説明

始動装置、及び、始動方法

【課題】利便性を向上させ、かつ、不正利用を防ぐことができる、リモートエンジン始動制御の技術を提供する。
【解決手段】エンジンの始動装置は、ユーザキーが記憶するキーコードの認証結果が失敗である場合に認証失敗を示す情報を記憶する記憶手段を備え、それに認証失敗を示す情報が記憶されている場合は、エンジン遠隔始動を禁止する。また、エンジンはエンジン遠隔始動後に認証結果が失敗である場合でもその駆動が継続される。このため、正規ユーザがエンジンを遠隔始動した車両に乗車した際にもエンジン駆動を停止させることなく、かつ、リモートコントローラを盗んだ非正規ユーザによる車両の不正利用を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモートコントローラからの指示によって車両に搭載のエンジンを始動させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがリモートコントローラを遠隔操作して、車両に搭載のエンジンを始動(遠隔始動)させ、ユーザが車両に乗車するまでにエンジンを暖機させておくという、リモートエンジンスタータ制御の技術が知られている。この技術によれば、寒い地域において、ユーザが乗車する際は既にエンジンが暖機しているため車両をすぐに発車させることができる。
【0003】
このようなリモートエンジンスタータ制御においては、ユーザが車両のドア鍵を開錠させた際にエンジン駆動を停止させるようにしている。
【0004】
なぜならば、エンジン駆動を停止させないで継続駆動させると、正規キーを所持するユーザ(正規ユーザ)がエンジンを遠隔始動させた後、遠隔地から車両のもとへ到着するまでにおいて、非正規ユーザが車両へ侵入し、盗難を謀る虞があるからである。
【0005】
このような虞があるものの、正規ユーザからしてみれば、一度遠隔操作により始動された後に停止したエンジンを、乗車時に改めて始動させなければならないという不便さを感じてしまう。
【0006】
この不便さを解消するために、ユーザがエンジンを遠隔始動してから車両に乗車する際に、ユーザキーから無線取得したキーコードの認証を行い、その認証結果が成功である場合はエンジンの駆動を継続させ、認証結果が失敗である場合はエンジンの駆動を停止させることで、前述した虞と不便さを解消する技術が、先行文献1において提案されている。
【0007】
ただし、提案されている技術を採用すれば車両の走行上の安全が損なわれる場合がある。具体的に説明すると、車両に搭載される始動装置が、認証結果を取得するまでには、一定の時間を要する場合があること、正規キーのキーコードにも基づく認証であっても無線通信時のノイズなどの影響により失敗となる場合があること、更に、既にエンジンは駆動状態にあるため、認証結果を取得するまでにユーザは車両を走らせてしまっている場合があることから、それらの場合が偶然発生すると車両走行時に失敗であるという認証結果に基づいてエンジンの駆動を停止させてしまって、走行上の安全が損なわれてしまう場合がある。
【0008】
そこで、その車両の盗難の虞とその不便さとを解消し、その走行上の安全を図るために、ユーザが、車両エンジンを遠隔始動後に、車両のドア鍵を開錠して乗車した際は、正当な利用であるとして、その認証結果に関わらずエンジンの駆動を維持させることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−248471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、車両のドア鍵を不正に開錠するのは比較的容易であるため、リモートコントローラが盗まれた場合には、車両も比較的容易に盗難される虞がある。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものでありユーザがリモートエンジンスタータ技術を採用した車両の利用において、その盗難の虞とその不便さとを解消しつつ、その走行上の安全を図ることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両に搭載されるエンジンを始動するエンジン始動装置であって、リモートコントローラからの無線信号に応答して前記エンジンを始動する始動手段と、ユーザが所持する車両キーに記憶されたキーコードの認証結果を取得する取得手段と、前記始動手段による前記エンジンの始動後に前記認証結果が失敗である場合に、認証失敗を示す情報を記憶する記憶手段と、前記始動手段によって前記エンジンを始動する前に、前記記憶手段に認証失敗を示す情報が記憶されていた場合は、前記始動手段による前記エンジンの始動を禁止する禁止手段と、を備え、前記エンジンは、前記始動手段による前記エンジンの始動後に前記認証結果が失敗である場合に駆動が継続されることを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のエンジン始動装置において、前記認証結果が成功である場合に、前記記憶手段から前記認証失敗を示す情報を消去する消去手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載のエンジン始動装置において、前記