説明

多重セクションマグネットを有する磁気共鳴撮像システム及び装置

【課題】磁気共鳴撮像システム向けの多重セクションマグネットを提供する。
【解決手段】幾つかの実施形態において磁気共鳴撮像システムが超伝導コイル102の一部分をその各々が有する少なくとも2つのクライオスタット104及び106を含むようにしたシステム、方法及び装置を提供する。幾つかの実施形態は、セクション304と306間の力の平衡調整314と316を提供する。幾つかの実施形態は、より効率のよい超伝導コイル幾何学構成を利用する機能を提供しており、この機能がないとコイル間の傾斜が物理的に取り込まれることになる。幾つかの実施形態は、撮像室の解体を要することなくマグネットを据付、取り外しまたはアップグレードする機能を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には磁気共鳴撮像システムに関し、さらに詳細には磁気共鳴撮像システム向けの多重セクションマグネットに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴撮像(MRI)は、対象を電磁場内に配置し、これにある周波数でパルス状の電磁場をかける技法である。このパルスによって対象の内部に核磁気共鳴が生じると共に、こうして得られたスペクトルが数値処理されて対象の断面像が形成される。MRI撮像は、異なる生体組織が異なる共鳴信号特性を示し、これによって得られる画像内に該異なる生体組織を描出できるため、医学や獣医学の用途において特に有用である。このようなMRI装置は一般に、無線周波数(RF)電磁場を別の磁場の存在下で印加し、結果として身体内に誘導される核磁気共鳴を続いて検知し解析することによって動作する。
【0003】
従来のMRIシステムは、時間安定度が高くかつ撮像を行う撮像域(FOV)内での空間均一性が高い強力な静磁場を発生させる主マグネットを含む。従来のMRIシステムはさらに、主マグネットとRFコイルの間のボア内に配置させた傾斜コイルアセンブリを含む。傾斜コイルアセンブリは、患者身体の原子核の応答周波数及び位相をFOV内の位置に依存させこれにより身体の放出する信号の空間エンコードを提供するような空間変動性磁場を発生させる。従来のMRIシステムはさらに、RF波を放出し身体からの共鳴信号を受信するようにボア内部に配列させたRFコイル/コイルを含む。主マグネットは、超伝導コイル向けの低温度の動作環境を提供するように設計されたクライオスタット内部に配置させた複数の同心円コイルを含む超伝導マグネットとすることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
磁気共鳴撮像システム向けの多重セクションマグネットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、装置は磁場を発生させるように動作可能な超伝導コイルの第1のセクションを含む。この超伝導コイルの第1のセクションは第1のクライオスタット内に包含される。本装置はさらに、超伝導コイルの第2のセクションも含む。この超伝導コイルの第2のセクションは、第2のクライオスタット内に包含される。
【0006】
別の実施形態では、システムは複数のクライオスタットを含む。各クライオスタットは磁場を発生させるように動作可能な超伝導コイルの1セクションを包含する。本システムはさらに、複数のクライオスタットの半径内方に位置決めされた傾斜コイルを含む。
【0007】
別の実施形態では、磁気共鳴撮像システムは、傾斜コイルと、その少なくとも一部分が該傾斜コイルの第1の端部に位置決めされた第1のクライオスタットと、を含む。この第1のクライオスタットは、第1のバッキングコイルと主コイルの第1のセクションとを含んだ第1組の超伝導コイルを包含する。主コイルの第1のセクションは磁場を発生させるように動作可能である。本磁気共鳴撮像システムはさらに、その少なくとも一部分が傾斜コイルの第2の端部に位置決めされた第2のクライオスタットを含んでおり、該第2のクライオスタットは第2のバッキングコイルと主コイルの第2のセクションとを含んだ第2組の超伝導コイルを包含している。主コイルの第2のセクションは磁場を発生させるように動作可能である。第1組の超伝導コイルと第2組の超伝導コイルの少なくとも一方は磁気共鳴撮像システムから取外し可能である。
【0008】
