説明

太陽電池モジュール用水切り構造

【課題】太陽電池モジュールを設置された屋根等の敷設面において、太陽電池モジュールの取付金具の取付面等から雨水が家屋に侵入するのを防止し、さらに、経年劣化に耐え、太陽電池モジュールを取り付ける家屋等に対する負担の小さい水切り構造を提供する。
【解決手段】下端面が開口した中空のキャップ状体からなる水切りカバー2と、敷設面1上に載置されると共に、取付ネジ41bによって敷設面1に取り付けるための取付孔41aが形成された基底部41と、水切りカバー2を介して太陽電池モジュール3を載置するための載置部43と、を備えた設置金具4と、を有し、設置金具4が、取付孔41aに取付ネジ41bを挿通させることにより、敷設面1上に取り付けられ、水切りカバー2が、開口面より、敷設面1上に設置された設置金具4を覆い、太陽電池モジュール3が、敷設面1上に設置された設置金具4の載置部43上に、水切りカバー2を介して載置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを屋根等に取り付ける際の水切り構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に対する関心や政策等から、公共施設や一般家庭など、至る場所で太陽電池の設置が進められている。
太陽電池を屋外に設置する場合、多くは施設あるいは家屋の屋根への設置が想定されるが、風雨に十分に耐え得る構造が必要となる。そのため、屋根等の敷設面への太陽電池の固定に際しては、ボルトやビスなどが使われている。
【0003】
一方、屋根等の敷設面の多くは本来、太陽電池を取り付けることを想定して作られてはいない。そのため、太陽電池の取り付けに際しては、取付面等から雨水が侵入して家屋の雨漏りを引き起こすことがないよう配慮する必要がある。
そして、防水機能の付加においては、これまでシーリングに頼ったものが多かったが、シーリング材の経年劣化や、作業者の熟練度による仕上がりのバラつきなど、改善の余地があった。
【0004】
この点、特許文献1では、屋根上機器を、第一取付桟を介して、屋根面上に取り付けるようにした屋根上機器の取付構造であって、前記第一取付桟が、屋根面上に固定される長尺の固定部材と、該固定部材に対して上から固定される長尺の水切板とから構成される構造が提案されている。
また、特許文献2では、傾斜した屋根の上に雨水が流下する金属板を配し、この金属板の上に太陽光利用機器を設置する屋根設置架台を配設した太陽光利用システムであって、前記屋根設置架台は、太陽光利用機器を固定する支持体と、この支持体を覆うカバー体とから成り、前記金属板における屋根設置架台の配設領域の上流部分に当該金属板を折り曲げて成る鍔部を形成し、この鍔部の下に前記カバー体の端部を挿入した太陽光利用システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−155804号公報
【特許文献2】特開2006−89978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、屋根面上に固定され、水切板を取り付ける固定部材が、屋根面上に取り付けられる全ての太陽電池モジュールの取付幅と同程度に長尺の部材からなる。そのために重量が大きくなり、取付家屋等に対する負荷が大きく、材料の調達コストもかかる。
また、特許文献2記載の技術では、固定金具の基底部上に、防水カバーを接着剤で接着しているだけであるため、時間の経過と共に防水カバーが剥がれるなどして、防水効果が減じてしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、太陽電池モジュールが設置された屋根等の敷設面において、太陽電池モジュールの取付金具の取付面等から雨水が家屋に侵入するのを防止することを目的とする。
その上で、本発明は特に、経年劣化に耐え、太陽電池モジュールを取り付ける家屋等に対する負担を小さくすることの出来る水切り構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る水切り構造は、太陽電池モジュールが取り付けられた敷設面の水切り構造であって、下端面が開口した中空のキャップ状体からなる水切りカバーと、上記敷設面上に載置されると共に、取付ネジによって上記敷設面に取り付けるための取付孔が形成された基底部と、上記水切りカバーを介して上記太陽電池モジュールを載置するための載置部と、を備えた太陽電池モジュール設置用金具と、を有し、上記太陽電池モジュール設置用金具が、上記基底部の取付孔に取付ネジを挿通させることにより、上記敷設面上に取り付けられ、上記水切りカバーが、上記開口面より、上記敷設面上に設置された太陽電池モジュール設置用金具を覆い、上記太陽電池モジュールが、上記敷設面上に設置された太陽電池モジュール設置用金具の載置部上に、上記水切りカバーを介して載置されることを特徴とする。
