説明

女性用精神的疲労改善剤

【課題】日常生活のストレス、特に勤労する女性に特有の環境における精神的ストレスによって女性に生じる精神的疲労を効果的に改善することができる女性用精神的疲労改善剤を提供する。
【解決手段】16−アンドロステンステロイドと;ラベンダー、イランイラン、カモミール、クラリセージ、ジャスミン、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、セロリ、ネロリ、パセリ、バラ、ベルガモット、マンダリン、メリッサ、オレンジ、プチグレン、ベンゾイン、ゼラニウム、パルマローザ、ペパーミント、パチョリ、ローズマリーの少なくとも一種の植物の精油とを含有することを特徴とする。使用する16−アンドロステンステロイドとしては、4,16−アンドロスタジエン−3−オンが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性における精神的疲労を効果的に改善することのできる女性用精神的疲労改善剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代社会では、精神的ストレスが多岐にわたり、その量も多くなってきており、そのために精神的な疲労や、精神的疲労を誘因とする体調不良に多くの人が悩んでいる。特に、女性においては、その精神的疲労とこの精神的疲労に伴う身体的疲労は増加傾向にあることが指摘されている。近年、男性と同等の勤労に従事する女性が多くなってきており、特に働く女性の精神的ストレスによる心理的疲労は大きな問題となっている。
【0003】
そのため、これまでに精神疲労改善の様々な方法が開発され活用されてきた。マッサージや入浴、栄養補助剤の摂取等の方法は、広く日常生活で利用されている。しかし、これらの対処方法は、身体的疲労の改善を主としたものであり、精神的疲労については十分な改善効果を得ることができない。
【0004】
精神的疲労の軽減を主な目的としたものに、アロマテラピー(植物の持つ芳香成分を利用した自然療法)がある。アロマテラピーは、手軽な精神疲労改善方法として家庭でも用いられているが、やはり十分な改善効果は得られていない。
【0005】
前記アロマテラピーの一発展系とも考えられる高揚香料組成物が提案されている(特許文献1)。この高揚香料組成物は、精神的疲労の軽減を目的としたものではないが、その有効成分としたアニスアルデヒドの有する覚醒、高揚効果により精神活動を活発化して、精神的ストレスに対抗しようとするものである。
【0006】
また、女性の精神的疲労に特異的に対応するものではないが、一般的な精神疲労の軽減、さらには集中力の維持及び増強、精神的活力の維持及び増強など、ヒト及びヒト以外の動物の精神機能の向上を図る目的の組成物が提案されている(特許文献2)。この組成物は、茶に含まれるカフェイン、テアニン及びアルギニンからなる混合成分を有効成分として含有している。この組成物は、古来から精神的なリラックスに効果があるとして飲用されている茶葉が含有する成分を用いることにより、精神の疲労を軽減しようとするものである。
【0007】
【特許文献1】特開2001−19992号公報
【特許文献2】特開2006−96768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1に記載の高揚香料組成物は、気分を高揚させることによって精神的ストレスに対抗するものであって、精神的疲労の改善効果はないと考えられる。高揚効果は、一時的に精神状態が活発になるため、その間は精神的ストレスが気にならなくなるが、精神的疲労が改善されたわけではない。高揚効果がなくなり、精神が通常の活動状態に戻ると、精神的疲労が依然として残存していることが意識される。また、一般に高揚誘因物質を摂取することにより得られた高揚状態から通常の意識状態に戻ることによって、残存していた精神的疲労が以前より強く感じられる、いわゆるリバウンド現象が生じることも指摘されている。これは、精神を高揚させることによる療法一般に指摘されていることで、精神的ストレスを回避する一時的効果しか期待することができず、高揚状態、換言すれば興奮状態から醒めれば、依然として精神的疲労が残っており、場合によっては、リバウンドにより増悪することもあり得るので、精神的疲労の改善という目的から使用するには不適当であると考えられる。
【0009】
特許文献2の茶葉の含有成分を有効成分とした組成物は、精神疲労が起きる前に摂取することが必要であり、既に精神疲労が発生している場合には十分な効果が得られないという問題がある。
【0010】
このように、精神的疲労を効果的に改善することのできる改善剤は未だに提供されていないというのが、現状である。
【0011】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、その課題は、簡便で効果の高い女性用精神的疲労改善剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意、実験、検討を重ねたとこ、種々の知見が得られた。すなわち、精神的疲労を改善するためには、減退した精神活動を活発にすることが必要であるが、この精神の活発化、換言すれば、気分の高揚のみでは、その高揚効果が持続している期間のみ精神的ストレスが回避されるだけである。しかるに、精神活動の活発化と同時に心身に深いリラックスをもたらせば、精神的疲労が効果的に改善可能であることを知るに至った。
【0013】
