説明

官能化されたポリオレフィンフィルムの酸素捕捉剤活性を増加するための熱可塑性コポリエステル又はコポリアミドエラストマーの使用

官能化されたポリオレフィンフィルムの酸素捕捉剤活性を増加するための熱可塑性エラストマーの使用。(I)酸化可能な金属成分、(II)電解質成分、(III)非電解質系酸化性組成物及び(IV)コポリエステル又はコポリアミド熱可塑性エラストマーを含有している、酸素捕捉組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
閉鎖容積中に保持されるべき又は酸素を殆ど又は全く含有せずに包装されているべき多くの製品が存在する。これらの酸素敏感な製品には、酸素の存在に基づき分解可能である医薬品、食品、肉、飲料品等が包含される。酸素への暴露を制限することは、包装された製品の品質を保持し、かつ貯蔵寿命を増加する手段を提供する。包装された食品から酸素を除去すること及び貯蔵の間の酸素侵入に対するバリアの形成は、食品包装技術者にとって重要な課題である。例えば酸素暴露を最小化することのできるパッケージ内に食物製品を包装することは、長時間にわたり包装された製品の品質を保持し、これを廃棄、再仕入れ及び交換する必要なしに、在庫で(in inventtory)長時間保持する程度に、製品の劣化を遅延させるための手段である。
【0002】
食品包装工業において、酸素敏感な包装された物質を酸素暴露に対して制限するためのいくつかの技術が開発されている。このような技術には、包装の部材としてのバリア物質(酸素に対する低い透過性を有する)の使用;包装材料以外の酸素を消費することが可能なものの内包(酸素と反応可能な物質の小袋の使用による);及びパッケージ内の減少された酸素環境の形成(例えば、変性空気包装−MAP−及び真空包装)が包含される。
【0003】
前記の各々の技術はこの工業分野で認められているが、包装用品の一部としての酸素捕捉剤の内包は、酸素暴露を制限する最も望ましい手段の一つであることがよく認識されている。
【0004】
酸素に対して敏感な製品、特に食品、飲料品及び医薬品は、酸素の存在下に劣化又は腐敗する。これらの困難を減少させる一つの試みは、このような製品を、酸素の移動に対する物理的バリアとして作用することができるが酸素とは反応しない、いわゆる"パッシブ(passive)"ガスバリアフィルム少なくとも1層を有している包装材料で包装することである。エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)又はポリビニリデンジクロライド(PVDC)から得られたフィルムが、それらの優れた酸素バリア特性に基づき、この目的のために一般に使用されている。酸素移動の物理的遮断により、これらのバリアフィルムは、パッケージ内の当初酸素レベルを保持するか又は実質的に保持することができる。しかしながら、このパッシブバリアフィルムは、包装構造のための経費を付加し、この包装構造物中に既に存在する酸素のレベルを減少しないので、有効なより低コストの変更及び改善の必要性が存在する。
【0005】
パッケージ内部の低酸素環境を達成又は保持するための1つの手段は、酸素吸収物質を含有しているパケットを使用することである。このパケット(屡々ポーチ又は小袋とも称される)は、製品に寄り添ってパッケージの内部に配置される。Sakamoto等は、特願第121634/81(1981)公開公報中に酸素吸収性パケットを記載している。このパケット内に保持されている酸素捕捉剤中で使用されている典型的な内容物は、US−A4856650中に記載されているような、酸素と反応して酸化第1鉄又は酸化第2鉄を形成することのできる還元鉄粉末である。このパケット内に、鉄と一緒に反応促進剤、例えば塩化ナトリウム及び水吸収剤、例えばシリカゲルが内包されていることも、US−A−4992401中に記載のように公知である。特願第82−24634(1982)公報は、鉄粉末100質量部(pbw)、塩化アンモニウム2〜7pbw、酸水溶液8〜15pbw及び低水溶性充填剤、例えば活性チョーク20〜50pbwを含有している酸素吸収剤組成物を記載している。特願第79−158386(1979)公報は、金属、例えば鉄、銅又は亜鉛を含有し、及び場合により、金属1pbw当たり0.001〜100pbwレベルの金属ハロゲン化物、例えば塩化ナトリウム又は塩化亜鉛を、かつ充填剤、例えばチョークを、金属1pbw当たり0.01〜100pbwのレベルで含有している、酸素を拘留する組成物を記載している。
【0006】
パケット中で使用される酸素吸収剤又は捕捉物質は、パッケージ内の酸素(屡々、ヘッドスペース酸素とも称される)と化学的に反応することができるが、これらは、外部酸素がこのパッケージ内に浸入することを阻止しない。従って、その中でそのようなパケットが使用される包装のためには、付加的な保護、例えばラッピング又は前記のタイプのパッシブバリアフィルムを包含することが一般的である。このことは製品コストを高める。多くの製造容易な食品で、酸素捕捉剤パケットに伴う他の困難は、消費者が誤ってこれを開いて、その内容物を食品と一緒に消費することがありうることである。更に、パケットを容器中に配置する余分な製造工程は、製品のコストを高め、製造を遅らせることがありうる。更に、酸素吸収剤パケットは液体製品と一緒には使用できない。
【0007】
これらの欠点及び制限の観点から、包装用品の壁中に、いわゆる"アクチブ"酸素吸収剤、即ち酸素と反応するものを直接取り入れることが提案されている。このような包装用品は、その壁内に浸透する酸素と反応する物質を含有するように形成されているので、この包装は、酸素の移動を遮断するがそれとは反応しないパッシブバリアフィルムとは区別されるような「アクチブバリア(active-barrier)」を提供すると言われている。アクチブバリアパッケージングは、それが外から製品に達する酸素を阻止することができるだけでなく、容器内に存在する酸素を吸収することもできるので、酸素敏感な製品を保護するための魅力的な方法である。アクチブバリアパッケージングを得るための1つの手段は、酸化可能な金属(例えば鉄)と電解質(例えば塩化ナトリウム)との混合物を、適当な樹脂溶融加工中に導入して、結果的に、単一層又は多層のシート又はフィルムを生じさせ、かつ、生じる酸素捕捉剤含有シート又はフィルムを、剛性又は柔軟性の容器又は他の包装用品又は構成要素の形にすることである。このタイプのアクチブバリアは、鉄、亜鉛又は銅及び金属ハロゲン化物を含有している熱可塑性樹脂から構成されている酸素捕捉シートに関する特願第56−60642(1981)公報中に記載されている。記載されている樹脂には、ポリエチレン及びポリエチレンテレフタレートが包含されている。塩化ナトリウムは有利な金属ハロゲン化物である。成分割合は、樹脂100部当たり金属ハロゲン化物1〜500部及び金属100部当たり金属ハロゲン化物1〜200部が存在するような割合である。同様に、US−A−5153038は、酸素捕捉剤及び場合による水吸収剤をガスバリア樹脂中に導入することにより形成された樹脂組成物から形成されている、種々の層構造のプラスチック多層容器を記載している。この酸素捕捉剤は、金属粉末、例えば鉄、低原子価の金属酸化物又は還元性金属化合物であることができる。この酸素捕捉剤は、補助化合物、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、亜硫酸塩又はチオ亜硫酸塩、第3リン酸塩、第2リン酸塩、有機酸塩又はハロゲン化物と組み合わせて使用することができる。水吸収剤は、無機塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸カリウム又は硝酸ナトリウムであることができる。酸素捕捉剤は、バリア樹脂の質量に対して1〜1000質量%で存在することができる。水吸収剤は、バリア樹脂の質量に対して1〜300質量%で存在することができる。
【0008】
酸化可能な金属(例えば鉄)及び金属ハロゲン化物(例えば塩化ナトリウム)を熱可塑性層中に導入する捕捉剤系に伴う1つの困難は、酸化反応の無効性である。アクティブバリアパッケージング中での充分な酸素吸収を得るためには、捕捉剤組成物の高装荷量が屡々使用されている。このことは典型的に、捕捉組成物を含有しているシート、フィルム及び他のパッケージング層又は壁構造が比較的厚いことを要求する。このことも又、包装材料のコストの一因となり、適切な酸素捕捉能を有する薄い包装フィルムの達成を妨げることにもなりうる。
【0009】
US−A−4104192中に記載されている他の酸素捕捉組成物は、亜二チオン酸塩及び結晶水又は水和水を有している化合物少なくとも1種を含有している。これら化合物のリストとは、炭酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩及びリン酸塩を包含している種々の水和されたナトリウム塩であり;ピロ燐酸ナトリウム10水和物が特別に挙げられている。この特許の第1表中の例1に記載されているように、ピロ燐酸ナトリウム10水和物は、最低効果の試験化合物であった。加えて、水和物含有化合物の使用は、高温加工処理を必要とする酸素捕捉樹脂中では好適であり得ない。US−A−5744056、US−A−6369148及びUS−A−6586514は、酸化可能な金属化合物、電解質成分及び非電解質系酸性化成分を含有している酸素捕捉組成物を記載しており、これは、熱可塑性樹脂溶融二次加工温度で熱的に安定である。
【0010】
WO2006/089895は、その中の酸性化反応に寄与する電解質成分が、ルイス酸塩及び/又はその付加生成物の加水分解により得られている類似の系を記載している。このタイプの捕捉剤系の困難は、このポリマーマトリックス内での酸化反応の比較的な無効性である。実際に、この捕捉剤組成物は、通常は、コスト、相容性、透明性及び発色をもたらす高い装荷量で使用しなければならない。EP−A−1423456中では、より高い透明性のプラスチック物体を得るために、金属の濃度が0.25%を下回るように限定されており、著しくその作用効果を制限している。従って、包装された商品中の酸素濃度レベルを保持又は減少するための種々の研究が進められているが、改良された酸素捕捉組成物及びこれを用いる包装材料の必要性がなお残っている。
【0011】
従って本発明の1つの課題は、改良された酸素捕捉組成物及び包装材を提供することである。もう一つの課題は、改良された作用効果の低コストの酸素捕捉組成物を提供することである。もう一つの課題は、比較的低い濃度レベルでさえ、ラミネートされ、かつ同時押出された多層フィルム及びシートを包含する、広範囲のアクチブバリアパッケージングフィルム及びシート中で有効に使用できる酸素捕捉組成物を提供することである。もう一つの課題は、容器中への外部酸素の通過を遅延させ、容器内に存在する酸素を吸収すること又は双方の手段によって、酸素敏感な製品の貯蔵寿命(Shelf-life)を増加させることのできる、アクチブバリアパッケージング容器を提供することである。他の課題は、当業者にとって明らかになるであろう。
【0012】
好ましくポリブチレン−テレフタレート(PBT)、ポリテトラヒドロフラン(p−THF)、ポリトリメチレンオキサイド(p−TMO)、ポリトリメチレングリコール(p−TMeG)、ポリオレフィン、グリコール又はポリブチルアクリレート(PBA)をベースとしているコポリアミド又はコポリエステル熱可塑性エラストマー(これらは、熱可塑性樹脂を加工するために一般に使用される温度で熱安定性であり、かつ電解質及び非電解質系酸性化成分と組み合わせて使用される)の配合は、例えば、US−A−5744056、US−A−6369148、US−A−6586514及びWO2006/089895中に記載されている様な酸化可能な金属粒子の各単位と反応することのできる酸素の量を増加させることができることが観察されている。特に、その大きい寸法の粒子は、1000μm〜10μm、より好ましくは10μm〜300μm、特に10μm〜50μm有している。従って、酸化反応はより容易に起こり、全体的な酸素捕捉性能は促進されうる。このより大きい反応性は、実際に反応のより大きい速度及び量(大きい捕捉能及び速度)を達成するために、又は目標環境と接触する捕捉組成物の量を減少させることによって、より澄明及び透明ですらあるプラスチックフィルム又は容器との反応の同様な速度及び量を達成する目的で、利用されうる。