【0009】
また、上記太陽電池モジュールを、上記水切りカバーを介して上記太陽電池モジュール設置用金具の載置部上に固定するための押え部材、をさらに有し、上記太陽電池モジュールには、上記水切りカバーを介して上記太陽電池モジュール設置用金具上に載置される台座部が設けられ、上記太陽電池モジュール設置用金具の載置部上には、締結ボルトを挿通させるための第一の締結孔が形成され、上記水切りカバーには、上記太陽電池モジュール設置用金具を上記水切りカバーで覆った際に上記第一の締結孔に対応する位置に、上記締結ボルトを挿通させるための第二の締結孔が形成され、上記押え部材には、上記第一の締結孔及び第二の締結孔に対応して、上記締結ボルトを挿通させるための第三の締結孔が形成されており、上記太陽電池モジュールは、上記敷設面上に設置された太陽電池モジュール設置用金具の載置部上に、上記水切りカバーを介して上記台座部が載置され、上記押え部材は、上記水切りカバー上に載置されると共に、上記水切りカバー上に載置された上記太陽電池モジュールの台座部を当該水切りカバー上に押さえ、上記太陽電池モジュールが、上記第一の締結孔、上記第二の締結孔、及び上記第三の締結孔に挿通された締結ボルトによって、上記敷設面上に設置された太陽電池モジュール設置用金具の載置部上に上記水切りカバーを介して固定されるものとしてもよい。
【0010】
また、上記敷設面は所定の勾配を形成しており、上記水切りカバーにはさらに、開口面の周縁から外側へ水平に張り出した舌片部が設けられており、上記水切りカバーは、上記敷設面の梁行方向棟側に上記舌片部を当接させて、上記太陽電池モジュール設置用金具に取り付けられ、上記舌片部と、当該舌片部に当接する敷設面との間がシーリングされているものとしてもよい。
【0011】
また、上記敷設面は、所定の勾配を形成する建築物の屋根上において、梁行方向に掛け渡された心木であり、上記水切りカバーは、上記太陽電池モジュール設置用金具を覆った際に、当該太陽電池モジュール設置用金具の桁行側の面に対応する部分が、上記太陽電池モジュール設置用金具の高さよりも長く形成されており、上記水切りカバーは、上記太陽電池モジュール設置用金具に取り付けられた際に、上記太陽電池モジュール設置用金具の桁行方向の面を覆う部分が、上記太陽電池モジュール設置用金具と共に、当該太陽電池モジュール設置用金具の桁行方向の面の下方に食み出して、上記心木を覆うものとしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、太陽電池モジュールが設置された屋根等の敷設面において、太陽電池モジュールの取付金具の取付面等から雨水が家屋に侵入するのを防止することができる。
さらに、本発明に係る水切り構造は、経年劣化に耐え、太陽電池モジュールを取り付ける家屋等に対する負担を小さくすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る水切り構造において、太陽電池モジュールを敷設面に設置する状態を示す外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係る水切り構造において、太陽電池モジュールを敷設面に設置した状態を示す側面図である。
【図3】本実施形態に係る水切り構造を示す斜視図である。
【図4】本実施形態に係る水切り構造を敷設面に取り付けた状態を示す拡大正面図である。
【図5】本実施形態に係る水切り構造を敷設面に取り付けた状態を示す拡大側面図である。
【図6】本実施形態に係る水切り構造を敷設面に取り付けた状態を示す拡大断面図である。
【図7】本実施形態に係る水切り構造を敷設面に取り付ける工程を説明する分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る水切り構造について、図を参照して説明する。
本実施形態に係る水切り構造では、図1及び図2に示されるように、屋根等の敷設面1上において、心木12に設置された設置金具4に水切りカバー2を介して太陽電池モジュール3が取り付けられている。
なお、図2において、設置金具4は実際には水切りカバー2に隠れて側面からは見えないが、説明の便宜のため描画している。
【0015】
本例における敷設面1は、所定の勾配を有する切妻造りの屋根であって、垂木14の上に張られた野地板13上に心木12が配された瓦棒葺き屋根である。
敷設面1の梁行方向(y方向)棟側端部には、敷設面1を覆う覆装部材11が取り付けられている。この覆装部材11は平板状の金属板からなり、梁行方向(y方向)軒側に延出して、その先端を敷設面1側へ折り畳んだ鍔部を備える。
なお、本例においては、本発明に係る水切り構造を、切妻造りの瓦棒葺き屋根に適用しているが、これに限らず、瓦棒のない屋根や、寄棟造りの屋根等にも適用することが出来る。
