定着装置、画像形成装置及び定着制御方法
【課題】本発明は、定着装置に異常な温度上昇が生じた場合に、熱による影響を抑止することができる定着装置、画像形成装置及び定着制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】定着装置は、定着ベルトを回転させるモータMを駆動するモータ部106a、加熱ローラの中央部分に配置した中央部温度検知センサ27及び端部分に配置した端部温度検知センサ28からの検知信号に基づいて加熱制御を行う定着部106bを備えている。定着装置は、中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28で検知された加熱ローラの表面温度が装置本体の耐熱温度よりも低く設定された回転開始温度以上に上昇した場合に定着ベルトを所定時間回転させるように制御する。
【解決手段】定着装置は、定着ベルトを回転させるモータMを駆動するモータ部106a、加熱ローラの中央部分に配置した中央部温度検知センサ27及び端部分に配置した端部温度検知センサ28からの検知信号に基づいて加熱制御を行う定着部106bを備えている。定着装置は、中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28で検知された加熱ローラの表面温度が装置本体の耐熱温度よりも低く設定された回転開始温度以上に上昇した場合に定着ベルトを所定時間回転させるように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置、定着装置を備えた画像形成装置及び画像形成装置における定着制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、用紙等の記録媒体に電子写真方式による画像形成処理が用いられている。電子写真方式による画像形成処理では、感光体の表面に形成した静電潜像にトナーを付着させて現像し、現像化されたトナー像を用紙に転写して加熱によりトナー像を用紙に定着し、画像形成処理が行われる。
この画像形成処理では、トナー像の定着のために主に加熱ローラ及び加圧ローラが用いられている。定着処理は、加熱ローラに対して加圧ローラを対向配置して圧接した状態に設定し、両ローラの間にトナー像が形成された用紙を通過させ、加熱ローラに用紙を圧接させることで行われる。
【0003】
加熱ローラを用いる定着方式では、加熱ローラを常時定着温度に設定しておく必要があるため、装置の待機状態等においても加熱ローラを加熱するための消費電力が発生することになり、装置の省電力の点で課題となっている。
そのため、装置の待機状態での省電力化を図るために誘導加熱による定着方式が提案されている。誘導加熱による定着方式では、加熱時間及び立ち上がり時間の短縮化が可能となり、その分消費電力を節減することができ、装置の省電力化に寄与することになる。誘導加熱による定着方式では、加熱源により定着ベルトを加熱し、加熱された定着ベルトをトナー像が転写された用紙に圧接して定着処理を行うため、装置の異常等により定着ベルトを停止した状態にすると、定着ベルトが局所的に異常加熱状態となって定着ベルトの破損や変形の原因となるおそれがある。
【0004】
こうした定着ベルトに関する課題に対応するものとして、特許文献1には、定着装置の回転駆動源が停止中に定着装置の異常等で、定着装置の温度が高温と検知された時には、定着装置の駆動源を強制的にオンさせて定着ベルトを強制回転させることで、定着ベルトの誘導加熱が継続されても回転状態での加熱となり、少なくとも停止状態での誘導加熱の場合の不具合を回避する定着制御装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載された定着制御装置では、回転駆動源が停止した状態でインバータ回路の暴走などで高温異常が検出された時に定着装置の回転駆動源を強制的に回転させることで、定着ベルトの破損や変形等を防止している。しかし、回転駆動源を回転したままの状態が継続すると駆動機構や駆動伝達機構の異常状態や損傷が生じるおそれがある。また、装置の部品によっては経年変化により劣化が進んで部品の耐熱温度が低下するようになり、新品の部品の耐熱温度に基づいて所定の異常温度を設定したとしても、部品の耐熱温度の低下により熱による部品の破損等が避けられないといった不具合が生じる問題がある。
そこで、本発明は、定着装置に異常な温度上昇が生じた場合に、熱による影響を抑止することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る定着装置は、回転駆動される回転部材を含む定着用被加熱部材と、前記回転部材を回転させる回転駆動源と、前記定着用被加熱部材を加熱する加熱手段と、前記定着用被加熱部材の表面温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段からの検知信号に基づいて前記加熱手段及び前記回転駆動源を制御して記録媒体に対して定着処理を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した前記定着用被加熱部材の表面温度が、装置本体の耐熱温度よりも低く設定された回転開始温度以上に上昇したとき、前記回転部材を所定時間回転させるように前記回転駆動源を制御する定着装置である。
なお、ここで、装置本体の耐熱温度とは、定着装置の部品が熱の影響を受けて破損、変形等の不可逆的な変化が生じるおそれのある温度である。
耐熱温度まで上昇した異常高温状態では定着装置の故障の原因となるため、本発明では耐熱温度まで上昇しないように定着装置が制御される。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、上記の構成を有することで、定着装置に異常な温度上昇が生じたときに、熱による影響を抑止することができる。すなわち、定着装置が熱の影響を受ける異常高温になる前に定着装置の駆動源を動作させることで、温度上昇による熱の影響を低減して定着装置の部品の破損を防止し、部品の破損による定着画像の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る定着装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。
【図2】定着装置の概略構成に関する側面図である。
【図3】定着装置の概略構成に関する正面図である。
【図4】画像形成装置の制御部に関するブロック構成図である。
【図5】ヒータの加熱制御による定着ベルトの表面温度の推移を示すグラフである。
【図6】ウォーミングアップ時の加熱ローラの中央部及び端部における表面温度の推移を示すグラフである。
【図7】図6に示す例で定着ベルトの回転区間の時間を延長した場合の加熱ローラの中央部及び端部の表面温度の推移を示すグラフである。
【図8】給紙ジャムの発生時の加熱ローラの中央部及び端部の表面温度の推移を示すグラフである。
【図9】図8に示す例で給紙ジャムの発生後にも定着ベルトを回転させた場合の加熱ローラの中央部及び端部の表面温度の推移を示すグラフである。
【図10】定着装置の耐熱温度と定着処理した用紙の枚数の関係を示すグラフである。
【図11】定着ベルトの表面温度制御に関する処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る定着装置を備えた画像形成装置の概略構成図であり、その要部を模式的に示している。
画像形成装置1は、図示のように、複数枚の記録用紙Pを収納可能な給紙トレイ4と、その上方に配置された転写ベルト5と、転写ベルト5に沿って配置された複数のカートリッジ(電子写真プロセス部)6K、6M、6C、6Yと、それらの上方に配置された露光器11と、記録用紙Pの搬送経路40中に設けられた定着装置20等を備えている。ここではカラー成分色をブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)として、4色分のカートリッジ6K、6M、6C、6Yを有し、それぞれ電子写真プロセスによって各成分色のトナー画像を生成する。
【0010】
給紙トレイ4内には、複数枚の記録用紙Pが積載された状態で収納され、画像形成時に、所定方向(図では反時計方向)に回転駆動される給紙ローラ2により、最も上に位置するものから順に搬送経路40に向かって送り出されて給紙される。また、送り出された記録用紙Pは、複数のローラ3、7、16、21、22、18等により、搬送経路40に沿って搬送されて装置の外部に排紙される。
【0011】
転写ベルト5は、カートリッジ6K、6M、6C、6Yから転写されたトナー画像を記録用紙Pに転写するための中間転写体であるエンドレスベルトであり、回転可能な二次転写駆動ローラ7及び転写ベルトテンションローラ8に巻回されている。二次転写駆動ローラ7はモータ等の駆動源(図示せず)により回転駆動され、従動回転する転写ベルトテンションローラ8と共に、架け渡された転写ベルト5を、上下方向に対向して略水平に延びるように支持している。従って、これら各ローラ7、8及び駆動源が、転写ベルト5を回転移動させる駆動手段を構成し、ローラ7、8間で転写ベルト5を所定方向(図では矢印で示す反時計回り)に循環させて回転駆動する。
【0012】
カートリッジ6K、6M、6C、6Yは、転写ベルト5の上面側に、その回転方向に沿って上流から順に所定間隔で配列されている。カートリッジ6K、6M、6C、6Yは、後述するように、感光体ドラムを含む感光体ユニット、トナーが充填されたトナー充填部、現像装置、及びクリーニング系等が一体化された、いわゆるAIO(All In One)カートリッジであり、それぞれ形成すべき画像の色に応じた異なる色のトナーを収容している。また、ここでは、転写ベルト5の上流側から順に、ブラック(K)の画像を形成する第1のカートリッジ6K、マゼンタ(M)の画像を形成する第2のカートリッジ6M、シアン(C)の画像を形成する第3のカートリッジ6C及び、イエロー(Y)の画像を形成する第4のカートリッジ6Yを、転写ベルト5に沿って一列に配置している。
【0013】
