天井クレーン
【課題】
従来の天井クレーンでは、走行サドルのスパン方向のスライド装置が上下方向のデッドスペースが大きく、かつ、走行レールの上下方向の誤差には対応できないという課題を有していた。
【解決手段】
天井クレーンの走行サドルにおいて、一方の走行サドル3aの継ぎ部材5aとガーダ2とを、プレーンベアリングを介してスライド可能に連結し、他方の走行サドル3bのサドルフレーム4bとガーダ2とを、ガーダ2に固設した軸受けに嵌装される連結軸を介して回転可能に連結した天井クレーン。
従来の天井クレーンでは、走行サドルのスパン方向のスライド装置が上下方向のデッドスペースが大きく、かつ、走行レールの上下方向の誤差には対応できないという課題を有していた。
【解決手段】
天井クレーンの走行サドルにおいて、一方の走行サドル3aの継ぎ部材5aとガーダ2とを、プレーンベアリングを介してスライド可能に連結し、他方の走行サドル3bのサドルフレーム4bとガーダ2とを、ガーダ2に固設した軸受けに嵌装される連結軸を介して回転可能に連結した天井クレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場、建設現場等において、資材、機材等を搬送する天井クレーンに関するもので、さらに詳しくは、走行サドルを走行レールのスパン方向及びまたは上下方向の誤差に追従して変位させるようにした天井クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
天井クレーンが配設される建設現場等において、天井クレーンが設置される建設現場を覆う屋根架構は、通常、仮設構造物とされているために、天井クレーンを長期間使用していると、仮設構造物自体のズレ等により、走行レールがスパン方向または上下方向に変位し、走行レールの設置精度が低下することがあり、走行サドルの走行に支障を来たすという課題を有していた。そしてこの課題を解決するため、走行サドルのサドルフレームの下方にガーダの延在方向と同方向にバーを取り付け、ガーダに前記バーが挿通される挿通孔を備えたブラケットを取り付け、走行サドルをガーダの長手方向にスライド可能にした天井クレーンが提案されている。(特許文献1)
【特許文献1】特開2001−48466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし前記した引用文献1に記載した天井クレーンでは、走行サドルのサドルフレームの下方に延出してバーを取着するフレーム部分が設けられているため、走行サドルの上下のデッドスペースが大きくなり、このデッドスペースは天井クレーンの容量の増大に比例して大きくなり、大型天井クレーンでは無視できない課題となっている。また、スライド機構がサドルフレームの内側に設けられているため、スライド量も制限され、さらには、走行レールのスパン方向の一定の誤差には対応できるが、上下方向の誤差には対応できないという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記課題を解決するもので、走行サドルが走行レールのスパン方向の誤差に追従走行可能で、かつ上下方向のデッドスペースを最小とする天井クレーンを提供する。
【0005】
また、走行レールの上下方向の誤差に追従走行可能で、かつ上下方向のデッドスペースを最小とする天井クレーンを提供する。さらには、走行レールのスパン方向及び上下方向の誤差に追従走行可能な天井クレーンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、構造物の天井等に平行に配設された一対の走行レールと、前記走行レールに吊下され、走行レールを走行する一対の走行サドルと、前記走行サドル間に架設されたガーダを備えた吊り下げ式天井クレーンにおいて、前記走行サドルは、それぞれ走行車輪を備えた対向する一対のサドルフレームと、サドルフレームの下部を連結する継ぎ部材を有し、前記継ぎ部材とガーダとを平面軸受けを介して走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、走行サドルを走行レールのスパン誤差に追従して走行可能にしたことを特徴とする。
【0007】
また、平面軸受けは、ガーダに固設した支持プレートの側端面及び下面に固装され、前記継ぎ部材の内側側面及び下部上面と摺接することを特徴とする。
【0008】
また、走行サドルは、走行サドルの両端部で対向する一対のサドルフレームを連結するサドル連結部を有し、前記サドル連結部をガーダ上にガーダに沿ってスライド可能に取設されたステープレートとステーを介して連結したことを特徴とする。
【0009】
また、構造物の天井等に平行に配設された一対の走行レールと、前記走行レールに吊下され、走行レールを走行する一対の走行サドルと、前記走行サドルに架設されたガーダを備えた吊り下げ式天井クレーンにおいて、前記走行サドルは、それぞれ走行車輪を備えた対向する一対のサドルフレームと、サドルフレームの下部を連結する継ぎ部材を有し、前記継ぎ部材の近傍上部のサドルフレームに連結軸を配設し、前記連結軸をガーダの上部に固設した軸受けに回転可能に連結し、走行サドルを走行レールの上下方向の誤差に追従して走行可能にしたことを特徴とする。
【0010】
また、軸受けを対向するサドルフレームの内側に配設したことを特徴とする。
【0011】
また、軸受けを対向するサドルフレームの外側に配設したことを特徴とする。
【0012】