また、通常、瓦棒葺き屋根は、心木12を含め、敷設面1全体に金属板が葺かれているが、本実施形態においては、説明の便宜上、この金属板の図面への図示及び説明を省略する。
【0016】
太陽電池モジュール3は、受光により発電する光電変換素子をフレームで囲ってなるものである。素子の種類は、シリコン系、化合物系、有機系等などが用いられ、本発明の実施においては特に限定されない。
なお、この太陽電池モジュール3のフレームには、図6に示されるように、設置金具4に太陽電池モジュール3を載置ないし取り付けるための台座部32が設けられている。この台座部32は、太陽電池モジュール3の周縁を囲うフレームの一側縁部から、下方へ垂直に延出した支持部31の先に鍔状に形成された平板である。
【0017】
図2及び図3に示されるように、心木12上には、軒側から棟側に向けて所定の間隔を置いて一列に設置金具4が取り付けられ、さらにこの設置金具4を水切りカバー2が覆っている。
設置金具4は、敷設面1上に太陽電池モジュール3を設置するために、敷設面1に取り付けられる金具である。設置金具4の材質には、鉄やステンレスなどの金属を適用でき、特に限定されないが、耐候性の良いものが好適である。
【0018】
この設置金具4は肉厚の矩形状の金属板を成形加工したものであり、水切りカバー2を介して太陽電池モジュール3を載置する矩形状の載置部43と、この載置部43の棟側ないしは軒側の側縁部から心木12側に延び出し、載置部43を心木12から上側に持ち上げて支持する立設部42と、この立設部42の下端から棟側ないしは軒側に延び出した矩形状の基底部41とから形成されている。
さらに、載置部43の下面の両隅には、立設部42の中央付近から支持部44方向へ水平に延出すると共に、直角に屈曲して載置部43の下面に接合するL字状隔壁部45が形成されている。このL字状隔壁部45は、立設部42及び載置部43との間に直方体状の中空部を形成する。
【0019】
また、この設置金具4は、基底部41、立設部42、載置部43夫々の桁行方向(x方向)の幅が心木12の幅と同じ、若しくは短く形成されており、心木12から食み出さないように構成されている。
【0020】
設置金具4の基底部41には、その両端部近傍に、設置金具4を心木12に取り付けるための取付孔41aが穿設されている。また、載置部43には、水切りカバー2及び太陽電池モジュール3を設置金具4に取り付けるための締結孔43aが穿設されている。さらに、L字状隔壁部45には、締結孔43aに対応した締結孔(図示省略)が穿設されている。
なお、締結孔43aにはバーリング加工を施してもよく、内周面に螺刻された雌ネジに締結用のボルト(後述の図6又は図7に示される締結ボルト43b)を螺合させるようにしてもよい。
【0021】
図5〜図7に示すように、設置金具4上に、水切りカバー2を介して太陽電池モジュール3を設置する際には、太陽電池モジュール3を設置金具4に固定するための押え金具5、6が用いられる。押え金具5、6は夫々、水切りカバー2上に当接する基台部51、61と、この基台部51、61を水切りカバー2上に当接させた際に、水切りカバー2との間に僅かな隙間を形成し、当該隙間に差し挟まれた太陽電池モジュール3の台座部32を押える押え部52、62とからなる。また、基台部51、61の中央付近には夫々、締結孔23a、締結孔43aに対応した締結孔51a、61aが穿設されている。
【0022】
水切りカバー2は、設置金具4の心木12への取付面に水分が侵入するのを防止するカバーである。水切りカバー2の材質には、アルミニウム、鉄やステンレス等の板金のプレス加工品や、ポリカーボネイトなどの樹脂成型品等を適用できるが、特に限定されない。
【0023】
この水切りカバー2は、一端面が開口した中空のキャップ形状からなり、開口面の周縁からは、一対の水平な舌片部21が夫々、棟側ないし軒側に向かって延び出している。
さらに詳細には、一対の水平な舌片部21から、側端を斜めに延出させた一対の傾斜部22を形成し、さらに一対の傾斜部22の側端を水平方向に延出させて、一体的に載置部23を形成している。また、傾斜部22及び載置部23の側縁部形状に沿うと共に、舌片部21より更に下方へ延び出した平板状の周壁部24が側面を形成している。
【0024】
載置部23と対向する箇所に形成された開口部は、その縦幅(一対の舌片部21の梁行方向yの幅)が少なくとも、設置金具4の一の基底部41の端部から他の基底部41の端部までの長さを有する。また、開口部の横幅(一対の舌片部21の桁行方向xの幅)は、心木12の幅より僅かに広く形成されている。さらに、開口部の深さは、設置金具4の立設部42の立設幅よりも深く形成されている。これにより、水切りカバー2を設置金具4に取り付けた際、水切りカバー2が設置金具4を覆うようになっている。さらに、周壁部24は、舌片部21より更に下方へ延び出しているため、心木12の一部に覆い被さる。
