説明

安否確認装置及び安否確認方法

【課題】データベースへの事前登録を行うことなく利用可能な安否確認装置及び安否確認方法を提供することにある。
【解決手段】安否確認装置は、住民基本台帳データベースに格納されている住民基本台帳情報に含まれる住民票コードを格納する安否情報データベースを具備する。安否確認装置は、安否情報を登録する安否登録者に割り当てられている住民票コードを入力する第1の入力手段を具備する。安否確認装置は、第1の入力手段によって入力された住民票コードが割り当てられている安否登録者の安否を示す安否情報を入力する第2の入力手段を具備する。安否確認装置は、第2の入力手段によって入力された安否情報を、第1の入力手段によって入力された住民票コードに対応づけて安否情報データベースに登録する登録手段を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、地震等の災害発生時に、被災者の安否を確認するための安否確認装置及び安否確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、地震等の災害発生時には、被災者との連絡が取れず、当該被災者の安否を迅速に確認することが困難である場合が多い。
【0003】
そこで、近年では、被災者の安否を管理(確認)するための装置(以下、安否確認装置と表記)が開発されている。
【0004】
この安否確認装置によれば、事前にデータベース等に登録された者(以下、事前登録者と表記)が被災した場合、当該事前登録者は、自身の安否(無事、軽症、重症等)を安否確認装置に対して登録することができる。
【0005】
これにより、上記した事前登録者と関係がある者(例えば、家族または知人等)は、安否確認装置にアクセスして、当該事前登録者の安否を確認することができる。
【0006】
なお、データベースへの事前登録は、例えば音声ガイダンスまたは音声認識を用いた効率的な安否確認のために行われる。このようにデータベースへの事前登録を行っておくことで、以前の本人とオペレータとの音声による手作業的な安否確認と比較して、半自動的に短時間で信頼性の高い安否確認を行うことが可能となる。
【0007】
また、安否確認装置の種類によっては、安否確認装置を利用するための入力端末自体が定められているものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−297131号公報
【特許文献2】特開2001−76275号公報
【特許文献3】特開平9−312694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、大規模な災害(大地震等)が発生した場合、当該災害の影響を受ける者の数は、膨大になると考えられる。
【0010】
この場合、上記した安否確認装置におけるデータベースへの事前登録が当該安否確認装置の利用者を制限する場合がある。
【0011】
すなわち、大規模な災害の影響を受けた者の中には、安否確認装置において事前に登録されていない者も多く含まれることが想定されるが、このような者は、当該安否確認装置を利用することができない(つまり、安否を登録することができない)。
【0012】
また、データベースへの事前登録をしている場合であっても、上記したように予め定められた入力端末を災害時に紛失しているような場合には、安否確認装置を利用できない可能性がある。
【0013】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、データベースへの事前登録を行うことなく利用可能な安否確認装置及び安否確認方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
実施形態によれば、個人に割り当てられている住民票コードを含む住民基本台帳情報が格納されている住民基本台帳データベースと接続可能な安否確認装置が提供される。
【0015】
実施形態に係る安否確認装置は、前記住民基本台帳データベースに格納されている住民基本台帳情報に含まれる住民票コードを格納する安否情報データベースを具備する。
【0016】
実施形態に係る安否確認装置は、安否情報を登録する安否登録者に割り当てられている住民票コードを入力する第1の入力手段を具備する。
【0017】
実施形態に係る安否確認装置は、前記第1の入力手段によって入力された住民票コードが割り当てられている安否登録者の安否を示す安否情報を入力する第2の入力手段を具備する。
【0018】
実施形態に係る安否確認装置は、前記第2の入力手段によって入力された安否情報を、前記第1の入力手段によって入力された住民票コードに対応づけて前記安否情報データベースに登録する登録手段を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係る安否確認装置の構成を示すブロック図。
【図2】図1に示す安否確認装置10に含まれる安否情報DB11のデータ構造の一例を示す図。
【図3】本実施形態に係る安否確認装置10によって実行される安否情報登録処理の処理手順を示すフローチャート。
