説明

子局通信システム、子局通信装置、被収容通信装置、通信システム、及び子局通信装置の再起動方法

【課題】 親局通信装置に接続する子局通信装置を再起動する際に、子局通信装置の配下の被収容通信装置の電話通信への影響を抑制する。
【解決手段】 本発明は、子局通信装置と、子局通信装置の配下に収容され、他の電話通信装置と電話通信可能な被収容通信装置とを備える子局通信システムに関する。そして、子局通信装置は、自装置が再起動処理を実施する際に、上記被収容通信装置に対して自装置の再起動実施可否に関する問合せを行う手段と、被収容通信装置から問合せに対する応答情報を受信する手段と、受信した応答情報に基づいて自装置の再起動実施可否について判定し、再起動実施可能と判定した場合にのみ、自装置の再起動を行う手段とを有することを特徴とする。また、被収容通信装置は、子局通信装置から、再起動実施可否に関する問合せがあった場合に、自装置の電話通信の状況に応じた応答情報を子局通信装置に送信する手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、子局通信システム、子局通信装置、被収容通信装置、通信システム、及び子局通信装置の再起動方法に関し、例えば、PON(Passive Optical Network)を構成するONU(Optical Network Unit)の再起動に適用し得る。
【背景技術】
【0002】
現在、FTTH(Fiber To The Home)によるブロードバンドインターネット接続サービス等のアクセスネットワークにおいて、キャリア側通信局とサービス加入者宅との間をPON接続する構成が多く用いられている。キャリア側通信局とサービス加入者宅との間をPON接続する場合には、キャリア側通信局に設置された光回線終端装置(Optical Line Terminal;OLT)の配下に、加入者宅に設置された加入者光回線終端装置(ONU)が、スプリッタにより分岐された光ファイバで接続される。そして、サービス加入者宅には、ONUの配下に、さらにサービス加入者宅側のネットワーク(例えば、パソコンやスイッチングハブ等により構成されたネットワークであり、一つの通信装置により構成したネットワークであっても良い)を収容するホームゲートウェイ(以下、「HGW」と呼ぶものとする)が設置される場合がある。そして、このHGWには、電話端末を収容して、通信キャリア側の呼制御装置等と通信しIP電話サービスを提供する機能(以下、「IP電話機能」と呼ぶ)に対応したものがある。なお、以下では、サービス加入者宅に設置される上述のONU及びHGWを含む通信システムを、「加入者側通信システム」又は「子局通信システム」と呼ぶものとする。
【0003】
加入者側通信システムでは、システム運用上、ONU及び又はHGWを再起動する動作が必要となる場合がある。
【0004】
従来の加入者側通信システムを構成するHGWでは、再起動処理は、サービス加入者自らの操作に応じて行われることが多い。例えば、従来のHGWでは、ファームウェア更新に伴って再起動を行う場合がある。そして、HGWの再起動時には上位側へのネットワークの接続断が発生する。
【0005】
一方、従来の加入者側通信システムを構成するONUでは、再起動処理は、通信キャリア側の操作(OLT側からの制御)に応じて行われることが多い。例えば、従来のONUでは、HGWと同様にファームウェア更新に伴う場合がある。
【0006】
そして、OLTからPON経由でONUへファームウェアの更新を行う従来技術としては、特許文献1の記載技術がある。特許文献1の記載技術では、OLTから、PON経由でONUへファームウェアをアップロードさせ、その後ONUへ再起動命令が発行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−252245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般に、IP電話機能に対応している従来のHGWは、IP電話使用中(当該HGWを介したIP電話通信の呼が接続した状態)の場合は、再起動よりもIP電話通信の呼を保持することを優先させ、再起動を実行しないように成されている。そして、従来のHGWでは、IP電話の呼が終了した後に再起動の動作が可能となる。
【0009】
一方、従来のONUは、特許文献1の記載技術のようにファームウェア更新に伴って再起動すると、配下の通信装置(例えば、HGW等)の状態に関わらずネットワークの接続断が発生する問題が発生する。例えば、従来のONUでは、配下のHGWでIP電話使用中の場合に、再起動すると、そのIP電話の通話が切断されることとなる。例えば、その通話が、警察や消防への通報等、緊急を要するものであった場合には、切断により重大な問題が発生するおそれがある。
【0010】
そのため、親局通信装置(例えば、OLT)に接続する子局通信装置(例えば、ONU)を再起動する際に、子局通信装置の配下に収容された被収容通信装置(例えば、HGW)の電話通信への影響を抑制させることができる子局通信システム、子局通信装置、被収容通信装置、通信システム、及び子局通信装置の再起動方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の本発明は、親局通信装置と接続する子局通信装置と、上記子局通信装置の配下に収容され、上記子局通信装置及び上記親局通信装置を経由して他の電話通信装置と電話通信可能な被収容通信装置とを備える子局通信システムにおいて、(1)上記子局通信装置は、(1−1)自装置が再起動処理を実施する際に、上記被収容通信装置に対して自装置の再起動実施可否に関する問合せを行う問合せ手段と、(1−2)上記被収容通信装置から、上記問合せ手段による問合せに対する応答情報を受信する応答受信手段と、(1−3)上記応答受信手段が受信した応答情報に基づいて、自装置の再起動実施可否について判定し、再起動実施可能と判定した場合にのみ、自装置の再起動を行う再起動制御手段とを有し、(2)上記被収容通信装置は、(2−1)上記子局通信装置から、再起動実施可否に関する問合せがあった場合に、自装置の電話通信の状況に応じた応答情報を上記子局通信装置に送信する応答手段を有することを特徴とする。