【0025】
さらに、水切りカバー2の載置部23には、設置金具4の締結孔43aに対応して、水切りカバー2を設置金具4に取り付けるための締結孔23aが穿設されている。
【0026】
続いて、心木12上に設置金具4及び水切りカバー2が取り付けられると共に、水切りカバー2を介して設置金具4に太陽電池モジュール3が取り付けられた状態について、さらに図4〜6を併せて参照して説明する。
心木12上に所定の間隔を置いて一列に配置された設置金具4は、取付孔41aを介して、心木12及び野地板13にねじ込まれた取付ネジ41bによって敷設面1に取り付けられている。
【0027】
水切りカバー2は、設置金具4を覆って配置されると共に、締結孔23a及び締結孔43aに締結ボルト43bが挿通され、ナット43cで螺合させることによって設置金具4に取り付けられている。
【0028】
太陽電池モジュール3は、設置金具4に被せられた水切りカバー2を挟んで、設置金具4の載置部43上に台座部32が配置されている。そして、太陽電池モジュール3の台座部32は、締結ボルト43bで設置金具4上に固定された押え金具5、6によって、水切りカバー2を介して設置金具4上に固定的に設置されている。
【0029】
さらに図7を参照して、心木12上に順次、設置金具4、水切りカバー2、押え金具5、6、太陽電池モジュール1を取り付ける一連の工程について説明する。
【0030】
まず、タッピンネジ等の取付ネジ41bにより、取付孔41aを介して心木12に取付孔12aを貫穿させてねじ込み、設置金具4を心木12の所定の位置に取り付ける。
なお、取付ネジ41bによる取り付けに際しては、座面を保護するために、適宜ワッシャー41dを挟み込むとよい。
【0031】
次に、水切りカバー2の締結孔23aと設置金具4の締結孔43aの位置が対応するように、水切りカバー2の開口部を設置金具4に向けて配置する。
この際、少なくとも棟側の舌片部21と心木12との間をシーリングするとよい。ここで使用するシーリング剤は、接着性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリサルファイド系、アクリルウレタン系、ポリウレタン系、変性ポリサルファイド系、アクリル系、SBR系、ブチルゴム系の油性コーキング剤など、水分の遮蔽性に優れたものが好適である。
【0032】
次に、締結孔43a及び締結孔23aを挿通して突き出された締結ボルト43bに、押え金具5の締結孔51aを挿通させて、押え金具5を水切りカバー2上に載置する。その上で、ナット43cで締結ボルト43bを締結し、押え金具5を固定する。
【0033】
そして、水切りカバー2上から、設置金具4の載置部43上に太陽電池モジュール3を設置する。この際、押え金具5の押さえ部52と水切りカバー2との間に、太陽電池モジュール3の台座部32を差し込む。
【0034】
それから、押え金具6の押え部62で太陽電池モジュール3の台座部32を押さえ込むようにして、押え金具6を太陽電池モジュール3の台座部32にあてがう。そして、締結孔61a、締結孔23a、及び締結孔43aに締結ボルト43bを挿通させると共に、ナット43c(図6参照)で締結する。これにより太陽電池モジュール3が、押え金具5、6によって、水切りカバー2を介して設置金具4の載置部43上に固定的に設置される。
【0035】
なお、本例においては、図7中図示左の締結ボルト43bについては、立設部42、載置部43、及びL字状隔壁部45によって囲われた直方体状の中空部内に頭を入れると共に、締結孔43a、締結孔23a、及び締結孔51aに順次軸を挿通させて、押え金具5上でナット43bを螺合せしめている。一方、図7図示右の締結ボルト43bについては、押え金具6上に締結ボルト43bの頭がくるようにして、締結孔61a、締結孔23a、及び締結孔43aに順次軸を挿通させて、立設部42、載置部43、及びL字状隔壁部45によって囲われた直方体状の中空部内に入れたナット(図示省略)を螺合せしめている。もっとも、本例のような締結の仕方に限らず、いずれの締結ボルト43bについても、押え金具5、6上でナット43cを螺合せしめるものとしてもよいし、立設部42、載置部43、及びL字状隔壁部45によって囲われた直方体状の中空部内でナット43cを螺合せしめるものとしてもよい。
また、この締結ボルト43bの取り付けに際しても、座面を保護するために、適宜ワッシャー43dを挟み込むとよい。
【0036】
以上のように取り付けられることで、太陽電池モジュール3が設置された屋根等の敷設面1において、太陽電池モジュール3の設置金具4の取付面等から雨水が屋内に侵入するのを防止することができる。
