説明

太陽電池の製造方法

【課題】従来の太陽電池の製造設備を用いて最小限の工程数の増加で、基板を薄くした太陽電池のセル特性を低下させることなく、また裏面電極上に突起が形成されることのない太陽電池の製造方法を得ること。
【解決手段】受光面側にn型拡散層13が形成されたp型シリコン基板12の受光面上に銀ペーストで表面電極形状の表面電極形成層を形成し、受光面に対向する裏面上に銀ペーストで裏面取出電極形状の裏面取出電極形成層321を形成し、アルミニウムを含むペーストで裏面集電電極形状の裏面集電電極形成層311を形成した後、焼成して太陽電池を製造する太陽電池の製造方法において、アルミニウム濃度が異なる複数種類のペーストで形成した裏面集電電極形状のアルミニウムペースト層311−1,311−2を複数積層して裏面集電電極形成層311を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、太陽電池の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽電池の裏面電極の形成には、従来よりアルミニウムペーストが用いられている。アルミニウムペーストは、スクリーン印刷法などの方法によって簡便に電極を形成でき、また、加熱処理によって容易にアルミニウムをシリコン基板内に拡散させて、p型不純物が高濃度に拡散したp+層をシリコン基板の裏面に形成することができる。このp+層は、太陽電池内部に少数キャリアに対する障壁電界を生じさせて多数キャリアの収集効率を向上させる、所謂BSF(Back Surface Field)効果を有する。
【0003】
一方、今後見込まれるシリコン太陽電池の急激な普及に対してシリコン原料の不足が懸念されており、その対策としてシリコン基板を従来の200μm程度から、さらに一層薄くすることで原料を効率よく利用し、太陽電池の製造コストを下げるとともに、生産数を増加させる試みがなされている。
【0004】
しかしながら、シリコン基板を薄くすると、裏面電極の形成に使用するアルミニウムペーストの焼成処理の後の冷却時にアルミニウムとシリコンの熱膨張係数の違いに起因する反りが発生し、製造プロセスにおける太陽電池の破損率が急激に増加してしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、アルミニウムペーストを加熱処理して形成させるp+層の代わりにシリコン基板の裏面の欠陥を不活性化させるシリコン窒化膜やシリコン酸化膜などの裏面パッシベーション膜を形成し、このパッシベーション膜にレーザを用いてコンタクトホールを形成して、裏面電極をコンタクトさせることによって、反りを抑えつつ良好な太陽電池の特性を維持する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
また、太陽電池の焼成時の反りの増大を抑えるために、基板を薄くすると同時にアルミニウムペーストの厚さを減少させる方法が考えられるが、現状の方法ではアルミニウムペーストを30μmよりも薄くすると太陽電池のセル特性の低下のリスクが発生する。そこで、アルミニウムペーストを焼成する際に、酸素と窒素の分圧の和を10kPa以下となるように調整した環境下で、シリコン基板の裏面全体に形成されるアルミニウム−シリコン合金層と未反応のアルミニウム焼結層の厚さの比を制御することで、焼成後にシリコン基板中に形成されるBSF効果をもつp+層を効率よく形成し、アルミニウムペースト自体の厚さを抑制させる方法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0007】
また、裏面電極とシリコン基板との界面にシリコンを含有したアルミニウムペーストを用い、それより外側にシリコン含有量を少なくしたアルミニウムペーストを用いることによって、焼成時のアルミニウムとシリコンの熱膨張係数の差異を小さくし、反りを低減させる方法も提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−299844号公報
【特許文献2】特開2005−5436号公報