【図4】安否登録者が当該安否登録者に割り当てられている住民票コードを知っている場合の安否情報登録処理について具体的に説明するための図。
【図5】安否登録者が当該安否登録者に割り当てられている住民票コードを知らない場合の安否情報登録処理について具体的に説明するための図。
【図6】本実施形態に係る安否確認装置10によって実行される安否情報確認処理の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る安否確認装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る安否確認装置10は、例えば地震等の災害が発生した際に、被災者の安否を管理するために用いられる。
【0022】
図1に示すように、安否確認装置10は、安否情報を登録する者(例えば、被災者)によって利用される安否情報登録装置20とネットワークを介して接続される。安否確認装置10と安否情報登録装置20とは、有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよい。安否情報登録装置20は、例えば公衆電話、携帯電話及びパーソナルコンピュータ(PC)等を含む。以下の説明では、安否情報を登録する者(つまり、安否情報登録装置20を利用する者)を便宜的に安否登録者と称する。
【0023】
安否登録者(安否情報を登録する者)は、安否情報登録装置20を用いて、例えば当該安否登録者に割り当てられている住民票コードまたは当該安否登録者を特定する本人確認情報を指定(入力)することができる。また、安否登録者は、安否情報登録装置20を用いて、当該安否登録者の安否を示す安否情報を指定することができる。なお、安否情報登録装置20が公衆電話または携帯電話等のプッシュダイヤルにて音声送信を行うものである場合、安否登録者による住民票コード、本人確認情報または安否情報の指定は、例えば音声応答や音声認識等により行われる。
【0024】
また、安否確認装置10は、安否登録者の安否情報を確認する者によって利用される情報端末30とネットワークを介して接続される。安否確認装置10と情報端末30とは、有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよい。なお、情報端末30上では、安否確認装置10に対してアクセスして安否情報を得るために、例えばブラウザが動作するものとする。以下の説明では、安否登録者の安否情報を確認する者(つまり、情報端末30を利用する者)を便宜的に安否確認者と称する。
【0025】
安否確認者(安否登録者の安否情報を確認する者)は、情報端末30を用いて、安否情報の確認の対象となる安否登録者に割り当てられている住民票コードまたは当該安否登録者を特定する本人確認情報を指定することができる。
【0026】
上記した安否確認装置10、安否情報登録装置20及び情報端末30は、安否確認システムを構成する。
【0027】
また、安否確認装置10は、個人に割り当てられている住民票コード及び当該住民票コードが割り当てられている個人を特定する本人確認情報を含む住民基本台帳情報が格納されている既存の住民基本台帳DB(データベース)40と接続可能である。
【0028】
なお、図1においては図示しないが、安否確認装置10には、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して、防災担当用PC(パーソナルコンピュータ)が接続される。この防災担当用PCは、例えば安否確認装置10が設置される防災センタ等において用いられる。防災担当用PCにおいては、例えば安否確認装置10において管理される安否情報等を表示することができる。このように防災担当用PCにおいて表示された安否情報等は、例えば被災者の救助等において用いられることができる。
【0029】
図1に示す安否確認装置10は、安否情報DB(データベース)11、安否情報登録処理部12、音声処理部13及び安否情報確認処理部14を含む。なお、本実施形態に係る安否確認装置10は、当該装置の各機能を実現するためのハードウェア構成、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ構成として実現されている。ソフトウェアは、予め記憶媒体またはネットワークからインストールされ、安否確認装置10にその機能を実現させるためのプログラムからなる。
【0030】
安否情報DB11は、例えばファイアーウォール等を介してセキュリティが確保された状態で住民基本台帳DB40と接続される。安否情報DB11には、住民基本台帳DB40に格納されている住民基本台帳情報に含まれる住民票コード及び本人確認情報がコピーされる。これにより、安否情報DB11には、住民票コード及び当該住民票コードが割り当てられている個人を特定する本人確認情報が対応づけて格納される。
【0031】
安否情報登録処理部12は、上記したように安否情報登録装置20において安否登録者によって指定された住民票コードまたは本人確認情報を入力する。また、安否情報登録処理部12は、安否情報登録装置20において安否登録者によって指定された安否情報を入力する。
【0032】
