説明

定着制御装置、画像形成装置及びプログラム

【課題】フリッカを低減しつつ、ケミカルアタックの発生をより正確に判断して、無駄な電力の消費を抑制可能な定着制御技術を提供する。
【解決手段】中央部色温度検出部612は、ハロゲンヒータの中央部の色温度を検出する。端部色温度検出部613は、ハロゲンヒータの端部の色温度を検出する。ハロゲンガス濃度検出部614は、中央部の色温度及び端部の色温度の相関を用いて、端部のハロゲンガス濃度を検出する。ハロゲンサイクル点灯制御部615は、端部の色温度及び端部のハロゲンガス濃度を用いて、ケミカルアタックが発生しているか否かを判断し、当該判断結果が肯定的である場合、ハロゲンヒータにおけるハロゲンガス濃度を均一にすべくハロゲンランプを点灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着制御装置、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、トナーにより静電潜像が可視化されたトナー像が印刷用紙に転写されて、当該トナー画像が定着ヒータにより印刷用紙に定着させられることにより、印刷が行われる。このような定着ヒータとしては、ハロゲンヒータが用いられることが多い。このような定着ヒータを制御するためには、ハロゲンヒータに用いられるハロゲンランプの点灯のちらつき(フリッカという)を低減するための制御が必要とされている。従来より、定着ヒータを制御する制御方式(定着制御方式という)としては、例えば、半波制御や半波位相制御などの制御方式が、既に知られている。近年では、ハロゲンヒータの寿命が低下することを抑制する技術が開発されている。例えば、ハロゲンランプに用いられるタングステンフィラメントの色温度を検出し、当該色温度に基づいてハロゲンランプの点灯を行うことにより、ハロゲンランプの温度制御を行う技術が開発されている。特に、特許文献1の技術では、ハロゲンランプに供給される電流とコイルの質量とに応じて、最短の点灯時間を設定可能である。このような技術によれば、フリッカを低減しつつ、ハロゲンサイクルに入らずにケミカルアタックが発生することによって定着ヒータの寿命が低下することを抑制することができる。
【0003】
尚、ハロゲンサイクルとは以下のことである。ハロゲンランプに用いられるタングステンフィラメントは、電流が供給されて通電されると白熱し、高温になり、タングステン(W)が昇華する。昇華したWは、比較的に低温の部分である、ハロゲンランプの発光管の内壁面領域に移動し、ハロゲン(X)と化合し、ハロゲン化タングステン(WX2)を形成する。WX2の蒸気圧は比較的高いことから、ガスの状態で再びタングステンフィラメント部付近に戻る。タングステンフィラメント近傍で1,400℃以上に加熱されると、WX2はXとWに分離し、Wはタングステンフィラメントに戻り、自由になったXは再び同じ反応を繰り返す。このことがハロゲンサイクルである。
【0004】
これに対しケミカルアタックとは以下のことである。タングステンフィラメントが高温(タングステンが昇華する温度)になる前に、活性化したハロゲンがタングステンフィラメント上のタングステンと直接反応し、ハロゲン化タングステン(WX2)を形成する。このことがケミカルアタックである。タングステンフィラメントは腐食により凹凸に細る。この現象は、ハロゲンガスの濃度(ハロゲンガス濃度)が低い、もしくは、ハロゲンが正常温度位置でのハロゲンサイクルに全て使われていれば、発生しない現象である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、タングステンフィラメントの色温度を検出し、ケミカルアタックが発生しているか否かを判断し、検出した色温度に応じてハロゲンヒータの点灯を制御している。しかし、実際には、ハロゲンヒータに封入されているハロゲンガスの濃度もケミカルアタックが発生する1因子であり、色温度がケミカルアタックの発生のレベルに達していてもハロゲンガス濃度が一定値以下であれば、ケミカルアタックは発生しない。即ち、従来の技術では、ケミカルアタックが発生していると誤判断することがあり、ケミカルアタックが発生していないにも関わらず、色温度を上昇させるために、定着ヒータへ電力を無駄に供給して、電力を無駄に消費してしまう恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、フリッカを低減しつつ、ケミカルアタックの発生をより正確に判断して、無駄な電力の消費を抑制可能な定着制御装置、画像形成装置及びプログラムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ハロゲンガスが封入されているハロゲンランプが用いられたハロゲンヒータの熱により印刷媒体への画像の定着を行う画像形成装置において、前記ハロゲンヒータの点灯を制御する定着制御装置であって、前記ハロゲンヒータの中央部と端部との色温度を各々検出する色温度検出手段と、前記中央部の色温度及び前記端部の