本明細書では、様々な趣旨による装置、システム及び方法について記載している。この課題の解決手段に記載した態様及び利点以外に、添付の図面を参照しかつ以下の詳細な説明を読むことによって別の態様及び利点も明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態による少なくとも2つのクライオスタットを有する磁気共鳴撮像システムの簡略断面ブロック図である。
【図2】一実施形態による少なくとも2つのクライオスタットを有する磁気共鳴撮像システムの簡略断面ブロック図である。
【図3】一実施形態による超伝導マグネットの2つのセクションを分離式クライオスタット内に封入した磁気共鳴撮像システムの簡略断面ブロック図である。
【図4】一実施形態による図1〜3のMRIシステムに適合する従来式MRI横方向傾斜磁場体幹用コイルのアイソメトリック図である。
【図5】一実施形態による図1〜3のMRIシステムに適合する従来式横方向傾斜コイルの断面図である。
【図6】一実施形態による図1〜3のMRIシステムに適合する横方向折り返し単一層連続傾斜コイルの断面図である。
【図7】一実施形態による図1〜3のMRIシステムに適合する横方向折り返し単一層連続傾斜コイルの断面図である。
【図8】一実施形態による図1〜3のMRIシステムに適合するクレセント傾斜コイルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成すると共に、実施可能な特定の実施形態を一例として図示している添付の図面を参照することにする。これらの実施形態は、当業者が実施形態を実現できるように十分に詳細に記載しており、さらにこれら実施形態の趣旨を逸脱することなく別の実施形態も利用できること、並びに論理的、機械的、電気的その他の変更を実施できることを理解すべきである。以下の詳細な説明はしたがって、限定の意図と取るべきではない。
【0011】
図1は、一実施形態による少なくとも2つのクライオスタットを有する磁気共鳴撮像(MRI)システム100の簡略断面ブロック図である。MRIシステム100は傾斜コイル102を含む。MRIシステム100はさらに、第1のクライオスタット104及び第2のクライオスタット106を含む。傾斜コイル102、第1のクライオスタット104及び第2のクライオスタット106は、円筒状の患者ボリュームまたはボア110を囲繞するハウジング108内に封入される。RFコイル(複数のこともある)、懸架部材、ブラケット、患者テーブルまたは支持体、その他といったMRIシステム100の別の様々な要素は、明瞭にするため図1から省略してある。図1では、2つのクライオスタット104及び106を図示しているが、別の実施形態ではクライオスタットを3つ以上用いることもある。
【0012】
第1のクライオスタット104と第2のクライオスタット106は別々の構成要素であって、液体ヘリウムその他の液体冷却剤などの流体を交換していない。第1のクライオスタット104と第2のクライオスタット106はそれぞれ患者ボリュームまたはボア110内に磁場を発生させるために使用する超伝導マグネット構成要素(例えば、超伝導コイル)を収容している。傾斜コイル102は第1のクライオスタット104及び第2のクライオスタット106の半径方向で内方に位置決めされており、収集信号の空間エンコードに用いるための磁場傾斜パルスを発生させるのに使用している。図2に示すように、第1のクライオスタット104と第2のクライオスタット106の少なくとも一方はハウジングから取外し可能である。図2は、一実施形態による少なくとも2つのクライオスタットを有する磁気共鳴撮像(MRI)システムの簡略断面ブロック図である。図2では、第2のクライオスタット106がハウジング108と分離されて未装着であるように表している。代替的な一実施形態では、クライオスタット104、106の両方を分離可能とし、ハウジング108から取外し可能とすることができる。
【0013】
