説明

定着器及び画像形成装置

【課題】画質の劣化を招くことなく、自らの高温を報知する定着器並びにそのような定着器を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置から着脱できる定着器の外壁面上に発光素子201〜203を配設する。発光素子201〜203は熱電変換素子112から給電を受ける。定着器を画像形成装置内に装着した状態で発光すると感光体に影響を与える発光素子202、203は、装着状態で発光しないように、着脱検出スイッチ203にて装着状態を検出して、熱電変換素子112からの給電を断つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着器及び画像形成装置に関し、特に、定着器を安全に取り扱うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、記録シート上に転写したトナーを、例えば、摂氏180度まで加熱して溶融させ、圧着する定着器を備えている。このため、定着器は高温になっていることがあり、定着器を画像形成装置から取り外して点検や交換する際に取扱いを誤ると、作業者が火傷したり、定着器を取り落としたりするおそれがあるので、高温に対する注意を促すマークや文言を記載したシール等が定着器に貼り付けられるのが一般的である。
【0003】
しかしながら、定着器は常に高温であるとは限らない。例えば、電源断後、ある程度の時間が経過すると、定着器は放熱冷却して常温に還る。このため、注意を促すシール等が目に入っても、通電されていないから十分冷却しているだろうと早合点をして、未だ高温の定着器に触れてしまう事故が起こり得る。
このような問題に対して、例えば、熱源である魔法瓶に熱電変換素子を取り付け、この熱電変換素子からLED(light emitting diode)に電力供給し、LEDの点灯の有無によって高温を表示する技術を応用することが考えられる(特許文献1を参照)。
【0004】
このような技術を応用すれば、定着器が画像形成装置本体に取着されていると否とに関わらず、定着器が高温であるほどLEDを明るく点灯させることによって定着器の温度を報知することができると期待される。
【特許文献1】実開平6−76837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画像形成装置には、感光体を露光することによって静電潜像を形成するという特有の事情があり、不用意にLEDを点灯させると、画質の劣化を招くおそれがある。
さりとて、定着器の高温による事故を防止するという目的に鑑みれば、LEDの取り付け位置が感光体を露光させない範囲に制限されるのは必ずしも望ましくない。
【0006】
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、画質の劣化を招くことなく、自らの高温を報知する定着器並びにそのような定着器を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る定着器は、画像形成装置に着脱自在に構成され、トナー像を加熱溶融して記録シートに定着させる定着器であって、自器の廃熱を利用して発電する熱電変換素子と、自器の外壁面上に配設され、熱電変換素子からの給電によって発光する発光素子と、熱電変換素子から発光素子に至る給電経路上に配され、自器が画像形成装置に装着されている場合にオフされ、装着されていない場合にオンされるスイッチ手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、定着器が画像形成装置に装着されている場合には、スイッチがオフされて、熱電変換素子から発光素子への給電が途絶するので、感光体への影響をなくして、画質の劣化を防止することができる。
この場合において、前記スイッチ手段は、自器が画像形成装置に装着される状態に変更した場合に、画像形成装置側に設けられた係合部に係合して接点が切り離される構成としても良い。
【0009】
また、発光素子は、複数の外壁面のうちの2以上の外壁面に配設されていることを特徴とする。このようにすれば、どちら側から定着器を見ても、その温度状態が分かるので作業者の安全を担保することができる。
この場合において、前記複数の外壁面のうち発光素子の出射光が画像形成装置の感光体に影響を与えない外壁面に配設された発光素子に至る、熱電変換素子からの給電経路上には、前記スイッチ手段は配されないとしても良い。このようにすれば、画質に影響を与えることなく、画像形成装置から定着器を取り外す前に、その温度状態を知ることができる。
【0010】
また、前記複数の外壁面上に配設された発光素子は、共通の熱電変換素子から給電を受けるとしても良いし、熱電変換素子は、複数の外壁面上に配設されており、前記複数の外壁面に配設された発光素子は、それぞれ同じ外壁面に配設された熱電変換素子から給電を受けるとしても良い。特に後者の場合には、外壁面毎に温度状態を知ることができるので、一部の外壁面のみが高温であるような場合でも定着器を安全に取り扱うことができる。
【0011】
