説明

太陽光発電システム

【課題】各々の太陽光発電設備の出力変動量を平滑化させる組合せを選択して配電線への接続切替を行い、太陽光発電設備が接続される配電線の出力変動を効果的に抑制できる太陽光発電システムを提供することである。
【解決手段】出力変動算出部18は、予想される天候条件及び記憶部17に記憶された各々の太陽光発電設備13の出力変動量の実績値に基づいて各々の太陽光発電設備13の予想出力変動量を算出し、組合せ選択部19は、各々の太陽光発電設備13の予想出力変動量を平滑化させる太陽光発電設備13の組合せを選択し、接続切替部5は、組合せ選択部19で選択された太陽光発電設備13が配電線11の同一相に接続されるように太陽光発電設備13の接続切替を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の太陽光発電設備で発電した電力を系統に供給する太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、太陽光発電システムは太陽光発電設備と蓄電池とを組み合わせて構成され、系統に余裕があるときは太陽光発電設備で発電した電力あるいは系統からの電力を蓄電池に蓄電しておき、系統の電力需要が増大したときには太陽光発電設備で発電した電力とともに蓄電池に蓄電した電力を電力系統に出力し、負荷平準化に寄与するようにしている。
【0003】
太陽光発電設備と蓄電池とを組み合わたものとして、月ごとの1日平均水平面日射量にその標準偏差を加えた日射量をベースに、太陽電池特性を使った正確かつ厳密なシミュレーション計算により時刻別発電量を求め、最大月の該発電量(1日)で蓄電池容量を決定し、また、該蓄電池を容量いっぱいまで活用するため、翌日太陽光発電量を予測し、蓄電池容量と翌日発電量の差を深夜充電・昼間放電に使用し、昼間使用電力量をまず太陽光発電により賄い、残りを蓄電池に深夜充電した電力で補うことによるシステムにより需要家メリットの向上を図るようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、蓄電装置に頼らず、複数の太陽光発電装置ユニットを随時オン/オフ制御することで安定した電力を供給することができるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−32912号公報
【特許文献2】特開2009−60704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のものは、シミュレーション計算により時刻別発電量を求めて最大月の該発電量(1日)で蓄電池容量を決定し、翌日太陽光発電量を予測して蓄電池容量と翌日発電量の差を深夜充電・昼間放電に使用するので、効率よく負荷平準化を図ることができるが、蓄電池を必要とするので高価となる。また、特許文献2のものは、複数の太陽光発電装置ユニットを随時オン/オフ制御するので、蓄電装置に頼らず安定した電力を供給できるが、太陽光発電設備をオフ制御することから太陽光発電設備の発電電力を必ずしも有効活用できるものではない。
【0006】
将来的には、出力変動の大きい太陽光発電設備が系統に大量導入される見通しであり、太陽光発電設備が系統の一箇所に集中して接続されると、配電線の安定性について考慮することが重要となる。
【0007】
例えば、小規模の需要家に設置される太陽光発電設備は、通常、配電変圧器の二次側の配電線に配電変圧器を介して接続され、一旦、太陽光発電設備が配電変圧器の二次側に接続されると、その接続の変更ができないので、地理的条件や気象条件によって細かく出力変動する太陽光発電設備が同じ配電線に集中して接続されると、配電線の特定の相の出力変動が大きくなり、配電系統の安定性を保つことが難しい場合が想定される。
【0008】
本発明の目的は、各々の太陽光発電設備の出力変動量を平滑化させる組合せを選択して配電線への接続切替を行い、太陽光発電設備が接続される配電線の出力変動を効果的に抑制できる太陽光発電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明に係る太陽光発電システムは、配電線の配電変圧器の二次側に接続された太陽光発電設備と、前記配電変圧器の二次側に接続され前記太陽光発電設備で発電した電力や前記配電線の余剰電力を充電するとともに前記配電線の電力が不足したときは放電する蓄電装置と、前記太陽光発電設備の天候条件や地理的条件により変動する出力変動量の実績値を予め太陽光発電設備毎に個別に記憶した記憶部と、予想される天候条件及び前記記憶部に記憶された各々の太陽光発電設備の出力変動量の実績値に基づいて各々の太陽光発電設備の予想出力変動量を算出する出力変動算出部と、前記出