説明

官能基を含有するキラルインドール中間体およびそれらの蛍光シアニン染料

【課題】生物学的研究用の標識化試薬として有用な染料及びその中間体を提供する。
【解決手段】官能基化されたシアニン染料に関し、さらに特にはシアニン染料の製造用の中間体としてのキラル3−置換−2,3'−ジメチル−3H−インドールを調製するする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、官能基化されたシアニン染料およびさらに特にシアニン染料の製造用の中間体としてのキラル3-置換2,3'-ジメチル-3H-インドールおよびその誘導体の合成、これらの染料の製造方法およびそのように製造された染料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2002年5月10日に出願された米国仮出願第60/379,107号の利益を主張するものである。
【0003】
米国政府は、NIH認可No.R01-NS-19353およびNSF認可No. MCB-8920118の条件によって規定された妥当な条件に基づいて本発明に関しての払込済みのライセンスと特許所有者に他人にライセンスするように要求する権利を有する。
【0004】
高い蛍光性のカルボキシルを含有するインドシアニンは、生物学的研究用の標識化試薬として有用である。その染料の官能基は、蛍光検出の目的のために生体機能材料および/または非生物学的材料と共有結合を生じさせるが、他方では水溶性のアリールスルホネート基は、染料同士の凝集を低減し、蛍光明度を高める(Waggoner他による米国特許:米国特許第5,268,486;第5,486,616号;第5,569,587号;第5,852,191号;第5,981,747号;第5,986,093号参照)。
【0005】
カルボキシルおよびアリールスルホネート基は、例えば(1)におけるR1およびR2のような複素芳香族塩基における重要な位置を占め、それによって染料の修飾の可能性を制限する。
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、R1は、CH2NH2、CH2COOH、SO3HまたはH、R2は、(CH2)mNH2、(CH2)mCOOH、(CH2)mSO3Hまたは(CH2)mOH、mは、1〜6の範囲の整数である。)
【0008】
したがって、インドール塩基において異なる部位に官能基を有する化合物を合成することは、興味のあることである。これらの新規な中間体により、化学者は広範囲のシアニンを合成できることになる。
【0009】
キラル2,3-ジメチル-3H-インドール(2)は、生物学的研究のために共有結合で結合させる蛍光性標識として使用するためのシアニン染料群の前駆体として特に優れた利点を有すると予期される。種々の3-置換2-ブタノンの簡便な合成とそれらのシアニン染料への変換が、本明細書に開示されている(図1)。これらの染料は、米国特許第5,268,486号および例えば本明細書に挙げたような該発明者のその他の関連する刊行物(これらの刊行物は、対象物質上でアミン、ヒドロキシル、アルデヒドおよびスルフヒドリル基にこれらの染料を共有結合で結合させることができる基を含有している発光性モノ-およびポリメチン-シアニンならびに例えばメロシアニンおよびスチリル染料のような関連する染料を開示している)に記載されているものに非常に類似している。これらの開示された化合物は、スペクトルの緑色、橙色、赤色および近赤外線の領域で蛍光を発する。
【0010】
【化2】

【0011】
(式中、mは、1〜6の範囲の整数である。)
【0012】
Rosenstock(Research Laboratories,The National Drug Company, NOTES(1966年12月)537〜539頁)には、レブリン酸フェニルヒドラゾンのFischerインドール化の方法による植物成長ホルモンの合成が記載されている。インドールは、種々の植物成長ホルモンの開発に使用される。
【0013】
国際公開第02/26891号は、類似の構造を含むシアニン染料を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国仮出願第60/379,107号
【特許文献2】米国特許第5,268,486号
【特許文献3】米国特許第5,486,616号
【特許文献4】米国特許第5,569,587号
【特許文献5】米国特許第5,852,191号
【特許文献6】米国特許第5,981,747号
【特許文献7】米国特許第5,986,093号
【特許文献8】国際公開第02/26891号
【特許文献9】米国特許第6,190,641号
【特許文献10】米国特許第6,183,726号
【特許文献11】米国特許第6,180,087号
【特許文献12】米国特許第6,180,086号
【特許文献13】米国特許第6,180,085号
【特許文献14】米国特許第6,133,445号
【特許文献15】米国特許出願第09/589,502号
【特許文献16】米国特許第6,008,373号
【特許文献17】米国特許第6,130,094号
【特許文献18】米国特許第6,048,982号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Rosenstock(Research Laboratories,The National Drug Company,NOTES(1966年12月)537〜539頁)
【非特許文献2】Eggers et al(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.(1997)36,No.8,881〜883頁)
【非特許文献3】Eggers et al(Liebigs Ann.(1996),979〜983頁)
【非特許文献4】Reichardt et al(Chem.Rev.123,(1990),565〜581頁)
【非特許文献5】Reichardt et al(Liebigs Ann.(1995)329〜340頁)
【非特許文献6】Ogura H.、Kobayashi T.、Keiko S.、Kawabe K.およびTakeda R.(1979)新規な活性エステル合成試薬(N,N'-ジサクシンイミジル炭酸塩)〔(A novel active ester synthesis reagent(N,N'-Disuccinimidyl carbonate))〕Tetrahedron Lett.4745〜4746頁
【非特許文献7】Mujumdar,R,B Bioconjugate Chem.,(1993),4(2),105〜111頁
【非特許文献8】「Data for Biochemical Research」,p.432,3rd edition,R.M.C Dawson,D.C.Elliott,W.H.Elliott & K.M.Jones,1987 Oxford University Press.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
例えば、Eggers et al(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.(1997)36,No.8,881〜883頁)、Eggers et al(Liebigs Ann.(1996),979〜983頁)、Reichardt et al(Chem.Rev.123,(1990),565〜581頁)、Reichardt et al(Liebigs Ann.(1995)329〜340頁)および米国特許第6,190,641号;第6,183,726号;第6,180,087号;第6,180,086号および第6,180,085号などのいくつかの刊行物には、(3)のようなキラルインドールの合成が記載されている。これらの刊行物に記載されているシアニン染料は、水不溶性であって、生物材料と反応する官能基を有していない。キラルインドールは、以下に示されるように2,3-ジメチルインドールの直接アルキル化によって得られる。この方法は、非常に限定された応用しか有していない。種々のアルキルハライド(例えば6-ヨードエチルヘキサノエートのような)で2,3-ジメチルインドールをアルキル化する試みは、まだ成功していない。
【0017】
【化3】

【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、例えば式(I)の化合物のような分子を提供するものであり、この化合物は、構造(I)中にR3および/またはR4において反応性または水溶性部位を含む。
【化4】

【0019】
本発明は、さらに下記の式(II)に示されるケトンおよびインドレニンの合成方法およびその合成されたケトンおよびインドレニンを提供するものである。
【0020】
【化5】

〔ここで、置換基R3は、-(CH2)t1Aとすることができ、置換基R4は、-(CH2)t2B(ここで、t1およびt2は、整数で、好ましくは1〜22であり、AおよびBは、(II)に示すように、独立して-COOH、-NH2、-SO3、-OH、Hおよびハロゲンから選ばれる)とすることができる。〕
【0021】
本発明はまた、膜電位プローブとしての長鎖アルキル鎖染料を製造するために、式(I)のR3および/またはR4が、例えば-(CH2)tCH3(ここで、tは0〜22、好ましくは、16〜22の範囲の整数である)であるケトンおよびインドレニンの合成方法を提供するものである。
【0022】
本発明は、さらに、官能基または水溶性の基を含むことができる、例えば本明細書に示すような共有結合性の標識化試薬染料を創製するために修飾することのできるシアニン、メロシアニンおよびスチリル染料の合成に関するものである。
【0023】
したがって、本発明は、例えば以下に示されるようなシアニン、メロシアニンおよびスチリル染料の合成方法およびその中間体を提供するものである。
【0024】
【化6A】

【化6B】

【0025】
さらに特には、本発明の中間体は、例えば以下のポリメチンシアニン型染料のような中間体の合成方法およびそれから合成される化合物を提供するものである。
【0026】
【化7A】

【化7B】

【0027】
これらの構造において、Yは、O、S、-CH=CH-、>C(CH3)2
【0028】
【化8】

【0029】
および>N-(CH2)1〜10R14(ここで、R14は、-COOH、-NH2、-SO3-、-OHおよびハロゲンから選ばれる)であり、Zは、OまたはSからなる群から選ばれ、nは、1、2、3および4からなる群から選ばれる整数である。
【0030】
それぞれの分子においてR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11およびR12の中の少なくとも1個、好ましくは1個だけ、および、可能な範囲として2個またはそれ以上は、標識した成分に染料を結合させるための反応性基である。式(XIII)または式(XIV)に記載の化合物の反応性基は、好適な条件下で、ある成分の補足的な官能基と反応することができ、該成分は、該化合物と共有結合的に標識化されることになる。ある種の試薬に関しては、それぞれの分子のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11およびR12の中の少なくとも1個が、発色団の溶解性を上昇させるか、または標識化される成分の標識化の選択性に影響を与えるか、または染料による該成分の標識化の位置に影響を与える基であってもよい。
【0031】
前記の式において、前記のR8(もし存在する場合)、R9(もし存在する場合)、R10(もし存在する場合)、およびR13(もし存在する場合)基の少なくとも1個は、少なくとも1個のスルホネート基を含む。スルホネートという用語は、スルホネート基が、単にイオン化されたスルホン酸にすぎないので、スルホン酸を含むことを意味する。
【0032】
発色団に対して直接的に、または間接的に結合してR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11およびR12の基を形成することができる反応性基は、例えばイソチオシアネート、イソシアネート、モノクロロトリアジン、ジクロロトリアジン、モノ-またはジ-ハロゲン置換ピリジン、モノ-またはジ-ハロゲン置換ジアジン、マレイミド、アジリジン、スルホニルハライド、酸ハライド、ヒドロキシサクシンイミドエステル、ヒドロキシスルホサクシンイミドエステル、イミドエステル、ヒドラジン、アジドニトロフェニル、アジド、3-(2-ピリジルジチオ)-プロピリオンアミド、グリオキザールおよびアルデヒドを含む基のような反応性部分を含有していてもよい。
【0033】
ハロゲンおよびハロ基は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる。
【0034】
利用可能なアミノ-、ヒドロキシ-、およびスルフヒドリル基を有する成分を標識化するために特に有用であるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11およびR12の基の具体的な例は、以下のものを含む。
【0035】
【化9】

【0036】
(式中、nは、0または1〜10の整数、QまたはWの少なくとも一方は、例えばI、Br、Clのような脱離基である。)
【0037】
2段階プロセスで抗体を標識化するために使用できる利用可能なスルフヒドリルを有する成分を標識化するために特に有用であるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11およびR12の基の具体的な例は、以下のものを含む。
【0038】
【化10】

【0039】
(ここで、Qは、例えばI、Br、Clのような脱離基である。)
【0040】
【化11】

【0041】
(ここで、nは、1〜10の整数である。)
【0042】
光活性化架橋によって成分を標識化するために特に有用であるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11およびR12の基の具体的な例は、以下のものを含む。
【0043】
【化12】

【0044】
水溶性を増すか、またはサンプル中の目的に添わない成分に対する標識化される成分の望ましくない非特異的な結合を減ずるか、または標識化される成分における2個またはそれ以上の反応性発色団の間の相互作用(それは蛍光の抑制を引き起こす可能性がある)を減ずる目的のために、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11およびR12の基のいずれかは、よく知られた極性および電気的に負荷された化学基から選ぶことができる。その例は、-E-F〔ここで、Fは、ヒドロキシ、スルホネート、サルフェート、カルボキシレート、置換アミノ、または第4級アミノであり、Eは、例えば-(CH2)n-(ここでnは、0、1、2、3、または4である)のようなスペーサー基である〕である。有用な例は、アルキルスルホネート;-(CH2)3-SO3-;および-(CH2)4-SO3-を含む。
【0045】
本発明の発光性染料のポリメチン鎖は、ポリメチン鎖の2個またはそれ以上の炭素原子の間で架橋を形成する、1個またはそれ以上の環状化学基を含んでいてもよい。これらの架橋は、染料の化学的または光学的安定性を増加するのに役立ち得るか、または染料の吸収または発光の波長を変え、あるいはその吸光係数または量子収率を変えるために使用し得る。この修飾によって、改良された溶解度特性も得ることができる。
【0046】
本発明は、下記の一般式(XII)の化合物を提供するものである。
【0047】
【化13】

