説明

多重螺旋巻きの可撓性フレームワークエレメントを有するエンドプロテーゼ

本発明は、共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置された2つ以上の可撓性フレームワークエレメントを有するインプラント可能な医療装置に関する。各フレームワークエレメントが、互い違いに反対の方向を向いた一連の頂端を有する構成を持つ。フレームワークエレメントは、その頂端が入れ子の関係になるように共に螺旋巻きで配置されている。隣接する頂端が、可撓性リンケージエレメントで互いにつなぎ合わされている。各リンケージエレメントが、フレームワークエレメントを通る1つの明瞭な通路又はコースに従って延びる。エレメントは各々、同じ材料ででも異なる材料ででも作ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療装置の分野に関する。詳記するならば、本発明は、多重可撓性フレームワークエレメントを有するステントグラフトを含むインプラント可能なステント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インプラント可能なステントおよびステントグラフト(すなわち、グラフト被膜を付けたステント)が長年、多様な体内導管において、内部にこれらを移植した体内導管の開通性を維持するための手段として使用されてきた。主に動脈血管系で使われてきた半面、これらの装置は、静脈系や食道など他の体内導管でも使われてきた。展開し易いよう、これらステント装置やステントグラフト装置は、これらを挿入する体内導管より小さい直径を持つ構成が代表的である。一度、好適な配給システムでもって所望の部位に配給されると、装置は、展開させられた上で適当な方法により移植され、その結果、装置の直径は増大することになる。装置の直径は、装置内側に置かれたカテーテルバルーンを膨らませることにより、又は、機械式拘束具を装置から除去し、装置を自己伸張させることにより、増大させられる。ほとんどの場合、装置は、しまりばめを使って体内導管の管腔壁に締着される。装置の中には、装置を位置で締着すべく管腔と係合する定着手段を有するものもある。
【0003】
螺旋巻きフィラメントから作られる様々なステントが述べられてきた。フィラメントは通常、ニチノール金属又はステンレス鋼などの金属合金で作られる。ステンレス鋼から成形された自己伸張型血管内ステントが、Maeda他に付与された米国特許第5507767号(US-A-5507767)の中で述べられている。ステンレス鋼ワイヤをアイレットに通してジグザグ模様の各折り曲げ箇所で折り曲げながらその模様に編んでいく。ジグザグに折り曲げられた曲げ同士の間のワイヤの長さは、患者固有の解剖学的脈管構造により良く合うようにカスタマイズ化された装置を提供すべく変えることができる。この単一のジグザグ形ワイヤを管状に成形すべく中心軸の周囲に螺旋状に巻いていく。ジグザグ形ワイヤは、隣接するジグザグ形ワイヤのアイレット同士をつなぐ単一のフィラメントで管状に維持される。このデザインは、Maeda他により、ステントの長さに沿ってほぼ均一の伸張力を有する細長い自己伸張ステントを提供すると言われている半面、欠点が残っている。例えば、ステントは、圧縮された形からその展開した形へと自ら伸張するにつれて、軸方向長さがかなりの変化をこうむる。この前短縮は、装置を患者の脈管系の中に精確に置くプロセスに受け入れられない程度の不確実さをもたらしかねない。前短縮はまた、装置に可撓性スリーブを嵌めることを問題あるものにもしよう。
【0004】
Lau他の米国特許第5876432号(US-A-5876432)も、単一の螺旋巻き波形部材で作られた自己伸張型ステントについて述べている。螺旋巻き波形部材は、その隣接する巻きと巻きの波形を通って延伸する単一の部材で管状に維持される。Maeda他のステントと異なり、Lau他の単一結合部材は波形に沿って移動でき、波形部材の巻きのところに置かれたアイレットに閉じ込められていない。このLau他のステントのフレームワークにステントグラフトを形成すべく被膜を施すことができる。
【0005】
これらの装置のどちらも、装置を形成すべく共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置された別個の構造エレメントを2つ以上使用していない。また、どちらも、別個の構造エレメントをつなぎ合わすリンケージを2つ以上使用していない。2つ以上の別個の構造エレメント又はリンケージエレメントを有するステント装置であれば、バラエティに富むデザインと材料のオプションを実務者に提供することになろう。これらのエレメントは各々、異なる構成で作ることができよう。エレメントはまた、異なる横断面形状及び/又は異なる材料特性を有することができよう。
【0006】
従って、2つ以上の別個の構造エレメントが共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置され、2つ以上の別個のリンケージエレメントとつなぎ合わされた形のステントが必要である。また、このような構造フレームワークを利用するステントグラフトも必要である。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5507767号公報
【特許文献2】米国特許第5876432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、体内導管又は管腔空間の内部で使用されるインプラント可能な医療装置を提供することである。本発明に係る装置は、第一に導管又は管腔を機械的に補強する働きをする。機械的支持は、永久的に提供することも一時的に提供することもできる。任意に、本発明は、解除可能な構成を含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る装置は、異なる構成と異なる幾何形状を有する材料で作ることができる。本発明では、1つの材料又は1つの幾何形状で作られたコンポーネントが、別のコンポーネントと協働し、その特性に影響し得る。例えば、伸張可能なステント又は伸張可能なステントグラフトは、形状記憶金属フレームワークエレメントと塑性変形可能な金属フレームワークエレメントの両方を使って作ることができる。一タイプのフレームワークエレメントの別タイプのフレームワークエレメントに対する比及び/又は構成を変えることにより、伸張可能な装置の複合的機械特性を調整することができる。例えば、形状記憶フレームワークエレメントの数が塑性変形可能な金属フレームワークエレメントの数より多い実施形態では、本発明に係る伸張可能な装置は、形状記憶フレームワークエレメントにより分け与えられた自己伸張特性と塑性変形可能な金属フレームワークエレメントにより分け与えられた高い半径方向強さを合わせ持つであろう。形状記憶フレームワークエレメントの数が塑性変形可能な金属フレームワークエレメントの数より少ない実施形態では、伸張可能な装置は、つぶれた形に成形でき、別個の拘束シースを必要としないであろう。使用時、コンパクトにされた装置は、移植部位において膨張可能なバルーン又は他の展開手段を使って半径方向に伸張させられるであろう。
【発明の効果】
【0010】
好ましい一実施形態では、本発明はほぼ管状をなし、各々、装置の長さ全体に延びる共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置された2つ以上の構造エレメント又はフレームワークエレメントで作られる。好ましくは、螺旋状に成形された2つのフレームワークエレメントは、ワイヤエレメントの中に小径の曲がりの形の頂端を持ち、互い違いに反対の方向を向いた頂端をフレームワークエレメントの少なくとも一部分に沿って延びる形で持つ蛇行巻線である。単純な曲がり又は巻きであることに加えて、フレームワークエレメントでは、頂端は特別な形状又は形であってもよい。フレームワークエレメントは、第1のフレームワークエレメントの頂端が第2のフレームワークエレメントの頂端に隣接して位置するように螺旋状巻線の中に共に配置されている。第1のフレームワークエレメントと第2のフレームワークエレメントの隣接し合う頂端が、共に第1又は第2の可撓性リンケージエレメントと結合している。第1及び第2の可撓性リンケージエレメントが各々、明瞭な1組の隣接し合う頂端をつないでいる。隣接し合う頂端の各組が1つの明瞭な通路又はコースを確立し、これに沿って可撓性リンケージエレメントが置かれていく。コースは、第1及び第2のフレームワークエレメントの頂端の相対位置と、隣接し合う頂端が本発明の長さに沿って形成するパターンによって決定される。可撓性リンケージエレメントは、本発明に管の形状を取らせるものでない。むしろ、可撓性リンケージエレメントは、可撓性フレームワークエレメントを適切な関係、適切な方位に維持するのを助けるものである。