また、前記熱電変換素子は、複数のP型半導体片と複数のN型半導体片とが交互に電気的に直列接続されてなる熱電変換回路を複数個備え、複数個の熱電変換回路が互いに並列接続されてなることを特徴とする。このようにすれば、発光素子により長時間給電できるので、定着器の温度が十分に低下する前に電力が不足して発光素子が消灯するのを回避することができる。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る定着器を備えることを特徴とする。このようにすれば、上述のような効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る定着器及び画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1] 画像形成装置の構成
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。図1に示されるように、画像形成装置1は、イメージングユニット100Y〜100K、露光器101、中間転写ベルト102、2次転写ローラ103、クリーナ104、給紙カセット105、ピックアップローラ106、定着器107、排紙ローラ108、排紙トレイ109及び扉110を備え、トナーボトル111Y〜111Kが装着されている。また、定着器107は熱電変換素子112を備えている。
【0014】
イメージングユニット100Y〜100Kは、露光器101が形成した静電潜像を現像してイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のトナー像を形成し、中間転写ベルト102上へ一次転写する。中間転写ベルト102上の残留トナーはクリーナ104にて除去される。
給紙カセット105は内部に記録シートPを格納する。記録シートPはピックアップローラ106によって1枚ずつ取り出され、搬送路へと送り出される。2次転写ローラ103は中間転写ベルト102上のトナー像を記録シート上へ静電転写する。
【0015】
定着器107はトナー像を溶融し、記録シートに圧着する。その後、記録シートは排紙ローラ107にて排紙トレイ108上に排出される。
定着器107は不図示のガイドレール上に載置されており、ガイドレール上で矢印A方向に滑動することができる。また、扉110を矢印B方向へ開扉すれば、定着器107を引き出して交換等することができる。
【0016】
トナーボトル111Y〜111Kは着脱可能に装着されており、それぞれイメージングユニット100Y〜100Kへ各色のトナーを供給する。
熱電変換素子112は、一方の側面が定着器107から熱を受けて温められ、他方の側面が放熱フィンによって冷却されることによって生じる温度差を利用して発電する。熱電変換素子112は、後述のように定着器107の外壁面上に配設された発光素子に給電する。
【0017】
[2]定着器107の構成
次に、定着器107の構成について説明する。
(1)全体構成
まず、定着器107の全体構成について説明する。
図2は、定着器107の主要な構成を示す外観斜視図である。図2に示されるように、定着器107の扉110に対向する外壁面上には発光素子201が配設されている。また、定着器107の他の外壁面上には発光素子202、203が配設されている。更に、図2において定着器107の背後に隠れた外壁面上にも発光素子が配設されている(図示省略)。
【0018】
定着器107の扉110とは反対側に位置すべき箇所には着脱検出スイッチ204が配設されており、後述のようにして定着器107の着脱が検出されることによって、熱電変換素子112から発光素子202等への給電が行われたり、断たれたりする。一方、発光素子201は定着器107の着脱状態に関わらず熱電変換素子112に接続されている。
定着器107には加熱ローラ205と加圧ローラ206とが内蔵されている。また、定着器107には、記録シートの搬送経路にあたる位置に、記録シートの進入口208と排出口207とが設けられている。
【0019】
(2)熱電変換素子112
次に、熱電変換素子112の主要な構成について説明する。
図3は、熱電変換素子112の主要な構成を示す図である。図3に示されるように、熱電変換素子112はP型半導体片とN型半導体片とが交互に接続されてなる。P型半導体では正孔(ホール)が、N型半導体では電子が、それぞれ高温側から低温側へ移動する現象をゼーベック効果といい、正孔と電子との移動方向が互いに反対になるように半導体片303を接続することによって、熱電変換素子112を挟む両側の温度差を電位差に変換することができる。
【0020】
なお、半導体片303は電極板302を用いて互いに電気的に接続される。また、熱電変換素子112の低温側の電極板302には放熱フィン301が固定されている。これによって、より大きな温度差を熱電変換素子102に与えて、発電効率を向上させることができる。
(3)着脱検出スイッチ204
次に、着脱検出スイッチ204の構成について説明する。
【0021】
図4は、着脱検出スイッチ204の構成を示す断面図であって、(a)はオン状態を示し、(b)はオフ状態を示す。図4(a)に示されるように、着脱検出スイッチ204は、板バネ部401にて接点402を接触させることによって導通する。着脱検出スイッチ204の電極は何れも絶縁部材403を介して、定着器107の筐体404の内壁面上に固定されている。
【0022】
また、図4(b)に示されるように、定着器107が画像形成装置1内に装着されている場合には、画像形成装置1内に固定された支持板406上に取り付けられた突起部405の先端が、着脱検出スイッチ204の板バネ部401を押すことによって接点402が切り離されて、絶縁される。なお、突起部405は絶縁材料からなっていても良い。