また、構造物の天井等に平行に配設された一対の走行レールと、前記走行レールに吊下され、走行レールを走行する一対の走行サドルと、前記走行サドル間に架設されたガーダを備えた天井クレーンにおいて、前記走行サドルは、それぞれ走行車輪を備えた対向する一対のサドルフレームと、サドルフレームとガーダを連結する連結部を有し、一方の連結部は、走行サドルとガーダを連結する継ぎ部材を有し、走行サドルとガーダとを走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、他方の連結部は、走行サドルとガーダとを回転可能に連結し、走行サドルを走行レールの上下方向の誤差に追従して走行可能にしたことを特徴とする。
【0013】
また、一方の走行サドルは、走行サドルとガーダを連結する連結部のガーダ上部に平面軸受けを有し、ガーダを平面軸受け介して継ぎ部材で懸吊し、走行サドルとガーダが走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、他方の走行サドルは、継ぎ部材の近傍上部に走行サドルの一対のサドルフレームに連結軸を配設し、連結部のガーダ上部に固設した軸受けに前記連結軸を嵌装して走行サドルを回転可能に連結したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、走行サドルに設けた継ぎ部材とガーダとを平面軸受けを介して走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、かつ平面軸受けをガーダに固設した支持プレートの側端面及び下面に設け、前記継ぎ部材の内側側面と下部上面と摺接するようにしたので、走行サドルを走行レールの直交方向の誤差に追従して走行することが可能となり、走行レールの水平方向の設置精度を緩和することができる。さらに、スライド部材である平面軸受けをサドルフレームの高さの範囲内に設けることができるため、スライド部材を設けることによるデッドスペースの発生を防止することができる。さらに、平面軸受けは継ぎ部材の内側側面と下部上面と摺接するので、走行サドルのスライドをスムースに行うことができる。
【0015】
また、継ぎ部材で対向するサドルフレームを連結し、該継ぎ部材で平面軸受けを懸吊するようにしたので、連結部が強固で変形することが無く、円滑にスライドするとともに、構造が簡素でスライド連結部に余計なスペースを設ける必要がなく、クレーンの作業エリアを有効に活用することができる。
【0016】
また、サドル連結部をガーダ上にスライド可能に取設されたステープレートとステーを介して連結したので、走行サドルのスライド時のガタツキの発生を防止し、安定したスライド動作を可能とすることができる。
【0017】
また、前記サドルフレームに取設された連結軸とガーダとをガーダに固設した軸受けを介して回転可能に連結し、走行サドルを走行レールの車輪路面高さの誤差である上下方向の誤差に追従して走行可能にしたので、従来の天井クレーンにおいては未解決の課題であった走行レールの上下方向の誤差によって発生する走行サドルの走行障害を防止でき、走行サドルを走行レールの上下方向の誤差に追従して安定に走行することが可能となり、走行レールの上下方向の設置精度を緩和することができる。さらに、サドルフレームとガーダとをガーダに固設した軸受けに嵌装される連結軸を介して連結したので、連結軸である回転部材をサドルフレームの高さの範囲内に設けることができるため、回転部材を設けることによるデッドスペースの発生を防止することができる。
さらに、一対の走行サドルのうちの一方の走行サドルは、継ぎ部材とガータとを走行レールの直交方向にスライド可能に連結し、他方の走行サドルは、サドルフレームとガータとを回転可能に連結したので、走行サドルを走行レールのスパン誤差及び上下方向の誤差に追従して走行可能に走行することができ、走行レールの水平方向及び上下方向の両設置精度を緩和することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図1〜12を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は本発明の天井クレーンを示す全体平面図、図2は図1の正面図、図3は図1のフレーム継ぎ部材4aの拡大平面図、図4は図1の右側面図、図5は図3の部分拡大側面図、図6は図1のステープレート11aの部分拡大断面図、図7は図1の左側面図、図8はフレーム継ぎ部材5bの平面部分断面図、図9は図7のフレーム継ぎ部材の正面断面図、図10は図7の他の形態を示す側面図、図11は図10のフレーム継ぎ部材5bの平面部分断面図、図12は図10のフレーム継ぎ部材の正面断面図である。
【0020】
図1において、1は工場の天井部や工事現場等の構造部の天井部に平行に配設される一対の走行レール、2は走行レール1に吊設され、走行レールに沿って走行する一対の走行サドルに架設されたガーダ部材、3a、3bは走行レール1上を走行する左右一対の走行サドルで、3aは後記する走行レールと直交方向にスライドするスライド機構を備え、3bは上下回転機構を備えたサドルである。4a、4bは走行レールの長さ方向に延びる一対のサドルフレーム、5a、5bはサドルフレーム4a、4bの中央部の下部を連結する継ぎ部材で、一方の継ぎ部材5aはサドルフレーム4aとガーダ2とを連結部材を介して連結する。6a、6bはサドルフレーム4a、4bの両端下部に設けられたサドル連結部、7a、7bは走行サドル3a、3bに設けられ、走行レール1上を走行する駆動車輪で、それぞれ左右の駆動車輪7a、7bは駆動歯車16で連動される。8a、8bは従動車輪、9a、9bは駆動車輪7a、7bを駆動する駆動モータである。