色温度の相関を用いて、前記端部にあるハロゲンガスの濃度である第1のハロゲンガス濃度を検出する濃度検出手段と、前記端部の色温度及び前記第1のハロゲンガス濃度を用いて、ケミカルアタックが発生しているか否かを判断する判断手段と、ケミカルアタックが発生していると前記判断手段が判断した場合に、前記ハロゲンヒータにおけるハロゲンガスの濃度である第2のハロゲンガス濃度を均一にすべく前記ハロゲンランプを点灯させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、プログラムであって、ハロゲンガスが封入されているハロゲンランプが用いられたハロゲンヒータの熱により印刷媒体への画像の定着を行う画像形成装置において、前記ハロゲンヒータの点灯を制御する定着制御装置で用いられるコンピュータを、前記ハロゲンヒータの中央部と端部との色温度を各々検出する色温度検出手段と、前記中央部の色温度及び前記端部の色温度の相関を用いて、前記端部にあるハロゲンガスの濃度である第1のハロゲンガス濃度を検出する濃度検出手段と、前記端部の色温度及び前記端部のハロゲンガス濃度を用いて、ケミカルアタックが発生しているか否かを判断する判断手段と、ケミカルアタックが発生していると前記判断手段が判断した場合に、前記ハロゲンヒータにおけるハロゲンガスの濃度である第2のハロゲンガス濃度を均一にすべく前記ハロゲンランプを点灯させる制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フリッカを低減しつつ、ケミカルアタックの発生をより正確に判断して、無駄な電力の消費を抑制可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、一実施の形態にかかる画像形成装置の構成の概要を例示する図である。
【図2】図2は、定着ユニット20に関連する構成を例示する図である。
【図3】図3は、定着ヒータ制御部610の機能を例示する図である。
【図4】図4は、ハロゲンヒータ20Aのタングステンフィラメントの色温度及びハロゲンガス濃度を検出する処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、図4のステップS1でハロゲンヒータ20Aの中央部の色温度を検出する処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、図4のステップS3でハロゲンヒータ20Aの端部のハロゲンガス濃度を検出する処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図4のステップS2で検出された色温度及びステップS3で検出されたハロゲンガス濃度を用いてケミカルアタック対策点灯制御を行う処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、図7のステップS4でケミカルアタックの発生の有無を判断する処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図7のステップS7でケミカルアタック対策点灯制御の終了の当否を判断する処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、一変形例にかかるケミカルアタック対策点灯制御の終了の当否を判断する処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、一変形例にかかるケミカルアタック対策点灯制御の終了の当否を判断する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる定着制御装置、画像形成装置及びプログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態にかかる画像形成装置の構成の概要を例示する図である。本実施の形態においては、電子写真方式の画像形成装置を例にして説明するが、このような画像形成装置の構成の大概は既知であるため、ここでは概要だけを説明する。画像形成装置は、読み取り光学系ユニット21、書き込み光学系ユニット27、定着ユニット20、制御ユニット及び電源ユニット(不図示)の各ユニットを備え、コピー機能及びプリント機能を実現させる。制御ユニットは、画像形成装置全体を制御する。電源ユニットは、AC(Alternating Current)電源から供給される交流電流を直流電流に変換し、制御ユニットの制御の下、各ユニットへ直流電流力を供給したりその供給を停止したりする。読み取り光学系ユニット21は、原稿に光を照射するための光源22、反射光を集光レンズ23に導くためのミラー群24、集められた反射光を読み取るための画像読み取り素子25及び光源22から発生する熱を外部に逃がすファン26から成り立っている。また、書き込み光学系ユニット27は、図示していない発光光源からの光をタイミングが合わされたポリゴンミラー28で反射させ、レンズ群29で集光させ、ミラー30で所定の方向に反射させて、帯電チャージャ32により既に帯電されている感光体ドラム31の表面に導き、読み取り像に合った静電潜像をつくる。この静電潜像は現像ローラ33で運ばれるトナーにより可視像化される。定着ユニット20は、ハロゲンガスが封入されているハロゲンランプ5を用いたハロゲンヒータの熱源を内蔵した定着ローラ6と圧接する加圧ローラ7とを含む。
