されている。相ユニットの複数の歯26及びコイル20が示されている。これらの歯26は、図1b)に示されているように、固定子鉄心セクションの一部である。相ユニットと相ユニットの間の120°の変位が、数0°、120°、240°及び360°の位置によって示されている。
【0062】
これらの相ユニットの各々は、図1b)に示されているように2組の複数の電機子歯26を有している。第1の固定子鉄心セクション14にそのうちの1組の複数の歯が含まれており、また、第2の固定子鉄心セクション16にもう1組の複数の歯が含まれている。一方の組は、コイル20の左側から出ており、特定の方向の電機子電流によって駆動されるとN極を有し、もう一方の組は、コイル20の右側から出ており、同じ方向の電流によって駆動されるとS極を有する。
【0063】
複数の相ユニットが使用される場合、それらは軸方向に互いに分離される。これは、最も左側のユニットの右側の複数の歯が、次の相ユニットの左側の複数の歯と近接し、以下、個々のユニットの互いに対向する側に対しても同様であることを意味している。
【0064】
しかしながら、これらの歯の角度変位を最も当然に選択する場合、この近接は有利ではない。
【0065】
図5〜9は、結合相を備えた3相機械の実例を示したものである。これは、結合相変調磁極機械(CPMPM)と呼ばれる。
【0066】
結合相機械は、図5及び図6に示されている固定子アセンブリ10を備えており、また、図6に示されている可動デバイス12、例えば回転子を備えている。図5、6及び8では、’が付いた参照数表示は第1の相の特徴を表しており、’’が付いた参照数表示は第2の相の特徴を表しており、また、’’’が付いた参照数表示は第3の相の特徴を表している。
【0067】
図5は、固定子アセンブリ10が、相1、相2及び相3の3つの相を備えていることを示している。相1及び相3は周囲相と呼ぶことができ、また、相2は内部相と呼ぶことができる。個々の相は、異なる電圧、例えば正弦波又は方形波を供給して動作させることができる単一のコイルつまり磁心20を備えている。個々の相は、さらに、第1の固定子鉄心セクション14及び第2の固定子鉄心セクション16を備えている。図に示されているように、相2の第1の固定子鉄心セクション14’’及び相1の第2の固定子鉄心セクション16’は、単一のユニットとして形成されている。同様に、相3の第1の固定子鉄心セクション14’’’及び相2の第2の固定子鉄心セクション16’’も単一のユニットとして形成されている。さらに、相1の第1の固定子鉄心セクション14’は、他のどの相とも共有されない単一のユニットであり、同様に相3の第2の固定子鉄心セクション16’’’も単一のユニットである。したがって4つの単一のユニットが存在しており、そのうちの2つは、それぞれ、2つの異なる相と相の間で共有されている。
【0068】
固定子アセンブリ10は、固定子継鉄セクション18を備えている。固定子継鉄セクション18は、すべての相に共通で、且つ、これらのすべての相によって共有される。固定子継鉄セクションは、固定子鉄心セクションと固定子鉄心セクションとの間に磁束通路を提供するように配置されており、したがって磁束ブリッジとして作用している。固定子の組立てを容易にし、且つ、第1の固定子鉄心セクションと第2の固定子鉄心セクションの間の磁気抵抗変化を比較的小さくするために、固定子継鉄セクションに使用される材料には軟磁性粉末を使用することができる。
【0069】
可動デバイスは、図5には示されていないが、可動デバイスがコイル20の近くに位置するよう、図の一番上に配置されるように構成されることになる。
【0070】
図6は、3相結合相変調磁極機械(CPMPM)の横断面を示したものである。固定子アセンブリ10は、Aで示されている相1、Bで示されている相2及びCで示されている相3を備えている。第1の固定子鉄心セクション14及び第2の固定子鉄心セクション16は、個々の相ユニット毎に示されている。固定子継鉄セクション18は、3つの相によって共有され、これらの3つの相に共通である。
【0071】
可動デバイス12が示されている。可動デバイス12は、回転子又は可動子であってもよい。可動デバイスは、永久磁石のセクションを備えており、また、軟磁性体から製造することができる磁極セクション(図示せず)を備えている。磁極セクションは、永久磁石と永久磁石の間に配置されており、したがってこれらの永久磁石を互いに分離している。磁極セクション、永久磁石及び磁束については、国際公開第2007/024184号にさらに記載されている。
【0072】
可動デバイス12が回転子である場合、軸即ちシャフト(図示せず)上に回転子12を配置し、また、固定子アセンブリ10の中心に配置するか、或いは回転子が外部回転子型である場合、固定子アセンブリの周囲に配置することができる。可動デバイス12が可動子である場合、デバイスは、回転子のように内側又は外側を全く有していない平らな線形デバイスであってもよく、可動子は、回転する代わりに単に上下又は左右に移動する。
【0073】
また、図6には、共通固定子アセンブリ10と可動デバイス12との間のエアー・ギャップ30が示されている。
【0074】
