説明

多重電極を使用したビーム生成装置及び輸送装置

【課題】低いエネルギーを有しながらも電流密度が充分に高いイオンビームを生成し、少ない損失で長い距離を輸送できるビーム生成装置及び輸送装置を提供する。
【解決手段】ビーム生成装置は、高エネルギー、且つ高電流密度を有するビームを引き出す多重引出口を有するプラズマ電極11とビーム引出電極12とを含むイオン源10と、多重口構造の第1減速電極20と、ビームを集束する多重口構造の静電レンズ30と、ビームを再び減速させながら、前記ビームの最終エネルギーを制御する多重口構造の第2減速電極40とを含む。また、ビーム輸送装置は、前記生成装置によって生成されたビームを輸送する装置であって、前記第2減速電極40の下流に多重口構造のイオンビームレンズ50を一定間隔で繰り返し配置することにより、ビームが移動する間、ビームの空間電荷による広がりによる損失を減らすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビームを生成するための装置及びビームを輸送するための装置に関するもので、より詳細には、低いエネルギーを有しながらも電流密度が高いイオンビームをつくり上げることができ、エネルギー損失を最小化し、長距離間を輸送することができるビーム生成装置及び輸送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
低エネルギーのイオンビームは、薄膜製造、ナノ半導体工程など、その用途が多様である。特に、前記のような工程に低エネルギーを効率的に適用するために必要なのが、大電流、大面積ビームである。
【0003】
イオン源から引き出すことができるイオンビームの電流Jは、J=(Va)3/2/aの式で現わすことができる、ここで、Vaはビーム引出電圧で、aはプラズマ電極とビーム引出電極間の距離であり、一般的にプラズマ電極の厚さを含んだ距離である。したがって、イオン源から引き出すことができるイオンビームの電流は、電極間の電圧、電極の厚さ、電極間の長さによって総合的に決定され、特に引き出そうとするイオンビームのエネルギーが低ければ低いほど、引き出すことができるイオンビームの電流が小さくなる。一方、ビーム電流を大きくするために電極の厚さを薄くして電極距離を非常に小さく維持する方法もあるが、このような方法は、面積が広くなると間隙を継続維持しにくいのみならず、加工が難しいので、ビームの面積が小さな場合にのみ一般的に適用することができるという問題点がある。また、ビームのエネルギーが低ければ、空間電荷の効果のため、すぐに広がってしまって、高い電流密度のイオンビームをつくり出すのがますます困難になり、ビームを所望する所まで輸送するにも困難があるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6441382号明細書
【特許文献2】日本特許第2866705号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記した課題を解決するために案出されたもので、低いエネルギーを有しながらも電流密度が高いイオンビームをつくり上げることができ、多様なイオンビームのエネルギーと電流密度をつくり上げることができ、イオンビームの面積と形状を多様につくることができる。また、大面積のイオンビームを得ることができる電極構造を維持するために電極の厚さを充分に厚くすることができ、また電極の間隔も余裕をもって維持することができる構造を有するビーム生成装置と、前記生成装置によってつくられた低エネルギービームの電流損失を最小化して、長距離まで輸送することができるビーム輸送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明による多重電極を使用したビーム生成装置は、
所定の出力エネルギーより高エネルギーを有し、且つ所定の電流密度より高電流密度を有するビームを引き出す多重引出口を有するプラズマ電極とビーム引出電極とを含むイオン源と、前記イオン源と離隔して平行に配置され、前記ビームを減速させながらエネルギーを減らす多重口構造の第1減速電極と、前記第1減速電極と離隔して平行に配置され、前記減速されたビームを集束する多重口構造の静電レンズと、前記静電レンズと離隔して平行に配置され、前記集束されたビームを再び減速させながら、印加された電圧によって前記ビームの最終エネルギーを制御する多重口構造の第2減速電極とを含む。
【0007】
前記の高エネルギービームは、エネルギーが2000eV以上であることが好ましく、前記ビームの最終エネルギーは100eV以下のビームであることが好ましい。
また、前記第1減速電極によってつくられるビームのエネルギーは、700eV〜1200eV間に維持することが好ましい。