【0013】
給紙カセット34には印刷用紙が収容されており、当該印刷用紙は、給紙ローラ35により感光体ドラム31の所定の位置迄給送され、感光体ドラム31の回転(矢印方向)にタイミングを合わして移動され、転写チャージャ36の働きで可視像化されたトナー像がその印刷用紙に転写される。その後、分離チャージャ37により印刷用紙に与えられた電荷が除電され、印刷用紙が感光体ドラム31から分離され、定着ユニット20でトナー像が印刷用紙に熱定着され、排出ローラ39により収納スタッカー40に送り出される。また、印刷用紙にトナー像が転写された後の感光体ドラム31はクリーニングユニット38で表面に残ったトナーが除去される。
【0014】
ここで、定着ユニット20に関連する構成について図2を用いて詳細に説明する。定着ユニット20は、上述したハロゲンヒータ20A、サーミスタ20B及び2つの照度センサ20C,20Dを有する。電源ユニット50は、フィルタ51、電磁リレー(RA)52、ゼロクロス検出回路53、整流回路54及びDDC回路55を有する。電源ユニット50の電磁リレー52と、ハロゲンヒータ20Aとはトライアック(TRI)70を介して接続される。ハロゲンヒータ20Aは、上述のハロゲンランプ5が用いられた熱源であり、定着ローラ6に内蔵される。サーミスタ20Bは、ハロゲンヒータ20Aにより温められる定着ローラ6の温度を検出する。照度センサ20C,20Dは、ハロゲンヒータ20Aの中央部及び端部に各々設けられ、照度を測定する。
【0015】
ゼロクロス検出回路53は、電源スイッチ80によるAC電源のオン/オフの切り替えの際に交流電圧のゼロ地点(ゼロクロス点)の通過を検出する。フィルタ51は、電源スイッチ80がオンされると、AC電源から供給される電流からノイズを除去して整流回路54及び電磁リレー52に供給する。整流回路54は、フィルタ51から供給された交流電流を整流してDDC回路55に供給する。DDC回路55は、整流回路54から供給された交流電流を直流電流に変換して制御ユニット60に供給する。電磁リレー52は、後述の制御ユニット60の有するCPU61の制御の下、フィルタ51から供給された交流電流をTRI70に供給する。TRI70は、CPU61の制御の下、オン又はオフにされて、ハロゲンヒータ20Aへの交流電流の供給又は供給の停止を行う。
【0016】
制御ユニット60は、画像形成装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)61と、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の主記憶部と、各種データや各種プログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶部とを有する。CPU61は、主記憶部や補助記憶部や記憶された各種プログラムを実行することにより、画像形成装置全体を制御し、画像形成装置において各種機能を実現させる。具体的には、CPU61は、定着ユニット20における定着制御を行う定着ヒータ制御部610の機能を実現させる。
【0017】
ここで、定着ヒータ制御部610の機能について図3を用いて説明する。定着ヒータ制御部610は、ハロゲンヒータ20Aを制御する定着制御の制御方式として、半波制御及び半波位相制御のうちいずれかを選択してハロゲンヒータ20Aを制御するものであり、ハロゲンサイクル制御部611を有する。ハロゲンサイクル制御部611は、定着制御において、ハロゲンヒータ20Aで用いられるハロゲンランプ5の点灯を制御する(点灯制御という)ものであり、中央色温度検出部612、端部色温度検出部613、ハロゲンガス濃度検出部614及びハロゲンサイクル点灯制御部615を有する。これらの各部の実体は、CPU61が各種プログラムを実行する際にRAMなどの主記憶部上に生成されるものである。
【0018】
中央色温度検出部612は、照度センサ検出部616、色温度変換部617及び記憶部618を有する。照度センサ検出部616は、ハロゲンヒータ20Aの中央部に設けられた照度センサ20Cが測定した照度を検出する。記憶部618は、例えばHDDなどの補助記憶部上の記憶領域であり、照度及び色温度の相関を示す第1相関データを記憶する。色温度とは、ある色を放つ光源が発している光の色を定量的な数値で表現する尺度(単位)である。相関とは、一方の変化に応じて他方が変化する関係のことである。色温度変換部617は、記憶部618に記憶された第1相関データを用いて、照度センサ検出部616が検出した照度に対応する色温度を求める。尚、ハロゲンヒータ20Aに用いられるタングステンフィラメントの色温度は、追従性が遅く、10ms単位で変化する定着制御では直接検出することはできない。このため、照度センサ20Cで測定された照度を用いて色温度を求めるのである。以上のようにして、中央色温度検出部612は、ハロゲンヒータ20Aの中央部の色温度を検出する。