【0013】
従って、本発明は、
(I)酸化可能な金属成分、
(II)電解質成分、
(III)非電解質系酸性化成分 及び
(IV)コポリエステル又はコポリアミド熱可塑性エラストマー
を含有している、酸素捕捉組成物に関する。
【0014】
更に本発明は、前記酸素捕捉組成物を含有している物品、前記酸素捕捉組成物を含有しているマスターバッチ及び前記酸素捕捉組成物を食品包装材中で使用することに関する。
【0015】
本発明の酸化可能な金属は、Al、Mg、Zn、Cu、Fe、Sn、Co又はMnでありうるが、コストと反応性との釣合いのためにはFeが有利である。このような金属又はこのような金属と他の成分との合金又はブレンドも好適である。粒子は任意の形状、例えば球形、八面体、立方体、ロッド又は血小板等の形であることができる。これらは、ポリマーマトリックス中での良好な分散のために又は最適反応性のために、官能化されている(functionnalized)ことができる。しかしながら、好適な金属粒子は、官能化されていないか又は酸素移動に対して不透過性なポリマー有機又は有機金属化合物との特別な結合によって又は相互反応によって安定化されている。
【0016】
酸化可能な金属、電解質、非電解質系酸性化成分及びエラストマーベースの熱可塑性コポリエステルの合計は、全組成物の2〜60%であることができ、バランスはポリマー樹脂である。
【0017】
電解質と非電解質系酸性化成分との質量比は、10/90から90/10まで変動可能である。
【0018】
電解質及び非電解質系酸性化成分の合計は、金属100質量部当たり20〜500質量部であることができる。
【0019】
加えて、エラストマーベースの熱可塑性コポリエステル又はコポリアミドと電解質との質量比は、10/90から90/10まで変動可能である。電解質と熱可塑性エラストマーの合計は、金属100部当たり20〜500質量部であることができる。更に、熱可塑性エラストマーとポリマー樹脂との間の質量比は10/90から90/10まで変動可能である。
【0020】
酸化可能な金属は、例えばAl、Mg、Zn、Cu、Fe、Sn、Co又はMn、好ましくはFeである。このような金属の、又はこのような金属と他の成分との合金又はブレンドも好適である。金属粒子は、任意の形状、例えば球形、八面体、立方体の形、ロッド又は血小板等の形であることができる。これらは、ポリマーマトリックス中での良好な分散のために又は最適反応性のために官能化されていることができる。しかしながら、好ましい金属粒子は、官能化されていないか又は酸素移動に対して不透過性のポリマー有機又は有機金属化合物との特別な結合又は反応によって安定化されている。
【0021】
酸化可能な金属粒子は、特に、金属の各々のユニットと反応することのできる酸素の量を増加するために、その大きい寸法が10μm〜1000μm、好ましくは10μm〜300μm及び最も好ましくは10μm〜50μmである粒子である。
【0022】
非電解質系酸性化成分には、種々の非電解質系有機酸及び無機酸及びそれらの塩が包含される。特別な化合物の例には、無水クエン酸、クエン酸一ナトリウム塩、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、ピロ燐酸二水素二ナトリウム(即ち、酸性ピロ燐酸ナトリウム:Naとしても公知である)、メタリン酸ナトリウム、三メタリン酸ナトリウム、六メタリン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム塩、リン酸アンモニウム及び硫酸アルミニウム、ニコチン酸、硫酸アルミニウムアンモニウム、一塩基性リン酸ナトリウム及び硫酸アルミニウムカリウムが包含される。このような物質の組み合わせ物も使用できる。
【0023】
特に有利な非電解質系酸性化成分は、成分(III)として、アルカリ金属酸性ピロ燐酸塩又はアルカリ土類金属酸性ピロリン酸塩及び場合により付加的に、成分(IIIa)としてのアルカリ金属二水素リン酸塩(例えばNaHPO)又はアルカリ土類金属二水素リン酸塩からなる。好ましくは、成分(III)100質量部当たり、成分(IIIa)少なくとも1質量部、特に1〜10質量部が使用される。
【0024】
特に有利な熱可塑性プラスチックエラストマーは、完全に重合された硬質又は軟質のセグメントからなっているコポリマーである。硬質セグメントは、結晶化可能なポリブチレン−テレフタレート(PBT)であり;軟質セグメントは、非晶質ポリエステル又はポリエーテルである。特に、軟質セグメントは、これらのコンパウンド1種以上から成っていることができる:ポリ−テトラヒドロフラン(p−THF)、ポリ−トリメチレングルコール(p−TMeG)、ポリ−トリメチレンオキサイド(p−TMO)、ポリ−ブチルアクリレート(PBA)、ポリオレフィンベースのグリコール及びポリブチルアクリレート(PBA)。
【0025】
従って、有利な熱可塑性エラストマーは、PBT/p−THF、PBT/p−TMeG、PBT/p−TMO、PBT/PBA、PBA/グリコール及びPBT/ポリオレフィンをベースとしている。従って、ポリブチレン−テレフタレート及び/又はポリブチルアクリレートをベースとしているコポリエステルが特に有利である。
【0026】
本発明による組成物中で使用される熱可塑性プラスチックエラストマーは、好ましくは180〜280℃、特に200〜230℃の融点を有する。
【0027】
有利なコポリエステル熱可塑性プラスチックエラストマーは、1000〜10000ドルトン、好ましくは2000〜6000ドルトンのMwを有する。
【0028】
本発明は、特に、
(I)酸化可能な金属成分、
(II)NaCl、KCl及びCaClからなる群から選択された、電解質成分、
(III)非電解質系酸性化成分、好ましくはアルカリ金属酸性ピロ燐酸塩又はアルカリ土類金属酸性ピロ燐酸塩及び
(IV)PBT/p−THF、PBT/p−TMeG、PBT/p−TMO、PBT/PBA、PBT/グリコール又はPBT/ポリオレフィンをベースとする熱可塑性エラストマー
を含有している、酸素捕捉組成物に関する。
【0029】
本発明による特に好ましい酸素捕捉組成物は、
成分(I)として鉄、
成分(II)として、NaCl、KCl又はCaCl及び
成分(III)として、Na又はCaH
成分(IV)として、PBT/p−THF、PBT/p−TMeG、PBT/p−TMO、PBT/PBA、PBA/グリコール及びPBT/ポリオレフィンをベースとする熱可塑性エラストマー;及び
更なる場合による成分(IIIa)として、NaHPO、KHPO又はCa(HPO
を含有している。
【0030】
特に重要な酸素捕捉組成物は、
成分(I)としてFe、
成分(II)としてNaCl、
成分(III)としてNa
成分(IV)として、コポリエステル熱可塑性エラストマー、好ましくは、
ポリブチレン−テレフタレート及び/又はポリブチルアクリレートをベースとするコポリエステル;及び
場合による成分(IIIa)として、NaHPO
を含有している。
【0031】
本発明による酸素捕捉組成物の成分は、酸素捕捉効果を提供するために有効な割合で存在している。好ましくは、酸化可能な金属成分100質量部当たり、電解質成分と酸性化成分とを足したもの少なくとも1質量部が存在し、電解質成分と非電解質系酸性化成分との質量比は、例えば99:1〜1:99、特に10:90〜90:10である。酸化可能な金属成分100部当たり電解質と非電解質系酸性化成分とを足したもの少なくとも約10部が存在することが、酸素との反応のための後者の有効な使用を促進するためにより好ましい。酸化効率、低コスト及び加工及び取扱い容易性の有利な組み合わせを達成するために、金属成分100部当たり電解質と非電解質系酸性化成分とを足したもの20〜500、特に30〜130部が最も有利である。
【0032】
有利な1態様によれば、酸素捕捉組成物は、付加的に、酸化可能な金属の酸化効率を更に高めるための水吸収性結合剤を含有することができる。この結合剤は、促進剤化合物の存在時に金属の酸化を高める付加的な水分の供給に作用することができる。使用に好適な水吸収性結合剤には、一般に、水中でのそれ自体の質量の少なくとも約5%を吸収し、かつ化学的に不活性である物質が包含される。好適な結合剤の例には、珪藻土、ベーマイト、カオリンクレー、ベントナイトクレー、酸性白土、活性クレー、ゼオライト、分子篩、タルク、焼成バーミキュライト、活性炭素、グラファイト、カーボンブラック等が包含される。有機結合剤を使用することも考慮されており、種々の水吸収剤ポリマーを包含する例が、EP−A−428736中に記載されている。このような結合剤の混合物を使用することもできる。好ましい結合剤は、ベントナイトクレー、カオリンクレー及びシリカゲルである。
【0033】
存在する場合には、金属100部当たり5〜100部の量で水吸収性結合剤が有利に使用される。結合剤成分がプラスチック中へ配合される組成物中で使用される場合には、この結合剤は、加工の容易性を確保するために充分低い装荷レベルで酸化効率を高めるために、金属100部当たり10〜50部の量で存在することが最も有利である。
【0034】
本発明のもう一つの態様は、前記のように定義され、場合により慣用の添加剤を含有し、更に成分(V)として、この発明の成分(IV)とは異なる付加的なポリマー樹脂を含有している、酸素捕捉組成物に関する。
【0035】
このようなポリマー樹脂の例は、次のものである:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、同様に、シクロオレフィンの、例えばシクロペンテン又はノルボロネンのポリマー、ポリエチレン(これは場合により架橋されていてよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量のポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超分子量のポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0036】
ポリオレフィン、即ち、前節に例示されているモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、下記の種々の特別な方法によって製造することができる:
a)ラジカル重合(通常は高圧下及び高温で)、
b)通常、周期律表の第IVb、Vb、VIb又はVIII族の金属1種以上を含有している触媒を用いる触媒作用重合。これらの金属は、通常は1個以上の配位子、典型的にはオキサイド、ハライド、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有し、これらはπ−又はσ−配位結合していることができる。これらの金属錯体は、遊離の形であるか又は担体上に、典型的には活性化された塩化マグネシウム、塩化タリウム(III)、アルミナ又は酸化珪素上に固定されていることができる。これら触媒は重合媒体中に可溶又は不可溶であることができる。これら触媒は、それら自体が重合で使用できるか又は更なる活性化剤、典型的には金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハライド、金属アルキルオキサイド又は金属アルキルオキサン(前記の金属は、周期律表第Ia、IIa及び/又はIIIa族の元素である)を使用することができる。これらの活性化剤は、慣用のように他のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で変性されていてもよい。これらの触媒系は、通常は、フィリップス(Phillips)、スタンダード オイル インディアナ(Standard Oil Indiana)、チーグラー(−ナッタ)、TNZ(DuPont)、メタロセン又はシングルサイトカタリスト(Single site catalyst:SSC)と称されている。