【0012】
第2の本発明は、親局通信装置と接続し、配下に当該子局通信装置及び上記親局通信装置を経由して他の電話通信装置と電話通信可能な被収容通信装置を収容する子局通信装置において、(1)自装置が再起動処理を実施する際に、上記被収容通信装置に対して自装置の再起動実施可否に関する問合せを行う問合せ手段と、(2)上記被収容通信装置から、上記問合せ手段による問合せに対する応答情報を受信する応答受信手段と、(3)上記応答受信手段が受信した応答情報に基づいて、自装置の再起動実施可否について判定し、再起動実施可能と判定した場合にのみ、自装置の再起動を行う再起動制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
第3の本発明は、親局通信装置と接続する子局通信装置の配下に収容され、上記子局通信装置及び上記親局通信装置を経由して他の電話通信装置と電話通信可能な被収容通信装置において、上記子局通信装置から、上記子局通信装置の再起動実施可否に関する問合せがあった場合に、自装置の電話通信の状況に応じた応答情報を上記子局通信装置に送信する応答手段を有することを特徴とする。
【0014】
第4の本発明は、親局通信装置と、上記親局通信装置と接続する1又は複数の子局通信システムとを備える通信システムにおいて、一部又は全部の上記子局通信システムについて、第1の本発明の子局通信システムを適用したことを特徴とする。
【0015】
第5の本発明は、親局通信装置と接続する子局通信装置と、上記子局通信装置の配下に収容され、上記子局通信装置及び上記親局通信装置を経由して他の電話通信装置と電話通信可能な被収容通信装置とを備える子局通信システムを構成する子局通信装置の再起動方法おいて、(1)上記子局通信装置が、再起動処理を実施する際に、上記被収容通信装置に対して自装置の再起動実施可否に関する問合せを行う問合せ工程と、(2)上記被収容通信装置で、上記子局通信装置から、再起動実施可否に関する問合せがあった場合に、自装置の電話通信の状況に応じた応答情報を上記子局通信装置に送信する応答工程と、(3)上記子局通信装置が、上記被収容通信装置から、上記問合せ工程による問合せに対する応答情報を受信する応答受信工程と、(4)上記子局通信装置が、上記応答受信工程で受信した応答情報に基づいて、自装置の再起動実施可否について判定し、再起動実施可能と判定した場合にのみ、自装置の再起動を行う再起動制御工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、親局通信装置に接続する子局通信装置を再起動する際に、子局通信装置の配下に収容された被収容通信装置の電話通信への影響を抑制させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係る加入者側通信システムの機能的構成について示したブロック図である。
【図2】実施形態に係る通信システムの全体構成について示したブロック図である。
【図3】実施形態に係る加入者側通信システムを構成するONUのハードウェア構成例について示したブロック図である。
【図4】実施形態に係るONUとHGWとの間でやりとりされるLLDPフレームの構成例について示した説明図である。
【図5】実施形態に係るONUからHGWへ送信される再起動通知(Rebootreport)のLLDPフレームを構成するオプション値について示した説明図である。
【図6】実施形態に係るHGWからONUへ送信される再起動応答通知(Reboot reply)のLLDPフレームを構成するオプションTLVについて示した説明図である。
【図7】実施形態に係るONUにおいて再起動イベントが発生する例について示したシーケンス図である。
【図8】実施形態に係るONUにおいて再起動イベントが発生した場合の動作について示したフローチャートである。
【図9】実施形態に係るHGWにおいて、ONUから再起動通知を受信した場合の動作について示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(A)主たる実施形態
以下、本発明による子局通信システム、子局通信装置、被収容通信装置、通信システム、及び子局通信装置の再起動方法の一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、この実施形態の子局通信システムは、加入者側通信システムである。また、この実施形態の子局通信装置及び被収容通信装置は、ONU及びHGWである。
【0019】
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、この実施形態の通信システム1の全体構成を示すブロック図である。
【0020】
通信システム1は、キャリア側通信局SC(親局)に設置されたOLT10(親局通信装置)と、サービス加入者宅SU(子局)に設置され、PONによりOLT10と接続する加入者側通信システム20(子局通信システム)とを有している。具体的には、OLT10の配下では、スプリッタSで分岐された光ファイバFに加入者側通信システム20が接続されている。OLT10の配下に接続される加入者側通信システム20の数は限定されないものであるが、図2では、説明を簡易にするため、一つの加入者側通信システム20のみを図示している。