【0048】
[式中、RaおよびRbは、独立してVまたはL-V〔ここで、Lは、例えばC16〜C21のようなC1〜C22の直鎖状または分岐状のアルキル鎖であって、場合によっては、0、1または2個の不飽和結合またはアルケニル、アルキニルおよびアリール基から選ばれた不飽和のペンダントまたは鎖間の基を含むものであり、そしてVは、水素、ハロゲン、-OH、-NH2、-SH、-CN、トリフルオロメチル、-SO3-、ホスフェート、ホスホネート、第4級アンモニウム、-NO2、モノ-またはジ-ニトロ置換ベンジル、-COOH、および-NHCORg(ここで、Rgは、C1〜C20の直鎖状または分岐状のアルキルである)、ターゲット結合基、反応性基、反応性部分、またはNHRh(ここで、Rhは、H、C1〜C20の直鎖状または分岐状のアルキルまたはCOOHである)から選ばれる〕から選ばれ、Tは、
【0049】
【化14】

【0050】
(ここで、LおよびVのそれぞれは、独立して上記で定義したとおりである)のいずれかであり、そしてpは、0または1〜4の整数である。]
【0051】
ここに記載され、および使用されている反応性基、反応性部分およびターゲット結合基の範囲は、本開示からも参照によりその内容のすべてが本明細書に組み込まれている、例えば米国特許第6,133,445号および国際公開第02/26891号からも理解されるだろう。
【0052】
本発明は、下記の式(XIII)のpH感応性シアニンを提供するものである。
【0053】
【化15】

【0054】
(式中、Rc、Rd、Re、およびRfは、上記で定義したRaのいずれかであり、Y、TおよびRbは、上記で定義したとおりであり、ZaおよびZbは、独立して縮合環:
【0055】
【化16】

【0056】
のいずれかであり、nは、1〜4の整数である。好ましくは、nは、1〜3の整数である。)
【0057】
本発明は、さらに下記の式(XIV)(式中、Ra、Rc、Rd、Rf、T、Y、ZaおよびZbは、上記で定義したとおりである)の化合物を提供するものである。
【0058】
【化17】

【0059】
1個以上のRaが、注記された環に含有されていてよく、そのような置換基のそれぞれは、同一または異なっていてもよい。一つの実施態様においては、Raは、スルホネート基であり、pは1であり、スルホネート基は、単にイオン化したスルホン酸にすぎないので、前記のスルホネートは、スルホン酸を含む。ZaおよびZbが縮合環である場合、Ra、Rc、RdおよびRfは、いずれかの環の周りで置換されていてもよく、p、u、rおよびvは、それぞれ独立して0〜4の整数である。
【0060】
前記式において、メチン基の数がある程度、励起色を決定する。環状のアジン構造もまた部分的に色の励起を決定することができる。しばしば、nの値がより高いと発光および吸収が増加する。その値が4より大きいと、化合物が不安定になる。その上、さらに発光は、環状構造における修飾によって付与することができる。n=2のとき、励起の波長は、約650nmであり、前記化合物は、非常に蛍光を発する。最大の発光波長は、一般的には最大の励起波長より15〜100nm大きい。
【0061】
本発明は、例えば構造(I)においてR2=Hであって、nが0〜4の整数であるような、その他の置換基に関するものであり、この置換体は、2000年6月8日に出願された同時係属中の米国特許出願第09/589,502号に記載されたようなpH感応性シアニン染料を製造するために使用することができる。なお、前記出願は、参照により本明細書に組み込まれていて、例えば、下記の式(XV)と類似しているが区別できる化合物が開示されている。
【0062】
【化18】

【0063】
特に、例えば前記の関連出願の対応する化合物は、式(XV)の1および2の位置における置換基を、>C(C1〜C4アルキル)2、硫黄または酸素と定義している。
【0064】
本発明は、さらに例えば下記の堅いトリメチンシアニン染料のような染料を提供するものである。類似するが異なる化合物は、米国特許第6,133,445号に記載されている。本発明の化合物は、例えば下記の式(XVI)の化合物、中間体およびその合成方法を含む。
【0065】
【化19】

【0066】
米国特許第6,133,445号の対応する(だだし、異なる)化合物は、式(XVI)の1および2の位置における置換基が、同じかまたは異なっていて、かつ、ビス-C1〜C4アルキルおよびC4〜C5スピロアルキル置換炭素、酸素、硫黄、セレン、CH=CH、およびN-W〔ここで、Nは、窒素であり、Wは、水素、基-(CH2)nR12(ここで、nは、1〜26の整数であり、R12は、水素、アミノ、アルデヒド、アセタール、ケタール、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、スルホネート、サルフェート、カルボキシレート、置換アミノ、第4級アミノ、ニトロ、第1級アミド、置換アミド、ならびにアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、ホスホリル、およびスルフィドリル基と反応性の基から選ばれる)から選ばれる〕から選ばれると定義している。本発明の化合物は、米国特許第6,133,445号に開示されたもの以外のものである。
【0067】
本発明による代表的な染料は、以下のとおりである。
【0068】
i)2-{(1E,3E,5E)-5-[3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-3,3-ジメチル-5-スルホ-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム(実施例13);
ii)3-(5-カルボキシペンチル)-2-[(1E,3E,5E)-5-(5,7-ジクロロ-3,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエニル]-3-メチル-5-スルホ-l-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム (実施例14);
iii)2-{(1E,3E,5E)-5-[3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-5-クロロ-3,3-ジメチル-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム(実施例15);
iv)3-(5-カルボキシペンチル)-2-[(1E,3E,5E)-5-(7-クロロ-3,3-ジメチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエニル]-3-メチル-5-スルホ-l-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム (実施例16);
v)3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-2-{(1E,3E,5E)-5-[3-メチル-5-スルホ-3-(4-スルホブチル)-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-5-スルホ-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム(実施例17);および
vi)6,7,9,10-テトラヒドロ-2,14-ジスルホナート-16,16,18-トリメチル-7aH,8aH-ビスインドリニウム[3,2-a,3'2'-a]ピラノ[3,2-c;5,6-c' ]ジピリジン-5-イウム-18-ヘキサン酸(実施例19)。
【0069】
本発明は、シアニン-シアニン染料コンジュゲートが合成される、例えば式(XVII)のようなエネルギー転移染料に関するものである。そのようなシアニン-シアニン染料コンジュゲートは、米国特許第6,008,373および6,130,094に記載されている。
【0070】
【化20】

【0071】
ターゲット結合基、反応性基および反応性部分は、アミン、ヒドロキシル、チオール、N-ヒドロキシ-サクシンイミジルエステル、N-ヒドロキシ-スルホサクシンイミジルエステル、イソチオシアネート、無水物、ハロアセトアミド、イソシアネート、モノクロロトリアジン、ジクロロトリアジン、場合によっては、置換ピリジン、モノ-またはジ-ハロゲン置換ジアジン、マレイミド、アジリジン、イミドエステル、アルキルイミデート、ヒドラジド、カルボジイミド、アジドニトロフェニル、アジド、3-(2-ピリジルジチオ)-プロプリオンアミド、グリオキザール、アルデヒド、マレイミド、スルホニルハライド、ホスホアミジト、酸ハライド、ヒドラジンおよびカルボジイミド基、ならびにアミノ、ヒドロキシル、アルデヒド、ホスホリル、またはスルフヒドリル基と反応性の基を含み、それらは、例えばタンパク質、核酸、ヌクレオシド、ヌクレオチド、炭水化物、砂糖、細胞、およびそれらの組み合わせ、ならびにその他の生物学的および非生物学的材料と共有結合で結合し、例えば米国特許第6,048,982号に記載されているようにこれらを蛍光性にして、検出できるようにする。
【0072】
また、Vは、発色団の溶解牲を増加させるか、最終的には、標識化される成分の標識化の選択率に影響を及ぼすか、または染料で標識化される成分を標識化する位置に影響を及ぼす基であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、3-置換-2-ブタノンおよびそのシアニン染料の合成についての概略の図である。
【図2】図2は、コンピュータで作製した6-(1,2-ジメチル-7-スルホヒドロベンゾ[e]インドリル)ヘキサン酸のエネルギー最小化構造。ヘキサン酸の鎖は、ベンズインドール環に対してほぼ垂直である。そのような鎖の立体配置は、染料同士の凝集を防止する。
【図3】図3は、6-(2,3-ジメチル-3H-インドール-3-イル)ヘキサン酸と5-(2,3-ジメチル-3H-インドール-3-イル)ペンタン-1-オールのCDCl3中での1HNMRスペクトルは、同一の芳香族シグナルを示す。ヘキサン酸とペンタノールのアルキル鎖のメチレンプロトンのいくつかは、高いフィールドシフトを示し、インドールの環電流効果によってそれらのプロトンを遮蔽していることを示唆している。
【図4】図4は、D2O中のCy3.18とNSCy3の1HNMRスペクトル。NSCy3中のヘキサン酸鎖のメチレンプロトンのいくつかは、高いフィールドシフトを示し、インドールの環電流効果によってそれらのプロトンを遮蔽していることを示唆している。
【図5】図5は、非スルホン化Cy3異性体およびそれらの抗体コンジュゲートの吸収スペクトル。
【図6】図6は、スルホン化Cy3異性体、NCy3、Cy3.10およびCy3.24の相対的な蛍光強度。550nmにおけるメタノールおよびPBS溶液中の全ての染料の吸光度は0.05であり、その励起波長は514nmである。
【図7】図7は、Cy7.18遊離酸(点線)およびそのIgGコンジュゲート(実線)の吸収スペクトルが(A)に示されている。NCy7遊離酸(点線)およびそのIgGコンジュゲート(実線)の吸収スペクトルが(B)に示されている。NSCy7は、より少ない染料同士の凝集を示した。(低い振動の肩によって示されている)。
【図8】図8は、NCy3の抗体の明度。明度は、タンパク質当たりの染料の数、染料の吸光係数および染料/抗体コンジュゲートの量子収量の積である。
【図9】図9は、メタノールおよびリン酸塩緩衝液中の同じ濃度の溶液が514nmで励起された時のCy3.18.OHおよびジスルホン化染料(NSCy3)の発光スペクトルを示すグラフである。両方の溶液においてNSCy3が、Cy3.18より20〜25%明るい。
【0074】
本発明の化合物または染料は、ここに記載されているように、例えば、ビオチン化材料、抗原、ハプテン、炭水化物基、DNA、RNAおよび相補的DNAまたは相補的RNAを検出し、測定し、および/または定量するために、例えば、アビジン、ストレプトアビジン、抗体、DNA、RNA、ヌクレオシド、ヌクレオチドまたはレクチンを標識化するために使用することができる。
【0075】
もう一つの実施態様において、本発明は、成分が標識化されたコンジュゲート、すなわち、標識が、式(III)〜(XVII)のいずれか一つの化合物であり、成分が抗体、タンパク質、ペプチド、酵素基質、ホルモン、リンホカイン、代謝物質、受容体、抗原、ハプテン、レクチン、アビジン、ストレプトアビジン、毒素、炭水化物、オリゴ糖、多糖、核酸、誘導体化デオキシ核酸、DNA断片、RNA断片、誘導体化DNA断片、誘導体化RNA断片、ヌクレオシド、ヌクレオチド、天然薬物、合成薬物、ウイルス粒子、細菌粒子、ウイルス成分、酵母成分、血球、血球成分、血漿成分、血清成分、生物学的細胞、非細胞性血液成分、細菌、細菌成分、天然または合成の脂質小胞、毒物、環境汚染物質、ポリマー、ポリマー粒子、ガラス粒子、ガラス表面、プラスチック粒子、プラスチック表面、ポリマー膜、導体または半導体であるコンジュゲートを提供するものである。
【0076】
本発明のシアニン染料またはその誘導体は、好ましくは、400〜950nmの範囲、好ましくは420〜470nm、520〜580nm、640〜680nm、740〜790nmまたは820〜850nmの範囲で最高に吸収する。さらにもう一つの実施態様において、本発明は、本発明の染料または誘導体が検出される蛍光検出方法、あるいは複数の蛍光団が使用される場合、本発明の染料または誘導体を、ここに提供される染料または誘導体と同じかまたは類似のpH条件および/または波長で蛍光を発しない染料と組み合わせて使用することができる蛍光検出方法を提供するものである。
【0077】
さらなる実施態様において、式(XIII)の化合物は、pHの定性的および/または定量的検出の蛍光方法に使用できる。その方法は、式(XIII)の染料を細胞、組織または生物体液を含有する組成物と接触または混合し、発光された蛍光を検出することを含む。蛍光シグナルの存在は、酸性の環境を示している。一つの実施態様においては、その方法は、例えば細胞内の区画または構造に含まれ得るような細胞内環境の検出に使用できる。式(XIII) の化合物またはそれらの膜透過の誘導体は、能動的にまたは受動的に細胞によって吸収されることができ、それらは蛍光検出によって検出することができる。当業者は、式(XIII)の化合物の細胞透過性が変化し得ることを認識するであろうし、それらをルーチン的にテストすることができるであろう。
【0078】
本発明の方法は、別々に決められた波長で照明または検出のために、既知の装置に使用することができる。そのような装置は分光蛍光光度計、蛍光顕微鏡を含んでいる。あるいは、蛍光強度の変化は、マイクロタイタープレートの全部のウェルを映し出すための電荷撮像素子(CCD)画像表示装置(例えば走査画像表示装置または領域画像表示装置のような)の方法によって測定できる。
【実施例】
【0079】
本発明を、以下の実施例によりさらに説明する。
(実施例1)
ジエチル2-アセチル-2-メチルオクタン-1,8-ジオエートの合成
【0080】
【化21】