そこで、係る精神的、生理的な状態をもたらすことのできる物質について、スクリーニングを繰り返したところ、16−アンドロステンステロイドに気分の高揚効果とそれに伴う疲労回復効果があること、さらにリラックス作用を有する特定植物の精油を併用することによって、高揚状態を維持しつつ深いリラックスが得られて、前記16−アンドロステンステロイドによる疲労回復効果が増強されて、女性の精神的疲労を効果的に改善できることを知見するに到った。前記特定の植物とは、ラベンダー、イランイラン、カモミール、クラリセージ、ジャスミン、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、セロリ、ネロリ、パセリ、バラ、ベルガモット、マンダリン、メリッサ、オレンジ、プチグレン、ベンゾイン、ゼラニウム、パルマローザ、ペパーミント、パチョリ、ローズマリーから選ばれる少なくとも一種の植物である。
【0014】
なお、精神的疲労とは、肉体的運動を伴わなくても、精神的ストレス、物理的ストレス等のストレス負荷に起因して知覚される疲労を意味し、症状としては、睡眠障害、情緒不安定、自律神経過敏症、認知機能、運動機能の低下等が挙げられる。また、ストレスとしては、温熱ストレス、騒音、痛み・痒み、思考活動、対人コミュニケーション等が挙げられる。
【0015】
周知のように、4,16−アンドロスタジエン−3−オンなどの16−アンドロステンステロイドは、フェロモン様作用を有し、性的に二相性(男性の感じ方と女性の感じ方、あるいは男性に対する作用と女性に対する作用が異なる)を示す物質であり、感情にプラスの作用を示すことが報告されている。しかしながら、この16−アンドロステンステロイドに、疲労改善、疲労回復といった効果があるか否かについては知られていなかった。
【0016】
前述のように、本発明者らは、度重なるスクリーニングによって、16−アンドロステンステロイドに気分を高揚し、かつ疲労を回復する効果があること、そして、前記リラックス作用を有する特定の精油を併用することにより気分の高揚を維持しつつ深いリラックスが得られ、疲労改善効果が大幅に増大することを、知見した。
【0017】
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明に係る女性用精神的疲労改善剤は、16−アンドロステンステロイドと;ラベンダー、イランイラン、カモミール、クラリセージ、ジャスミン、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、セロリ、ネロリ、パセリ、バラ、ベルガモット、マンダリン、メリッサ、オレンジ、プチグレン、ベンゾイン、ゼラニウム、パルマローザ、ペパーミント、パチョリ、ローズマリーから選ばれる少なくとも一種の植物の精油とを含有することを特徴とする。使用する16−アンドロステンステロイドとしては、4,16−アンドロスタジエン−3−オンが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかる女性用精神的疲労改善剤は、日常生活のストレス、特に勤労する女性に特有の環境における精神的ストレスによって女性に生じる精神的疲労を効果的に改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
前述のように、本発明に係る女性用精神的疲労改善剤は、16−アンドロステンステロイドと;ラベンダー、イランイラン、カモミール、クラリセージ、ジャスミン、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、セロリ、ネロリ、パセリ、バラ、ベルガモット、マンダリン、メリッサ、オレンジ、プチグレン、ベンゾイン、ゼラニウム、パルマローザ、ペパーミント、パチョリ、ローズマリーから選ばれる少なくとも一種の植物の精油とを含有することを特徴としている。
以下に、本発明に係る女性用精神的疲労改善剤の有効成分である16−アンドロステンステロイドと、リラックス作用を有する特定植物の精油について、個々に説明する。
【0020】
16−アンドロステンステロイドとは、フェロモン様作用を有する化合物であり、具体的には、4,16−アンドロスタジエン−3−オンと、5,16−アンドロスタジエン−3−オールとを挙げることができる。これらには、女性に対して、気分の高揚作用と、精神的疲労改善作用を生じさせる効果がある。特に、4,16−アンドロスタジエン−3−オンは、高い疲労改善効果を示す。
【0021】
前記4,16−アンドロスタジエン−3−オンを有効成分として本発明の女性用精神的疲労改善剤に配合する場合、その配合量は、0.01〜1000ppm(0.01μg/mL〜1000μg/mL)が好ましく、より好ましくは、0.1〜100ppm(0.1μg/mL〜100μg/mL)である。配合量が0.01ppm未満であると、所望とする精神的疲労改善効果を得ることができない。また、1000ppmを超えると、使用者によっては、不快に感じることがある。
【0022】
前記16−アンドロステンステロイドに併用させることによって女性における精神的疲労の改善効果が増大するリラックス効果を有する特定植物の精油として、下記の植物から抽出した精油を挙げることができる。
すなわち、ラベンダー(シソ科ラバンデュラ属)、イランイラン(バンレイシ科カナンガ属)、カモミール(キク科カモマイル属、または、キク科カミツレ属)、クラリセージ(シソ科サルビス属)、ジャスミン(モクセイ科ソケイ属)、サイプレス(ヒノキ科キトルス属)、サンダルウッド(ジビャクダン科サンタルム属)、シダーウッド(ヒノキ科ネズミサシ属)、セロリ(セリ科セロリ属)、ネロリ(Citrus aurantium)、パセリ(セリ科オランダゼリ属)、バラ(バラ科バラ属)、ベルガモット(Citrus bergamia)、マンダリン(Citrus reticulata)、メリッサ(シソ科セイヨウヤマハッカ属)、オレンジ(Citrus aurantium、または、Citrus sinensis)、プチグレン(Citrus aurantium)、ベンゾイン(エゴノキ科スティラクス属)、ゼラニウム(フウロソウ科ペラルゴニウム科)、パルマローザ(イネ科キンボポゴン属)、ペパーミント(シソ科メンタ属)、パチョリ(シソ科ポゴステモン属)、ローズマリー(シソ科ロスマリヌス属)の各植物の精油に、16−アンドロステンステロイドに併用することによって16−アンドロステンステロイドによる疲労回復効果を増大させる作用がある。これら植物の精油のなかでも、ラベンダー、イランイラン、クラリセージ、ジャスミン、バラ、オレンジ、ペパーミントの各精油が、より好ましい。