(4)回路構成
次に、発光素子201〜203等を点灯する回路の構成について説明する。
【0023】
図5は、発光素子201〜203等を点灯する回路の構成を示す回路図である。図5に示されるように、発光素子201〜203等は互いに並列に接続され、熱電変換素子112から電力の供給を受ける。抵抗素子501〜503等は発光素子201〜203等に印加される電圧を調整する。
着脱検出スイッチ204は、定着器107が画像形成装置1内に装着されているときに発光素子201以外の発光素子202等が発光しないように、通電状態を切り替える。これによって、発光素子201は常に熱電変換素子112に接続されるので、扉110を開けると直ちに定着器107の温度状態を知ることができる。
【0024】
また、発光素子202等からの光が感光体に照射して画質が劣化するのを防止することができる。定着器107が画像形成装置1から取り外されたときには、定着器107の温度に応じた電力が熱電変換素子112から発光素子201〜203等へ供給されるので、画像形成装置1本体から電力の供給を受けることなく、定着器107の熱さを報知することができる。
【0025】
なお、ツェナーダイオード504は熱電変換素子112の出力電圧を安定させるためのものである。
[3]変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
【0026】
(1)上記実施の形態においては、発光素子201は常に熱電変換素子112に接続する一方、発光素子201以外の発光素子202等は定着器107の着脱状態に応じて熱電変換素子112への接続の有無を切り換える場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて以下のようにしても良い。
(a)すなわち、すべての発光素子について、定着器107の着脱状態に応じて熱電変換素子112への接続の有無を切り換えても良い。このようにしても、画像の劣化を引き起こすことなく、定着器107の温度状態を報知することができる。
【0027】
(b)また、定着器の面ごとに熱電変換素子と発光素子との組を配設しても良い。図6は本変形例に係る熱電変換素子と発光素子との接続状態を示す回路図である。図6に示されるように、発光素子602、612及び622はそれぞれ定着器107の同じ面上に配設されている熱電変換素子605、615及び625から電力の供給を受けて発光する。
着脱検出スイッチ600は、定着器の着脱状態を検出して、熱電変換素子615等から発光素子612等への給電の有無を切り替える。これによって、発光素子612等が発光することによる感光体への影響を排除する。
【0028】
一方、発光素子602は定着器上の感光体へ影響を与えない位置に配設されており、その発光は感光体に影響を与えない。このため、発光素子602は常に熱電変換素子605に接続されており、定着器を取り外さなくても、発光素子602を一見しただけで、定着器を取り扱う作業者が定着器の温度状態を知ることができるようになっている。
なお、ダイオード601、611及び621は何れも逆電流から発光素子602、612及び622を保護するためのものであり、ツェナーダイオード604、614及び624はそれぞれ熱電変換素子605、6015及び625の出力電圧を安定させるためのものである。また、抵抗素子603、613及び623は発光素子602、612及び622の印加電圧を調整する。
【0029】
このようにすれば、定着器の外壁面ごとに温度状態を表示することができるので、定着器を取り扱う作業者はどの外壁面は触れても良く、どれは高温であるかを知って安全に作業をすることができる。
また、単一の熱電変換素子を用いる場合には、給電すべき発光素子が増加すると表示にちらつきが生じるおそれがあるが、本変形例のように発光素子ごとに熱電変換素子を設けて給電すれば、負荷が変動しないので、ちらつきを防止することができる。
【0030】
(2)上記実施の形態においては、図3に示すように熱電変換素子を単に直列に接続して、発光素子を駆動するに足る高さの電圧を発生させる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのはいうまでもなく、これに加えて次のようにしても良い。
図7は、本変形例に係る給電回路の構成を示す回路図である。図7に示されるように、給電回路7は熱電変換素子701、702が並列に接続されてなる。熱電変換素子701、702はいずれもP型とN型の半導体片713が電極板712にて交互に直列接続されてなり、低温側の電極板712には放熱フィン711が取り付けられている。
【0031】
このようにすれば、より長時間に亘って電力を供給することができる。また、より多くの熱電変換素子を用いれば、熱をより良く吸収することができるので、温度の高低について感度を向上させることができる。
(3)上記実施の形態においては、定着器の温度が高いときに単に発光素子を点灯する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて定着器の温度ごとに異なる表示を行っても良い。
【0032】