車両が走行しているか否かを検知する検知手段と、前記始動手段による前記エンジンの始動後に前記認証結果が失敗である場合において、前記車両が走行している場合は前記エンジンの駆動を継続し、前記車両が走行していない場合は前記エンジンの駆動を停止する制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明は、車両に搭載されるエンジンを始動するエンジン始動方法であって、(a)リモートコントローラからの無線信号に応答して前記エンジンを始動する工程と、(b)ユーザが所持する車両キーに記憶されたキーコードの認証結果を取得する工程と、(c)前記(a)工程による前記エンジンの始動後に前記認証結果が失敗である場合に、前記エンジンの駆動を継続する工程と、(d)前記(a)工程による前記エンジンの始動後に前記認証結果が失敗である場合に、認証失敗を示す情報を記憶手段に記憶する工程と、(e)前記(a)工程により前記エンジンを始動する前に、前記記憶手段に認証失敗を示す情報が記憶されていた場合に、前記(a)工程による前記エンジンの始動を禁止する工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1ないし3の発明によれば、エンジンの始動装置は、エンジンを遠隔始動される際は、ユーザキーが記憶するキーコードの認証結果が失敗である場合に認証失敗を示す情報を記憶する記憶手段において、認証失敗を示す情報が記憶されていた場合は、エンジン遠隔始動を禁止する。また、エンジンはエンジン遠隔始動後に取得した認証結果が失敗である場合にはその駆動が継続される。このため、正規ユーザがエンジンを遠隔始動した車両に乗車した際にもエンジン駆動を停止させることなく、かつ、リモートコントローラを盗んだ非正規ユーザによる車両の盗難を防止することができる。
【0017】
また、請求項2の発明によれば、そのエンジン始動装置は、認証結果が成功である場合に、記憶手段から前記認証失敗を示す情報を消去する。このため、認証結果が成功した後に、ユーザは遠隔始動を利用することができる。
【0018】
また、請求項3の発明によれば、そのエンジン始動装置は、エンジン遠隔始動後に認証結果が失敗である場合において、車両が走行している場合はエンジンの駆動を継続し、車両が走行していない場合はエンジンの駆動を停止する。このため、正規ユーザがエンジンを遠隔始動した車両に乗車した際にもエンジン駆動を停止させることなく、かつ、リモートコントローラを盗んだ非正規ユーザによる車両の盗難を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、車両を示す図である。
【図2】図2は、車両のシステムを説明する図である。
【図3】図3は、始動装置のシステムを説明する図である。
【図4】図4は、制御を説明するタイムチャート図である。
【図5】図5は、制御を説明するタイムチャート図である。
【図6】図6は、制御を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の代表の実施例であるエンジン始動システムを、以下、添付図面を参照しながら説明する。
【0021】
<代表の実施例>
リモートコントローラからの指示によって遠隔で、車両に搭載のエンジンを始動させるシステムを図1、及び、図2に基づいて説明する。
【0022】
まず、車両1の正規のキーを所持する者を、その車両1の正規ユーザとし、正規のキーを所持せずに不正に車両1を利用する者を、非正規ユーザとする。また、正規ユーザが車両1のエンジン2を遠隔始動させるリモートコントローラK1を所持するものとする。
【0023】
図1に示すように、正規ユーザが、リモートコントローラK1の始動ボタンを操作すると、リモートコントローラK1はその操作を受け付けて、車両1に搭載の始動装置へ無線通信を介して始動信号を送信する。始動装置は無線通信を介して受信した始動信号に基づいて車両1に搭載のエンジン2を始動させる。
【0024】
[システム]
車両1が備えるシステムを図2に基づいて説明する。
【0025】
車両1は、エンジン2を始動するために種々の機能を発揮する要素から構成されるシステムS1を搭載している。
【0026】
システムS1は、エンジン2、始動装置3、照合装置4、エンジン制御装置5、ボディ制御装置6、キーシリンダ7、トランスポンダ8、バッテリ9、キー挿入スイッチ10、フットブレーキスイッチ11、エンジンフードスイッチ12、シフトポジションスイッチ13、車速センサ14、アンテナ15、メインリレー16、エンジン回転数センサ17、アクセサリー18、スタータリレー19、スタータモータ20、ハザードランプ21、ドアロック22、ドアロックスイッチ23、及び、ブザー24から構成される。更に、システムS1に、及び、リモートコントローラK1から構成され、更に、リモートコントローラK1及び車両キーである正規キーK2が付属する。
【0027】
なお、これらの要素は直接に通信線や電力線によって接続される、又は、車載ネットワークによって接続されている。
【0028】
システムS1は、種々の機能を発揮するが、主に、通常のエンジン始動(第1エンジン始動)機能と、遠隔操作に基づくエンジン始動(第2エンジン始動)機能、及び、始動時のキー認証を行う認証機能などを発揮する。