可動デバイス12、例えば回転子は、すべての3相セクションと相互作用するように配置されている。すなわち、回転子は、すべての3相セクションと相互作用するために軸方向に延在することができる。電気機械は、半径方向の相セクション又は軸方向の相セクション或いはその組合せを備えることができる。
【0075】
固定子鉄心セクション14’、16’、14’’、16’’、14’’’及び16’’’の各々は、その形状を本質的に円形にすることができ、また、図8に示されているように、半径方向に延在する複数の歯を含むことができる。これらの歯は、回転子12と共に閉回路磁束通路を形成するために、可動デバイス12、例えば回転子に向かって延在するように配置されている。これらの歯は、内部回転子に向かって内側に延在させることも可能であり、或いは固定子鉄心セクション14、16の外側に回転子を配置することも可能であるが、その場合、半径方向に外側に向かって延在するようにこれらの歯を配置しなければならない。
【0076】
個々の相に対する磁束Ψ通路が示されており、Ψは相A、Ψは相B、また、Ψは相Cに対する磁束である。また、エアー・ギャップ30における結合磁束の値も示されている。
【0077】
第1の固定子鉄心セクション14及び第2の固定子鉄心セクション16は、互いに対して軸方向に変位させることができ、また、共通の軸の周りにそれらを配置することができる。個々のコイル20は、第1の固定子鉄心セクション14と第2の固定子鉄心セクション16との間に配置することができる。コイル20をこのように配置する利点は、すべての磁極がすべてのMMF(起磁力)に遭遇し、したがって所与のサイズ及び/又はコストに対する電気負荷及び出力が大きくなることである。固定子継鉄セクション18は、第1の固定子鉄心セクション14及び第2の固定子鉄心セクション16に対して同心で配置することができる。固定子継鉄セクション18の幅は、第1の固定子鉄心セクション14と第2の固定子鉄心セクション16との間の磁束ブリッジとして配置するために、実質的に、軸方向に、第1の固定子鉄心セクション14及び第2の固定子鉄心セクション16並びにコイル20のアセンブリの幅に対応する幅にすることができる。固定子継鉄セクション18を軟磁性粉末から製造することにより、固定子継鉄セクションが積層物でできている一実施例に関して、第1の固定子鉄心セクション14及び第2の固定子鉄心セクション16から固定子継鉄セクション18にわたる三次元磁束通路の効率が向上する。さらに、第1の固定子鉄心セクション14及び第2の固定子鉄心セクション16のうちの一方を、これらのもう一方に対して回転変位させることができる。この変位により、図8に示されているように、第1の固定子鉄心セクション14及び第2の固定子鉄心セクション16のうちの一方の複数の歯が、もう一方の第1の固定子鉄心セクション14又は第2の固定子鉄心セクション16の複数の歯の円周上の位置とは異なる円周上の位置に配置される。一方の第1の固定子鉄心セクション14又は第2の固定子鉄心セクション16の個々の歯は、円周方向に、もう一方の第1の固定子鉄心セクション14又は第2の固定子鉄心セクション16の2つの歯の間のギャップの中央に配置することができる。
【0078】
一方の第1の固定子鉄心セクション14又は第2の固定子鉄心セクション16の複数の歯をもう一方の固定子鉄心セクションの複数の歯に対して変位させる概念は、上述の最も効率の良い可動デバイスの設計を有効に活用するために有利である。
【0079】
図8は、可動デバイス磁極、例えば回転子磁極に対する結合相ユニット、相A、相B及び相Cの変位を示したものである。回転子磁極基準121は、相A、相B及び相C全体にわたって点で囲まれた長方形で示されている。相ユニットの各々のコイル20が示されている。個々の相、A、B、Cは、第1の固定子鉄心セクション(図示せず)及び第2の固定子鉄心セクション(図示せず)を備えており、また、これらの固定子鉄心セクションは複数の歯を備えている。図5に示したように、ここでは相Bに対応している相2の第1の固定子鉄心セクション14’’、及びここでは相Aに対応している相1の第2の固定子鉄心セクション16’は、単一のユニットとして形成されている。したがって複数の歯27は、相A及びBによって共有されている。同様に、ここでは相Cに対応している相3の第1の固定子鉄心セクション14’’’、及びここでは相Bに対応している相2の第2の固定子鉄心セクション16’’も単一のユニットとして形成されており、したがって複数の歯28は、相B及びCによって共有されている。さらに、ここでは相Aに対応している相1の第1の固定子鉄心セクション14’も単一のユニットであり、複数の歯26’は2つの相によって共有されていない。同様に、ここでは相Cに対応している相3の第2の固定子鉄心セクション16’’’も単一のユニットであり、複数の歯26’’’は2つの相によって共有されていない。したがって4つの単一のユニットが存在しており、そのうちの2つは、それぞれ、2つの異なる相によって共有されており、複数の歯27及び28の組の各々は、2つの異なる相によって共有されている。
【0080】
相と相との間の変位が、それぞれ数0°、150°、270°及び60°の位置によって示されており、これについては以下でより詳細に説明する。