【0037】
2.1)に記載のポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)及び異なるタイプのポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0038】
3.モノオレフィン及びジオレフィン相互の又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びこれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブト−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブト−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COCのようなエチレン/ノルボルネン)、エチレン/1−オレフィンコポリマー(ここで、1−オレフィンは、その場で発生されている);プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(イオノマー)、同様に、エチレンとプロピレン及びジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンとのターポリマー;及びこのようなコポリマー相互の及び1)に前記のポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びこれと他のポリマーとの混合物。
【0039】
4.その水素化された変性物を包含している、炭化水素樹脂(例えばC〜C)(例えば粘着付与剤)及びポリアルキレンと澱粉との混合物。
【0040】
1)〜4)からのホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック又はアタクチックを包含する立体構造を有することができ;ここで、アタクチックポリマーが有利である。ステレオブロックポリマーも包含される。
【0041】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0042】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、殊にp−ビニルトルエン、エチルスチレンの全異性体、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン及びビニルアントラセン及びこれらの混合物を包含している、ビニル芳香族モノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック又はアタクチックを包含している、立体構造を有することができ;ここで、アタクチックポリマーが有利である。ステレオブロックポリマーも包含される。
【0043】
6a.前記のビニル芳香族モノマー及びエチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレインイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はアクリル系誘導体及びこれらの混合物から選択されるコモノマーを包含しているコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;高耐衝撃性スチレンコポリマーと他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーとの混合物;及びスチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン。
【0044】
6b.殊にアタクチックポリスチレンの水素化により製造されたポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を包含している、6)に記載のポリマーの水素化により誘導された、水素化された芳香族ポリマー(屡々ポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と称される)。
【0045】
6c.6a)に記載のポリマーの水素化から誘導された、水素化された芳香族ポリマー。
【0046】
ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック又はアタクチックを包含する立体構造を有していることができ;ここで、アタクチックポリマーが有利である。ステレオブロックポリマーも包含される。
【0047】
7.ビニル芳香族モノマー、例えばスチレン又はα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレン及び無水マレイン酸;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸又はマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレート上のスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル、同様に、これと6)に挙げられているコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして公知のコポリマー混合物。
【0048】
8.ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化されたゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化又は臭素化されたコポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化されたポリエチレン、エチレンと塩素化されたエチレンとのコポリマー、エピクロルヒドリンホモ−及びコポリマー、殊にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、同様にこれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。
【0049】
9.α,β−不飽和酸及びこの誘導体から誘導されたポリマー、例えばポリアクリレート及びポリメタクリレート;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル(酢酸ブチルで耐衝撃性変性された)。
【0050】
10.9)に挙げられているモノマー相互の又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0051】
11.不飽和アルコール及びアミン又はそのアシル誘導体又はアセタールから誘導されたポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;同様に、先の1)に挙げられているオレフィンとのこれらのコポリマー。
【0052】
12.環状エーテルのホモポリマー及びコポリマー、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド又はこれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0053】
13.ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン及びコモノマーとしてのエチレンオキサイドを含有しているこれらのポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで変性されたポリアセタール。
【0054】
14.ポリフェニレンオキサイド及びサルファイド及びポリフェニレンオキサイドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0055】
15.一方のヒドロキシル−末端ポリエーテル又はポリブタジエン及び他方の脂肪族又は芳香族ポリイソシアネートから誘導されたポリウレタン、同様に、これらの前駆物。
【0056】
16.ジアミン及びジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸から誘導されたポリアミド及び相応するラクタム、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から生じる芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から製造されたポリアミド及び加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0057】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0058】
18.ジカルボン酸及びジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は相応するラクトン又はラクチドから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート及びポリヒドロキシベンゾエート、更に脂肪族ポリエステルも包含されうる、例えば−それに限定されるものではないが−ポリ(ヒドロキシアルカノエート)の群、特にポリ(プロピオラクトン)、ポリ(ブチロラクトン)、ポリ(ピバロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)及びポリ(カプロラクトン)、ポリエチレンスクシネート、ポリプロピレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート、ポリヘキサメチレンスクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリヘキサメチレンオキサレート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブタジエンセバケート及びポリ乳酸(PLA)、同様に、ポリカーボネート又はMBSで変性された相応するポリエステル。
用語「ポリ乳酸(PLA)」は、有利にポリ−L−ラクチドのホモポリマー及び他のポリマーとの任意のそのブレンド又はアロイ(alloys);乳酸又はラクチドと他のモノマー、例えばヒドロキシ−カルボン酸、例えばグリコール酸、3−ヒドロキシ−酪酸、4−ヒドロキシ−酪酸、4−ヒドロキシ−吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシ−カプロイック酸とのコポリマー及びこれの環形を示しており;用語「乳酸」又は「ラクチド」には、L−乳酸、D−乳酸、それらの混合物及びジマー、即ちL−ラクチド、D−ラクチド、メソ−ラクチド及びこれらの任意の混合物が包含される。
【0059】
19.ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0060】
20.ポリケトン。
【0061】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0062】
22.一方のアルデヒド及び他方のフェノール、尿素及びメラミンから誘導された、架橋結合されたポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアミド樹脂。
【0063】
23.乾燥及び非乾燥アルキド樹脂。
【0064】
24.飽和又は不飽和ジカルボン酸と多価アルコール及び架橋剤としてのビニル化合物から誘導された不飽和ポリエステル樹脂及び低引火性のそのハロゲン含有変性体。
【0065】