【0029】
システムS1は、正規ユーザが、正規キーK2をキーシリンダ7に備わるキー挿入口へ挿入して、回すことによって、第1ACCスイッチa、第1イグニションスイッチb、及び、第1スタータスイッチcを順にオンにできるように構成されている。ユーザが正規キーK2を第1ACCスイッチaがオンになる位置まで回すと、オーディオやエアコン制御装置などのアクセサリーを起動させることができる。また、第1イグニションスイッチbがオンになる位置まで回すとメインリレーがオンになるのでエンジン制御装置5、ボディ制御装置6、認証装置4などを起動させることができる。
【0030】
なお、始動装置3は、第1イグニンションスイッチbがオンにならなくても常時電源が入って起動している。又は、始動装置3は、リモートコントローラK1と通信する要素のみ常時電源が入っており、通信する際に他の要素を起動させている。
【0031】
[第1エンジン始動機能]
第1エンジン始動機能は、主に、正規キーK2、キーシリンダ7、スタータリレー19、及び、スタータモータ20、エンジン2、及び、エンジン制御装置5などにより実現される。
【0032】
第1エンジン始動について説明する。正規ユーザが正規キーK2をキー挿入口へ挿入してから、第1スタータスイッチcがオンになる位置まで回す。第1スタータスイッチcがオンになるとバッテリ9とスタータリレー19がオンになるので、スタータモータ20が通電して駆動する。つまり、正規ユーザが正規キーK2を操作して、第1スタータスイッチcをオンにする間スタータモータ20を駆動させることができる。
【0033】
従って、正規ユーザは、エンジン2の回転が所定回転数(例えば、1500rpm)になったことをエンジン音などに基づいて判断してその操作を停止することによって、第1エンジン始動が実行される。
【0034】
一方で、エンジン制御装置5は、スタータスイッチ信号を受信すると、エンジン2に備わる点火プラグやインジェクタを制御して、エンジンを駆動させて、所定回転数になるまでスタータモータの補助を受けつつ、エンジン回転数センサ17からの受信信号に基づいてアイドリング状態に持って行く。
【0035】
なお、エンジン制御装置は、第1エンジン始動のプログラムなどが記憶された不揮発性記憶部、そのプログラムを実行する制御部、そのプログラムを実行する際のワーキングエリアとなる揮発性記憶部、及び、外部要素との通信を行うインターフェースなどから構成される。
【0036】
[認証機能]
認証機能は、主に、正規キーK2、トランスポンダ8、認証装置4、及び、エンジン制御装置5などにより実現される。
【0037】
認証機能について説明する。正規ユーザが正規キーK2をキー挿入口へ挿入する際に、トランスポンダ8は、無線通信を介して、正規キーに記憶されたキーコードを受信する。トランスポンダ8は受信したキーコードを認証装置4へ送信する。認証装置4は、受信したキーコードが予め記憶しているキーコードと一致するか否かを判断して、一致すれば、エンジン制御装置5へエンジン始動を許可(認証成功)する旨の信号を送信し、一致しなければ、エンジン制御装置5へエンジン始動を禁止(認証失敗)する旨の信号を送信する。エンジン制御装置5は、スタータスイッチ信号と認証装置4からの許可(認証成功)信号とを受信する場合に、第1エンジン始動を実行する。
【0038】
なお、認証装置4は、認証プログラムなどが記憶された不揮発性記憶部、そのプログラムを実行する制御部、プログラムを実行する際のワーキングエリアとなる揮発性記憶部、及び、外部要素との通信を行うインターフェースなどから構成される。
【0039】
[第2エンジン始動機能]
第2エンジン始動機能は、主に、リモートコントローラK1、アンテナ15、始動装置3、スタータリレー19、スタータモータ20、及び、エンジン制御装置5などにより実現される。
【0040】
第2エンジン始動機能について説明する。正規ユーザがリモートコントローラK1のエンジン始動ボタンを操作すると、リモートコントローラK1は、その操作を受け付けて、車両1に搭載の始動装置3へ無線通信を介して始動信号を送信する。始動装置3は、アンテナ15により、無線通信を介して受信した始動信号に基づいてエンジン2を始動させる。始動の際は、始動装置3は、始動信号を受信したこと、車両状態が暖機可能であること(例えば、キー挿入スイッチ10からの信号に基づいてキーが挿入されていないこと、フットブレーキスイッチ11からの信号に基づいてフットブレーキが踏まれていないこと、エンジンフードスイッチ12からの信号に基づいてエンジンフードが開かれていないこと、シフトポジションスイッチ13からの信号に基づいてシフトポジションがパーキングを選択されていること、ドアロックスイッチ23からの信号に基づいてドアが開かれていないこと)を判断して、自らが備える第2ACCスイッチRa、第2イグニションスイッチRb、及び、第2スタータスイッチRcをオンにすることによって、スタータリレー19をオンにし、スタータモータ20を駆動させて、エンジン制御装置5とともにエンジン2を始動させる。
【0041】
システムS1は、発揮する第2エンジン始動機能において、通常モードとランオンモードとの2つのモードを備え、これらのモードは、ユーザがリモートコントローラK1や車内に備わるスイッチによって、選択することができる。これらのモードの詳細について説明する。