【0023】
前記植物から精油を抽出する方法は、水蒸気蒸留法、圧搾法、冷浸法、温浸法、有機溶媒法等などの公知の抽出法を用いることができる。抽出するために用いられる植物の部位は、その用部に特に限定はないが、有効性を発揮させる点から、ラベンダーでは花弁および花茎部、イランイランでは花部、カモミールでは花部、クラリセージでは葉及び花部、ジャスミンでは花部、サイプレスでは葉と球果部、サンダルウッドでは心材(木)部、シダーウッドでは心材(木)部、セロリでは種子部、ネロリでは花部、パセリでは種子部、バラでは花弁部、ベルガモットでは果皮部、マンダリンでは果皮部、メリッサでは花と葉部、オレンジでは果皮部、プチグレンでは葉と枝部、ベンゾインでは樹脂部、ゼラニウムでは花と葉部、パルマローザでは葉部、ペパーミントでは花と葉部、パチョリでは葉部、ローズマリーでは花と葉部が好ましい。
【0024】
前記用部を生のままあるいは乾燥した後に適当な大きさに切断したり、粉砕加工したものを用いることができる。その他の抽出条件としては、抽出温度、抽出pHなど、特に制限はない。
【0025】
前記精油を有効成分として本発明の女性用精神的疲労改善剤に配合する場合、その配合量は、重量基準で、0.01〜10%が好ましい。配合量が0.01%未満であると、人の臭覚に認知されず、所望とするリッラクス効果及び精神的疲労改善効果を得ることができない。また、10%を超えると、使用者によっては、不快に感じることがある。
【0026】
本発明に係る女性用精神的疲労改善剤において、前記16−アンドロステンステロイドと各精油の好適な配合比は、最終製剤中の配合比として、1:10〜1:100000が好ましく、より好ましくは1:100〜1:10000が好ましい。前記配合比を超えて16−アンドロステンステロイド比が高まると、16−アンドロステンステロイドの臭気が強くなりすぎて本発明の良好な効果を得られない場合がある。また、前記配合比未満に16−アンドロステンステロイドの配合比が下がると、16−アンドロステンステロイドの嗅覚刺激が不十分になる場合があり、本発明の良好な効果を得られない場合がある。
【0027】
本発明に係る女性用精神的疲労改善剤を多種多様な具体的な製剤に適用することができる。例えば、本発明に係る女性用精神的疲労改善剤は、香水、化粧品、身体洗浄剤、入浴剤などの身体ケア剤、空気清浄剤、空間芳香剤、衣類ケア剤、衣類洗浄剤などの環境芳香組成物、さらに、布製品、革製品、化学繊維製品、プラスティック製品などの、身体被服素材、アクセサリー素材に使用することができ、最終製品に応じ、公知の配合成分を添加することができる。前記添加成分としては、例えば、界面活性剤、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、水等があり、これらは必要に応じて適宜配合することができる。
【実施例】
【0028】
以下、本発明の実施例を示す。以下に示す実施例は、本発明を説明するための好適な例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
【0029】
以下に示す実施例および比較例では、実施例の女性用精神的疲労改善剤のサンプルを25種(実施例1〜25)、比較例の疲労改善剤を24種(比較例1〜24)用意し、それぞれのサンプルを香りとして各試行の影響を受けないように時間を置いて、精神的ストレス負荷を与えた直後の5名の女性パネラーに雰囲気を介して吸引してもらい、吸引後5分経過した後に、慣用の心理学判定法を用いて気分状態を回答してもらった。さらに、1時間後に再び精神的疲労感について回答してもらい、各サンプルの精神疲労改善効果を評価した。
【0030】
(精神的ストレス負荷およびサンプルの吸引)
女性パネラーへの精神的ストレス負荷として、内田クレペリンテストを15分間実施した。その後、5分間椅子に着席した状態で安静にしてもらい、この5分間に後述の各サンプルを香りとして雰囲気を介して自然吸引させた。
【0031】
(心理学判定法)
前記安静の5分経過後、下記(表1)に示す3項目について気分状態をVAS(visual analog scale)で回答してもらった。VASは、長さ10.0cmの水平な直線を提示し、左端を最も否定的(感じない)、右端をもっとも肯定的(感じる)とし、各質問項目に対するパネラー自身の感覚がどの程度のレベルに位置するかを直線上に印してもらうという方法で、心理学評価に用いられる手法である。評価結果の測定は、各パネラーが印した点の位置を左端からの距離として測定し、数値化した。最も否定的な端(左端)を0点、最も肯定的な端(右端)を10.0点とした。各サンプルにおける試行回数は、3回であり、平均値を評価値とした。
【0032】
評価は特徴的な臭気のない会議室で、室温で行った。まずはサンプルを雰囲気中に放散しない状況下で評価を実施し、次に、サンプルを雰囲気中に放散した状況下で、評価を行った。サンプルの放散方法は、評価群ごとに調製したサンプル溶液約15mLを90mmのガラスシャーレに入れ、パネラーが評価を実施する机のパネラー側の端から60cmの位置にそのシャーレを蓋をせず置き、そのすぐ後方(被験者と反対側)に簡易型のファン式アロマ芳香器(アルタコーポレーション社製、商品名「アロマブリーズNOVA」)を設置し、パネラーの顔の方向に向けてファンを稼動させ、シャーレから揮発するサンプルの有効成分がパネラーに届くようにした。
【0033】
【表1】