安否情報登録処理部12は、住民票コードが入力された場合、入力された安否情報を当該住民票コードに対応づけて安否情報DB11に登録する。
【0033】
また、安否情報登録処理部12は、本人確認情報が入力された場合、安否情報DB11を参照して当該本人確認情報によって特定される安否登録者に割り当てられている住民票コードを特定する。安否情報登録処理部12は、入力された安否情報を、特定された住民票コードに対応づけて安否情報DB11に登録する。
【0034】
音声処理部13は、上記したように安否登録者による住民票コード、本人確認情報及び安否情報の指定における音声応答及び音声認識等に関する処理を実行する機能を有する。
【0035】
安否情報確認処理部14は、例えば安否情報DB11に登録(格納)されている安否情報を、ネットワークを介して安否確認者に提供するWWWサーバを含む。このWWWサーバにアクセスして安否情報を得るために、上記した情報端末30上で動作するブラウザが利用される。
【0036】
安否情報確認処理部14は、上記したように情報端末30において安否確認者によって指定された住民票コードまたは本人確認情報を入力する。
【0037】
安否情報確認処理部14は、住民票コードが入力された場合、当該住民票コードに対応づけて安否情報DB11に登録されている安否情報を情報端末30に対して出力する。
【0038】
また、安否情報確認部14は、本人確認情報が入力された場合、当該本人確認情報によって特定される安否登録者に割り当てられている住民票コードを特定し、当該特定された住民票コードに対応づけて安否情報DB11に登録されている安否情報を情報端末30に対して出力する。
【0039】
図2は、図1に示す安否確認装置10に含まれる安否情報DB11のデータ構造の一例を示す。
【0040】
図2に示すように、安否情報DB11には、住民票コードに対応づけて安否情報及び本人確認情報が格納される。住民票コードは、個人に割り当てられている11桁の番号である。なお、以下の説明では、住民票コードを便宜的に6文字の英字で表している。
【0041】
安否情報は、対応づけられている住民票コードが割り当てられている個人(安否登録者)の安否を示す。安否情報には、無事、軽症及び重症等が含まれる。
【0042】
本人確認情報は、対応づけられている住民票コードが割り当てられている個人を特定する情報である。本人確認情報には、例えば氏名、生年月日、性別及び住所が含まれる。
【0043】
なお、住民票コード及び本人確認情報は、上記したように既存の住民基本台帳DB40(に格納されている住民基本台帳情報)からコピーされた情報である。一方、安否情報は、例えば対応づけられている住民票コードが割り当てられている安否登録者によって安否情報登録装置20を介して登録された情報である。
【0044】
図2に示す例では、安否情報DB11には、住民票コード「abcdef」、安否情報「無事」及び本人確認情報「xxxxx」が対応づけて格納されている。これによれば、住民票コード「abcde」が割り当てられている安否登録者(本人確認情報「xxxxx」によって特定される安否登録者)の安否が無事であることが示されている。なお、ここでは便宜的に本人確認情報を「xxxxx」として表記したが、当該本人確認情報には、上記したように氏名、生年月日、性別及び住所が含まれている。以下の本人確認情報についても同様である。
【0045】
安否情報DB11には、住民票コード「higklm」、安否情報「軽症」及び本人確認情報「yyyyy」が対応づけて格納されている。これによれば、住民票コード「higklm」が割り当てられている安否登録者(本人確認情報「yyyyy」によって特定される安否登録者)の安否が軽症であることが示されている。
【0046】
また、安否情報DB11には、住民票コード「qrstuv」、安否情報「重症」及び本人確認情報「zzzzz」が対応づけて格納されている。これによれば、住民票コード「qrstuv」が割り当てられている安否登録者(本人確認情報「zzzzz」によって特定される安否登録者)の安否が重症であることが示されている。
【0047】
以下、本実施形態に係る安否確認装置10の動作について説明する。安否確認装置10においては、安否情報を登録する安否情報登録処理及び安否情報を確認する安否情報確認処理が実行される。
【0048】
まず、図3のフローチャートを参照して、本実施形態に係る安否確認装置10によって実行される安否情報登録処理の処理手順について説明する。
【0049】
なお、安否情報登録処理は、例えば災害発生時に、安否登録者が安否情報登録装置20を用いて安否情報を自発的に登録する際の処理である。
【0050】
上記したように、安否登録者は、安否情報登録装置20を用いて、当該安否登録者に割り当てられている住民票コードまたは当該安否登録者を特定する本人確認情報を指定することができる。なお、安否登録者は、当該安否登録者に割り当てられている住民票コードを知っている場合には当該住民票コードを指定し、当該安否登録者に割り当てられている住民票コードを知らない場合には当該安否登録者を特定する本人確認情報を指定すればよい。
【0051】