図1に戻ると、上で言及したように第1のクライオスタット104と第2のクライオスタット106は別々の構成要素である。第1のクライオスタット104及び第2のクライオスタット106は第1のクライオスタット104と第2のクライオスタット106が有する寸法が同じでないような非対称割片によって表している。代替的な実施形態では、第1のクライオスタット104と第2のクライオスタット106は同様の寸法または同じ寸法を有することがある。図2に示すように、クライオスタット104、106の少なくとも一方はそのクライオスタットのハウジング108からの分離を可能とさせるような寸法を有することが好ましい。一実施形態では、クライオスタット104、106の少なくとも一方はそのクライオスタットが従来サイズの戸口(例えば、概ね3.0フィート×6.5フィートの戸口)を通過できるような寸法を有する。したがって、MRIシステム100の箇所から出し入れするようにこうしたクライオスタットを運搬する際に、必ずしも該システムが配置されている部屋の戸口や壁を解体する必要がない。分離式クライオスタット104、106のこうした寸法によって、クライオスタットにアクセスし取り外す際やクライオスタットを交換する際に容易な操縦性及び運搬性が提供される(例えば、必要な機械的力がより小さくてよい)。分離式クライオスタット104、106はさらに傾斜コイル102へのより容易なアクセスを提供する。したがってMRIシステム100、傾斜コイル102及びクライオスタット104、106に対するメンテナンスにより好都合となり得る。分離式(すなわち、分割型の)クライオスタット構成によってクライオスタット(及びその内部に包含されたマグネット構成要素)や傾斜コイル102などのMRIシステムの各部分に対するメンテナンス、修理及び更新のためのアクセスを提供することができる。例えば、固定、取り外しあるいは交換のための傾斜コイル102へのアクセスのために、第2のクライオスタット106は取り外すことができる(図2参照)。別法としてクライオスタット104、106をメンテナンスのために取り外すことができる。
【0014】
上で言及したように、第1のクライオスタット104と第2のクライオスタット106はそれぞれ、患者ボリュームまたはボア110内に磁場を発生させるために使用される超伝導マグネット構成要素を包含している。図3は、一実施形態による超伝導コイルの2つのセクションを分離式クライオスタット内に封入した磁気共鳴撮像(MRI)システムの簡略断面ブロック図である。MRIシステム300は第1のクライオスタット104及び第2のクライオスタット106を含む。第1のクライオスタット104は第1の長さ310を有すると共に、第1のバッキング(すなわち、遮蔽用)コイル302及び主超伝導コイルの第1のセクション304を包含する。主コイル及び主超伝導コイルという用語は、全体を通じて円筒状のクライオスタットの内径上に配置したコイルを示すために使用している。主超伝導コイルの第1のセクション304は磁場を発生させるように動作可能である。第2のクライオスタット106は第2の長さ312を有すると共に、第2のバッキング(すなわち、遮蔽用)コイル306及び主超伝導コイルの第2のセクション308を包含している。主超伝導コイルの第2のセクション306は磁場を発生させるように動作可能である。MRIシステム300の主超伝導コイルは総体として主超伝導コイルの複数のセクションから構成されている。例えば図3では、主超伝導コイルは総体として、主超伝導コイルの第1のセクション304と主超伝導コイルの第2のセクション308から構成されている。
【0015】
上の図2にあるシステム200と同様に図3でも、2つのクライオスタット104、106の少なくとも一方(またしたがって、超伝導コイルの2つのセクションのうちの少なくとも一方)はハウジング108及びMRIシステム300から取外し可能である。図3では、第1のクライオスタット104の第1の長さ310と第2のクライオスタット106の第2の長さ312とは異なっており、超伝導コイルの非対称の割片で表している。しかしMRIシステム300は超伝導コイルのクライオスタット104、106またはセクションに関して特定の長さによる制約はない。代替的な実施形態では、クライオスタット104、106の有する長さは、同様または同じとすることがある。
【0016】
