説明

安定化熱可塑性組成物

A)
A.1 5〜95重量%の少なくとも1つのビニルモノマーと、
A.2 95〜5重量%の、<10℃のガラス転移温度を有する1以上のグラフトベースとのグラフトポリマーと、
B)式(I)のラクトンと、
【化1】


任意に
C)
C.1 式(II)の亜リン酸エステル、
【化2】


C.2 式(III)の立体障害フェノール、
【化3】


C.3 式(IV)のホスフィト、
【化4】


からなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、任意に
D)ポリカーボネートおよび/またはポリエステルカーボネート
E)ビニル(コ)ポリマー
F)難燃剤
G)添加剤
の群の少なくとも1つのから選択されるさらなる成分
とを含有する組成物。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、亜リン酸エステル、立体障害フェノールおよびホスフェートからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、特に亜リン酸エステルと環状ラクトンとの組み合わせを含有する衝撃改良剤に基づく組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
WO01/16224号公報は、シアノアクリル酸エステルとホスフィト安定剤、および任意に立体障害フェノールおよび/またはラクトンを有するポリカーボネート成形組成物が、UV放射線に対する改良された保護性と色安定性を有すると共に、処理時の被膜形成が低減されることを記載している。
【0003】
熱負荷下での安定化のため、特に、変色性を防ぐために、成形組成物の製造時に亜リン酸エステルがポリカーボネートおよびポリエステル成形組成物に添加され、成形組成物の化合および処理によって熱可塑性成形体を形成する(たとえば、DE−A2140207号公報、DE−A2255639号公報、DE−A2615341号公報)。
【0004】
特に亜リン酸エステルは、安定化のために、熱および/または酸化負荷または強力なUV放射線に曝されるポリアルキレンテレフタレートに添加される。安定化することは熱空気中での焼き戻し時のポリマーの劣化を低減し、その結果、実際の使用で重要な特性、たとえば、強度および伸縮性は、非安定化成形組成物の場合よりもレベル低下が抑えられる(DE−A2615341号公報)。
【0005】
ラッカー性能およびラッカー粘着性の改良を可能にするために、同様に、亜リン酸エステルは、ポリアルキレンテレフタレートとポリカーボネートのポリマー混合物にも添加され、これらは加熱下での良好な強度および寸法安定性を有する(EP−A0373465号公報)。
【0006】
WO00/49078号公報は、ビニルシクロヘキサン−ベースのポリマー/コポリマーと、ラクトン、立体障害フェノールおよびホスフィト成分を含有する安定剤系とを含有する混合物を記載している。これより製造される光データ媒体は、改良された熱安定性を有し、分子量における減少が少なくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、たとえば、ABSのようなグラフトポリマー、またはグラフトポリマーを含有する混合物中の、特にブタジエンの残渣モノマー成分を低減することである。この低減は、自動車部門においては特にエミッションに関しての要望が増加しているため、非常に重要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本目的は、1以上の環状ラクトンと、亜リン酸エステル、立体障害フェノールおよびホスフェートからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、特に亜リン酸エステルとの組み合わせの、グラフトポリマーおよびさらにはこのグラフトポリマーと熱可塑性プラスチックとの混合物への添加によって達成されることを、ここで見出した。この添加剤の組み合わせによって、過酷な条件下でも、組成物中の残渣モノマー含有量を低減し、自動車工場において、実用的な生産量と共に、求められる制限値を達成することができる。
【0009】
したがって、本発明は、
A)
A.1 5〜95重量%、好ましくは8〜90重量%、特に10〜50重量%の少なくとも1つのビニルモノマーと、
A.2 95〜5重量%、好ましくは92〜10重量%、特に90〜50重量%の、<10℃、好ましくは<0℃、特に好ましくは<−20℃、特に<−40℃のガラス転移温度を有する1以上のグラフトベースとの
グラフトポリマーと、
B)式(I)
【化1】

(ここで、R、R、RおよびRは互いに独立して、水素、C〜C−アルキル、好ましくはC〜C−アルキル、5−または6−員環、好ましくはシクロヘキシルまたはシクロペンチルを表し、RおよびRは互いに独立して、特に好ましくは分岐C〜C−アルキル、特にイソプロピルおよび/またはtert.−ブチルを表し、RおよびRは特にメチルを表す)のラクトンと、任意に
C)
C.1 式(II)
【化2】

(ここで、Rは、HまたはC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アラルキルまたはC〜C10−アリールを表し、
およびRは同じまたは異なっており、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アラルキルまたはC〜C10−アリールを表し、
Xは、−S−またはR−CHを表し、ここでRは水素、C〜C−アルキルまたはC〜C−シクロアルキルを表す)
の亜リン酸エステル、
C.2 式(III)
【化3】