【0081】
機械的な撹拌器と還流冷却器を備えた1Lの三つ首フラスコに無水トルエン(300ml)を入れた。この系にアルゴンを流し、そして、水素化ナトリウム(Aldrich、鉱油中の60%の分散液)(7.2g、0.18mmol)を加えた。エチル-γ-メチルアセトアセテート(Aldrich、21g、0.15mol)を30分かけて攪拌しながら加えた。生成した溶液を2時間還流下に加熱し、そしてわずかに冷却した。(注記:反応混合物は、濃厚なペースト状になり、機械的な攪拌が必須である。)エチル6-ブロモヘキサノエート(Aldrich、33.5g、0.15mol)を加え(全て一度に)、その分散液を12時間、還流下に加熱し、冷却し、ろ過し、そして溶剤を圧力下で蒸発させた。残渣は、真空下で蒸留し、20g(46%)の無色の液体を得た。沸点110〜115℃(0.1mm)。IR(ニート):νcm-1=1735(s)および1713(s)。CDCl31H NMR δ, 4.1〜4.2 (m, 4H, (O-CH2)2); 2.1 (t, J = 8.4Hz, 2H, CH2COO-); 2.15(s, 3H, CH3CO); 1.5〜2.0 (m, 4H, (CH2)2); 1.2〜1.4 (m, 13H, 2 CH2および3つの-CH3)。
【0082】
(実施例2)
7-アセチルオクタン酸(または7-メチル-8-オキソノナン酸)の合成
【0083】
【化22】

【0084】
実施例1(15g、0.052mol)からのジエステルの希塩酸(40〜50%)(100ml)中の混合物を加熱して、12時間還流した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(3x100ml)によって抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして酢酸エチルを除去した。残渣は減圧下で蒸留し、7.7g(80%)、無色液体を得た。沸点120〜125℃、IR(ニート):νcm-1=1736(s)および1710(s)。1H NMR, CDCl3, δ, 2.45〜2.55 (q, 1H, J = 6.6Hz, 7-H); 2.35 (t, J = 7.3Hz, 2H, -CH2-COOH); 2.125 (s, 3H, COCH3); 1.65〜1.1.75 (m, 2H, -CH2); 1.23〜1.4 (m, 6H, (-CH2)3); 1.1 (d, J = 5.9Hz, 7-CH3)。
【0085】
(実施例3)
6-(2,3-ジメチル-3H-インドール-3-イル)ヘキサン酸の合成
【0086】
【化23】

【0087】
酢酸(50ml)中のフェニルヒドラジン塩酸塩(Aldrich、7.2g、0.05mol)の攪拌溶液に7-アセチルオクタン酸(11g、0.06mol)を加えた。反応混合物を還流下に4時間加熱した。溶液を冷却した。(透明な析出物は観察されなかった)。酢酸を減圧下に除去した。生成した黄色の液体を溶剤としてクロロホルム/メタノール混合物を使用してシリカゲルカラム上のクロマトグラフにかけた。純粋な6-(2,3-ジメチル-3H-インドール-3-イル)ヘキサン酸(8.0g、61%)を、淡黄色の油状物として得た。これは、静置中に結晶化した。融点115〜118℃; IR(ニート):νcm-1=2927、2860、2526、および1709。1H NMR, CDCl3, δ, 7.6 (d, 1H, J = 7Hz, 4-H); 7.2〜7.4 (m, 3H, 芳香族プロトン); 2.25 (s, 3H, -CH3); 2.1〜2.2(t, -CH2COOH); 1.72〜1.94 (m 2H, -CH2); 1.4〜1.45 (m, 2H, -CH2); 1.23〜1.05 (m, 合体して一重項になったm, 5H, -CH2, -CH3); 0.55〜0.85 (m, 2H, -CH2)。TLC, Rf = 0.22 (シリカゲル, メタノール-クロロホルム, 5:95)。
【0088】
(実施例4)
3-(5-カルボキシペンチル)-2-{(1E,3E)-3-[3-(5-カルボキシペンチル)-1-エチル-3-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]プロぺ-1-エニル}-1-エチル-3-メチル-3H-インドリウムヨウ化物(NCy3)の合成
【0089】
【化24】

【0090】
(実施例4.1)
3-(5-カルボキシペンチル)-1-エチル-2,3-ジメチル-3H-インドリウムヨウ化物
【0091】
6-(2,3-ジメチル-3-ヒドロインドール-3-イル)ヘキサン酸(518mg、2mmol)をアセトニトリル(5ml)およびヨウ化エチル(1.2g、10mmol)中に懸濁し、混合物を加熱して攪拌しながら1時間還流した。さらにヨウ化エチル(2g)を加え、さらに12時間加熱を続けた。その後、混合物を冷却し、アセトニトリルおよび過剰のヨウ化エチルをロータリーエバポレーターで除去した。粘着性の塊を氷冷ジエチルエーテルで数回洗浄し、乾燥し、ピンク色の無定形粉末(0.45g、78%)を得た。生成物は、さらに精製することなしに、次の反応に使用した。
【0092】
(実施例4.2)
ピリジン(10ml)中の6-(1エチル-2,3-ジメチル-3-ヒドロインドール-3-イル)ヘキサン酸(288mg、0.95mmol)の攪拌溶液に120℃でトリエチルオルソギ酸エステル(100mg、67mmol)を30分にわたって滴下した。2時間後に反応混合物を冷却し、ジエチルエーテルと共に磨砕した。生成物は、溶媒としてクロロホルム/メタノール混合物を使用してシリカゲルカラムで精製した。ピンク色の固体(251mg、35%)として主要な化合物(RF=0.45、tlc、シリカゲル、クロロホルム中のメタノール5%)を得た。1H NMR, CDCl3, d, 8.2 (t, H, J = 7Hz, β-H); 7.1〜7.6 (m, 8H, 芳香族); 6.4 (d, 2H, J = 7Hz, α-H, α'-H); 4.2 (m, 4H, 2-NCH2); 2.2〜2.3 (m, 4H, 2-CH2COOH, 2-CH2); 1.8 (s, 6H, (-CH3)2); 1.43 (t, 6H, J = 6.5Hz, 2-CH3); 1.1〜1.2 (m, 4H, 2-CH2); 0.5〜0.7 (m, 4H, 2-CH2); λmax: 550nm, メタノール。
【0093】
(実施例5)
6-(2,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドール-3-イル)ヘキサン酸の製造
【0094】
【化25】

【0095】
酢酸(50ml)中の4-ヒドラジノベンゼンスルホン酸(Aldrich、11.25g、0.06mol)の攪拌溶液に7-アセチルオクタン酸(16.7g、0.09mol)を加えた。反応混合物を還流下に12時間加熱した。酢酸を減圧下で除去した。生成した固体をメタノールに溶解し、イソプロパノール中の水酸化カリウムの飽和溶液で再沈殿させた。固体をろ過し、イソプロパノールで洗浄し、乾燥した(8g、40%)。溶媒として水/メタノール混合物を使用するC18逆相カラムクロマトグラフによって分析サンプルを得た。融点250℃dec; IR(ニート):νcm-1=2930、2597、および1719。1H NMR, D2O, δ, 7.8〜7.9 (m, 芳香族プロトンの2H, 4-Hおよび6-H); 7.6 (d, J = 7Hz, 芳香族の1H, 7-H); 2.2 (t, J = 7Hz, 2H, -CH2-COOH); 1.9〜2.1 (m, 2H, アルキル); 1.2〜1.6 (合体して一重項になった多重項, 7H, -CH3 & (-CH2)2); 0.6〜0.9 (m, 2H, アルキル)。
【0096】
(実施例6)
3-(5-カルボキシペンチル)-2-{(1E,3E)-3-[3-(5-カルボキシペンチル)-1-エチル-3-メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]プロぺ-1-エニル}-1-エチル-3-メチル-3H-インドリウム-5-スルホネート(NSCy3)の合成
【0097】
【化26】

【0098】
実施例4.1に記載された方法に従って3-(5-カルボキシペンチル)1-エチル-2,3-ジメチル-3H-インドリウム-5-スルホネートを合成した。6-(2,3-ジメチル-5-スルホ-3-ヒドロインドール-3-イル)ヘキサン酸(680mg、2mmol)をアセトニトリル(10ml)およびヨウ化エチル(1.2g、10mmol)中に懸濁し、混合物を加熱して1時間攪拌しながら還流した。さらに、ヨウ化エチル(2g)を加え、さらに12時間加熱を続けた。その後、混合物を冷却し、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。粘着性の塊をメタノール(5ml)中に溶解した。反応生成物がpHでアルカリ性になるまでイソプロパノール中の酢酸カリウムの溶液を加えた。得られた固体をろ過し、イソプロパノールで数回洗浄し、灰色の無定形粉末(500mg、61%)を得た。生成物は、さらに精製することなしに次の反応に使用した。
【0099】
ピリジン(10ml)中の3-(5-カルボキシペンチル)1-エチル-2,3-ジメチル-3H-インドリウム-5-スルホネート(カリウム塩)(400mg、0.98mmol)の攪拌溶液に100℃でトリエチルオルソギ酸エステル(100mg、66mmol)を30分かけて加えた。2時間後、反応生成物を冷却し、数倍容量のジエチルエーテルで希釈した。赤色の粉末として分離された生成物からデカンテーションによって上澄み液を除去した。それをメタノールに溶解し、酢酸カリウムを含有するイソプロパノールで再沈殿させた。粗製の染料をろ紙の上に集め、乾燥した(380mg、90%)。それを、溶出のために水/メタノール混合物を使用したC18カラムクロマトグラフィーによって精製した。ピンク色の固体(251mg)として純粋な染料を得た。λmax 555nm; 1H NMR (D2O)δ, 8.42 (t, 1H, J = 13Hz, 架橋のβ-H); 7.6〜7.8 (m, 4H, 4-H, 4'-H, 6-H, 6'-4); 7.2 (d, 2H, J = 7.7Hz, 7-H, 7'-H); 6.5 (d, 2H, J = 13Hz, α, α'-H); 4.1 (広幅シグナル, 4H, (N-CH2)2); 1.8〜2.2 (m, 8H, アルキルおよびCH2COOH); 1.2〜1.7 (m, 24H, 6-CH2, 4-CH3); 0.45〜0.8 (m, 4H, アルキル)。
【0100】
(実施例7)
エチル2-アセチル-7-アセチルオキシ-2-メチルヘプタノエートの合成
【0101】
【化27】