25.置換されたアクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレートから誘導された架橋可能なアクリル樹脂。
【0066】
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂と架橋結合されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0067】
27.脂肪族、脂環式、ヘテロ環式又は芳香族グリシジル化合物から誘導された架橋されたエポキシ樹脂、例えば、促進剤を用いて又は用いずに得られた、ビスフェノールA及びビスフェノールFのグリシジルエーテルの生成物(これらは、慣用の硬化剤、例えば無水物又はアミンと架橋結合されている)。
【0068】
28.天然のポリマー、例えばセルロース、ゴム、ゼラチン及び化学的に変性されたこれらの同族誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース又はセルロースエーテル、例えばメチルセルロース;同様に、ロジン及びこれらの誘導体。
【0069】
30.天然由来の及び合成の有機物質(これらは、純粋なモノマー化合物又はこのような化合物の混合物である)、例えば鉱油、獣脂及び植脂、油及びワックス又は合成エステル(例えばフタレート、アジペート、ホスフェート又はトリメリテート)をベースとする油、脂肪及びワックス及び合成エステルと鉱油との任意の割合での混合物、紡糸組成物として使用されるこれらの典型的なもの、同様に、このような物質の水性エマルジヨン。
【0070】
31.天然又は合成ゴム、例えば天然ラテックス又はカルボキシル化されたスチレン/ブタジエンコポリマーのラテックスの水性エマルジヨン。
【0071】
本発明の有利な1態様によれば、ポリマー樹脂は、オレフィン系ホモポリマー又はコポリマー、ポリアミドホモポリマー、テレフタル酸残基、イソフタル酸残基、ナフタリン酸残基及びこれらの混合物からなる群から選択された繰り返し単位を有するポリエステルである。
【0072】
その中にこの発明の酸素捕捉組成物の有効量が導入でき、かつ、これが層状配置、例えばフィルム、シート又は壁構造に成形されうる、前記リストの好適なポリマー樹脂は、本発明の態様による組成物中でプラスチック樹脂として使用することができる。使用できる熱可塑性及び熱硬化性樹脂は、例えばナイロン6、ナイロン66及びナイロン612、線状及び分枝したポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、非置換の、置換された又は官能化されたオレフィンのポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリビニリデンジクロライド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリビニルメチルエーテル、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)、ポリ(3−メチル−1−ブテン)、ポリ(3−フェニル−1−プロペン)及びポリ(ビニルシクロヘキサン)である。
【0073】
好ましいポリマーは、特に、2×10-12cm3cmcm-2sec-1Hgより大きい酸素透過係数(20℃の温度で測定)及び0%の相対湿度を有している熱可塑性樹脂である。それというのも、このような樹脂は、比較的安価で、パッケージング構造に容易に成形可能であり、かつ、本発明による酸素捕捉組成物と共に使用される場合に、酸素に敏感な製品に対する高度のアクチブバリア保護作用を提供することができるからである。その例には、ポリエチレンテレフタレート及びポリアルファ−オレフィン樹脂、例えば高密度、低密度及び線状低密度のポリエチレン及びポリプロピレンが包含される。例えば樹脂100部当たり5〜15部の酸素捕捉組成物の比較的低いレベルですら、このような樹脂に、高度の酸素バリア保護を提供することができる。これらの有利な樹脂の内で、酸素に対する透過性は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの順序で増大し、他のことは同等である。従って、このようなポリマー樹脂に関して、所定レベルの酸素バリア効果を達成するための酸素捕捉剤装荷量は、同じ順序で増加し、他のことは同等である。
【0074】
本発明の酸素捕捉組成物と一緒に使用又は配合するための熱可塑性樹脂の選択の際に、樹脂中の残留酸化防止化合物の存在は、酸素吸収効力にとって有害でありうる。ポリマー製造時に、樹脂及びこれから得られる成形された製品の熱安定性を増加する目的のために、フェノールタイプの酸化防止化合物及び亜リン酸塩タイプの酸化防止剤が慣用されている。この残留酸化防止化合物の詳細な例には、ブチル化されたヒドロキシトルエン、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドシンナメート)メタン及びトリイソオクチルホスファイトが包含される。このような酸化防止剤は、本発明中で使用される酸素捕捉剤成分と混同されるべきではない。一般に、本発明の捕捉剤組成物の酸素吸収性は、残留酸化防止化合物のレベルが減少されるにつれて改良される。従って、好ましくは約1600ppmを下回る、より好ましくは約800ppmを下回る、低レベルのフェノールタイプ又は亜リン酸塩タイプの酸化防止剤を含有している市場で入手可能な樹脂が、本発明での使用のために好適である(要求されないとしても)。それらの例は、Dow Chemical Dowlex 2032(RTM)線状低密度ポリエチレン(LLDPE);Union Carbide GRSN 7047(RTM)LLDPE;Goodyear PET"Traytuf"9506m(RTM);及びEastman PETG 6763(RTM)である。残留酸化防止剤の量の測定は、高圧液体クロマトグラフィを用いて行うことができる。
【0075】
加えて所望の場合には、下記の慣用の添加剤1種以上を、酸素捕捉剤処方物と組み合わせて使用することができ;このリストには、例えば酸化防止剤、UV吸収剤及び/又は更なる光安定剤、例えば次のものが包含される:
1.アルキル化されたモノフェノール、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、線状の又は側鎖中で分枝されているノニルフェノール、例えば2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びこれらの混合物。
【0076】
2.アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−t−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0077】
3.ヒドロキノン及びアルキル化されたヒドロキノン、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ステアレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0078】
4.トコフェロール、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びこれらの混合物(ビタミンE)。
【0079】
5.ヒドロキシル化されたチオジフェニルエーテル、例えば2,2’−チオビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルファイド。
【0080】
6.アルキリデンビスフェノール、例えば2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−t−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチラート]、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−t−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0081】
7.O−、N−及びS−ベンジル化合物、例えば3,5,3’,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルファイド、イソオクチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0082】
8.ヒドロキシベンジル化されたマロネート、例えばジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0083】
9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0084】
10.トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0085】
11.ベンジルホスホネート、例えばジメチル−2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0086】
12.アシルアミノフェノール、例えば4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチル−N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0087】
13.β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と1価又は多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0088】
14.β−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と1価又は多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン。
【0089】
15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と1価又は多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0090】
16.3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と1価又は多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0091】
17.β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)XL−1、Uniroyalから提供)。
【0092】
18.アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0093】
19.アミン系酸化防止剤、例えばN,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルフェニル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルフェニル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−t−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化されたジフェニルアミン、例えば、p,p’−ジ−t−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、t−オクチル化されたN−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化されたt−ブチル/t−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化されたノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化されたドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化されたイソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化されたt−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化されたt−ブチル/t−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化されたt−オクチル−フェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン。