ここで、安否確認装置10に含まれる安否情報登録処理部12は、安否情報登録装置20において住民票コードが安否登録者によって指定されたか否かを判定する(ステップS1)。
【0052】
住民票コードが安否登録者によって指定されたと判定された場合(ステップS1のYES)、安否情報登録処理部12は、当該住民票コードを入力する(ステップS2)。
【0053】
次に、安否情報登録処理部12は、安否情報DB11を参照して、入力された住民票コードが割り当てられている安否登録者を特定する(ステップS3)。この場合、安否情報登録処理部12は、入力された住民票コードに対応づけて安否情報DB11に格納されている本人確認情報を取得する。
【0054】
安否情報登録処理部12は、取得された本人確認情報を安否情報登録装置20に対して出力する(ステップS4)。これにより、安否登録者は、安否情報登録装置20において本人確認情報の内容(氏名、生年月日、性別及び住所)を確認することができる。また、安否登録者は、安否情報登録装置20を用いて、確認した本人確認情報の内容が正しいか否かを安否確認装置10に対して指示することができる。
【0055】
安否情報登録部12は、安否登録者による指示に応じて、本人確認情報の内容が正しいか否かを判定する(ステップS5)。
【0056】
本人確認情報の内容が正しくないと判定された場合(ステップS5のNO)、上記したステップS1に戻って処理が繰り返される。この場合、住民票コードまたは本人確認情報が安否登録者によって再度指定されて、ステップS1以降の処理が実行される。
【0057】
一方、安否登録者は、本人確認情報の内容が正しいと判断した場合、当該安否登録者の安否を示す安否情報(例えば、無事、軽症または重症等)を、安否情報登録装置20を用いて指定することができる。つまり、本人確認情報の内容が正しいと判定された場合(ステップS5のYES)、安否情報登録処理部12は、安否登録者によって指定された安否情報を入力する(ステップS6)。
【0058】
安否情報登録装置20は、入力された安否情報を安否情報登録装置20に対して出力する(ステップS7)。これにより、安否登録者は、当該安否登録者によって指定された安否情報の内容(無事、軽症または重症)を安否情報登録装置20において確認することができる。また、安否登録者は、安否情報登録装置20を用いて、確認した安否情報の内容が正しいか否かを安否確認装置10に対して指示することができる。
【0059】
安否情報登録部12は、安否登録者による指示に応じて、安否情報の内容が正しいか否かを判定する(ステップS8)。
【0060】
安否情報の内容が正しくないと判定された場合(ステップS8のNO)、上記したステップS6に戻って処理が繰り返される。この場合、安否情報が安否登録者によって再度指定されて、ステップS6以降の処理が実行される。
【0061】
一方、安否情報の内容が正しいと判定された場合(ステップS8のYES)、安否情報登録処理部12は、ステップS6において入力された安否情報を安否情報DB11に登録する(ステップS9)。この場合、安否情報登録処理部12は、安否情報を、ステップS2において入力された住民票コードに対応づけて安否情報DB11に登録する。
【0062】
なお、上記したステップS1において安否情報登録装置20において住民票コードが安否登録者によって指定されていない(つまり、本人確認情報が安否登録者によって指定された)と判定された場合、安否情報登録処理部12は、当該本人確認情報を入力する(ステップS10)。
【0063】
次に、安否情報登録処理部12は、入力された本人確認情報を安否情報DB11と照合し、住民票コードを特定する(ステップS11)。具体的には、安否情報登録処理部12は、入力された本人確認情報に含まれる氏名、生年月日、性別及び住所の全てが一致する本人確認情報に対応づけて安否情報DB11に格納されている住民票コードを特定する。
【0064】
ステップS11の処理が実行されると、上記したステップS4以降の処理が実行される。なお、この場合におけるステップS4の処理においては、ステップS10において入力された本人確認情報が出力される。また、ステップS9の処理においては、ステップS6において入力された安否情報がステップS11において特定された住民票コードに対応づけて安否情報DB11に登録される。
【0065】
ここで、上述した安否情報登録処理について具体的に説明する。ここでは、安否情報登録装置20が公衆電話または携帯電話等のプッシュダイヤル(トーンダイヤル)にて音声送信を行うものであるものとして説明する。
【0066】
まず、図4を参照して、安否登録者が当該安否登録者に割り当てられている住民票コードを知っている場合の安否情報登録処理について具体的に説明する。
【0067】
安否情報を登録する場合、安否登録者は、安否情報登録装置20(公衆電話または携帯電話等)を用いて、予め設定されている安否情報ダイヤルにより安否確認装置10にアクセスする(ステップS21)。
【0068】
このように安否情報ダイヤルにより安否確認装置10にアクセスされると、安否情報登録装置20側では以下に説明するように各種音声ガイダンスが流れ、安否登録者は、この音声ガイダンスに従って安否情報の登録を行うことができる。