露光器11は、各カートリッジ6K、6M、6C、6Yが形成する画像色に対応する露光であるレーザ光14K、14M、14C、14Y(図では点線で示す)を、各カートリッジ6K、6M、6C、6Yの所定位置にそれぞれ照射するための装置である。従って、露光器11は、各レーザ光14K、14M、14C、14Yを発生させる複数(ここでは4つ)の光源(図示せず)等を備え、各レーザ光14K、14M、14C、14Yを、下面側から下方向に向かって、各カートリッジ6K、6M、6C、6Yの感光体9K、9M、9C、9Yに照射して露光させる。
【0014】
次に、カートリッジ6K、6M、6C、6Yについて説明するが、これらは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通であり、同様に構成されている。そのため、ここでは、転写ベルト5の回転方向最上流側(図では右側)に位置する第1のカートリッジ6K(ブラック画像形成部)を例に採って説明し、それ以外の色の画像を形成する他のカートリッジ6M、6C、6Yの説明は省略する。なお、これらカートリッジ6K、6M、6C、6Yの各構成要素については、同じ構成要素には同一の番号を付すとともに、その後に、各カートリッジ6K、6M、6C、6Yの形成する色に対応する上記したK、M、C、Yの符号を付して区別する。
【0015】
第1のカートリッジ6K(画像形成部)は、転写ベルト5の上側面に対向して設けられた感光体ドラムである感光体9Kと、その周囲に配置された帯電器10K、現像器12K、クリーナーブレード(感光体クリーナー)13K等から構成されている。
感光体9Kは、画像形成に際し、その外周面が暗中にて帯電器10Kにより一様に帯電された後、上記した露光器11からのブラック画像に対応したレーザ光14Kにより露光され、外周面(感光面)に静電潜像が形成される。その際、露光器11は、例えば、主走査方向のライン画像信号に応じてレーザ光14Kの光源の発光を制御することにより、発生させた光を所定周期で走査ビームとして感光体9Kの感光面に投射する。同時に、感光体9Kを、主走査方向に交わる副走査方向に移動(回転)させる(この副走査方向の制御は、感光体9Kを回転させる図示しないモータの制御により行う)等して、走査ビームによる2次元画像の走査露光を行う。
【0016】
現像器12Kは、この感光体9Kの静電潜像を現像してブラックのトナーにより可視像化し、感光体9K上にブラックのトナー画像を形成する。その後、このトナー画像は、感光体9K及び転写ベルト5が接する位置(一次転写位置)で、転写ベルト5を挟んで感光体9Kと対向して配置された一次転写ローラ15Kの働きにより転写ベルト5上に転写される。これにより、転写ベルト5上にブラックのトナーによる単色画像が形成される。一方、トナー画像の転写が終了した感光体9Kは、外周面に残留した不要なトナーがクリーナーブレード13Kにより払拭されてクリーニングされ、次の画像形成に備えて待機する。
【0017】
以上のプロセスを経て、第1のカートリッジ6Kによりブラックのトナー画像が転写された転写ベルト5は、二次転写駆動ローラ7の回転により回転駆動され、そのトナー画像が形成された部分(面)が回転方向下流側に位置する次の第2のカートリッジ6Mに移動し、その下側位置までトナー画像を搬送する。この第2のカートリッジ6Mでは、第1のカートリッジ6Kでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより、感光体9M上にマゼンタのトナー画像が形成され、このトナー画像を転写ベルト5上に形成されたブラックのトナー画像に重ねて転写する。
【0018】
続いて、転写ベルト5は、さらに下流側に位置する第3のカートリッジ6C、第4のカートリッジ6Yに順に移動し、これまでと同様のプロセスや動作により、感光体9C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体9Y上に形成されたイエローのトナー画像が、転写ベルト5上のトナー画像に重畳して順次転写される。このようにして、転写ベルト5上に複数色のトナー画像が重ねて転写されて、フルカラーの重ね画像(カラー画像)が形成された後、転写ベルト5のカラーのトナー画像の形成部は、その回転に伴い二次転写ローラ16の位置まで移動する。
【0019】
ここで、画像形成に際し、ブラックのみの画像を形成するときには、第2〜第4のカートリッジ6M、6C、6Yは作動させず、それぞれ対応する一次転写ローラ15M、15C、15Yを各感光体9M、9C、9Yから離間した位置に退避させ、第1のカートリッジ6Kによるブラックの画像形成プロセスのみを実行させる。
【0020】
また、以上の転写ベルト5の移動(回転)に同期して、記録用紙Pの搬送経路40に沿う搬送動作も開始される。その際、まず、給紙トレイ4に収納された記録用紙Pは、給紙ローラ2の回転により最上位置のものから順に送り出され、レジストローラ3の位置にて、二次転写ローラ16の手前側(搬送方向上流側)で待機する。このレジストローラ3の回転駆動の開始は、上記した転写ベルト5の移動により搬送されるトナー画像と記録用紙Pの位置が、二次転写ローラ16上(対向する二次転写駆動ローラ7との間)で重なり合うようなタイミングで行われ、レジストローラ3を駆動手段(図示せず)により反時計方向に回転駆動して、記録用紙Pが送り出される。
【0021】
このレジストローラ3にて送り出された記録用紙Pは、二次転写ローラ16により転写ベルト5上のトナー画像が転写されつつ、その移動に伴い搬送経路40の下流側に向かって搬送される。続いて、記録用紙Pは、定着装置20の一対の回転体である定着ローラ21と加圧ローラ22との間に形成されるニップ部を通過して加熱及び加圧され、トナー画像が熱と圧力により加熱定着される。その後、記録用紙Pは、駆動手段(図示せず)により所定方向(ここでは時計方向)に回転駆動される排紙ローラ18により、画像形成装置1の外部(ここでは上部)に排紙される。
【0022】
一方、記録用紙Pに対して両面印刷を行う場合には、記録用紙Pが排紙ローラ18を通過する手前で、排紙ローラ18を逆方向(ここでは反時計方向)に回転駆動し、記録用紙Pを両面搬送経路41に送り出す。この両面搬送経路41において、記録用紙Pは、回転する両面ローラ19を経由して、再びレジストローラ3まで搬送される。レジストローラ3に到達した記録用紙Pは、再びレジストローラ3により搬送経路40に沿って給紙され、二次転写ローラ16により、先に画像が形成された面と逆側の面に転写ベルト5からトナー画像が転写される。その後、記録用紙Pは、上記と同様に定着装置20により新たなトナー画像が加熱定着されて、排紙ローラ18により画像形成装置1の外部に排紙される。
【0023】
図2は、定着装置20の概略構成に関する側面図であり、図3は、その正面図である。定着装置20は、定着ローラ21、加圧ローラ22、加熱ローラ23及びテンションローラ24の4つのローラを備えている。定着装置20の回転駆動源であるモータ(図示せず)を回転駆動させることにより、加熱ローラ23と定着ローラ21との間に架け渡されている定着ベルト25が反時計回りに回動し、定着ローラ21と加圧ローラ22との間のニップ部に記録用紙Pが通過して定着装置20から排出される。
【0024】
加熱ローラ23の内部には軸方向にヒータ26が配置されている。ヒータ26は、定着処理時にオンすることで加熱ローラ23の表面温度を所望の温度まで昇温させることができる。定着ベルト25では、記録用紙Pの通紙領域は非通紙領域よりも多くの熱量を必要とするため、定着ベルト25の通紙領域に対応する加熱ローラ23の中央部分の発熱量が多くなるようにコイルの巻き数を調整している。
【0025】
加熱ローラ23の周囲には、軸方向の中央部分に中央部温度検知センサ27が配置されるとともに端部分に端部温度検知センサ28が配置されている。いずれの温度検知センサも加熱ローラ23の周囲に巻回された定着ベルト25に接触するように設置されている。加熱ローラ23の表面温度は、中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28により測定され、中央部温度検知センサ27については、定着ベルト25の通紙領域に配置されており、記録用紙Pの通過に伴う表面温度の低下を検知することができる。
そのため、後述する制御部100は、中央部温度検知センサ27からの検知信号に基づいて所定温度より低下した場合に、加熱ローラ23の内部に配置されているヒータ26をオンして加熱制御して加熱ローラ23を昇温させる。
一方の端部に配置された端部温度検知センサ28は、定着ベルト25の非通紙領域に配置されて異常温度の検知等に利用される。
【0026】
定着ローラ21が停止する待機状態では、加熱ローラ23の中央部分の発熱量が端部分に比べて多くなるように設定されているため、通紙領域に配置されている中央部温度検知センサ27で検知される温度は、非通紙領域に配置されている端部温度検知センサ28で検知される温度よりも高くなる。また、定着ローラ21及び加圧ローラ22の接触部分であるニップ部はヒータ26から離れているため、待機状態等の定着ローラが停止した場合には、ニップ部の温度は中央部温度検知センサ27により検知される温度と温度差が生じる。
【0027】
一方、定着処理時では、加熱ローラ23の中央部分は記録用紙により熱を奪われ、端部分は記録用紙により直接熱を奪われることはないため、中央部温度検知センサ27により検知される温度は端部温度検知センサ28より検知される温度よりも低くなる。
以上説明した例では、加熱ローラ23及び定着ベルト25が定着用被加熱部材に相当し、ヒータ26が加熱手段に相当する。そして、中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28が温度検知手段に相当し、サーミスタ等のセンサが使用される。
【0028】
図4は、画像形成装置の制御部に関するブロック構成図である。制御部100は、装置に付属する操作パネル201からの操作入力信号及び外部の情報処理装置200からの送信信号に基づいて装置全体を制御する。