【0011】
従って、本発明の一実施形態は、一定の長さを有し、この長さに沿って互いに反対の方向を向いた一連の頂端を有する第1のフレームワークエレメント、一定の長さを有し、この長さに沿って互いに反対の方向を向いた一連の頂端を有する第2のフレームワークエレメント、前記第1のフレームワークエレメントを前記第2のフレームワークエレメントに第1のコースに沿ってつなぐ第1の可撓性リンケージエレメント、及び、前記第1のフレームワークエレメントを前記第2のフレームワークエレメントに第1のコースと異なる第2のコースに沿ってつなぐ第2の可撓性リンケージエレメントを有し、ここで、前記第1のフレームワークエレメントが共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置され、前記第2のフレームワークエレメントが共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置されていて、前記第1のフレームワークエレメントと共に位置決めされており、これで、前記第1のフレームワークエレメントの頂端と前記第2のフレームワークエレメントの頂端が互いに隣接する位置にあるインプラント可能な医療装置である。
【0012】
フレームワークエレメントは組成物が金属であっても重合体であってもよい。或る実施形態では、フレームワークエレメントが異なる材料又は異なる寸法の材料で作られる。他の実施形態では、第1のフレームワークエレメントが形状記憶特性を有する生体適合性金属で作られるのに対し、第2のフレームワークエレメントが塑性変形性を有する生体適合性金属で作られる。他の実施形態では、第1のフレームワークエレメントが生体適合性金属で作られ、第2のフレームワークエレメントが生体吸収性材料で作られる。フレームワークエレメントは、重合体被覆又は重合体被膜を施すことができ、及び/又は、生体活性組成物又はこれと合体した実在物を有することができる。従って、個々のフレームワークエレメントの組成、寸法、横断面形状及び物理的特性はエレメントによって変り得る。
【0013】
フレームワークエレメントの場合と同様、可撓性リンケージエレメントは、形状記憶特性又は塑性変形性を有する生体適合性金属合金で作ることができる。金属合金に加えて、可撓性リンケージエレメントは1つ以上の重合体材料で作ることができる。重合体材料は非生体吸収性であっても生体吸収性であってもよい。
【0014】
可撓性リンケージエレメントの材料は、モノフィラメント、編組、撚りフィラメント、ロープなどの多様な形で組み合わせることも単独で使用することもできる。これらの形の各々を補助材料で包むか覆うかすることができる。
可撓性リンケージエレメントは、生体活性組成物又はこれと合体した実在物を有することができ、及び/又は、これに被覆を施すことができる。被覆は、1つ以上の生体活性組成物又は分離できるようにこれに合体した実在物を有することができる。
【0015】
医療装置として使用される時、本発明はステントとして働くことができる。ステントグラフトを形成すべくステントの少なくとも一部に被膜を施すことができる。好ましいステントグラフトでは、被膜は隣接し合うフレームワークエレメントの間の空隙を覆う。被膜は、フレームワークエレメントに対して外側及び/又は内側であってよい。内側被膜と外側被膜を施す時、被膜を共にフレームワークエレメントの間に接合してよい。従って、本発明の別の実施形態は、一定の長さを有し、この長さに沿って互いに反対の方向を向いた一連の頂端を有する第1のフレームワークエレメントと、一定の長さを有し、この長さに沿って互いに反対の方向を向いた一連の頂端を有する第2のフレームワークエレメントを有し、ここで、前記第1のフレームワークエレメントが共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置され、前記第2のフレームワークエレメントが共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置されていて、前記第1のフレームワークエレメントと共に位置決めされており、これで、前記第1のフレームワークエレメントの頂端と第2のフレームワークエレメントの頂端が互いに隣接する位置にあり、また、前記第1のフレームワークエレメントを前記第2のフレームワークエレメントに第1のコースに沿ってつなぐ第1の可撓性リンケージエレメントと、前記第1のフレームワークエレメントを前記第2のフレームワークエレメントに第1のコースと異なる第2のコースに沿ってつなぐ第2の可撓性リンケージエレメントを有し、かつ、装置に少なくとも一部に施された被膜を有するインプラント可能な医療装置である。
【0016】
以上、先行技術の幾つかの欠点と本発明の利点及び態様について手短に述べた。本発明の他の特徴、利点及び実施形態は、当業者には、以下の説明、添付図面及び付記請求項から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に則して詳細に説明する。
【0018】
本発明の対象は、各々、組成、形状、物理的特性及び寸法が変り得る少なくとも2つ可撓性フレームワークエレメント(12、14)で作られた装置である(図6)。2つ以上の可撓性フレームワークエレメントが、2つ以上の別個の可撓性リンケージエレメント(16、18)で共につなぎ合わされる。別個の可撓性フレームワークエレメントは各々、コースを通過するにつれて1つの明瞭なパスに追従し、本発明の可撓性フレームワークエレメントをつなぎ合わす。好ましい一実施形態では、組み合わされた可撓性フレームワークエレメントは管の形をなし、ステントとして機能できる。別の好ましい実施形態では、管の形が生体適合性材料でカバー及び/又は被覆され、ステントグラフトとして機能できる。本発明の各コンポーネントは、合金を含む生体適合性金属材料、及び/又は、非生体吸収性材料及び生体吸収性材料を含む生体適合性重合体材料で作ることができる。加えて、生体活性組成物をこれらの材料に組み入れることができる。
【0019】
好ましい金属材料は、超弾性(SE)特性を有するニッケルとチタンの合金である。この超弾性金属合金は通常、ニチノールメタルと呼ばれる。本発明での使用に適した他の金属材料は、ステンレス鋼、チタン、Elgiloy Specialty Metal(ESM)、タンタル、及び、コバルトクロムである。
【0020】
好適な非生体吸収性重合体材料は、ポリウレタン、ポリオレフィン(フルオロポリマーを含む)、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、フッ化ポリビニル、ナイロン及びその化合物を含むが、これだけに限るものではない。好適な重合体は、ポリオレフィン(アタクチック、イソタクチック、シンジオタクチック及びその混合物を含むポリエチレン及びポリプロピレン、ならびに、ポリイソブチレン及びエチレン/アルファオレフィン共重合体など)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートなど)、アクリル重合体、アクリル共重合体、ハロゲン化ビニル重合体、ハロゲン化ビニル共重合体(塩化ポリビニルなど)、ポリビニルエーテル(ポリビニルメチルエーテルなど)、ハロゲン化ポリビニリデン(フッ化ポリビニリデン及び塩化ポリビニリデンなど)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族(ポリスチレンなど)、ポリビニルエステル(ポリビニルアセテートなど)、ビニルモノマー同士の共重合体及びオレフィン共重合体(エチレン−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂及びエチレン−ビニルアセテート共重合体など)、ポリアミド(ナイロン4、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12及びポリカプロラクタムなど)、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、レーヨン及びレーヨンアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び、テトラフルオロエチレン及びペルフルオロメチルビニルエーテルの熱可塑性共重合体、及び、そのエラストマー種からなるグループから選択された重合体を含むが、これだけに限るものではない。好ましい非生体吸収性材料はフルオロポリマー系材料である。