複数のクライオスタットのそれぞれの内部にあるコイルは、複数のクライオスタット間の正味の引力を無くす(または、ほとんど無くす)ように、正味平衡状態の軸方向磁気力を有することが好ましい。正味平衡状態の軸方向磁気力を提供するためには、あるクライオスタット内部のバッキングコイル(複数のこともある)は当該クライオスタット内の主超伝導コイルの軸方向磁気力と概ね等しくかつ方向が反対の軸方向磁気力を有する。したがって、このようにバッキングコイルと主超伝導コイルが等しく(または、概ね等しく)かつ反対方向の磁気力であるため、各クライオスタット内部に正味平衡状態の軸方向磁気力、あるいは各クライオスタット内部に近平衡状態の軸方向力が生じる。例えば第1のクライオスタット104内において、バッキングコイル302は主超伝導コイルの第1のセクション304の軸方向磁気力と概ね等しくかつ方向が反対の軸方向磁気力を有する。別の例で第2のクライオスタット内において、バッキングコイル306は主超伝導コイルの第2のセクション308の軸方向磁気力316、318と概ね等しくかつ方向が反対の軸方向磁気力314を有する。各クライオスタット内におけるコイルが平衡状態の軸方向磁気力であるため、生じる正味の軸方向磁気力は概ねゼロになる。したがってクライオスタット104及び106は互いに対して大きな磁気力を与えることがない。
【0017】
超伝導コイルの所与のセクションに作用する軸方向力を平衡させるために、クライオスタットはその電流をその隣接するコイルの電流と反対方向とした少なくとも1つのコイルを含むことがある。例えばクライオスタット内の端部コイルの内側にあるクライオスタット内のコイルを逆コイルとし、当該クライオスタット内部で正味平衡状態の軸方向磁気力を可能とさせることがある。さらに、この逆方向の流れをかなり多数のコイル(例えば、6個を超えるコイル数)と組み合わせることによって短尺で均一な主コイル幾何学構成が可能となる。
【0018】
複数のクライオスタットを用いた分離式クライオスタット構成(上述したような構成)は効率のよい主超伝導コイル幾何学構成に適合する。例えば、U字型幾何学構成で配列させた主超伝導コイルをMRIシステム300の長手方向軸320の方に開いた「U」型の開口に巻き付けることによって短尺のマグネットシステムが得られる。第1のクライオスタット104の少なくとも一部分は傾斜コイル102の第1の端部322に位置決めされ、また第2のクライオスタット106の少なくとも一部分は傾斜コイル102の第2の端部324に位置決めされる。その結果、傾斜コイル102の少なくとも一部分は2つのクライオスタット104と106の間に配置される。この構成では、主コイルが発生させる磁場は非常に高い度合いの均一性を有すると共に、その「U」字型幾何学構成の大きさはかなり大きいままである。この主(内側)コイルの「U」構成によって、傾斜コイルを収容するために依然としてかなりのスペースを提供しながら、主コイルの長さが低減され、かつ/または均一性が向上する。「U」構成では、主コイルの分離可能セクション(例えば、図3に示したセクション304、308)を用いることによって、傾斜コイル102は主コイルにより物理的に取り込まれることがなく、したがって傾斜コイルを容易に修理または交換することが可能である。
【0019】
主超伝導コイルの「U」字型幾何学構成を実現させる場合、幾つかの実施形態は、傾斜コイルを端部主コイル間に収めることを可能にするようにその軸方向範囲を低減した傾斜コイル幾何学構成を含む。図4〜8は図1〜3のMRIシステムに適合する例示的な短尺傾斜コイル構成を表している。図4は、一実施形態による図1〜3のMRIシステムに適合する従来式横方向Golay傾斜コイル400のアイソメトリック図である。横方向傾斜コイル400は、「指紋型」巻き線パターン402、404、406、408(図5に示したのと同様)をその各々が有する4つの四分円を有する。電流は、矢印410、412、414及び416に従うか、あるいはこれらと反対方向に流れる。四分円402、404、406及び408は互いに直列で電気的に接続されている。図4はさらに、被検体418及びマグネット手段420を含む。
【0020】
図5は、一実施形態による図1〜3のMRIシステムに適合する従来の横方向Golay傾斜コイル500の断面図である。図4の「指紋型」コイルのそれぞれにおいて、磁場を発生させるために領域502を通過してAからBに至る表面電流が設計される。領域502を通過してAからBに至るこの電流経路は、所望の磁場傾斜が提供されるようにして設計される。BからCまでの領域504は、回路を完成させる電流帰還経路を提供するために必要である。しかし領域504内の帰還経路によって、有用な撮像傾斜を提供することなく電力消費並びに傾斜コイル長が増大する。しかし領域504内の帰還経路の例では、直線性を犠牲にすることなく若干低減した傾斜コイル長を提供するために、帰還経路領域は巻き線をより密に充填している。
【0021】