【0008】
また、前記第1減速電極と前記静電レンズ間の間隔は、3mm〜5mmで、前記静電レンズと前記第2減速電極間の間隔も、3mm〜5mmであることが好ましい。
また、前記第1及び第2減速電極の厚さは、2mm〜3mmであることが好ましい。
【0009】
また、前記第1及び第2減速電極を構成する物質は、銅またはステンレススチールであることが好ましい。
また、前記生成装置は、少なくとも3個以上の減速電極と2個以上の静電レンズを含み、前記減速電極と静電レンズは相互に離隔して平行に配置することもできる。
【0010】
本発明による多重電極を使用した低エネルギー・大電流・大面積ビーム輸送装置は、前記生成装置によって生成された低エネルギー・大電流・大面積ビームを輸送する装置であり、第2減速電極と離隔して平行に配置され、一対の多重口構造の加速及び減速電極で構成された低エネルギーイオンビームレンズを輸送距離の間に一定間隔で連続的に配列して、前記生成されたビームが移動する間、空間電荷によるビームの広がりによる損失を減らすことができることを特徴とする。
【0011】
前記低エネルギービームは、エネルギーが100eV以下のビームであることが好ましい。
また、前記低エネルギービームを集束するために使用される電圧は、1000V以下が好ましい。
【0012】
また、前記第2減速電極と一対の加速・減速電極からなる低エネルギーイオンビームレンズ間の間隔は、5mm〜10mmであることが好ましい。
また、前記イオンビームレンズ間の間隔は、10mm以上であることが好ましい。
【0013】
また、前記加速・減速電極の厚さは、2mm〜3mmであることが好ましい。
また、前記加速・減速電極を構成する物質は、銅またはステンレススチールであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
上記本発明による多重電極を使用した低エネルギー・大電流・大面積ビーム生成装置及び輸送装置によると、低いエネルギーを有しながらも電流密度が高いイオンビームをつくり上げることができ、多様なイオンビームのエネルギーと電流密度を制御することができる効果がある。
また、イオンビームの面積と形状を多様にすることができ、大面積のイオンビームを得ることができる電極構造を維持するために、電極の厚さを充分に厚くでき、また電極の間隔も余裕をもって維持することができる効果がある。
【0015】
また、広がり性が非常に大きい低エネルギービームの電流損失を最小化しながら、長距離まで輸送することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一般的なイオン源の構成断面図にビーム引出原理を含んだ図。
【図2】高い電圧で大電流のビームを引き出した時、一つのビーム引出口でのビームの形状を計算して示した図。
【図3】図2によってつくられたイオンビームを第1減速電極によって1000V程度のエネルギーのビームをつくった時、ビームの形状を計算して示した図。
【図4】図3によってつくられたイオンビームに静電レンズを使用してビームを集束させた時のビームの形状を計算して示した図。
【図5】図4によってつくられたイオンビームを静電レンズ以後に2次減速電極を使用して所望するエネルギーの低いビームをつくった時、ビームの形状を計算して示した図。
【図6】図5によってつくられたイオンビームを加速電極と減速電極で構成された低エネルギーのビームレンズで、一度集束させた時のビームの形状を計算して示した図。
【図7】図6によってつくられたイオンビームを加速電極と減速電極で構成された低エネルギーイオンビームレンズを一例として三つ追加して低エネルギー大電流のビームを目的とする所まで輸送するシステムの断面とビームの形状を計算して示した図。
【図8】本発明による多重電極を使用した低エネルギー・大電流・大面積ビーム生成装置と多重電極を使用した低エネルギー・大電流・大面積ビーム輸送装置の一例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
前記のような目的を達成するために本発明のイオン源ビーム引き出しのための電極システムは、多段階の加速及び減速電極で構成される。初期ビーム引き出しを高い電圧ですることで、低い電圧で直接ビーム引き出した時に、電流が小さくなる限界を克服している。また、初期ビーム引出電極の電圧を制御して、多様なイオンビームを引き出すことができる。また、大面積で生成しても、電極の厚さと電極の間隔に問題がないビーム引出構造である。また、初期ビーム引出電圧によってイオンビームの電流密度を制御することができる。また、第1減速電極の電圧は、後段部の静電レンズによってビーム損失を最小化することができる水準の電圧に調整し、静電レンズは、ビームを集束して空間電荷などによるビーム損失を防ぐ。また、最終ビームエネルギーの精密調節のための2次減速電極を適用する。また、2次減速電極以後のビーム輸送のために、低エネルギーイオンビームレンズシステムを適用する。また、大面積のビームを引き出すことができるように、所望する大きさのイオン源電極の面積と引出数を決定する。