【特許文献3】国際公開第2006/011595号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1による方法では、裏面にパッシベーション膜を形成後にコンタクトホールを形成するためにレーザを用いて開口する工程と、レーザによる開口部に正確に裏面電極を位置合わせする工程と、が必要となり、さらに焼成が数回にわたって行われる。その結果、現在広く用いられている方法と比較すると大幅に工程が増加してしまうという問題点があった。
【0010】
また、特許文献2による方法では、焼成時にアルミニウム−シリコン合金層の形成を阻害する要因となる酸素と窒素の分圧を低くするため、雰囲気を制御可能な焼成炉が必要となり、既存設備を利用することは困難であるという問題点があった。
【0011】
さらに、特許文献3による方法では、焼成時にシリコン基板と接するシリコンを含むアルミニウムペーストが急激に反応してしまい、裏面電極上に突起の発生が懸念されるという問題点があった。
【0012】
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、従来の太陽電池の製造設備を用いて最小限の工程数の増加で、基板を薄くした太陽電池のセル特性を低下させることなく、また裏面電極上に突起が形成されることのない太陽電池の製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、この発明にかかる太陽電池の製造方法は、受光面側に第1の導電型の不純物拡散層が形成された第2の導電型の半導体基板の前記受光面上に銀ペーストで表面電極形状の表面電極形成層を形成し、前記受光面に対向する裏面上に銀ペーストで裏面取出電極形状の裏面取出電極形成層を形成し、第2の導電型の不純物元素を含むペーストで裏面集電電極形状の裏面集電電極形成層を形成した後、焼成して太陽電池を製造する太陽電池の製造方法において、前記第2の導電型の不純物元素の濃度が異なる複数種類のペーストで形成した前記裏面集電電極形状のペースト層を複数積層して前記裏面集電電極形成層を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、第2の導電型不純物の濃度を異ならせた複数のペーストを用いて複数回にわたってペースト層を形成して裏面集電電極形成層を形成するようにしたので、従来の太陽電池の製造設備を用いて最小限の工程数の増加だけで、薄い半導体基板から従来に比してセル特性が低下しない太陽電池を製造することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1−1】図1−1は、一般的な太陽電池の全体構成の一例を模式的に示す上面図である。
【図1−2】図1−2は、図1−1の太陽電池の裏面図である。
【図1−3】図1−3は、図1−2のA−A断面図である。
【図2】図2は、図1−1〜図1−3に示される太陽電池のグリッド電極周辺の一部を拡大して示す断面図である。
【図3−1】図3−1は、この実施の形態による太陽電池の製造方法の処理手順の一例を模式的に示す断面図である(その1)。
【図3−2】図3−2は、この実施の形態による太陽電池の製造方法の処理手順の一例を模式的に示す断面図である(その2)。
【図3−3】図3−3は、この実施の形態による太陽電池の製造方法の処理手順の一例を模式的に示す断面図である(その3)。
【図3−4】図3−4は、この実施の形態による太陽電池の製造方法の処理手順の一例を模式的に示す断面図である(その4)。
【図3−5】図3−5は、この実施の形態による太陽電池の製造方法の処理手順の一例を模式的に示す断面図である(その5)。
【図3−6】図3−6は、この実施の形態による太陽電池の製造方法の処理手順の一例を模式的に示す断面図である(その6)。
【図3−7】図3−7は、この実施の形態による太陽電池の製造方法の処理手順の一例を模式的に示す断面図である(その7)。
【図3−8】図3−8は、この実施の形態による太陽電池の製造方法の処理手順の一例を模式的に示す断面図である(その8)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、この発明の実施の形態にかかる太陽電池の製造方法を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態で用いられる太陽電池の断面図は模式的なものであり、層の厚みと幅との関係や各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる。
【0017】
実施の形態.