【0094】
20.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−s−ブチル−5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−t−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;[R−CHCH−COO−CHCH−(ここで、R=3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル)、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル)ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0095】
21.2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0096】
22.置換又は非置換の安息香酸のエステル、例えば4−t−ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0097】
23.アクリレート、例えばエチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−シンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジフェニル)アクリレート。
【0098】
24.立体障害されたアミン、例えばカルボン酸ビス(1−ウンデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−t−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状又は環状縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル)−マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状又は環状縮合生成物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、同様に、4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS Reg.No.[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、同様に、N,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合生成物(CAS Reg.No.[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ−[4,5]デセンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エタン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチルレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリン、Sanduvor(Clariant;CAS Reg.No.106917−31−1]、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンとの反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン。
【0099】
25.オキサミド、例えば4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エトキサニリド及びこれと2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−t−ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−ジ置換されたオキサアニリドの混合物及びo−及びp−エトキシ−ジ置換されたオキサニリドの混合物。
【0100】
26.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルへキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0101】
樹脂と組み合わせて使用される場合に、本発明による酸素捕捉組成物の電解質及び非電解質系酸性化成分及び場合により使用できる水吸収性結合剤は、例えば粒子又は粉末形で使用される。小さくとも290μmの又はより小さい粒子寸法が、酸素捕捉剤熱可塑性樹脂処方物の溶融加工を促進するために好ましい。コーティングの形成のための熱硬化性樹脂と共に使用するために、最終コーティングの厚さよりも小さい粒径が有利に使用される。酸素捕捉組成物は粉末又は粒子形で直接使用することができるか又は、これは例えば溶融配合又は圧縮焼結により加工して、更なる取り扱い及び使用を促進するためのペレットにすることができる。酸化可能な金属成分、電解質成分、非電解質系酸性化成分及び場合による水吸収性結合剤の混合物を、熱可塑性ポリマー配合又は溶融二次加工操作に直接、例えばその押出成形区分中に添加することができ、その後、この溶融混合物を、単一層又は多層フィルム又はシートを得るためのフィルム又はシート押出又は同時押出ラインに進めることができ、ここで、酸素捕捉組成物の量は、混合物と樹脂とが押出−二次加工ラインの樹脂供給区分中で一緒にされる割合により決定される。選択的に、酸化可能な金属成分、電解質成分、非電解質系酸性化成分及び随意の結合剤の混合物をマスターバッチ濃縮物ペレット中に配合することができ、このペレットは更に、押出フィルム又はシート又は射出成形品、例えばチューブ、ボトル、カップ、トレー及び類似物にする更なる加工のためのパッケージング樹脂中に入れることができる。
【0102】
酸化可能な金属、電解質及び非電解質系酸性化成分及び使用される場合の随意の結合剤成分の混合度合いは、酸素捕捉組成物の酸素吸収性能に、良好な混合で良好な性能をもたらすように作用をすることができる程度である。混合効果は、酸化可能な金属成分に対する電解質と非電解質系酸性化成分とをたしたものの低割合で、及び電解質成分に対する非電解質系酸性化成分の非常に低い及び非常に高い割合で、最も顕著に認めることができる。例えば、金属成分100質量部当たり電解質と非電解質系酸性化成分とを足したものが10質量部を下回る場合、又は電解質又は非電解質系酸性化成分と他成分との質量比が約10:90より低い場合には、酸素捕捉剤成分を水性スラリ混合物と混合し、引き続き炉内で乾燥しかつ粉砕して微細粒子にすることが有利である。これらの比において、技術的に好適な高い比での混合、例えばヘンシェルミキサー又はワリング粉末混合機中におけるような高強力粉末混合での又はローラー又はタンブラー上の容器中におけるような低力混合技術での混合が、特にこの混合物を熱可塑性樹脂中に取り込み、溶融加工操作で使用する場合に、酸素吸収性に変化をもたらすことができる。
【0103】
本発明による酸素捕捉組成物の酸素吸収性能に作用することのできる他の要因には、その組成物を取り入れる物品の表面積が包含され、表面積が大きくなるに伴い、通常はより良好な酸素吸収性能を提供する。水吸収性結合剤が使用される場合には、その中の残留水分量も、結合剤中の水分が多くなるに伴い、酸素吸収特性を良好にするように作用することもできる。しかしながら、結合剤中に存在すべき水分量には実際の制限がある、それというのも多すぎると、酸素捕捉剤組成物の尚早の活性化を起こし、同様に、加工困難性及び製造された製品中の低い美学をもたらすことがありうるからである。熱可塑性樹脂中に取り入れられ、溶融加工法での物品の製造のために使用される場合に、この樹脂の性質は、顕著な効果を有することもできる。従って、本発明による酸素捕捉性組成物が非晶質の及び/又は酸素透過性のポリマー、例えばポリオレフィン又は非晶質ポリエチレンテレフタレートと一緒に使用される場合には、この組成物が結晶及び/又は酸素バリアポリマー、例えば結晶ポリエチレンテレフタレート及びEVOHと共に使用される場合よりも高い酸素吸収性が認められる。
【0104】
熱可塑性樹脂と共に使用される場合には、この酸素捕捉組成物を、酸素捕捉能の所望レベルを提供するために有効な量で、樹脂中に直接導入することができる。このように使用される場合の好ましい酸素捕捉剤レベルは、樹脂の選択、この樹脂から製造されるべき物品の形状及びこの物品中で必要な酸素捕捉能に依存して変動する。低い固有粘度を有する樹脂、例えば低分子量の樹脂を用いる場合には、通常は、加工性の損失なしに、捕捉剤組成物の高い装荷量を許容する。逆に、より低い量の酸素捕捉剤組成物は、より高い粘度を有するポリマー物質の使用を促進することができる。樹脂100質量部当たり酸素捕捉組成物少なくとも0.1質量部が好ましく使用される。樹脂100部当たり約200部を上回る装荷レベルは、一般に酸素吸収の利益をもたらさず、加工を妨害し、かつ、他の製品特性に不利に作用することがありうる。加工性を保持しながら良好な捕捉性能を得るためには、樹脂100部当たり0.2〜150部、特に0.3〜50部又は5〜50部の装荷レベルを使用することがより好ましい。薄いフィルム及びシートを製造するためには、樹脂100部当たり0.3〜20部の装荷レベルが特に好ましい。
【0105】
包装用品の製造のための有利な酸素捕捉剤樹脂組成物は、熱可塑性樹脂少なくとも1種及び樹脂100質量部当たり酸素捕捉組成物例えば2〜50質量部又は5〜50質量部を含有し、ここで、この酸素捕捉組成物は、成分(I)としての鉄粉末、成分(II)としてのNaCl、KCl又はCaCl及び成分(III)としてのNa又はCaHを、場合により、成分(IIIa)としてのNaHPO、KHPO又はCa(HPOと組み合わせて含有している。より好ましくは、鉄10質量部当たり成分(II)+成分(III)(=成分(III)+場合による成分(IIIa))例えば30〜130質量部がこの捕捉組成物中に存在し、成分(II)と成分(III)との質量比は、例えば10:90〜90:10である。樹脂及び酸素捕捉剤100質量部当たり水吸収性結合剤例えば50質量部までを含有することもできる。このタイプの殊に好ましい組成物は、樹脂としてポリプロピレン、高、低又は線状低密度のポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートを含有し、樹脂100質量部当たり酸素捕捉剤例えば5〜30質量部を含有する。例えば鉄10質量部当たり成分(II)5〜100質量部及び成分(III)5〜70質量部が、かつ、成分(I)、(II)、(III)及び(IV)の100質量部当たり結合剤例えば0〜50質量部が有利である。
【0106】