【0081】
したがって、個別の相ユニットを使用する代わりに、1つの単一の組の複数の歯を使用して連続する相を共有することができる。個々の組の複数の歯の配向を適切に選択することにより、重要な利点が提供される。例えば、3つのコイルが軸方向に配置された3相機械が提供されると、図8に示されているように、両端にそれぞれ1組、相1と相2の間に1組、それに相2と相3の間にもう1組の合計4組の複数の歯が与えられる。角度の選択は、直観的に分かりやすくはないが、複数の歯の4つの組の各々が、一方の末端からもう一方の末端まで見たときに、0°、150°、270°及び60°に近くなるようにしなければならない。
【0082】
いくつかの実施例によれば、図8に示されているように、中央の2つの組の複数の歯は、両端の2つの組の複数の歯とは異なる軸方向の幅を有しており、軸方向の幅の若干の調整を提供し、3つの相の間において真に平衡が取れた鎖交磁束及びトルクの組を作る。
【0083】
図9は、結合相を備えた3相回転機械の構造の実例を示したものである。
【0084】
図9には、固定子デバイス10及び回転子の形態の可動デバイス12が示されている。’が付いた参照数表示は第1の相の特徴を表しており、’’が付いた参照数表示は第2の相の特徴を表しており、また、’’’が付いた参照数表示は第3の相の特徴を表している。固定子デバイス10は3つの相を備えており、個々の相は、コイル20、第1の固定子鉄心セクション14及び第2の固定子鉄心セクション16を備えている。固定子デバイス10を取り囲んでいる1つの回転子12が示されている。回転子12は、固定子デバイス10全体に沿って延在する永久磁石22及び磁極セクション24を備えている。固定子が取り付けられる軸を提供することができる(図示せず)。個々の固定子鉄心セクション14、16の形状は本質的に円形であり、また、これらの個々の固定子鉄心セクション14、16には、固定子鉄心バック・セクション29及び半径方向に延在する複数の歯が含まれており、これらの歯は固定子鉄心バック・セクションから延在する。これらの歯は、回転子12と共に閉回路磁束通路を形成するために、回転子12に向かって外側に延在するように配置されている。固定子鉄心バック・セクション29は複数の歯を円周方向に接続している。固定子鉄心セクションは、さらに、軸方向の磁束ブリッジを提供するために、隣り合う固定子鉄心セクションに向かって固定子鉄心バック・セクション29から軸方向に延在する継鉄セクション23を備えている。
【0085】
相1の第2の固定子鉄心セクション16’及び相2の第1の固定子鉄心セクション14’’は、1つのユニットつまり結合固定子鉄心セクションとして配置されており、したがって相1及び相2は固定子鉄心セクションを共有している。したがって結合相ユニットの複数の歯27は、相1と相2の間で共有されるように配置されており、したがって相2の第1の固定子セクション14’’の複数の歯の組、及び相1の第2の固定子鉄心セクション16’の複数の歯の組は、1つのユニットとして形成されている。
【0086】
結合相ユニットの複数の歯28は、相2と相3の間で共有されるように配置されており、したがって相3の第1の固定子セクション14’’’の複数の歯の組、及び相2の第2の固定子鉄心セクション16’’の複数の歯の組は、1つのユニットとして形成されている。
【0087】
固定子デバイス10の個々の末端の複数の歯26は、2つの相と相の間で共有されないため、複数の歯26’は相1にのみ属し、また、複数の歯26’’’は相3にのみ属している。さらに、周囲相1及び3の複数の歯26’及び26’’’は、それぞれ複数の歯26’及び26’’’の周辺縁と周辺縁の間を軸方向に延在する固定子のアクティブ・エアー・ギャップ領域の軸方向の範囲を画定している。永久磁石22及び磁極セクション24は、アクティブ・エアー・ギャップ領域全体、つまり回転子と対向している複数の歯26’及び26’’’の表面の軸方向の外縁と外縁の間全体にわたって軸方向に延在する。
【0088】
図10a)は、結合相を備えた3相線形可動機械の構造の実例を示したものである。図10b)には線形可動機械が示されている。
【0089】
図10a)には、固定子デバイス10及び固定子デバイスに沿って直線的又は横方向に移動するように適合された可動子の形態の可動デバイス12が示されている。’が付いた参照数表示は第1の相の特徴を表しており、’’が付いた参照数表示は第2の相の特徴を表しており、また、’’’が付いた参照数表示は第3の相の特徴を表している。固定子デバイス10は3つの相を備えており、個々の相は、コイル20、第1の固定子鉄心セクション14及び第2の固定子鉄心セクション16を備えている。可動子12は、固定子デバイス10全体に沿って延在する永久磁石22及び磁極セクション24を備えている。個々の固定子鉄心セクション14、16の形状は本質的に直線状であり、また、これらの個々の固定子鉄心セクション14、16には、直線的に延在する複数の歯が含まれている。これらの歯は、可動子12と共に閉回路磁束通路を形成するために、可動子12に向かって延在するように配置されている。
【0090】