【0069】
まず、安否確認装置10に含まれる安否情報登録処理部12は、入力情報選択用音声を安否情報登録装置20に対して出力することにより、安否情報登録装置20を利用する安否登録者に対して入力情報(つまり、住民票コードまたは本人確認情報)の選択を要求する(ステップS22)。この場合、安否情報登録装置20においては、入力情報選択用音声として例えば「住民票コードの分かる方は「1」、分からない方は「0」を入力願います。」等の音声が出力される。なお、入力情報選択用音声は、安否確認装置10において予め用意されているものとする。
【0070】
ここでは、安否登録者は、当該安否登録者に割り当てられている住民票コードを知っているものとする。この場合、安否登録者は、安否情報登録装置20を用いて「1」を入力(指定)する(ステップS23)。
【0071】
安否情報登録装置20を用いて安否登録者によって「1」が入力された場合、当該「1」に対応するトーン信号が安否情報登録装置20から安否確認装置10に送信される。これにより、安否確認装置10側では、安否登録者によって「1」が入力されたことが認識される。以下の説明においても同様である。
【0072】
ステップS23において「1」が入力された場合、安否情報登録処理部12は、住民票コード入力用音声を安否情報登録装置20に対して出力することにより、安否登録者に対して住民票コードの入力(指定)を要求する(ステップS24)。この場合、安否情報登録装置20においては、住民票コード入力用音声として例えば「住民票コードを入力願います。」等の音声が出力される。なお、住民票コード入力用音声は、安否確認装置10において予め用意されているものとする。
【0073】
この場合、安否登録者は、安否情報登録装置20を用いて、当該安否登録者に割り当てられている住民票コードを入力する(ステップS25)。ここでは、安否登録者に割り当てられている住民票コードとして「abcdef」が入力されたものとする。
【0074】
次に、安否情報登録処理部12は、安否登録者によって入力された住民票コード「abcdef」に対応づけて安否情報DB11に格納されている本人確認情報を取得する。
【0075】
ここで、音声処理部13は、安否情報登録処理部12によって取得された本人確認情報に基づいて、当該本人確認情報の内容を確認するための本人確認情報確認用音声を生成する。
【0076】
安否情報登録処理部12は、音声処理部13によって生成された本人確認情報確認用音声を安否情報登録装置20に対して出力することにより、安否登録者に対して本人確認情報の内容(氏名、生年月日、性別及び住所)の確認を要求する(ステップS26)。この場合、安否情報登録装置20においては、本人確認情報確認用音声として例えば「確認します。氏名:○○○○、生年月日:5月5日、性別:男性、住所:××××でよろしいでしょうか。よろしければ「1」、間違いがあれば「0」を入力願います。」等の音声が出力される。
【0077】
安否登録者は、本人確認情報確認用音声の本人確認情報の内容(氏名、生年月日、性別及び住所)に間違いがない場合には、安否情報登録装置20を用いて「1」を入力する(ステップS27)。
【0078】
ステップS27において「1」が入力された場合、安否情報登録処理部12は、安否情報入力用音声を出力することにより、安否登録者に対して安否情報の入力(指定)を要求する(ステップS28)。この場合、安否情報登録装置20においては、安否情報入力用音声として例えば「安否情報として、無事なら「1」、軽症なら「2」、重症なら「3」を入力願います。」等の音声が出力される。なお、安否情報入力用音声は、安否確認装置10において予め用意されているものとする。
【0079】
安否登録者は、当該安否登録者の安否が例えば無事である場合には、安否情報登録装置20を用いて「1」を入力する(ステップS29)。
【0080】
ステップS29において「1」が入力された場合、安否情報登録処理部12は、安否情報確認用音声を出力することにより、安否登録者に対して安否情報の内容の確認を要求する(ステップS30)。この場合、安否情報登録装置20においては、安否情報確認用音声として例えば「確認します。安否情報:無事でよろしいでしょうか。よろしければ「1」、間違いがあれば「2」を入力願います。」等の音声が出力される。
【0081】
安否登録者は、安否情報確認用音声の安否情報の内容に間違いがない場合には、安否情報登録装置20を用いて「1」を入力する(ステップS31)。
【0082】
ステップS31において「1」が入力された場合、安否情報登録処理部12は、安否情報「無事」を、住民票コード「ancdef」に対応づけて安否情報DB11に登録する。
【0083】
なお、安否情報が登録されると、安否情報登録処理部12は、登録完了通知用音声を安否情報登録装置20に対して出力することにより、安否登録者に対して安否情報の登録が完了したことを通知する(ステップS32)。この場合、安否情報登録装置20においては、登録完了通知用音声として例えば「登録が終わりました。」等の音声が出力される。なお、登録完了通知用音声は、安否確認装置10において予め用意されているものとする。