酸素捕捉組成物及び樹脂は、捕捉性シート又はフィルムの直接製造のために非濃縮形で(即ち更なる樹脂希釈なしに)使用することができるが、酸素捕捉組成物及び樹脂を濃縮物又はマスターバッチの形で使用することも有益である。このように使用される場合には、例えば押出し造粒によるようになお好結果の溶融配合を可能とするであろう捕捉剤の比較的高い装荷量のためには、低い材料コストで濃縮物を製造する可能性が重要である。従って本発明による濃縮組成物は、樹脂100質量部当たり酸素捕捉組成物少なくとも例えば10質量部、より好ましくは樹脂100質量部当たり30〜150質量部を含有することが有利である。このような酸素捕捉濃縮組成物のための好適な樹脂には、ここに記載の任意の熱可塑性ポリマー樹脂が包含される。低溶融粘度樹脂は、高い捕捉剤装荷量の使用を促進し、かつ典型的には、最終品の溶融二次加工時に濃縮物樹脂の典型的に低い分子量が最終製品特性に不利に作用しない程度に充分な少量で使用される。好ましいキャリア樹脂は、ポリプロピレン、高密度、低密度及び線状低密度のポリエチレン及びポリエチレンテレフタレートである。これらの内で、例えば1〜40g/10分の溶融流量を有するポリプロピレン、例えば1〜20g/10分のメルトインデックスを有するポリエチレン及び例えばフェノール/トリクロロエタン中での0.6〜1の固有粘度を有するポリエチレンテレフタレートが有利である。
【0107】
熱可塑性樹脂と組み合わせて、酸素捕捉製品に加工されうる濃縮物2種以上を形成するために、種々の成分の酸素捕捉組成物又はこのような成分の組み合わせ物を使用することも考慮される。2種以上の濃縮物を使用する利点は、最終品が製造されるまで、電解質及び非電解質系酸化成分が酸化可能な金属から単離されていることができ、それによって、物品の実際の使用まで完全に又はほぼ完全に酸素捕捉能を保持でき、他の場合に要求されるよりも低い捕捉剤装荷量を許容することである。加えて、別個の濃縮物は、酸化可能な金属と一緒の、異なる濃度の電解質及び非電解質系酸化成分及び/又は水吸収性結合剤の製造をより容易に可能とし、かつ製造者は、広範囲の溶融加工可能な樹脂組成物(ここでは、酸素捕捉能が特定の最終使用要求に適合させて調整できる)を慣用法で形成することが可能となる。別個の濃縮物中で使用するための有利な成分又は成分組み合わせ物は、(a)酸性化成分;(b)酸化可能な金属成分と水吸収性結合剤成分との組み合わせ物;及び(c)電解質と非電解質系酸化成分との組み合わせ物である。
【0108】
特に好ましい成分濃縮物は、Na又はCaH及び熱可塑性樹脂を含有している組成物である。このような濃縮物は、所望の量で、既に含有しているか又はこれに添加される熱可塑性樹脂、他の捕捉性成分、例えば酸化可能な金属又はこれと電解質との組み合わせ物を用いる、溶融二次加工操作において、増加された酸素捕捉能を提供するために所望の量で添加されることができる。樹脂100質量部当たり成分(III)例えば10〜150質量部を含有している濃縮物が殊に有利であり、ここで、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリエチレンテレフタレートが最も有利な樹脂である。
【0109】
従って、本発明のもう一つの態様は、
(A)ポリマー樹脂及び
(B)ここに記載されているような酸素捕捉組成物30〜150質量%(ポリマー樹脂に対して)を含有している、マスターバッチである。
【0110】
スプレーコーティング等を介して缶の内部コーティング中に酸素捕捉組成物を取り入れるために使用できるポリマー樹脂は、典型的には熱硬化性樹脂、例えばエポキシ、含油樹脂、不飽和ポリエステル樹脂又はフェノールベースの物質である。
【0111】
本発明のもう一つの態様は、前記の様な組成を有している物品である。この物品は、フィルム、ラミネート(例えば同時押出しされた多層フィルム)、シート又は剛性又は柔軟性のパッケージ(例えば食品包装材)であることができる。
【0112】
より詳細にこれらの工業製品は、前記のような酸素捕捉組成物を含有している少なくとも1つの溶融二次加工された層を有している。本発明による酸素捕捉組成物により提供される改良された酸化能に基づき、この捕捉剤含有層は、比較的低いレベルの捕捉剤を含有することができる。本発明によるこの物品は、柔軟な又は剛性のパッケ−ジング構造中での使用のために非常に好適である。本発明による剛性シートパッケージング材の場合には、酸素捕捉層の厚さは、好ましくは例えば2500μmを上回らず、最も好ましくは50〜1300μmの範囲内にある。本発明による柔軟なフィルムパッケージング材の場合には、酸素捕捉剤層の厚さは、例えば250μmを上回らないことが好ましく、最も好ましくは10〜200μmである。本発明によるパッケージング構造は、フィルム又はシートの形(双方とも、剛性及び柔軟性)であることができ、同様に、トレー、カップ、ボウル、ボトル、バッグ、ポーチ、ボックス、フィルム、カップライナー、缶コーティング及び他のパッケージング構成物中におけるようなコンテナ又は容器壁及びライナーであることができる。単一層及び多層構造の双方とも意図されている。
【0113】
本発明の酸素捕捉組成物及び樹脂は、それから製造された物品中でアクチブバリア特性を提供し、任意の好適な二次加工技術によって溶融加工して、例えばEVOH、PVDC、金属化されたポリオレフィン又はポリエステル、アルミニウム箔、シリカコートされたポリオレフィン及びポリエステル等をベースとするような高価なガスバリアフィルム層を含有することを避けることのできる、優れた酸素バリア特性を有しているパッケージング−壁及び包装用品にすることができる。本発明による酸素捕捉剤物品は、改良されたリサイクル可能性の付加的利点をも提供する。この酸素捕捉樹脂からのスクラップ又は再利用品は、容易に不利な作用を有しないプラスチック製品に戻すことができる。対照的に、EVOH又はPVDCガスバリアフィルムのリサイクルは、このガスバリア樹脂及び製品を形成する他の樹脂との間に起こるポリマー相分離及びゲル化に基づく製品品質の劣悪化を起こさせることがありうる。それにもかかわらず、本発明によるアクチブバリア層1以上を有している物品中で1以上のパッシブガスバリア層を用いることによる、特にアクチブ及びパッシブな双方の酸素バリア特性を有するパッケージング用途のための物品を提供することも意図されている。従って、例えば公共施設等用の長い貯蔵寿命を必要とする食品を包装するためのいくつかの用途のために、本発明による酸素捕捉層を、例えばEVOH、PVDC、金属化されたポリオレフィン又はアルミニウム箔をベースとしているパッシブガスバリア層又はフィルムと共に使用することができる。
【0114】
本発明は、好ましくは前記の酸素捕捉組成物及び樹脂を含有している少なくとも1層を有しているパッケージング壁にも関する。完全に製品を包むための包装用品及び構造は、「パッケージング壁」を有すると理解されるはずであり、ここで、この用語は、包装用品が、壁又はその部材そのもの又は包装された製品とこのパッケージの外の空気との間に挿入されることが意図されている部材を有し、かつこのような壁及びその部材が、本発明の酸素捕捉組成物を取り込んでいる少なくとも1層を有する場合に用いられる。従って、所定の製品の充填された後に封鎖されることが意図されているボウル、バッグ、ライナー、トレー、カップ、カートン、ポーチ、ボックス、ボトル及び他の容器又はコンテナは、容器が閉じられた又は封鎖された場合に、包装された製品と外部環境との間の空間にある容器の壁(又はこのような壁の部材)中に本発明の酸素捕捉組成物が存在すれば、いわゆる「パッケージング壁」で包囲されている。1例は、本発明の酸素捕捉組成物が、製品を囲む又は実質的に囲む1以上の連続的な熱可塑性プラスチック層中に又はその間に入って製造されている場合である。本発明によるパッケージング壁のもう一つの例は、飲料ボトル(即ち、ビール、ワイン、果物ジュース等)中のキャップライナー又はラッピング材料として用いられる本発明の酸素捕捉組成物を含有している単一層又は多層フィルムである。
【0115】
魅力的なアクチブバリア層は、一般に、その中での酸化反応速度が充分早い層であり、かつ、この層中に浸透する実質的な酸素量がこの層を通過することを許容せずに酸素の殆どが反応する程度に充分な厚さを有する層であると理解される。更に、この「定常常態」条件が、この捕捉剤層が消耗される前の最終使用要求までの適切な期間の間にわたって存在することが重要である。本発明は、この定常常態に加えて、例えば剛性パッケージング用シートの場合には、例えば2500μmを下回る、かつ、柔軟性フィルムの場合には例えば250μmを下回る、経済的に魅力的な層厚で、優れた捕捉剤長寿命を提供する。本発明による剛性シートパッケージング材のためには、魅力的な捕捉剤層を250〜750μmの範囲で提供でき、他方、柔軟なフィルムパッケージング材のためには、20〜200μmの厚さが魅力的である。このような層は、捕捉剤層の質量に対して例えば2〜10質量%程度の僅かな酸素捕捉組成物で、有効に機能することができる。
【0116】
本発明によるパッケージング構造の製造時に、本発明の酸素捕捉樹脂組成物は、この組成物の水活性(water activity)が充分でない限り、酸素との化学的反応に対して本質的に不活性であることに注目することが重要である。対照的に、水活性が特別なレベルに達する場合には、この組成物は、酸素捕捉のために活性になる。水活性は、本発明による包装用品が、使用前には、低水分レベルを保持するための特別な工程なしで、比較的乾燥した環境内で本質的に不活性に留まることができる程度である。しかしながら、この包装材が一旦使用に提供されると、大抵の製品は、包装用品の壁中に導入された捕捉剤組成物を活性化するために充分な水分を有することになる。
【0117】
本発明によるパッケージング壁を製造するためには、酸素捕捉樹脂処方物を使用するか、又は酸素捕捉組成物又はその成分又はその濃縮物を、適当なパッケージング樹脂中に混入するか、又はむしろこれと一緒にし、更に、生じる樹脂処方物を二次加工して、シート、フィルム又は他の形状の構造物にする。押出し、同時押出し、吹込み成形、射出成形及び任意の他のシート、フィルム又は一般的なポリマー溶融二次加工法を使用することができる。この酸素捕捉剤組成物から得られたシート及びフィルムを、例えばコーティング又はラミネーシヨンにより更に加工して、多層のシート又はフィルムを形成し、次いで熱成形又は他の成形加工により形状付けして、その中の少なくとも1層が酸素捕捉剤を含有している所望のパッケージング壁にすることができる。このようなパッケージング壁を、所望又は必要の場合には、更なる加工又は成形に供して、種々のアクチブバリア最終用途の包装用品にすることができる。本発明は、パッシブバリアフィルムを用いてバリア特性を提供する慣用品に比べて、このようなバリア品のコストを減少させる。
【0118】
本発明は、有利な商品として、壁又はその中の壁又は壁の組み合わせが包囲可能な製品受容空間を規定する相互に結合された壁の組み合わせを有している包装用品を提供し、ここで、この壁又は壁の組み合わせ物は、(i)熱可塑性エラストマー、(ii)好ましく、Al、Mg、Zn、Cu、Fe、Sn、Co又はMnから成る群から選択される少なくとも1種の酸化可能な金属、最も有利には、樹脂100質量部当たり鉄0.1〜100部;(iii)電解質成分及び固体非電解質系酸性化成分(これは、水の存在下に7を下回るpHを有し、ここで、鉄10質量部当たりこのような成分が例えば5〜約150質量部で存在し、非電解質系酸性化成分と電解質成分との質量比は、有利に約5/95〜約95/50である);成分(i)とは異なるポリマー樹脂及び場合による水吸収性結合剤を含有している、少なくとも1つの壁区分を有している。
【0119】
本発明による特に魅力的なパッケージング構造は、結合された層状接触で相互に接着された複数の熱可塑性プラスチック層を有しているパッケージング壁であり、ここで、少なくとも1つの酸素捕捉性の層は、酸素捕捉組成物を有している又は有していない1以上の層に接着されている。要求されてはいないが、このパッケージング壁の各々の層の主成分を構成している熱可塑性プラスチック樹脂は、「擬単一層」(Pseud-monolayer)を達成するように同じであることが特に有利である。このような構造物は、容易にリサイクル可能である。