相1の第2の固定子鉄心セクション16’及び相2の第1の固定子鉄心セクション14’’は、1つのユニットつまり結合固定子鉄心セクションとして配置されており、したがって相1及び相2は固定子鉄心セクションを共有している。したがって結合相ユニットの複数の歯27は、相1と相2の間で共有されるように配置されており、したがって相2の第1の固定子セクション14’’の複数の歯の組、及び相1の第2の固定子鉄心セクション16’の複数の歯の組は、1つのユニットとして形成されている。
【0091】
結合相ユニットの複数の歯28は、相2と相3の間で共有されるように配置されており、したがって相3の第1の固定子セクション14’’’の複数の歯の組、及び相2の第2の固定子鉄心セクション16’’の複数の歯の組は、1つのユニットとして形成されている。
【0092】
固定子デバイス10の2つの末端の各々の複数の歯26の組は、2つの相と相の間で共有されないため、複数の歯26’は相1にのみ属し、また、複数の歯26’’’は相3にのみ属している。
【0093】
図10b)では3つのすべての相が分離されており、したがって第1の固定子鉄心セクション14及び第2の固定子鉄心セクション16は、いずれの相と相の間でも共有されていない。したがって図10b)の機械には、個別の複数の歯26、つまり1つの相にのみ属する複数の歯の複数の組のみが存在している。
【0094】
図11は、結合相及び半クロー(semi−claw)磁極を備えた3相機械の構造の実例を示したものである。
【0095】
図11a)及び図11b)には、固定子デバイス10及び可動デバイス12が示されている。図11a)では可動デバイス12は回転子であり、図に示されている回転子は固定子デバイス10を取り囲んでいる。また、図11b)では可動デバイス12は、固定子デバイスに沿って直線的又は横方向に移動するように適合された可動子である。’が付いた参照数表示は第1の相の特徴を表しており、’’が付いた参照数表示は第2の相の特徴を表しており、また、’’’が付いた参照数表示は第3の相の特徴を表している。固定子デバイス10は3つの相を備えており、個々の相は、コイル20、第1の固定子鉄心セクション14及び第2の固定子鉄心セクション16を備えている。可動デバイス12は、固定子デバイス10全体に沿って延在する永久磁石22及び磁極セクション24を備えている。個々の固定子鉄心セクション14、16には、延在する複数の歯が含まれている。これらの歯は、可動デバイス12と共に閉回路磁束通路を形成するために、可動デバイス12に向かって延在するように配置されている。
【0096】
相1の第2の固定子鉄心セクション16’及び相2の第1の固定子鉄心セクション14’’は、1つのユニットつまり結合固定子鉄心セクションとして配置されており、したがって相1及び相2は固定子鉄心セクションを共有している。したがって結合相ユニットの複数の歯27は、相1と相2の間で共有されるように配置されており、したがって相2の第1の固定子セクション14’’の複数の歯の組、及び相1の第2の固定子鉄心セクション16’の複数の歯の組は、1つのユニットとして形成されている。
【0097】
結合相ユニットの複数の歯28の組は、相2と相3の間で共有されるように配置されており、したがって相3の第1の固定子鉄心セクション14’’’の複数の歯の組、及び相2の第2の固定子鉄心セクション16’’の複数の歯の組は、1つのユニットとして形成されている。
【0098】
固定子デバイス10の個々の末端の複数の歯26の組は、2つの相と相の間で共有されないため、複数の歯26’の組は相1にのみ属し、また、複数の歯26’’’は相3にのみ属している。
【0099】
さらに、図11a)及び図11b)の結合相機械は、複数の歯26’、27、28及び26’’’の組の複数の歯のうちのコイル20と重畳している複数の歯の短い延長部分である半クロー磁極40を備えている。半クロー磁極は、短くて小さい磁極、即ちわずかな磁極であり、つまり、相の軸方向の幅全体に沿って延在するのではなく、軸方向の幅の微小部分に沿ってのみ延在するクロー磁極であり、それにより磁気漏れが回避されるか、或いは低減される。図11a)及び図11b)は、半クロー磁極40が複数の歯と一体で配置されていることを示している。それぞれ2つの相と相の間で共有されている複数の歯27及び28の組は、これらの複数の歯の両端、つまりコイル20と隣接して半クロー磁極を備えており、一方、2つの相と相の間で共有されていない、1つの相にのみ属している複数の歯26’及び26’’’の組は、対応する個々のコイル20’及び20’’’に隣接する複数の歯の末端にのみ半クロー磁極を備えている。
【0100】
同じ磁石、同じ固定子起磁力、同じボア及び同じエアー・ギャップ幅を使用した場合、従来技術による機械と比較して30%のトルク改善を実現することができる。
【0101】
1つの相のみを使用する代わりに、機械的及び電気的に角度位置が変位する複数の相ユニットを使用することにより、より大きく、且つ、より滑らかなトルクを生成することができる。例えば3相機械は、3つの固定子を介して延在するか、或いは3つの固定子の周りに延在する単一の可動デバイス構造、例えば回転子構造を使用する一方で、一対の磁極のピッチの1/3、つまり120度の電気角だけ機械的に変位した相ユニット、及び同じ時間間隔で同じ角度だけ分離された相電流を有することができる。