(ここで、RおよびRは互いに独立して、水素またはC〜C−アルキル、好ましくはC〜C−アルキル、任意に5−または6−員環、好ましくはシクロヘキシルまたはシクロペンチルを表し、
およびRは互いに独立して、特に好ましくはC〜C−アルキル、特にイソプロピルおよび/またはtert.−ブチルを表し、
nは1〜4、好ましくは3または4、特に4の整数を表し、
およびAは互いに独立して、C〜C−アルキレン、好ましくはC〜C−アルキレン、特にメチレン、エチレンを表し、
Rは互いに独立して、水素、C〜C−アルキル、好ましくはC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、好ましくはC〜C−アルコキシ、任意に5−または6−員環、好ましくはシクロヘキシルまたはシクロペンチルを表す)
の立体障害フェノール、
C.3 式(IV)
【化4】

(ここで、RおよびR10は互いに独立して、水素またはC〜C−アルキル、好ましくはC〜C−アルキル、任意に5−または6−員環、好ましくはシクロヘキシルまたはシクロペンチルを表し、
xおよびyは互いに独立して、0、1、2、3、4、5、好ましくは0、1または2を表し、
nは1または2を表し、
およびR10は互いに独立して、特に好ましくはC〜C−アルキル、特にイソプロピルおよび/またはtert.−ブチルを表す)
のホスフィト、
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、任意に
D)ポリカーボネートおよび/またはポリエステルカーボネート
E)ビニル(コ)ポリマー
F)難燃剤、特にリン−ベースの難燃剤
G)さらなる添加剤
の群の少なくとも1つのから選択されるさらなる成分
とを含有する組成物を提供するものである。
【0010】
成分B)は、全体として組成物100重量部に基づいて、好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.02〜1重量%、および0.04〜0.5重量%の量で使用される。
【0011】
成分C)は、全体として組成物100重量部に基づいて、好ましくは0.01〜2重量%、好ましくは0.02〜1重量%、特に好ましくは0.04〜0.5重量部の量で添加される。
【0012】
B):C)の重量比は特に好ましくは1:2.5である。
【0013】
好ましい組成物は、
A)2〜50重量部、好ましくは3〜45重量部、特に4〜30重量部の成分A)のグラフトポリマーと、
B)0.01〜1重量部、好ましくは0.02〜0.5重量部、特に好ましくは0.04〜0.2重量部の式(I)のラクトンと、
C)0.01〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量部、特に好ましくは0.03〜0.5重量部の式(II)の亜リン酸エステルと、
D)20〜98重量部、好ましくは25〜97重量部、特に30〜93重量部、非常に特に好ましくは60〜93重量部のポリ(エステル)カーボネートと、
E)0〜40重量部、好ましくは0〜35重量部、特に2〜25重量部のビニル(コ)ポリマーと、
F)0〜20重量部、好ましくは2〜18重量部の成分F)による難燃剤と、
G)0〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部、特に0.2〜0.7重量部の成分G)によるドリッピング防止剤、特にフッ素化ポリオレフィンとを
含有する。
【0014】
(成分A)
発明による組成物は成分Aによる1以上のグラフトポリマーを含有する。
【0015】
モノマーA.1は好ましくは、
A.1.1 50〜99重量%の、ビニル芳香族化合物、環上で置換されたビニル芳香族化合物(たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン)、メタクリル酸(C〜C)−アルキルエステル(たとえば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート)からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーと、
A.1.2 1〜50重量%の、ビニルシアニド(不飽和ニトリル、たとえば、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル)および/または(メタ)アクリル酸(C〜C)−アルキルエステル(たとえば、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、tert.−ブチルアクリレート)および/または不飽和カルボン酸の誘導体(たとえば、無水物およびイミド)(たとえば、マレイン酸無水物およびN−フェニル−マレイミド)からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーとの
混合物である。
【0016】
好ましいモノマーA.1.1は、モノマーのスチレン、α−メチルスチレンおよびメチルメタクリレートの少なくとも1つから選択され、好ましいモノマーA.1.2は、モノマーのアクリロニトリル、マレイン酸無水物およびメチルメタクリレートの少なくとも1つから選択される。
【0017】
特に好ましいモノマーは、A.1.1はスチレン、A.1.2はアクリロニトリルである。
【0018】
グラフトポリマーA用の好適なグラフトベースA.2は、たとえば、ジエンゴム、EP(D)Mゴム、すなわち、エチレン/プロピレンおよび任意にジエンに基づくもの、アクリレート、ポリウレタン、シリコン、クロロプレンおよびエチレン/ビニルアセテートゴムである。また、前述のゴムの各種コンポジットもグラフトベースとして好適である。