【0120】
前記のパッケージング壁を用いる包装用品の例は、調理済み1回サービス食品を包装するために好適である結晶ポリエチレンテレフタレート(C−PET)製の2層又は3層の二重オーブン処理可能なトレーである。3層構造では、250〜500μm厚さの酸素捕捉性層が、70〜250μm厚さの2つの非捕捉性C−PET層の間にサンドイッチされている。生じるこのトレーは「擬単一層}と考えられる。それというのも、リサイクルの実際の目的のために、このトレーは単一の熱可塑性樹脂、即ちC−PETを含有しているからである。この中心層中の捕捉剤はリサクル可能性の価値を減じないので、この擬単一層トレーからのスクラップは、容易にリサイクルされうる。このC−PETトレー中で、外側の非捕捉性層は、酸素をゆっくり減速させて、攻撃的な酸素の殆どが、その間を透過することなしに、中心層によって吸収されうる程度に充分ゆっくりこの中心層に到達させることによって、酸素透過に対する保護を提供する。場合による内部の非捕捉性層は、酸素に対する付加的なバリアとして作用するが、同時に、トレー内部の酸素は中心捕捉層中を通過できる程度に充分透過性である。必ずしも3層構造を使用する必要はない。例えば前記の構造で、内側のC−PET層を排除することができる。単一の酸素捕捉層から形成されたトレーも魅力的な構造である。
【0121】
擬単一層C−PETトレーの場合に認められる同じリサイクル利益を得るために、この擬単一層構想を、広範囲のポリマーパッケージング材料と共に使用することができる。例えば、ポリプロピレン又はポリエチレンから製造されたパッケージは、本発明の酸素捕捉組成物を含有している多層パッケージング壁(例えばフィルム)から製造されていることができる。2層構造で、この捕捉剤層は、付加的なバリア特性を提供するための外側上にポリマーの非捕捉性層を有している内部層であることができる。捕捉剤含有樹脂、例えばポリエチレンの1層が非捕捉性ポリエチレンの2層の間にサンドイッチされている、サンドイッチ構造も可能である。選択的に、ポリプロピレン、ポリスチレン又は他の好適な樹脂も、この全ての層を得るために使用することができる。
【0122】
本発明によるパッケージングシート及びフィルムの製造時に、種々のリサイクル法を使用することができる。例えば捕捉性又は非捕捉性の層を有している多層シート又はフィルムの製造の場合には、全体の多層シートからの再利用スクラップを、シート又はフィルムの酸素捕捉性層中に戻し再利用することができる。多層シートを、シートの全ての層中に戻し再利用することも可能である。
【0123】
本発明によるパッケージング壁及び包装用品は、発泡された層1以上を有することができる。任意の好適なポリマー発泡技術、例えばビーズ発泡又は押出発泡を使用することができる。例えば、その中に発泡ポリスチレン、発泡ポリエステル、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン又はこれらの混合物を含有している発泡樹脂層が、本発明の酸素捕捉組成物を含有している固い樹脂層に接着されていてもよい包装用品を得ることができる。選択的に、この発泡層は、酸素捕捉組成物を含有することができるか、又は発泡層又は非発泡層の双方が捕捉組成物を含有することもできる。このような発泡層の厚さは、通常は、酸素捕捉性要求によるよりも発泡層の機械的特性要求によって、例えば発泡層の剛性及び耐衝撃性によって、指示される。
【0124】
前記のようなパッケージング構成は、コストのかかるパッシブバリアフィルムを排除する可能性からの利益を得ることができる。それにもかかわらず、極めて貯蔵長寿命又は付加的な酸素保護が要求又は所望される場合には、本発明によるパッケージング壁は、EVOH、ナイロン又はPVDCの層又は金属化されたポリオレフィン、金属化されたポリエステル又はアルミニウム箔の層1以上を包含して製造されていることができる。本発明による酸素捕捉樹脂層により高められうるもう一つのタイプのパッシブ層は、シリカコートされたポリエステル又はシリカコートされたポリオレフィンである。本発明による多層パッケージング壁が種々のポリマー組成物の層を有している場合には、エチレン−酢酸ビニルコポリマー又はマレイン化されたポリエチレン又はポリプロピレンをベースとするような接着性層を使用することが有利であり、所望の場合には、本発明の酸素捕捉剤をこのような接着性層中に取り込むことができる。アクチブ及びパッシブな双方のバリア特性を有するフィルムを得るために、ガスバリア樹脂、例えばEVOH、ナイロン又はPVDCポリマーを用いて、本発明の酸素捕捉組成物を製造することも可能である。
【0125】
この発明の1態様の焦点は、酸素捕捉組成物を容器の壁中へ直接取り込むことであるが、この酸素捕捉組成物は、その目的がヘッドスペース酸素を吸収するだけの包装用品内の別個内包物としてのパケット中で使用することもできる。
【0126】
本発明の酸素捕捉性樹脂、パッケージング壁及び包装用品の主な適用は、腐敗可能な食品の包装である。例えば、本発明を利用する包装用品は、次のものを包装するために使用することができる:牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズ;シチュー及びスープ;肉製品、例えばホトドッグ、コールドカット、チキン、ビーフジャーキイ;調理済み一回分食品及び副食品;ホームメイドパスタ及びスパゲティソース;香辛料、例えばバーベキューソース、ケチャップ、マスタード及びマヨネーズ;飲料品、例えば果物ジュース、ワイン及びビール;乾燥果物及び野菜;朝食シリアル;焼き製品、例えばパン、クラッカー、焼き菓子、クッキー及びマフィン;スナック食品、例えばキャンディ、ポテトチップ、チーズ充填スナック;ピーナツバター又はピーナツバターとゼリーの組み合わせ物、ジャム及びゼリー;乾燥又は新鮮調味料;及びペット及び動物用食品等。本発明の用途は前記のものに限定されるものではない。概して、本発明は、酸素の存在下に分解しうるタイプの製品用の包装材料中のバリア特性を高めるために使用することができる。
【0127】
なお、本発明の酸素捕捉組成物のもう一つの用途には、殊に酸素敏感な食品、例えばトマトベース物質、ベビーフード等用の金属缶の内部コーティングも包含される。典型的に、この酸素捕捉組成物は、ポリマー樹脂、例えばエポキシ樹脂、含油樹脂、不飽和ポリエステル樹脂又はフェノールベース物質の熱硬化性樹脂と組み合わせることができ、これら物質は、ローラーコーティング又はスプレーコーティング等の方法によって金属に適用することができる。
【0128】
従って、本発明のもう一つの態様は、前記の酸素捕捉剤として定義されているような成分(I)〜(IV)を含有している混合物を、食品包装で使用することである。
【0129】
本発明の酸素捕捉性組成物にとって可能である種々の用途の概要は、例えばUS−A−5744056、US−A−5885481、US−A−6369148及びUS−A−6586514(これらは、参考としてここに引用される)中に記載されている。
【0130】
下記の例で、本発明を詳述する。全ての「%」及び「部」は、他に記載のない限り、「質量%」及び「質量部」である。
【0131】
比較標本1:
NaCl、Na及びNaHPOを低密度ポリエチレン(Riblene FF20(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/NaHPO質量比を1/0.92/0.08とし、NaClの最終濃度を3.5質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、7.0%(質量)の独特の濃度で添加する。OMCパイロット二軸スクリュウ押出機(モデルEBV19/25、スクリュウ直径19mm及び1:25比を有する)を用いて、組成物を製造し、Formac Blow 押出機(Model Lab25、22mmスクリュウ直径及び1:25比を有する)を用いて、50μ厚さのフィルムを製造する。
【0132】
比較標本2:
NaCl及びNaをポリプロピレン(RD208CF(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na質量比を1/0.50とし、NaClの最終濃度を7.0質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、7.0%(質量)の独特の濃度で添加する。OMCパイロット二軸スクリュウ押出機(モデルEBV19/25、スクリュウ直径19mm及び1:25比を有する)を用いて、組成物を製造し、Collin Cast フラットダイ押出機モデル30×25L/D(スクリュウ直径30mm、直径/長さ比1:25)を用いて、100μ厚さのフィルムを製造する。
【0133】
本発明による標本1:
NaCl、Na、NaHPO及びコポリエステルエラストマー(Arnitel VT3104(登録商標))を低密度ポリエチレン(Riblene FF29(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/NaHPO/コポリエステルエラストマー質量比を1/0.92/0.08/2.8とし、NaClの最終濃度を3.5質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、7.0%(質量)の独特の濃度で添加する。比較標本1の記載と同様に、標本を製造する。
【0134】
本発明による標本2:
NaCl、Na及びNaHPO及びコポリエステルエラストマー(Arnitel VT3108(登録商標))を低密度ポリエチレン(Riblene FF29(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/NaHPO/コポリエステルエラストマー質量比を1/0.92/0.08/2.8とし、NaClの最終濃度を3.5質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、7.0%(質量)の独特の濃度で添加する。比較標本1の記載と同様に、標本を製造する。
【0135】
本発明による標本3:
NaCl、Na及びNaHPO及びコポリエステルエラストマー(Arnitel PM381(登録商標))を低密度ポリエチレン(Riblene FF29(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/NaHPO/コポリエステルエラストマー質量比を1/0.92/0.08/2.8とし、NaClの最終濃度を3.5質量%とする。共通の電解質鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、7.0%(質量)の独特の濃度で添加する。比較標本1の記載と同様に、標本を製造する。
【0136】
本発明による標本4:
NaCl、Na及びNaHPO及びコポリエステルエラストマー(Arnitel PM381(登録商標))を低密度ポリエチレン(Riblene FF29(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/NaHPO/コポリエステルエラストマー質量比を1/0.92/0.08/2.04とし、NaClの最終濃度を2.45質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、4.9%(質量)の独特の濃度で添加する。比較標本1の記載と同様に、標本を製造する。
【0137】
本発明による標本5:
NaCl、Na及びNaHPO及びコポリエステルエラストマー(Arnitel PM381(登録商標))を低密度ポリエチレン(Riblene FF29(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/NaHPO/コポリエステルエラストマー質量比を1/0.92/0.08/1.23とし、NaClの最終濃度を2.45質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、4.9%(質量)の独特の濃度で添加する。比較標本1の記載と同様に、標本を製造する。