【0021】
本発明での使用に適した好適な材料は、ポリグリコール酸−トリメチレンカーボネート共重合体、脂肪族ポリエステル、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテル−エステル)、シュウ酸ポリアルキレン、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリアミドエステル、ポリオキサエステル含有アミド基、ポリ(無水物)、ポリホスファゼン、及びその混合物を含むが、これだけに限るものではない。本発明の目的のため、脂肪族ポリエステルは、ラクチド(D−乳酸、L−乳酸、D−ラクチド、L−ラクチド及びメゾラクチドを含む)のモノポリマー及び共重合体、グリコリド(グリコール酸を含む)、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)、トリメチレンカーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン)、トリメチレンカーボネートのアルキル誘導体、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、ハイドロキシブチレート、ハイドロキシバレレート、α,α−ジエチルプロピオラクトン、エチレンカーボネート、エチレンオキサレート、3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、6,8−ジオキサビシクロオクタン−7−オン、2,5−ジケトモルホリン、1,4−ジオキセパン−2−オン(その二量体1,5,8,12−テトラオキササイクロクタン−7,14−ジオンを含む)、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン及びそのポリマー混合物を含むが、これだけに限るものではない。本発明の目的のためのポリ(イミノカーボネート)は、ドーム(Domb)、コスト(Kost)及びワイズマン(Wiseman)の編集による「生体分解性ポリマーの手引き(Handbook of Biodegradable Polymers)」ハワードアカデミックプレス(Hardwood Academic Press)、1997年、251〜272頁においてケムニッツァー(Kemnitzer)及びコーン(Kohn)により説明されたものなどを含む。本発明の目的のためのコポリ(エーテル‐エステル)は、「ジャーナル・オブ・バイオマテリアル・リサーチ(Journal of Biomaterials Research)」第22巻、1988年、993〜1009頁においてコーン(Cohn)及びヨーンス(Younes)により、また、「ポリマー・プレプリント(Polymer Preprints)」(Polymer ChemistryのACSディビジョン(ACS Division of Polymer Chemistry))第30(1)巻、1989年、498頁においてコーン(Cohn)により説明されたコポリエステル‐エーテル(例えばPEO/PLA)を含む。本発明の目的のためのポリアルキレンオキサレートは、米国特許第4208511号、同第4141087号、同第4130639号、同第4140678号、同第4105034号及び同第4205399号に記載されたポリアルキレンオキサレートを含む(前記文献の各々を参考としてここに組み入れる)。L−ラクチド、D−ラクチド、メゾラクチド、L−乳酸、D−乳酸、グリコリド、グリコール酸、パラ−ジオキサノン、トリメチレンカーボネート及びε-カプロラクトン等々で作られたポリホスファゼン共重合体(コポリマー、ターポリマー、及びより高次の混合モノマー系重合体など)が、ワイレイ・インターサイエンス、ジョンワイレイ・アンド・サンズ(Wiley Intersciences, John Wiley & Sons)の編集による「高分子科学百科辞典(The Encyclopedia of Polymer Science)」、第13巻、1988年、31〜41頁においてアルコック(Allcock)により、また、ドーム(Domb)、コスト(Kost)及びワイズマン(Wiseman)の編集による「生体分解性ポリマーの手引き(Handbook of Biodegradable Polymers)」ハワードアカデミックプレス(Hardwood Academic Press)、1997年、161〜182頁においてVandorpe、Schacht、Dejardin及びLemmouchiにより説明されている(前記文献を参考としてここに組み入れる)。ポリ無水物は、HOOC-C6 H4 -O-(CH2)m-O-C6 H4- COOH(mは2から8までの整数)、及び、これと炭素最大12個の脂肪族α-ωジアシドとの共重合体の二塩基酸からなる。ポリオキサエステル、ポリオキサミド、及び、ポリオキサエステル含有のアミン及び/又はアミド基が、米国特許出願第5464929号、同第5595751号、同第5597579号、同第5607687号、同第5618552号、同第5620698号、同第5645850号、同第5648088号、同第5698213号、及び、同第5700583号の1つ以上に記載されている(前記文献の各々を参考としてここに組み入れる)。ポリオルトエステルは、ドーム(Domb)、コスト(Kost)及びワイズマン(Wiseman)の編集による「生体分解性ポリマーの手引き(Handbook of Biodegradable Polymers)」ハワードアカデミックプレス(Hardwood Academic Press)、1997年、99〜118頁においてヘラー(Heller)により説明されたものなどを含む。好ましい生体吸収性重合体材料は、ポリグリコール酸−トリメチレンカーボネート(PGA:TMC)ブロック共重合体材料を含む。
【0022】
組成に加えて、可撓性フレームワークエレメントの寸法及び形状は、装置によって、又は、フレームワークエレメントによって変り得る。その寸法は、フレームワークエレメントの長さ、厚さ又は横断面寸法を含む(例えば図9〜13)。可撓性フレームワークエレメントの全体形状が、フレームワークエレメントの長さの大部分又は全部に沿って互い違いに反対の方向を向いた一連の頂端又は頂点を有する1つのパターンに追従するのに対し(図3〜7)、フレームワークエレメントの隣接し合う部分が頂端又は頂点を形成する角度は可変である。その上、フレームワークエレメントの、頂端と頂端の間に位置するセクションは、湾曲していても真直であっても、また、好適であれば他の形状であってもよい(例えば図25)。まとめるならば、頂端又は頂点の角度は、螺旋状に配置された第1の可撓性フレームワークエレメントの頂端が螺旋状に配置された補助の可撓性フレームワークエレメントの頂端に隣接するような仕方で補助の可撓性フレームワークエレメントが第1の可撓性フレームワークエレメントの次に配置できるように選択する(例えば図3)。
【0023】
可撓性フレームワークエレメントの頂端又は頂点は多様な形状を有する。その形状は、単純な逆方向の曲がり、角度を付けた巻きのパターン、又は、その組み合わせであってよい。加えて、アイレットや円環の形を組み入れる他の形状が、本発明の可撓性フレームワークエレメントの頂端又は頂点を形成してよい。
【0024】
可撓性フレームワークエレメントの各対に2つの可撓性リンケージエレメント(16、18)が使用される(図6)。一方の可撓性リンケージエレメントが、本発明の長さの全部又は一部に沿って他方の可撓性リンケージエレメントから分かれた別個の通路又はコースにおいて第1及び第2の可撓性フレームワークエレメントの中を通される(図4及び5)。可撓性フレームワークエレメントと同様、可撓性リンケージエレメントは多様な横断面形状と横断面積を有してよい(例えば図14〜17)。
【0025】
一般に、第1の可撓性リンケージエレメント(16)の長さを第1の可撓性フレームワークエレメント(12)に取り付ける。第1の可撓性リンケージエレメントを第1の可撓性フレームワークエレメントの頂端に隣接する該第1のフレームワークエレメントの一部分、又は頂端形成部分の上(又は下)に通す(図4)。次に、第1の可撓性リンケージエレメントを第2の可撓性フレームワークエレメントの頂端に隣接する該第2の可撓性フレームワークエレメントの近傍部分、又は頂端形成部分の下(又は上、それぞれ)に通す(図4)。第1の可撓性リンケージエレメントをこの“上と下”プロセスにおいて本発明の長さの全部又は一部に沿って通し、それで第1のコースを形成する。第2の可撓性リンケージエレメント(18)を同様に、第2の可撓性フレームワークエレメント(14)から、第1のコースから分かれた別個の第2のコースに沿って第1の可撓性フレームワークエレメントの中に通す(図5)。或る実施形態では、第2の可撓性フレームワークエレメントの一部分が第1のコースの始まりにふさわしい位置に出会うまで、第1の可撓性リンケージエレメントを第1の可撓性フレームワークエレメントの幾つかの“頂端形成部分”の中に通すことが必要であり得る。第1のコースの終端では、同じく、第1の可撓性リンケージエレメントを第1の可撓性フレームワークエレメントの幾つかの“頂端形成部分”の中に通すことが必要となり得る。第2のコースのための同様の配置がしばしば使用される。