力変動算出部で算出された各々の太陽光発電設備の予想出力変動量を平滑化させる前記太陽光発電設備の組合せを選択する組合せ選択部と、前記組合せ選択部で選択された太陽光発電設備が配電線の同一相に接続されるように前記太陽光発電設備の接続切替を行う接続切替部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明に係る太陽光発電システムは、請求項1の発明において、前記蓄電装置は、前記配電変圧器の二次側に代えて、前記配電変圧器の一次側の配電線の各相毎に接続し、前記配電線の各相毎の電力のアンバランスを吸収することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明に係る太陽光発電システムは、請求項1の発明において、前記蓄電装置は、前記配電変圧器の二次側に代えて、前記配電変圧器の一次側の配電線に共用の蓄電装置を設け、前記配電線の各相に接続切替をして、前記配電線の各相毎の電力のアンバランスを吸収することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、現在の各々の太陽光発電設備の出力変動量を平滑化させる太陽光発電設備の組合せを選択し、選択された太陽光発電設備が配電線の同一相に接続されるように太陽光発電設備の接続切替を行うので、天候によって各々の太陽光発電設備の出力変動量が変化した場合であっても、3相にバランスして各々の太陽光発電設備から電力を供給できる接続とすることができる。従って、太陽光発電設備が接続される配電線の電力変動を抑制でき配電線の安定性が保たれる。また、配電線の電力変動を抑制できることから蓄電装置の容量を低減でき、蓄電装置の3相の配電線への接続も選択的に切り替えが可能となる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、太陽光発電設備が接続された配電線の各相毎に蓄電装置を設けたので、各々の太陽光発電設備毎に蓄電装置を設ける必要がなく、配電線で三相の電力バランスが崩れた場合であっても各相毎に蓄電装置により電力変動を吸収できる。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、太陽光発電設備が接続された配電線に共用の蓄電装置を設け、切り替えて使用するので、各々の太陽光発電設備毎に蓄電装置を設ける必要がなく、しかも必要な蓄電装置の容量を低減することができ、配電線で三相の電力バランスが崩れた場合であっても蓄電装置により電力変動を吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図である。
【0016】
3相の配電線11には配電変圧器12を介して複数の太陽光発電設備13及び複数の蓄電装置14が接続されている。配電変圧器12は単相変圧器であり、一次側は3相の配電線11の2相間に接続され、二次側は単相2線式あるいは単相3線式となっている。単相2線式の場合には2本の電線間に太陽光発電設備13が接続され、単相3線式の場合には中性線と2本の電圧線のいずれかの電圧線との間に太陽光発電設備13が接続される。太陽光発電設備13及び蓄電装置14はインバータを有し、交直変換を行って配電変圧器12に接続されている。
【0017】
配電変圧器12の一次側には接続切替部15が設けられており、3相の配電線11の2相間のいずれかに接続切替ができるようになっている。すなわち、3相のRSTのRS相、ST相、TR相に接続切替が可能となっている。接続切替部15は、演算制御装置16からの切替指令に基づき配電線11のRS相、ST相、TR相のいずれかに配電変圧器12を接続する。これにより、配電変圧器12の二次側に接続された太陽光発電設備13が配電線11のRS相、ST相、TR相のいずれかに接続されることになる。
【0018】
演算制御装置16の記憶部17には、各々の太陽光発電設備13について、天候条件や地理的条件により変動する出力変動量の実績値が予め個別に記憶されている。太陽光発電設備13は日照時間が大きな要因となることから、天候条件として、晴れ、曇り、雨などの場合の出力変動量、晴れであっても雲の量により日照時間が変化するので過去の出力変動量の実績値を記憶しておく。また、地理的条件として、太陽光発電設備13が設置された周囲の状況により、日陰となる時間帯や出力変動量を実績値として記憶しておく。
【0019】
出力変動算出部18は、予想される天候条件を入力し、記憶部17に記憶された各々の太陽光発電設備13の出力変動量の実績値に基づいて各々の太陽光発電設備13の予想される出力変動量を算出する。
【0020】