【0102】
円周方向の位置にすべてが整列した3つの固定子ユニットであって、3つの可動デバイス・セクション、例えば回転子セクションを組み合わせて作用させるために、時間的に120度隔てた電流が、円周方向に120度隔てて変位する相毎に供給される3つの固定子ユニットを使用して同様の効果を得ることも可能である。
【0103】
上述の通り、従来技術による個別3相変調磁極機械は、図3に示されているように個々の相と相の間が120°変位した3つの相を有している。個々の相は、180°変位した2つの組の複数の歯からなっており、1組の複数のN極及び1組の複数のS極を形成している。3相機械は、6組(3対)の複数の歯及び3つのコイルからなっている。個々の相は、相と相の間の最小磁気結合を保証するために、図2に示されているように隣接する相から微小距離、つまりエアー・ギャップによって分離されている。
【0104】
これらの相が、分離される代わりに、図5、6及び8に示されているように結合されると、隣接する複数の歯は、図6に示されているように共有磁束通路を有することになる。隣接する複数の歯を併合すると、図8に示されているように、4組の複数の歯及び3つのコイルを備えた機械が得られ、共通の可動デバイス、例えば回転子は、機械の軸方向の幅全体にわたって伸張する。
【0105】
平衡が取れた3相動作を保証するためには、個々の組の複数の歯を特定の角度で配置しなければならず、また、これらの複数の歯は特定の量の磁束を集めなければならない。個々のコイルは、図7に示されているようにそれぞれ位相角0°、120°及び240°で同じ大きさの磁束を鎖交させる。
【0106】
平衡が取れた3相セットのコイル磁束を得るための条件を計算するために、次の仮定を使用して結合相変調磁極機械が解析される。
− エアー・ギャップ磁束密度は、軸方向に対しては一定であり、円周方向に対しては正弦曲線で変化する。
− 歯に入る磁束は、Ψ=baであり、bはエアー・ギャップ磁束密度、また、aは歯のエアー・ギャップ表面積である。
− 歯の角度位置(円周方向の)によって歯に入る磁束の位相角が決まる。
− コイルの真上のコアバックを通って軸方向に横切る磁束は、コイルを鎖交する磁束に等しい。
【0107】
以下では、図3及び7のフェーザ線図が参照されている。
【0108】
平衡が取れた3相機械は、次のコイル鎖交磁束を有している。
ΨA=|Ψ|<0°
ΨB=|Ψ|<120°
ΨC=|Ψ|<240°
【0109】
複数の歯には、軸方向に1、2、3、4の番号が振られており、個々の歯に入る磁束を合計すると、
Ψ1=ΨA
Ψ2=ΨB−ΨA
Ψ3=ΨC−ΨB
Ψ4=−ΨC
である。
【0110】
図7のフェーザ線図に示されているように、歯磁束を平衡が取れた必要な3つのコイル磁束に関連付けると、次の歯磁束が得られる。
【0111】
【数1】

【0112】
したがって平衡が取れた3相機械の場合、複数の歯(1、2、3、4)を0°、150°、270°、60°の位相角で配置することができ、360°の位相角は、隣り合う歯と歯の間の円周方向のピッチ距離に対応している。したがって複数の歯の複数の組の1つに対する複数の歯の角変位は、0°/N、150°/N、270°/N、60°/Nであり、Nは複数の歯の個々の組の歯の数である。さらに、複数の歯の対応する個々の組の複数の歯の軸方向の相対幅が、それぞれ、
【数2】


及び1である場合、適切な表面積を保証することができる。したがって2つの隣り合う相と相の間で共有される内部の複数の歯の幅は、相と相の間で共有されない、単一の相にのみ属する周囲の複数の歯の幅より
【数3】


倍広い。
【0113】
図7は、結合相の磁束フェーザ線図を示したもので、角度並びに1ユニット、
【数4】


ユニット、
【数5】


ユニット及び1ユニットの軸方向の幅がそれぞれ示されている。また、結合相の磁束が同じく示されている。
【0114】
図12は、固定子デバイス内及び可動デバイス内の磁束通路の実例を示したものである。変調磁極機械は、固定子内と、可動デバイス内、例えば回転子内の両方の「軸方向」横方向の磁束通路を利用した三次元(3D)磁束通路を有している。
【0115】
図12には、3つの歯26が略図で示されている固定子デバイス10に対して、半径方向に外側に向かう位置から見た可動デバイス12、例えば回転子が示されている。可動デバイス/固定子デバイスの軸方向304及び接線方向305が示されている。可動デバイス内の複数の永久磁石22は、ハッチングが施された領域として示されており、これらの領域と領域の間に磁極セクション24が示されている。この略図では、複数の固定子歯26は、磁極セクション24の反対側にのみ存在しており、太い線で示されている主磁束通路300をもたらしている。図から分かるように、永久磁石22を通る磁束の方向は主として二次元であり、一方、磁極セクション24を通る磁束は三次元である。さらに、磁束は、主として、2つの隣り合う磁極セクションと磁極セクションの間の個々の永久磁石22の中心領域301に集中している。したがって可動デバイス12のこの設計は、固定子の歯26と対向する可動デバイス12の表面が、隣り合う永久磁石の両方から歯の表面へ総磁束を提供することができるよう、永久磁石からの磁束集中を可能にしている。磁束集中は、歯と対向する面積で割った、個々の磁極セクションと対向する永久磁石の面積の関数と見なすことができる。個々の磁極セクションのこれらの磁束集中特性により、微弱で安価な永久磁石を永久磁石として可動デバイスに使用することができ、また、極めて高いエアー・ギャップ磁束密度を達成することができる。磁束は、図に示されているような有効な三次元磁束通路を可能にする軟磁性粉末でできている磁極セクションによって容易に集中させることができる。