【0021】
なお、OLT10としては、既存のOLT等を適用することができるので詳しい説明を省略する。
【0022】
次に、加入者側通信システム20の構成について説明する。
【0023】
図2に示すように、それぞれの加入者側通信システム20は、PON側(光ファイバF)と接続するためのONU30(子局通信装置)と、加入者側ネットワークNU(下位側ネットワーク)を収容するHGW40(被収容通信装置)とを備えている。
【0024】
図1は、加入者側通信システム20を構成する各装置の機能的構成について示したブロック図である。ここでは、説明を簡易にするために、加入者側通信システム20は全て同じ構成であるものとして説明する。
【0025】
次に、ONU30の内部構成について説明する。
【0026】
加入者側通信システム20を構成するONU30は、機能的には、通信制御部31、上位側IF32、下位側IF33、LLDP制御部34、及び再起動制御部35を有している。
【0027】
上位側IF32は、PON側(光ファイバF)と接続するためのインタフェースであり、下位側IF33は、HGW40を収容するためのインタフェースである。上位側IF32は、例えば、既存のPONに接続するONUと同様のものを適用することができる。また、下位側IF33も既存のONUと同様のものを適用することができる。下位側IF33の種類は、限定されないものであるが、ここでは、下位側IF33は、例えば、100Base−TXや1000Base−T等のイーサネット(登録商標)のインタフェースに対応しているものとして説明する。
【0028】
通信制御部31は、ONU30において、上位側(PON側)と下位側(HGW40側)との間の通信制御(例えば、フレーム転送処理や制御フレームの送受信等)を行う機能を担っている。通信制御部31としては、例えば、既存のPONに対応したONUと同様のものを適用することができる。
【0029】
LLDP制御部34は、通信制御部31を介して、自装置のHGW40等の配下の通信装置(HGW40)とLLDP(Link Layer Discovery Protocol;IEEE 802.1AB)による通信を行う機能を担っている。すなわち、ONU30は、HGW40とLLDPによる通信(LLDPフレームの送受信)を行うことが可能である。ONU30とHGW40との間のLLDPを用いた通信処理の詳細については後述する。
【0030】
再起動制御部35は、自装置の再起動を行うタイミングを決定し、自装置の各部を制御して再起動を実行する処理を行う。再起動制御部35による再起動処理の詳細については後述する。再起動制御部35は、自装置の再起動が必要と判断した場合には、LLDP制御部34を介して、HGW40と通信して再起動の実施可否に関する問合せを行い、その問合せの結果に応じて自装置の再起動タイミングを決定する。
【0031】
次に、HGW40の内部構成について説明する。
【0032】
HGW40は、通信制御部41、上位側IF42、下位側IF43、IP電話処理部44、LLDP制御部45、及び電話端末IF46を有している。
【0033】
なお、HGW40は、インタフェースの物理ポート等のハードウェアの他は、通信処理やデータ処理等を実行するためのCPU、ROM、RAM等を有し、CPUが実行する通信プログラムをインストールして構築するようにしても良い。その場合でも、HGW40の機能的な構成は図1のように示すことができる。
【0034】
上位側IF42は、上位側(ONU30)と接続するためのインタフェースであり、下位側IF43は、加入者側ネットワークNUを収容するためのインタフェースである。
【0035】
上位側IF42の種類は限定されないものであるが、ONU30と通信可能なインタフェースである必要がある。ここでは、上位側IF42は、ONU30と同様に、100Base−TXや1000Base−T等のイーサネットのインタフェースに対応しているものとして説明する。ONU30(下位側IF33)とHGW40(上位側IF42)との間の接続構成は限定されないものであるが、ここでは、例として、直接イーサネットケーブル(例えば、UTP(Unshielded Twist Pair)ケーブル)で接続されているものとして説明する。
【0036】
下位側IF43は、下位側(加入者側ネットワークNU)を収容するためのインタフェースである。下位側IF43の種類も限定されないものであるが、例えば、100Base−TXや1000Base−T等のイーサネットのインタフェースを適用することができる。下位側IF43は、具体的には、例えば、加入者側ネットワークNUを構成するスイッチやPC端末等の通信装置と接続している。
【0037】
通信制御部41は、HGW40において、上位側(ONU30)と下位側(加入者側ネットワークNU)との間の通信制御(例えば、フレーム転送処理や制御フレームの送受信等)を行う機能を担っている。通信制御部41としては、例えば、既存のルータ等と同様のものを適用することができる。
【0038】
IP電話処理部44及び電話端末IF46は、電話端末50をHGW40に収容して、HGW40及び電話端末50を、IP電話装置として機能させるための構成要素である。
【0039】
電話端末IF46は、電話端末50をHGW40に接続するためのインタフェースである。電話端末IF46の種類は限定されないものであるが、例えば、RJ−11等の一般的な電話端末の物理ポートを用いて、電話端末50と接続するインタフェースとしても良い。なお、電話端末50としては、既存の電話端末(IP電話機能に対応していなくても良い)を適用することができる。
【0040】
IP電話処理部44は、呼制御や音声信号の処理等の機能を担っている。そして、IP電話処理部44では、呼制御処理部44aにより呼制御処理が行われる。