【0102】
機械的な攪拌機と還流冷却器を備えた1Lの三つ首フラスコに無水トルエン(300ml)を入れた。このシステムをアルゴンでフラッシュし、そして水素化ナトリウム(Aldrich、鉱油中の60%分散液)(7.2g、1.2当量)を加えた。エチル-α-メチルアセトアセテート(Aldrich、21g、0.15mol)を攪拌しながら30分かけて加えた。生成した溶液を還流下に2時間加熱し、わずかに冷却した。(注記:反応混合物は、濃厚なペーストになるので、機械的な攪拌が必須である)。5-ブロモペンチルアセテート(Aldrich、31.5g、15mol)を加え(一挙に)、分散液を還流下で12時間加熱し、冷却し、ろ過し、そして溶媒を減圧下に蒸発させた。残渣を真空下で蒸留し、20g(45%)の無色液体を得た。沸点90〜92(0.5mm)。CDCl31H NMR δ, 4.1〜4.2 (m, 2H, O-CH2CH3): 3.5 (t, J = 7Hz, 2H, CH2OCO-); 2.2 (s, 3H, CH3CO); 2.1 (s, 3H, -COCH3); 1.5〜2.0 (m, 10H, 4-(CH2)2, C-CH3, OCH2CH3)。
【0103】
(実施例8)
8-ヒドロキシ-3-メチルオクタン-2-オンまたは6-アセチル-オクタノールの合成
【0104】
【化28】

【0105】
希塩酸(40〜50%)(100ml)中のジエステル(15g、0.06mol)の混合物を加熱して12時間還流した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(3x100ml)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして酢酸エチルを除去した。残渣を真空下で蒸留して7.19g(80%)の無色液体を得た。沸点90〜97℃(0.7mm)、IR(ニート):νcm-1=1736; 1H NMR, CDCl3, δ, 3.55 (t, 2H, J = 6.6Hz, -CH2OH); 2.45 (m, 1H, 7-H); 2.15 (s, 3H, COCH3); 1.65〜1.82 (m, 4H, (-CH2)2); 1.2〜1.55 (m, 4H, (-CH2)2); 1.1 (d, J = 7.3Hz, -CH-CH3)。
【0106】
(実施例9)
5-(2,3-ジメチル-3H-インドール-3-イル)ペンタン-1-オールの合成
【0107】
【化29】

【0108】
酢酸(50ml)中のフェニルヒドラジン塩酸塩(Aldrich、7.2g、0.05mol)の攪拌溶液に8-ヒドロキシ-3-メチルオクタン-2-オン(12g、0.07mol)を加えた。反応混合物を還流下で4時間加熱した。溶液を冷却した。(透明な沈殿は観察されなかった。)減圧下で酢酸を除去した。得られた黄色の液体を溶媒としてクロロホルム:メタノール混合物を使用してシリカゲルカラム上でクロマトグラフにかけた。純粋な6-(2,3-ジメチル-3-ヒドロインドール-3-イル)ペンタノール(8.0g、60%)を淡黄色の油状物として得た; 1H NMR, CDCl3, δ, 7.8 (d, J = 7Hz, 4-H芳香族); 7.2〜7.6 (m, 3H, 芳香族プロトン); 3.5 (t, J = 6.5Hz, -CH2OH; 2.6 (s, 3H, インドールの2-CH3); 1.8〜2.12 (m, 2h, アルキル)、1.3〜1.7 (合体して一重項になった多重項, 7H, インドールの2アルキルおよび-CH3); 0.6〜0.9 (m, 2H, アルキル)。
【0109】
(実施例10)
6-(1,2-ジメチル-6,8-ジスルホ-1H-ベンゾ[e]インドール-1-イル)ヘキサン酸の合成
【0110】
【化30】

【0111】
(5,7-ジスルホ-2-ナフチル)ヒドラジニウムクロライド(2.0g)、7-メチル-8-オキソノナン酸(1.5g)および酢酸(15ml)を80〜140℃において合計で24時間加熱した。真空下で溶剤を蒸発後、残渣を2-プロパノールと共に磨砕し、ピンク色の固体を得た。この固体をろ過によって集め、2-プロパノール、その後に過剰のジエチルエーテルで洗浄し、5酸化リンで真空下で乾燥した。粗製の生成物の収量=1.96g。これを必要に応じて分取HPLC(RPC18.水/MeCN/TFA)によって精製し、純粋な生成物を得た。1H-nmr (D2O)δ0.25〜0.4 (1H, 広幅m)、0.5〜0.65 (1H, 広幅m)、1.00 (2H, m)、1.25 (2H, m)、1.78 (3H, s)、2.06 (2H, t)、2.35〜2.5 (1H, 広幅m)、2.65〜2.8 (1H, 広幅m)、2.90 (3H, s)、8.05 (1H, d)、8.58 (1H, d)、8.70 (1H, d)および(8.97 (1H, d)。MS (LCMS) MH+ 470。Acc. Mass: MH+ 470.0931 (C20H24NO8S2の-2.6ppm)。
【0112】
(実施例11)
3-(5-カルボキシペンチル)-2-{(1E,3E,5E,7E)-7-[3-(5-カルボキシペンチル)-1-エチル-3-メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ヘプタ-1,3,5-トリエニル}-1-エチル-3-メチル-3H-インドリウム-5-スルホナート(NSCy7)の合成
【0113】
【化31】

【0114】
無水酢酸(4ml)およびピリジン(1ml)の加熱された混合物中にグルタコンアルデヒドジアニル塩酸塩(143mg、0.5mmol)を溶解した。中間体6-(1-エチル-2,3-ジメチル-5-スルホ-3-ヒドロインドール-3-イル)ヘキサン酸(368mg、1mmol)を加え、その混合物を加熱してさらに10分間還流させ、その後冷却した。染料をジエチルエーテルで沈殿させた。上澄み液を分離した。固体を最小容量のメタノールに再溶解させ、イソプロパノールで再沈殿させた。紫色の固体をろ紙上に集め、乾燥した(160mg、収率18%)。ピリジウム塩をそのカリウム塩に変換させ、溶出液として水-メタノール混合物を使用したC18カラムクロマトグラフによって精製した。λmax=750nm。1H NMR (D2O)δ, 7.7 (m, 6H, 4-H, 4'-H, 6-H, 6'-Hおよび架橋のγγ'プロトン); 7.4 (t, 1H, J = 13Hz, 架橋のδ-プロトン): 7.2 (d, 2H, J = 7.7Hz, 7-H, 7'-H); 6.35 (t. 2H, J = 13Hz, β, および架橋のβ'プロトン, 6.15 (d, 2H, J = 7Hz, αα'-H); 4.1 (広幅シグナル, 4H, (N-CH2)2); 1.8〜2.2 (m, 8H, アルキルおよびCH2COOH); 1.2〜1.7 (m, 24H, 6-CH2, 4-CH3); 0.45〜0.8 (m, 4H, アルキル)。Rf = 0.26 (RP-C18, 水/メタノール7.5:2.5)。
【0115】
(実施例12)
カルボキシアルキルシアニン染料のサクシンイミジルエステル
【0116】
Cy3.24.OH、Cy3.10.OH、NCy3、NSCy3、Cy7.18.OH、およびNSCy7のサクシンイミジルエステルを製造するために下記の一般的な方法が使用された。ジサクシンイミジル炭酸塩(DSC)を使用するサクシンイミジル活性エステルの製造方法は、Ogura H.、Kobayashi T.、Keiko S.、Kawabe K.およびTakeda R.(1979) 新規な活性エステル合成試薬(N,N'-ジサクシンイミジル炭酸塩)〔(A novel active ester synthesis reagent(N,N'-Disuccinimidyl carbonate))〕Tetrahedron Lett.4745〜4746頁に記載されている。
【0117】
典型的な実験では、無水DMF(2mL/100mg染料)および無水ピリジン(0.1mL/100mg染料)の混合物にカルボキシインドシアニンを溶解させた。ジサクシンイミジル炭酸塩(DSC)(1.5当量/カルボキシル基)を加え、混合物を窒素下でおいて55〜60℃で90分間攪拌した。その混合物を無水エチルエーテルで希釈し、上澄み液をデカンテーションにより得た。生成物を溶媒で繰り返し洗浄するか、またはDMFに溶解し、そして再沈殿させた。ほぼ定量的な収率のシアニン活性エステルを得た。活性サクシンイミジルエステルの形成は、DMF中でのベンジルアミンとの反応またはpH9.4の重炭酸塩緩衝液中でのタウリンとの反応によって確認された。逆相C18TLCに、コンジュゲートであるサクシンイミジルエステルおよび比較のための水和されたカルボキシレート製品をスポットし、水-メタノール混合物で展開した。活性化が時々不完全であったので、逆相HPLCもまた活性化エステル型中の蛍光色素のパーセントを決定するのに使用した。トリフルオロ酢酸0.1%を含有するアセトニトリル25%、水75%の混合物を使用してAlltech Econosphere 250mmx4.6mm C18RPカラムによってサンプルを溶出させた。バリアン(Varian)UV/VIS検出装置からの吸収シグナルの積分値によって活性化および非活性化シアニン蛍光団のパーセントを決定した。
【0118】
カルボキシアルキルシアニン染料のN-ヒドロキシサクシンイミジルエステルを製造する別の方法を後述する。例えば実施例13〜16を参照されたい。
【0119】
(実施例13)
2-{(1E,3E,5E)-5-[3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-3,3-ジメチル-5-スルホ-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウムの合成および活性化
【0120】
【化32】

【0121】
(実施例13.1)
6-(2,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドール-3-イル)ヘキサン酸
【0122】
4-ヒドラジノベンゼンスルホン酸(1.88g、10mmol)、7-メチル-8-オキソノナン酸(2.8g、15mmol)および氷酢酸(10ml)を混合し、還流下で6時間加熱した。その後、真空下で溶剤を蒸発し、固体が得られるまで残渣をジエチルエーテルと共に磨砕した。これを真空下で乾燥し、粗製の生成物3.4g(100%)を得た。必要に応じて、これを分取HPLCによって精製した(RPC18.水+0.1%TFA→MeCN+0.1%TFAの勾配)。UV/Vis (水+0.1%TFA): 274, 229, 204nm。1H-nmr (D2O)δ0.6〜0.9 (2H, 広幅m)、1.10〜1.25 (2H, 広幅m)、1.35〜1.50 (2H, m)、1.60 (3H, s)、2.10〜2.40 (2H, 広幅m + 2H, t)、7.77 (1H, d)、7.97 (1H, dd)および8.06 (1H, d)
MS (MALDI-TOF) MH+ 340。
【0123】
(実施例13.2)
4-(2,3,3-トリメチル-5-スルホ-3H-インドリウム-1-イル)ブタン-1-スルホネート
【0124】
2,3,3-トリメチル-3H-インドール-5-スルホン酸カリウム(5.50g、20mmol)、1,4-ブタンサルトン(4.0ml、40mmol)および1,2-ジクロロベンゼン(100ml)の混合物を混合し、140℃で24時間、その後175℃で6時間加熱した。冷却後、深紅の固体をろ過によって集め、酢酸エチルで洗浄し、真空下で乾燥させて、生成物7.97g(97%)を得た。さらに精製せずに使用した。1H-nmr (D2O)δ1.62 (6H, s)、1.9〜2.0 (2H, m)、2.1〜2.2 (2H, m)、2.89 (2H, t)、4.55 (2H, t)、7.98 (1H, d)、8.08 (1H, d)および8.12 (1H, d)。
【0125】
(実施例13.3)
4-{2-[(1E,3E)-4-アニリノブタ-1,3-ジエニル]-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドリウム-1-イル}ブタン-1-スルホネート
【0126】
4-(2,3,3-トリメチル-5-スルホ-3H-インドリウム-1-イル)ブタン-1-スルホネート(6.20g)、マロンアルデヒドビス(フェニルイミン)一塩酸塩(7.8g)、トリエチルアミン(5ml)および酢酸(50ml)の混合物を120℃で18時間加熱し、暗赤褐色の溶液を得た。真空下で溶剤を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ。酢酸/エタール/水混合物)によって半精製した。最終的な精製は、HPLC(RPC18.水+0.1%TFA→MeCN+0.1%TFAの勾配)によって行った。UV/Vis (水, 50: MeCN, 50: TFA, 0.1) 521nm。1H-nmr (DMSO)δ1.68 (6H, s)、1.7〜1.9 (4H, 広幅m)、2.60 (2H, t)、4.14 (2H, t)、6.36 (1H, t)、6.56 (1H, d)、7.21 (1H, m)、7.3〜7.5 (5H, m)、7.65 (1H, m)、7.83 (1H, s)、8.39 (1H, t)、8.83 (1H, t)および11.7 (1H, d)。MS (MALDI-TOF) M+ 504。
【0127】
(実施例13.4)
2-{(1E,3E,5E)-5-[3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-3,3-ジメチル-5-スルホ-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム
【0128】
4-{2-[(1E,3E)-4-アニリノブタ-1,3-ジエニル]-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドリウム-1-イル}ブタン-1-スルホネート(250mg)および6-(2,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドール-3-イル)ヘキサン酸(312mg)を、ピリジン(9ml):酢酸(9ml):無水酢酸(2ml)の中に混合し、周囲温度で一晩攪拌した。真空下で溶剤を蒸発後、残渣を分取HPLC(RPC18.水+0.1%TFA→MeCN+0.1%TFAの勾配)によって2回精製した。適切なフラクションを合わせ、真空下で蒸発させた。残渣を水に再溶解し、凍結乾燥させ、精製された染料(135mg)を得た。リン酸塩緩衝水溶液中で観察されたpKa(蛍光による):7.0。UV/Vis (水+0.1%TFA): 645nm (ε= 2.0×105lmol-1cm-1)。MS (MALDI-TOF) MH+ 751。1H-nmr (D2O)δ0.5〜0.65 (1H, 広幅)、0.75〜0.9 (1H, 広幅)、1.192H, m)、1.35 (2H, m)、1.5 (3H, s)、1.65 (6H, 2xs)、1.75〜2.05 (6H, m)、2.1 (2H, t)、2.95 (2H, t)、4.05 (2H, 広幅t)、6.0 (1H, d)、6.2 (1H, d)、6.5 (1H, t)、7.2 (1H, d)、7.3 (1H, d)および7.1〜8.1 (6H, m)。
【0129】
(実施例13.5)
2-{(1E,3E,5E)-5-[3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-3,3-ジメチル-5-スルホ-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム,N-ヒドロキシサクシンイミジルエステル
【0130】
【化33】