【0019】
端部色温度検出部613は、照度センサ検出部619、色温度変換部620及び記憶部621を有する。照度センサ検出部619は、ハロゲンヒータ20Aの端部に設けられた照度センサ20Dが測定した照度を検出する。記憶部621は記憶部618と同様である。色温度変換部620は、記憶部621に記憶された第1相関データを用いて、照度センサ検出部619が検出した照度に対応する色温度を求める。以上のようにして、端部色温度検出部613は、ハロゲンヒータ20Aの端部の色温度を検出する。
【0020】
ハロゲンガス濃度検出部614は、色温度−ハロゲンガス濃度相関データ保持部622を有する。色温度−ハロゲンガス濃度相関データ保持部622は、例えばHDDなどの補助記憶部上の記憶領域であり、ハロゲンヒータ20Aの中央部と端部との色温度の差、ハロゲンヒータ20Aの端部の色温度及びハロゲンヒータ20Aに封入されているハロゲンガスの量及びハロゲンガス濃度の相関を示す第2相間データを記憶する。ハロゲンヒータ20Aに封入されているハロゲンガスの濃度(ハロゲンガス濃度)は、ハロゲンヒータ20Aの端部と中央部との色温度の差によって変化し、温度の低い部分にて濃度が高くなる性質がある。また、ケミカルアタックの発生の閾値となる色温度及びハロゲンガス濃度は、ハロゲンヒータ20A個体毎に異なるので、その値の取得が予め必要であり、定着制御の対象となるハロゲンヒータ20Aの中央部と端部との各色温度の変化を事前に実測することにより取得する。そして、ハロゲンガスの性質を利用し、ハロゲンヒータ20Aの中央部と端部との色温度の差、ハロゲンヒータ20Aの端部の色温度、ハロゲンヒータ20Aに封入されているハロゲンガスの量及びハロゲンガス濃度の相関を予め把握してこの相関を示す第2相関データを色温度−ハロゲンガス濃度相関データ保持部622に記憶させておくのである。
【0021】
ハロゲンガス濃度検出部614は、色温度変換部617が求めた色温度及び色温度変換部620が求めた色温度を用いて、ハロゲンヒータ20Aの中央部と端部との色温度の差を算出し、色温度−ハロゲンガス濃度相関データ保持部622に記憶された第2相関データを参照して、ハロゲンガス濃度を求めることにより、ハロゲンヒータ20Aの端部にあるハロゲンガスの濃度を検出する。
【0022】
ハロゲンサイクル点灯制御部615は、ハロゲンガス濃度検出部614が検出したハロゲンガス濃度と、端部色温度検出部613が検出した色温度とを用いて、ケミカルアタックが発生しているか否かを判断すると共に、ハロゲンサイクルに入ったか否かを判断し、当該判断結果に応じて、ハロゲンヒータ20Aの点灯制御を行う。この点灯制御とは、上述した電磁リレー52及びTRI70を制御して、ハロゲンヒータ20Aへの交流電流の供給及びその供給の停止を制御することであり、サーミスタ20Bで検出された定着ローラ6の温度が、予め設定された目標温度で安定するように、ハロゲンランプ5の点灯させたり又は消灯させたりしてその点灯を制御して、ハロゲンヒータ20Aの色温度を制御することである。
【0023】
ケミカルアタックの判断基準は以下のとおりである。上述したように、ケミカルアタックの発生の閾値となる色温度及びハロゲンガス濃度は、ハロゲンヒータ20A個体毎に異なる。例えば、ハロゲンガス濃度の閾値(濃度閾値という)を10-4atmと設定し、端部の色温度(色温度閾値という)を2000Kと設定した場合、ハロゲンサイクル点灯制御部615は、ハロゲンガス濃度検出部614が検出したハロゲンガス濃度が10-4atm以上である場合且つ端部色温度検出部613が検出した色温度が2000K以下である場合に、ケミカルアタックが発生していると判断する。そして、この場合、ハロゲンサイクル点灯制御部615は、ハロゲンサイクルに入るべく、即ち、ハロゲンヒータ20Aにおけるハロゲンガスの濃度を均一にすべく、ハロゲンランプ5を点灯させて、ハロゲンヒータ20Aの色温度を上昇させる点灯制御(ケミカルアタック対策点灯制御という)を行う。
【0024】
また、ハロゲンサイクル点灯制御部615は、ケミカルアタック対策点灯制御を行っている際、ハロゲンガス濃度検出部614が検出したハロゲンガス濃度が10-4atmより小さくなった場合、ハロゲンサイクルに入ったと判断し、ケミカルアタック対策点灯制御を終了すべく、ハロゲンランプ5を消灯させて、ケミカルアタックが発生していない場合と同様の点灯制御を行う。