【0026】
好ましい一実施形態では、第1の可撓性フレームワークエレメントと第2の可撓性フレームワークエレメントを両方、本発明の一端又は両端に位置する1つの共通の可撓性フレームワークエレメント(22)に取り付ける(図18〜21及び25〜27)。これらの実施形態では、第1の可撓性フレームワークエレメントと第2の可撓性フレームワークエレメントが各々終端を有する。第1の可撓性フレームワークエレメントと第2の可撓性フレームワークエレメントが各々有する終端は、個別に共通のフレームワークエレメントに取り付けられる。或る実施形態では、共通のフレームワークエレメントを可撓性フレームワークエレメントと合体させ、さもなければ連続させる(図18)。共通のフレームワークエレメントは、可撓性フレームワークエレメントの自由端の一部又は全部を無くす働きをする。共通のフレームワークエレメントは、何らかの好適な非生体吸収性材料及び/又は生体吸収性材料(ここに挙げた種類の材料を含む)で作ることができる。共通のフレームワークエレメントの横断面、形状、構成及び/又は形態は、可撓性フレームワークエレメントのそれと同様であっても、他のデザインであってもよい。少なくとも1つの共通のフレームワークエレメントを少なくとも2つの可撓性フレームワークエレメントと共に組み入れることは、適当な材料を1つのパターンに従って切断することによって容易に達成される。
【0027】
別の好ましい実施形態では、共通のフレームワークエレメントを使用することなく第1の可撓性フレームワークエレメントを第2の可撓性フレームワークエレメントに取り付ける(図22〜24)。この実施形態では、第1の可撓性リンケージエレメント(16)を第1の可撓性フレームワークエレメントと第2の可撓性フレームワークエレメントとの接合点(30)に取り付ける。次に、第1の可撓性リンケージエレメントを最も近い位置にある第1の可撓性フレームワークエレメント(12)の頂端形成部分の中に通す。次に、第1の可撓性リンケージエレメントを最も近い位置にある第2の可撓性フレームワークエレメントの頂端形成部分の上又は下に通し、それで第1のコースの始まりにする。あるいは代わりに、第1の可撓性リンケージエレメントを第1の可撓性フレームワークエレメントの頂端と第2の可撓性フレームワークエレメントの頂端に通し、それで第1のコースを形成する。この第1のコースは、第1の可撓性リンケージエレメントを第1の可撓性フレームワークエレメントと第2の可撓性フレームワークエレメントとの接合点(30a)に取り付けることによって終わりにされる。
【0028】
同様に、第2の可撓性リンケージエレメント(18)を第2の可撓性フレームワークエレメントと第1の可撓性フレームワークエレメントの接合点(32)に取り付ける。次に、第2の可撓性リンケージエレメントを最も近い位置にある第2の可撓性フレームワークエレメント(14)の頂端形成部分の中に通す。次に、第2の可撓性リンケージエレメントを最も近い位置にある第1の可撓性フレームワークエレメントの頂端形成部分の上又は下に通し、それで第1のコースの始まりにする。あるいは代わりに、第2の可撓性リンケージエレメントを第2の可撓性フレームワークエレメントの頂端と第1の可撓性フレームワークエレメントの頂端に通し、それで第1のコースを形成する。この第2のコースは、第2の可撓性リンケージエレメントを第2の可撓性フレームワークエレメントと第1の可撓性フレームワークエレメントとの接合点に取り付けることによって終わりにされる。
【0029】
本発明が伸張した、つぶれていない形にある時、第1の可撓性リンケージエレメントと第2の可撓性リンケージエレメントは、第1の可撓性フレームワークエレメントと第2の可撓性フレームワークエレメントのそれぞれの頂端に置かれる傾向がある(図7)。別個の可撓性フレームワークエレメントの隣接する頂端を明瞭なコースに従って可撓性リンケージエレメントとつなぎ合わすことにより、高度の機械的可撓性、安定性及び材料可変性が本発明に分け与えられる。望むならば、補助の可撓性フレームワークエレメントと可撓性リンケージエレメントが同じ作りで組み入れられる。
【0030】
本発明の可撓性エレメントは、エレメントの生体適合性、機械的相互作用及び/又はトロンボゲン形成に対する抵抗を高める材料又は物質で被覆することができる。この被覆材料又は被覆物質は、本発明の生体吸収性部分(1つ以上の)の吸収率を変えることもできる。可撓性エレメントの被覆に適した材料は、上で挙げた通りである。これらの材料は、押し出し成形されたチューブ、フィルムラップ、粉末被覆及び吹き付け被覆の形で施すことができる。本発明の可撓性エレメントの被覆に適した材料は、上で挙げた化合物を含む。本発明のステントグラフト(図8)を作るための好ましい被覆材料(21)は、多孔質伸張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である。
【0031】
本発明の可撓性エレメントの全部又は一部に施される被膜及び/又は被覆は、生体活性のある物質又は実在物を含有してよい。本発明における血栓形成を減少させ、又は抑制するのが、好ましい生体活性物質である。ヘパリン、ヘパリンの類似体及び誘導体が、本発明での使用にとって特に好ましい抗血栓剤である。他には、本発明を展開させ、移植する組織の内部及び周囲の望ましくない細胞成長を減少させるのが、好ましい生体活性物質である。本発明での使用にとって好ましい抗増殖剤は、デキサメタゾンである。本発明での使用に適した他の生体活性物質に含まれるのは、酵素、有機触媒、リボザイム、有機金属化合物、蛋白質、糖蛋白質、ペプチド、ポリアミノ酸、抗体、核酸、ステロイド分子、抗生物質、抗炎症剤、抗真菌、サイトカイン、炭水化物、疎油性物質、脂質、細胞外基質材料及び/又はその個別成分、薬剤及び治療薬である。本発明での使用に適した生物学的実在物に含まれるのは、哺乳類細胞(遺伝工学的に処理された細胞を含む)、ウィルス、ウィレノス(virenos)、プリオン、及び、細胞小器官(ミトコンドリアなど)である。
【0032】
本発明が体内導管又は管腔空間の内部にインプラント可能な医療装置として使用される時、好ましくは、米国特許第6827731号及び同第6899727号(両方とも参考としてここに組み入れる)において説明された通りの配給システムが、本発明を配給し、展開させるのに使用される。
【実施例1】
【0033】
この例は、超弾性ニチノール合金を使用する本発明の装置の構造を説明する。直径0.178mm(0.007インチ)の超弾性(SE)ニチノールワイヤの長さをニチノール・デバイス・アンド・コンポーネント社(Nitinol Devices and Components)(米国カリフォルニア州フリーモント)から入手し、両方のフレームワークエレメントの製作に使用した。
【0034】
ジグの長さを走る中心軸を有するステンレス鋼“ステントジグ”(10)の周囲に第1のニチノールワイヤを螺旋状に巻くことにより、第1のフレームワークエレメントを作った。ジグはまた、ジグ表面から突き出る直径約0.5mmの一連のピンを有した。ジグは直径約7mmであった。ピンは、仕上げ後に螺旋状に配置されたステント(12)が第2の螺旋状に配置されたステントを中に入れるのに十分な大きさのピッチ角を有するように設計した(図1)。ジグと螺旋状に配置されたステントとを組み合わせた物体を、450℃に設定された対流式オーブン(カーボライト社(Carbolite)(米国ウィスコンシン州ウォータータウン))の中で10分間の熱サイクルに供した。加熱に続いて、組み合わせ物体を周囲温度下の蒸留水の中で急冷した。あるいは代わりに、構造体を、オーステナイト仕上げ温度を約37℃に設定するのに十分な熱サイクルの供した。
【0035】