【0041】
呼制御処理部44aは、通信制御部41を介して、キャリア側ネットワークNC上の図示しない呼制御装置等と通信し、図示しない他のIP電話装置との呼を接続するための呼制御処理(シグナリング)等を行う。呼制御処理部44aが行う、呼制御処理自体については、既存のIP電話装置と同様の構成を適用することができるので、詳しい説明を省略する。また、呼制御処理部44aは、ONU30からLLDPにより(LLDP制御部45を介して)問合せを受けると、自装置のIP電話端末としての動作状態の確認を行う。そして呼制御処理部44aは、ONU30へその確認結果に応じた内容の返答を、LLDPにより(LLDP制御部45を介して)送信する。この呼制御処理部44aによるONU30からからの問合せに応答する処理の詳細については、後述する。
【0042】
IP電話処理部44は、呼制御処理部44aによりIP電話の回線接続処理が行われると、電話端末IF46を介して電話端末50から入力された音声信号に符号化処理等を施して、IPパケット(音声パケット)に変換し、通信制御部41を介して、図示しない接続先のIP電話装置に向けて送出する。また、IP電話処理部44は、図示しない接続先のIP電話装置から受信したIPパケット(音声パケット)のデータを復号処理等して音声信号を取得し、電話端末IF46を介して取得した音声信号を電話端末50に出力する処理を行う。IP電話処理部44が行う音声信号処理(音声パケット処理)等については、既存のIP電話装置と同様の構成を適用することができるため詳しい説明を省略する。
【0043】
次に、ONU30のハードウェア的な構成について説明する。
【0044】
ONU30では、インタフェースの物理ポート等のハードウェアの他は、図1に示す構成要素のうち一部又は全部を通信プログラムによりソフトウェア的に構成するようにしても良く、その場合でも、ONU30の機能的な構成は図1のように示すことができる。ここで、ONU30について、上位側IF32及び下位側IF33を構成する物理ポート等の他は全てソフトウェア(通信プログラム)により構成した場合、図3に示すような構成例で構築することができる。図3に示すように、ONU30は、通信プログラムを含むファームウェアを格納する不揮発性メモリ30cと、不揮発性メモリ30cから通信プログラムを揮発性メモリ30bに読み込んで実行するCPU30aを有している。また、図3において、上位側物理ポート30dは、上位側IF32を構成する物理ポートであり、下位側物理ポート30eは下位側IF33を構成する物理ポートを示している。なお、ONU30のハードウェア構成で、CPU30aと共に動作するハードウェア(例えば、専用チップ等)を追加するようにしても良い。
【0045】
上述の揮発性メモリ30bの具体的構成については限定されないものであるが、例えば、既存のSRAMやDRAM等を適用することができる。また、不揮発性メモリ30cの具体的構成については限定されないものであるが、例えば、既存のEEPROMやフラッシュメモリ等を適用することができる。さらに、ONU30のハードウェア構成については、既存のONUと同様の構成を適用することができる。すなわち、ONU30のハードウェア構成としては、図3の例に限定されず、既存のONUにおける種々の構成を適用することができる。
【0046】
ONU30では、例えば、システム管理者の操作に応じたタイミングで、上位側(OLT10)から、上述の通信プログラムを含むファームウェアがダウンロードされ、不揮発性メモリ30cに格納される。そして、ONU30では、次回再起動する際に、CPU30aは不揮発性メモリ30cから新たなファームウェアに基づく通信プログラムを揮発性メモリ30bに読み込んで実行する。ONU30では、新たなファームウェアをダウンロードした場合等に再起動を行うイベント(以下、「再起動イベント」と呼ぶ)が発生する。なお、ONU30において再起動イベントが発生するタイミングとしては、上述のファームウェアをダウンロードしたタイミングに限定されないものである。
【0047】
そして、ONU30では、再起動処理を行って、CPU30aが新たな通信プログラムを起動するまでの間、フレームの送受信ができないため、通信不能の状態となる。もし、HGW40で、図示しない他のIP電話装置と呼が接続中に、ONU30の再起動が行われた場合には、HGW40では、この接続中の呼は切断されることになる。
【0048】
次に、加入者側通信システム20において、ONU30を再起動する構成について説明する。
【0049】
上述の通り、ONU30では、再起動制御部35により、再起動の処理タイミング決定及び再起動制御が行われる。ここでは、再起動制御部35は、自装置の再起動を決定した場合、HGW40に再起動の実施を報告し、再起動の可否を問い合わせるための通知(以下、「再起動通知」又は「Reboot report」と呼ぶ)を行うものとする。再起動制御部35は、LLDP制御部34を介して、LLDPにより再起動通知をHGW40に送信するが、再起動通知の詳細については後述する。
【0050】
そして、その後HGW40では、再起動通知を受信すると、その再起動通知に対する応答を行う通知(以下、「再起動応答通知」又は「Reboot reply」と呼ぶ)を送信する。具体的には、再起動応答通知には、再起動許可(Accept)又は再起動不許可(Not Accept)のいずれかを示すデータが含まれているものとする。
【0051】
HGW40では、LLDP制御部45により再起動通知が受信され、LLDP制御部45から呼制御処理部44aへ、その通知内容が引き渡される。呼制御処理部44aでは、自装置の通信状況に応じて、当該再起動通知に対して、再起動の許可又は不許可を判定する。そして、呼制御処理部44aは、LLDP制御部45を介して、判定結果に応じた内容の再起動応答通知をONU30に送信するが、再起動応答通知の詳細については後述する。