最初に、この実施の形態によって製造される太陽電池の構成の概要について説明する。図1−1〜図1−3は、一般的な太陽電池の全体構成の一例を模式的に示す図であり、図1−1は太陽電池の上面図であり、図1−2は太陽電池の裏面図であり、図1−3は図1−2のA−A断面図である。また、図2は、図1−1〜図1−3に示される太陽電池のグリッド電極周辺の一部を拡大して示す断面図である。
【0018】
図1−1〜図1−3に示されるように、太陽電池10は、半導体基板としてのp型シリコン基板(以下、単にシリコン基板ともいう)12と、このp型シリコン基板12の一方の主面(受光面)側の表面に形成されるn型の不純物を拡散させたn型拡散層13と、他方の主面(裏面)側の表面に形成されるシリコン基板12よりも高濃度にp型の不純物を含んだp+層14と、を含む光電変換層11を備える。
【0019】
また、太陽電池10は、光電変換層11の受光面への入射光の反射を防止するシリコン窒化膜またはシリコン酸化膜などからなる反射防止膜15と、光電変換層11で発電された電気を局所的に集電するために受光面に所定のピッチで複数平行に設けられる銀などからなるグリッド電極21と、グリッド電極21で集電された電気を外部に取り出すためにグリッド電極21にほぼ直交して設けられる銀などからなるバス電極22と、光電変換層11で発電された電気の集電と光電変換層11を透過した入射光の反射を目的としてp型シリコン基板12の裏面のほぼ全面に設けられるアルミニウムなどからなる裏面集電電極31と、この裏面集電電極31に生じた電気を外部に取り出す銀などからなる裏面取出電極32と、を備える。なお、受光面側(表面側)のグリッド電極21とバス電極22とを合わせて、以下では、表面電極20ともいい、裏面側の裏面集電電極31と裏面取出電極32とを合わせて、以下では、裏面電極30ともいう。また、太陽電池10の受光面側には、微細な凹凸が形成されたテクスチャ構造を有していてもよい。このテクスチャ構造は、太陽電池の表面で光の多重反射を生じさせて、実効的に反射率を低減し、変換効率を高めるために設けられる構造である。
【0020】
このように構成された太陽電池10では、太陽光が太陽電池10の受光面側からpn接合面(p型シリコン基板12とn型拡散層13との接合面)に照射されると、ホールと電子が生成する。pn接合面付近の電界によって、生成した電子はn型拡散層13に向かって移動し、ホールはp+層14に向かって移動する。これにより、n型拡散層13に電子が過剰となり、p+層14にホールが過剰となる結果、光起電力が発生する。この光起電力はpn接合を順方向にバイアスする向きに生じ、n型拡散層13に接続した表面電極20がマイナス極となり、p+層14に接続した裏面電極30がプラス極となり、図示しない外部回路に電流が流れる。
【0021】
つぎに、このような構造の太陽電池10の製造方法について説明する。図3−1〜図3−8は、この実施の形態による太陽電池の製造方法の処理手順の一例を模式的に示す断面図である。なお、ここでは図2に対応する断面領域を用いて、太陽電池の製造方法について説明を行う。
【0022】
まず、p型シリコン基板12を用意する(図3−1)。シリコン基板12としては、単結晶基板でも多結晶基板でもよい。たとえば、多結晶シリコン基板の場合には、多結晶シリコンインゴットからマルチワイヤソーでスライスしたものを、80〜100℃程度の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液、または室温程度のフッ酸と硝酸の混合溶液などの酸溶液を用いたエッチングによって、スライス時に形成されたダメージ層が取り除かれたp型シリコン基板12を用意する。また、この後、濃度が1〜数%の水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液でシリコン基板をエッチングすることによって、シリコン基板12の表面に微細な凹凸構造からなるテクスチャ構造を形成してもよい。
【0023】
ついで、ダメージ除去後のシリコン基板12を熱酸化炉へ投入し、n型の不純物としてのリン(P)の雰囲気下で加熱し、シリコン基板12表面にリンを拡散させ、導電型を反転させたn型拡散層13を形成する(図3−2)。ここではリン雰囲気の形成にオキシ塩化リン(POCl3)を用いて、800〜850℃で拡散させる。このn型拡散層13の形成直後の表面には、ガラスを主成分とする膜が形成されているので、フッ酸などを用いて除去する。また、特に工夫の無い場合には、n型拡散層13はp型シリコン基板12の全面に形成されるので、受光面側をレジストや耐酸性樹脂などで保護した後に、フッ硝酸溶液中にシリコン基板12を浸漬してシリコン基板12の端面と裏面側に形成されたn型拡散層13を除去することができる。