制御部100は、中央処理演算装置(以下、CPUと略す)101、CPU101の制御プログラムを格納しているROM102、CPU101が制御プログラムを実行するのに必要なワークメモリRAM103を中心にして構成されている。
【0029】
入出力インターフェース(I/F)104は、CPU101と操作パネル201及びパーソナルコンピュータ等の外部の情報処理装置200との間でデータの送受信処理を行うとともに、情報処理装置200から送信される画像データを露光制御部105に送信する。
露光制御部105は、露光器11を制御してレーザ光を発生する。
機構制御部106は、CPU101に制御されて画像形成処理を行う機構群を制御し、モータ部106a、定着部106b、クリーナ部106c、帯電部106d、転写部106e、現像部106f等を制御する信号の入出力を行う。モータ部106aは、モータ駆動指示信号S1及びモータ回転速度指示信号S2をモータ制御部107に出力する。
【0030】
モータ制御部107は、給紙ローラ2及び定着装置20を駆動する回転駆動源であるモータMを制御するように接続されており、モータ部106aから入力されるモータ駆動指示信号S1に基づいて駆動信号S3を出力してモータMを動作させ、モータ回転速度指示信号S2よりモータMの回転速度を決定する。
【0031】
定着部106bは、中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28からの検知信号に基づいて、検知温度が目標温度より低下する場合にヒータ26の加熱時間を決定して加熱制御を行う。また、割り込み制御部108において割り込み処理(ゼロクロス割込み(ハード割込み))が開始された場合にヒータ26を加熱制御する。
また、図示していないが、定着部106bでは、定着排気ファンの制御も行う。
【0032】
定着排気ファンは、定着装置20の内部の空気を機外に排気して内部の熱を外部に逃がし、内部の温度を低下させる。定着排気ファンの回転制御は、中央部温度検知センサ27又は端部温度検知センサ28の検知温度に基づいて行えばよく、中央部温度検知センサ27の検知温度が端部温度検知センサ28に比べて高くなる傾向にあることから、中央部温度検知センサ27の検知温度に基づいて定着排気ファンの回転制御を行うことが好ましい。
この例では、制御部100が定着装置の制御手段に相当し、具体的には、CPU101、機構制御部106のモータ部106a及び定着部106b並びにモータ制御部107が制御手段として機能する。
【0033】
図5は、ヒータの加熱制御による定着ベルト25の表面温度Tの推移を示すグラフである。画像形成装置の定着制御では、装置の待機状態及び画像形成処理中において定着装置20で必要となる温度(目標温度)Trを実験等により予め決めておき、定着装置20内に配置した温度検知センサからの検知信号に基づいて目標温度を保持するようにヒータ26の加熱制御を行うことが一般的である。
【0034】
ヒータ26が内蔵されている加熱ローラ23の表面はシリコンゴム等からなる部材で覆われており、定着ベルト25にヒータ26の発熱が伝導するまでに時間がかかる。そのため、図5に示すように、定着ベルト25の表面温度Tが目標温度Trより低下した場合に、ヒータ26の加熱開始から定着ベルト25の表面温度が上昇に転じるまでに一定時間(ts)かかることになる。
したがって、画像形成処理時等において定着装置20に用紙が通過することで、ニップ部の定着温度が低下することが予測できる場合は、用紙の通過する前にヒータ26を加熱状態としておくことで、ニップ部の定着温度の低下による不具合を防止している。
【0035】
上述したように、定着制御処理では、待機装置の待機状態及び画像形成処理中に予め決められた目標温度に保持されるようにヒータ26を加熱制御するが、温度検知センサ27、28や回路基板等の異常発生によりヒータ26が加熱状態のままとなる場合がある。こうした異常時では、定着装置20の部品が熱の影響を受けて発煙、発火等のトラブルが発生しないように、部品に破損、変形等の不可逆的な変化が生じるおそれのある耐熱温度になった場合に、ヒータ26の電源供給を停止してヒータの加熱を停止状態とするのが一般的である。
【0036】
しかしながら、耐熱温度に上昇したことを温度検知センサ27、28により検知してヒータ26の加熱をすぐ停止したとしても、図5で説明したように、ヒータ26の発熱が温度検知センサ27、28まで伝導するのに時間がかかるため、定着ベルト25の表面温度Tは加熱停止時の温度からさらに温度上昇が継続して耐熱温度を超えてしまい、定着装置20の熱によるトラブルを回避することができなくなる。
【0037】
図6は、ウォーミングアップ時の加熱ローラの中央部及び端部における表面温度の推移を示すグラフである。中央部の表面温度の推移を実線で示し、端部の表面温度を点線で示している。ウォーミングアップ中には、定着装置20に用紙が搬送されることはないが、定着ベルト25は、色あわせ処理などの関連で所定時間回転させ、処理が終了した時点で回転を停止する。この場合、定着ベルト25の回転区間では、待機状態等の定着ベルト25の非回転区間に比べて温度上昇が緩やかなになる。ヒータ26が加熱状態の間、余分な熱量を機外に排出するために、定着排気ファンも回転状態となるように制御される。
【0038】
しかしながら、ウォーミングアップ終了後、定着ベルト25の回転を停止すると、異常時と同様にヒータ26の加熱を停止しても温度上昇が継続して耐熱温度を超えてしまうおそれがある。また、異常時において耐熱温度まで上昇したことを検知して定着ベルト25を回転させ、温度上昇を抑える制御を行う場合でも、耐熱温度より低下した時点で定着ベルト25の回転を停止すると、ヒータ加熱の余熱により再び温度上昇が生じて耐熱温度を超えてしまうおそれがある。
【0039】
このような異常時及びウォーミングアップの際の耐熱温度を超えるような温度上昇は、耐熱温度より低い所定温度に上昇した際に、ヒータ26が既に一定時間以上継続して加熱状態にあること、又は、一定時間の間の温度上昇値が所定値以上であったことにより耐熱温度を超える高温状態になることが予測できる。
そのため、定着ベルト25の回転開始温度を耐熱温度よりも低く設定して、設定した回転開始温度に上昇した時点でヒータ26の加熱を停止して定着ベルト25の回転を開始するように制御することで、温度上昇を抑えて耐熱温度を超える温度上昇を防止することができる。
【0040】
また、図6に示すように、定着ベルト25の回転が停止されても温度上昇が継続している場合、加熱ローラ23の中央部及び端部における表面温度の差が大きくなる。定着ベルト25が回転した状態では、発熱量の多い加熱ローラ23の中央部から端部へ熱の伝導が促進されるため、中央部と端部との間の温度差は小さくなる。しかし、定着ベルト25の回転が停止した状態では、中央部から端部への熱の伝導が小さくなるため、中央部と端部との間の温度差が大きくなる。
そのため、中央部と端部との間の温度差が一定値以上となった場合に異常状態と判定してヒータ26の加熱を停止するとともに定着ベルト25を回転させるようにする。
【0041】
図7は、図6に示す例で定着ベルト25の回転区間の時間を延長した場合の加熱ローラ23の中央部及び端部の表面温度の推移を示すグラフである。中央部の表面温度の推移を実線で示し、端部の表面温度を点線で示している。
ヒータ26の加熱状態で定着ベルト25を回転させて温度上昇を抑え、耐熱温度よりも低く設定された回転開始温度以上に上昇したときに定着ベルト25の回転時間を延長すると、回転停止時と比べ温度上昇が抑えられる。また、定着排気ファンの回転時間も延長するように制御することで、さらに温度上昇を抑えることができる。こうして温度上昇を抑えることで、耐熱温度を超えるような温度上昇を生じないように制御して、定着装置20への熱の影響を抑止することができる。
【0042】
図8は、給紙ジャムの発生時の加熱ローラ23の中央部及び端部の表面温度の推移を示すグラフである。中央部の表面温度の推移を実線で示し、端部の表面温度を点線で示している。
この例では、給紙ジャムが発生した際に定着ベルト25を回転するモータを停止するように制御される。
スリープモード等の省電力設定時に画像形成処理を行う指示があった場合、装置の動作設定等のイニシャル処理及び色ずれ、濃度調整等のウォーミングアップ処理を実施した後、画像形成処理を実行するように制御される。画像形成処理では、定着装置に用紙が通過するため定着ベルト25の表面温度が低下することから、加熱ローラ23から定着ベルト25への熱伝導にかかる時間を考慮して用紙の通過前から早めにヒータ26を加熱するように定着制御が行われることが多い。
【0043】
そのため、給紙トレイ4の用紙セット不良等により給紙ジャムが生じると、定着装置20において用紙の通過のない状態でヒータ26が加熱されて表面温度の上昇が通常よりも急激になる。
図8では、用紙の通過前に予めヒータ26の加熱及び定着ベルト25の回転が行われ、給紙ジャムの発生時にヒータ26の加熱及び定着ベルト25の回転が停止されように定着制御が行われている。この場合、定着ベルトの回転停止後にヒータ26の加熱による余熱で温度上昇が継続し、定着ベルト25の表面温度が耐熱温度まで上昇するようになっている。
したがって、給紙ジャム時において定着装置20に熱の影響によるトラブルの発生するおそれがある。
【0044】
図9は、図8に示す例で給紙ジャムの発生後にも定着ベルト25を回転させた場合の加熱ローラ23の中央部及び端部の表面温度の推移を示すグラフである。給紙ジャムの発生後も定着ベルト25の回転を継続するように制御することで、温度上昇を抑えることができ、耐熱温度を超えるような温度上昇を防止することができる。また、定着ベルト25の回転とともに定着排気ファンも回転させることにより、熱量を機外に排出して、さらに温度上昇を抑えられる。
したがって、給紙ジャムの発生時における定着装置20での熱の影響を避けるためには、ウォーミングアップ時と同様に、耐熱温度よりも低く設定された回転開始温度以上に温度上昇が検知された場合には、定着ベルト25及び定着排気ファンの回転を継続させて温度上昇を抑えて耐熱温度を超えることのないように定着制御を行う。