【0116】
図12には示されていないが、固定子デバイス内には対応する三次元磁束通路が存在している。
【0117】
同じく図8に示されているように、三次元磁束通路は、可動デバイス12の軸方向又は横方向の磁束通路を備えており、磁束通路は運動方向に対して横方向である。結合相固定子を利用する場合、固定子デバイス内及び可動デバイス内の三次元磁束通路は、とりわけ適している。
【0118】
半径方向機械又は軸方向機械、或いは軸方向及び半径方向の混成の両方が可能である。
【0119】
軸方向磁束バージョンの場合、エアー・ギャップと対向している複数の歯の領域は、複数の同心列を形成することができ、これらの列と列の間にコイル又は巻線を備えることができる。したがって3つの個別のセットを使用して3相バージョンを設計することができ、複数の歯の2つの同心列の各々、及びコイル又は巻線は、磁気結合を回避するために最も近い相セットまで一定の距離を隔てている。したがって軸方向結合相構造は、半径方向エアー・ギャップ磁束バージョンの場合と同じ方法で、複数の歯の2つの隣り合う、つまり隣接する列を組み合わせることができる(例えば図8参照)。
【0120】
通常、本明細書において説明されている固定子構造は、軟磁性粉末、例えば電気絶縁体がコーティングされた不規則な形状の粒子を有する、実質的に純粋な水で噴霧化された鉄粉又はスポンジ鉄粉で製造することができる。この文脈においては、「実質的に純粋な」という用語は、粉末が実質的に含有物を含んでいてはならないこと、また、不純物O、C及びNの量を最少に維持しなければならないことを意味している。平均粒度は、通常、300μm未満で、且つ、10μmより大きい。
【0121】
しかしながら、軟磁性特性が十分であり、また、その粉末が型圧縮に適している限り、任意の軟磁性金属粉末又は金属合金粉末を使用することができる。
【0122】
粉末粒子の電気絶縁体は、無機材料を使用して製造することができる。とりわけ適した絶縁体は、絶縁酸素含有障壁及びリン含有障壁を有する本質的に純粋な鉄からなるベース粉末の粒子に関している米国特許第6348265号明細書(参照により本明細書に組み込まれている)に開示されているタイプの絶縁体である。絶縁された粒子を有する粉末は、SwedenのHoganas ABから、Somaloy(登録商標)500、Somaloy(登録商標)550又はSomaloy(登録商標)700として入手することができる。
【0123】
以上、いくつかの実施形態について詳細に説明し、且つ、示したが、本発明はそれらに限定されず、以下の特許請求の範囲に定義されている主題の範囲内で、他の方法で具体化することも可能である。詳細には、本発明の範囲を逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、また、構造的及び機能的修正を加えることができることを理解されたい。
【0124】
いくつかの手段を枚挙しているデバイス特許請求では、これらの手段のうちのいくつかは、1つの同じアイテムのハードウェアによって具体化することができる。互いに異なる従属請求項には特定の手段が記載されているという単なる事実、或いは異なる実施形態には特定の手段が説明されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用することができないことを示すものではない。
【0125】
本明細書に使用されている「備える/備えている」という用語は、言及されている特徴、完全体、ステップ又はコンポーネントの存在を特定しているが、1つ又は複数の他の特徴、完全体、ステップ、コンポーネント又はそれらのグループの存在又は追加が排除されるものではないことを強調しておく。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子デバイス及び可動デバイスを備える電気機械であって、
前記固定子デバイスが、前記可動デバイスの運動の方向に対して直角の横方向に互いに並んで配置された複数の相を備える多相固定子デバイスであり、前記固定子デバイスが、複数組の複数の歯を備え、個々の歯が、前記可動デバイスに向かって突出し、前記可動デバイスに面した境界表面を備えており、個々の組の複数の歯が前記運動の方向に沿って分配されており、前記複数組の複数の歯が、2つの周囲セット及びこれらの周囲セットの間に横方向に配置された複数の内部セットを備え、前記内部セットの複数の歯は、前記周囲セットの複数の歯よりも横方向の幅が広く、2つの隣り合う相によって共有される共通磁束通路を提供し、前記周囲セットの複数の歯の前記境界表面が、前記固定子デバイスと前記可動デバイスとの間のアクティブ・エアー・ギャップ領域の横方向の範囲を画定し、