駆動車輪7aと7bはそれぞれ走行サドル3a、3bの前後方向の反対位置に設けられ、重量バランスが均衡になるようにしている。10はガイドローラ、11a、11bはガーダ2上に取設されるステープレート、12a、12bは一端がサドル連結部6a、6bに取着され、他端が前記ステープレート11a、11bに取着されたステーである。13はステープレート11aに設けられ、走行サドル3aの走行レール1と直交する方向のスライドを許容するガイド孔、14a、14bは図6に示すように、ステープレート11aをガイド孔13の上下から挟着する座金、14cは下端基部14dがガーダ2に固着され、ガイド孔13に嵌挿されてステープレート11aをガイドするブッシュである。下部座金14bはブッシュ14cに嵌合され、ブッシュ14cの上部に設けた上部座金14aとの間でステープレート11aを狭着し、走行サドル3aの走行レールと直交方向のスライドによる力が加わってもステープレート11aが抜け落ちないようにステープレート11aを強固に固定する。また、ステープレート11a、11bは、走行レール1の上下、左右の歪みや、重量物の吊り下げ位置によって発生する重力の不均衝等によって、継ぎ部材5a、5bとガーダ2間に発生する反力を支え、走行サドル3a、3bの走行を安定化する。また、ステープレート11aに設けたガイド孔13は、走行レールの左右の歪等により生ずる走行レール1のスパン誤差により走行サドル3aが走行レール1と直交方向にスライドする場合であっても、ガイド孔13とブッシュ14cからなるガイド機構により、ステープレート11aをスライドすることで、走行サドル3aのスライド動作を安定にする。ガイド孔13の長さは走行サドル3aのスライド方向のスライド許容長さの範囲で適宜設定される。一方、走行サドル3b側の継ぎ部材5bの近傍上部で、一対のサドルフレーム4a、4aに連結軸20、20が配設され、後記するように走行サドル3bをガーダ2に対して回転可能な構成となっている。ステー12bはサドル連結部材6b及びステープレート11bとボールジョイント17にて連結され、走行サドル3bの回転を一定範囲で許容できる構成となっている。また、ステー12bの連結部をボールジョイントに代えて剛結合とする場合は、ステー12bに軟質金属材を用いることによって一定範囲で回転を許容することで、ボールジョイントと同機能を奏することができる。なお、22はバッファーである。
【0021】
次に、走行サドル3aの走行レール1と直交方向へのスライド機構について説明する。
【0022】
図3〜図5において、15は継ぎ部材5a、5a間でガーダ2に固着された支持プレートで、前記支持プレート15の側端部と下面にはそれぞれ平面軸受けであるプレーンベアリング15aと15bが固装され、継ぎ部材5a、5a内側側面及び下部上面と摺接し、走行サドル3aの走行レールと直交方向へのスライド機構を構成する。なお、スライド機構として、上記構成に変えて、継ぎ部材5aにガーダ2a両側面及び下面に摺接するプレーンベアリングを設け、走行サドル3aをスライドを可能とする構成とすることもできる。
【0023】
以上の通り、本実施の形態によると、サドルフレーム4a、4a直下で、継ぎ部材5a、5a間に、前記継ぎ部材5a、5aの内側側面及び上面と摺接するプレーンベアリング15a、15bを設けたので、走行レール1のスパン誤差により、走行サドル3aが走行レールと直交方向にスライドしても、サドルフレーム4a、4aの下部に設けた継ぎ部材5a、5aはプレーンベアリング15a、15bによりスライドするため、走行サドル3aはスパン誤差に追従して走行が可能となる。また、継ぎ部材5a、5bがスライドすると、ステー12aを介してステープレート11aはステープレート11aのガイド孔13にガイドされてスライドし、走行サドル3aのスライド移動動作を安定化することができる。
【0024】
次に、走行サドル3bの上下方向への回転機構について説明する。
【0025】
図7〜図9に示すように、継ぎ部材5b、5bの近傍上部で、一対のサドルフレーム4b、4bに連結軸20、20を配設し、サドルフレーム4b、4b間のガーダ2上面に軸受け19a、19aを備えた軸受け基部18aが固設されており、該軸受け19a、19aに外側から連結軸20、20が嵌装され、サドルフレーム4b、4bを該連結軸20、20を介して、軸受け19a、19aに回転可能に連結している。また、継ぎ部材5bはガーダ2とサドルフレーム4b、4bの下部間で、サドルフレーム4bが一定の回転を許容する間隔を有するように配置されている。
【0026】
次に、図10〜図12に走行サドル3bの上下方向への回転機構の他の形態を示す。
【0027】
図11、図12に示すように、本実施の形態においては、軸受け基部18b、18bはサドルフレーム4b、4bの外側のガーダ2上面に固設され、軸受け19b、19bの内側に連結軸20を介して、サドルフレーム4b、4bを回転可能に連結している。
【0028】
なお、21はサドルフレーム4b、4bに設けられた連結軸20の支持部材である。この実施の形態は、軸受け19b、19bがサドルフレーム3b、3bの外側に設けられているため、幅方向に一定のスペースを必要とするが、軸受け19b、19bを強固にガーダ2に取設できるため、重量物搬送用の走行サドルに好適である。
【0029】
以上の通り、本実施の形態によると、サドルフレーム4b、4bに取設された連結軸20、20は、ガーダ2に固設された軸受け19b、19bに嵌装され、サドルフレーム4b、4bをガーダ2に回転可能に連結しているので、走行レール1のうねり等により発生する上下方向のばらつきである走行レールの車輪路面高さの誤差により、走行サドル3bが上下動しても、上下動に追従して、走行サドル3bは連結軸20を介して上下方向に回動し、走行レール1の上下方向の誤差による上下動を吸収するため、走行サドル3bを上下方向の誤差に追従して安定した走行を可能とする。