【0019】
好ましいグラフトベースA.2は、ジエンゴム(たとえば、ブタジエン、イソプレンに基づく)、またはジエンとさらなる共重合可能なモノマー(たとえば、A.1.1およびA.1.2による)との混合物に基づくゴムであり、ただし成分A.2のガラス転移温度は<10℃、好ましくは<0℃、特に好ましくは<−20℃、特に<−40℃である。純粋なポリブタジエンゴムまたは(グラフトベースに基づいて)50重量%まで、好ましくは40重量%まで、特に30重量%まででスチレンを有するブタジエン/スチレンコポリマーが特に好ましい。
【0020】
ポリマーAのA.2による好適なアクリレートゴムは、好ましくは、アクリル酸アルキルエステルのポリマーであり、これは任意にグラフトベースに基づいて40重量%までの他の重合可能なエチレン性不飽和モノマーを有する。好ましい重合可能なアクリル酸エステルには、C〜C−アルキルエステル、たとえば、メチル、エチル、ブチル、n−オクチルおよび2−エチルヘキシルエステルさらにはこれらのモノマーの混合物がある。
【0021】
特に好ましいモノマーAは、たとえば、DE−A2035390号公報(=US−PS3644574号公報)またはDE−A2248242号公報(=GB−PS1409275号公報)またはウルマンズ(Ullmanns)、エンツィクロペディエ・デア・テクニッシェン・ヘミー(Enzyklopaedie der Technischen Chemie)、Vol.19(1980)、p.280ff.に記載されているような、たとえば、ABSポリマー(エマルジョン、バルクおよび懸濁物ABS)である。
【0022】
グラフトベースA.2のゲル含有量は一般的に、(トルエン中での測定で)少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%である。
【0023】
グラフトベースA.2は一般的に、0.05〜10μm、好ましくは0.1〜5μm、特に好ましくは0.1〜1μm、特に0.2〜0.5μmの平均粒子サイズ(d50値)を有する。
【0024】
グラフトコポリマーAはフリーラジカル重合によって、たとえば、エマルジョン、懸濁液、溶液またはバルク重合によって、好ましくはエマルジョン重合によって調製される(たとえば、DE−A10234419号公報参照)。
【0025】
また、特に好適なグラフトゴムは、US−A−4937285号公報に従って、有機ヒドロ過酸化物とアスコルビン酸を含有する開始剤系を用いて、酸化還元開始によって調製されるABSポリマーである。
【0026】
架橋によって、1以上の重合可能な二重結合を有するモノマーは、共重合されうる。好ましい架橋モノマーの例は、3〜8個の炭素原子を有する不飽和モノカルボン酸と3〜12個の炭素原子を有する不飽和一価アルコールとの、または2〜4個のOH基と2〜20個の炭素原子を有する飽和ポリオールとのエステル、たとえば、エチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート;多価不飽和複素環化合物、たとえば、トリビニルおよびトリアリルシアヌレート;多官能性ビニル化合物、たとえば、ジ−およびトリ−ビニルベンゼン;さらにはトリアリルホスフェートおよびジアリルフタレートである。
【0027】
好ましい架橋モノマーは、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレートおよび少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する複素環化合物である。特に好ましい架橋モノマーは環状モノマーのトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリルベンゼンである。架橋モノマーの量は、グラフトベースA.2に基づいて、好ましくは0.02〜5重量%、特に0.05〜2重量%である。
【0028】
アクリル酸エステルに加えて、任意にグラフトベースA.2の調製に使用されうる好ましい「他の」重合可能なエチレン性不飽和モノマーは、たとえば、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリルアミド、ビニルC〜C−アルキルエーテル、メチルメタクリレート、ブタジエンである。グラフトベースA.2として好ましいアクリレートゴムは、少なくとも60重量%のゲル含有量を有するエマルジョンポリマーである。
【0029】
A.2によるさらに好適なグラフトベースは、DE−A3704657号公報、DE−A3704655号公報、DE−A3631540号公報およびDE−A3631539号公報に記載されているような、グラフト活性部位を有するシリコンゴムである。
【0030】
グラフトベースA.2のゲル含有量は、25℃で好適な溶媒中で決定される(M.ホフマン(Hoffmann)、H.クロマー(Kroemer)、R.クーン(Kuhn)、ポリメラナリチック(Polymeranalytik)IおよびII、ゲオルグ・タイム−ベラグ(Georg Thieme−Verlag)、シュツットガルト1977)。
【0031】
平均粒子直径d50は、50重量%の粒子が存在する上下の直径である。これは超遠心分離測定によって決定されうる(W.ショルタン(Scholtan)、H.ラング(Lange)、コロイド(Kolloid)、Z.ウント(und)Z.ポリマー(Polymere)250(1972),782〜1796)。
【0032】
(成分B)
式(I)の環状ラクトンは一般的に周知であり(たとえば、WO00/49078号公報)、周知の方法に従って調製されうり、また市販入手も可能である。式(I−1)によるラクトンは特に好ましい:
【化5】