【0042】
なお、始動装置3は、図3に示すように、プログラムなどが記憶された不揮発性記憶部26、そのプログラムを実行する制御部25、プログラムを実行する際のワーキングエリアとなる揮発性記憶部、アンテナ15からの受信信号を制御する受信回路27、及び、外部要素との通信を行うインターフェースなどから構成される。
【0043】
(通常モード)
通常モードについて説明する。ユーザがエンジンを遠隔始動してから車両に乗車する際において、ユーザがドアロック22をアンロックした場合にエンジン2の駆動を停止させるモードを言う。
【0044】
通常モードを詳細に説明する。ユーザがリモートコントローラK2によりエンジン2を遠隔始動させた後、ドア鍵を開錠してドアを開いた際に、ドアに備わるドアロック22がアンロックされ、ドアロックスイッチ23がアンロックされたことを示す信号をボディ制御装置6へ送信する。ボディ制御装置6は、アンロックされたことを示す信号と、エンジン2が遠隔始動していることを示す信号とを車載ネットワークにより受信した場合に、車載ネットワークを介して、エンジン制御装置5へエンジン2の駆動を停止させることを示す信号を送信する。これによって、エンジン制御装置5はエンジン2の駆動を停止させる。
【0045】
(ランオンモード)
ランオンモードについて説明する。正規ユーザがリモートコントローラK1を操作して、エンジンを遠隔始動してから車両に乗車する際において、正規ユーザがドアロック22をアンロックし、正規キーK2を挿入した際にもエンジン2の駆動を継続させる。
【0046】
また、非正規ユーザが盗んだリモートコントローラK1を操作して、エンジンを遠隔始動してから車両に乗車する際において、非正規ユーザがドアロック22をアンロックした場合にも、エンジン2の駆動を継続させている。更に、非正規ユーザがキーシリンダ7へ非正規キーK2Xを挿入してキー認証が失敗した場合にも、エンジン2の駆動を継続させ、次回のリモートコントローラK1による遠隔始動を禁止させる。
【0047】
ランオンモードの制御タイミングを図4のタイムチャートと図5のフローチャート図とに基づいて詳細に説明する。なお、図4と図5で説明するランオンモードは、技術の意義をわかりやすく説明するために、非正規ユーザが車両1を一時的に盗難した後に、正規ユーザが車両1を取り戻して利用するケースを採用する。
【0048】
[制御処理・タイムチャート]
まず、非正規ユーザが、図4に示すタイミングt1において、正規ユーザから盗んだリモートコントローラK1により車両1のエンジン2を遠隔始動操作する。
【0049】
次に、タイミングt2において、リモートコントローラK1からエンジン始動信号を受信した始動装置3が、認証装置4へ車載ネットワークを介して、擬似キーコードを送信する。認証装置4は、認証機能により擬似キーコードに基づいて認証処理を実行し、認証結果(この場合の認証結果は成功)を、車載ネットワークを介して、エンジン制御装置5及び始動装置3へ送信する。
【0050】
次に、タイミングt3において、認証装置4から成功である旨の認証結果を受信した始動装置3は、自らが備える第2ACCスイッチRaをオンにして、アクセサリー18へ電源を入れ起動させる。
【0051】
次に、タイミングt4において、始動装置3は、自らが備える第2イグニションスイッチRbをオンにして、各制御装置などへ電源を入れて起動させる。
【0052】
次に、タイミングt5において、始動装置3は、自らが備える第2スタータスイッチRcをオンにすることによって、スタータリレー19をオンにしてスタータモータ20を駆動させる。つまり、エンジンを始動させる。また、始動装置3は、第2スタータスイッチRcのオン信号をエンジン制御装置5へ送信する。
【0053】
次に、タイミングt6において、第2スタータスイッチRcのオン信号を受信したエンジン制御装置5は、エンジン2を始動させてアイドリング状態にする。
【0054】
次に、タイミングt7において、非正規ユーザが車両1のドアに備わるドア鍵を不正に開錠する。
【0055】
次に、タイミングt8において、車両1のドアに備わるドアロック22状態が開く。つまり、非正規ユーザが車両1に乗車する。
【0056】
次に、タイミングt9において、車両1のドアに備わるドアロック22が開いたことにともなって、ドアロックスイッチ23の信号がドアロック22が開いたことを示すオンになる。
【0057】
次に、タイミングt10において、非正規ユーザが車両1へ乗車後、キーシリンダ7へ非正規キーK2Xを挿入したことにともなって、キー挿入スイッチ10の信号がオンになる。非正規キーK2Xがキーシリンダ7へ挿入されたときに、非正規キーK2Xは自らが備える不揮発性記憶部に記憶しているキーコードをトランスポンダ8へ無線通信により送信する。更に、トランスポンダ8は、受信したキーコードを認証装置4へ送信する。
【0058】
次に、タイミングt11において、トランスポンダ8からキーコードを受信した認証装置4は、認証機能によりそのキーコードに基づいて認証処理を実行する。認証装置4が、実行する認証処理は、キーコードと予め認証装置4が不揮発性記憶部26に記憶しているコードとが一致するか否かを判断して、一致する場合に認証成功とし、一致すると判断しない場合に、所定回数、その判断を繰り返し、一度も一致すると判断しない場合に認証失敗とする。従って、認証失敗の場合は最大で一定時間(例えば、10秒)を要してしまう。