【0025】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置の行う処理の手順について説明する。まず、ハロゲンヒータ20Aのタングステンフィラメントの色温度及びハロゲンガス濃度を検出する処理の手順について図4を用いて説明する。画像形成装置は、中央色温度検出部612の機能により、ハロゲンヒータ20Aの中央部の色温度を検出する(ステップS1)。また、画像形成装置は、端部色温度検出部613の機能により、ハロゲンヒータ20Aの端部の色温度を検出する(ステップS2)。次いで、画像形成装置は、ハロゲンガス濃度検出部614の機能により、ステップS1で検出されたハロゲンヒータ20Aの中央部の色温度及びステップS2で検出されたハロゲンヒータ20Aの端部の色温度を用いて、ハロゲンヒータ20Aの端部のハロゲンガス濃度を検出する(ステップS3)。尚、画像形成装置は、ステップS1〜S3の処理を定期的又は任意のタイミングで行う。
【0026】
ここで、ステップS1でハロゲンヒータ20Aの中央部の色温度を検出する処理の手順について図5を用いて説明する。画像形成装置は、照度センサ20Cで照度が測定されると(ステップS10:YES)、中央色温度検出部612の機能により、記憶部618に記憶された第1相関データを参照して、当該照度に対応する色温度を求める(ステップS11)。ステップS10の判断結果が否定的である場合、ステップS10に戻る。尚、ステップS2でハロゲンヒータ20Aの端部の色温度を検出する処理の手順も図5と同様である。ステップS10では、画像形成装置は、照度センサ20Dで照度が測定されると(ステップS10:YES)、ステップS11では、端部色温度検出部613の機能により、記憶部621に記憶された第1相関データを参照して、当該照度に対応する色温度を求める。
【0027】
次に、ステップS3でハロゲンヒータ20Aの端部のハロゲンガス濃度を検出する処理の手順について図6を用いて説明する。画像形成装置は、ハロゲンガス濃度検出部614の機能により、ステップS1で検出されたハロゲンヒータ20Aの中央部の色温度及びステップS2で検出されたハロゲンヒータ20Aの端部の色温度を用いて、中央部と端部との色温度の差を算出し(ステップS20)、色温度−ハロゲンガス濃度相関データ保持部622に記憶された第2相関データを参照して、色温度の差(Kdif)、端部の色温度(Kend)及びハロゲンヒータ20Aに封入されているハロゲンガスの量に対応するハロゲンガス濃度(Dend)を求めることにより、ハロゲンヒータ20Aの端部のハロゲンガス濃度(Dend)を検出する(ステップS21)。
【0028】
次に、ステップS2で検出された色温度及びステップS3で検出されたハロゲンガス濃度を用いてケミカルアタック対策点灯制御を行う処理の手順について図7を用いて説明する。画像形成装置は、ハロゲンサイクル点灯制御部615の機能により、ケミカルアタックが発生しているか否かを判断し(ステップS4)、ケミカルアタックが発生していると判断した場合(ステップS5:YES)、ハロゲンサイクルに入るべく、ケミカルアタック対策点灯制御を行う(ステップS6)。その後、画像形成装置は、ケミカルアタック対策点灯制御を終了するか否かを判断し(ステップS7)、終了すると判断した場合(ステップS8)、ケミカルアタック対策点灯制御を終了して(ステップS9)、ケミカルアタックが発生していない場合と同様の点灯制御を行う。ステップS5の判断結果が否定的である場合、ステップS4に戻り、ステップS8の判断結果が否定的である場合、ステップS7に戻る。
【0029】
ここで、ステップS4でケミカルアタックの発生の有無を判断する処理の手順について図8を用いて説明する。画像形成装置は、ハロゲンサイクル点灯制御部615の機能により、ステップS2で検出された色温度(Kend)が色温度閾値(Kthre)より小さいか否かを判断する(ステップS30)。当該判断結果が否定的である場合(ステップS30:NO)、画像形成装置は、ケミカルアタックが発生していないと判断して、ステップS30に戻り、当該判断結果が肯定的である場合(ステップS30:YES)、ステップS3で検出されたハロゲンガス濃度(Dend)が濃度閾値(Dthre)より大きいか否かを判断する(ステップS31)。当該判断結果が否定的である場合(ステップS31:NO)、画像形成装置は、ケミカルアタックが発生していないと判断して、ステップS31に戻り、当該判断結果が肯定的である場合(ステップS31:YES)、ケミカルアタックが発生していると判断する(ステップS32)。この場合、図7のステップS5の判断結果が肯定的となり、ステップS6に進む。
【0030】
ステップS6では、画像形成装置は、ハロゲンサイクルに入るべく、ハロゲンランプ5を点灯させて、ハロゲンヒータ20Aの色温度を上昇させるケミカルアタック対策点灯制御を行う。その後、画像形成装置は、ケミカルアタック対策点灯制御を終了するか否かを判断する(ステップS7)。
【0031】