【0030】
また、走行サドル3a、3bのうち、一方の走行サドル3aの継ぎ部材5a、5aとガーダ2とを、ガーダ2に固設された平面軸受けを介して走行レール1と直交方向にスライド可能に連結し、他方の走行サドル3bとガーダ2とを、ガーダ2に固設した軸受け19aまたは、19bに嵌装される連結軸20を介して回転可能に連結することで、走行レール1の水平方向及び上下方向の誤差に追従して走行サドル3a、3bの安定した走行が可能となり、走行レール1の水平方向及び上下方向の設置精度を緩和することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の天井クレーンは、走行レールの水平方向の誤差を、継ぎ部材をガーダに固設された平面軸受けを介してスパン方向に移動させることにより吸収し、走行レールの上下方向の誤差を、サドルフレームに取設された連結軸をガーダに固設された軸受けに回転可能に嵌装することで上下方向の誤差を吸収するので、走行レールの設置精度を大幅に緩和できるため、建設現場等に設置される天井クレーンとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の天井クレーンの全体平面図
【図2】図1の正面図
【図3】図1のフレーム継ぎ部材の拡大平面図
【図4】図1の右側面図
【図5】図3の部分拡大側面図
【図6】図1の部分拡大断面図
【図7】図1の左側面図
【図8】フレーム継ぎ部材の平面部分断面図
【図9】図7のフレーム継ぎ部材の正面断面図
【図10】図7の他の形態を示す側面図
【図11】図10の平面部分断面図
【図12】図10の正面断面図
【符号の説明】
【0033】
1 走行レール
2 ガーダ
3a、3b 走行サドル
4a、4b サドルフレーム
5a、5b 継ぎ部材
6a、6b サドル連結部
11a、11b ステープレート
12a、12b ステー
13 ガイド孔
15 プレーンベアリング支持プレート
15a、15b プレーンベアリング
18a、18b 軸受け基部
19a、19b 軸受け
20 連結軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場、建設現場等において、資材、機材等を搬送する天井クレーンに関するもので、さらに詳しくは、走行サドルを走行レールのスパン方向及びまたは上下方向の誤差に追従して変位させるようにした天井クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
天井クレーンが配設される建設現場等において、天井クレーンが設置される建設現場を覆う屋根架構は、通常、仮設構造物とされているために、天井クレーンを長期間使用していると、仮設構造物自体のズレ等により、走行レールがスパン方向または上下方向に変位し、走行レールの設置精度が低下することがあり、走行サドルの走行に支障を来たすという課題を有していた。そしてこの課題を解決するため、走行サドルのサドルフレームの下方にガーダの延在方向と同方向にバーを取り付け、ガーダに前記バーが挿通される挿通孔を備えたブラケットを取り付け、走行サドルをガーダの長手方向にスライド可能にした天井クレーンが提案されている。(特許文献1)
【特許文献1】特開2001−48466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし前記した引用文献1に記載した天井クレーンでは、走行サドルのサドルフレームの下方に延出してバーを取着するフレーム部分が設けられているため、走行サドルの上下のデッドスペースが大きくなり、このデッドスペースは天井クレーンの容量の増大に比例して大きくなり、大型天井クレーンでは無視できない課題となっている。また、スライド機構がサドルフレームの内側に設けられているため、スライド量も制限され、さらには、走行レールのスパン方向の一定の誤差には対応できるが、上下方向の誤差には対応できないという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記課題を解決するもので、走行サドルが走行レールのスパン方向の誤差に追従走行可能で、かつ上下方向のデッドスペースを最小とする天井クレーンを提供する。
【0005】
また、走行レールの上下方向の誤差に追従走行可能で、かつ上下方向のデッドスペースを最小とする天井クレーンを提供する。さらには、走行レールのスパン方向及び上下方向の誤差に追従走行可能な天井クレーンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、構造物の天井等に平行に配設された一対の走行レールと、前記走行レールに吊下され、走行レールを走行する一対の走行サドルと、前記走行サドル間に架設されたガーダを備えた吊り下げ式天井クレーンにおいて、前記走行サドルは、それぞれ走行車輪を備えた対向する一対のサドルフレームと、サドルフレームの下部を連結する継ぎ部材を有し、前記継ぎ部材とガーダとを平面軸受けを介して走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、走行サドルを走行レールのスパン誤差に追従して走行可能にしたことを特徴とする。
【0007】
また、平面軸受けは、ガーダに固設した支持プレートの側端面及び下面に固装され、前記継ぎ部材の内側側面及び下部上面と摺接することを特徴とする。