【0033】
(成分C)
式(IV)の化合物において、n=1のとき、問題の炭素原子の原子価は水素またはC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、任意に5−または6−員環、好ましくはC〜C−アルキルと結合し、好ましくはRおよびR10において述べた基と結合する。
【0034】
示された構造式は各場合、工業的に使用される化合物の主成分(>90%)を示し、これはたとえば、異性体、出発材料および副化合物を少量含有しても良い。
【0035】
式(II)において、RおよびRが、ベンジル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジル、メチル、エチル、イソプロピル、tert.−ブチル、tert.−アミル、イソノニル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基を表し、Xが
【化6】

を表す式(II)の亜リン酸エステルの使用が好ましい。
【0036】
Xがメチレンを表し、Rがシクロヘキシルを表し、Rがメチルを表す式(II−1)の亜リン酸エステル[4,8−ジシクロヘキシルー6−ヒドロキシ−2,10−ジメチル−12H−ジベンゾ−(d,g)(1,3,2)−ジオキサホスホシン]が特に好ましい。
【化7】

【0037】
式(II)の亜リン酸エステルは、トリフェニルホスフィトと対応するジヒドロキシ化合物との水の存在中での反応によって、周知の方法で調製され得る。
【0038】
化合物III−1、IV−1およびIV−2の式を以下に示す。
【化8】

(チバ・スペシャリティーズ(Ciba Specialities)、市販名イルガフォス(Irgafos)P EPOで入手可能)
【化9】

(チバ・スペシャリティーズ(Ciba Specialities)、市販名イルガフォス(Irgafos)168で入手可能)
【0039】
立体障害フェノールおよびホスフィト化合物は一般的に周知であり、市販入手可能である。
【0040】
成分(C)によるいくつかの化合物の混合物を使用することもできる。
【0041】
組成物はさらに、熱可塑剤、たとえば、ポリカーボネート(成分D)、ビニル(コ)ポリマー(成分E)および/または難燃剤F)、特にリン−ベースの難燃剤を含有することができる。添加剤、たとえば、離型剤、安定剤等(成分G)を同様に添加することができる。
【0042】
(成分D)
発明による好適な芳香族ポリカーボネートおよび/または芳香族ポリエステルカーボネートは文献で周知であり、文献で周知の方法によって調製され得る(芳香族ポリカーボネートの調製については、たとえば、シュネル(Schnell)、「ポリカーボネートの化学と物理」、インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers)、1964(たとえば、EP−A−640655号公報)参照)。
【0043】
芳香族ポリカーボネートの調製は、たとえば、溶融処理によって、またはジフェノールと炭酸ハライド(好ましくはホスゲン)とを、および/または芳香族ジカルボン酸ジハライド(好ましくはベンゼンジカルボン酸ジハライド)とを、任意に鎖重合停止剤(たとえばモノフェノール)を用いて、任意に3官能性またはより高次の官能性を有する分岐剤(たとえばトリフェノールまたはテトラフェノール)を用いて、界面重縮合法により反応させることによって、行われる。
【0044】
芳香族ポリカーボネートおよび/または芳香族ポリエステルカーボネートの調製用のジフェノールは好ましくは、式(V)のものである。
【化10】

ここで、Aは、単結合、C〜C―アルキレン、C〜C―アルキリデン、C−〜C−シクロアルキリデン、−O−、−SO−、−CO−、−S−、−SO−、C−〜C12−アリーレン(これに任意に複素原子を含むさらなる芳香族環を縮合させてもよい)、
または式(1)または(2)の基
【化11】