【0018】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例を詳しく説明する。まず、図面中で同一の構成要素または部品はできるだけ同一の参照符号で示していることに留意しなければならない。本発明を説明するにおいて、関連する公知機能あるいは構成に対する具体的な説明は、本発明の要旨を曖昧にさせないために省略する。
【0019】
図8は、本発明による多重電極を使用した低エネルギー・大電流・大面積ビーム生成装置及び低エネルギービームレンズで構成された低エネルギーイオンビーム輸送装置の一例を示したものである。
【0020】
本発明の一例による多重電極を使用した低エネルギー・大電流・大面積ビーム生成装置は、イオン源10、第1減速電極20、静電レンズ30、及び第2減速電極40を含む。
前記イオン源10は、多重引出口を有するプラズマ電極11とビーム引出電極12とからなり、所望するエネルギーより高いエネルギーを有する高エネルギービームを引き出す。ここで、引き出されるエネルギービームは、最終的につくろうとするビームのエネルギーよりさらに大きいエネルギーのビームを意味する。したがって、高エネルギー・低エネルギーの基準は、可変的であるが、高エネルギービームの場合、エネルギーが2000eV以上のビームであることが好ましく、最終的につくろうとするビームのエネルギーは100eV以下であることが好ましい。
【0021】
前記多重口構造の第1減速電極20は、前記イオン源10と離隔して平行に配置され、前記高エネルギービームを減速させながらエネルギーを減らす機能を遂行する。ここで、大面積の絶縁間隔維持のための最小電極厚さを確保するようになると、ビーム損失を最小化するために可能な最小距離を維持するために、前記イオン源10と前記第1減速電極20間の間隔は、3mm〜5mmであることが好ましい。
【0022】
前記多重口構造の静電レンズ30は、電場を使用したレンズであり、前記第1減速電極20と離隔して平行に配置され、前記第1減速電極によって減速されたビームを集束する機能を遂行する。ここで、前記第1減速電極20と前記静電レンズ30間の間隔は、3mm〜5mmであることが好ましい。なぜなら、大面積電極の絶縁間隔維持のための最小電極厚さを確保しながら、ビーム損失を最小化するために可能な最小距離を維持することが好ましいからである。
【0023】
前記多重口構造の第2減速電極40は、前記静電レンズと離隔して平行に配置されて前記静電レンズ30で集束されて進行するビームを再び減速させながらビームのエネルギーを減らす。ここで、第2減速電極40に印加される電圧を調節すると、前記ビームの最終エネルギーを制御して所望するエネルギーを有するイオンビームを生成することができる。
【0024】
前記第1及び第2減速電極20、40の厚さは、2mm〜3mmであることが好ましい。前記厚さは、大面積構造を維持することができる十分な強度を有しながら同時に冷却によって連続運転を可能にする最小限の厚さである。
【0025】
また、前記静電レンズ30と前記第2減速電極40間の間隔は、大面積電極の絶縁間隔維持のための最小電極厚を確保しながら、ビーム損失を最小化するために可能な最小距離を維持するために3mm〜5mmであることが好ましい。
【0026】
また、前記第1及び第2減速電極の物質は、例えば、銅またはステンレススチールであることが好ましい。
本発明の他の実施例によると、多重電極を使用した低エネルギー・大電流・大面積ビーム生成装置は、少なくとも3個以上の減速電極と2個以上の静電レンズを含み、前記減速電極と静電レンズは、相互に離隔して平行に配置することもできる。前記減速電極の種類と厚さ、そして前記静電レンズと減速電極間の間隔は、前記したとおりで、これに対する説明は省略する。
【0027】
次に、本発明による多重電極を使用した低エネルギー・大電流・大面積ビーム輸送装置は、前記生成装置によって生成された低エネルギー・大電流・大面積ビームを輸送する装置である。
【0028】
前記輸送装置は、図8に示したように、前記の生成装置に第2減速電極40と離隔して平行に配置される、一対の多重口構造の集束電極51及び接地電極52からなる低エネルギーイオンビームレンズ50を反覆して配置する。このような反覆配置を所望する位置まで到達するように構成して、効率的な低エネルギービーム輸送ラインを得ることができる。
【0029】