出力変動算出部18で算出された各々の太陽光発電設備13の予想される出力変動量は、組合せ選択部19に入力される。組合せ選択部19は、各々の太陽光発電設備13の予想出力変動量の相関値を求め、その求めた相関値を基に、配電線11の各相における太陽光発電設備13の出力変動量の合計が最小化するような太陽光発電設備13の組合せを選択する。これは、太陽光発電設備13の出力は、地理的条件や気象条件によって、細かく出力変動し、それらの出力変動は、太陽光発電設備13の組み合わせによって平滑化効果の高い組み合わせとそうでない組み合わせとが存在するからである。
【0021】
そして、組合せ選択部19は、出力変動量の合計が最小化するような組合せの太陽光発電設備13となるように、接続切替部15に出力部20を介して切替指令を出力する。これにより、接続切替部15は、切替指令で指定された配電線11のRS相、ST相、TR相のいずれかの相に配電変圧器12を介して太陽光発電設備13を接続する。
【0022】
つまり、組合せ選択部19は、出力変動量が平滑化されるグループは配電線11の同一相に接続し、出力変動量が相乗化するグループペアは配電線11の異相間に接続するように、太陽光発電設備13の接続相を決定する。また、配電変圧器12の二次側に接続されている蓄電装置14に余剰電力を吸収させる際も、同様に、配電変圧器12の送り元の相別に割当て量を決定することになる。
【0023】
第1の実施の形態によれば、組合せ選択部19で選択された出力変動量が平滑化される太陽光発電設備13の組合せで、それらの太陽光発電設備13を配電線11の同一相に接続するので、天候に左右されずに配電線11の安定性を保つことができる。
【0024】
例えば、晴れの場合は、出力変動が少ないため、配電線の3相の各相にバランスして太陽光発電設備13から電力を逆潮流させる接続を選択し、曇りの様に出力変動が大きい天候の場合は、平滑化効果の高い接続を選択することによって、天候に即した逆潮流(売電)が実現することが可能となり配電線11の安定性が保たれる。また、配電線の各相の出力変動量が平滑化されるので、蓄電装置14の容量を低減できる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図2は本発明の第2の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、配電変圧器12の二次側に接続されていた蓄電装置14を、配電変圧器12の一次側の配電線11の各相毎に接続したものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0026】
図2に示すように、配電変圧器12の一次側の配電線11のRS相、ST相、TS相の3相に、それぞれ蓄電装置14が接続されている。平滑化効果の高い太陽光発電設備13の組み合わせを選択的に配電線11の同一相に接続させた場合、配電変圧器12の送り元の配電線11で3相電力のバランスが崩れる場合が考えられる。そこで、配電線11の各相毎の電力のアンバランスを配電変圧器12の送り元の配電線11に設置された蓄電装置14により吸収させる。配電線11の各相毎の電力のアンバランスは、図示省略の各相に設けられた電力計で測定され、図示省略の制御装置にて蓄電装置14に充放電指令を出力することにより、配電線11の各相毎の電力のアンバランスを吸収する制御が行われる。例えば、RS相の電力が増加した場合には、RS相の蓄電装置14に余剰電力を充電し、TR相の電力が不足しているときはTR相の蓄電装置14からTR相に放電する。これにより、配電線11の各相毎の電力のアンバランスを吸収する。
【0027】
第2の実施の形態によれば、配電線11に蓄電装置14を設置したので、太陽光発電設備13毎に設ける必要がなく、また、平滑化効果の高い太陽光発電設備13の組み合わせを選択的に配電線11の同一相に接続させた場合であっても、配電線11の各相毎の電力のアンバランスを吸収できる。
【0028】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図3は本発明の第3の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図である。この第3の実施の形態は、図2に示した第2の実施の形態に対し、配電線11の各相に設けた蓄電装置14に代えて、一つの蓄電装置14及び切替装置21を設け、切替装置21で配電線11に接続する相を切り替えて蓄電装置14を共用するようにしたものである。図2と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0029】