【0084】
安否登録者が当該安否登録者に割り当てられている住民票コードを知っている場合には、安否登録者は、上記したような音声ガイダンスに従って容易に安否情報を登録することができる。
【0085】
次に、図5を参照して、安否登録者が当該安否登録者に割り当てられている住民票コードを知らない場合の安否情報登録処理について具体的に説明する。
【0086】
安否情報を登録する場合、安否登録者は、上述した図4に示すステップS21と同様に、安否情報登録装置20(公衆電話または携帯電話等)を用いて、予め設定されている安否情報ダイヤルにより安否確認装置10にアクセスする(ステップS41)。
【0087】
このように安否情報ダイヤルにより安否確認装置10にサクセスされると、安否情報登録装置20側では以下に説明するように各種音声ガイダンスが流れ、安否登録者は、この音声ガイダンスに従って安否情報の登録を行うことができる。
【0088】
まず、安否確認装置10に含まれる安否情報登録処理部12は、上述した図4に示すステップS22と同様に、入力情報選択用音声を安否情報登録装置20に対して出力することにより、安否情報登録装置20を利用する安否登録者に対して入力情報(つまり、住民票コードまたは本人確認情報)の選択を要求する(ステップS42)。この場合、安否情報登録装置20においては、上述したように例えば「住民票コードの分かる方は「1」、分からない方は「0」を入力願います。」等の音声が出力される。
【0089】
ここでは、安否登録者は、当該安否登録者に割り当てられている住民票コードを知らないものとする。この場合、安否登録者は、安否情報登録装置20を用いて「0」を入力(指定)する(ステップS43)。
【0090】
ステップS43において「0」が入力された場合、安否情報登録処理部12は、性別入力用音声を安否情報登録装置20に対して出力することにより、安否登録者に対して当該安否登録者の性別の入力を要求する(ステップS44)。この場合、安否情報登録装置20においては、性別入力用音声として例えば「男性は「1」、女性は「0」を入力願います。」等の音声が出力される。なお、性別入力用音声は、安否確認装置10において予め用意されているものとする。
【0091】
安否登録者は、当該安否登録者の性別が男性である場合には、安否情報登録装置20を用いて「1」を入力する(ステップS45)。これにより、安否情報登録処理部12は、安否登録者の性別(の情報)を取得する。
【0092】
次に、安否情報登録処理部12は、生年月日入力用音声を出力することにより、安否登録者に対して当該安否登録者の生年月日の入力を要求する(ステップS46)。この場合、安否情報登録装置20においては、生年月日入力用音声として例えば「生年月日を8桁で入力願います。2000年3月3日のときは20000303です。」等の音声が出力される。なお、生年月日入力用音声は、安否確認装置10において予め用意されているものとする。
【0093】
安否登録者は、当該安否登録者の生年月日が1980年5月5日である場合には、安否情報登録装置20を用いて「19800505」を入力する(ステップS47)。これにより、安否情報登録処理部12は、安否登録者の生年月日(の情報)を取得する。
【0094】
次に、安否情報登録処理部12は、氏名及び住所入力用音声を出力することにより、安否登録者に対して当該安否登録者の氏名及び住所の入力を要求する(ステップS48)。この場合、安否情報登録装置20においては、氏名及び住所入力用音声として例えば「氏名、住所をお願いします。」等の音声が出力される。なお、氏名及び住所入力用音声は、安否確認装置10において予め用意されているものとする。
【0095】
ここで、安否登録者は、上記した氏名及び住所入力用音声に対して、当該安否登録者の氏名(例えば、○○○○)及び住所(例えば、××××)を、安否情報登録装置20を用いて音声によって応答することができる(ステップS49)。この場合、安否登録者による当該安否登録者の氏名及び住所の音声が安否確認装置10に対して送信される。
【0096】
安否確認装置10に対して送信された安否登録者の氏名及び住所の音声は、音声処理部13によって音声認識処理される。これにより、安否情報登録処理部12は、安否登録者の氏名及び住所(の情報)を取得する。
【0097】
上記したステップS44〜S49の処理が実行されることにより、安否情報登録処理部12は、安否登録者を特定する本人確認情報(氏名、生年月日、性別及び住所)を安否情報登録装置20から入力(取得)することができる。
【0098】
これにより、安否情報登録処理部12は、入力された本人確認情報を安否情報DB11と照合することによって、安否登録者に割り当てられている住民票コードを特定することができる。なお、このステップS44〜S49の処理によって入力された本人確認情報は、本人を特定するための検索情報としてのみ用いられる。
【0099】
以下、上述した図4に示すステップS26〜S32の処理に相当するステップS50〜S56の処理が実行される。
【0100】
安否登録者が当該安否登録者に割り当てられている住民票コードを知らない場合には、安否登録者は、上記したような音声ガイダンスに従って容易に安否情報を登録することができる。
