説明

定量吐出装置及び定量吐出方法

【課題】密度が一定の溶融樹脂を吐出することができる定量吐出装置及び定量吐出方法を提供する。
【解決手段】シャッター部材13を閉位置に移動させた状態で、溶融樹脂をスクリュー2より計量室9に充填した後、ニードル弁11を閉位置に移動させて計量室9を密閉空間とする。次に、プランジャ12を動作させて、計量室9に設けた圧力検出センサ10により検出される圧力検出値を記憶部19に記憶された基準値にする。その後、シャッター部材13を開位置に移動させ、プランジャ12の精密駆動によってノズル6の吐出口9bより溶融樹脂を吐出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融樹脂の定量吐出装置及び定量吐出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮成形型を有する圧縮成形装置には、溶融樹脂を吐出する定量吐出装置が組み込まれ、所定量の溶融樹脂が開放された圧縮成形型の下型に供給されるよう構成されている。圧縮成形装置は、圧縮成形機と共に、切断機構、搬送機構を含んでおり、切断機構により下型に吐出された樹脂を切断し、搬送機構により下型を圧縮成形機に搬送し、圧縮成形する。このとき、下型に吐出される樹脂の重量のばらつきは、成形体の形状のばらつきとなる。
【0003】
例えば、レンズのような精密な部品を圧縮成形方法により製造する際には、レンズの厚みのばらつきを抑えるため、供給される材料の重量は1mg以下の精度が要求されることもある。そのため、圧縮成形方法の材料供給工程には、きわめて正確な重量の溶融樹脂を吐出できる方法が求められている。
【0004】
従来、溶融樹脂の定量吐出方法として、スクリューからなる可塑化部により可塑化された溶融樹脂を、決められた量のスクリューの回転又はスクリュー自体の前後駆動によって、開放された吐出口より吐出する方法が知られている。また、スクリューにより可塑化された溶融樹脂を、計量室に充填し、計量室に備えられた精密駆動可能なプランジャの前後駆動によって、開放された吐出口より吐出する方法が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1には、吐出口を閉鎖した状態で、溶融樹脂を計量室に充填した後、可塑化部と計量室の間の流路を閉鎖し、その後、吐出口を開放し、計量室に備えられたプランジャの前後駆動によって吐出する方法が開示されている。この方法によれば、吐出口を閉じた状態で溶融樹脂を計量室に充填するため、計量室全体への溶融樹脂の充填が補償される。また、可塑化部と計量室の間の流路を閉鎖することにより、吐出の際に溶融樹脂が可塑化部へ逆流することを防ぐことができ、正確な容量の吐出が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−137959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の吐出方法では、溶融樹脂の計量の際に溶融樹脂の密度を制御していないため、吐出される溶融樹脂の重量にばらつきが生じるという問題があった。すなわち、可塑化部より計量室に充填される溶融樹脂の可塑化溶融状態の違いや、流路の温度ムラなどの影響により、計量室に充填した溶融樹脂の密度にばらつきが生じる。そのため、正確な容量の溶融樹脂を吐出したとしても重量にばらつきが生じることがあった。
【0007】
これに対し、樹脂の密度を制御する手段としては、溶融樹脂を可塑化部から計量室に充填する際に、可塑化部側から圧力をかけ、計量室の溶融樹脂内圧を制御することが考えられる。しかしながら、可塑化部側からの加圧では、流路の温度ムラにより流路内の溶融樹脂の粘度にばらつきが生じるため、計量室の溶融樹脂内圧を正確に制御することが困難である。また、吐出の際に可塑化部側への逆流を防ぐため、可塑化部と計量室の間の流路をニードル弁で閉鎖する。このニードル弁の駆動によって計量室の溶融樹脂内圧が変化するため、吐出直前の計量室の溶融樹脂内圧を正確に制御することが困難である。
【0008】
そこで、本発明は、密度が一定の溶融樹脂を吐出することができる定量吐出装置及び定量吐出方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の定量吐出装置は、樹脂原材料を可塑化させる可塑化部と、前記可塑化部からの溶融樹脂を導入するための導入口と溶融樹脂を吐出するための吐出口とを有する計量室が形成された本体部と、前記導入口を開閉するニードル弁と、前記吐出口を開閉するシャッター部材と、前記計量室に配置され、前記計量室に充填された溶融樹脂を押圧するプランジャと、前記計量室の圧力を検出する圧力検出センサと、前記計量室の圧力の基準値を記憶する記憶部と、前記ニードル弁、前記シャッター部材及び前記プランジャを駆動制御する駆動制御部と、を備え、前記駆動制御部は、前記計量室に充填された溶融樹脂を前記吐出口から吐出させるのに先立って、前記ニードル弁及び前記シャッター部材を閉位置に動作させて前記計量室を密閉空間にし、前記圧力検出センサによって検出される圧力検出値が前記記憶部に記憶された基準値となるように前記プランジャを動作させて前記計量室に充填された溶融樹脂を加圧することを特徴とする。