図6及び図7は、一実施形態による図1〜3のMRIシステムに適合する横方向折り返し単一層連続傾斜コイル600の断面図である。横方向折り返し単一層連続傾斜コイル幾何学構成は、より効率が高くまた軸方向範囲が低減され、これは「U」字型主コイル幾何学構成と連携して実現したときに特に有利となり得る。傾斜コイル600は、電流を搬送する複数の半ループ604を有する第1の領域602と、同じく電流を搬送する複数の半ループを有する第2の領域606と、各半ループ604を対応する半ループと接続し単一傾斜コイル600を生成する導体を有する第3の領域608と、を含む。傾斜コイル600は、図7に示すように半径がaとaの2つのシリンダ上に配置するような形状を得るためにライン610及び612に沿って折り返す、すなわち曲げるように意図している。セクション602は、半径aのシリンダ上に配置されており、一方セクション606は半径aのシリンダ上に配置されている。セクション608はセクション602及び606の個々の電流経路をリンクさせるために使用される介在体であり、半径aにあるセクション602の各巻き線を半径aにあるセクション606の対応する各巻き線と接続している。この問題は半径aのコイルの各巻き線と半径aの各巻き線の間で接続用ワイヤを適正に半田付けし支持することによって解決することが可能である。
【0022】
図8は、一実施形態による図1〜3のMRIシステムに適合するクレセント(crescent)傾斜コイル800の断面図である。クレセント傾斜コイル800は、第1の半径802及び第2の半径804を含む。クレセント傾斜コイル800では、前方弓形向けの帰還経路が第2の半径804上にあり、軸方向傾斜範囲が低減されこれによって「U」字型主コイル幾何学構成と連携して実現したときにクレセント幾何学構成が有利となる。動作性能をさらに高めるために、クレセント傾斜コイルをより従来型のGolay傾斜コイルと組み合わせることがあり、これによって、前方弓形の幾つかは第2の半径上に帰還経路を有し、また前方弓形の幾つかは同じ半径上に帰還経路を有することになる。
【0023】
分離可能超伝導コイル磁気共鳴撮像(MRI)システムについて記載している。本明細書では特定の実施形態について図示し説明しているが、当業者であれば同じ目的を実現するように算定した任意の方式によって図示したこの特定の実施形態を代替できることを理解されよう。本出願はあらゆる適応形態や変形形態を包含するように意図している。
【0024】
具体的には、当業者であれば本方法及び装置の名称が実施形態を制限する意図でないことを容易に理解されよう。さらに実施形態の趣旨を逸脱することなく、構成要素に対して追加的な方法及び装置の追加が可能であること、構成要素間で機能を配分し直すことが可能であること、さらに実施形態で使用される将来的な拡張や物理的デバイスに対応した新たな構成要素を導入することが可能である。当業者であれば、将来的なコイル、異なるクライオスタット、並びに新たなMRIシステムにも実施形態を適用可能であることを容易に理解されよう。
【0025】
本出願で使用した用語はすべてのMRIシステム、クライオスタット及び磁気コイル、並びに本明細書に記載したのと同じ機能を提供する代替的テクノロジーを包含するように意図したものである。
【符号の説明】
【0026】
100 MRIシステム
102 傾斜コイル
104 第1のクライオスタット
106 第2のクライオスタット
108 ハウジング
110 患者ボリューム、ボア
200 システム
300 MRIシステム
302 第1のバッキングコイル
304 第1のセクション
306 第2のバッキングコイル
308 第2のセクション
310 第1の長さ
312 第2の長さ
314 軸方向磁気力
316 軸方向磁気力
318 軸方向磁気力
320 長手方向軸
322 第1の端部
324 第2の端部
400 従来式横方向Golay傾斜コイル
402 「指紋型」巻き線パターン
404 「指紋型」巻き線パターン
406 「指紋型」巻き線パターン
408 「指紋型」巻き線パターン
410 矢印
412 矢印
414 矢印
416 矢印
418 被検体
420 マグネット手段
500 従来式横方向Golay傾斜コイル
502 領域
504 領域
600 横方向折り返し単一層連続傾斜コイル
602 第1の領域
604 半ループ
606 第2の領域
608 セクション
610 ライン
612 ライン
800 クレセント傾斜コイル
802 第1の半径