【0045】
図10は、定着装置20の耐熱温度と定着処理した用紙の枚数の関係を示すグラフである。定着装置20が新品の場合は、定着装置20内の温度が高温であっても、部品の故障、定着ベルト25の融解及び変形は確認されないが、定着処理枚数が増加すると部品や定着ベルト25の劣化が進み、耐熱温度が低下してくる。このため、定着処理枚数に応じて低下する耐熱温度に合わせて、ヒータ26の加熱制御及び定着ベルト25の回転制御を行う必要がある。定着処理枚数と同様に、定着ベルト25の走行距離が増加すると耐熱温度は低下するようになるため、定着ベルト25の走行距離に応じて定着制御を行う必要がある。
【0046】
図11は、定着ベルト25の表面温度制御に関する処理フローである。まず、ステップS1101では、定着ベルト25の積算走行距離に応じた定着ベルト25の回転開始温度を決定する。定着ベルト25の積算走行距離は、定着ベルト25が回転動作を行う毎に1回転当りの走行距離に回転数をかけた値を算出し、その値を積算して記憶しておく。また、定着ベルト25の回転開始温度は、走行距離に対応して予め設定された温度データをテーブル化しておき、記憶された積算走行距離に対応する温度データを読み出して定着ベルト25の回転開始温度を決定する。
【0047】
次に、ステップS1102では、定着処理した用紙の積算枚数に応じた定着ベルト25の回転開始温度を決定する。定着処理した用紙の積算枚数は、画像形成処理した用紙の積算枚数となるため、画像形成処理が行われる毎にカウントして積算枚数を記憶しておく。定着ベルト25の回転開始温度は、積算枚数に対応して予め設定された温度データをテーブル化しておき、記憶された積算枚数に対応する温度データを読み出して定着ベルト25の回転開始温度を決定する。
【0048】
次に、ステップS1103では、ステップS1101及びS1102において決定された回転開始温度のうち低い温度と温度検知センサで検知された温度とを比較して、検知温度が回転開始温度以上かチェックする。上述した例では、中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28が加熱ローラ23の周囲に配置されており、いずれの温度検知センサ27、28の検知データを用いることができる。例えば、端部温度検知センサ28の方が用紙通過の影響を受けにくく異常温度の検知には好ましく、定着排気ファンの回転駆動には中央部温度検知センサ27の検知データを用いた方がよい。
【0049】
ステップS1103において、検知温度が回転開始温度未満の場合は(S1103、NO)、回転開始温度以上になるまで待ち状態となる。検知温度が回転開始温度以上となった場合は(S1103、YES)、ステップS1104に進み、定着ベルトの回転時間と定着排気ファンの回転時間を決定する。回転時間は、温度上昇及び回転開始温度に至るまでの温度推移により決定する。例えば、回転開始温度に到達するまでの間のヒータ26の継続加熱時間、回転開始温度に到達するまでの所定時間内における温度上昇値、中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28の検知温度の差、といったパラメータに基づいて決定することができる。
【0050】
なお、この例では、検知温度が回転開始温度以上となったことで定着ベルト25の回転を開始するようにしているが、さらに回転開始温度に到達するまでの温度推移やヒータ26の加熱制御を加味して回転を開始するか否か判定してもよい。例えば、回転開始温度以上であることが検知された場合に回転開始温度に到達するまでの所定時間内の温度上昇値が基準値を超えていると判定されたときに定着ベルト25の回転を開始するように制御することもできる。また、回転開始温度以上であることが検知された場合にヒータ26の継続加熱時間が基準時間を超えていると判定されたときに定着ベルト25の回転を開始するように制御することもできる。また、回転開始温度以上であることが検知された場合に中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28の検知温度の差が基準値を超えていると判定されたときに回転を開始するように制御することもできる。
【0051】
次に、ステップS1105では、定着ベルト25の回転指示を行い、定着装置20の回転駆動源であるモータを回転駆動する。ステップS1106では、定着排気ファンの回転指示を行い、定着排気ファンのモータを回転駆動する。定着ベルト25を回転させることで表面温度の温度上昇を抑え、定着排気ファンを回転させることで余分な熱量を機外に排出する。
【0052】
次に、ステップS1107では、定着ベルト25の表面温度が回転開始温度以下になったかチェックする。回転開始温度以下となっていない場合には(S1107、NO)、ステップS1108に進み、定着ベルト25の回転後決定された回転時間を経過したかチェックする。回転時間が経過していない場合には(S1108、NO)、ステップS1107に戻る。回転時間が経過している場合には(S1108、YES)、ステップS1104に戻り、再び回転時間を決定して再度定着ベルト及び定着排気ファンの回転制御を行う。
ステップS1107で回転開始温度以下となった場合には(S1107、YES)、ステップS1109に進み、定着ベルト及び定着排気ファンの回転を停止し、処理を終了する。
【符号の説明】
【0053】
1・・・画像形成装置、2・・・給紙ローラ、3・・・レジストローラ、4・・・給紙トレイ、5・・・転写ベルト、6K、6M、6C、6Y・・・カートリッジ、7・・・二次転写駆動ローラ、8・・・転写ベルトテンションローラ、9K、9M、9C、9Y・・・感光体、10K、10M、10C、10Y・・・帯電器、11・・・露光器、12K、12M、12C、12Y・・・現像器、13K、13M、13C、13Y・・・クリーナーブレード、14K、14M、14C、14Y・・・レーザ光、15K、15M、15C、15Y・・・一次転写ローラ、16・・・二次転写ローラ、18・・・排紙ローラ、19・・・両面ローラ、20・・・定着装置、21・・・定着ローラ、22・・・加圧ローラ、23・・・加熱ローラ、24・・・テンションローラ、25・・・定着ベルト、26・・・ヒータ、27・・・中央部温度検知センサ、28・・・端部温度検知センサ、100・・・制御部、P・・・記録用紙。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】
【特許文献1】特開2005−70510号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置、定着装置を備えた画像形成装置及び画像形成装置における定着制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、用紙等の記録媒体に電子写真方式による画像形成処理が用いられている。電子写真方式による画像形成処理では、感光体の表面に形成した静電潜像にトナーを付着させて現像し、現像化されたトナー像を用紙に転写して加熱によりトナー像を用紙に定着し、画像形成処理が行われる。
この画像形成処理では、トナー像の定着のために主に加熱ローラ及び加圧ローラが用いられている。定着処理は、加熱ローラに対して加圧ローラを対向配置して圧接した状態に設定し、両ローラの間にトナー像が形成された用紙を通過させ、加熱ローラに用紙を圧接させることで行われる。
【0003】
加熱ローラを用いる定着方式では、加熱ローラを常時定着温度に設定しておく必要があるため、装置の待機状態等においても加熱ローラを加熱するための消費電力が発生することになり、装置の省電力の点で課題となっている。
そのため、装置の待機状態での省電力化を図るために誘導加熱による定着方式が提案されている。誘導加熱による定着方式では、加熱時間及び立ち上がり時間の短縮化が可能となり、その分消費電力を節減することができ、装置の省電力化に寄与することになる。誘導加熱による定着方式では、加熱源により定着ベルトを加熱し、加熱された定着ベルトをトナー像が転写された用紙に圧接して定着処理を行うため、装置の異常等により定着ベルトを停止した状態にすると、定着ベルトが局所的に異常加熱状態となって定着ベルトの破損や変形の原因となるおそれがある。
【0004】
こうした定着ベルトに関する課題に対応するものとして、特許文献1には、定着装置の回転駆動源が停止中に定着装置の異常等で、定着装置の温度が高温と検知された時には、定着装置の駆動源を強制的にオンさせて定着ベルトを強制回転させることで、定着ベルトの誘導加熱が継続されても回転状態での加熱となり、少なくとも停止状態での誘導加熱の場合の不具合を回避する定着制御装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載された定着制御装置では、回転駆動源が停止した状態でインバータ回路の暴走などで高温異常が検出された時に定着装置の回転駆動源を強制的に回転させることで、定着ベルトの破損や変形等を防止している。しかし、回転駆動源を回転したままの状態が継続すると駆動機構や駆動伝達機構の異常状態や損傷が生じるおそれがある。また、装置の部品によっては経年変化により劣化が進んで部品の耐熱温度が低下するようになり、新品の部品の耐熱温度に基づいて所定の異常温度を設定したとしても、部品の耐熱温度の低下により熱による部品の破損等が避けられないといった不具合が生じる問題がある。
そこで、本発明は、定着装置に異常な温度上昇が生じた場合に、熱による影響を抑止することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る定着装置は、回転駆動される回転部材を含む定着用被加熱部材と、前記回転部材を回転させる回転駆動源と、前記定着用被加熱部材を加熱する加熱手段と、前記定着用被加熱部材の表面温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段からの検知信号に基づいて前記加熱手段及び前記回転駆動源を制御して記録媒体に対して定着処理を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した前記定着用被加熱部材の表面温度が、装置本体の耐熱温度よりも低く設定された回転開始温度以上に上昇したとき、前記回転部材を所定時間回転させるように前記回転駆動源を制御する定着装置である。