ジグの長さを走る中心軸を有するステンレス鋼“ステントジグ”(10)の周囲に第2のニチノールワイヤを螺旋状に巻くことにより、第2のフレームワークエレメントを作った。ジグはまた、その表面から突き出る一連のピン(図示なし)を有した。ピンは直径約6.7mmであった。ピンは、仕上げ後に螺旋状に配置されたステント(14)が第2の螺旋巻きを第1のフレームワークエレメントの中に入れるのに十分なピッチ角を有するように設計した(図1)。ジグと螺旋状に配置されたステントとを組み合わせた物体を、450℃に設定された対流式オーブン(カーボライト社(Carbolite)(米国ウィスコンシン州ウォータータウン))の中で10分間の熱サイクルに供した。加熱に続いて、組み合わせ物体を周囲温度下の蒸留水の中で急冷した。
【0036】
図3に示した通り、第1のフレームワークエレメントと第2のフレームワークエレメントを両方、共通の中心軸を有するステンレス鋼マンドレル(10)の周囲に螺旋状に配置した。マンドレルの直径は約7mm(0.275インチ)であった。第1のフレームワークエレメント(12)からの頂端が第2のフレームワークエレメント(14)からの頂端に隣接して揃えられるまで、両方のフレームワークエレメントをマンドレル上で相対回転させた。
【0037】
第1の可撓性リンケージエレメント(16)をePTFE繊維(CV−5縫合糸、W.L.ゴア・アンド・アソシエーツ社(W.L. Gore & Associates, Inc.)(米国アリゾナ州フラグスタッフ))から作った。この第1の可撓性リンケージエレメントを第1の可撓性フレームワークエレメントの一方の終端につなぎ、第1の可撓性リンケージエレメントを隣接し合う第1の可撓性フレームワークエレメントの頂端と第2の可撓性フレームワークエレメントの頂端の間に螺旋状に編み込むことにより、第1のコースが形成された(図4)。この第1のコースの終わりのところで、第1の可撓性リンケージエレメントを第1のフレームワークエレメントの反対側終端でこの第1のフレームワークエレメントにつないだ。
【0038】
第2の可撓性リンケージエレメント(18)を、ePTFE繊維(CV−5縫合糸、W.L.ゴア・アンド・アソシエーツ社(W.L. Gore & Associates, Inc.)(米国アリゾナ州フラグスタッフ))から作った。この第2の可撓性リンケージエレメントを第2の可撓性フレームワークエレメントの一方の終端につなぎ、第2の可撓性リンケージエレメントを隣接し合う第1の可撓性フレームワークエレメントの頂端と第2の可撓性フレームワークエレメントの頂端の間に螺旋状に編み込むことにより、第1のコースと別個の第2のコースが形成された(図5)。図5では、明瞭を期して第1の可撓性リンケージエレメントを削除した。第2のコースの終わりのところで、第2の可撓性リンケージエレメントを第2のフレームワークエレメントの反対側終端でこの第2のフレームワークエレメントにつないだ。出来上がった装置を次にマンドレルから取り出した。
【0039】
完成した装置の側面図を図6に示す。
【実施例2】
【0040】
この例は、生体吸収性材料で作られた2つのフレームワークエレメントを有する本発明の一実施形態の構造を説明する。2つの可撓性リンケージエレメントも生体吸収性材料で作った。
【0041】
第1のフレームワークエレメント(13)をポリグリコール酸−トリメチレンカーボネート(PGA:TMC)共重合体材料で作った。PGA:TMC材料は、ユナイテッド・ステーツ・サージカル社(U.S. Surgical)(米国コネチカット州ノーウォーク)から直径0.38mm(0.015インチ)の押し出し成形モノフィラメントの形で入手した。このモノフィラメントを冷凍保存した。
【0042】
ステンレス鋼マンドレルで作られた、マンドレル表面から外向きに突き出るピンを有する第1のステンレス鋼“ステントジグ”(10)に重合体モノフィラメントを巻き付けた。ピンは直径約6.7mmであった。ピン(図示なし)は、出来上がりの第1の可撓性フレームワークエレメントが第2のフレームワークエレメントを第1のフレームワークエレメントの中に入れるのに十分な大きさのピッチ角を有するようにマンドレル上に1つのパターンで配置した(図7)。
【0043】
ジグに巻き付けた後、PGA:TMCモノフィラメント材料を150℃に設定された対流式オーブンの中で加熱/冷却サイクルに10分間供し、大気中で常温に冷ました。加熱/冷却サイクルにより、第1のフレームワークエレメントは、第2のフレームワークエレメントと共通して中心軸の周囲に配置された螺旋の形にされた。この第1のフレームワークエレメントの螺旋形状は、フレームワークエレメントをステントジグから取り出した後も保たれた。
【0044】
同様の寸法の別のPGA:TMCモノフィラメント重合体材料を第2のステンレス鋼“ステントジグ”に巻き付けた。第2のステントジグは、ジグのマンドレル部分におけるピンの配置を除いて第1のステントジグに類似した。第2のステントジグでは、ピンは、出来上がりの第2のフレームワークエレメント(15)が第1のフレームワークエレメントと同じ中心軸の周囲に巻かれ、それで、第1のフレームワークエレメントの頂端と第2のフレームワークエレメントの頂端が互いに隣接して位置するように、第1のステントジグにおけるピンのパターンとピッチ角を補うパターンで配置した。この第2のPGA:TMCモノフィラメント材料を第1のフレームワークエレメントの時と同じ加熱/冷却サイクルに供した。出来上がった、螺旋状に配置された第2のフレームワークエレメントをステントジグから取り出し、ステンレス鋼マンドレル(直径7mm)の上に第1のフレームワークエレメントに並べて置いた。第1のフレームワークエレメントの頂端と第2のフレームワークエレメントの頂端が互いに隣接する位置に達するまで、2つのフレームワークエレメントをマンドレル上で相対回転させた。“入れ子”になったフレームワークエレメントを2つの別個の可撓性リンケージエレメントとつなぎ合わせた(図7)。
【0045】
第1の可撓性リンケージエレメント(17)は、生体吸収性PGA:TMC重合体材料で作られた繊維の形であった。この例のために入手した繊維はデイビス・アンドゲック社(Davis & Geck, Inc.)のマクソン縫合糸(Maxon Suture)であった。第1の可撓性リンケージエレメントを先ず第1のフレームワークエレメントの一方の終端につなぎ、頂端を形成するリンケージエレメント部分の上と、同じ頂端を形成するリンケージエレメント部分の下とに通した。第1の可撓性リンケージエレメントは、次に、第2のフレームワークエレメントの頂端にぶつかるまで、同じ仕方で第1のフレームワークエレメントの隣接する頂端に通した。そのポイントのところで、第1の可撓性リンケージエレメントを第1のフレームワークエレメントから、第2のフレームワークエレメントの頂端を形成する部分の上(又は下)で該頂端により限定されたスペースの中に通し、また、第2のフレームワークエレメントの頂端を形成する反対側の部分の下(又は上)を通す。第1の可撓性リンケージエレメントを、“入れ子”になった第1のフレームワークエレメントと第2のフレームワークエレメントの隣接し合う頂端に螺旋状に通した。これで、第1のコースが形成される(図7)。第1の可撓性リンケージの第1のコースは、第1のフレームワークエレメントの一連の隣接する頂端を通って第2のフレームワークエレメントの反対側終端を越えるまで続いた。第1のコースの終わりのところで、第1の可撓性リンケージエレメントを第1のフレームワークエレメントの反対側終端でこの第1のフレームワークエレメントにつないだ。
【0046】
第2の可撓性リンケージエレメント(19)を、生体吸収性PGA:TMCモノフィラメント材料からマクソン縫合糸(Maxon Suture)の形に作った。そのため、この第2の可撓性リンケージエレメントを第2のフレームワークエレメントの一方の終端につなぎ、第2の可撓性リンケージエレメントを、第1の可撓性フレームワークエレメントと第2の可撓性フレームワークエレメントの隣接し合う頂端を形成する部分の上と下で編んだ。第2の可撓性リンケージエレメントを第1のフレームワークエレメントと第2のフレームワークエレメントの中に螺旋状に通し、これで、第1のコースと別個の第2のコースを形成した(図7)。第2のコースの終わりのところで、第2の可撓性リンケージエレメントを第2のフレームワークエレメントの反対側終端でこの第2のフレームワークエレメントにつないだ。出来上がった装置を次にマンドレルから取り出した。
【0047】
完成した装置の側面図を図7に示す。
【実施例3】
【0048】
この例は、金属材料で作られた第1のフレームワークエレメントと生体吸収性重合体材料で作られた第2のフレームワークエレメントを有する本発明の一実施形態の構造を説明する。第1の可撓性リンケージエレメントと第2の可撓性リンケージエレメントは生体吸収性重合体材料で作られた。
【0049】