【0101】
上記した図4及び図5においては、安否情報登録装置20が公衆電話または携帯電話等のプッシュダイヤルにおいて音声送信を行うものである場合について説明したが、安否情報登録装置20がパーソナルコンピュータ等である場合であっても、安否登録者は、安否情報を登録することは可能である。詳しい説明については省略するが、この場合、上述した各種音声ガイダンスに代えて、住民票コード、本人確認情報及び安否情報の入力画面、当該本人確認情報及び安否情報の確認画面等が安否情報登録装置20に表示されればよい。これにより、安否登録者は、このような安否情報登録装置20の表示画面に対して例えばマウス及びキーボード等を操作することによって容易に安否情報を登録することができる。
【0102】
次に、図6のフローチャートを参照して、本実施形態に係る安否確認装置10によって実行される安否情報確認処理の処理手順について説明する。
【0103】
なお、安否情報確認処理は、安否確認者が情報端末30を用いて安否情報DB11に登録された安否登録者の安否情報を確認する際の処理である。なお、安否情報確認処理においては、安否情報を得るために、情報端末30上で動作するブラウザが用いられる。
【0104】
上記したように、安否確認者は、情報端末30を操作することによって、安否登録者に割り当てられている住民票コードまたは当該安否登録者を特定する本人確認情報を指定することができる。以下、安否情報が確認される安否登録者を確認対象者と称する。
【0105】
ここで、安否確認装置10に含まれる安否情報確認処理部14は、情報端末30において住民票コードが安否確認者によって指定されたか否かを判定する(ステップS61)。
【0106】
住民票コードが安否確認者によって指定されたと判定された場合(ステップS61のYES)、安否情報確認処理部14は、当該住民票コードを入力する(ステップS62)。
【0107】
次に、安否情報確認処理部14は、入力された住民票コードに対応づけて安否情報DB11に登録されている安否情報を取得する(ステップS63)。ここで取得される安否情報は、安否情報確認処理部14によって入力された住民票コードが割り当てられている確認対象者の安否を示す。
【0108】
安否情報確認処理部14は、取得された安否情報を情報端末30に対して出力する(ステップS64)。この安否情報は、情報端末30におけるブラウザ上で表示される。これにより、情報端末30を利用する安否確認者は、確認対象者の安否情報を確認することができる。
【0109】
一方、住民票コードが安否確認者によって指定されていない(つまり、本人確認情報が安否確認者によって指定された)と判定された場合(ステップS61のNO)、安否情報確認処理部14は、当該本人確認情報を入力する(ステップS65)。
【0110】
次に、安否情報確認処理部14は、入力された本人確認情報を安否情報DB11と照合し、住民票コードを特定する(ステップS66)。具体的には、安否情報確認処理部14は、入力された本人確認情報に含まれる氏名、生年月日、性別及び住所の全てが一致する本人確認情報に対応づけて安否情報DB11に格納されている住民票コードを特定する。
【0111】
ステップS66の処理が実行されると、上記したステップS63及びS64の処理が実行される。なお、この場合におけるステップS63の処理においては、ステップS66において特定された住民票コードに対応づけて安否情報DB11に登録されている安否情報が取得される。
【0112】
上記したように本実施形態においては、住民基本台帳DB40に格納されている住民基本台帳情報に含まれる住民票コードを安否情報DB11にコピーし、安否登録者に割り当てられている住民票コードを入力し、当該入力された住民票コードが割り当てられている安否登録者の安否を示す安否情報を入力し、当該入力された安否情報を、当該入力された住民票コードに対応づけて安否情報DB11に登録する構成により、既存の住民基本台帳DB40(の住民票コード)を利用することで、安否登録者は、データベース(安否情報DB11)への事前登録を行うことなく安否情報を登録することができる。
【0113】
また、本実施形態においては、安否情報DB11には住民基本台帳DB40に格納されている住民基本台帳情報に含まれる本人確認情報が更に格納され、安否登録者に割り当てられている住民票コードに代えて当該安否登録者を特定する本人確認情報を入力し、安否情報DB11を参照して当該入力された本人確認情報によって特定される安否登録者に割り当てられている住民票コードを特定し、当該入力された本人確認情報によって特定される安否登録者の安否を示す安否情報を入力し、当該入力された安否情報を、当該特定された住民票コードに対応づけて安否情報DB11に登録する構成により、例えば安否登録者が当該安否登録者に割り当てられている住民票コードを知らない場合であっても本人確認情報を入力することによって安否情報を登録することができる。
【0114】
また、本実施形態においては、安否確認者によって指定された住民票コードを入力し、当該入力された住民票コードに対応づけて安否情報DB11に登録されている安否情報を出力する構成により、安否確認者は、確認対象者の住民票コードを指定することによって容易に当該確認対象者の安否情報を確認することができる。