なお、ここで、装置本体の耐熱温度とは、定着装置の部品が熱の影響を受けて破損、変形等の不可逆的な変化が生じるおそれのある温度である。
耐熱温度まで上昇した異常高温状態では定着装置の故障の原因となるため、本発明では耐熱温度まで上昇しないように定着装置が制御される。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、上記の構成を有することで、定着装置に異常な温度上昇が生じたときに、熱による影響を抑止することができる。すなわち、定着装置が熱の影響を受ける異常高温になる前に定着装置の駆動源を動作させることで、温度上昇による熱の影響を低減して定着装置の部品の破損を防止し、部品の破損による定着画像の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る定着装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。
【図2】定着装置の概略構成に関する側面図である。
【図3】定着装置の概略構成に関する正面図である。
【図4】画像形成装置の制御部に関するブロック構成図である。
【図5】ヒータの加熱制御による定着ベルトの表面温度の推移を示すグラフである。
【図6】ウォーミングアップ時の加熱ローラの中央部及び端部における表面温度の推移を示すグラフである。
【図7】図6に示す例で定着ベルトの回転区間の時間を延長した場合の加熱ローラの中央部及び端部の表面温度の推移を示すグラフである。
【図8】給紙ジャムの発生時の加熱ローラの中央部及び端部の表面温度の推移を示すグラフである。
【図9】図8に示す例で給紙ジャムの発生後にも定着ベルトを回転させた場合の加熱ローラの中央部及び端部の表面温度の推移を示すグラフである。
【図10】定着装置の耐熱温度と定着処理した用紙の枚数の関係を示すグラフである。
【図11】定着ベルトの表面温度制御に関する処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る定着装置を備えた画像形成装置の概略構成図であり、その要部を模式的に示している。
画像形成装置1は、図示のように、複数枚の記録用紙Pを収納可能な給紙トレイ4と、その上方に配置された転写ベルト5と、転写ベルト5に沿って配置された複数のカートリッジ(電子写真プロセス部)6K、6M、6C、6Yと、それらの上方に配置された露光器11と、記録用紙Pの搬送経路40中に設けられた定着装置20等を備えている。ここではカラー成分色をブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)として、4色分のカートリッジ6K、6M、6C、6Yを有し、それぞれ電子写真プロセスによって各成分色のトナー画像を生成する。
【0010】
給紙トレイ4内には、複数枚の記録用紙Pが積載された状態で収納され、画像形成時に、所定方向(図では反時計方向)に回転駆動される給紙ローラ2により、最も上に位置するものから順に搬送経路40に向かって送り出されて給紙される。また、送り出された記録用紙Pは、複数のローラ3、7、16、21、22、18等により、搬送経路40に沿って搬送されて装置の外部に排紙される。
【0011】
転写ベルト5は、カートリッジ6K、6M、6C、6Yから転写されたトナー画像を記録用紙Pに転写するための中間転写体であるエンドレスベルトであり、回転可能な二次転写駆動ローラ7及び転写ベルトテンションローラ8に巻回されている。二次転写駆動ローラ7はモータ等の駆動源(図示せず)により回転駆動され、従動回転する転写ベルトテンションローラ8と共に、架け渡された転写ベルト5を、上下方向に対向して略水平に延びるように支持している。従って、これら各ローラ7、8及び駆動源が、転写ベルト5を回転移動させる駆動手段を構成し、ローラ7、8間で転写ベルト5を所定方向(図では矢印で示す反時計回り)に循環させて回転駆動する。
【0012】
カートリッジ6K、6M、6C、6Yは、転写ベルト5の上面側に、その回転方向に沿って上流から順に所定間隔で配列されている。カートリッジ6K、6M、6C、6Yは、後述するように、感光体ドラムを含む感光体ユニット、トナーが充填されたトナー充填部、現像装置、及びクリーニング系等が一体化された、いわゆるAIO(All In One)カートリッジであり、それぞれ形成すべき画像の色に応じた異なる色のトナーを収容している。また、ここでは、転写ベルト5の上流側から順に、ブラック(K)の画像を形成する第1のカートリッジ6K、マゼンタ(M)の画像を形成する第2のカートリッジ6M、シアン(C)の画像を形成する第3のカートリッジ6C及び、イエロー(Y)の画像を形成する第4のカートリッジ6Yを、転写ベルト5に沿って一列に配置している。
【0013】
露光器11は、各カートリッジ6K、6M、6C、6Yが形成する画像色に対応する露光であるレーザ光14K、14M、14C、14Y(図では点線で示す)を、各カートリッジ6K、6M、6C、6Yの所定位置にそれぞれ照射するための装置である。従って、露光器11は、各レーザ光14K、14M、14C、14Yを発生させる複数(ここでは4つ)の光源(図示せず)等を備え、各レーザ光14K、14M、14C、14Yを、下面側から下方向に向かって、各カートリッジ6K、6M、6C、6Yの感光体9K、9M、9C、9Yに照射して露光させる。
【0014】
次に、カートリッジ6K、6M、6C、6Yについて説明するが、これらは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通であり、同様に構成されている。そのため、ここでは、転写ベルト5の回転方向最上流側(図では右側)に位置する第1のカートリッジ6K(ブラック画像形成部)を例に採って説明し、それ以外の色の画像を形成する他のカートリッジ6M、6C、6Yの説明は省略する。なお、これらカートリッジ6K、6M、6C、6Yの各構成要素については、同じ構成要素には同一の番号を付すとともに、その後に、各カートリッジ6K、6M、6C、6Yの形成する色に対応する上記したK、M、C、Yの符号を付して区別する。
【0015】
第1のカートリッジ6K(画像形成部)は、転写ベルト5の上側面に対向して設けられた感光体ドラムである感光体9Kと、その周囲に配置された帯電器10K、現像器12K、クリーナーブレード(感光体クリーナー)13K等から構成されている。
感光体9Kは、画像形成に際し、その外周面が暗中にて帯電器10Kにより一様に帯電された後、上記した露光器11からのブラック画像に対応したレーザ光14Kにより露光され、外周面(感光面)に静電潜像が形成される。その際、露光器11は、例えば、主走査方向のライン画像信号に応じてレーザ光14Kの光源の発光を制御することにより、発生させた光を所定周期で走査ビームとして感光体9Kの感光面に投射する。同時に、感光体9Kを、主走査方向に交わる副走査方向に移動(回転)させる(この副走査方向の制御は、感光体9Kを回転させる図示しないモータの制御により行う)等して、走査ビームによる2次元画像の走査露光を行う。
【0016】
現像器12Kは、この感光体9Kの静電潜像を現像してブラックのトナーにより可視像化し、感光体9K上にブラックのトナー画像を形成する。その後、このトナー画像は、感光体9K及び転写ベルト5が接する位置(一次転写位置)で、転写ベルト5を挟んで感光体9Kと対向して配置された一次転写ローラ15Kの働きにより転写ベルト5上に転写される。これにより、転写ベルト5上にブラックのトナーによる単色画像が形成される。一方、トナー画像の転写が終了した感光体9Kは、外周面に残留した不要なトナーがクリーナーブレード13Kにより払拭されてクリーニングされ、次の画像形成に備えて待機する。
【0017】
以上のプロセスを経て、第1のカートリッジ6Kによりブラックのトナー画像が転写された転写ベルト5は、二次転写駆動ローラ7の回転により回転駆動され、そのトナー画像が形成された部分(面)が回転方向下流側に位置する次の第2のカートリッジ6Mに移動し、その下側位置までトナー画像を搬送する。この第2のカートリッジ6Mでは、第1のカートリッジ6Kでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより、感光体9M上にマゼンタのトナー画像が形成され、このトナー画像を転写ベルト5上に形成されたブラックのトナー画像に重ねて転写する。
【0018】
続いて、転写ベルト5は、さらに下流側に位置する第3のカートリッジ6C、第4のカートリッジ6Yに順に移動し、これまでと同様のプロセスや動作により、感光体9C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体9Y上に形成されたイエローのトナー画像が、転写ベルト5上のトナー画像に重畳して順次転写される。このようにして、転写ベルト5上に複数色のトナー画像が重ねて転写されて、フルカラーの重ね画像(カラー画像)が形成された後、転写ベルト5のカラーのトナー画像の形成部は、その回転に伴い二次転写ローラ16の位置まで移動する。
【0019】
ここで、画像形成に際し、ブラックのみの画像を形成するときには、第2〜第4のカートリッジ6M、6C、6Yは作動させず、それぞれ対応する一次転写ローラ15M、15C、15Yを各感光体9M、9C、9Yから離間した位置に退避させ、第1のカートリッジ6Kによるブラックの画像形成プロセスのみを実行させる。
【0020】
また、以上の転写ベルト5の移動(回転)に同期して、記録用紙Pの搬送経路40に沿う搬送動作も開始される。その際、まず、給紙トレイ4に収納された記録用紙Pは、給紙ローラ2の回転により最上位置のものから順に送り出され、レジストローラ3の位置にて、二次転写ローラ16の手前側(搬送方向上流側)で待機する。このレジストローラ3の回転駆動の開始は、上記した転写ベルト5の移動により搬送されるトナー画像と記録用紙Pの位置が、二次転写ローラ16上(対向する二次転写駆動ローラ7との間)で重なり合うようなタイミングで行われ、レジストローラ3を駆動手段(図示せず)により反時計方向に回転駆動して、記録用紙Pが送り出される。