さらに、経年劣化に耐え、太陽電池モジュール3を取り付ける家屋等に対する負担を小さくすることが出来る。
【符号の説明】
【0037】
1 敷設面
11 覆装部材
12 心木
12a 取付孔
13 野地板
14 垂木
2 水切りカバー
21 舌片部
22 傾斜部
23 載置部
23a 締結孔
24 周壁部
3 太陽電池モジュール
31 支持部
32 台座部
4 設置金具
41 基底部
41a 取付孔
41b 取付ネジ
41c ワッシャー
42 立設部
43 載置部
43a 締結孔
43b 締結ボルト
43c ワッシャー
43d ナット
44 支持部
45 L字状隔壁部
5 押え金具
51 基台部
51a 締結孔
52 押え部
6 押え金具
61 基台部
61a 締結孔
62 押え部
x 桁行方向
y 梁行方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールが取り付けられた敷設面の水切り構造であって、
下端面が開口した中空のキャップ状体からなる水切りカバーと、
上記敷設面上に載置されると共に、取付ネジによって上記敷設面に取り付けるための取付孔が形成された基底部と、上記水切りカバーを介して上記太陽電池モジュールを載置するための載置部と、を備えた太陽電池モジュール設置用金具と、を有し、
上記太陽電池モジュール設置用金具が、上記基底部の取付孔に取付ネジを挿通させることにより、上記敷設面上に取り付けられ、
上記水切りカバーが、上記開口面より、上記敷設面上に設置された太陽電池モジュール設置用金具を覆い、
上記太陽電池モジュールが、上記敷設面上に設置された太陽電池モジュール設置用金具の載置部上に、上記水切りカバーを介して載置される、
ことを特徴とする水切り構造。
【請求項2】
上記太陽電池モジュールを、上記水切りカバーを介して上記太陽電池モジュール設置用金具の載置部上に固定するための押え部材、をさらに有し、
上記太陽電池モジュールには、上記水切りカバーを介して上記太陽電池モジュール設置用金具上に載置される台座部が設けられ、
上記太陽電池モジュール設置用金具の載置部上には、締結ボルトを挿通させるための第一の締結孔が形成され、
上記水切りカバーには、上記太陽電池モジュール設置用金具を上記水切りカバーで覆った際に上記第一の締結孔に対応する位置に、上記締結ボルトを挿通させるための第二の締結孔が形成され、
上記押え部材には、上記第一の締結孔及び第二の締結孔に対応して、上記締結ボルトを挿通させるための第三の締結孔が形成されており、
上記太陽電池モジュールは、上記敷設面上に設置された太陽電池モジュール設置用金具の載置部上に、上記水切りカバーを介して上記台座部が載置され、
上記押え部材は、上記水切りカバー上に載置されると共に、上記水切りカバー上に載置された上記太陽電池モジュールの台座部を当該水切りカバー上に押さえ、
上記太陽電池モジュールが、上記第一の締結孔、上記第二の締結孔、及び上記第三の締結孔に挿通された締結ボルトによって、上記敷設面上に設置された太陽電池モジュール設置用金具の載置部上に上記水切りカバーを介して固定される、
請求項1記載の水切り構造。
【請求項3】
上記敷設面は所定の勾配を形成しており、
上記水切りカバーにはさらに、開口面の周縁から外側へ水平に張り出した舌片部が設けられており、
上記水切りカバーは、上記敷設面の梁行方向棟側に上記舌片部を当接させて、上記太陽電池モジュール設置用金具に取り付けられ、
上記舌片部と、当該舌片部に当接する敷設面との間がシーリングされている、
請求項1又は2記載の水切り構造。
【請求項4】
上記敷設面は、所定の勾配を形成する建築物の屋根上において、梁行方向に掛け渡された心木であり、
上記水切りカバーは、上記太陽電池モジュール設置用金具を覆った際に、当該太陽電池モジュール設置用金具の桁行側の面に対応する部分が、上記太陽電池モジュール設置用金具の高さよりも長く形成されており、
上記水切りカバーは、上記太陽電池モジュール設置用金具に取り付けられた際に、上記太陽電池モジュール設置用金具の桁行方向の面を覆う部分が、上記太陽電池モジュール設置用金具と共に、当該太陽電池モジュール設置用金具の桁行方向の面の下方に食み出して、上記心木を覆う、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の水切り構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−117203(P2011−117203A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276017(P2009−276017)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000186913)昭和シェル石油株式会社 (322)
【Fターム(参考)】