804 第2の半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁場を発生させるように動作可能な超伝導コイル(102)の第1のセクション(304)であって、第1のクライオスタット(104)内に包含された超伝導コイル(102)の第1のセクション(304)と、
第2のクライオスタット(106)内に包含された超伝導コイル(102)の第2のセクション(308)と、
を備える装置。
【請求項2】
前記超伝導コイル(102)の第1のセクション(304)と前記超伝導コイル(102)の第2のセクション(308)の少なくとも一方は該装置から取外し可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記超伝導コイル(102)の第1のセクション(304)と前記超伝導コイル(102)の第2のセクション(308)はU字型幾何学構成で配列されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
その各々が磁場を発生させるように動作可能な超伝導コイル(102)の1セクションを包含する複数のクライオスタットと、
前記複数のクライオスタットの半径方向内方に位置決めされた傾斜コイルと、
を備えるシステム。
【請求項5】
前記複数のクライオスタットの第1のクライオスタット(104)内に包含された第1のバッキングコイル(302)と、
前記複数のクライオスタットの第2のクライオスタット(106)内に包含された第2のバッキングコイル(306)と、
をさらに備える請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のクライオスタット(104)は超伝導コイル(102)の第1のセクション(304)をさらに備えており、かつ前記第1のバッキングコイル(302)は該超伝導コイル(102)の第1のセクション(304)の磁気力と概ね等しくかつ方向が反対の軸方向磁気力を有する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
傾斜コイルと、
前記傾斜コイルの第1の端部に少なくとも一部分が位置決めされた第1のクライオスタット(104)であって、該第1のクライオスタット(104)は第1のバッキングコイル(302)及び主コイルの第1のセクション(304)を備えた第1組の超伝導コイル(102)を包含しており、該主コイルの第1のセクション(304)は磁場を発生させるように動作可能である第1のクライオスタット(104)と、
前記傾斜コイルの第2の端部に少なくとも一部分が位置決めされた第2のクライオスタット(106)であって、該第2のクライオスタット(106)は第2のバッキングコイル(306)及び主コイルの第2のセクション(308)を備えた第2組の超伝導コイル(102)を包含しており、該主コイルの第2のセクション(308)は磁場を発生させるように動作可能である第2のクライオスタット(106)と、を備える磁気共鳴撮像システムであって、
前記第1組の超伝導コイル(102)と第2組の超伝導コイル(102)の少なくとも一方は該磁気共鳴撮像システムから取外し可能である磁気共鳴撮像システム。
【請求項8】
前記第1のバッキングコイル(302)は、前記主コイルの第1のセクション(304)の軸方向磁気力(316)と概ね等しくかつ方向が反対の軸方向磁気力(314)を有する、請求項7に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項9】
前記主コイルの第1のセクション(304)と前記主コイルの第2のセクション(308)はU字型幾何学構成で配列されている、請求項7に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項10】
前記第1のクライオスタット(104)のバッキングコイルは、前記主コイルの第1のセクション(304)の軸方向磁気力(316)と概ね等しくかつ方向が反対の軸方向磁気力(314)を有する、請求項7に記載の磁気共鳴撮像システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−226211(P2009−226211A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64712(P2009−64712)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】