【0024】
その後、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法などの成膜法によって、n型拡散層13の表面に反射防止膜15としてシリコン窒化膜またはシリコン酸化膜を形成する(図3−3)。反射防止膜15の膜厚および屈折率は、光反射を最も抑制する値に設定する。なお、反射防止膜15として、屈折率の異なる2層以上の膜を積層してもよい。
【0025】
ついで、スクリーン印刷法によって、銀とガラスを主成分とするペーストで、シリコン基板12の裏面の所定の位置(裏面取出電極32の形成位置)に裏面取出電極形成層321を印刷する(図3−4)。
【0026】
その後、スクリーン印刷法などの方法によって、アルミニウムとガラスを主成分に含むペーストを裏面集電電極31となる裏面集電電極形成層311を形成するが、このとき、アルミニウム含有量の異なる複数種類のアルミニウムペーストを用いて、複数のアルミニウムペースト層からなる裏面集電電極形成層311を形成する。たとえば、工程数の増加を最小限に抑えたい場合には、アルミニウム含有量の異なる2種類のアルミニウムペーストを用いて、2層のアルミニウムペースト層を形成すればよい。また、BSF効果を得るためには、シリコン基板12の裏面の直上に形成するアルミニウムペースト層の方が、より外側に形成されるアルミニウムペースト層よりもアルミニウムの含有量が多い方が望ましい。
【0027】
この裏面集電電極形成層311の形成方法の一例について詳細に説明すると、アルミニウムを高濃度に含み、アルミニウムとガラスなどを主成分とする第1のアルミニウムペーストを、スクリーン印刷法によって、シリコン基板12の裏面の裏面取出電極形成層321が形成されていない領域と、すべての裏面取出電極形成層321と一部が重なるように、第1のアルミニウムペースト層311−1を印刷する(図3−5)。このとき用いられる第1のアルミニウムペースト中のアルミニウム濃度は65〜75%である。第1のアルミニウムペースト中のアルミニウム濃度が65%より減少すると、焼成時に形成されるBSF効果を有するp+層14が薄くなってしまい、太陽電池の特性が低下してしまう。また、逆に第1のアルミニウムペースト中のアルミニウム濃度を75%よりも増加させると、BSF効果を有するp+層14の厚さが厚くなり、太陽電池の特性は向上するが、アルミニウムペーストに含まれるアルミニウムとシリコン基板12との反応が急激に進むようになり、焼成後に突起が発生し、反りが増加してしまう。以上の理由によって、第1のアルミニウムペースト中のアルミニウム濃度は65〜75%であることが望ましい。また、第1のアルミニウムペースト層311−1の厚さは10μm程度が望ましい。
【0028】
さらに、第1のアルミニウムペーストよりも低濃度のアルミニウムとガラスなどを主成分とする第2のアルミニウムペーストを、スクリーン印刷法によって、第1のアルミニウムペースト層311−1上に第2のアルミニウムペースト層311−2を印刷する(図3−6)。このとき用いられる第2のアルミニウムペースト中のアルミニウム濃度は、第1のアルミニウムペーストのアルミニウム濃度よりも低ければよく、たとえば40〜50%である。これは、BSF効果を有するp+層14を形成するのは、アルミニウムペーストに含まれるアルミニウムのうちシリコン基板12に近い一部分のみであるので、シリコン基板12から遠い側のアルミニウム濃度、すなわち第2のアルミニウムペースト層311−2のアルミニウム濃度を抑えることでシリコン基板12との急激な反応を抑制できるからである。また、第2のアルミニウムペースト層311−2の厚さは15μm程度が望ましい。以上のようにして、第1と第2のアルミニウムペースト層311−1,311−2が積層した裏面集電電極形成層311が形成される。
【0029】
ついで、反射防止膜15上には、スクリーン印刷法によって、銀とガラスなどを主成分として含むペーストを、グリッド電極形状およびバス電極形状に印刷し、表面電極形成層211を形成する(図3−7)。
【0030】
その後、780〜850℃で数分〜十数分間焼成を行う(図3−8)。その結果、p型シリコン基板12の裏面側では、焼成中に裏面集電電極形成層311からp型の不純物としてのアルミニウムがp型シリコン基板12中に拡散し、アルミニウムを高濃度に含んだp+層14が形成されると同時に、裏面集電電極31とシリコン基板12との間でコンタクトが取られる。この焼成処理で拡散に使用されずに残ったアルミニウムペーストは、アルミニウム層となる。また、表面側では、ガラス成分および銀フリットから構成される表面電極形成層211が、焼成中に反射防止膜15としてのシリコン窒化膜やシリコン酸化膜を溶融、貫通し、n型拡散層13と電気的な接触を取る(ファイヤスルー)ことが可能な表面電極20(グリッド電極21、バス電極22)となる。