この例では、超弾性(SE)ニチノールワイヤで作られた第1のフレームワークエレメントは、先の実施例1で述べた通りの構造にした。生体吸収性重合体材料で作られた第2のフレームワークエレメントは、先の実施例2で述べた通りの構造にした。2つの出来上がったフレームワークエレメントを直径7mmのマンドレルの上に置き、第1のフレームワークエレメントの頂端と第2のフレームワークエレメントの頂端が互いに隣接する位置に達するまで、マンドレル上で相対回転させた。
【0050】
“入れ子”になったフレームワークエレメントを、先の実施例1及び2で述べた通り、第1の可撓性リンケージエレメント及び第2の可撓性リンケージエレメントとつなぎ合わせた。可撓性リンケージエレメントは各々、生体吸収性PGA:TMC重合体材料からマクソン縫合糸(Maxon Suture)の形に作った。
【実施例4】
【0051】
この例は、本発明の装置の製作に先立って少なくとも1つの金属フレームワークエレメントをフルオロポリマー材料で被膜することを説明する。この例では、直径0.178mm(0.007インチ)の超弾性(SE)ニチノールワイヤの長さをニチノール・デバイス・アンド・コンポーネント社(Nitinol Devices and Components)(米国カリフォルニア州フリーモント)から入手し、先の実施例1で述べた通りのフレームワークエレメントに成形した。成形されたワイヤを次に、該ワイヤをより真直に矯正されたワイヤに慎重に加工できるようにする回転チャックを有する機械に取り付けた。このプロセスは、成形されたワイヤの形を更に加工すべく冷凍室で行われた。フレームワークエレメントは、このプロセス全体を通してその“形状記憶”を留めた。
【0052】
フレームワークエレメントが延伸したところで、W.L.ゴア・アンド・アソシエーツ社(W.L. Gore & Associates, Inc.)(米国アリゾナ州フラグスタッフ)の伸張ポリテトラフルオロエチレンの薄膜をフレームワークエレメントの周囲に螺旋状に巻いた。延伸した金属フレームワークエレメントの周囲の螺旋巻きの1パス後、室を暖め、薄膜を巻かれたワイヤを蛇行する形にした。このプロセスの間、薄膜を巻かれた可撓性フレームワークエレメントを別の可撓性フレームワークエレメントと組み合わせ、そこで、両方のフレームワークエレメントを同じ方向に回転させることによって管状のステントに成形した。
【実施例5】
【0053】
この例は、本発明の装置の製作に先立って少なくとも1つの金属フレームワークエレメントをフルオロポリマー材料で被膜することを説明する。フレームワークエレメントを準備し、実施例1及び4で述べた通りそれぞれ延伸させた。この例では、内径0.007インチ、外径0.010インチの多孔質伸張ポリテトラフルオロエチレン材料の押し出し成形管をフレームワークエレメントの上にかぶせた。被膜されたフレームワークエレメントを次に別の可撓性フレームワークエレメントと組み合わせ、それで、ここに述べた通りの本発明の装置を製作した。
【実施例6】
【0054】
この例は、少なくとも1つのフレームワークエレメント又は可撓性リンケージエレメントを生体吸収性材料で被覆することを説明する。この例では、共重合体ポリグリコール酸−トリメチレンカーボネート(PGA:TMC)材料をアセトン中で溶解し、可撓性フレームワークエレメント又は可撓性リンケージエレメントに吹き付けた。アセトン溶剤が蒸発したところで、エレメントを使って本発明の装置を製作した。
【実施例7】
【0055】
この例は、少なくとも1つのフレームワークエレメントを、少なくとも1つの生体活性物質を分離できるように中に組み入れた生体吸収性材料で被覆することを説明する。この例では、実施例6で述べたPGA:TMC溶液にデキサメタゾンを添加し、本発明の可撓性に吹き付けた。この被覆されたエレメントを使って本発明の装置を製作した。
【実施例8】
【0056】
この例は、米国特許第6520986号(参考としてここに組み入れる)においてマーチン(Martin)他により全般的に教示された通り、先の実施例1、4又は5の装置のいずれかを使って被膜付きのステント又はステントグラフトを製作することを説明する。
【0057】
図8について説明すると、2つの螺旋状に巻かれた可撓性フレームワークエレメントを有するほぼ管状のステント構造を先に述べた通り製作した。ほぼ管状の可撓性フレームワークエレメントを、この可撓性フレームワークエレメントの少なくとも1つの外側表面に接触するのに十分に内径を有するほぼ管状のグラフト部材(21)の内側に挿入した。この管状のグラフト部材は、伸張ポリテトラフルオロエチレン材料で作られた。1つの結合部材を使って少なくとも1つの可撓性フレームワークエレメントをグラフト部材に取り付けた。結合部材はリボンの形をなし、各可撓性フレームワークエレメントの一部だけを覆った。こうした作りにより、可撓性フレームワークエレメントの領域が結合部材に接触しなかった。
【実施例9】
【0058】
この例は、構造の各端に共通のフレームワークエレメントを組み入れた管状構成における本発明の一実施形態の構造を説明する。フレームワークエレメントは組成が金属、リンケージエレメントはフルオロポリマーであった。金属エレメントは、ステンレス鋼の管状ピースをパターンに従ってレーザ切断することによって成形された。ステンレス鋼の未切断の円筒状ピースをレーザ切断のためにマンドレル(10)に嵌めた。図41及び44はそれぞれ、パターン化レーザ切断で成形できる本発明の可撓性フレームワークエレメントの例を示す。
【0059】
図18〜21はそれぞれ、縦方向に切開され、扁平にされた管状構造の一端を示す概観図である。こられの図では1つの共通の端しか示されていないが、この例の管状構造の両端に共通のフレームワークエレメントが存在する。
【0060】
図18に示した通り、第1の可撓性フレームワークエレメント(12)の一端を共通のフレームワークエレメント(22)に部位(23)で取り付け、第2の可撓性フレームワークエレメント(24)を共通のフレームワークエレメントに部位(25)で取り付けた。同様に、第2の可撓性フレームワークエレメント(14)の一端を共通のフレームワークエレメント(22)に部位(25)で取り付けた。実地では、共通のフレームワークエレメントも同じ仕方で該構造の反対側の端に置いた。
【0061】
図19に示した通り、第1の可撓性リンケージエレメント(16)を該構造に部位(23)で取り付け、この取り付け部位(23)に最も近い第1の可撓性フレームワークエレメント(12)の頂端に通した。この例では、第1の可撓性リンケージエレメント(16)を取り付け部位(23)に隣接する共通のフレームワークエレメントの頂端に通した。第1の可撓性リンケージエレメント(16)は、それから、第1の可撓性フレームワークエレメント(12)の次の使用可能な頂端に通した。第1の可撓性リンケージエレメント(16)は、次に、第1の可撓性フレームワークエレメントの先の頂端に最も近い第2の可撓性フレームワークエレメント(14)の頂端に通した。これで、第1のコースの始まりが形成された。あるいは代わりに、第1のコースを完成させるために、第1の可撓性リンケージエレメント(16)は、先に述べた通り、第1の可撓性フレームワークエレメントの頂端と第2の可撓性フレームワークエレメントの頂端に通した。この第1のコースは、第1の可撓性リンケージエレメントを同様の仕方で該構造の反対側の端で共通のフレームワークエレメントに取り付けることによって終わりにされた。
【0062】
図20に示した通り、第2の可撓性リンケージエレメント(18)を該構造に部位(25)で取り付け、この取り付け部位(25)に最も近い第2の可撓性フレームワークエレメント(14)の頂端に通した。この実施例では、第2の可撓性リンケージエレメント(18)を取り付け部位(25)に隣接する共通のフレームワークエレメントの頂端に通した。第2の可撓性リンケージエレメント(18)は、それから、第2の可撓性フレームワークエレメント(14)の次の使用可能な頂端に通した。第2の可撓性リンケージエレメント(18)は、次に、第2の可撓性フレームワークエレメントの先の頂端に最も近い第1の可撓性フレームワークエレメント(12)の頂端に通した。これで、第2のコースの始まりが形成された。あるいは代わりに、第2のコースを完成させるために、第2の可撓性リンケージエレメント(18)は、先に述べた通り、第2の可撓性フレームワークエレメントの頂端と第1の可撓性フレームワークエレメントの頂端に通した。この第2のコースは、第2の可撓性リンケージエレメントを同様の仕方で該構造の反対側の端で共通のフレームワークエレメントに取り付けることによって終わりにされた。
【0063】
図21は、この実施例のエレメントの各々を互いの関係の中で示す。