【0034】
(サンプルの組成)
実施例のサンプルは、4,16−アンドロスタジエン−3−オン(AND)あるいは5,16−アンドロスタジエン−3−オールと、ラベンダー以下ローズマリーまでの23種の精油の内の1種もしくは2種との組み合わせの有効成分を溶媒(プロピレングリコール)に溶解させたものである。一方、比較例のサンプルは、4,16−アンドロスタジエン−3−オン(AND)のみを有効成分として溶媒(プロピレングリコール)に溶解させたものか、ラベンダー以下ローズマリーまでの23種の精油の内の1種もしくは2種のみを有効成分として溶媒(プロピレングリコール)に溶解させたものである。各実施例1〜25および比較例1〜24に用いた成分の組み合わせは下記(表2)〜(表9)に示すとおりであった。
【0035】
4,16−アンドロスタジエン−3−オンとしては、Steraloids社製の「4,16-ANDROSTADIEN-3-ONE:商品名」を用いた。また、5,16−アンドロスタジエン−3−オールとしては、Steraloids社製の「4,16-ANDROSTADIEN-3beta-OL:商品名」を用いた。
また、溶媒のプロピレングリコールとしては、和光純薬工業社製の「プロピレングリコール:商品名」を用いた。
【0036】
一方、各精油は、それぞれ以下の市販品を用いた。
まず、ラベンダーの精油としては、小川香料社製の「ラベンダー油:商品名」を用いた。
イランイランの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
カモミールの精油としては、香栄興業社製の「カミツレ油:商品名」を用いた。
クラリセージの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
ジャスミンの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
サイプレスの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
サンダルウッドの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
シダーウッドの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
セロリの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
ネロリの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
パセリの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
バラの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
ベルガモットの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
マンダリンの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
メリッサの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
オレンジの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
プチグレンの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
ベンゾインの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
ゼラニウムの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
パルマローザの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
ペパーミントの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
パチョリの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
ローズマリーの精油としては、Charabot社製のものを用いた。
【0037】
評価は特徴的な臭気のない会議室で、室温で行った。まずは香りを提示しない状況下で評価を実施し、次に、試料を提示した状況下で、評価を行った。
【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
【表4】