【0131】
無水DMF(300μl)中にカルボキシ染料(30mg)を溶解し、これにO-(N-サクシンイミジル)-N,N,N',N'-テトラメチレンウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HSPyU、60mg)およびジイソプロピルエチルアミン(42μl)を加えた。得られた溶液を2時間混合し、そこで、TLC(RPC18.水/MeCN/AcOH)を行ったところ、完全に反応していることが判明した。反応混合物を真空下で蒸発し、残渣を分取HPLC(水+0.1%AcOH→MeCN+0.1%AcOHの勾配)によって精製した。主要な染料ピークを含有するフラクションを合わせ、真空下で蒸発させた。残渣を水に再溶解させ、凍結乾燥した。UV/Vis(水、50:MeCN、50:TFA、0.1)646nm。MS(MALDI-TOF)MH+〜850。
【0132】
(実施例14)
3-(5-カルボキシペンチル)-2-[(1E,3E,5E)-5-(5,7-ジクロロ-3,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエニル]-3-メチル-5-スルホ-l-(4-スルホブチル)-3H-インドリウムの合成および活性化
【0133】
【化34】

【0134】
(実施例14.1)
4-[3-(5-カルボキシペンチル)-2,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドリウム-1-イル]ブタン-1-スルホネート
【0135】
6-(2,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドール-3-イル)ヘキサン酸(340mg)および酢酸ナトリウム(100mg)をメタノール(5ml)中に溶解させ、その後、真空下で溶剤を蒸発させた。残渣を1,4-ブタンサルトン(680mg)および1,2-ジクロロベンゼン(5ml)で処理し、この混合物を窒素下で150℃で18時間加熱した。さらに一定量の1,4-ブタンサルトン(500mg)を加え、加熱を4時間続けた。冷却後、固体の生成物を真空ろ過によって集め、ジクロロベンゼンおよびジエチルエーテルで洗浄して、乾燥させた。粗生成物の収量557mg。分取HPLC(RPC18.水+0.1%TFA→MeCN+0.1%TFAの勾配)によって精製した後、目的の生成物を単離した。1H-nmr (DMSO)δ0.6〜0.8 (2H, m)、1.05〜1.12 (2H, m)、1.43 (2H, ほぼ五重項)、1.64 (3H, s)、1.95 (2H, ほぼ五重項)、2.05〜2.42 (4H, m + 2H, t)、3.01 (2H, t)、4.60 (2H, t)、7.97 (1H, d)、8.09 (1H, dd)および8.13 (1H, d)。
LCMS : MH+ 476
【0136】
(実施例14.2)
4-{2-[(1E,3E)-4-アニリノブタ-1,3-ジエニル]-3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-3H-インドリウム-1-イル}ブタン-1-スルホネート
【0137】
4-[3-(5-カルボキシペンチル)-2,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドリウム-1-イル]ブタン-1-スルホネート(410mg)、マロンアルデヒドビス(フェニルイミン)一塩酸塩(500mg)、トリエチルアミン(0.3ml)および酢酸(3ml)を120℃で18時間加熱して、暗赤褐色溶液を得た。真空下で溶剤を蒸発させ、残渣をHPLC(RPC18.水+0.1%TFA→MeCN+0.1%TFAの勾配)によって半精製した。その後、生成物を直接使用した。UV/Vis(水、50:MeCN、50:TFA、0.1)523nm。MS(MALDI-TOF)MH+605。
【0138】
(実施例14.3)
5,7-ジクロロ-2,3,3-トリメチル-3H-インドール
【0139】
2,4-ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩(3.0g)、3-メチル-2-ブタノン(3.0ml)および酢酸(25ml)を混合し、120℃で3時間加熱した。濃橙色の溶液が生じた。溶剤を真空下で蒸発させ、残渣を酢酸エチルと炭酸水素ナトリウム水溶液の間で分配させた。有機相を集めて、乾燥(MgSO4)させ、ろ過し、溶剤を蒸発させて暗色の油状物を得た。フラッシュクロマトグラフ(シリカ:酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、薄橙色の油状物として生成物を得た。それは放置すると固化した。1H-nmr(CDCl3)δ1.31(6H、s)、2.32(3H、s)、7.15(1H、d)、7.26(1H、s)および7.32(1H、d)。
【0140】
(実施例14.4)
3-(5-カルボキシペンチル)-2-[(1E,3E,5E)-5-(5,7-ジクロロ-3,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエニル]-3-メチル-5-スルホ-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム
【0141】
4-{2-[(1E,3E)-4-アニリノブタ-1,3-ジエニル]-3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-3H-インドリウム-1-イル}ブタン-1-スルホネート(250mg)および5,7-ジクロロ-2,3,3-トリメチル-3H-インドール(230mg)を無水酢酸(1.0ml)およびDMF(10.0ml)と混合した。混合物を窒素下で18時間攪拌し、その後、50℃で24時間攪拌した。その後、溶剤を真空下で蒸発させ、残渣をエーテルと共に磨砕し、乾燥させ、分取HPLC(RPC18.水+0.1%TFA→MeCN+0.1%TFA の勾配)によって精製した。適当なフラクションを合わせ、真空下で蒸発させ、生成物の染料84mgを得た。リン酸塩緩衝水溶液中で観察されたpKa(蛍光による):6.05。UV/Vis(水、50:MeCN、50:TFA、0.1)646nm。MS(MALDI-TOF)MH+740。
【0142】
(実施例14.5)
3-(5-カルボキシペンチル)-2-[(1E,3E,5E)-5-(5,7-ジクロロ-3,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエニル]-3-メチル-5-スルホ-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム,N-ヒドロキシサクシンイミジルエステル
【0143】
カルボキシ染料(24mg)を無水のDMF(2ml)に溶解させ、乾燥を確実にするために真空下で蒸発させた。O-(N-サクシンイミジル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TSTU、30mg)をジイソプロピルエチルアミン(25μl)およびDMF(2ml)と共に加えた。赤色溶液を1時間放置し、そこでTLC(RPC18.水/MeCN/AcOH)を行ったところ、完全に反応したことが判明した。酢酸(50μl)を加えることによって反応を抑制し、溶剤を真空下で蒸発させた。残渣を分取HPLC(水+0.1%AcOH→MeCN+0.1%AcOHの勾配)によって精製した。主要な染料ピークを含むフラクションを合わせ、真空下で蒸発させた。残渣を水に再溶解させ、凍結乾燥させた。UV/Vis(水、50:MeCN、50:TFA、0.1)646nm。MS(MALDI-TOF)MH+837。
【0144】
(実施例15)
2-{(1E,3E,5E)-5-[3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-5-クロロ-3,3-ジメチル-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウムの合成および活性化
【0145】
【化35】

【0146】
(実施例15.1)
5-クロロ-2,3,3-トリメチル-3H-インドール
【0147】
4-クロロフェニルヒドラジン塩酸塩(5.4g)、3-メチル-2-ブタノン(6.4ml)および酢酸(70ml)を混合し、最初に80℃に加熱し、溶液を得た。その後に2時間かけて120℃に温度を上げた。その間、固体が分離した。TLC分析(RPC18.水/MeCN/TFA)は、出発物質のヒドラジン の消費と単一の主要生成物の生成を示した。真空下で溶剤を蒸発させた後、残渣を酢酸エチルと炭酸水素ナトリウム水溶液の間で分画させた。有機相を集め、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、溶剤を蒸発させて粗製のインドレニンを得た。フラッシュクロマトグラフ(シリカ。酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、純粋な生成物4.66g(80%)を得た。MS(MALDI-TOF)M+193、195。1H-nmr(CDCl3)δ1.30(6H、s)、2.27(3H、s)、7.23〜7.29(2H、m)および7.44(1H、d)。
【0148】
(実施例15.2)
4-(5-クロロ-2,3,3-トリメチル-5-スルホ-3H-インドリウム-1-イル)ブタン-1-スルホネート
【0149】
5-クロロ-2,3,3-トリメチル-3H-インドール(1.94g)および1,4-ブタンサルトン(5.0g)を1,2-ジクロロベンゼン(15ml)中に混合した。得られた溶液を、窒素下で140℃に18時間加熱した。その間に、固体が分離してきた。周囲温度まで冷却後、この固体をろ過によって集め、ジクロロベンゼン、続いて過剰のジエチルエーテルで洗浄し、その後に真空下で乾燥させ、目的の生成物を得た。収量2.85g (86%)。MS (MALDI-TOF) MH+ 330, 332。1H-nmr (CD3OD)δ1.61 (6H, s)、1.95〜1.98 (2H, m)、2.08〜2.18 (2H, m)、2.88.(2H, t)、4.53 (2H, t)、7.65 (1H, dd)、7.86 (1H, d)および7.93 (1H, d)
【0150】
(実施例15.3)
4-{2-[(1E,3E)-4-アニリノブタ-1,3-ジエニル]-5-クロロ-3,3-ジメチル-3H-インドリウム-1-イル}ブタン-1-スルホネート
【0151】
4-(5-クロロ-2,3,3-トリメチル-5-スルホ-3H-インドリウム-1-イル)ブタン-1-スルホネート(0.99g)、マロンアルデヒドビス(フェニルイミン)塩酸塩(1.55g)、トリエチルアミン(1.0ml)および酢酸(10.0ml)を混合し、120℃で18時間加熱し、濃紫色の溶液を得た。溶剤を蒸発後、粗製の反応生成物をフラッシュクロマトグラフ(シリカ:MeOH/DCM)によって精製し、純粋な生成物1.12gを得た。UV/Vis(EtOH):525nm。MS(MALDI-TOF)M+458、460。
【0152】
(実施例15.4)
2-{(1E,3E,5E)-5-[3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-5-クロロ-3,3-ジメチル-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム
【0153】
4-{2-[(1E,3E)-4-アニリノブタ-1,3-ジエニル]-5-クロロ-3,3-ジメチル-3H-インドリウム-1-イル}ブタン-1-スルホネート(50mg)、6-(2,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドール-3-イル)ヘキサン酸(50mg)、ピリジン(2.25ml)、酢酸(2.25ml)および無水酢酸(0.50ml)を混合し、90℃で1時間保温し、深青色の溶液を得た。その後、溶剤を真空下で蒸発させ、残渣をジエチルエーテルと共に磨砕した。分取HPLC(RPC18.水/MeCN/TFA)による精製によって、2種の青色の成分を得た。最初に溶出された成分は、目的とする分子質量とpH感応性を有していた。この成分を含むフラクションを合わせ、真空下で蒸発させ、生成物の染料16mgを得た。リン酸塩緩衝水溶液中で観察されたpKa(蛍光による):7.44。UV/Vis(水、50:MeCN、50:TFA、0.1)645nm。MS(MALDI-TOF)M+704、706。
【0154】
(実施例15.5)
2-{(1E,3E,5E)-5-[3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-5-クロロ-3,3-ジメチル-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム,N-ヒドロキシサクシンイミジルエステル
【0155】
【化36】