【0008】
また、走行サドルは、走行サドルの両端部で対向する一対のサドルフレームを連結するサドル連結部を有し、前記サドル連結部をガーダ上にガーダに沿ってスライド可能に取設されたステープレートとステーを介して連結したことを特徴とする。
【0009】
また、構造物の天井等に平行に配設された一対の走行レールと、前記走行レールに吊下され、走行レールを走行する一対の走行サドルと、前記走行サドルに架設されたガーダを備えた吊り下げ式天井クレーンにおいて、前記走行サドルは、それぞれ走行車輪を備えた対向する一対のサドルフレームと、サドルフレームの下部を連結する継ぎ部材を有し、前記継ぎ部材の近傍上部のサドルフレームに連結軸を配設し、前記連結軸をガーダの上部に固設した軸受けに回転可能に連結し、走行サドルを走行レールの上下方向の誤差に追従して走行可能にしたことを特徴とする。
【0010】
また、軸受けを対向するサドルフレームの内側に配設したことを特徴とする。
【0011】
また、軸受けを対向するサドルフレームの外側に配設したことを特徴とする。
【0012】
また、構造物の天井等に平行に配設された一対の走行レールと、前記走行レールに吊下され、走行レールを走行する一対の走行サドルと、前記走行サドル間に架設されたガーダを備えた天井クレーンにおいて、前記走行サドルは、それぞれ走行車輪を備えた対向する一対のサドルフレームと、サドルフレームとガーダを連結する連結部を有し、一方の連結部は、走行サドルとガーダを連結する継ぎ部材を有し、走行サドルとガーダとを走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、他方の連結部は、走行サドルとガーダとを回転可能に連結し、走行サドルを走行レールの上下方向の誤差に追従して走行可能にしたことを特徴とする。
【0013】
また、一方の走行サドルは、走行サドルとガーダを連結する連結部のガーダ上部に平面軸受けを有し、ガーダを平面軸受け介して継ぎ部材で懸吊し、走行サドルとガーダが走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、他方の走行サドルは、継ぎ部材の近傍上部に走行サドルの一対のサドルフレームに連結軸を配設し、連結部のガーダ上部に固設した軸受けに前記連結軸を嵌装して走行サドルを回転可能に連結したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、走行サドルに設けた継ぎ部材とガーダとを平面軸受けを介して走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、かつ平面軸受けをガーダに固設した支持プレートの側端面及び下面に設け、前記継ぎ部材の内側側面と下部上面と摺接するようにしたので、走行サドルを走行レールの直交方向の誤差に追従して走行することが可能となり、走行レールの水平方向の設置精度を緩和することができる。さらに、スライド部材である平面軸受けをサドルフレームの高さの範囲内に設けることができるため、スライド部材を設けることによるデッドスペースの発生を防止することができる。さらに、平面軸受けは継ぎ部材の内側側面と下部上面と摺接するので、走行サドルのスライドをスムースに行うことができる。
【0015】
また、継ぎ部材で対向するサドルフレームを連結し、該継ぎ部材で平面軸受けを懸吊するようにしたので、連結部が強固で変形することが無く、円滑にスライドするとともに、構造が簡素でスライド連結部に余計なスペースを設ける必要がなく、クレーンの作業エリアを有効に活用することができる。
【0016】
また、サドル連結部をガーダ上にスライド可能に取設されたステープレートとステーを介して連結したので、走行サドルのスライド時のガタツキの発生を防止し、安定したスライド動作を可能とすることができる。
【0017】
また、前記サドルフレームに取設された連結軸とガーダとをガーダに固設した軸受けを介して回転可能に連結し、走行サドルを走行レールの車輪路面高さの誤差である上下方向の誤差に追従して走行可能にしたので、従来の天井クレーンにおいては未解決の課題であった走行レールの上下方向の誤差によって発生する走行サドルの走行障害を防止でき、走行サドルを走行レールの上下方向の誤差に追従して安定に走行することが可能となり、走行レールの上下方向の設置精度を緩和することができる。さらに、サドルフレームとガーダとをガーダに固設した軸受けに嵌装される連結軸を介して連結したので、連結軸である回転部材をサドルフレームの高さの範囲内に設けることができるため、回転部材を設けることによるデッドスペースの発生を防止することができる。
さらに、一対の走行サドルのうちの一方の走行サドルは、継ぎ部材とガータとを走行レールの直交方向にスライド可能に連結し、他方の走行サドルは、サドルフレームとガータとを回転可能に連結したので、走行サドルを走行レールのスパン誤差及び上下方向の誤差に追従して走行可能に走行することができ、走行レールの水平方向及び上下方向の両設置精度を緩和することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図1〜12を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は本発明の天井クレーンを示す全体平面図、図2は図1の正面図、図3は図1のフレーム継ぎ部材4aの拡大平面図、図4は図1の右側面図、図5は図3の部分拡大側面図、図6は図1のステープレート11aの部分拡大断面図、図7は図1の左側面図、図8はフレーム継ぎ部材5bの平面部分断面図、図9は図7のフレーム継ぎ部材の正面断面図、図10は図7の他の形態を示す側面図、図11は図10のフレーム継ぎ部材5bの平面部分断面図、図12は図10のフレーム継ぎ部材の正面断面図である。