前記可動デバイスが、横方向に細長い直線状ロッドとして形成された磁極セクションによって前記運動の方向に互いに分離された複数の永久磁石を備え、前記ロッドが、前記アクティブ・エアー・ギャップの横方向の範囲全体にわたって延在する磁束通路を提供し、
前記個々の組の複数の歯が、他の組の複数の歯に対して前記運動の方向に変位して配置される、電気機械。
【請求項2】
前記固定子デバイスが複数の固定子鉄心セクションを備え、個々の固定子鉄心セクションが前記複数の組のうちの1つの組の複数の歯を備える、請求項1に記載の電気機械。
【請求項3】
前記固定子鉄心セクションが軟磁性粉末でできている、電気機械。
【請求項4】
前記固定子デバイスが、個々の固定子鉄心セクションの間に配置された複数の巻線を備える、請求項2から3までのいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項5】
個々の固定子鉄心セクションが、固定子鉄心バック・セクション及び前記固定子鉄心セクションから延在する1組の複数の歯を備え、前記固定子鉄心バック・セクションが前記複数の歯を接続し、且つ、前記1組の複数の歯のうちの隣り合う歯と歯の間に、前記運動方向の磁束通路を提供する、請求項2から4までのいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項6】
個々の固定子鉄心セクションが、同じ相の前記複数の組の他の1組の複数の歯を備える他の固定子鉄心セクションに向かって横方向に磁束通路を提供する継鉄セクションをさらに備える、請求項5に記載の電気機械。
【請求項7】
それぞれ単一の隣り合う相を有する2つの周囲相と、それぞれ2つの隣り合う相を有するn−2個の内部相とを含むn個の相を備え、個々の内部相が、個々の内部相が2つの共通組の複数の歯を備え、個々の共通組の複数の歯が、前記内部相の前記個々の隣り合う相のうちの一方と磁気的に共有され、個々の周囲相が1組の複数の周囲歯及び1組の複数の共通歯を備え、前記複数の共通歯が、前記周囲相の前記個々の隣り合う相と磁気的に共有され、また、前記複数の共通歯が、運動の方向に対して直角の方向に、前記複数の周囲歯の対応する幅よりも広く、且つ、前記複数の周囲歯の前記対応する幅の2倍未満の幅を有する、請求項1から6までのいずれかに記載の電気機械。
【請求項8】
前記固定子デバイスが3相固定子である、請求項1から7までのいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項9】
前記電気機械が回転機械であり、前記可動デバイスが回転子である、請求項1から8までのいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項10】
前記固定子デバイスが3相固定子であり、4組の複数の歯を備え、個々の組が、Nが2以上の整数であるN個の複数の歯を備え、複数の歯の前記個々の組の前記複数の歯が、複数の歯の前記複数の組のうちの第1の組の前記複数の歯に対して、角度0°/N、150°/N、270°/N、60°/Nで円周方向に変位して配置される、請求項9に記載の電気機械。
【請求項11】
前記4組の複数の歯の横方向の幅が、それぞれ1ユニット、
【数1】


ユニット、
【数2】


ユニット、1ユニットである、請求項1から10までのいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項12】
前記可動デバイスが、前記可動デバイスの前記運動の方向に直線的に移動するように配置された可動子である、請求項1から11までのいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項13】
前記電気機械が変調磁極機械である、請求項1から12までのいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項14】
前記固定子デバイス及び/又は前記可動デバイスが、前記運動の方向に対して横方向の磁束通路成分を含む三次元(3D)磁束通路を提供する、請求項1から13までのいずれか一項に記載の電気機械。
【請求項15】
電気機械の中に配置されるように適合された固定子デバイスであって、前記電気機械が可動デバイスをさらに備え、
前記固定子デバイスが多相固定子デバイスであり、前記複数の相が前記可動デバイスの運動の方向に対して直角の方向に互いに並んで配置され、個々の相が2つの固定子鉄心セクションを備え、個々の固定子鉄心セクションが、個々の1組の複数の歯と、前記固定子鉄心セクションを接続する磁束ブリッジと、コイルとを有し、前記複数の歯が前記可動デバイスに向かって突出するように配置され、
2つの隣り合う相のうちの第1の相の第1の固定子鉄心セクションの複数の歯、及び前記2つの隣り合う相のうちの第2の相の第2の固定子鉄心セクションの対応する複数の歯が、隣り合う両方の相によって共有される共通磁束通路を提供する、固定子デバイス。
【請求項16】
前記2つの隣り合う相のうちの前記第1の相の前記第1の固定子鉄心セクションの前記複数の歯が、前記可動デバイスの前記運動の方向に対して直角の方向に、前記2つの隣り合う相のうちの前記第2の相の前記第2の固定子鉄心セクションの前記対応する複数の歯と同じ位置に配置される、請求項15に記載の固定子デバイス。