【0021】
このレジストローラ3にて送り出された記録用紙Pは、二次転写ローラ16により転写ベルト5上のトナー画像が転写されつつ、その移動に伴い搬送経路40の下流側に向かって搬送される。続いて、記録用紙Pは、定着装置20の一対の回転体である定着ローラ21と加圧ローラ22との間に形成されるニップ部を通過して加熱及び加圧され、トナー画像が熱と圧力により加熱定着される。その後、記録用紙Pは、駆動手段(図示せず)により所定方向(ここでは時計方向)に回転駆動される排紙ローラ18により、画像形成装置1の外部(ここでは上部)に排紙される。
【0022】
一方、記録用紙Pに対して両面印刷を行う場合には、記録用紙Pが排紙ローラ18を通過する手前で、排紙ローラ18を逆方向(ここでは反時計方向)に回転駆動し、記録用紙Pを両面搬送経路41に送り出す。この両面搬送経路41において、記録用紙Pは、回転する両面ローラ19を経由して、再びレジストローラ3まで搬送される。レジストローラ3に到達した記録用紙Pは、再びレジストローラ3により搬送経路40に沿って給紙され、二次転写ローラ16により、先に画像が形成された面と逆側の面に転写ベルト5からトナー画像が転写される。その後、記録用紙Pは、上記と同様に定着装置20により新たなトナー画像が加熱定着されて、排紙ローラ18により画像形成装置1の外部に排紙される。
【0023】
図2は、定着装置20の概略構成に関する側面図であり、図3は、その正面図である。定着装置20は、定着ローラ21、加圧ローラ22、加熱ローラ23及びテンションローラ24の4つのローラを備えている。定着装置20の回転駆動源であるモータ(図示せず)を回転駆動させることにより、加熱ローラ23と定着ローラ21との間に架け渡されている定着ベルト25が反時計回りに回動し、定着ローラ21と加圧ローラ22との間のニップ部に記録用紙Pが通過して定着装置20から排出される。
【0024】
加熱ローラ23の内部には軸方向にヒータ26が配置されている。ヒータ26は、定着処理時にオンすることで加熱ローラ23の表面温度を所望の温度まで昇温させることができる。定着ベルト25では、記録用紙Pの通紙領域は非通紙領域よりも多くの熱量を必要とするため、定着ベルト25の通紙領域に対応する加熱ローラ23の中央部分の発熱量が多くなるようにコイルの巻き数を調整している。
【0025】
加熱ローラ23の周囲には、軸方向の中央部分に中央部温度検知センサ27が配置されるとともに端部分に端部温度検知センサ28が配置されている。いずれの温度検知センサも加熱ローラ23の周囲に巻回された定着ベルト25に接触するように設置されている。加熱ローラ23の表面温度は、中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28により測定され、中央部温度検知センサ27については、定着ベルト25の通紙領域に配置されており、記録用紙Pの通過に伴う表面温度の低下を検知することができる。
そのため、後述する制御部100は、中央部温度検知センサ27からの検知信号に基づいて所定温度より低下した場合に、加熱ローラ23の内部に配置されているヒータ26をオンして加熱制御して加熱ローラ23を昇温させる。
一方の端部に配置された端部温度検知センサ28は、定着ベルト25の非通紙領域に配置されて異常温度の検知等に利用される。
【0026】
定着ローラ21が停止する待機状態では、加熱ローラ23の中央部分の発熱量が端部分に比べて多くなるように設定されているため、通紙領域に配置されている中央部温度検知センサ27で検知される温度は、非通紙領域に配置されている端部温度検知センサ28で検知される温度よりも高くなる。また、定着ローラ21及び加圧ローラ22の接触部分であるニップ部はヒータ26から離れているため、待機状態等の定着ローラが停止した場合には、ニップ部の温度は中央部温度検知センサ27により検知される温度と温度差が生じる。
【0027】
一方、定着処理時では、加熱ローラ23の中央部分は記録用紙により熱を奪われ、端部分は記録用紙により直接熱を奪われることはないため、中央部温度検知センサ27により検知される温度は端部温度検知センサ28より検知される温度よりも低くなる。
以上説明した例では、加熱ローラ23及び定着ベルト25が定着用被加熱部材に相当し、ヒータ26が加熱手段に相当する。そして、中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28が温度検知手段に相当し、サーミスタ等のセンサが使用される。
【0028】
図4は、画像形成装置の制御部に関するブロック構成図である。制御部100は、装置に付属する操作パネル201からの操作入力信号及び外部の情報処理装置200からの送信信号に基づいて装置全体を制御する。
制御部100は、中央処理演算装置(以下、CPUと略す)101、CPU101の制御プログラムを格納しているROM102、CPU101が制御プログラムを実行するのに必要なワークメモリRAM103を中心にして構成されている。
【0029】
入出力インターフェース(I/F)104は、CPU101と操作パネル201及びパーソナルコンピュータ等の外部の情報処理装置200との間でデータの送受信処理を行うとともに、情報処理装置200から送信される画像データを露光制御部105に送信する。
露光制御部105は、露光器11を制御してレーザ光を発生する。
機構制御部106は、CPU101に制御されて画像形成処理を行う機構群を制御し、モータ部106a、定着部106b、クリーナ部106c、帯電部106d、転写部106e、現像部106f等を制御する信号の入出力を行う。モータ部106aは、モータ駆動指示信号S1及びモータ回転速度指示信号S2をモータ制御部107に出力する。
【0030】
モータ制御部107は、給紙ローラ2及び定着装置20を駆動する回転駆動源であるモータMを制御するように接続されており、モータ部106aから入力されるモータ駆動指示信号S1に基づいて駆動信号S3を出力してモータMを動作させ、モータ回転速度指示信号S2よりモータMの回転速度を決定する。
【0031】
定着部106bは、中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28からの検知信号に基づいて、検知温度が目標温度より低下する場合にヒータ26の加熱時間を決定して加熱制御を行う。また、割り込み制御部108において割り込み処理(ゼロクロス割込み(ハード割込み))が開始された場合にヒータ26を加熱制御する。
また、図示していないが、定着部106bでは、定着排気ファンの制御も行う。
【0032】
定着排気ファンは、定着装置20の内部の空気を機外に排気して内部の熱を外部に逃がし、内部の温度を低下させる。定着排気ファンの回転制御は、中央部温度検知センサ27又は端部温度検知センサ28の検知温度に基づいて行えばよく、中央部温度検知センサ27の検知温度が端部温度検知センサ28に比べて高くなる傾向にあることから、中央部温度検知センサ27の検知温度に基づいて定着排気ファンの回転制御を行うことが好ましい。
この例では、制御部100が定着装置の制御手段に相当し、具体的には、CPU101、機構制御部106のモータ部106a及び定着部106b並びにモータ制御部107が制御手段として機能する。
【0033】
図5は、ヒータの加熱制御による定着ベルト25の表面温度Tの推移を示すグラフである。画像形成装置の定着制御では、装置の待機状態及び画像形成処理中において定着装置20で必要となる温度(目標温度)Trを実験等により予め決めておき、定着装置20内に配置した温度検知センサからの検知信号に基づいて目標温度を保持するようにヒータ26の加熱制御を行うことが一般的である。
【0034】
ヒータ26が内蔵されている加熱ローラ23の表面はシリコンゴム等からなる部材で覆われており、定着ベルト25にヒータ26の発熱が伝導するまでに時間がかかる。そのため、図5に示すように、定着ベルト25の表面温度Tが目標温度Trより低下した場合に、ヒータ26の加熱開始から定着ベルト25の表面温度が上昇に転じるまでに一定時間(ts)かかることになる。
したがって、画像形成処理時等において定着装置20に用紙が通過することで、ニップ部の定着温度が低下することが予測できる場合は、用紙の通過する前にヒータ26を加熱状態としておくことで、ニップ部の定着温度の低下による不具合を防止している。
【0035】
上述したように、定着制御処理では、待機装置の待機状態及び画像形成処理中に予め決められた目標温度に保持されるようにヒータ26を加熱制御するが、温度検知センサ27、28や回路基板等の異常発生によりヒータ26が加熱状態のままとなる場合がある。こうした異常時では、定着装置20の部品が熱の影響を受けて発煙、発火等のトラブルが発生しないように、部品に破損、変形等の不可逆的な変化が生じるおそれのある耐熱温度になった場合に、ヒータ26の電源供給を停止してヒータの加熱を停止状態とするのが一般的である。
【0036】
しかしながら、耐熱温度に上昇したことを温度検知センサ27、28により検知してヒータ26の加熱をすぐ停止したとしても、図5で説明したように、ヒータ26の発熱が温度検知センサ27、28まで伝導するのに時間がかかるため、定着ベルト25の表面温度Tは加熱停止時の温度からさらに温度上昇が継続して耐熱温度を超えてしまい、定着装置20の熱によるトラブルを回避することができなくなる。
【0037】
図6は、ウォーミングアップ時の加熱ローラの中央部及び端部における表面温度の推移を示すグラフである。中央部の表面温度の推移を実線で示し、端部の表面温度を点線で示している。ウォーミングアップ中には、定着装置20に用紙が搬送されることはないが、定着ベルト25は、色あわせ処理などの関連で所定時間回転させ、処理が終了した時点で回転を停止する。この場合、定着ベルト25の回転区間では、待機状態等の定着ベルト25の非回転区間に比べて温度上昇が緩やかなになる。ヒータ26が加熱状態の間、余分な熱量を機外に排出するために、定着排気ファンも回転状態となるように制御される。