であり、
Bは、C〜C12―アルキル、好ましくはメチル、ハロゲン、好ましくは塩素および/または臭素であり、
置換基のxは、互いに独立して0、1または2であり、
置換基のpは、1または0であり、
11およびR12は各Xについて独立して選択されうり、互いに独立して、水素またはC〜C―アルキル、好ましくは水素、メチルまたはエチルであり、
は炭素であり、かつ
mは4〜7の整数、好ましくは4または5であり、ただし、少なくとも1つのX原子ではR11およびR12は共にアルキルである。
【0045】
好ましいジフェノールは、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェノール、ビス−(ヒドロキシフェニル)−C〜C−アルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−C〜C−シクロアルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス−(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホンおよびα,α−ビス−(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピル−ベンゼンおよびその環上で臭素化および/または塩素化された誘導体である。
【0046】
特に好ましいジフェノールは、4,4’−ジヒドロキシビフェニール、ビスフェノールA、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよびその2臭素化および4臭素化または塩素化誘導体、たとえば、2,2−ビス−(3−クロロー4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンまたは2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が特に好ましい。
【0047】
ジフェノールは、単独で使用されても、何らかの所望の混合物の形態で使用されてもよい。ジフェノールは文献で周知であり、または文献で周知の方法によって得られうる。必要なら、好適な鎖重合停止剤および分岐剤がEP−A−640655号公報に記載されている。
【0048】
ホモポリカーボネートおよびコポリカーボネートは共に好適である。(使用されるジフェノールの全量に基づいて)1〜25重量%、好ましくは2.5〜25重量%のヒドロキシアリールオキシ末端基を有するポリジオルガノシロキサンを、本発明に従って、成分Aによるコポリカーボネートの調製に使用することもできる。これらは周知であり(たとえばUS3419634号公報)、または文献で周知の方法によって調製されうる。ポリジオルガノシロキサンを含有するコポリカーボネートの調製はたとえば、DE−A3334782号公報に記載されている。
【0049】
ビスフェノールAのホモポリカーボネートに加えて、好ましいポリカーボネートは、好ましいまたは特に好ましいとして挙げた他のジフェノールを、ジフェノールの全モル量に基づいて15mol%まで有するビスフェノールAのコポリカーボネートである。芳香族ポリエステルカーボネートの調製用の芳香族ジカルボン酸ジハライドは、好ましくは、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニルエーテル4,4’−ジカルボン酸およびナフタレン−2,6−ジカルボン酸の二酸二塩化物である。1:20〜20:1の割合でのイソフタル酸とテレフタル酸の二酸二塩化物の混合物が特に好ましい。ポリエステルカーボネートの調製では、炭酸ハライド、好ましくはホスゲンも2官能性の酸誘導体としてさらに付随的に使用される。また、芳香族ポリエステルカーボネートは、導入された芳香族ヒドロキシカルボン酸を含むことができる。芳香族ポリエステルカーボネートは線形でも周知の方法によって分岐されてもよい(この関連でDE−A2940024号公報およびDE−A3007934号公報参照)。
【0050】
熱可塑性芳香族ポリエステルカーボネート中のカーボネート構造ユニットの割合は所望のように変更することができる。カーボネート基の割合は、エステル基およびカーボネート基の合計に基づいて、好ましくは100mol%まで、特に80mol%まで、特に好ましくは50mol%までである。芳香族ポリエステルカーボネートのエステル成分およびカーボネート成分は共に、重縮合生成物内でブロックの形態で存在してもよく、ランダムに分布した状態で存在しても良い。
【0051】
芳香族ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネートの相対溶液粘度(ηrel)は、1.18〜1.4、好ましくは1.20〜1.32の範囲である(これは100mlの塩化メチレン溶液における0.5gのポリカーボネートまたはポリエステルカーボネートの溶液について、25℃で測定されたものである)。
【0052】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネートは、単独で使用されても、何らかの所望の混合物で使用されてもよい。
【0053】
(成分E)
さらに、1以上の熱可塑性ビニル(コ)ポリマーが成分E)として添加されても良い。
【0054】
好適なビニル(コ)ポリマーは、ビニル芳香族化合物、ビニルシアニド(不飽和ニトリル)、(メタ)アクリル酸(C〜C)−アルキルエステル、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸の誘導体(たとえば、無水物およびイミド)の群からの少なくとも1つのモノマーのポリマーである。
50〜99重量%、好ましくは60〜80重量%の、ビニル芳香族化合物および/または環上で置換されたビニル芳香族化合物(たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン)および/またはメタクリル酸(C〜C)−アルキルエステル(たとえば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート)と、
1〜50重量%、好ましくは20〜40重量%の、ビニルシアニド(不飽和ニトリル)(たとえば、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル)、および/または(メタ)アクリル酸(C〜C)アルキルエステル(たとえば、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート)および/または不飽和カルボン酸(たとえばマレイン酸)および/または不飽和カルボン酸の誘導体(たとえば、無水物およびイミド)(たとえば、マレイン酸無水物およびN−フェニルマレイミド)との
(コ)ポリマーが特に好適である。
【0055】
スチレンおよびアクリロニトリルのコポリマーが特に好ましい。
【0056】
(コ)ポリマーは樹脂性かつ熱可塑性である。(コ)ポリマーは周知であり、フリーラジカル重合によって、特にエマルジョン、懸濁液、溶液またはバルク重合によって調製されうる。好ましくは(コ)ポリマーは15,000〜200,000、特に50,000〜180,000の平均分子量M(重量平均、光散乱または沈殿法によって決定される)を有する。
【0057】
(成分F)
発明による組成物、特にポリカーボネートと成分A)によるグラフトポリマーを含有する組成物は、好ましくはリン−含有難燃剤を含有する。これらは、好ましくはモノマー状およびオリゴマー状のリン酸およびホスホン酸エステル、ホスホネートアミンおよびホスファゼンの群から選択され、これらの群の1または各種から選択されるいくつかの成分の混合物を難燃剤として使用することもできる。ここでは特に記載しない他のハロゲンを含まないリン化合物も単独で使用されてもよく、または他のハロゲンを含まないリン化合物といずれか適当に組み合わせて使用されてもよい。
【0058】
好ましいモノマー状およびオリゴマー状リン酸およびホスホン酸エステルは一般式(VI)のリン化合物である。
【化12】