【請求項17】
個々の固定子鉄心セクションが軟磁性構造である、請求項15又は26に記載の固定子デバイス。
【請求項18】
個々の相の前記個々の固定子鉄心セクションの複数の組の複数の歯が、前記可動デバイスの前記運動の方向に対して直角の方向に、互いに対して、個々の変位だけ変位して配置され、前記複数の相のうちの少なくとも2つの相が異なる変位を有する、請求項15から17までのいずれか一項に記載の固定子デバイス。
【請求項19】
個々の固定子鉄心セクションの複数の歯が、前記可動デバイスの前記運動の方向に対して直角の方向に個々の幅を有し、第1の固定子鉄心セクションの複数の歯が、第2の固定子鉄心セクションの複数の歯の幅とは異なる幅を有する、請求項15から18までのいずれかに記載の固定子デバイス。
【請求項20】
前記第1の固定子鉄心セクション及び前記第2の固定子鉄心セクションが、前記第1及び第2の固定子鉄心セクションに対して共通の1組の複数の共通歯を備える単一のユニットとして形成される、請求項15から19までのいずれか一項に記載の固定子デバイス。
【請求項21】
それぞれ単一の隣り合う相を有する2つの周囲相と、それぞれ2つの隣り合う相を有するn−2個の中央相とを含むn個の相を備え、個々の中央相が2つの共通組の複数の歯を備え、個々の共通組の複数の歯が、前記中央相の前記個々の隣り合う相のうちの一方と磁気的に共有され、個々の周囲相が1組の複数の周囲歯及び1組の複数の共通歯を備え、前記複数の共通歯が前記周囲相の前記個々の隣り合う相と磁気的に共有され、また、前記複数の共通歯が、運動の方向に対して直角の方向に、前記複数の周囲歯の対応する幅より広く、且つ、前記複数の周囲歯の前記対応する幅の2倍未満の幅を有する、請求項15から20までのいずれかに記載の固定子デバイス。
【請求項22】
前記固定子デバイスが3相固定子である、請求項15から21までのいずれかに記載の固定子デバイス。
【請求項23】
前記固定子デバイスが4組の複数の歯を備え、個々の組が、Nが2以上の整数であるN個の複数の歯を備え、複数の歯の前記個々の組の前記複数の歯が、複数の歯の前記複数の組のうちの第1の組の前記複数の歯に対して、角度0°/N、150°/N、270°/N、60°/Nで円周方向に変位して配置される、請求項22に記載の固定子デバイス。
【請求項24】
前記4組の複数の歯の軸方向の幅が、それぞれ1ユニット、
【数3】


ユニット、
【数4】


ユニット、1ユニットである、請求項22又は23に記載の固定子デバイス。
【請求項25】
前記電気機械が回転機械であり、前記可動デバイスが回転子である、請求項15から24までのいずれかに記載の固定子デバイス。
【請求項26】
前記可動デバイスが、前記可動デバイスの前記運動の方向に直線的に移動するように配置された可動子である、請求項15から24までのいずれかに記載の固定子デバイス。
【請求項27】
前記コイルが、前記第1の固定子鉄心セクションと前記第2の固定子鉄心セクションの間に配置される、請求項15から26までのいずれかに記載の固定子デバイス。
【請求項28】
前記固定子デバイス及び前記可動デバイスが変調磁極機械を構成する、請求項15から27までのいずれかに記載の固定子デバイス。
【請求項29】
前記固定子デバイス及び/又は前記可動デバイスが、前記運動の方向に対して横方向の磁束通路成分を含む三次元(3D)磁束通路を備える、請求項15から28までのいずれかに記載の固定子デバイス。

【図1d】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10a)】
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【図10b)】
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【図11a)】
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【図11b)】
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【図12】
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【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−505694(P2013−505694A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529299(P2012−529299)
【出願日】平成22年9月20日(2010.9.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063796
【国際公開番号】WO2011/033106
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(595054486)ホガナス アクチボラゲット (66)
【Fターム(参考)】