図3に示すように、蓄電装置14は切替装置21を介して配電変圧器12の一次側の配電線11に接続されている。切替装置14は、RS相、ST相、TS相の3相のいずれかに蓄電装置14を切り替えて接続するものである。前述したように、平滑化効果の高い太陽光発電設備13の組み合わせを選択的に配電線11の同一相に接続させた場合には、配電変圧器12の送り元の配電線11で3相電力のバランスが崩れる場合が考えられる。
【0030】
そこで、切替装置21により、配電線11の各相毎の電力のアンバランスが吸収できるように、蓄電装置14を配電線11のいずれかの相に接続する。例えば、RS相の電力が増加した場合には、RS相に蓄電装置14を接続して蓄電装置14に余剰電力を充電する。また、TR相の電力が不足しているときは、TR相に蓄電装置14を接続して蓄電装置14からTR相に放電する。これにより、配電線11の各相毎の電力のアンバランスを吸収する。
【0031】
第3の実施の形態によれば、配電線11に一つの蓄電装置14及び切替装置21を設置し、蓄電装置14の3相への接続を選択的に切り替え可能としたので、平滑化効果の高い太陽光発電設備13の組み合わせを選択的に配電線11の同一相に接続させた場合であっても、蓄電装置14の接続を切り替えることにより、配電線11の各相毎の電力のアンバランスを吸収できる。また、配電線11の各相毎に蓄電装置14を設ける必要がなく、必要な蓄電装置14の容量を低減することが可能である。
【0032】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図4は本発明の第4の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図である。この第4の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、単相の配電変圧器12に代えて、三相の配電変圧器12あるいは2台の単相変圧器をV結線した配電変圧器12とし、配電変圧器12の二次側を3相3線式としたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0033】
単相の配電変圧器12に代えて、三相の配電変圧器12あるいは2台の単相変圧器をV結線した配電変圧器12としたことから、図4に示すように、配電変圧器12の二次側は3相3線式となっており、3相のうちのいずれかの2相間に太陽光発電設備13及び蓄電装置14が接続される。そして、太陽光発電設備13の接続切替を行う接続切替部15は配電変圧器12の二次側に設けられている。
【0034】
すなわち、配電変圧器12の二次側において、配電線11の3相のRSTのRS相、ST相、TR相に接続切替が可能となっている。接続切替部15は、演算制御装置16からの切替指令に基づき、各々の太陽光発電設備13の予想出力変動量を平滑化させる組合せとなるように、太陽光発電設備13を配電線11のRS相、ST相、TR相のいずれかに配電変圧器12を接続する。
【0035】
このように、三相の配電変圧器12あるいは2台の単相変圧器をV結線した配電変圧器12の場合には、配電変圧器12の二次側において、太陽光発電設備13が配電線11のRS相、ST相、TR相のいずれかに接続切替されることになるので、接続切替部15は低圧用の開閉器でよい。
【0036】
第4の実施の形態によれば、三相の配電変圧器12あるいは2台の単相変圧器をV結線した配電変圧器12で二次側が3相三線式の場合であっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。すなわち、太陽光発電設備13が接続される配電線11の電力変動を抑制でき配電線11の安定性が保たれる。また、配電線11の電力変動を抑制できることから蓄電装置14の容量を低減でき、蓄電装置14の3相の配電線11への接続も選択的に切り替えが可能となる。
【0037】
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。図5は本発明の第5の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図である。この第5の実施の形態は、図4に示した第4の実施の形態に対し、配電変圧器12の二次側に接続されていた蓄電装置14を、配電変圧器12の一次側の配電線11の各相毎に接続したものである。図4と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0038】
図5に示すように、配電変圧器12の一次側の配電線11のRS相、ST相、TS相の3相に、それぞれ蓄電装置14が接続されている。平滑化効果の高い太陽光発電設備13の組み合わせを選択的に配電線11の同一相に接続させた場合には、配電変圧器12の送り元の配電線11で3相電力のバランスが崩れる場合があるので、配電線11の各相毎の電力のアンバランスを配電変圧器12の送り元の配電線11に設置された蓄電装置14により吸収させる。