【0059】
認証装置4は、タイミングt11において、認証判断を始めて、タイミングt15において、認証判断を終了する。本ケースの認証装置4が判断した認証結果は失敗であるため、失敗を示すデータを車載ネットワークを介して、エンジン制御装置5及び始動装置3へ送信する。また、始動装置3は、認証結果である認証失敗を示すデータを取得して、不揮発性記憶部26に認証失敗を示すデータを記憶する。
【0060】
次に、タイミングt12において、非正規ユーザは、挿入した非正規キーK2Xを第1ACCスイッチaがオンになる位置まで回す。これにより、アクセサリー18へ電源が入り起動させることができる。
【0061】
次に、タイミングt13において、非正規ユーザは、挿入した非正規キーK2Xを第1イグニションスイッチbがオンになる位置まで回す。これにより、各制御装置などへ電源が入り起動させることができる。
【0062】
次に、タイミングt14において、非正規ユーザは、挿入した非正規キーK2Xを第1スタータスイッチcがオンになる位置まで回す。これにより、スタータリレー19をオンにしてスタータモータ20を駆動させてエンジンを始動させる。また、第1スタータスイッチcのオン信号がエンジン制御装置5へ送信される。第1スタータスイッチcのオン信号を受信したエンジン制御装置5は、エンジン2を始動させてアイドリング状態にする。
【0063】
このように、ランオンモードにおいて、ユーザが遠隔始動させたエンジン2の駆動を乗車後も継続させるためには、キーをキーシリンダ7へ挿入して、第1スタータスイッチcをオン操作させる必要がある。なぜならば、認証装置4による認証処理を実行させる必要があり、更に、後にエンジン2を停止させるためには、第1イグニションスイッチbをオフさせなければならないため、予めキーを第1イグニッションスイッチbがオフ作動可能な位置まで回しておく必要があるからである。
【0064】
また、認証装置4は、前述したように、認証処理を開始して認証結果を得るまでに一定の時間がかかってしまう場合がある。本ケースで言えば、タイミングt11からタイミングt15まで一定の時間がかかってしまっている。エンジン制御装置5は既にタイミングt6においてエンジンを始動させて駆動状態にしているため、その間に非正規ユーザが車両1を走行させている場合がある。そのような場合に、エンジン制御装置5は、認証装置4による認証結果が失敗であるからといって、エンジン2の駆動を停止させると車両1の走行上の安全が損なわれるため、エンジン2の駆動を維持させている。
【0065】
次に、タイミング16において、非正規ユーザは、非正規キーK2Xを操作して、第1イグニションスイッチbをオフにする。
【0066】
次にタイミングt17において、第1イグニションスイッチbがオフにされると、その信号を受信したエンジン制御装置5がエンジン2の駆動を停止させる。また、そのオフに伴ってメインリレー16がオフになると、各制御装置などへの電源が切断されてその機能を終了させる。
【0067】
次にタイミングt18において、非正規ユーザは、非正規キーK2Xを操作して、第1ACCスイッチaをオフにする。これによって、アクセサリー18への電源が切断されてその機能を終了させる。
【0068】
次にタイミングt19において、非正規ユーザは、非正規キーK2Xをキーシリンダ7から取り外す。これによって、キー挿入スイッチ10の信号が、キーが非挿入状態のオフを示す。
【0069】
次に、図5に示すタイミングt20において、非正規ユーザが、リモートコントローラK1により車両1のエンジン2を遠隔始動操作する。
【0070】
リモートコントローラK1からエンジン2始動信号を受信した始動装置3は、不揮発性記憶部26に認証失敗を示すデータを記憶しているため、エンジン2を始動させるための処理は実行しない。つまり、第2ACCスイッチRa、第2イグニションスイッチRb、及び、第2スタータスイッチRcを制御せず、かつ、エンジン制御装置5へ第2スタータスイッチRcのオン信号を送信しない。
【0071】
これにより、車両1は、リモートコントローラを盗んだ非正規ユーザによって、一時的には、盗難される虞はあるものの、その後のエンジンの遠隔始動を禁止させるので走行させることができない。更に、非正規ユーザは、盗難や不正コピーをしていない限り、正規キーを所持していないため、通常のエンジン始動もできず、車両を走行させることができない。つまり、車両は、一時的に盗難される虞はあるが、結局は走行不可能になるため、非正規ユーザの車両を盗難する意欲を阻害させることができる。また、正規ユーザには、ランオンモードを利用可能にしているため、エンジン2を遠隔始動後に改めて始動させなければならないという不便さも解消できる。
【0072】
次に、タイミングt21において、盗難された車両1を取り戻した正規ユーザが車両1のドアに備わるドア鍵を開錠する。
【0073】
次に、タイミングt22において、車両1のドアに備わるドアロック22状態が開く。つまり、正規ユーザが車両1に乗車する。
【0074】