【0031】
なお、この焼成工程においては、裏面集電電極形成層311のシリコン基板12の裏面と接する側、すなわちアルミニウム濃度が相対的に高い第1のアルミニウムペースト層311−1でのアルミニウムとシリコンとの反応を促進し、裏面集電電極形成層311のシリコン基板12の裏面と接しない側(外側)、すなわちアルミニウム濃度が相対的に低い第2のアルミニウムペースト層311−2でのアルミニウムとシリコンとの反応を抑制することができる。その結果、シリコン基板12の裏面側に、アルミニウムとシリコンとが急激に反応することによって生じる突起が形成されることがない。
【0032】
以上のようにして、図1−1〜図2に示される太陽電池10が製造される。
【0033】
この実施の形態によれば、裏面集電電極形成層の形成をアルミニウム濃度の異なる2種類のペーストを用いて2回に分けて行うようにしたので、従来の製造方法に比べて工程は1つ増えるが、使用するアルミニウムペーストの厚さ(量)が、従来では30μm必要としていたものを、25μm程度に抑えることができる。また、アルミニウムペーストの量を従来に比して抑えることができるので、反りが小さくなり、太陽電池の割れの発生を抑えることができるという効果を有する。さらに、アルミニウムペーストには、特許文献3に示したようにシリコン粉末が含まれないので、焼成処理時に、アルミニウムとシリコンとの急激な反応が生じず、突起が形成されることもない。その結果、従来の方法で作製した太陽電池セルと同等の電気特性を有する太陽電池を得ることができる。また、この太陽電池の製造方法によって、シリコン基板をさらに薄くすることができるとともに、アルミニウムペーストの量も抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明にかかる太陽電池の製造方法は、200μmよりも薄い半導体基板を用いた太陽電池の製造に有用である。
【符号の説明】
【0035】
10 太陽電池
11 光電変換層
12 p型シリコン基板
13 n型拡散層
14 p+層
15 反射防止膜
20 表面電極
21 グリッド電極
22 バス電極
30 裏面電極
31 裏面集電電極
32 裏面取出電極
211 表面電極形成層
311 裏面集電電極形成層
311−1 第1のアルミニウムペースト層
311−2 第2のアルミニウムペースト層
321 裏面取出電極形成層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光面側に第1の導電型の不純物拡散層が形成された第2の導電型の半導体基板の前記受光面上に銀ペーストで表面電極形状の表面電極形成層を形成し、前記受光面に対向する裏面上に銀ペーストで裏面取出電極形状の裏面取出電極形成層を形成し、第2の導電型の不純物元素を含むペーストで裏面集電電極形状の裏面集電電極形成層を形成した後、焼成して太陽電池を製造する太陽電池の製造方法において、
前記第2の導電型の不純物元素の濃度が異なる複数種類のペーストで形成した前記裏面集電電極形状のペースト層を複数積層して前記裏面集電電極形成層を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項2】
前記ペースト層は、前記半導体基板の前記裏面側に近いほど、前記第2の導電型の不純物元素の濃度が高くなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項3】
前記第2の導電型の半導体基板は、p型シリコン基板であり、
前記ペーストに含まれる前記第2の導電型の不純物元素は、アルミニウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池の製造方法。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図3−6】
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【図3−7】
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【図3−8】
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