【0138】
本発明による標本6:
NaCl、Na及びNaHPOをコポリエステルエラストマー(Arnitel VT3104(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/NaHPO質量比を1/0.92/0.08とし、NaClの最終濃度を3.5質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、7.0%(質量)の独特の濃度で添加する。比較標本1の記載と同様に、標本を製造する。
【0139】
本発明による標本7:
NaCl、Na及びNaHPOを、コポリエステルエラストマー(Arnitel VT3108(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/NaHPO質量比を1/0.92/0.08とし、NaClの最終濃度を3.5質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、7.0%(質量)の独特の濃度で添加する。比較標本1の記載と同様に、標本を製造する。
【0140】
本発明による標本8:
NaCl、Na及びNaHPOをコポリエステルエラストマー(Arnitel PM381(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/NaHPO質量比を1/0.92/0.08とし、NaClの最終濃度を3.5質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、7.0%(質量)の独特の濃度で添加する。比較標本1の記載と同様に、標本を製造する。
【0141】
次いで、各々の標本のフィルムの数片を、シリンジを用いる複数の間隔での分析のために、内部雰囲気の一部分を水浸させる隔壁を備えている、500ml封鎖フラスコ中で、このフラスコ内のバイアル中に含有されている水15mlの存在下に、空気(O 20.7%)に暴露させる。Mocon Pac Check 450ヘッドスペースアナライザーを用いて、28日にわたり酸素濃度測定を行う。最後に、試験標本中の実際の鉄濃度を、ICP−OES(Inductively Coupled Plasma-Optical Emission Spectrometer, Perkin Elmer Optima Series 4200DV)により測定する。第1表中に、結果を、各々のフィルム試料の5つの異なる測定値の平均として、O(ml)/鉄(g)の表示で記載する。
【0142】
【表1】

【0143】
第1表は、本発明による標本1〜8の酸素捕捉剤活性が、比較標本1の態様における鉄粒子の酸素捕捉剤活性よりも大きいことを明らかに示している。
【0144】
本発明による標本9:
NaCl、Na及びコポリエステルエラストマー(Arnitel VT3104(登録商標))をポリプロピレン(RD208CF(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/コポリエステルエラストマー質量比を1/0.50/1.4とし、NaClの最終濃度を7.0質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、7.0%(質量)の異なる濃度で添加する。比較標本2の記載と同様に、標本を製造する。
【0145】
本発明による標本10:
NaCl、Na及びコポリエステルエラストマー(Arnitel VT3108(登録商標))をポリプロピレン(RD208CF(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/コポリエステルエラストマー質量比を1/0.50/1.4とし、NaClの最終濃度を7.0質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、7.0%(質量)の異なる濃度で添加する。比較標本2の記載と同様に、標本を製造する。
【0146】
本発明による標本11:
NaCl、Na及びコポリエステルエラストマー(Arnitel PM381(登録商標))をポリプロピレン(RD208CF(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/コポリエステルエラストマー質量比を1/0.50/1.4とし、NaClの最終濃度を7.0質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、7.0%(質量)の独特の濃度で添加する。比較標本2の記載と同様に、標本を製造する。
【0147】
本発明による標本12:
NaCl、Na及びコポリエステルエラストマー(Arnitel PM381(登録商標))をポリプロピレン(RD208CF(登録商標))と共に混合して、NaCl/Na/コポリエステルエラストマー質量比を1/0.50/0.714とし、かつ、NaClの最終濃度を7.0質量%とする。共通の電解鉄粉末(−325メッシュ(<44nm))を用いて、Fe粒子を、7.0%(質量)の独特の濃度で添加する。比較標本2の記載と同様に、標本を製造する。
【0148】
次いで、各々の標本のフィルムの数片を、シリンジを用いる複数間隔での分析のために、内部雰囲気の一部を引き出すための隔壁を備えている、500ml封鎖フラスコ中で、このフラスコ内のバイアル中に含有されている水15mlの存在下に、空気(O 20.7%)に暴露させる。Mocon Pac Check 450ヘッドスペースアナライザーを用いて、室温で、28日にわたり酸素濃度測定を行う。最後に、試験標本中の実際の鉄濃度を、ICP−OES(Inductively Coupled Plasma-Optical Emission Spectrometer, Perkin Elmer Optima Series 4200DV)により測定する。第2表中に、O(ml)/鉄(g)で表示されている結果を、各々のフィルム標本での5つの異なる測定の平均値として記載する。
【0149】
【表2】

【0150】
第2表は、本発明による標本9〜12の酸素捕捉剤活性が、比較標本2の態様における鉄粒子の酸素捕捉剤活性よりも大きいことを明らかに示している。
【0151】
試験標本により吸収された酸素の量は、封鎖ガラス容器中のヘッドスペース中の酸素濃度の変化から測定されている。この試験容器は、約500mlのヘッドスペース容積を有し、酸素の約100mlが鉄粒子との反応に関与可能であるような空間空気を有している。全ての実施例中で、酸素捕捉剤成分「%」は、フィルム組成物の全質量に対する「質量%」である。
【0152】
酸素を吸収する方法の詳細な説明
押出成形されたフィルム縁端から1〜2cmを切り捨てる。フィルムの厚さを測定し、フィルム4.00g(±0.01g)の質量を秤取する。このフィルムをアコーディオン形に折って、きれいな500ml封鎖ガラス容器中に置く。このガラス容器内部に100%の相対湿度を生じさせるために、脱イオン水15mlを含有しているバイアルを加える。0日の大気中の酸素含分(即ち、封鎖ガラス容器中の当初酸素含有率に等しい)を検査し、かつ記録する。
【0153】
試験フィルム及び水バイアルを有するこのガラス容器を、22℃(一般に室温)で28日間貯蔵する。
【0154】
封鎖ガラス容器中の酸素含分を、Mocon Oxygen Analyzerを用いて0日及び28日目に検査し、かつ記録する。
【0155】
封鎖ガラス容器中に残っている測定された酸素濃度をベースとして、酸素捕捉剤1グラム当たりの吸収された酸素の容積を、次式を用いて算出することができる:
吸収された酸素(ml/g)
={(O%)−(O%)}*0.01*V/(W*W/W
[式中、
(O%): 封鎖ガラス容器中の当初酸素濃度(%)
(O%): 封鎖ガラス容器中の試験日の酸素濃度(%)
0.01 : 変換係数
: 封鎖ガラス容器の自由空間容積(ml)(この封鎖ガラス容器の全容積は、
バイアル及びフィルムにより占有される空間、典型的に440mlだけ少ない)
: ガラス容器中に置かれたフィルムの質量(典型的に4.0g)
: ブレンドを製造するために使用された酸素捕捉剤の質量(g)
: ブレンドの全質量(g)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)酸化可能な金属成分、
(II)電解質成分、
(III)非電解質系酸性化成分及び
(IV)コポリエステル又はコポリアミド熱可塑性エラストマー
を含有している、酸素捕捉組成物。
【請求項2】
(I)酸化可能な金属成分、
(II)NaCl、KCl及びCaClから成る群から選択された、電解質成分及び
(III)非電解質系酸性化成分、好ましくはアルカリ金属酸性ピロ燐酸塩又はアルカリ土類金属酸性ピロ燐酸塩及び
(IV)PBT/p−THF、PBT/p−TMeG、PBT/p−TMO、PBT/PBA、PBT/グリコール又はPBT/ポリオレフィンをベースとする熱可塑性エラストマー
を含有している、請求項1に記載の酸素捕捉組成物。
【請求項3】
成分(I)として、Al、Mg、Zn、Cu、Fe、Sn、Co及びMnから成る群から選択された、酸化可能な金属、
成分(II)として、NaCl、KCl又はCaCl
成分(III)として、Na又はCaH
成分(IV)として、PBT/p−THF、PBT/p−TMeG、PBT/p−TMO、PBT/PBA、PBT/グリコール又はPBT/ポリオレフィンをベースとする熱可塑性エラストマー;
及び更なる場合による成分(IIIa)として、NaHPO、KHPO又はCa(HPO
を含有している、請求項1に記載の酸素捕捉組成物。
【請求項4】
酸化可能な金属は鉄である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の酸素捕捉組成物。
【請求項5】
成分(I)としてFe、
成分(II)としてNaCl、
成分(III)としてNa
成分(IV)としてコポリエステル熱可塑性エラストマー
及び場合による成分(IIIa)として、NaHPO
を含有している、請求項1に記載の酸素捕捉組成物。
【請求項6】
更に水吸収性結合剤を含有している、請求項1から5までのいずれか1項に記載の酸素捕捉組成物。
【請求項7】
場合により、成分(V)として、付加的なポリマー樹脂、好ましくはポリオレフィンを含有している、請求項1から6までのいずれか1項に記載の酸素捕捉組成物。
【請求項8】
場合により、
(C−1)水吸収性結合剤、
(C−2)UV吸収剤、
(C−3)酸化防止剤及び
(C−4)更なる光安定剤
から成る群から選択された、更なる添加剤1種以上を含有している、請求項1から7までのいずれか1項に記載の酸素捕捉組成物。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の組成物を含有している物品。
【請求項10】
フィルム、シート又はラミネートである、請求項9に記載の物品。
【請求項11】
同時押出された多層フィルムである、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
食品包装材である、請求項9に記載の物品。
【請求項13】
食品包装材中で使用する、請求項1に記載の酸素捕捉剤組成物の使用。

【公表番号】特表2013−502308(P2013−502308A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525143(P2012−525143)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061800
【国際公開番号】WO2011/020778
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】