次に、タイミングt23において、車両1のドアに備わるドアロック22が開いたことにともなって、ドアロックスイッチ23の信号がドアロック22が開いたことを示すオンになる。
【0075】
次に、タイミングt24において、正規ユーザが車両1へ乗車後、キーシリンダ7へ正規キーK2を挿入したことにともなって、キー挿入スイッチ10の信号がオンになる。正規キーK2がキーシリンダ7へ挿入されたときに、正規キーK2は自らが備える不揮発性記憶部に記憶しているキーコードをトランスポンダ8へ無線通信により送信する。更に、トランスポンダ8は、受信したキーコードを認証装置4へ送信する。
【0076】
次に、タイミングt25において、トランスポンダ8からキーコードを受信した認証装置4は、認証機能によりキーコードに基づいて前述した認証処理を開始する。
【0077】
次に、タイミングt26において、正規ユーザは、挿入した正規キーK2を第1ACCスイッチaがオンになる位置まで回す。これにより、アクセサリー18へ電源が入り起動させることができる。
【0078】
次に、タイミングt27において、正規ユーザは、挿入した正規キーK2を第1イグニションスイッチbがオンになる位置まで回す。これにより、各制御装置などへ電源が入り起動させることができる。
【0079】
次に、タイミングt28において、認証装置4は認証処理を終了する。認証装置4は、認証処理により判断した認証結果は成功であるため、成功を示すデータを車載ネットワークを介して、エンジン制御装置5及び始動装置3へ送信する。また、始動装置3は、不揮発性記憶部26に記憶している認証失敗を示すデータを消去する。つまり、認証結果が成功したことで、一時的に盗難された車両1が正規ユーザのもとへ戻ったと判断し、その後の正規ユーザによるエンジン遠隔始動を可能にしている。
【0080】
次に、タイミングt29において、正規ユーザは、挿入した正規キーK2を第1スタータスイッチcがオンになる位置まで回す。これにより、スタータリレー19をオンにしてスタータモータ20を駆動させてエンジンを始動させる。また、第1スタータスイッチcのオン信号がエンジン制御装置5へ送信される。
【0081】
次に、タイミングt30において、第1スタータスイッチcのオン信号を受信したエンジン制御装置5は、エンジン2を始動させてアイドリング状態にする。
【0082】
その後に、車両1のエンジン2の駆動を停止する方法は前述した方法と同様であるため省略する。
【0083】
[制御処理・フローチャート]
ランオンモードの制御順序を図6に基づいて詳細に説明する。なお、図6に示す制御は、車両1のシステムS1が起動後から終了するまで、所定の周期において実行する。
【0084】
ステップS100において、システムS1の始動装置3は、自らが備える不揮発性記憶部26に記憶されているNGフラグがオンか否かを判断する。NGフラグがオンではない場合(ステップS100においてNOの場合)は、ステップS101へ移行し、NGフラグがオンである場合(ステップS100においてYESの場合)は、ステップS103へ移行する。なお、NGフラグは、システムS1設置時にはオフにされている。また、NGフラグの意義は後述する。
【0085】
ステップS101において、エンジン遠隔始動の際に、認証装置4が認証機能により実行する認証が成功したか否かを判断する。認証が成功した場合(ステップS101においてYESの場合)は、ステップS102へ移行する。認証が失敗した場合(ステップS101においてNOの場合)は、ステップS103へ移行する。
【0086】
認証装置4が備える認証機能を具体的に説明する。リモートコントローラK1からエンジン2始動信号を受信した始動装置3が、認証装置4へ車載ネットワークを介して、擬似キーコードを送信する。認証装置4は、認証機能により擬似キーコードに基づいて認証処理を実行し、認証結果(この場合の認証結果は成功)を、車載ネットワークを介して、エンジン制御装置5及び始動装置3へ送信する。
【0087】
ステップS102において、始動装置3及びエンジン制御装置5は前述したようにエンジン2を始動させる。エンジン制御装置5はエンジン2を始動させた後、アイドリング状態にさせる。次に、ステップS103へ移行する。
【0088】
ステップS103において、キーがキーシリンダ7へ挿入された際に、認証装置4がそのキーが正規のキーか否かを認証し、正規のキーである場合は認証成功と判断し、正規キーでない場合は認証成功と判断しない。認証が成功したと判断する場合(ステップS103においてYESの場合)は、ステップS106へ移行する。認証が成功と判断しない場合(ステップS103においてNOの場合)は、ステップS104へ移行する。
【0089】
認証装置4が備える認証機能を具体的に説明する。キーがキーシリンダ7へ挿入されたときに、キー自らが備える不揮発性記憶部に記憶しているキーコードをトランスポンダ8へ無線通信により送信し、トランスポンダ8は、受信したキーコードを認証装置4へ送信する。認証装置4は、トランスポンダ8から受信したキーコードと予め不揮発性記憶部に記憶しているコードとが一致するか否かを判断して、一致する場合に認証成功とし、一致すると判断しない場合に、所定回数、その判断を繰り返し、一度も一致すると判断しない場合に認証成功と判断しない、つまり認証失敗と判断する。認証装置4は、認証が成功した場合は、その旨を示すデータを始動装置3及びエンジン制御装置5へ送信し、認証が失敗した場合は、その旨を示すデータを始動装置3及びエンジン制御装置5へ送信する。