【0052】
そして、ONU30では、LLDP制御部34により、再起動応答通知が受信され、LLDP制御部34から再起動制御部35へ、その通知内容が引き渡される。そして、再起動制御部35は、HGW40からの再起動応答通知の内容が再起動許可(Accept)だった場合には、再起動実施可能と判断し。再起動処理を行う。また、再起動制御部35は、HGW40からの再起動応答通知の内容が再起動不許可(Not Accept)だった場合には、再起動実施不可能と判断し、所定時間の経過後に再び再起動通知を送信する処理から行うものとする。
【0053】
次に、ONU30とHGW40との間で、LLDPを用いて行われる通信の詳細について説明する。
【0054】
一般的に、PONの配下の加入者側通信システムにおいて、PONに接続するONUと、加入者側ネットワークを収容するHGWが分かれた装置で構成されている場合、HGWはレイヤ3以上の通信装置(IPルーティング機能に対応する通信装置)であるのに対して、ONUはレイヤ2相当の通信装置(IPルーティング機能に対応しない通信装置)である。従って、上述の場合、一般的なONUは、IPアドレスを持たず、MACアドレスを用いて、レイヤ2(イーサネット)以下の処理でHGWと通信することになる。この実施形態においても、ONU30はMACアドレスを用いて、レイヤ2(イーサネット)でHGW40と通信するものとして説明する。この場合、具体的には、ONU30とHGW40との間では、MACフレーム(イーサネットフレーム)を用いた通信が行われる。そのため、この実施形態では、ONU30とHGW40との間でやりとりされるONU30再起動に関する通知処理について、MACフレームのみで実現することができるLLDP(LLDPフレーム)を用いるものとする。
【0055】
図4は、ONU30とHGW40との間でやりとりされるLLDPフレームの構成例について示した説明図である。なお、この実施形態のLLDPフレームは、IEEE 802.1ABに従った構成となっている。
【0056】
図4(a)、(b)は、この実施形態のLLDPフレームの全体を示している。図4(b)に示すように、LLDPフレームには、DA(Destination Adress;送信先MACアドレス)、SA(Source Adress;送信元MACアドレス)、Ethernet Type(タイプ値)、LLDPDU(LLDP Data Unit;LLDPで送信するデータ)、FCS(Frame Check Sequence;誤り検出用のCRC値)のフィールドが含まれている。
【0057】
なお、IEEE 802.1ABに従ったLLDPフレームでは、DAには所定のマルチキャストのMACアドレスが設定され、SAには自装置のMACアドレスが設定されることになる。そして、Ethernet Typeのフィールドには、LLDPを示す識別子として「88CC」が設定されるものとする。
【0058】
図4(c)は、図4(b)に示すLLDPフレームを構成するLLDPDUのフィールドの内容を示している。図4(c)に示すように、この実施形態のLLDPDUは、Chassis ID(機器の識別番号)、Port ID(ポートの識別番号)、Time−to−Live(当該データユニットによる情報の有効期間)、Organizationally Specific(1又は複数のオプションの情報要素(Optional))、End−of−LLDPDU(LLDPDUの終端)のフィールドを有している。なお、「Organizationally Specific」以外のフィールドについては、任意の値(例えば、既存のLLDPフレームで用いられる値)を適用するようにしても良い。
【0059】
「Organizationally Specific」を構成するオプションの情報要素(Optional)には、Type、Length、Valueという3つの情報要素が含まれている。そして、以下では、上述のオプションの情報要素(Optional)を「オプションTLV」とも呼ぶものとする。IEEE 802.1ABの規定において、オプションTLVの内容はユーザ(メーカ、ベンダ)が独自に定義することが可能である。そして、この実施形態で用いられる各通知では、以下のようなオプションTLVが定義されているものとする。
【0060】
図5は、ONU30からHGW40へ送信される再起動通知(Reboot report)のLLDPフレーム(LLDPDU)に含まれるオプションTLVの構成について示した説明図である。また、図6は、HGW40からONU30へ送信される再起動応答通知のLLDPフレーム(LLDPDU)に含まれるオプションTLVの構成について示した説明図である。
【0061】
Typeのオプション値は、当該LLDPフレームが、再起動通知又は再起動応答通知のいずれに該当するのかを示している。ここでは、Typeの値が「0x01」の場合、そのLLDPフレームは、再起動通知(Reboot report)であることを示すものとする。また、Typeの値が「0x02」の場合、そのLLDPフレームは、再起動通知(Reboot reply)であることを示すものとする。
【0062】
Lengthの値は、当該オプションTLVの長さを示しており、ここでは、「0x03」(3バイト)が設定されるものとする。
【0063】
Valueの値は、ここでは、再起動応答通知(Reboot reply)の場合にのみ意味を成す値となる。ここでは、Valueの値が「0x00」の場合、再起動許可(Accept)を示すものとする。また、Valueの値が「0x01」の場合、再起動不許可(Not Accept)を示すものとする。
【0064】