ここで、R13、R14、R15およびR16は互いに独立して、任意にハロゲン化されたC〜C−アルキル、任意にアルキル、好ましくはC〜C−アルキル、および/またはハロゲン、好ましくは塩素、臭素でそれぞれ置換されたC〜C−シクロアルキル、C〜C20−アリールまたはC〜C12−アラルキルを表し、
置換基のnは、互いに独立して、0または1を表し、
qは0〜30を表し、かつ
Xは6〜30個の炭素原子を有する単核または多核芳香族基、または2〜30個の炭素原子を有する線形または分岐脂肪族基を表し、これらはOH置換されてもよく、8個までのエーテル結合を含有してもよい。
【0059】
好ましくは、R13、R14、R15およびR16は互いに独立して、C〜C−アルキル、フェニル、ナフチルまたはフェニル−C〜C−アルキルを表す。芳香族基のR13、R14、R15およびR16は、順に、ハロゲンおよび/またはアルキル基、好ましくは塩素、臭素および/またはC〜C−アルキルで置換されてもよい。特に好ましいアリール基は、クレジル、フェニル、キシレニル、プロピルフェニルまたはブチルフェニル、さらにはその対応する臭素化および塩素化誘導体である。
【0060】
式(VI)におけるXは、好ましくは6〜30個の炭素原子を有する単核または多核芳香族基を表す。この基は好ましくは式(V)のジフェノールから誘導される。
【0061】
式(VI)における置換基のnは、互いに独立して、0または1であり、好ましくはnは1に等しい。
【0062】
qは0〜30の数平均値を表す。好ましくは、0.3〜20、特に好ましくは0.5〜10、特に0.5〜6、非常に特に好ましくは0.7〜1.4の数平均q値である。
【0063】
Xは特に好ましくは
【化13】