【0090】
ステップS104において、始動装置3は、エンジン2が遠隔始動状態である否かを判断する。遠隔始動状態であると判断する場合(ステップS104においてYESの場合)は、ステップS105へ移行し、遠隔始動状態であると判断しない場合は(ステップS104においてNOの場合)は、リターンへ移行する。
【0091】
ステップS105において、始動装置3は、自らが備える不揮発性記憶部26に設定されるNGフラグをオンにする。
【0092】
つまり、ステップS103において、始動装置3は、キー挿入の際の認証が失敗し、かつ、エンジン2が遠隔始動されている場合は、その認証が失敗していてもエンジン2の駆動を停止することなく継続するとともに、NGフラグをONにして、次回のエンジン遠隔始動を禁止させている。
【0093】
ステップS106において、始動装置3は、エンジン2が遠隔始動状態である否かを判断する。遠隔始動状態であると判断する場合(ステップS106においてYESの場合)は、リターンへ移行し、遠隔始動状態であると判断しない場合は(ステップS106においてNOの場合)は、ステップS107へ移行する。
【0094】
ステップS107において、始動装置3は、自らが備える不揮発性記憶部26に設定されるNGフラグをオフにする。次に、ステップS108へ移行する。
【0095】
ステップS108において、エンジン制御装置5は、認証装置4から認証成功を示すデータを受信したため、ユーザの正規キーK2の操作によって駆動されるスタータモータの駆動による補助を受けながら、エンジン2を始動させて、アイドル状態にさせる。
【0096】
つまり、正規ユーザにより正規キーK2が操作された結果、認証結果が成功である場合は、通常のエンジン始動を実行するとともに、エンジン遠隔始動を許可するか否かを示すNGフラグを許可されるように、オフにして正規ユーザの正当な車両1の利用を可能にしている。
【0097】
従って、NGフラグは、非正規ユーザにより車両1が不正に利用された場合は、オンにされて、次回のエンジン遠隔始動を禁止させ、正規ユーザにより正当に利用された場合は、オフにされ、次回のエンジン遠隔始動を許可にさせるフラグである。
【0098】
以上のような制御を、システムS1が実行することによって、車両は、リモートコントローラを盗んだ非正規ユーザによって、一時的には、盗難される虞はあるものの、その後のエンジンの遠隔始動を禁止させるので走行させることができない。更に、非正規ユーザは、盗難や不正コピーをしていない限り、正規キーを所持していないため、通常のエンジン始動もできず、車両を走行させることができない。つまり、車両は、一時的に盗難される虞はあるが、結局は走行不可能になるため、非正規ユーザの車両を盗難する意欲を阻害させることができる。また、正規ユーザには、ランオンモードを利用可能にしているため、エンジン2を遠隔始動後に改めて始動させなければならないという不便さも解消できる。
【0099】
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では他の実施の形態について説明する。もちろん、以下で説明する形態を適宜組み合わせても良い。
【0100】
<変形例1>
上記代表の実施例における第1エンジン始動機能は、「キーがキーシリンダ7へ挿入されたときに、キー自らが備える不揮発性記憶部に記憶しているキーコードをトランスポンダ8へ無線通信により送信し、トランスポンダ8は、受信したキーコードを認証装置4へ送信する。認証装置4は、トランスポンダ8から受信したキーコードと予め不揮発性記憶部に記憶しているコードとが一致するか否かを判断して、一致する場合に認証成功とし、一致すると判断しない場合に、所定回数、その判断を繰り返し、一度も一致すると判断しない場合に認証失敗とする」と説明したが、いわゆるスマートエントリーシステムを採用するものであっても良い。スマートエントリーシステムとは、可搬性のエントリー装置が、無線通信を介して、ボディ制御装置22へキーコードを送信し、更に、ボディ制御装置22がキーコードを、車載ネットワークを介して、認証装置4へ送信し、認証装置4がそのキーコードに基づいて前述した認証を行う。
【0101】
また、認証装置4は、認証結果をボディ制御装置22及びエンジン制御装置5へ送信する。ボディ制御装置22は、認証結果が成功の場合は、ドア鍵を開錠し、認証結果が失敗の場合は、ドア鍵を施錠したままにする。エンジン制御装置5は、正規ユーザの始動操作があった場合で、認証結果が成功の場合は、エンジン2を始動させ、正規ユーザの始動操作があった場合で、認証結果が失敗の場合は、エンジン2の始動を禁止する。
【0102】
その始動操作は、キーシリンダの代わりにシステムS1に備わる、プッシュ式エンジンスタート装置のプッシュボタンをユーザが操作することにより実行される。プッシュ式エンジンスタート装置は、プッシュ回数や長押時間に応じて、ACC機能やイグニッション機能、スタータ機能を実行可能にしている。
【0103】