【0156】
カルボキシ染料(13.5mg)を無水DMF(2ml)に溶解させ、乾燥状態を確実にするために真空下で蒸発させた。O-(N-サクシンイミジル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TSTU、30mg)をジイソプロピルエチルアミン(25μl)およびDMF(2ml)と共に加えた。橙色の溶液を1時間放置し、そこでTLC(RPC18.水/MeCN/AcOH)を行ったところ、完全に反応していることが判明した。酢酸(50μl)を加えることによって反応を停止させ、溶剤を真空下で蒸発させた。残渣を分取HPLC(水+0.1%AcOH→MeCN+0.1%AcOHの勾配)によって精製した。主要な染料ピークを含むフラクションを合わせ、真空下で蒸発させた。残渣を水に再溶解させ、凍結乾燥させた。UV/Vis(水、50:MeCN、50:TFA、0.1)645nm。MS(MALDI-TOF)M+801、803。
【0157】
(実施例16)
3-(5-カルボキシペンチル)-2-[(1E,3E,5E)-5-(7-クロロ-3,3-ジメチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエニル]-3-メチル-5-スルホ-l-(4-スルホブチル)-3H-インドリウムの合成および活性化
【0158】
【化37】

【0159】
(実施例16.1)
7-クロロ-2,3,3-トリメチル-3H-インドール-5-スルホン酸
【0160】
2-クロロアニリン-4-スルホン酸(2.5g、9.2mmol)を塩酸(濃、40ml)に溶解させ、0℃に冷却した。H2O(10ml)中の亜硝酸ナトリウム(1.26g、18.3mmol)の溶液を滴下漏斗に移して、反応容器に2時間にわたって滴下した。0℃で2時間攪拌後、塩化第一錫(8.3g、36.9mmol;濃塩酸10ml中に溶解された)を2時間にわたって滴下した。その後、反応混合物を室温まで暖め、一晩攪拌した。その後、反応混合物をろ過し、ろ液を捨てた。単離された固体を丸底フラスコに移し、酢酸(15ml)、酢酸カリウム(3g)および3-メチル-2-ブタノン(3ml)で処理した。容器を140℃で4時間加熱後、反応混合物を真空中で濃縮し、得られたゴム状物質をRP-HPLC(フェノメネックスシナーギ(Phenomenex Synergi);10μ hydro-RP80、250x21.20mm;MeCN:H2O;0〜100%MeCN 30分;10ml/分、RT=14分)によって精製し、目的の生成物(550mg;2mmol、22%)を得た。MS(MALDI-TOF)MH+273。
【0161】
(実施例16.2)
3-(5-カルボキシペンチル)-2-[(1E,3E,5E)-5-(7-クロロ-3,3-ジメチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエニル]-3-メチル-5-スルホ-l-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム
【0162】
酢酸/ピリジン/無水酢酸(4.5:4.5:1;10ml)中の7-クロロ-2,3,3-トリメチル-3H-インドール-5-スルホン酸(50mg;0.18mmol)の溶液に(2E)-3-(5-カルボキシペンチル)-7-クロロ-3-メチル-1-ペンチル-2-[(2E,4E)-4-(フェニルイミノ)ブテ-2-エニリデン]インドリン-5-スルホネート(110mg;0.18mmol)を加えた。反応混合物を60℃で4時間加熱し、その後、真空下で濃縮し、粗製の染料を得た。得られたゴム状物質を分取RP-HPLC(フェノメネックスシナーギ(Phenomenex Synergi);10μ hydro-RP80、250x21.20mm;MeCN:H2O;0〜100%MeCN 30分;10ml/分、RT=16分)によって精製し、目的の生成物(10mg;0.01mmol;7%)を得た。MS(MALDI-TOF)MH+783。
【0163】
(実施例16.3)
3-(5-カルボキシペンチル)-2-[(1E,3E,5E)-5-(7-クロロ-3,3-ジメチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエニル]-3-メチル-5-スルホ-l-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム,N-ヒドロキシサクシンイミジルエステル
【0164】
【化38】

【0165】
DMF(3ml)中の6-{(2E)-2-[(2E,4E)-5-(7-クロロ-3,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドール-2-イル)ペンタ-2,4-ジエニリデン]-3-メチル-5-スルホ-l-(4-スルホブチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-3-イル}ヘキサン酸(9mg;0.01mmol)の攪拌溶液にDIPEA(2ml)、続いてO-(N-サクシンイミジル-N,N,N',N'-ビス-テトラメチレン)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(14mg;0.05mmol)を加えた。4時間後、反応混合物を真空下で濃縮し、得られたゴム状物質をRP-HPLC(フェノメネックスシナーギ(Phenomenex Synergi);10μ hydro-RP80、250x21.20mm;MeCN:H2O;0〜100%MeCN 30分;10ml/分、RT=17分)によって精製し、目的の生成物(6mg;0.007mmol;53%)を単離した。リン酸塩緩衝水溶液中で観察されたpKa(蛍光による):6.2。MS(MALDI-TOF)M+Na+902。
【0166】
(実施例17)
3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-2-{(1E,3E,5E)-5-[3-メチル-5-スルホ-3-(4-スルホブチル)-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-5-スルホ-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウムの合成
【0167】
【化39】

【0168】
(実施例17.1)
5-メチル-6-オキソヘプタン-1-スルホン酸
【0169】
N,N-ジメチルホルムアミド(100ml)中の水素化ナトリウム(鉱油中の60%NaHの12.0g)の分散液に、N,N-ジメチルホルムアミド(25ml)中のエチル2-メチルアセトアセテート(43.2g)を氷浴で冷却しながら滴下した。再冷却の前にこの混合物を周囲温度まで30分間暖めた後に再冷却した。その後にN,N-ジメチルホルムアミド(25ml)中の1,4-ブタンサルトン(40.8g)を滴下した。最終混合物を50℃で18時間加熱し、その後、水50mlで反応を停止させた。溶剤を真空下で蒸発させ、残渣を水とジエチルエーテルの間で分配させた。水層を集め、新鮮なジエチルエーテルで洗浄し、真空下で蒸発させた。最終の乾燥は、5酸化リンの上で高真空下で行った。収量103gの5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-6-オキソヘプタン-1-スルホン酸を得た。
【0170】
この中間体を濃塩酸(200ml)中に溶解させ、90℃で3時間反応させ、その後、真空下で溶剤を蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフ(シリカ。ジクロロメタン→エタノール)によって精製した。生成物を含有するフラクションを合わせ、真空下で蒸発させ、標記の化合物49.6gを得た。1H-nmr(D2O)δ1.05(3H、d)、1.3〜1.8(6H、m)、2.20(3H、s)、2.65(1H、m)、および2.90(2H、m)。
【0171】
(実施例17.2)
2,3-ジメチル-3-(4-スルホブチル)-3H-インドール-5-スルホン酸
【0172】
4-ヒドラジノベンゼンスルホン酸(1.88g)、5-メチル-6-オキソヘプタンスルホン酸(2.5g)および酢酸(50ml)を混合し、還流下で6時間加熱した。溶剤を真空下で蒸発させ、その後、残渣を2-プロパノールと共に磨砕し、黄色の固体として粗製の生成物を得た。これを必要に応じてHPLC(RPC18.水+0.1%TFA)によって精製した。1H-nmr (D2O)δ0.8〜1.0 (2H, m)、1.55〜1.65 (5H, = 3H, s + 2H, m)、2.16 (1H, ddd)、2.29 (1H, ddd)、2.75 (2H, m)、2.81 (部分的にd交換したメチル一重項)、7.71 (1H, d)、7.94 (1H, d)および8.01 (1H, d)。UV/Vis (水+0.1%TFA): 269, 229nm。MS (LCMS): MH+ 362。Acc. Mass: 実測値, 362.0729。MH+ = C14H20NO6S2の計算値362.0732 (-0.8ppm)。
【0173】
(実施例17.3)
3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-2-{(1E,3E,5E)-5-[3-メチル-5-スルホ-3-(4-スルホブチル)-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-5-スルホ-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム
【0174】
ピリジン(2.25ml)、酢酸(2.25ml)および無水酢酸(0.50ml)の中に、4-{2-[(1E,3E)-4-アニリノブタ-1,3-ジエニル]-3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-3H-インドリウム-1-イル}ブタン-1-スルホネート(実施例14.2のように製造したもの、50mg)および2,3-ジメチル-3-(4-スルホブチル)-3H-インドール-5-スルホン酸(50mg)を混合し、窒素下で周囲温度において18時間、その後60℃で2時間攪拌した。得られた緑青色の溶液を真空下で蒸発させた。残渣をHPLC(RPC18.水/MeCN/TFAの勾配)によって精製した。主要な染料ピークを含むフラクションを集め、合わせて真空下で蒸発させ、標記の染料22mgを得た。UV/Vis(水+0.1%TFA)651nm。MS(MALDI-TOF):M+872。
【0175】
(実施例18)
6-[9-(5-カルボキシペンチル)-5,7-ジメチル-5,11-ジスルホ-1,2,9,14,15,16,15a,16a,2a-ノナヒドロインドロ-[2",1"-1',2']イソキノリノ[7',6'-4,3]ピリジノ[1,2-a]インドリン-7-イル/ヘキサン酸(リジッドCy3)の合成
【0176】
【化40】

【0177】
エタノール(20ml)中の6-(2,3-ジメチル-5-スルホ-3-ヒドロインドール-3-イル)ヘキサン酸(150mg、0.45mmol)の攪拌溶液に周囲温度で臭化水素酸(3ml、40%水溶液)を加えた。1時間後、反応溶剤を真空下で除去した。臭化水素酸塩をアセトニトリル(20ml)中に再溶解し、酢酸(200ml)およびアクロレインジエチルアセタール(10g、75mmol)を加えた。反応混合物を70℃に20分間加熱した。溶液を冷却し、溶剤を真空下で除去した。生成物を溶剤として1:1水/アセトニトリル(0.1%TFAを含有する)を使用する逆相C18カラム上で迅速に精製した。全てのフラクションをRP C18 TLCによってモニターした。生成物を含有するフラクションを合わせた。溶媒を蒸発させて、粘着性の塊(120mg、36%)を得た。それをすぐに次の反応に使用した。
【0178】
ピリジン(5ml)中の6-[1-(3,3-ジエトキシプロピル)-2,3-ジメチル-5-スルホ-3-ヒドロインドール-3イル]ヘキサン酸(100mg、0.21mmol)の攪拌溶液に120℃でトリエチルオルソギ酸エステル(100mg、67mmol)を30分にわたって滴下した。2時間後に反応混合物を冷却した。生成物を溶剤として水-アセトニトリル混合物(0.1%TFAを含有する)を使用する逆相C18カラムによって精製した。ピンク色の固体(45mg、40%)として生成物を得た。λmax:560nm水、λem570nm、φ0.09。
【0179】
氷水中の1,1-ジー(3,3-ジエトキシプロピル)-3-メチル-3'(6-カルボキシペンテニル)-インドカルボシアニン(40mg、0.04mmol)の攪拌溶液に、50%硫酸水溶液(2ml)を加えた。反応混合物を40℃で30分間加熱した。混合物を冷却し、トリエチルアミンで中和した。溶剤を真空下でフラッシュエバポレーターで除去し、生成物を赤色の固体として得た。λmax565nm、λem584nm、φ0.8。
【0180】
(実施例19)
6,7,9,10-テトラヒドロ-2,14-ジスルホナート-16,16,18-トリメチル-7aH,8aH-ビスインドリニウム[3,2-a,3'2'-a]ピラノ[3,2-c;5,6-c' ]ジピリジン-5-イウム-18-ヘキサン酸の合成
【0181】
【化41】