前記のように構成された本発明による多重電極を使用した低エネルギー・大電流・大面積ビーム生成装置でのビーム生成過程と輸送装置でのビーム輸送過程を、図1〜図7を参照して説明する。
【0030】
図1は、イオン源の断面図を一般的に示した図で、イオン源がプラズマ発生部といくつかのビーム引出口で構成されていて、プラズマ電極とビーム引出電極間に電圧をかけてプラズマ発生部から所望するエネルギーのビームを引き出す基本的な構成を示している。ここで、減速電極は、電子がイオンと反対方向に引き出されることを防止するための電極であり、また、ここで一つ一つのビーム引出口の形状、厚さ、電極間隔などは、イオンのイオン光学特性を決定するのに重要な役割をするので、大面積のイオンビームはそれぞれ光学的に精緻に設計されたビーム引出口がたくさん集まって構成される。したがって、個々のビーム引出口によって構成される光学的特性は、全体イオンビームの光学的特性を決定する。
【0031】
図2は、イオン源ビーム引出電極11、12で比較的高い電圧(図2では3000V)によって大きい電流のビームを引き出した時、一つのビーム引出口の光学的特性を計算して示した図である。イオン源から引き出すことができるイオンビームの電流Jを、J=(Va)3/2/aの式(Vaはビーム引出電圧、aはプラズマ電極とビーム引出電極間の距離)で現わすことができる。ここで、大きな電流密度のビームを得るために初期に元来目的とするエネルギー値よりエネルギーが大きなイオンビームを引き出すが、ビーム引出電圧及びイオン源のプラズマ密度調整によって電流密度の値を制御することができ、使用するガスを変えることで多様な種類のイオンビームをつくることができる。また、同一な電流密度を得るために低い電圧でビームを引き出すには、電極を非常に薄くして電極の間隔も狭くしなければならないので、大面積の電極をつくることが非常に難しいけれど、高い電圧で初期引き出しをすることにより、電極の厚さと電極の間隔を充分に確保することができ、大面積に生成することができる。
【0032】
図3は、第1減速電極20によってイオンビームの速度を1次減速させた時、一つのビーム引出口に沿って移動するビーム(図3では1000eV)の光学的特性を計算して示した図である。図2のビームに比べてビームが大きく広がってしまう理由は、ビームエネルギーが小さくなって空間電荷効果がそれだけ大きく現われるからである。第1減速電極の電圧は、イオンビームの種類、イオンビームの電流値、次の工程の静電レンズ30の運転条件などと関連していて、ビームの損失を最小化する値で決定することができる。
【0033】
例えば、直径8mmの引出口から炭素ビームを3000Vで引き出す場合、引出ビームの電流は1mAになり、ビーム加速電極と5mmの間隔で絶縁された減速電極によって引き出されたビームを減速させ、続いて減速電極から5mm離れた静電レンズによって引き出されたビームを効果的に集束させるための減速電極の電圧は、ビーム引出電極の電圧対比2000V高く、静電レンズの運転条件は、静電レンズを通過するビームエネルギーの約0.9倍の900V程度の運転電圧であれば好ましい。
【0034】
図4は、第1減速電極20によって1次減速されたイオンビームを静電レンズ30によって集束させた時、一つのビーム引出口システムに沿って移動するビームの光学的特性を計算して示した図である。静電レンズの運転条件は、イオンビームの種類、イオンビームのエネルギー、イオンビームの電流などによってビームの損失を最小化する値で決定することができる。
【0035】
図5は、第2減速電極40によってイオンビームの速度を2次減速させた時、一つのビーム引出口システムに沿って移動するビーム(図5では50eV)の光学的特性を計算して示した図である。図2、図4のビームに比べてビームがずっと大きく広がってしまう理由は、ビームエネルギーが非常に小さくなって空間電荷効果がそれだけさらに大きく現われるからである。第2減速電極40の電圧は、所望するイオンビームの最終エネルギーを制御する。
【0036】
図6は、最終的につくられた低いエネルギーのイオンビームを所望する所までビームの損失を最小化しながら輸送するために、空間電荷によって広がったビームを再び集束させるための集束電極(または加速電極)51を適用(図6で電極の電位は、第2減速電極対比+700V)した時、一つのビーム引出口システムに沿って移動するビームの光学的特性を計算して示した図である。この電極は、前記低エネルギービームを集束させる役割もするが、同時にビームのエネルギーを増加させるので、再び接地電極(または減速電極)52を使用してビームのエネルギーを元のように減速させるのであるが、この二つの電極を一対に構成して低エネルギーイオンビームレンズになる。ここで、電極にかける電圧は、ビームの損失を最小化することができる、可能な限り低い値に制御される。
【0037】