ここで、ステップS7でケミカルアタック対策点灯制御の終了の当否を判断する処理の手順について図9を用いて説明する。尚、上述したように、画像形成装置は、ステップS1〜S3の処理を定期的又は任意のタイミングで行っている。このため、画像形成装置は、ケミカルアタック対策点灯制御を行っている間、新たにステップS3でハロゲンガス濃度を検出すると、当該ハロゲンガス濃度(Dend)が濃度閾値(Dthre)より小さいか否かを判断する(ステップS40)。当該判断結果が否定的である場合(ステップS40:NO)、画像形成装置は、ハロゲンサイクルに入っていないため、ケミカルアタック対策点灯制御を終了しないと判断して、ステップS40に戻り、当該判断結果が肯定的である場合(ステップS40:YES)、ハロゲンサイクルに入ったと判断して、ケミカルアタック対策点灯制御を終了すると判断する(ステップS41)。この場合、図7のステップS7の判断結果が肯定的となり、ステップS8に進む。
【0032】
ステップS8では、画像形成装置は、ハロゲンランプ5を消灯させて、ケミカルアタック対策点灯制御を終了し、ケミカルアタックが発生していない場合と同様の点灯制御を行う。
【0033】
以上のように、ケミカルアタックの発生が著しい、ハロゲンヒータ20Aの端部のみならず、中央部にも照度センサを設け、ハロゲンヒータ20Aの端部及び中央部のそれぞれで測定された照度を用いて、端部及び中央部のそれぞれの色温度を検出する。これらの色温度の差により、ハロゲンヒータ20Aに封入されたハロゲンガスの濃度に偏りが発生するので、中央と端部の色温度と色温度差を検出することで、端部のハロゲンガス濃度を検出し、そのハロゲンガス濃度と端部の色温度とにより、ケミカルアタックの発生をより正確に判断することができる。従来では、色温度のみを用いてケミカルアタックの発生を判断していたので、誤判断により、ハロゲンヒータに用いられるハロゲンランプを無駄に点灯させて、電力を無駄に消費する恐れがあった。一方、本実施の形態においては、ケミカルアタックの発生をより正確に判断して、ハロゲンサイクルに入るべく、ハロゲンランプ5を点灯させる点灯制御を行うことにより、発生してもいないケミカルアタックに対する対策としてのハロゲンランプ5の無駄な点灯を避けることができる。このため、フリッカを低減しつつ、無駄な電力の消費を抑制することができる。
【0034】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0035】
上述した実施の形態において、画像形成装置で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成しても良い。
【0036】
上述した実施の形態において、画像形成装置は、コピー機能及びプリント機能を実現させるものであるとしたが、この他、スキャナ機能やファクシミリ機能を更に実現させる複合機であっても良いし、コピー機能を実現させる複写機であっても良いし、プリント機能を実現させるプリンタであっても良い。
【0037】
上述した実施の形態において、記憶部618は、照度及び色温度の相関を示す第1相関データではなく、照度及び色温度の相関を用いて、照度から色温度を求めるための算出式を記憶し、色温度変換部617は、記憶部618に記憶された当該算出式を用いて、照度センサ検出部616が検出した照度に対応する色温度を算出するようにしても良い。記憶部621及び色温度変換部620についても同様である。
【0038】
また、色温度−ハロゲンガス濃度相関データ保持部622は、ハロゲンヒータ20Aの中央部と端部との色温度の差、ハロゲンヒータ20Aの端部の色温度、ハロゲンヒータ20Aに封入されているハロゲンガスの量及びハロゲンガス濃度の相関を示す第2相関データではなく、この相関を用いて、ハロゲンヒータ20Aの中央部と端部との色温度の差又は中央部の色温度と、端部の色温度とを変数として端部のハロゲンガス濃度を算出するための算出式を記憶し、ハロゲンサイクル点灯制御部615は、色温度−ハロゲンガス濃度相関データ保持部622に記憶された当該算出式を用いて、ハロゲンヒータ20Aの中央部と端部との色温度の差又は中央部の色温度と、端部の色温度とから、端部のハロゲンガス濃度を算出するようにしても良い。
【0039】
上述の実施の形態においては、図7のステップS7では、画像形成装置は、図9に示される処理を行うようにしたが、これに限らない。画像形成装置がケミカルアタック対策点灯制御を行うことで、ハロゲンヒータ20Aの端部のハロゲンガス濃度が低くなってくる。このため、画像形成装置は、その低くなる傾斜から、ハロゲンガス濃度が濃度閾値以下となるタイミングを予測し、ケミカルアタック対策点灯制御を終了するタイミングを予測し、予測したタイミングでケミカルアタック対策点灯制御を終了し、ケミカルアタックが発生していない場合と同様の点灯制御を行うようにしても良い。図10は、本変形例にかかるケミカルアタック対策点灯制御の終了の当否を判断する処理の手順を示すフローチャートである。画像形成装置は、新たにステップS3でハロゲンガス濃度を検出すると(ステップS50)、ハロゲンサイクル点灯制御部615の機能により、当該ハロゲンガス濃度(Dend)が濃度閾値(Dthre)以下となる時間から、ハロゲンランプ5を消灯させる時間Tを予測する(ステップS51)。そして、画像形成装置は、時間の経過を計測して、ステップS51で予測した時間Tに到達したか否かを判断する(ステップS52)。当該判断結果が否定的である場合(ステップS52:NO)、画像形成装置は、ケミカルアタック対策点灯制御を終了しないと判断して、ステップS52に戻り、当該判断結果が肯定的である場合(ステップS52:YES)、ケミカルアタック対策点灯制御を終了すると判断する(ステップS53)。この場合、図7のステップS7の判断結果が肯定的となり、ステップS8に進む。