【0064】
図25〜27は、管状構造の両端に共通のフレームワークエレメント(22)を有する本発明の管状実施形態を示す。この実施形態におけるフレームワークエレメント(12、14)は、真直のセクションが一切存在しないことを特徴とする。どのフレームワークエレメント(12、14、22)のそのセクションも湾曲している。
【0065】
図25は、マンドレル(10)の上に置かれた本発明のステントを示す。図26は、マンドレルから部分的に引き出された図25のステントと、追加された可撓性リンケージエレメント(16、18)を示す。図27は、図26に示した可撓性フレームワークエレメントと可撓性リンケージエレメントに被膜(21)を施した本発明のステントグラフトを示す。
【実施例10】
【0066】
この例は、本発明のステントグラフトの構造を示す。この例では、先の実施例9で述べた通りの管状ステントを得た。管の形の多孔質伸張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)材料をW.L.ゴア・アンド・アソシエーツ社(W.L. Gore & Associates, Inc.)(米国アリゾナ州フラグスタッフ)から入手し、被膜(21)としてステントの外側にかぶせた。被膜は、一連のリボン状のフルオロポリマー材料(図示なし)を使ってステントのフレームワークエレメント(12、14)に施した。ステントの頂端がリボン状材料と被膜の間におさまるようにリボン状材料をステントグラフトの周囲に巻いた。リボン状材料を、局部的に熱を加えた上で被膜に貼着した。同様の実施例では、管状のePTFE材料をステントの内側にライナとして施し、このライナと外側に施されたリボン状のフルオロポリマー材料の間にフレームワークエレメントの頂端がおさまるようにした。ライナとリボン状材料を、局部的に熱を加えた上で貼着した。
【実施例11】
【0067】
この例は、共通のフレームワークエレメントを使用することなく第1の可撓性フレームワークエレメント(12)を第2の可撓性フレームワークエレメント(14)に取り付けた本発明の実施形態の構造を説明する(図22〜24)。図22では、明瞭を期して第2の可撓性リンケージエレメント(18)を省いた。図23では、明瞭を期して第1の可撓性リンケージエレメント(16)を省いた。
【0068】
フレームワークエレメントは組成が金属、リンケージエレメントはフルオロポリマーであった。金属エレメントは、ステンレス鋼の管状ピースをパターンに従ってレーザ切断することによって成形された。ステンレス鋼の未切断の円筒状ピースをレーザ切断のためにマンドレル(10)に嵌めた。
【0069】
図22に示した通り、第1の可撓性フレームワークエレメント(12)を第2のフレームワークエレメント(14)に部位(30)で取り付けた。図23は、第2の可撓性フレームワークエレメント(14)が部位(32)で第1の可撓性フレームワークエレメント(12)に取り付けた状態を示す。
【0070】
第1の可撓性リンケージエレメント(16)を本発明の装置に部位(30)で取り付け、その取り付け部位(30)に直ぐ隣接する第1の可撓性フレームワークエレメントの頂端に通した。次に、第1の可撓性フレームワークエレメントを、今通された第1の可撓性フレームワークエレメントの頂端に直ぐ隣接する第2の可撓性フレームワークエレメントの頂端に通した。これで、第1のコースの始まりが形成された。次に、第1の可撓性リンケージエレメントを第1の可撓性フレームワークエレメントと第2の可撓性フレームワークエレメントの隣接する頂端に通した。これで、第1のコースが形成された。この第1のコースは、第1の可撓性リンケージエレメントを管状構造の反対側の端で部位(30a)に取り付けることによって終わりにされた。
【0071】
第2の可撓性リンケージエレメント(18)を本発明の装置に部位(32)で取り付け、その取り付け部位(30)に直ぐ隣接する第2の可撓性フレームワークエレメントの頂端に通した。次に、第2の可撓性フレームワークエレメントを、今通された第2の可撓性フレームワークエレメントの頂端に直ぐ隣接する第1の可撓性フレームワークエレメントの頂端に通した。これで、第1のコースの始まりが形成された。次に、第2の可撓性リンケージエレメントを第2の可撓性フレームワークエレメントと第1の可撓性フレームワークエレメントの隣接する頂端に通した。これで、第1のコースが形成された。この第2のコースは、第2の可撓性リンケージエレメントを管状構造の反対側の端で取り付け部位に取り付けることによって終わりにされた。
【実施例12】
【0072】
この例は、本発明のステントグラフトの構造を示す(図24)。この例では、先の実施例11で述べた通りの管状ステントを得た。管の形の多孔質伸張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)材料をW.L.ゴア・アンド・アソシエーツ社(W.L. Gore & Associates, Inc.)(米国アリゾナ州フラグスタッフ)から入手し、被膜(21)としてステントの外側にかぶせた。被膜は、一連のリボン状のフルオロポリマー材料(図示なし)を使ってステントのフレームワークエレメント(12、14)に施した。ステントの頂端がリボン状材料と被膜の間におさまるようにリボン状材料をステントグラフトの周囲に巻いた。リボン状材料を、局部的に熱を加えた上で被膜に貼着した。同様の実施例では、管状のePTFE材料をステントの内側にライナとして施し、このライナと外側に施されたリボン状のフルオロポリマー材料の間にフレームワークエレメントの頂端がおさまるようにした。ライナとリボン状材料を、局部的に熱を加えた上で貼着した。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】ジグの共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置された本発明に第1のフレームワークエレメントの側面図である。
【図2】ジグの共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置された本発明に第2のフレームワークエレメントの側面図である。
【図3】ジグの共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置された第1のフレームワークエレメントと第2のフレームワークエレメントの両方の側面図である。
【図4】第1のコースに沿って第1のリンケージエレメントで共につなぎ合わされた第1のフレームワークエレメントと第2のフレームワークエレメントの側面図である。
【図5】第2のコースに沿って第2のリンケージエレメントで共につなぎ合わされた第1のフレームワークエレメントと第2のフレームワークエレメントの側面図である。
【図6】マンドレル上の本発明の側面図である。
【図7】マンドレル上の本発明の側面図である。
【図8】本発明のステントグラフトである。
【図9】フレームワークエレメントの横断面図である。
【図10】別のフレームワークエレメントの横断面図である。
【図11】別のフレームワークエレメントの横断面図である。
【図12】別のフレームワークエレメントの横断面図である。
【図13】別のフレームワークエレメントの横断面図である。
【図14】リンケージエレメントの横断面図である。
【図15】別のリンケージエレメントの横断面図である。
【図16】別のリンケージエレメントの横断面図である。
【図17】別のリンケージエレメントの横断面図である。
【図18】本発明の可撓性フレームワークエレメントの描図である。
【図19】本発明の可撓性フレームワークエレメントと可撓性リンケージエレメントの第1のコースの描図である。
【図20】本発明の可撓性フレームワークエレメントと可撓性リンケージエレメントの第2のコースの描図である。
【図21】本発明の第1の可撓性フレームワークエレメント、第2の可撓性フレームワークエレメント、可撓性リンケージエレメントの第1のコース、及び、可撓性リンケージエレメントの第2のコースの描図である。
【図22】マンドレル上の本発明の可撓性フレームワークエレメントの斜視図である。
【図23】マンドレルから部分的に取り出された本発明の可撓性フレームワークエレメント及びこれと合体した可撓性リンケージエレメントの斜視図である。
【図24】ステントグラフトの形の本発明の斜視図である。
【図25】マンドレル上の本発明の可撓性フレームワークエレメントの斜視図である。
【図26】マンドレルから部分的に取り出された本発明の可撓性フレームワークエレメント及びこれと合体した可撓性リンケージエレメントの斜視図である。