【0041】
【表5】

【0042】
【表6】

【0043】
【表7】

【0044】
【表8】

【0045】
【表9】

【0046】
(表2)〜(表9)に示す結果から明らかなように、16−アンドロステンステロイドと精油との併用は、それらを単独で使用した場合に比べて、精神的に疲れた感じの相乗的な低下が得られている。しかも、本発明の改善剤によって得られる精神的な疲労の改善感覚は、本発明の改善剤を摂取してから1時間を経過した後でも、持続しており、本発明による改善剤による精神疲労改善効果は高揚による一時的なものでないものと理解される。したがって、本発明の改善剤は、女性に特異的かつ持続的に作用する優れた効果を有するものであることが、確認できる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上のように、本発明にかかる女性用精神的疲労改善剤は、日常生活のストレス、特に勤労する女性に特有の環境における精神的ストレスによって女性に生じる精神的疲労を効果的に改善することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
16−アンドロステンステロイドと;ラベンダー、イランイラン、カモミール、クラリセージ、ジャスミン、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、セロリ、ネロリ、パセリ、バラ、ベルガモット、マンダリン、メリッサ、オレンジ、プチグレン、ベンゾイン、ゼラニウム、パルマローザ、ペパーミント、パチョリ、ローズマリーから選ばれる少なくとも一種の植物の精油とを含有することを特徴とする女性用精神的疲労改善剤。
【請求項2】
前記16−アンドロステンステロイドが4,16−アンドロスタジエン−3−オンであることを特徴とする請求項1に記載の女性用精神的疲労改善剤。

【公開番号】特開2008−156276(P2008−156276A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−346602(P2006−346602)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】