【0040】
以上のように、画像形成装置は、ケミカルアタック対策点灯制御を行なっている際に、ハロゲンガス濃度の変化の傾向から、ハロゲンランプ5の消灯のタイミングを予測して、予測したタイミングでハロゲンランプ5を消灯させることで、実際にハロゲンガス濃度が濃度閾値より小さくなる前に早めに、ハロゲンランプ5を消灯させることができ、オーバーシュートを起こさないようにすることができる。このため、無駄な電力の消費をより効果的に抑制することができる。
【0041】
この他、図7のステップS7では、図11に示されるような処理を行うようにしても良い。画像形成装置は、ハロゲンサイクル点灯制御部615の機能により、新たにステップS2で検出されたハロゲンヒータ20Aの端部の色温度が色温度閾値以上であるか否かを判断する(ステップS60)。当該判断結果が否定的である場合(ステップS60:NO)、画像形成装置は、ケミカルアタック対策点灯制御を終了しないと判断して、ステップS60に戻り、当該判断結果が肯定的である場合(ステップS60:YES)、定着制御方式として半波制御の制御方式に変更して、ケミカルアタック対策点灯制御を行う(ステップS61)。そして、画像形成装置は、新たにステップS3で検出されたハロゲンヒータ20Aの端部のハロゲンガス濃度が濃度閾値以下であるか否かを判断する(ステップS62)。当該判断結果が否定的である場合(ステップS62:NO)、画像形成装置は、ケミカルアタック対策点灯制御を終了しないと判断して、ステップS62に戻り、当該判断結果が肯定的である場合(ステップS62:YES)、ケミカルアタック対策点灯制御を終了すると判断する(ステップS63)。この場合、図7のステップS7の判断結果が肯定的となり、ステップS8に進む。
【0042】
以上のように、ケミカルアタック対策点灯制御を行なっている際に、ハロゲンヒータ20Aの端部の色温度が色閾値以上となった後、ハロゲンガス濃度が濃度閾値に達するまでの間の定着制御を半波制御の制御方式で行うことで、色温度閾値以上の色温度を維持しながら、無駄な電力の消費を抑制して、温度リップルを抑制した制御が可能となり、フリッカを低減することができる。
【0043】
上述した実施の形態においては、ハロゲンヒータ20Aの端部に照度センサ20Dを設けるようにしたが、ハロゲンヒータ20Aの両端にそれぞれ照度センサ20Dを設けるようにしても良いし、一端のいずれに照度センサ20Dを設けても良い。
【符号の説明】
【0044】
5 ハロゲンランプ
6 定着ローラ
7 加圧ローラ
20 定着ユニット
20A ハロゲンヒータ
20B サーミスタ
20C,20D 照度センサ
50 電源ユニット
51 フィルタ
52 電磁リレー
53 ゼロクロス検出回路
54 整流回路
55 DDC回路
60 制御ユニット
61 CPU
610 定着ヒータ制御部
611 ハロゲンサイクル制御部
612 中央色温度検出部
613 端部色温度検出部
614 ハロゲンガス濃度検出部
615 ハロゲンサイクル点灯制御部
616 照度センサ検出部
617 色温度変換部
618 記憶部
619 照度センサ検出部
620 色温度変換部
621 記憶部
622 ハロゲンガス濃度相関データ保持部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開平8−202200号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲンガスが封入されているハロゲンランプが用いられたハロゲンヒータの熱により印刷媒体への画像の定着を行う画像形成装置において、前記ハロゲンヒータの点灯を制御する定着制御装置であって、
前記ハロゲンヒータの中央部と端部との色温度を各々検出する色温度検出手段と、
前記中央部の色温度及び前記端部の色温度の相関を用いて、前記端部にあるハロゲンガスの濃度である第1のハロゲンガス濃度を検出する濃度検出手段と、
前記端部の色温度及び前記第1のハロゲンガス濃度を用いて、ケミカルアタックが発生しているか否かを判断する判断手段と、
ケミカルアタックが発生していると前記判断手段が判断した場合に、前記ハロゲンヒータにおけるハロゲンガスの濃度である第2のハロゲンガス濃度を均一にすべく前記ハロゲンランプを点灯させる制御手段とを備える