【0115】
また、本実施形態においては、安否確認者によって指定された本人確認情報を入力し、安否情報DB11を参照して当該入力された本人確認情報によって特定される安否登録者に割り当てられている住民票コードを特定し、当該特定された住民票コードに対応づけて安否情報DB11に登録されている安否情報を出力する構成により、例えば安否確認者が確認対象者の住民票コードを知らない場合であっても当該確認対象者を特定する本人確認情報を入力することによって当該確認対象者の安否情報を確認することができる。
【0116】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0117】
10…安否確認装置、11…安否情報DB(データベース)、12…安否情報登録処理部、13…音声処理部、14…安否情報確認処理部、20…安否情報登録装置、30…情報端末、40…住民基本台帳DB(データベース)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人に割り当てられている住民票コードを含む住民基本台帳情報が格納されている住民基本台帳データベースと接続可能な安否確認装置であって、
前記住民基本台帳データベースに格納されている住民基本台帳情報に含まれる住民票コードを格納する安否情報データベースと、
安否情報を登録する安否登録者に割り当てられている住民票コードを入力する第1の入力手段と、
前記第1の入力手段によって入力された住民票コードが割り当てられている安否登録者の安否を示す安否情報を入力する第2の入力手段と、
前記第2の入力手段によって入力された安否情報を、前記第1の入力手段によって入力された住民票コードに対応づけて前記安否情報データベースに登録する登録手段と
を具備することを特徴とする安否確認装置。
【請求項2】
特定手段を更に具備し、
前記住民基本台帳データベースに格納されている住民基本台帳情報は、前記住民票コードが割り当てられている個人を特定する本人確認情報を更に含み、
前記安否情報データベースは、前記住民基本台帳データベースに格納されている住民基本台帳情報に含まれる本人確認情報を、当該本人確認情報によって特定される個人に割り当てられている住民票コードに対応づけて更に格納し、
前記第1の入力手段は、前記安否登録者に割り当てられている住民票コードに代えて、当該安否登録者を特定する本人確認情報を入力し、
前記特定手段は、前記安否情報データベースを参照して、前記第1の入力手段によって入力された本人確認情報によって特定される安否登録者に割り当てられている住民票コードを特定し、
前記第2の入力手段は、前記第1の入力手段によって入力された本人確認情報によって特定される安否登録者の安否を示す安否情報を入力し、
前記登録手段は、前記第2の入力手段によって入力された安否情報を、前記特定された住民票コードに対応づけて前記安否情報データベースに登録する
ことを特徴とする請求項1記載の安否確認装置。
【請求項3】
前記安否情報を確認する安否確認者によって指定された住民票コードを入力する第3の入力手段と、
前記第3の入力手段によって入力された住民票コードに対応づけて前記安否情報データベースに登録されている安否情報を出力する出力手段と
を更に具備することを特徴とする請求項1または2に記載の安否確認装置。
【請求項4】
前記安否情報を確認する安否確認者によって指定された本人確認情報を入力する第3の入力手段と、
前記安否情報データベースを参照して、前記第3の入力手段によって入力された本人確認情報によって特定される安否登録者に割り当てられている住民票コードを特定し、当該特定された住民票コードに対応づけて前記安否情報データベースに登録されている安否情報を出力する出力手段と
を更に具備することを特徴とする請求項2記載の安否確認装置。
【請求項5】
個人に割り当てられている住民票コードを含む住民基本台帳情報が格納されている住民基本台帳データベースと接続可能な安否情報データベースを有する安否確認装置が実行する安否確認方法であって、
前記住民基本台帳データベースに格納されている住民基本台帳情報に含まれる住民票コードを前記安否情報データベースに格納するステップと、
安否情報を登録する安否登録者に割り当てられている住民票コードを入力するステップと、
前記入力された住民票コードが割り当てられている安否登録者の安否を示す安否情報を入力するステップと、
前記入力された安否情報を、前記入力された住民票コードに対応づけて前記安否情報データベースに登録するステップと
を具備することを特徴とする安否確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−54495(P2013−54495A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191519(P2011−191519)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】