図7は、図6の後段に低エネルギーイオンビームの輸送に適用できる低エネルギーイオンビームレンズ三つを連続的に配列した場合のビームの光学的特性を示している。このような多数の低エネルギーイオンビームレンズを連続的に適用すると、輸送しようとする距離が長くても高い電流密度の低いエネルギービームを大きな損失なしに長距離間を輸送することが可能になる。
【0038】
図7でそれぞれの電極に印加される電圧を、下記に示す。
プラズマ電極11には、50V、ビーム引出電極12には−2950V、第1減速電極20には−950V、静電レンズ30の中心には−50V、両サイドには−950V、第2減速電極40には0V、集束電極51には700V、接地電極52には0Vをそれぞれ印加する。
【0039】
以上のように本発明による多重電極を使用した低エネルギー・大電流・大面積ビーム生成装置及び輸送装置を例示した図を参照して説明したが、本明細書に開示された実施例と図面によって本発明が限定されるのではなく、本発明の技術思想範囲内で当業者によって多様な変形がなされ得ることは、もちろんである。
【符号の説明】
【0040】
10:イオン源、 11:プラズマ電極、 12:ビーム引き出し電極、 20:第1減速電極、 30:静電レンズ、 40:第2減速電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の出力エネルギーより高エネルギーを有し、且つ所定の電流密度より高電流密度を有するビームを引き出す多重引出口を有するプラズマ電極とビーム引出電極とを含むイオン源と、
前記イオン源と離隔して平行に配置され、前記ビームを減速させながらエネルギーを減らす多重口構造の第1減速電極と、
前記第1減速電極と離隔して平行に配置されて前記減速されたビームを集束する多重口構造の静電レンズと、
前記静電レンズと離隔して平行に配置されて前記集束されたビームを再び減速させながら、印加された電圧によって前記ビームの最終エネルギーを制御する多重口構造の第2減速電極と
を含む、多重電極を使用したビーム生成装置。
【請求項2】
前記高エネルギービームは、2000eV以上のエネルギーを有し、前記所定の出力エネルギーは100eV以下であることを特徴とする、請求項1に記載の多重電極を使用したビーム生成装置。
【請求項3】
前記第1減速電極と前記静電レンズとの間隔が、3mm〜5mmで、前記静電レンズと前記第2減速電極との間隔は3mm〜5mmであることを特徴とする、請求項1に記載の多重電極を使用したビーム生成装置。
【請求項4】
前記第1及び第2減速電極の厚さが、2mm〜3mmであることを特徴とする、請求項1に記載の多重電極を使用したビーム生成装置。
【請求項5】
前記第1及び第2減速電極を構成する物質が、銅またはステンレススチールであることを特徴とする、請求項1に記載の多重電極を使用したビーム生成装置。
【請求項6】
前記多重電極を使用したビーム生成装置が、少なくとも3個以上の減速電極と2個以上の静電レンズを含み、前記減速電極と静電レンズは相互に離隔して平行に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の多重電極を使用したビーム生成装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項の生成装置によって生成されたビームを輸送する装置であって、
前記第2減速電極と離隔して平行に配置されて、一対の多重口構造の加速電極及び減速電極で構成されたイオンビームレンズを連続的に配列してビーム電流の損失を減らしながら所定の位置まで輸送することを特徴とする、ビーム輸送装置。
【請求項8】
前記イオンビームレンズの運転電圧が、1000eV以下であることを特徴とする、請求項7に記載の多重電極を使用したビーム輸送装置。
【請求項9】
前記第2減速電極と前記イオンビームレンズとの間隔が、5mm〜10mmで、連続的に配列される複数の前記イオンビームレンズ間の間隔は、10mm以上であることを特徴とする、請求項7に記載の多重電極を使用したビーム輸送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−123574(P2010−123574A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262245(P2009−262245)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(597060645)コリア アトミック エナジー リサーチ インスティテュート (22)
【出願人】(506094677)コリア ハイドロ アンド ヌクリア パワー カンパニー リミテッド (11)
【Fターム(参考)】