【0039】
配電線11の各相毎の電力のアンバランスは、図示省略の各相に設けられた電力計で測定され、図示省略の制御装置にて蓄電装置14に充放電指令を出力することにより、配電線11の各相毎の電力のアンバランスを吸収する制御が行われる。
【0040】
第5の実施の形態によれば、二次側が3相三線式の配電変圧器12の場合であっても、太陽光発電設備13毎に蓄電装置14を設ける必要がなく、配電線11の各相毎の電力のアンバランスを吸収できる。
【0041】
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。図6は本発明の第6の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図である。この第6の実施の形態は、図5に示した第5の実施の形態に対し、配電線11の各相に設けた蓄電装置14に代えて、一つの蓄電装置14及び切替装置21を設け、切替装置21で配電線11に接続する相を切り替えて蓄電装置14を共用するようにしたものである。図5と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0042】
図6に示すように、蓄電装置14は切替装置21を介して配電変圧器12の一次側の配電線11に接続されている。切替装置14は、RS相、ST相、TS相の3相のいずれかに蓄電装置14を切り替えて接続するものである。前述したように、平滑化効果の高い太陽光発電設備13の組み合わせを選択的に配電線11の同一相に接続させた場合には、配電変圧器12の送り元の配電線11で3相の電力のバランスが崩れる場合があるので、切替装置21により、電力のアンバランスが生じた配電線11の相に蓄電装置14を接続し、蓄電装置14の充放電制御により、配電線11の3相の電力のアンバランスを吸収する。
【0043】
第6の実施の形態によれば、二次側が3相三線式の配電変圧器12の場合であっても、太陽光発電設備13毎に蓄電装置14を設ける必要がなく、また、配電線11の各相毎に蓄電装置14を設ける必要がなく、配電線11の各相毎の電力のアンバランスを吸収できる。従って、必要な蓄電装置14の容量を低減できる。
【符号の説明】
【0044】
11…配電線、12…配電変圧器、13…太陽光発電設備、14…蓄電装置、15…接続切替部、16…演算制御装置、17…記憶部、18…出力変動算出部、19…組合せ選択部、20…出力部、21…切替装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電線の配電変圧器の二次側に接続された太陽光発電設備と、
前記配電変圧器の二次側に接続され前記太陽光発電設備で発電した電力や前記配電線の余剰電力を充電するとともに前記配電線の電力が不足したときは放電する二次電池と、
前記太陽光発電設備の天候条件や地理的条件により変動する出力変動量の実績値を予め太陽光発電設備毎に個別に記憶した記憶部と、
予想される天候条件及び前記記憶部に記憶された各々の太陽光発電設備の出力変動量の実績値に基づいて各々の太陽光発電設備の予想出力変動量を算出する出力変動算出部と、
前記出力変動算出部で算出された各々の太陽光発電設備の予想出力変動量を平滑化させる前記太陽光発電設備の組合せを選択する組合せ選択部と、
前記組合せ選択部で選択された太陽光発電設備が配電線の同一相に接続されるように前記太陽光発電設備の接続切替を行う接続切替部と、
を備えたことを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項2】
前記二次電池は、前記配電変圧器の二次側に代えて、前記配電変圧器の一次側の配電線の各相毎に接続し、前記配電線の各相毎の電力のアンバランスを吸収することを特徴とする請求項1記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
前記二次電池は、前記配電変圧器の二次側に代えて、前記配電変圧器の一次側の配電線に共用の二次電池を設け、前記配電線の各相に接続切替をして、前記配電線の各相毎の電力のアンバランスを吸収することを特徴とする請求項1記載の太陽光発電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−10536(P2012−10536A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145823(P2010−145823)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】