図8は、本変形例に係る表示回路の構成を示す回路図である。図8に示されるように、表示回路8は熱電変換素子801、ツェナーダイオード802、蓄電池803、着脱検出スイッチ804、抵抗素子805、サーミスタ806、CPU(central processing unit)807、発光素子808R〜808G、スイッチ809R〜809Gからなる。
熱電変換素子801は定着器の廃熱を利用して電力を発生させる。ツェナーダイオード802は熱電変換素子112の出力電圧を安定させる。蓄電池803は、定着器の装着時には熱電変換素子801が発生させる電力を蓄電し、取外し時には給電する。
【0033】
着脱検出スイッチ804は、定着器の装着時にはオフし、取外し時にはオン(導通)する。抵抗素子805はサーミスタ806に加わる電圧を調整する。サーミスタ806は定着器の温度に応じて抵抗値を変化させて、当該温度に応じた電圧信号をCPU807に入力する。
CPU807は定着器の温度をサーミスタ806にて検出し、スイッチ809R〜809Gをオンすることによって、発光素子808R〜808Gの何れか1つだけを点灯する。発光素子808R〜808Gはそれぞれ赤色(R)、黄色(Y)及び緑色(G)のランプである。
【0034】
CPU807は、例えば、サーミスタ806の検出温度が35℃未満ならば808Gを点灯させ、35℃以上45℃未満ならば808Yを、45℃以上ならば808Rを点灯させる。このようにすれば、定着器を取り扱う作業者により詳しい温度を知らせることができる。
なお、定着器の温度が一定温度以下に低下した場合には、緑色のランプを点灯する代わりに、何もランプを点灯しないことにしても良い。この場合においては、蓄電池803を省いても良い。また、上ではサーミスタ806を用いて温度を検出する場合について説明したが、サーミスタ以外の手段を用いて定着器の温度を検出しても良い。
【0035】
また、CPU807は不図示のROM(read only memory)から制御プログラムを読み出し、当該制御プログラムに従って上記の処理を実行する。図9は、当該制御内容を示すフローチャートである。図9に示されるように、CPU807は給電が開始されると、サーミスタ806にて定着器の温度Tを検出する(S901)。
定着器の温度Tが35℃未満ならば(S902:Yes)、緑色のランプ808Gに対応するスイッチ809Gをオンするとともに(S903)、他のランプのスイッチ809Y、809Rをオフする(S904)。温度Tが35℃以上(S902:No)で、かつ45℃未満ならば(S905:Yes)、黄色のランプ808Yに対応するスイッチ809Yをオンするとともに(S906)、他のランプのスイッチ809R、809Gをオフする(S907)。
【0036】
温度Tが45℃以上ならば(S905:No)、赤色のランプ808Rに対応するスイッチ809Rをオンするとともに(S908)、他のランプのスイッチ809G、809Yをオフする(S909)。
ステップS904、S907及びS909の処理の後、CPU807はステップS901へ進み、上記の処理を繰り返す。
【0037】
(4)上記実施の形態において特に言及しなかったが、発光素子としては、例えば、LED(light emitting diode)を用いれば良い。LEDはより少ない消費電力で高い輝度を実現することができるので好適である。また、LED以外の発光素子を用いても本発明の効果に変わりはない。また、発光素子以外の表示手段を用いても良い。
(5)上記実施の形態においては板バネを用いた着脱検出スイッチ204を例にとって説明したが、本発明に係る着脱検出スイッチがこれに限定されないのは言うまでもなく、他種の着脱検出スイッチを用いても良い。
【0038】
図10は、本変形例に係る着脱検出スイッチの構成を示す図であって、(a)は定着器の取外し時の、また、(b)は定着器の装着時の様子を示す。図10(a)に示されるように、着脱検出スイッチ10は1対の電極板1001がそれぞれ絶縁部材1003を介して定着器の筐体1004の内壁面に固定されてなる。なお、電極板1001にはそれぞれ引き出し線1002が取り付けられている。
【0039】
定着器が画像形成装置から取り外された状態で、1対の電極板1001は自己の弾性力によって互いに押し当てられており導通状態にある。
一方、定着器が画像形成装置に装着された状態においては、図10(b)に示されるように、画像形成装置内の支持板1006に取り付けられた突起部1005が1対の電極板1001の間に進入して、電極板1001を切り離す。突起部1005は絶縁材料からなっており、1対の電極板1001の間の導通が遮断される。
【0040】
この他、磁石等を用いて着脱検出スイッチをオンオフしても良く、着脱検出スイッチの如何に関わらず本発明の効果は同じである。
(6)上記実施の形態においては特に言及しなかったが、本発明は複写機やレーザビームプリンタ、ファクシミリ装置、MFP(multifunction peripheral)等、トナー像を加熱、溶融して記録シートに圧着する定着器を備える画像形成装置であって、定着器が着脱できる画像形成装置であれば、効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係る定着器並びに画像形成装置は、定着器を安全に取り扱うための技術として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。