【0038】
しかしながら、ウォーミングアップ終了後、定着ベルト25の回転を停止すると、異常時と同様にヒータ26の加熱を停止しても温度上昇が継続して耐熱温度を超えてしまうおそれがある。また、異常時において耐熱温度まで上昇したことを検知して定着ベルト25を回転させ、温度上昇を抑える制御を行う場合でも、耐熱温度より低下した時点で定着ベルト25の回転を停止すると、ヒータ加熱の余熱により再び温度上昇が生じて耐熱温度を超えてしまうおそれがある。
【0039】
このような異常時及びウォーミングアップの際の耐熱温度を超えるような温度上昇は、耐熱温度より低い所定温度に上昇した際に、ヒータ26が既に一定時間以上継続して加熱状態にあること、又は、一定時間の間の温度上昇値が所定値以上であったことにより耐熱温度を超える高温状態になることが予測できる。
そのため、定着ベルト25の回転開始温度を耐熱温度よりも低く設定して、設定した回転開始温度に上昇した時点でヒータ26の加熱を停止して定着ベルト25の回転を開始するように制御することで、温度上昇を抑えて耐熱温度を超える温度上昇を防止することができる。
【0040】
また、図6に示すように、定着ベルト25の回転が停止されても温度上昇が継続している場合、加熱ローラ23の中央部及び端部における表面温度の差が大きくなる。定着ベルト25が回転した状態では、発熱量の多い加熱ローラ23の中央部から端部へ熱の伝導が促進されるため、中央部と端部との間の温度差は小さくなる。しかし、定着ベルト25の回転が停止した状態では、中央部から端部への熱の伝導が小さくなるため、中央部と端部との間の温度差が大きくなる。
そのため、中央部と端部との間の温度差が一定値以上となった場合に異常状態と判定してヒータ26の加熱を停止するとともに定着ベルト25を回転させるようにする。
【0041】
図7は、図6に示す例で定着ベルト25の回転区間の時間を延長した場合の加熱ローラ23の中央部及び端部の表面温度の推移を示すグラフである。中央部の表面温度の推移を実線で示し、端部の表面温度を点線で示している。
ヒータ26の加熱状態で定着ベルト25を回転させて温度上昇を抑え、耐熱温度よりも低く設定された回転開始温度以上に上昇したときに定着ベルト25の回転時間を延長すると、回転停止時と比べ温度上昇が抑えられる。また、定着排気ファンの回転時間も延長するように制御することで、さらに温度上昇を抑えることができる。こうして温度上昇を抑えることで、耐熱温度を超えるような温度上昇を生じないように制御して、定着装置20への熱の影響を抑止することができる。
【0042】
図8は、給紙ジャムの発生時の加熱ローラ23の中央部及び端部の表面温度の推移を示すグラフである。中央部の表面温度の推移を実線で示し、端部の表面温度を点線で示している。
この例では、給紙ジャムが発生した際に定着ベルト25を回転するモータを停止するように制御される。
スリープモード等の省電力設定時に画像形成処理を行う指示があった場合、装置の動作設定等のイニシャル処理及び色ずれ、濃度調整等のウォーミングアップ処理を実施した後、画像形成処理を実行するように制御される。画像形成処理では、定着装置に用紙が通過するため定着ベルト25の表面温度が低下することから、加熱ローラ23から定着ベルト25への熱伝導にかかる時間を考慮して用紙の通過前から早めにヒータ26を加熱するように定着制御が行われることが多い。
【0043】
そのため、給紙トレイ4の用紙セット不良等により給紙ジャムが生じると、定着装置20において用紙の通過のない状態でヒータ26が加熱されて表面温度の上昇が通常よりも急激になる。
図8では、用紙の通過前に予めヒータ26の加熱及び定着ベルト25の回転が行われ、給紙ジャムの発生時にヒータ26の加熱及び定着ベルト25の回転が停止されように定着制御が行われている。この場合、定着ベルトの回転停止後にヒータ26の加熱による余熱で温度上昇が継続し、定着ベルト25の表面温度が耐熱温度まで上昇するようになっている。
したがって、給紙ジャム時において定着装置20に熱の影響によるトラブルの発生するおそれがある。
【0044】
図9は、図8に示す例で給紙ジャムの発生後にも定着ベルト25を回転させた場合の加熱ローラ23の中央部及び端部の表面温度の推移を示すグラフである。給紙ジャムの発生後も定着ベルト25の回転を継続するように制御することで、温度上昇を抑えることができ、耐熱温度を超えるような温度上昇を防止することができる。また、定着ベルト25の回転とともに定着排気ファンも回転させることにより、熱量を機外に排出して、さらに温度上昇を抑えられる。
したがって、給紙ジャムの発生時における定着装置20での熱の影響を避けるためには、ウォーミングアップ時と同様に、耐熱温度よりも低く設定された回転開始温度以上に温度上昇が検知された場合には、定着ベルト25及び定着排気ファンの回転を継続させて温度上昇を抑えて耐熱温度を超えることのないように定着制御を行う。
【0045】
図10は、定着装置20の耐熱温度と定着処理した用紙の枚数の関係を示すグラフである。定着装置20が新品の場合は、定着装置20内の温度が高温であっても、部品の故障、定着ベルト25の融解及び変形は確認されないが、定着処理枚数が増加すると部品や定着ベルト25の劣化が進み、耐熱温度が低下してくる。このため、定着処理枚数に応じて低下する耐熱温度に合わせて、ヒータ26の加熱制御及び定着ベルト25の回転制御を行う必要がある。定着処理枚数と同様に、定着ベルト25の走行距離が増加すると耐熱温度は低下するようになるため、定着ベルト25の走行距離に応じて定着制御を行う必要がある。
【0046】
図11は、定着ベルト25の表面温度制御に関する処理フローである。まず、ステップS1101では、定着ベルト25の積算走行距離に応じた定着ベルト25の回転開始温度を決定する。定着ベルト25の積算走行距離は、定着ベルト25が回転動作を行う毎に1回転当りの走行距離に回転数をかけた値を算出し、その値を積算して記憶しておく。また、定着ベルト25の回転開始温度は、走行距離に対応して予め設定された温度データをテーブル化しておき、記憶された積算走行距離に対応する温度データを読み出して定着ベルト25の回転開始温度を決定する。
【0047】
次に、ステップS1102では、定着処理した用紙の積算枚数に応じた定着ベルト25の回転開始温度を決定する。定着処理した用紙の積算枚数は、画像形成処理した用紙の積算枚数となるため、画像形成処理が行われる毎にカウントして積算枚数を記憶しておく。定着ベルト25の回転開始温度は、積算枚数に対応して予め設定された温度データをテーブル化しておき、記憶された積算枚数に対応する温度データを読み出して定着ベルト25の回転開始温度を決定する。
【0048】
次に、ステップS1103では、ステップS1101及びS1102において決定された回転開始温度のうち低い温度と温度検知センサで検知された温度とを比較して、検知温度が回転開始温度以上かチェックする。上述した例では、中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28が加熱ローラ23の周囲に配置されており、いずれの温度検知センサ27、28の検知データを用いることができる。例えば、端部温度検知センサ28の方が用紙通過の影響を受けにくく異常温度の検知には好ましく、定着排気ファンの回転駆動には中央部温度検知センサ27の検知データを用いた方がよい。
【0049】
ステップS1103において、検知温度が回転開始温度未満の場合は(S1103、NO)、回転開始温度以上になるまで待ち状態となる。検知温度が回転開始温度以上となった場合は(S1103、YES)、ステップS1104に進み、定着ベルトの回転時間と定着排気ファンの回転時間を決定する。回転時間は、温度上昇及び回転開始温度に至るまでの温度推移により決定する。例えば、回転開始温度に到達するまでの間のヒータ26の継続加熱時間、回転開始温度に到達するまでの所定時間内における温度上昇値、中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28の検知温度の差、といったパラメータに基づいて決定することができる。
【0050】
なお、この例では、検知温度が回転開始温度以上となったことで定着ベルト25の回転を開始するようにしているが、さらに回転開始温度に到達するまでの温度推移やヒータ26の加熱制御を加味して回転を開始するか否か判定してもよい。例えば、回転開始温度以上であることが検知された場合に回転開始温度に到達するまでの所定時間内の温度上昇値が基準値を超えていると判定されたときに定着ベルト25の回転を開始するように制御することもできる。また、回転開始温度以上であることが検知された場合にヒータ26の継続加熱時間が基準時間を超えていると判定されたときに定着ベルト25の回転を開始するように制御することもできる。また、回転開始温度以上であることが検知された場合に中央部温度検知センサ27及び端部温度検知センサ28の検知温度の差が基準値を超えていると判定されたときに回転を開始するように制御することもできる。
【0051】
次に、ステップS1105では、定着ベルト25の回転指示を行い、定着装置20の回転駆動源であるモータを回転駆動する。ステップS1106では、定着排気ファンの回転指示を行い、定着排気ファンのモータを回転駆動する。定着ベルト25を回転させることで表面温度の温度上昇を抑え、定着排気ファンを回転させることで余分な熱量を機外に排出する。
【0052】
次に、ステップS1107では、定着ベルト25の表面温度が回転開始温度以下になったかチェックする。回転開始温度以下となっていない場合には(S1107、NO)、ステップS1108に進み、定着ベルト25の回転後決定された回転時間を経過したかチェックする。回転時間が経過していない場合には(S1108、NO)、ステップS1107に戻る。回転時間が経過している場合には(S1108、YES)、ステップS1104に戻り、再び回転時間を決定して再度定着ベルト及び定着排気ファンの回転制御を行う。