なお、LLDPフレーム内で、再起動通知及び再起動応答通知を定義する方法は、上述の内容(例えば、オプションTLVの具体的な数値の内容等)は限定されないものである。
【0065】
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態の通信システム1の動作(実施形態の子局通信装置の再起動方法)を説明する。
【0066】
まず、最初に、加入者側通信システム20を構成するONU30において、再起動イベントが発生する場合の例について説明する。
【0067】
図7は、ONU30において再起動イベントが発生する例について示したシーケンス図である。図7では、ONU30において、新たにファームウェアをOLT10側からダウンロードした場合に再起動イベントが発生する例について示している。
【0068】
まず、OLT10から、ONU30へ、ファームウェアのダウンロード開始が通知されたものとする(S101)。通信システム1において、ファームウェアのダウンロードが開始されるタイミングについては限定されないものであるが、例えば、システム管理者の操作等により開始される。
【0069】
そして、その後、OLT10から、ONU30へ、ファームウェアのデータが、複数のフレームに分割されて送信されたものとする(S102)。OLT10から、ONU30へ、ファームウェアのデータを送信する処理については、既存のPONと同様の構成(例えば、特許文献1の記載技術)を適用することができるので、詳しい説明については省略する。
【0070】
次に、ONU30では、OLT10から受信したファームウェアのデータが再構成され、不揮発性メモリ30cに格納されたものとする(S103)。ONU30において、ファームウェアの分割データが挿入されたフレームを受信して、ファームウェアを再構成する処理についても、既存のPONと同様の構成を適用することができる。
【0071】
そして、ONU30でファームウェアのデータが、不揮発性メモリ30cに格納されると、ONU30からOLT10へ、ダウンロード完了が通知される(S104)。
【0072】
そして、OLT10では、ONU30からのダウンロード完了通知が受信されると、当該ONU30へ再起動要求が送信される(S105)。
【0073】
そして、ONU30では、OLT10からの再起動要求の受信に伴って、再起動制御部35により再起動イベントが発生(開始)する(S106)。なお、この実施形態において、ONU30では、OLT10からの再起動要求を受けて、再起動イベントを発生させるものとして説明するが、ファームウェアのダウンロード完了をもって、自律的に再起動イベントを発生させるようにしても良い。
【0074】
次に、加入者側通信システム20を構成するONU30で、再起動イベントが発生した場合の動作について説明する。
【0075】
図8は、ONU30で再起動イベントが発生した場合の動作について示したフローチャートである。
【0076】
ONU30では再起動イベントが開始すると、まず、ONU30の再起動制御部35により、LLDP制御部34を介して、再起動通知(Reboot report)が、HGW40に送信される(S201)。
【0077】
そして、再起動制御部35では、再起動通知(Reboot report)を送信してから図示しないタイマが起動され、タイマがタイムアウトするまでに、HGW40から再起動応答通知(Reboot reply)があったか否かが確認される(S202)。なお、ここでは、上述のタイマのタイムアウト時間は1秒に設定されているものとする。そして、再起動制御部35は、上述のタイマがタイムアウトするまでに、再起動応答通知がなかった場合には、再度上述のステップS201から動作し、再起動通知の送信が行われる。なお、通信制御部31では、受信したLLDPフレーム(LLDPDU)に、Typeの値が「2」のオプションTLVが存在する場合、当該LLDPフレームを、再起動応答通知と認識して、再起動制御部35に引き渡すようにしても良い。
【0078】
一方、上述のタイマがタイムアウトするまでに、再起動応答通知があった場合には、再起動制御部35は、さらに、当該再起動応答通知の内容(Typeの値が「2」のオプションTLVのValue)が確認される(S203)。
【0079】
そして、再起動応答通知の内容(オプションTLVのValue)が、再起動許可(Accept)を示す値(0x00)であった場合には、再起動制御部35は、再起動実施可能と判断し、自装置の再起動を行う(S204)。再起動制御部35による再起動処理の具体的手順については、既存のONUと同様の内容を適用することができるため、詳しい説明は省略する。
【0080】
一方、再起動応答通知の内容(オプションTLVのValue)が、再起動不許可(Not Accept)を示す値(0x01)であった場合には、再起動制御部35は、再起動不可能と判断し、一定時間待機(ここでは、10秒であるものとする)(S205)した後に、上述のステップS201から動作し、再起動通知の送信が行われる。なお、ONU30(再起動制御部35)は、一定時間以上HGW40から、再起動不許可の再起動応答通知すら受信できない場合(すなわち、無応答の場合)には、再起動許可を待たずに再起動を行うようにしても良い。
【0081】
次に、HGW40(呼制御処理部44a)側の動作について説明する。
【0082】
図9は、HGW40(呼制御処理部44a)が、再起動応答通知(Reboot report)を受信した場合の動作について示したフローチャートである。
【0083】