これにより、代表の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0104】
<変形例2>
上記代表の実施例における[制御処理・フローチャート]において、「ステップS103において、キーシリンダ7へキーが挿入された際の、認証装置4による認証結果が成功か否か判断し、その認証結果が成功であると判断しない場合に、ステップS104において、エンジン2が遠隔始動状態か否かを判断し、エンジン2が遠隔始動状態であると判断場合に、ステップS105において、NGフラグをオンにし、次回の遠隔始動を禁止させる」と説明したが、ステップS104において、エンジン2が遠隔始動状態であると判断する場合に、始動装置3は、車速センサ14からの信号に基づき車速が0であると判断する場合、又は、シフトポジションスイッチ13からの信号に基づきシフトポジションがPであると判断する場合、つまり、車両1が非走行状態であると判断(検知)する場合は、エンジン制御装置5へエンジン2の駆動を停止させる信号を送信するような構成であっても良い。なお、この場合においても、車両1が走行上体である場合は、始動装置3はエンジン2の駆動を継続させる。
【0105】
これにより、リモートコントローラを盗んだ非正規ユーザによって、一時的に、車両1を盗難される虞を解消することができる。
【0106】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されても良い。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されても良い。
【0107】
更に、各実施例の制御を説明するフローチャート図における各処理は、便宜上一の系列で示しているが、細分化された各処理を各制御部がマルチタスク制御機能により並列に処理するものであっても良い。
【符号の説明】
【0108】
1 車両
2 エンジン
3 始動装置
4 認証装置
5 エンジン制御装置
10 キー挿入スイッチ
18 アクセサリー
19 スタータリレー
20 スタータモータ
22 ボディ制御装置
26 不揮発性記憶部
a ACCスイッチ
b イグニンションスイッチ
c スタータスイッチ
K1 リモートコントローラ
K2 正規キー
K2X 非正規キー
Ra ACCスイッチ
Rb イグニッションスイッチ
Rc スタータスイッチ
S1 システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるエンジンを始動するエンジン始動装置であって、
リモートコントローラからの無線信号に応答して前記エンジンを始動する始動手段と、
ユーザが所持する車両キーに記憶されたキーコードの認証結果を取得する取得手段と、
前記始動手段による前記エンジンの始動後に前記認証結果が失敗である場合に、認証失敗を示す情報を記憶する記憶手段と、
前記始動手段によって前記エンジンを始動する前に、前記記憶手段に認証失敗を示す情報が記憶されていた場合は、前記始動手段による前記エンジンの始動を禁止する禁止手段と、
を備え、
前記エンジンは、前記始動手段による前記エンジンの始動後に前記認証結果が失敗である場合に駆動が継続されることを特徴とするエンジン始動装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエンジン始動装置において、
前記認証結果が成功である場合に、前記記憶手段から前記認証失敗を示す情報を消去する消去手段、
をさらに備えることを特徴とするエンジン始動装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエンジン始動装置において、
前記車両が走行しているか否かを検知する検知手段と、
前記始動手段による前記エンジンの始動後に前記認証結果が失敗である場合において、前記車両が走行している場合は前記エンジンの駆動を継続し、前記車両が走行していない場合は前記エンジンの駆動を停止する制御手段と、
をさらに備えることを特徴とするエンジン始動装置。
【請求項4】
車両に搭載されるエンジンを始動するエンジン始動方法であって、
(a)リモートコントローラからの無線信号に応答して前記エンジンを始動する工程と、
(b)ユーザが所持する車両キーに記憶されたキーコードの認証結果を取得する工程と、
(c)前記(a)工程による前記エンジンの始動後に前記認証結果が失敗である場合に、前記エンジンの駆動を継続する工程と、
(d)前記(a)工程による前記エンジンの始動後に前記認証結果が失敗である場合に、認証失敗を示す情報を記憶手段に記憶する工程と、
(e)前記(a)工程により前記エンジンを始動する前に、前記記憶手段に認証失敗を示す情報が記憶されていた場合に、前記(a)工程による前記エンジンの始動を禁止する工程と、
を備えることを特徴とするエンジン始動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−168162(P2011−168162A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33555(P2010−33555)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】