【0020】
図1において、1は工場の天井部や工事現場等の構造部の天井部に平行に配設される一対の走行レール、2は走行レール1に吊設され、走行レールに沿って走行する一対の走行サドルに架設されたガーダ部材、3a、3bは走行レール1上を走行する左右一対の走行サドルで、3aは後記する走行レールと直交方向にスライドするスライド機構を備え、3bは上下回転機構を備えたサドルである。4a、4bは走行レールの長さ方向に延びる一対のサドルフレーム、5a、5bはサドルフレーム4a、4bの中央部の下部を連結する継ぎ部材で、一方の継ぎ部材5aはサドルフレーム4aとガーダ2とを連結部材を介して連結する。6a、6bはサドルフレーム4a、4bの両端下部に設けられたサドル連結部、7a、7bは走行サドル3a、3bに設けられ、走行レール1上を走行する駆動車輪で、それぞれ左右の駆動車輪7a、7bは駆動歯車16で連動される。8a、8bは従動車輪、9a、9bは駆動車輪7a、7bを駆動する駆動モータである。駆動車輪7aと7bはそれぞれ走行サドル3a、3bの前後方向の反対位置に設けられ、重量バランスが均衡になるようにしている。10はガイドローラ、11a、11bはガーダ2上に取設されるステープレート、12a、12bは一端がサドル連結部6a、6bに取着され、他端が前記ステープレート11a、11bに取着されたステーである。13はステープレート11aに設けられ、走行サドル3aの走行レール1と直交する方向のスライドを許容するガイド孔、14a、14bは図6に示すように、ステープレート11aをガイド孔13の上下から挟着する座金、14cは下端基部14dがガーダ2に固着され、ガイド孔13に嵌挿されてステープレート11aをガイドするブッシュである。下部座金14bはブッシュ14cに嵌合され、ブッシュ14cの上部に設けた上部座金14aとの間でステープレート11aを狭着し、走行サドル3aの走行レールと直交方向のスライドによる力が加わってもステープレート11aが抜け落ちないようにステープレート11aを強固に固定する。また、ステープレート11a、11bは、走行レール1の上下、左右の歪みや、重量物の吊り下げ位置によって発生する重力の不均衝等によって、継ぎ部材5a、5bとガーダ2間に発生する反力を支え、走行サドル3a、3bの走行を安定化する。また、ステープレート11aに設けたガイド孔13は、走行レールの左右の歪等により生ずる走行レール1のスパン誤差により走行サドル3aが走行レール1と直交方向にスライドする場合であっても、ガイド孔13とブッシュ14cからなるガイド機構により、ステープレート11aをスライドすることで、走行サドル3aのスライド動作を安定にする。ガイド孔13の長さは走行サドル3aのスライド方向のスライド許容長さの範囲で適宜設定される。一方、走行サドル3b側の継ぎ部材5bの近傍上部で、一対のサドルフレーム4a、4aに連結軸20、20が配設され、後記するように走行サドル3bをガーダ2に対して回転可能な構成となっている。ステー12bはサドル連結部材6b及びステープレート11bとボールジョイント17にて連結され、走行サドル3bの回転を一定範囲で許容できる構成となっている。また、ステー12bの連結部をボールジョイントに代えて剛結合とする場合は、ステー12bに軟質金属材を用いることによって一定範囲で回転を許容することで、ボールジョイントと同機能を奏することができる。なお、22はバッファーである。
【0021】
次に、走行サドル3aの走行レール1と直交方向へのスライド機構について説明する。
【0022】
図3〜図5において、15は継ぎ部材5a、5a間でガーダ2に固着された支持プレートで、前記支持プレート15の側端部と下面にはそれぞれ平面軸受けであるプレーンベアリング15aと15bが固装され、継ぎ部材5a、5a内側側面及び下部上面と摺接し、走行サドル3aの走行レールと直交方向へのスライド機構を構成する。なお、スライド機構として、上記構成に変えて、継ぎ部材5aにガーダ2a両側面及び下面に摺接するプレーンベアリングを設け、走行サドル3aをスライドを可能とする構成とすることもできる。
【0023】
以上の通り、本実施の形態によると、サドルフレーム4a、4a直下で、継ぎ部材5a、5a間に、前記継ぎ部材5a、5aの内側側面及び上面と摺接するプレーンベアリング15a、15bを設けたので、走行レール1のスパン誤差により、走行サドル3aが走行レールと直交方向にスライドしても、サドルフレーム4a、4aの下部に設けた継ぎ部材5a、5aはプレーンベアリング15a、15bによりスライドするため、走行サドル3aはスパン誤差に追従して走行が可能となる。また、継ぎ部材5a、5bがスライドすると、ステー12aを介してステープレート11aはステープレート11aのガイド孔13にガイドされてスライドし、走行サドル3aのスライド移動動作を安定化することができる。
【0024】
次に、走行サドル3bの上下方向への回転機構について説明する。
【0025】
図7〜図9に示すように、継ぎ部材5b、5bの近傍上部で、一対のサドルフレーム4b、4bに連結軸20、20を配設し、サドルフレーム4b、4b間のガーダ2上面に軸受け19a、19aを備えた軸受け基部18aが固設されており、該軸受け19a、19aに外側から連結軸20、20が嵌装され、サドルフレーム4b、4bを該連結軸20、20を介して、軸受け19a、19aに回転可能に連結している。また、継ぎ部材5bはガーダ2とサドルフレーム4b、4bの下部間で、サドルフレーム4bが一定の回転を許容する間隔を有するように配置されている。