【図27】ステントグラフトの形の本発明の斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
10 マンドレル
12 第1の可撓性フレームワークエレメント
13 第1の可撓性フレームワークエレメント
14 第2の可撓性フレームワークエレメント
15 第2の可撓性フレームワークエレメント
16 第1の可撓性リンケージエレメント
17 第1の可撓性リンケージエレメント
18 第2の可撓性リンケージエレメント
19 第2の可撓性リンケージエレメント
21 被膜ないしは被覆
22 共通のフレームワークエレメント
23 取り付け部位
25 取り付け部位
30 取り付け部位
32 取り付け部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント可能な医療装置であって、
一定の長さを有し、該長さに沿って互いに反対の方向を向いた一連の頂端を有する第1のフレームワークエレメントと、
一定の長さを有し、該長さに沿って互いに反対の方向を向いた一連の頂端を有する第2のフレームワークエレメントと、
前記第1のフレームワークエレメントを前記第2のフレームワークエレメントに第1のコースに沿ってつなぐ第1の可撓性リンケージエレメントと、
前記第1のフレームワークエレメントを前記第2のフレームワークエレメントに前記第1のコースと異なる第2のコースに沿ってつなぐ第2の可撓性リンケージエレメント
と、を有し、
前記第1のフレームワークエレメントが共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置され、前記第2のフレームワークエレメントが共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置され、前記第1のフレームワークエレメントと共に位置決めされており、前記第1のフレームワークエレメントの頂端と前記第2のフレームワークエレメントの頂端が互いに隣接する位置にある、
インプラント可能な医療装置。
【請求項2】
前記第1の可撓性リンケージが前記第1のフレームワークエレメントと前記第2のフレームワークエレメントの少なくとも2つの隣接する頂端をつなぎ合わす、請求項1に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項3】
前記第2の可撓性リンケージが前記第1のフレームワークエレメントと前記第2のフレームワークエレメントの少なくとも2つの隣接する頂端をつなぎ合わす、請求項1に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項4】
前記第1のフレームワークエレメントが前記第2のフレームワークエレメントと異なる物理的特性を示す材料で作られている、請求項1に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項5】
前記第1の可撓性リンケージが前記第2の可撓性リンケージと異なる物理的特性を示す材料で作られている、請求項1に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項6】
前記第1のフレームワークエレメントが前記第2のフレームワークエレメントと異なる物理的特性を示す横断面積形状を有する、請求項1に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項7】
前記第1の可撓性リンケージが前記第2の可撓性リンケージと異なる物理的特性を示す横断面積形状を有する、請求項1に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項8】
一定の長さを有し、該長さに沿って互いに反対の方向を向いた一連の頂端を有する第3のフレームワークエレメントを更に有する、請求項1に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項9】
第3の可撓性リンケージエレメントを、更に有する、請求項8に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項10】
被膜を更に有する、請求項1に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項11】
前記被膜と分離できるように組み合わされた生体活性材料を更に有する、請求項10に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項12】
インプラント可能な医療装置であって、
一定の長さを有し、該長さに沿って互いに反対の方向を向いた一連の頂端を有する第1のフレームワークエレメントと、
一定の長さを有し、該長さに沿って互いに反対の方向を向いた一連の頂端を有する第2のフレームワークエレメントと、
前記第1のフレームワークエレメントを前記第2のフレームワークエレメントに第1のコースに沿ってつなぐ第1の可撓性リンケージエレメントと、
前記第1のフレームワークエレメントを前記第2のフレームワークエレメントに前記第1のコースと異なる第2のコースに沿ってつなぐ第2の可撓性リンケージエレメントと、
前記装置の少なくとも一部に施された被膜と、を有し、
前記第1のフレームワークエレメントが共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置され、前記第2のフレームワークエレメントが共通の中心軸の周囲に螺旋状に配置され、前記第1のフレームワークエレメントと共に位置決めされており、前記第1のフレームワークエレメントの頂端と前記第2のフレームワークエレメントの頂端が互いに隣接する位置にある、
インプラント可能な医療装置。
【請求項13】
前記被膜と分離できるように組み合わされた生体活性材料を更に有する、請求項12に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項14】
前記第1の可撓性リンケージが前記第1のフレームワークエレメントと前記第2のフレームワークエレメントの少なくとも2つの隣接する頂端をつなぎ合わす、請求項12に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項15】
前記第2の可撓性リンケージが前記第1のフレームワークエレメントと前記第2のフレームワークエレメントの少なくとも2つの隣接する頂端をつなぎ合わす、請求項12に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項16】
前記第1のフレームワークエレメントが前記第2のフレームワークエレメントと異なる物理的特性を示す材料で作られている、請求項12に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項17】
前記第1の可撓性リンケージが前記第2の可撓性リンケージと異なる物理的特性を示す材料で作られている、請求項12に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項18】
前記第1のフレームワークエレメントが前記第2のフレームワークエレメントと異なる物理的特性を示す横断面積形状を有する、請求項12に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項19】
前記第1の可撓性リンケージが前記第2の可撓性リンケージと異なる物理的特性を示す横断面積形状を有する、請求項12に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項20】
一定の長さを有し、この長さに沿って互いに反対の方向を向いた一連の頂端を有する第3のフレームワークエレメントを、更に有する、請求項12に記載のインプラント可能な医療装置。
【請求項21】
第3の可撓性リンケージエレメントを、更に有する、請求項20に記載のインプラント可能な医療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2009−530025(P2009−530025A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501452(P2009−501452)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/006252
【国際公開番号】WO2007/109007
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】