【図2】定着器107の主要な構成を示す外観斜視図である。
【図3】熱電変換素子112の主要な構成を示す図である。
【図4】着脱検出スイッチ204の構成を示す断面図であって、(a)はオン状態を示し、(b)はオフ状態を示す。
【図5】発光素子201〜203等を点灯する回路の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の変形例(1b)に係る熱電変換素子と発光素子との接続状態を示す回路図である。
【図7】本発明の変形例(2)に係る給電回路の構成を示す回路図である。
【図8】本発明の変形例(3)に係る表示回路の構成を示す回路図である。
【図9】本発明の変形例(3)に係る制御内容を示すフローチャートである。
【図10】本発明の変形例(5)に係る着脱検出スイッチの構成を示す図であって、(a)は定着器の取外し時の、また、(b)は定着器の装着時の様子を示す。
【符号の説明】
【0043】
1……………………………………………………………画像形成装置
107………………………………………………………定着器
110………………………………………………………扉
112………………………………………………………熱電変換素子
201〜203……………………………………………発光素子
10、204、600、804…………………………着脱検出スイッチ
301、711……………………………………………放熱フィン
302、712、1001………………………………電極板
303、713……………………………………………半導体片
401………………………………………………………板バネ部
402………………………………………………………接点
403、1003…………………………………………絶縁部材
404、1004…………………………………………筐体
405、1005…………………………………………突起部
406、1006…………………………………………支持板
501〜503、603、613、623、805…抵抗素子
504、604、614、624、802……………ツェナーダイオード
601、611、621…………………………………ダイオード
602、612、622、808R〜808G………発光素子
605、615、625、701、702、801…熱電変換素子
803………………………………………………………蓄電池
806………………………………………………………サーミスタ
807………………………………………………………CPU
809R〜809G………………………………………スイッチ
1002……………………………………………………引き出し線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に着脱自在に構成され、トナー像を加熱溶融して記録シートに定着させる定着器であって、
自器の廃熱を利用して発電する熱電変換素子と、
自器の外壁面上に配設され、熱電変換素子からの給電によって発光する発光素子と、
熱電変換素子から発光素子に至る給電経路上に配され、自器が画像形成装置に装着されている場合にオフされ、装着されていない場合にオンされるスイッチ手段と、を備える
ことを特徴とする定着器。
【請求項2】
前記スイッチ手段は、自器が画像形成装置に装着される状態に変更した場合に、画像形成装置側に設けられた係合部に係合して接点が切り離される構成とした
ことを特徴とする請求項1に記載の定着器。
【請求項3】
発光素子は、複数の外壁面のうちの2以上の外壁面に配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の定着器。
【請求項4】
前記複数の外壁面のうち発光素子の出射光が画像形成装置の感光体に影響を与えない外壁面に配設された発光素子に至る、熱電変換素子からの給電経路上には、前記スイッチ手段は配されない
ことを特徴とする請求項3に記載の定着器。
【請求項5】
前記複数の外壁面上に配設された発光素子は、共通の熱電変換素子から給電を受ける
ことを特徴とする請求項3に記載の定着器。
【請求項6】
熱電変換素子は、複数の外壁面上に配設されており、
前記複数の外壁面に配設された発光素子は、それぞれ同じ外壁面に配設された熱電変換素子から給電を受ける
ことを特徴とする請求項3に記載の定着器。
【請求項7】
前記熱電変換素子は、複数のP型半導体片と複数のN型半導体片とが交互に電気的に直列接続されてなる熱電変換回路を複数個備え、複数個の熱電変換回路が互いに並列接続されてなる
ことを特徴とする請求項1に記載の定着器。
【請求項8】
自器の温度を計測する測温手段と、
測温手段にて計測された温度に応じて、前記発光素子を異なる仕方で点灯させる点灯制御手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の定着器。
【請求項9】
請求項1から8の何れかに記載の定着器を備える
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−102037(P2010−102037A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272194(P2008−272194)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】