またはその塩素化または臭素化誘導体を表し、特にXはレゾルシノール、ヒドロキノン、ビスフェノールAまたはジフェニルフェノールから誘導される。Xは特に好ましくはビスフェノールAから誘導される。
【0064】
式(IV)によるリン化合物は周知であり(たとえば、EP−A363608号公報、EP−A640655号公報参照)、周知の方法と類似の方法(たとえば、ウルマンズ・エンツィクロペディエ・デア・テクニッシェン・ヘミー、Vol.18、p.301ff.1979;ホーベン−ベイル(Houben−Weyl)、メソーデン・デア・オルガニッシェン・ヘミー(Methoden der organischen Chemie)、Vol.12/1、p.43;バイルスタイン(Beilstein)、Vol.6、p.177)によって調製されうる。
【0065】
平均q値は、好適な方法(ガスクロマトグラフィー(GC)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC))によってホスフェート混合物の組成(分子量分布)を同定し、そこからqについて平均値を計算することによって決定される。
【0066】
(成分G)
成分Fによる難燃剤は、しばしば、いわゆるドリッピング防止剤と組み合わせて使用され、このドリッピング防止剤は火災時に燃焼するドリップを発生させてしまう材料の傾向を低減するものである。この関連で、フッ素化ポリオレフィン、シリコンおよびアラミドファイバの物質群の化合物を、例として挙げることができる。これらも本発明による組成物中で使用することができる。好ましくは、フッ素化ポリオレフィンがドリッピング防止剤として使用される。
【0067】
フッ素化ポリオレフィンは周知であり、たとえば、EP−A0640655号公報に記載されている。これらはたとえば、デュポン(DuPont)によって商品名テフロン(Teflon(登録商標))30Nで販売されている。
【0068】
フッ素化ポリオレフィンは、純粋な形態で使用されても、フッ素化ポリオレフィンのエマルジョンとグラフトポリマー(成分A)のエマルジョンとの、またはコポリマーのエマルジョンとの(好ましくはスチレン/アクリロニトリルまたはPMMAに基づく)凝結混合物の形態で使用されてもよく、フッ素化ポリオレフィンをエマルジョンの形態でグラフトポリマーまたはコポリマーのエマルジョンと混合し、次いで凝結させる。
【0069】
また、フッ素化ポリオレフィンは、グラフトポリマー(成分B1)またはコポリマーと(好ましくはスチレン/アクリロニトリルまたはPMMAに基づく)、プレ−化合物の形態で使用されうる。フッ素化ポリオレフィンを、パウダーの形態で、グラフトポリマーまたはコポリマーのパウダーまたは粒剤と共に混合し、一般的に200〜330℃の温度で常套の装置(たとえば、密閉混合機、押出し成形機または二軸性押出し成形機)中で溶融混合する。
【0070】
また、フッ素化ポリオレフィンはマスターバッチの形態で使用されうり、これはフッ素化ポリオレフィンの水分散体の存在中で、少なくとも1つのモノエチレン性不飽和モノマーをエマルジョン重合することによって調製される。好ましいモノマー成分は、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートおよびその混合物である。酸沈殿とその後の乾燥の後に、ポリマーは自由に流動するパウダーの形態で使用される。
【0071】
凝結物、プレ−化合物またはマスターバッチは、通常5〜95重量%、好ましくは7〜80重量%のフッ素化ポリオレフィンの固形分含有量を有する。
【0072】
フッ素化ポリオレフィンは上記の量で使用され、これらの量は、凝結物、プレ−化合物またはマスターバッチを用いる場合には、純粋なフッ素化ポリオレフィンに基づく。
【0073】
(さらなる添加剤)
また、本発明による組成物は、10重量部まで、好ましくは0.1〜5重量部の、少なくとも1つの常套のポリマー添加剤、たとえば、潤滑剤および離型剤、たとえばペンタエリスリトールテトラステアレート、核化剤、帯電防止剤、安定剤、光安定剤、充填剤および補強剤、染料または顔料、およびさらなる難燃剤または難燃協力剤、たとえばナノスケールの無機材料および/またはタルクまたは珪灰石のようなシリケート類の材料を含むことができる。
【0074】
本明細書において規定される重量部は、A)〜G)の全成分の重量部の合計が100となるように標準化される。
【0075】
本発明による組成物は周知の方法で各種成分を混合し、200℃〜300℃の温度で常套の装置(たとえば、密閉混合機、押出し成形機または二軸性押出し成形機)中で溶融混合および溶融押出を行うことによって調製される。
【0076】
個々の構成要素の混合は、周知の方法で、連続的にでも同時にでも、約20℃(室温)ででも高温ででも行われうる。
【0077】
本発明による組成物は、あらゆる種類の成形体の製造に使用されうる。これらはたとえば、射出成形、押出しおよびブロー成形処理によって製造されうる。さらなる処理形態は、予め製造されたシートまたはフィルムから深絞り加工によって成形体を製造するものである。
【0078】
このような成形体の例は、フィルム、異形材、たとえばジュース抽出器、コーヒーメーカー、ミキサーのような家庭用品用;モニター、プリンタ、複写機のような事務機器用のあらゆる種類の収納部品;さらには電気設備用シート、チューブ、導管、建築分野、内装調度品および外装用途用の異形材;電気技術部門用の部品、たとえばスイッチおよびプラグおよび自動車の内装および外装部品である。
【0079】
本発明による組成物は特に、たとえば、次のような成形体または成形品の製造に使用されうる:
列車、船、飛行機、バスおよび自動車の内装調度品用部品、ハブキャップ、小型変圧器を含む電気機器用の収納材、情報送受信用装置のための収納材、医療目的の収納材および外装材、マッサージ装置およびそのための収納材、子供用のおもちゃの自動車、フラットウォール要素、安全装置用の収納材、リアスポイラー、自動車本体部品、断熱輸送コンテナ、小動物をつなぎとめ世話するための器具、トイレおよび風呂用成形品、ファンの開口用カバー枠、庭用倉庫および道具格納庫用の成形品、ガーデニング器具用収納材。
【0080】
本発明をより例示するために、以下に実施例を示す。
【実施例】
【0081】
表1に示し、以下に簡単に議論する成分を、ZSK−25において異なる物質温度で混合する(表1参照)。残渣モノマー値、特にブタジエンの量を次に測定する。これらの測定は、粒剤と、アルバーグ(Arburg)270E射出成形装置で、示された温度(280/300℃)で製造された成形体の両方について、実施する。
【0082】
(成分A)(ABS)
40重量部の73:27の比のスチレンおよびアクリロニトリルのコポリマーと、60重量部の粒子の架橋ポリブタジエンゴム(平均粒子直径d50=0.3μm)とのグラフトポリマー。エマルジョン重合によって調製される。
【0083】
(成分B)(I−1)
チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(Ciba Speciality Chemicals)、バスル、スイスからのHP136(式I−1のラクトン、上記参照)。
【0084】
(成分C)(II−1)
式II−1の亜リン酸エステル(上記参照)。
【0085】
(成分D)(PC)
ビスフェノールAに基づく線形ポリカーボネート。溶媒としてのCHCl中で、25℃で、0.5g/100mlの濃度で測定して、1.24の相対溶液粘度を有する。
【0086】
(成分E)(SAN)
72:28のスチレン/アクリロニトリル比と0.55dl/gの固有粘度(ジメチルホルムアミド中で20℃で測定)を有するスチレン/アクリロニトリルコポリマー。
【0087】
(成分G)(PETS)
PETS=ペンタエリスリトールテトラステアレート
【0088】
残渣モノマーの含有量はGC/MS(ガスクロマトグラフィー/質量分光法)によって決定される。
【0089】
【表1】