【0026】
次に、図10〜図12に走行サドル3bの上下方向への回転機構の他の形態を示す。
【0027】
図11、図12に示すように、本実施の形態においては、軸受け基部18b、18bはサドルフレーム4b、4bの外側のガーダ2上面に固設され、軸受け19b、19bの内側に連結軸20を介して、サドルフレーム4b、4bを回転可能に連結している。
【0028】
なお、21はサドルフレーム4b、4bに設けられた連結軸20の支持部材である。この実施の形態は、軸受け19b、19bがサドルフレーム3b、3bの外側に設けられているため、幅方向に一定のスペースを必要とするが、軸受け19b、19bを強固にガーダ2に取設できるため、重量物搬送用の走行サドルに好適である。
【0029】
以上の通り、本実施の形態によると、サドルフレーム4b、4bに取設された連結軸20、20は、ガーダ2に固設された軸受け19b、19bに嵌装され、サドルフレーム4b、4bをガーダ2に回転可能に連結しているので、走行レール1のうねり等により発生する上下方向のばらつきである走行レールの車輪路面高さの誤差により、走行サドル3bが上下動しても、上下動に追従して、走行サドル3bは連結軸20を介して上下方向に回動し、走行レール1の上下方向の誤差による上下動を吸収するため、走行サドル3bを上下方向の誤差に追従して安定した走行を可能とする。
【0030】
また、走行サドル3a、3bのうち、一方の走行サドル3aの継ぎ部材5a、5aとガーダ2とを、ガーダ2に固設された平面軸受けを介して走行レール1と直交方向にスライド可能に連結し、他方の走行サドル3bとガーダ2とを、ガーダ2に固設した軸受け19aまたは、19bに嵌装される連結軸20を介して回転可能に連結することで、走行レール1の水平方向及び上下方向の誤差に追従して走行サドル3a、3bの安定した走行が可能となり、走行レール1の水平方向及び上下方向の設置精度を緩和することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の天井クレーンは、走行レールの水平方向の誤差を、継ぎ部材をガーダに固設された平面軸受けを介してスパン方向に移動させることにより吸収し、走行レールの上下方向の誤差を、サドルフレームに取設された連結軸をガーダに固設された軸受けに回転可能に嵌装することで上下方向の誤差を吸収するので、走行レールの設置精度を大幅に緩和できるため、建設現場等に設置される天井クレーンとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の天井クレーンの全体平面図
【図2】図1の正面図
【図3】図1のフレーム継ぎ部材の拡大平面図
【図4】図1の右側面図
【図5】図3の部分拡大側面図
【図6】図1の部分拡大断面図
【図7】図1の左側面図
【図8】フレーム継ぎ部材の平面部分断面図
【図9】図7のフレーム継ぎ部材の正面断面図
【図10】図7の他の形態を示す側面図
【図11】図10の平面部分断面図
【図12】図10の正面断面図
【符号の説明】
【0033】
1 走行レール
2 ガーダ
3a、3b 走行サドル
4a、4b サドルフレーム
5a、5b 継ぎ部材
6a、6b サドル連結部
11a、11b ステープレート
12a、12b ステー
13 ガイド孔
15 プレーンベアリング支持プレート
15a、15b プレーンベアリング
18a、18b 軸受け基部
19a、19b 軸受け
20 連結軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の天井等に平行に配設された一対の走行レールと、前記走行レールに吊下され、走行レールを走行する一対の走行サドルと、前記走行サドル間に架設されたガーダを備えた吊り下げ式天井クレーンにおいて、前記走行サドルは、それぞれ走行車輪を備えた対向する一対のサドルフレームと、サドルフレームの下部を連結する継ぎ部材を有し、前記継ぎ部材とガーダとを平面軸受けを介して走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、走行サドルを走行レールのスパン誤差に追従して走行可能にしたことを特徴とする天井クレーン。
【請求項2】
平面軸受けは、ガーダに固設した支持プレートの側端面及び下面に固装され、前記継ぎ部材の内側側面及び下部上面と摺接することを特徴とする請求項1記載の天井クレーン。
【請求項3】
走行サドルは、走行サドルの両端部で対向する一対のサドルフレームを連結するサドル連結部を有し、前記サドル連結部をガーダ上にガーダに沿ってスライド可能に取設されたステープレートとステーを介して連結したことを特徴とする請求項1または2記載の天井クレーン。
【請求項4】
構造物の天井等に平行に配設された一対の走行レールと、前記走行レールに吊下され、走行レールを走行する一対の走行サドルと、前記走行サドルに架設されたガーダを備えた吊り下げ式天井クレーンにおいて、前記走行サドルは、それぞれ走行車輪を備えた対向する一対のサドルフレームと、サドルフレームの下部を連結する継ぎ部材を有し、前記継ぎ部材の近傍上部のサドルフレームに連結軸を配設し、前記連結軸をガーダの上部に固設した軸受けに回転可能に連結し、走行サドルを走行レールの上下方向の誤差に追従して走行可能にしたことを特徴とする天井クレーン。
【請求項5】
軸受けを対向するサドルフレームの内側に配設したことを特徴とする請求項4記載の天井クレーン。