HGW40の呼制御処理部44aでは、LLDP制御部45を介して、再起動応答通知(Reboot report)を受信すると、現在の自装置のIP電話通信の状態(他のIP電話装置と呼接続中であるか否か)が確認される(S301)。なお、通信制御部41では、受信したLLDPフレーム(LLDPDU)に、Typeの値が「1」のオプションTLVが存在する場合、当該LLDPフレームを、再起動応答通知と認識して、呼制御処理部44aに引き渡すようにしても良い。
【0084】
そして、呼制御処理部44aは、現在自装置が、他のIP電話装置と呼接続していない(IP電話未使用)と判定した場合には、LLDP制御部45を介して、ONU30に、再起動許可(Accept)の再起動応答通知(Reboot reply)を返答して(S302)処理を終了する。呼制御処理部44aは、現在自装置が、他のIP電話装置と呼接続中である(IP電話使用中)と判定した場合には、LLDP制御部45を介して、ONU30に、再起動不許可(Not Accept)の再起動応答通知(Reboot reply)を返答して(S303)、処理を終了する。
【0085】
以上のように、ONU30(再起動制御部35)では、HGW40から再起動許可が得られるまで、再起動通知の送信を繰り返し行う。
【0086】
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0087】
上記の実施形態において、ONU30で再起動によりネットワークの接続断が発生する場合は、ONU30とHGW40との間で相互にLLDPを用いて通知処理を行っている。具体的には、ONU30では、HGW40からの再起動応答通知(Reboot reply)の内容が、再起動許可(Accept)の場合にのみ再起動を行うことで、HGW40のIP電話通信に対する影響(例えば、突発的なIP電話使用不可状態等)を抑制することができる。
【0088】
(B)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0089】
(B−1)上記の実施形態において、加入者側通信システム(子局通信システム)は、PONによりOLT(親局通信装置)に接続する構成として説明した。しかし、本発明の個局通信システムにおいて、親局通信装置と接続する具体的な手段については限定されないものである。例えば、本発明の子局通信システムをSONET(Synchronous Optical Network)により、親局通信装置と接続させるようにしても良い。この場合、上記の実施形態のONUがSONETに接続するためのADM(Add Drop Multiplexer)に置き換えられることになるが、このADMは上位側(親局通信装置側)のインタフェースが異なるだけで、下位側(HGW側)に対する接続構成(LLDP制御部や再起動制御部の構成を含む)は同様のものを適用することができる。
【0090】
(B−2)上記の実施形態の加入者側通信システムでは、ONUの配下に、IP電話通信に対応したHGWが配置されているが、少なくともIP電話通信に対応したその他の装置(例えば、単なるIP電話装置)に置き換えるようにしても良い。
【0091】
また、上記の実施形態では、ONUの配下には、IP電話通信に対応した通信装置としてHGWが1台のみ配置されているが、複数のIP電話通信に対応した通信装置(以下、「IP電話対応通信装置」と呼ぶ)を配置するようにしても良い。上述のように、ONUからは、マルチキャスト通信を用いたLLDPを用いて再起動通知が送出される。したがって、ONUの配下に複数のIP電話対応通信装置があったとしても、レイヤ2のセグメント内であればONUから全ての配下のIP電話対応通信装置へ再起動通知を到達させることができる。また、ONUの配下のIP電話対応通信装置から、再起動応答通知を送出際には、LLDPフレームに送信元MACアドレス(SA)が設定されるので、ONU側で受信した場合に、そのLLDPフレームの送信元を把握することができる。ONUの配下に複数のIP電話対応通信装置が配置されている場合には、ONUに配下のIP電話対応通信装置のMACアドレスを全て登録しておき、全てのIP電話対応通信装置から再起動許可(Accept)が得られた時にのみ、再起動処理を行うようにしても良い。
【0092】
(B−3)上記の実施形態では、HGWと電話端末とは別装置として説明している(上述の図1参照)が、HGWに受話器(スピーカ及びマイク)を備えて1つの装置として構成するようにしても良い。
【0093】
(B−4)上記の実施形態では、ONUとHGWとの間で、再起動実施に関する通知をやりとりする手段としてLLDPを用いていたが、その他の通信手順を用いるようにしても良い。例えば、ONUから、単に、所定のタイプ値を設定したMACフレームを、再起動通知として、ブロードキャストやマルチキャスト等の同報通信により送信するようにしても良い。そして、HGWにおいて、所定のタイプ値を設定し、さらにデータ部分に再起動許可又は再起動不許可を示す通知内容(メッセージ)を挿入したMACフレームを、再起動応答通知として返答するようにしても良い。HGWからONUへ返答する再起動応答通知は、再起動通知と同様に同報通信により送信しても良いが、再起動通知の送信元(すなわち、ONU)に、ユニキャストにより送信するように構成しても良い。
【0094】
(B−5)上記の実施形態では、ONUで再起動を実施する場合には、HGWに再起動通知を送信し、HGWでは、再起動許可又は再起動不許可の内容を含む再起動応答通知を受信し、再起動の実施可否を判断している。しかし、ONUとHGWとの間でやりとりされる内容は、ONUで再起動の実施可否が可能な内容であれば具体的な内容は限定されないものである。例えば、HGWからの再起動応答通知に、「再起動許可又は再起動不許可」ではなく、自装置でIP電話使用中であるか否かを示す情報を返答し、最終的な再起動の実施可否の判断をONU側で行うようにしても良い。
【符号の説明】
【0095】