ことを特徴とする定着制御装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記端部の色温度が第1閾値より小さい場合且つ前記第1のハロゲンガス濃度が第2閾値より大きい場合、ケミカルアタックが発生していると判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の定着制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、ケミカルアタックが発生していると前記判断手段が判断した場合に、前記第2のハロゲンガス濃度を均一にすべく前記ハロゲンランプを点灯させた後、前記第1のハロゲンガス濃度が前記第2閾値以下となった場合には、前記ハロゲンランプを消灯させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、ケミカルアタックが発生していると前記判断手段が判断した場合に、前記第2のハロゲンガス濃度を均一にすべく前記ハロゲンランプを点灯させた後、前記ハロゲンガスの濃度の変化の傾向に基づいて、前記第1のハロゲンガス濃度が前記第2閾値以下となるタイミングを予測し、当該タイミングで前記ハロゲンランプを消灯させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、ケミカルアタックが発生していると前記判断手段が判断した場合に、前記第2のハロゲンガス濃度を均一にすべく前記ハロゲンランプを点灯させた後、前記端部の色温度が前記第1閾値以上となった場合、前記端部のハロゲンガス濃度が前記第2閾値以下となるまで、半波制御により、前記ハロゲンランプの点灯を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着制御装置。
【請求項6】
前記中央部の色温度と前記端部の色温度との差、前記端部の色温度、前記ハロゲンヒータに封入されているハロゲンガスの量及び当該ハロゲンガスの濃度である前記第2のハロゲンガス濃度の相関を示す相関データを記憶する記憶手段を更に備え、
前記濃度検出手段は、前記中央部の色温度、前記端部の色温度及び前記相関データを用いて、前記第1のハロゲンガス濃度を求めることにより、前記第1のハロゲンガス濃度を検出する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の定着制御装置。
【請求項7】
前記中央部の色温度と前記端部の色温度との差又は前記中央部の色温度、前記端部の色温度、前記ハロゲンヒータに封入されているハロゲンガスの量及び当該ハロゲンガスの濃度である前記第2のハロゲンガス濃度の相関に基づいて、前記色温度の差又は前記中央部の色温度と、前記端部の色温度とを変数として前記第1のハロゲンガス濃度を算出するための算出式を記憶する記憶手段を更に備え、
前記濃度検出手段は、前記中央部の色温度、前記端部の色温度及び前記算出式を用いて、前記第1のハロゲンガス濃度を算出することにより、前記第1のハロゲンガス濃度を検出する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の定着制御装置。
【請求項8】
前記色温度検出手段は、前記ハロゲンヒータの中央部に設けられた第1照度センサが測定した照度及び色温度の相関を用いて、前記中央部の色温度を求めることにより、前記中央部の色温度を検出し、前記ハロゲンヒータの端部に設けられた第2照度センサが測定した照度及び色温度の相関を用いて、前記中央部の色温度を求めることにより、前記端部の色温度を検出する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の定着制御装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の定着制御装置を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
ハロゲンガスが封入されているハロゲンランプが用いられたハロゲンヒータの熱により印刷媒体への画像の定着を行う画像形成装置において、前記ハロゲンヒータの点灯を制御する定着制御装置で用いられるコンピュータを、
前記ハロゲンヒータの中央部と端部との色温度を各々検出する色温度検出手段と、
前記中央部の色温度及び前記端部の色温度の相関を用いて、前記端部にあるハロゲンガスの濃度である第1のハロゲンガス濃度を検出する濃度検出手段と、
前記端部の色温度及び前記端部のハロゲンガス濃度を用いて、ケミカルアタックが発生しているか否かを判断する判断手段と、
ケミカルアタックが発生していると前記判断手段が判断した場合に、前記ハロゲンヒータにおけるハロゲンガスの濃度である第2のハロゲンガス濃度を均一にすべく前記ハロゲンランプを点灯させる制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−63644(P2012−63644A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208636(P2010−208636)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】