【0182】
(実施例19.1)
1-(3,3-ジエトキシプロピル)-3-(6-エトキシ-6-オキソヘキシル)-2,3-ジメチル-3H-インドリウム-5-スルホネート
【0183】
【化42】

【0184】
実施例5に記載されたようにして、6-(2,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドール-3-イル)ヘキサン酸を合成した。エタノール(200ml)中の6-(1-エチル-2,3-ジメチル-5-スルホ-3H-インドール-3-イル)ヘキサン酸(1.8g、5.3mmol)の攪拌溶液に周囲温度で臭化水素酸(10ml、48%水溶液)を加えた。1時間後に反応溶剤を真空中で除去した。臭化水素酸塩をアセトニトリル(150ml)および酢酸(1.54ml)およびアクロレインジエチルアセタール(6.6g、51mmol)に再溶解した。反応混合物を70℃に30分間加熱した。溶液を冷却し、溶剤を真空中で除去した。生成物を溶剤としてアセトニトリル(0.1%TFAを含有する)に対し10%アセトニトリルを含有する水の勾配溶離液を30分にわたって使用する逆相C18カラム上の分取HPLCによって迅速に精製した。全てのフラクションをMALDI-TOF質量分析法(M/Z=498)によってモニターした。生成物を含有するフラクションを合わせた。溶媒を蒸発させて、粘着性の塊(162mg、11%)を得た。それをすぐに次の反応に使用した。
【0185】
(実施例19.2)
1-(3,3-ジエトキシプロピル)-2,3,3-トリメチル-3H-インドリウム-5-スルホネート
【0186】
【化43】

【0187】
Mujumdar,R,B Bioconjugate Chem.,(1993),4(2),105〜111頁 に記載された方法に従って2,3,3-トリメチル-3H-インドール-5-スルホン酸カリウムを合成した。エタノール(250ml)中の2,3,3-トリメチル-3H-インドール-5-スルホン酸カリウム(5g、18mmol)の攪拌溶液に周囲温度で臭化水素酸(50ml、48%水溶液)を加えた。1時間後に反応溶剤を真空中で除去した。臭化水素酸塩をアセトニトリル(200ml)および酢酸(5ml)およびアクロレインジエチルアセタール(42.25g、325mmol)に再溶解した。反応混合物を70℃まで60分間加熱した。溶液を冷却し、溶剤を真空中で除去した。生成物を溶剤としてアセトニトリル(0.1%TFAを含有する)に対し10%アセトニトリルを含有する水の勾配溶離液を60分にわたって使用する逆相C18カラム上の分取HPLCによって迅速に精製した。全てのフラクションをMALDI-ToF質量分析法(M/Z=369)によってモニターした。生成物を含有するフラクションを合わせた。溶媒を蒸発させて、粘着性の塊(1.8g、36%)を得た。それをすぐに次の反応に使用した。
【0188】
(実施例19.3)
1-(3,3-ジエトキシプロピル)-2-{(1E,3E)-3-[1-(3,3-ジエトキシプロピル)-3,3-ジメチル-5-スルホナート-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]プロプ-1-エニル}-3-(6-エトキシ-6-オキソヘキシル)-3-メチル-3H-インドリウム-5-スルホネート
【0189】
【化44】

【0190】
1-(3,3-ジエトキシプロピル)-3-(6-エトキシ-6-オキソヘキシル)-2,3-ジメチル-3H-インドリウム-5-スルホナート120mg(0.325mmol)にピリジン(5ml)を加えて、溶解した。1-(3,3-ジエトキシプロピル)-2,3,3-トリメチル-3H-インドリウム-5-スルホネート162mg(0.325mmol)にピリジン(5ml)を加えて、溶解した。上記フラスコの内容物を合わせ、攪拌し、トリエチルオルソギ酸エステル(385mg、2.6mmol)を加えた。反応混合物を120℃に5時間加熱した。溶液を冷却し、溶剤を真空中で除去した。その生成物を、溶剤としてアセトニトリル(0.1%TFAを含有する)に対して水の勾配溶離液を90分にわたって使用する逆相C18カラム上の分取HPLCによって、精製した。全てのフラクションをMALDI-TOF質量分析法(M/Z=1006)によってモニターした。生成物を含有するフラクションを合わせた。溶媒を蒸発させて、ピンク色の固体(78mg、13%)を得た。それをすぐに次の反応に使用した。
【0191】
(実施例19.4)
6,7,9,10-テトラヒドロ-2,14-ジスルホナート-16,16,18-トリメチル-7aH,8aH-ビスインドリニウム[3,2-a,3'2'-a]ピラノ[3,2-c;5,6-c' ]ジピリジン-5-イウム-18-ヘキサン酸
【0192】
1-(3,3-ジエトキシプロピル)-2-{(1E,3E)-3-[1-(3,3-ジエトキシプロピル)-3,3-ジメチル-5-スルホナート-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]プロプ-1-エニル}-3-(6-エトキシ-6-オキソヘキシル)-3-メチル-3H-インドリウム-5-スルホネート78mg(8.88x10-5mol)を硫酸(2ml、48%水溶液)中に溶解させ、周囲温度で4時間攪拌した。溶剤を真空下で除去した。その生成物を、溶剤としてのアセトニトリル(0.1%TFAを含有する)に対して水の90分にわたっての勾配溶離液を使用する逆相C18カラム上の分取HPLCによって精製した。全てのフラクションをMALDI-TOF質量分析法によってモニターした。生成物を含有するフラクションを合わせた。溶媒を蒸発させて、ピンク色の固体(27mg、35%)を得た。
【0193】
(実施例20)
一般的なタンパク質標識化方法
【0194】
下記のタンパク質標識化方法に従ってCy3.10、Cy3.24、NSCy3、Cy7.18およびNSCy7のNHSエステルでヒツジの免疫グロブリンを標識した。サクシンイミジル活性エステルの原液は、乾燥DMF(0.3〜1.0mg活性エステル/100μL)中で作ったがこの原液は4℃で保管されると、何日も安定している。また、溶液のpHが塩基性でない場合、活性エステルは、また蒸留水中で数時間安定している。DMFの使用がある種の抗体に対して適当でない場合、抗体を標識化するのに染料の水溶液を使用することができる。原液の中のシアニン蛍光団の濃度は、リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)の中の適切に希釈された原液の一定分量の吸収を測定し、染料の吸光係数を使用することによって定量した。そして、活性エステルの形のシアニン蛍光団の原液濃度は分取HPLC(典型的には50〜95%であるが、時々は35%と低い)で定量された。抗体の標識化は、0.1Mの炭酸塩-重炭酸塩緩衝液(pH9.4)中において室温で15分間実施した。ヒツジの免疫グロブリン(1mg、6.45mM)を0.25〜1mLの緩衝液中に溶解させ、染料の目的の量(例えば0.35mg活性エステル/100μL DMFを含む原液の20μL)を、強くボルテックス混合しながら加えた。溶離液としてpH7の緩衝溶液を使用するゲル浸透クロマトグラフ(セファデックス(Sephadex G-50)の0.7x20cmカラム)によって、コンジュゲートしていない染料を標識化されたタンパク質から分離した。
【0195】
(実施例21)
抗体に対する染料の比の定量
【0196】
染料/タンパク質(d/p)比を見積もるための簡便法は、280nmでのタンパク質の吸光度および吸収極大での染料の吸収の直接測定を含む。特に、染料/タンパク質比は、標識した染料の吸光度(550nmにおけるCy3または750nmにおけるCy7)および280nmでのタンパク質の吸光度の測定値と共に下記の式を使用して算出される。Cy3およびCy7の吸光係数は、それぞれ、おおよそ150,000および250,000である。280nmにおける免疫グロブリン抗体の吸光係数は、170,000L/mol-cmであると理解されている。分母におけるファクター「X」は、280nmでの染料の吸収0.05(両方のCy3に関して)およびその最大吸収における染料の吸収(Adye)0.08(Cy7に関して)からなる。
【0197】
【数1】

【0198】
標識化試薬が、抗体と結合したときに顕著なスペクトルの変化を示す場合は、もっと正確な方法が必要になる。例えば、異なる吸収ピークと異なる吸光係数を有する、染料のダイマーとモノマーが、高いd/p比でタンパク質の上に存在するとき、このアプローチが必要である。この場合、標識化されたタンパク質は、吸収スペクトルのためにホルムアミド中に溶解され、染料の吸光係数は、計算のために独立して定量される。
【0199】
(実施例22)
pH感応性シアニン染料のpKa値の測定
【0200】
pKa値の定量の一般的な方法は、以下のように実施した。精製された染料を水に溶かして、まとめた量の原液を得た(必要なら、溶解性を確実にするために限られた量のアセトニトリルを加えた)。染料のピークの波長で0.5±0.02の吸光度が得られるように、水10.0ml+トリフルオロ酢酸0.1%v/vに対して加えるために必要な原液の容量を、実験によって決定した。まとめた量の原液の中から前記で決定した容量の原液を水10.0mlに加え、この実験用の原液として使用した。
【0201】
pH4〜9の範囲をカバーするリン酸塩緩衝水溶液を調製した{参照:「Data for Biochemical Research」,p.432,3rd edition,R.M.C Dawson,D.C.Elliott,W.H.Elliott & K.M.Jones,1987 Oxford University Press。前記の範囲外の緩衝液は、オルソリン酸または水酸化ナトリウム中に加えることによって調製した}。そして、プラスチック製の蛍光セルに、それぞれ緩衝液3.5mlを入れた。染料の一定量(50〜250μlの範囲内)の実験用原液を緩衝液のセルに加え、溶液を混合し、蛍光シグナルをすぐに測定した{パーキンエルマー(Perkin Elmer)LS55 蛍光分光計、640nmで励起。発光スペクトルをスキャンし、680nmでの蛍光強度値を記録した}。全てのセルについてこれを繰り返した。PRISMを使用してpHに対する蛍光強度のグラフをプロットしたところ、そのデータは、S字型の照射量-応答曲線に合致し、その合致から理論上のIC50値としてpKa値を抽出した。
【0202】
表1は、上の4つの実施例で製造されたカルボキシ染料のpKa値を、同じ方法論を使用して製造された非機能性染料(染料5〜9)から選ばれたものと共に表にしたものである。これらの具体的な実施例は、染料発色団についての観測されたpKa値の置換効果を説明するのに役立ち、生理学上のpH範囲にわたっていかなる値にもこの数値を調整することができることを示している。
【0203】
【表1A】