1…通信システム、SC…キャリア側通信局、10…OLT、NC…キャリア側ネットワーク、SU…サービス加入者宅、F…光ファイバ、S…スプリッタ、20…加入者側通信システム、30…ONU、31…通信制御部、32…上位側IF、33…下位側IF、34…LLDP制御部、35…再起動制御部、30a…CPU、30b…揮発性メモリ、30c…不揮発性メモリ、30d…上位側物理ポート、30e…下位側物理ポート、40…HGW、41…通信制御部、42…上位側IF、43…下位側IF、44…IP電話処理部、44a…呼制御処理部、45…LLDP制御部、46…電話端末IF、NU…加入者側ネットワーク、50…電話端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親局通信装置と接続する子局通信装置と、上記子局通信装置の配下に収容され、上記子局通信装置及び上記親局通信装置を経由して他の電話通信装置と電話通信可能な被収容通信装置とを備える子局通信システムにおいて、
上記子局通信装置は、
自装置が再起動処理を実施する際に、上記被収容通信装置に対して自装置の再起動実施可否に関する問合せを行う問合せ手段と、
上記被収容通信装置から、上記問合せ手段による問合せに対する応答情報を受信する応答受信手段と、
上記応答受信手段が受信した応答情報に基づいて、自装置の再起動実施可否について判定し、再起動実施可能と判定した場合にのみ、自装置の再起動を行う再起動制御手段とを有し、
上記被収容通信装置は、
上記子局通信装置から、再起動実施可否に関する問合せがあった場合に、自装置の電話通信の状況に応じた応答情報を上記子局通信装置に送信する応答手段を有する
ことを特徴とする子局通信システム。
【請求項2】
上記応答手段は、上記子局通信装置から、再起動実施可否に関する問合せがあった場合に、自装置が他の電話通信装置と呼接続中でない場合にのみ、再起動実施許可を示す応答情報を、上記子局通信装置へ送信し、
上記再起動制御手段は、上記被収容通信装置から、再起動実施許可を示す応答情報を受信した場合にのみ、再起動実施可能と判定し、自装置の再起動を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の子局通信システム。
【請求項3】
上記応答手段は、上記子局通信装置から、再起動実施可否に関する問合せがあった場合に、自装置が他の電話通信装置と呼接続中の場合には、再起動実施不許可を示す応答情報を、上記子局通信装置へ送信し、
上記問合せ手段は、上記被収容通信装置から、再起動実施不許可を示す応答情報を受信した場合に、上記被収容通信装置に対して自装置の再起動実施可否に関する問合せを再度行う
ことを特徴とする請求項2に記載の子局通信システム。
【請求項4】
親局通信装置と接続し、配下に当該子局通信装置及び上記親局通信装置を経由して他の電話通信装置と電話通信可能な被収容通信装置を収容する子局通信装置において、
自装置が再起動処理を実施する際に、上記被収容通信装置に対して自装置の再起動実施可否に関する問合せを行う問合せ手段と、
上記被収容通信装置から、上記問合せ手段による問合せに対する応答情報を受信する応答受信手段と、
上記応答受信手段が受信した応答情報に基づいて、自装置の再起動実施可否について判定し、再起動実施可能と判定した場合にのみ、自装置の再起動を行う再起動制御手段と
を有することを特徴とする子局通信装置。
【請求項5】
親局通信装置と接続する子局通信装置の配下に収容され、上記子局通信装置及び上記親局通信装置を経由して他の電話通信装置と電話通信可能な被収容通信装置において、
上記子局通信装置から、上記子局通信装置の再起動実施可否に関する問合せがあった場合に、自装置の電話通信の状況に応じた応答情報を上記子局通信装置に送信する応答手段を有する
ことを特徴とする被収容通信装置。
【請求項6】
親局通信装置と、上記親局通信装置と接続する1又は複数の子局通信システムとを備える通信システムにおいて、一部又は全部の上記子局通信システムについて、請求項1〜3のいずれかに記載の子局通信システムを適用したことを特徴とする通信システム。
【請求項7】
親局通信装置と接続する子局通信装置と、上記子局通信装置の配下に収容され、上記子局通信装置及び上記親局通信装置を経由して他の電話通信装置と電話通信可能な被収容通信装置とを備える子局通信システムを構成する子局通信装置の再起動方法おいて、
上記子局通信装置が、再起動処理を実施する際に、上記被収容通信装置に対して自装置の再起動実施可否に関する問合せを行う問合せ工程と、
上記被収容通信装置で、上記子局通信装置から、再起動実施可否に関する問合せがあった場合に、自装置の電話通信の状況に応じた応答情報を上記子局通信装置に送信する応答工程と、
上記子局通信装置が、上記被収容通信装置から、上記問合せ工程による問合せに対する応答情報を受信する応答受信工程と、
上記子局通信装置が、上記応答受信工程で受信した応答情報に基づいて、自装置の再起動実施可否について判定し、再起動実施可能と判定した場合にのみ、自装置の再起動を行う再起動制御工程と
を含むことを特徴とする子局通信装置の再起動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−257182(P2012−257182A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130437(P2011−130437)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(503262509)株式会社オー・エフ・ネットワークス (62)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】