【0090】
比較例1と比較して、残渣モノマー含有量における顕著な減少が他の配合で達成されている。添加剤(I−1)および(II−1)を含まない比較例の残渣モノマー含有量は実施例1よりも僅かに高かった。減少は粒剤についても、その後さらに成形組成物に処理した場合でも得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)
A.1 5〜95重量%の少なくとも1つのビニルモノマーと、
A.2 95〜5重量%の、<10℃のガラス転移温度を有する1以上のグラフトベースとの
グラフトポリマーと、
B)式(I)
【化1】

(ここで、R、R、RおよびRは互いに独立して、水素、C〜C−アルキルまたは5−または6−員環を表す)のラクトンと、任意に
C)
C.1 式(II)
【化2】

(ここで、Rは、HまたはC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アラルキルまたはC〜C10−アリールを表し、
およびRは同じまたは異なっており、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−アラルキルまたはC〜C10−アリールを表し、
Xは、−S−またはR−CHを表し、ここでRは水素、C〜C−アルキルまたはC〜C−シクロアルキルを表す)
の亜リン酸エステル、
C.2 式(III)
【化3】

(ここで、RおよびRは互いに独立して、水素、C〜C−アルキルまたは5−または6−員環を表し、
nは1〜4の整数を表し、
およびAは互いに独立して、C〜C−アルキレンを表し、
Rは互いに独立して、水素、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシまたは5−または6−員環を表す)
の立体障害フェノール、
C.3 式(IV)
【化4】

(ここで、RおよびR10は互いに独立して、水素またはC〜C−アルキル、任意に5−または6−員環を表し、
xおよびyは互いに独立して、0、1、2、3、4、5を表し、
nは1または2を表す)
のホスフィト、
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、任意に
D)ポリカーボネートおよび/またはポリエステルカーボネート
E)ビニル(コ)ポリマー
F)難燃剤
G)添加剤
の群の少なくとも1つのから選択されるさらなる成分
とを含有する組成物。
【請求項2】
0.01〜2重量%の成分B)を含有する請求項1による組成物。
【請求項3】
0.01〜2重量%の成分C)を含有する請求項1または2による組成物。
【請求項4】
A)2〜50重量部の成分A)のグラフトポリマーと、
B)0.01〜1重量部の式(I)のラクトンと、
C)0.01〜2重量部の式(II)の亜リン酸エステルと、
D)20〜98重量部のポリ(エステル)カーボネートと、
E)0〜40重量部のビニル(コ)ポリマーと、
F)0〜20重量部の難燃剤と、
G)0〜2重量部のドリッピング防止剤とを
含有する前出の請求項のいずれかによる組成物。
【請求項5】
A.1.1 50〜99重量%の、ビニル芳香族化合物、環上で置換されたビニル芳香族化合物およびメタクリル酸(C〜C)−アルキルエステルからなる群から選択される少なくとも1つのモノマーと、
A.1.2 1〜50重量%の、ビニルシアニド、(メタ)アクリル酸(C〜C)−アルキルエステルおよび不飽和カルボン酸の誘導体からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーとの
重合によって得られるグラフトポリマーを含有する前出の請求項のいずれかによる組成物。
【請求項6】
モノマーA.1.1は、モノマーのスチレン、α−メチルスチレンおよびメチルメタクリレートの少なくとも1つから選択され、モノマーA.1.2は、モノマーのアクリロニトリル、マレイン酸無水物およびメチルメタクリレートの少なくとも1つから選択される請求項5による組成物。
【請求項7】
グラフトベースA.2は、ジエンゴム、EP(D)Mゴム、アクリレート、ポリウレタン、シリコン、クロロプレンおよびエチレン/ビニルアセテートゴムさらには上記ゴムのコンポジットから選択される請求項4による組成物。
【請求項8】
式(I)
【化5】

の環状ラクトンを含有する前出の請求項のいずれかによる組成物。
【請求項9】
式(II)において、RおよびRが、ベンジル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジル、メチル、エチル、イソプロピル、tert.−ブチル、tert.−アミル、イソノニル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基を表し、Xが
【化6】

を表す式(II)の亜リン酸エステルを含有する前出の請求項のいずれかによる組成物。
【請求項10】

【化7】

の亜リン酸エステルを含有する前出の請求項のいずれかによる組成物。
【請求項11】

【化8】

【化9】


の少なくとも1つの化合物を含有する前出の請求項のいずれかによる組成物。
【請求項12】
成形品の製造における前出の請求項のいずれかによる組成物の使用。
【請求項13】
前出の請求項のいずれかによる組成物から得られる成形品

【公表番号】特表2007−515528(P2007−515528A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545975(P2006−545975)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014003
【国際公開番号】WO2005/063865
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】