【表1B】

【0204】
染料5および6の比較から、4級化されていない窒素に対するパラ位でのスルホネートのHへの置換が、染料pKaに測定可能な影響を及ぼさないことが示される。さらに、染料1は、染料6への官能性アーム(arm)の付加が、染料pKaに測定可能な影響を及ぼさないことを示す。
【0205】
前記の染料の組み合わせと染料7、4および2との比較は、4級化されていないインドレニン単位への、例えばClのような電子吸引性基の組み込み効果を示している。4級化されていない窒素に対するパラ位のCl置換は、染料のpKa値を0.3〜0.4単位だけ低くする(染料1→染料7)。4級化されていない窒素に対するオルソ位のCl置換は、染料のpKa値を約0.8単位だけ低くする(染料1→染料4)。両方の置換基の組み込みは相乗効果を与え、pKa値を約1.0単位だけ低くする(染料1→染料2)。染料8は、もう一つの電子求引性基、シアノが、クロロに類似した効果を有していることを示している。フルオロおよびトリフルオロメチルは、同様に作用する。
【0206】
染料9および3と染料6、7および1との比較から、4級化されたインドレニン単位への例えばClのような電子吸引性基の組み込みの効果が示される。4級化された窒素に対するパラ位のClの置換は、染料pKaを0.3〜0.4単位だけ上昇させる。このように、これらのpH感応性染料のpKaは、例えばクロロ(フルオロ、シアノ、トリフルオロメチル)のような電子吸引性基の考慮された配置によって、基本の構造のそれ(pKa=7.0)からいずれかの方向で調整することができる。
【0207】
本明細書に引用された引用文献の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0208】
図2〜9は、インドレニンの3,3'-位置での修飾に基づく本発明のシアニン染料の改良された性質を強調している。特に、図2は、コンピュータで生成された6-(1,2-ジメチル-7-スルホ-3-ヒドロベンゾ[e]インドリル)ヘキサン酸のエネルギー最小化構造を示している。ヘキサン酸の鎖は、ベンズインドール環の面に対して垂直である。ヘキサン酸の鎖のアルキルプロトンのいくつかは、該環の面の上にある。これはまた図3における5-(2,3-ジメチル-3H-インドール-3-イル)ペンタン-1-オール(実施例9)および6-(2,3-ジメチル-3H-インドール-3-イル)ヘキサン酸(実施例3)のNMRスペクトルによって実証される。ヘキサン酸およびペンタノールのアルキル鎖のプロトンが、インドール環によって遮蔽され、それゆえに高いフィールド(0.5〜0.7ppm)で現れる。図4において、NSCy3のNMRは、類似のアップフィールドのプロトン(矢印によって示される)を示す。Cy3.18についてのヘキサン酸プロトンは、1.5〜2.0ppmに出現する。そのような立体配置は、染料-染料凝集を防止し、それによって水溶液中の染料の蛍光明度が増加する。これは、本発明のこれらの新規な中間体の主たる利点である。図5は3種の非スルホン化Cy3染料およびそれらのIgGコンジュゲートの吸収スペクトルを示す。Cy3.10-IgGコンジュゲート(図5C)は、明白な染料-染料凝集を示唆するベースラインからかなり外れていることを示している。スペクトルCy3.24およびそのIgGコンジュゲート(図5B)ならびにNCy3およびそのIgGコンジュゲート(図5A)は、ほぼ同じである。しかし、水溶液中でNCy3がCy3.24より20〜25%明るい。これは、図6に示されている。メタノールおよびPBS溶液中の染料の同一濃度が、514nmで励起され;メタノール中の染料の蛍光強度は、ほぼ同じである。メタノール中の高い溶解度のために、染料-染料凝集は、まったく観察されない。しかしながら、リン酸塩緩衝液中では、NSCy3がCy3.24より20〜25%明るい。抗体複合化染料における染料同士の凝集の減少もまた図7から明白である。市販のCy7.18および新規なNSCy7の吸収スペクトルを、それらの抗体コンジュゲートと比較する。Cy7.18は、振動の肩に
おける増加から理解されるように抗体上でより多く凝集している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(XIV):
【化1】

[式中、
Ra、Rc、Rd、およびRfは、独立してVまたはL-V〔ここで、Lは、結合またはC1〜C22の直鎖状または分岐状のアルキルであって、場合によっては、0、1または2個の不飽和結合またはアルケニル、アルキニルおよびアリール基から選ばれる鎖間の基または不飽和のペンダントを含むものであり、Vは、水素、ハロゲン、-OH、-NH2、-SH、-CN、トリフルオロメチル、-SO3-、ホスフェート、ホスホネート、第4級アンモニウム、-NO2、モノ-またはジ-ニトロ置換ベンジル、-COOH、および-NHCORg(ここで、Rgは、C1〜C20の直鎖状または分岐状のアルキルである)、ターゲット結合基、反応性基、反応性部分、またはNHRh(ここで、Rhは、H、C1〜C20の直鎖状または分岐状のアルキルまたはCOOHである)から選ばれる〕から選ばれ、
Tは、下記:
【化2】

(ここで、LおよびVはそれぞれ、独立して上記で定義したとおりである)のいずれかであり、
Yは、O、S、-CH=CH-、>C(CH3)2
【化3】

および-N-(CH2)1〜10X(ここで、Xは、-COOH、-NH2、-SO3-、-OHおよびハロゲンから選ばれる)からなる群から選ばれ、
ZaおよびZbは、独立して下記の縮合環:
【化4】

のいずれかであり、p、u、vおよびrは、独立して0〜4の整数である]
の化合物。
【請求項2】
式中、Tが、=CR11R12〔ここで、R11およびR12は、例えばイソチオシアネート、イソシアネート、モノクロロトリアジン、ジクロロトリアジン、モノ-またはジ-ハロゲン置換ピリジン、モノ-またはジ-ハロゲン置換ジアジン、マレイミド、アジリジン、スルホニルハライド、酸ハライド、ヒドロキシサクシンイミドエステル、ヒドロキシスルホサクシンイミドエステル、イミドエステル、ヒドラジン、アジドニトロフェニル、アジド、3-(2-ピリジルジチオ)-プロプリオンアミド、グリオキザールおよびアルデヒドを含有する基のような反応性部分を含んでいてもよい〕である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記反応性基が、下記:
【化5A】

【化5B】

(式中、nは、1〜10の整数であり、QまたはWの少なくとも一方は、I、Br、Clのような脱離基である。)
から選ばれる請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
抗体、タンパク質、ペプチド、酵素基質、ホルモン、リンホカイン、代謝物質、受容体、抗原、ハプテン、レクチン、アビジン、ストレプトアビジン、毒素、炭水化物、オリゴ糖、多糖、核酸、誘導体化デオキシ核酸、DNA断片、RNA断片、誘導体化DNA断片、誘導体化RNA断片、ヌクレオシド、ヌクレオチド、天然薬物、合成薬物、ウイルス粒子、細菌粒子、ウイルス成分、酵母成分、血球、血球成分、血漿成分、血清成分、生物学的細胞、非細胞性血液成分、細菌、細菌成分、天然または合成の脂質小胞、毒物、環境汚染物質、ポリマー、ポリマー粒子、ガラス粒子、ガラス表面、プラスチック粒子、プラスチック表面、ポリマー膜、導体または半導体のいずれか一つの検出方法であって、前記の抗体、タンパク質、ペプチド、酵素基質、ホルモン、リンホカイン、代謝物質、受容体、抗原、ハプテン、レクチン、アビジン、ストレプトアビジン、毒素、炭水化物、オリゴ糖、多糖、核酸、誘導体化デオキシ核酸、DNA断片、RNA断片、誘導体化DNA断片、誘導体化RNA断片、ヌクレオシド、ヌクレオチド、天然薬物、合成薬物、ウイルス粒子、細菌粒子、ウイルス成分、酵母成分、血球、血球成分、血漿成分、血清成分、生物学的細胞、非細胞性血液成分、細菌、細菌成分、天然または合成の脂質小胞、毒物、環境汚染物質、ポリマー、ポリマー粒子、ガラス粒子、ガラス表面、プラスチック粒子、プラスチック表面、ポリマー膜、導体または半導体に結合した請求項1に記載の化合物を検出することを含む方法。
【請求項5】
抗体、タンパク質、ペプチド、酵素基質、ホルモン、リンホカイン、代謝物質、受容体、抗原、ハプテン、レクチン、アビジン、ストレプトアビジン、毒素、炭水化物、オリゴ糖、多糖、核酸、誘導体化デオキシ核酸、DNA断片、RNA断片、誘導体化DNA断片、誘導体化RNA断片、ヌクレオシド、ヌクレオチド、天然薬物、合成薬物、ウイルス粒子、細菌粒子、ウイルス成分、酵母成分、血球、血球成分、血漿成分、血清成分、生物学的細胞、非細胞性血液成分、細菌、細菌成分、天然または合成の脂質小胞、毒物、環境汚染物質、ポリマー、ポリマー粒子、ガラス粒子、ガラス表面、プラスチック粒子、プラスチック表面、ポリマー膜、導体または半導体のいずれか一つの検出方法であって、前記の抗体、タンパク質、ペプチド、酵素基質、ホルモン、リンホカイン、代謝物質、受容体、抗原、ハプテン、レクチン、アビジン、ストレプトアビジン、毒素、炭水化物、オリゴ糖、多糖、核酸、誘導体化デオキシ核酸、DNA断片、RNA断片、誘導体化DNA断片、誘導体化RNA断片、ヌクレオシド、ヌクレオチド、天然薬物、合成薬物、ウイルス粒子、細菌粒子、ウイルス成分、酵母成分、血球、血球成分、血漿成分、血清成分、生物学的細胞、非細胞性血液成分、細菌、細菌成分、天然または合成の脂質小胞、毒物、環境汚染物質、ポリマー、ポリマー粒子、ガラス粒子、ガラス表面、プラスチック粒子、プラスチック表面、ポリマー膜、導体または半導体に結合した請求項2に記載の化合物を検出することを含む方法。
【請求項6】
抗体、タンパク質、ペプチド、酵素基質、ホルモン、リンホカイン、代謝物質、受容体、抗原、ハプテン、レクチン、アビジン、ストレプトアビジン、毒素、炭水化物、オリゴ糖、多糖、核酸、誘導体化デオキシ核酸、DNA断片、RNA断片、誘導体化DNA断片、誘導体化RNA断片、ヌクレオシド、ヌクレオチド、天然薬物、合成薬物、ウイルス粒子、細菌粒子、ウイルス成分、酵母成分、血球、血球成分、血漿成分、血清成分、生物学的細胞、非細胞性血液成分、細菌、細菌成分、天然または合成の脂質小胞、毒物、環境汚染物質、ポリマー、ポリマー粒子、ガラス粒子、ガラス表面、プラスチック粒子、プラスチック表面、ポリマー膜、導体または半導体のいずれか一つの検出方法であって、前記の抗体、タンパク質、ペプチド、酵素基質、ホルモン、リンホカイン、代謝物質、受容体、抗原、ハプテン、レクチン、アビジン、ストレプトアビジン、毒素、炭水化物、オリゴ糖、多糖、核酸、誘導体化デオキシ核酸、DNA断片、RNA断片、誘導体化DNA断片、誘導体化RNA断片、ヌクレオシド、ヌクレオチド、天然薬物、合成薬物、ウイルス粒子、細菌粒子、ウイルス成分、酵母成分、血球、血球成分、血漿成分、血清成分、生物学的細胞、非細胞性血液成分、細菌、細菌成分、天然または合成の脂質小胞、毒物、環境汚染物質、ポリマー、ポリマー粒子、ガラス粒子、ガラス表面、プラスチック粒子、プラスチック表面、ポリマー膜、導体または半導体に結合した請求項3に記載の化合物を検出することを含む方法。
【請求項7】
分析または検出のための、請求項1に記載の化合物あるいはそれらを含む成分とのコンジュゲートの使用。
【請求項8】
分析または検出のための、請求項2に記載の化合物あるいはそれらを含む成分とのコンジュゲートの使用。
【請求項9】
分析または検出のための、請求項3に記載の化合物あるいはそれらを含む成分とのコンジュゲートの使用。
【請求項10】
前記検出が、光学的な手段によるものである請求項7に記載の使用。
【請求項11】
前記検出が、光学的な手段によるものである請求項8に記載の使用。
【請求項12】
前記検出が、光学的な手段によるものである請求項9に記載の使用。
【請求項13】
下記のもの:
i)2-{(1E,3E,5E)-5-[3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-3,3-ジメチル-5-スルホ-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム;
ii) 3-(5-カルボキシペンチル)-2-[(1E,3E,5E)-5-(5,7-ジクロロ-3,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエニル]-3-メチル-5-スルホ-l-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム;
iii) 2-{(1E,3E,5E)-5-[3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-5-クロロ-3,3-ジメチル-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム;
iv) 3-(5-カルボキシペンチル)-2-[(1E,3E,5E)-5-(7-クロロ-3,3-ジメチル-5-スルホ-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン)ペンタ-1,3-ジエニル]-3-メチル-5-スルホ-l-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム;
v)3-(5-カルボキシペンチル)-3-メチル-2-{(1E,3E,5E)-5-[3-メチル-5-スルホ-3-(4-スルホブチル)-1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-イリデン]ペンタ-1,3-ジエニル}-5-スルホ-1-(4-スルホブチル)-3H-インドリウム;および
vi)6,7,9,10-テトラヒドロ-2,14-ジスルホナート-16,16,18-トリメチル-7aH,8aH-ビスインドリニウム[3,2-a,3'2'-a]ピラノ[3,2-c;5,6-c']ジピリジン-5-イウム-18-ヘキサン酸からなる群から選ばれる化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−202876(P2010−202876A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87718(P2010−87718)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【分割の表示】特願2004−548262(P2004−548262)の分割
【原出願日】平成15年5月9日(2003.5.9)
【出願人】(504414101)カーネギー・メロン・ユニヴァーシティ (3)
【出願人】(398048914)ジーイー・ヘルスケア・ユーケイ・リミテッド (30)
【Fターム(参考)】