【請求項6】
軸受けを対向するサドルフレームの外側に配設したことを特徴とする請求項4記載の天井クレーン。
【請求項7】
構造物の天井等に平行に配設された一対の走行レールと、前記走行レールに吊下され、走行レールを走行する一対の走行サドルと、前記走行サドル間に架設されたガーダを備えた天井クレーンにおいて、前記走行サドルは、それぞれ走行車輪を備えた対向する一対のサドルフレームと、サドルフレームとガーダを連結する連結部を有し、一方の連結部は、走行サドルとガーダを連結する継ぎ部材を有し、走行サドルとガーダとを走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、他方の連結部は、走行サドルとガーダとを回転可能に連結し、走行サドルを走行レールのスパン誤差及び上下方向の誤差に追従して走行可能にしたことを特徴とする天井クレーン。
【請求項8】
一方の走行サドルは、走行サドルとガーダを連結する連結部のガーダ上部に平面軸受けを有し、ガーダを平面軸受け介して継ぎ部材で懸吊し、走行サドルとガーダが走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、他方の走行サドルは、継ぎ部材の近傍上部に走行サドルの一対のサドルフレームに連結軸を配設し、連結部のガーダ上部に固設した軸受けに前記連結軸を嵌装して走行サドルを回転可能に連結したことを特徴とする請求項7記載の天井クレーン。
【請求項1】
構造物の天井等に平行に配設された一対の走行レールと、前記走行レールに吊下され、走行レールを走行する一対の走行サドルと、前記走行サドル間に架設されたガーダを備えた吊り下げ式天井クレーンにおいて、前記走行サドルは、それぞれ走行車輪を備えた対向する一対のサドルフレームと、サドルフレームの下部を連結する継ぎ部材を有し、前記継ぎ部材とガーダとを平面軸受けを介して走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、走行サドルを走行レールのスパン誤差に追従して走行可能にしたことを特徴とする天井クレーン。
【請求項2】
平面軸受けは、ガーダに固設した支持プレートの側端面及び下面に固装され、前記継ぎ部材の内側側面及び下部上面と摺接することを特徴とする請求項1記載の天井クレーン。
【請求項3】
走行サドルは、走行サドルの両端部で対向する一対のサドルフレームを連結するサドル連結部を有し、前記サドル連結部をガーダ上にガーダに沿ってスライド可能に取設されたステープレートとステーを介して連結したことを特徴とする請求項1または2記載の天井クレーン。
【請求項4】
構造物の天井等に平行に配設された一対の走行レールと、前記走行レールに吊下され、走行レールを走行する一対の走行サドルと、前記走行サドルに架設されたガーダを備えた吊り下げ式天井クレーンにおいて、前記走行サドルは、それぞれ走行車輪を備えた対向する一対のサドルフレームと、サドルフレームの下部を連結する継ぎ部材を有し、前記継ぎ部材の近傍上部のサドルフレームに連結軸を配設し、前記連結軸をガーダの上部に固設した軸受けに回転可能に連結し、走行サドルを走行レールの上下方向の誤差に追従して走行可能にしたことを特徴とする天井クレーン。
【請求項5】
軸受けを対向するサドルフレームの内側に配設したことを特徴とする請求項4記載の天井クレーン。
【請求項6】
軸受けを対向するサドルフレームの外側に配設したことを特徴とする請求項4記載の天井クレーン。
【請求項7】
構造物の天井等に平行に配設された一対の走行レールと、前記走行レールに吊下され、走行レールを走行する一対の走行サドルと、前記走行サドル間に架設されたガーダを備えた天井クレーンにおいて、前記走行サドルは、それぞれ走行車輪を備えた対向する一対のサドルフレームと、サドルフレームとガーダを連結する連結部を有し、一方の連結部は、走行サドルとガーダを連結する継ぎ部材を有し、走行サドルとガーダとを走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、他方の連結部は、走行サドルとガーダとを回転可能に連結し、走行サドルを走行レールのスパン誤差及び上下方向の誤差に追従して走行可能にしたことを特徴とする天井クレーン。
【請求項8】
一方の走行サドルは、走行サドルとガーダを連結する連結部のガーダ上部に平面軸受けを有し、ガーダを平面軸受け介して継ぎ部材で懸吊し、走行サドルとガーダが走行レールと直交方向にスライド可能に連結し、他方の走行サドルは、継ぎ部材の近傍上部に走行サドルの一対のサドルフレームに連結軸を配設し、連結部のガーダ上部に固設した軸受けに前記連結軸を嵌装して走行サドルを回転可能に連結したことを特徴とする請求項7記載の天井クレーン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−179428(P2008−179428A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12675(P2007−12675)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000129367)株式会社キトー (101)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000129367)株式会社キトー (101)
【Fターム(参考)】
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