ステップS1107で回転開始温度以下となった場合には(S1107、YES)、ステップS1109に進み、定着ベルト及び定着排気ファンの回転を停止し、処理を終了する。
【符号の説明】
【0053】
1・・・画像形成装置、2・・・給紙ローラ、3・・・レジストローラ、4・・・給紙トレイ、5・・・転写ベルト、6K、6M、6C、6Y・・・カートリッジ、7・・・二次転写駆動ローラ、8・・・転写ベルトテンションローラ、9K、9M、9C、9Y・・・感光体、10K、10M、10C、10Y・・・帯電器、11・・・露光器、12K、12M、12C、12Y・・・現像器、13K、13M、13C、13Y・・・クリーナーブレード、14K、14M、14C、14Y・・・レーザ光、15K、15M、15C、15Y・・・一次転写ローラ、16・・・二次転写ローラ、18・・・排紙ローラ、19・・・両面ローラ、20・・・定着装置、21・・・定着ローラ、22・・・加圧ローラ、23・・・加熱ローラ、24・・・テンションローラ、25・・・定着ベルト、26・・・ヒータ、27・・・中央部温度検知センサ、28・・・端部温度検知センサ、100・・・制御部、P・・・記録用紙。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】
【特許文献1】特開2005−70510号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される回転部材を含む定着用被加熱部材と、前記回転部材を回転させる回転駆動源と、前記定着用被加熱部材を加熱する加熱手段と、前記定着用被加熱部材の表面温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段からの検知信号に基づいて前記加熱手段及び前記回転駆動源を制御して記録媒体に対して定着処理を行う制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した前記定着用被加熱部材の表面温度が、装置本体の耐熱温度よりも低く設定された回転開始温度以上に上昇したとき、前記回転部材を所定時間回転させるように前記回転駆動源を制御する定着装置。
【請求項2】
請求項1に記載された定着装置であって、
前記温度検知手段は、前記定着用被加熱部材の前記記録媒体に接触しない部分及び/又は前記記録媒体に接触する部分の表面温度を検知する定着装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された定着装置であって、
装置内部の空気を機外に排気する定着排気ファンを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した前記定着用被加熱部材の表面温度が前記回転開始温度以上に上昇した場合に前記定着排気ファンを所定時間回転させる定着装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載された定着装置であって、
前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した前記定着用被加熱部材の表面温度が前記回転開始温度以上に上昇した場合に前記回転開始温度に到達するまでの所定時間内における温度上昇値が基準値を超えたか否か判定して前記回転部材を回転させる定着装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載された定着装置であって、
前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した前記定着用被加熱部材の表面温度が前記回転開始温度以上に上昇した場合に前記回転開始温度に到達するまでに前記加熱手段の継続加熱時間が基準時間を超えたか否か判定して前記回転部材を回転させる定着装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれかに記載された定着装置であって、
前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した前記定着用被加熱部材の表面温度が前記回転開始温度以上に上昇した場合に前記定着用被加熱部材の前記記録媒体に接触しない部分の表面温度及び前記記録媒体に接触する部分の表面温度の温度差が基準値を超えたか否か判定して前記回転部材を回転させる定着装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載された定着装置であって、
前記制御手段は、給紙ジャムの発生時に前記回転駆動源を制御する定着装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載された定着装置であって、
前記定着用被加熱部材は、定着ベルトを備えており、前記制御手段は、前記定着ベルトの積算走行距離及び定着処理した記録媒体の積算枚数に基づいて前記回転開始温度を設定する定着装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載された定着装置を備えた画像形成装置。
【請求項10】
回転駆動される回転部材を含む定着用被加熱部材を加熱して当該回転部材を回転させながら定着処理を行う画像形成装置における定着制御方法であって、
前記定着用被加熱部材の表面温度を検知して、検知した表面温度が定着装置本体の耐熱温度よりも低く設定された回転開始温度以上に上昇した場合に前記回転部材を所定時間回転させる定着制御方法。
【請求項1】
回転駆動される回転部材を含む定着用被加熱部材と、前記回転部材を回転させる回転駆動源と、前記定着用被加熱部材を加熱する加熱手段と、前記定着用被加熱部材の表面温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段からの検知信号に基づいて前記加熱手段及び前記回転駆動源を制御して記録媒体に対して定着処理を行う制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した前記定着用被加熱部材の表面温度が、装置本体の耐熱温度よりも低く設定された回転開始温度以上に上昇したとき、前記回転部材を所定時間回転させるように前記回転駆動源を制御する定着装置。
【請求項2】
請求項1に記載された定着装置であって、
前記温度検知手段は、前記定着用被加熱部材の前記記録媒体に接触しない部分及び/又は前記記録媒体に接触する部分の表面温度を検知する定着装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された定着装置であって、
装置内部の空気を機外に排気する定着排気ファンを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した前記定着用被加熱部材の表面温度が前記回転開始温度以上に上昇した場合に前記定着排気ファンを所定時間回転させる定着装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載された定着装置であって、
前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した前記定着用被加熱部材の表面温度が前記回転開始温度以上に上昇した場合に前記回転開始温度に到達するまでの所定時間内における温度上昇値が基準値を超えたか否か判定して前記回転部材を回転させる定着装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載された定着装置であって、
前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した前記定着用被加熱部材の表面温度が前記回転開始温度以上に上昇した場合に前記回転開始温度に到達するまでに前記加熱手段の継続加熱時間が基準時間を超えたか否か判定して前記回転部材を回転させる定着装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれかに記載された定着装置であって、
前記制御手段は、前記温度検知手段が検知した前記定着用被加熱部材の表面温度が前記回転開始温度以上に上昇した場合に前記定着用被加熱部材の前記記録媒体に接触しない部分の表面温度及び前記記録媒体に接触する部分の表面温度の温度差が基準値を超えたか否か判定して前記回転部材を回転させる定着装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載された定着装置であって、
前記制御手段は、給紙ジャムの発生時に前記回転駆動源を制御する定着装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載された定着装置であって、
前記定着用被加熱部材は、定着ベルトを備えており、前記制御手段は、前記定着ベルトの積算走行距離及び定着処理した記録媒体の積算枚数に基づいて前記回転開始温度を設定する定着装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載された定着装置を備えた画像形成装置。
【請求項10】
回転駆動される回転部材を含む定着用被加熱部材を加熱して当該回転部材を回転させながら定着処理を行う画像形成装置における定着制御方法であって、
前記定着用被加熱部材の表面温度を検知して、検知した表面温度が定着装置本体の耐熱温度よりも低く設定された回転開始温度以上に上昇した場合に前記回転部材を所定時間回転させる定着制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−105157(P2013−105157A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251040(P2011−251040)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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