【0010】
本発明の定量吐出方法は、樹脂原材料を可塑化させる可塑化部と、前記可塑化部からの溶融樹脂を導入するための導入口と溶融樹脂を吐出するための吐出口とを有する計量室が形成された本体部と、前記導入口を開閉するニードル弁と、前記吐出口を開閉するシャッター部材と、前記計量室に配置され、前記計量室に充填された溶融樹脂を押圧するプランジャと、前記計量室の圧力を検出する圧力検出センサと、前記計量室の圧力の基準値を記憶する記憶部と、前記ニードル弁、前記シャッター部材及び前記プランジャを駆動制御する駆動制御部と、を備えた定量吐出装置を用いた定量吐出方法であって、前記駆動制御部により前記ニードル弁を開位置、前記シャッター部材を閉位置に動作させて、前記導入口から前記計量室に溶融樹脂を充填する充填工程と、前記充填工程にて前記計量室への溶融樹脂の充填が完了した後、前記駆動制御部により前記ニードル弁を閉位置に動作させて前記計量室を密閉空間とし、前記圧力検出センサによって検出される圧力検出値が前記記憶部に記憶された基準値となるように前記駆動制御部により前記プランジャを動作させて、前記計量室に充填された溶融樹脂を加圧する加圧工程と、前記加圧工程にて前記圧力検出センサによって検出される圧力検出値が前記基準値となった後、前記駆動制御部により前記シャッター部材を開位置に動作させると共に前記プランジャを動作させて、前記吐出口から溶融樹脂を吐出させる吐出工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、計量室を密閉空間とし、圧力検出センサによって検出される圧力検出値が基準値となるようにプランジャにより溶融樹脂を加圧するようにしたので、計量室に充填された溶融樹脂の密度を一定の値にすることができる。したがって、吐出毎の溶融樹脂の重量のばらつきを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る定量吐出装置の概略断面を示す模式図である。
【図2】本発明の本実施形態に係る定量吐出装置の概略断面を示す模式図であって、定量吐出装置を用いた定量吐出方法の充填工程、加圧工程及び吐出工程の各工程を順次示した模式図である。(a)は充填工程、(b)は加圧工程、(c)は吐出工程を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る定量吐出装置の概略断面を示す模式図である。
【0014】
図1において、定量吐出装置100は、溶融樹脂となる樹脂原料が投入されるホッパー1と、ホッパー1に投入された樹脂原材料を加熱混練して、可塑化する可塑化部としてのスクリュー2と、を備えている。また、定量吐出装置100は、スクリュー2を収容する筒体であるバレル3を備えている。このバレル3には、上部マニホールド4、下部マニホールド5及びノズル6からなる本体部7が接続して設けられている。
【0015】
上部マニホールド4には、スクリュー2から供給される溶融樹脂の流路8が形成されている。下部マニホールド5及びノズル6には、導入口9a及び吐出口9bを有し、溶融樹脂を充填し加圧を行うための計量室9が形成されている。計量室9には計量室9の圧力(つまり、計量室9に充填された溶融樹脂の圧力)を検出する圧力検出センサ10が設けられている。流路8と計量室9とは導入口9aを介して連通しており、この導入口9aを開閉する位置(本実施形態では流路8)には、ニードル弁11が設けられている。このニードル弁11は、導入口9aを開放する開位置と導入口9aを閉塞する閉位置との間で移動することで導入口9aを開閉可能である。
【0016】
定量吐出装置100は、計量室9に摺動可能に配置され、精密な前後移動を可能とし、計量室9に充填された溶融樹脂を押圧するプランジャ12を備えている。計量室9の外部には、吐出口9bを開放する開位置と吐出口9bを閉塞する閉位置とに移動可能なシャッター部材13が設けられている。
【0017】
ここで、バレル3、上部マニホールド4、下部マニホールド5、ノズル6にはそれぞれヒーター及び温度センサが設けられ、個別に精密に温度調節が可能に構成されている。つまり、バレル3、上部マニホールド4、下部マニホールド5、ノズル6は、それぞれ一定の温度となるように制御される。
【0018】
定量吐出装置100は、ニードル弁11を駆動するニードル弁駆動部14、シャッター部材13を駆動するシャッター駆動部15、及びプランジャ12を駆動するプランジャ駆動部16と、これら駆動部を制御する制御部17とからなる駆動制御部18を備えている。つまり、駆動制御部18は、ニードル弁11、シャッター部材13及びプランジャ12を駆動制御する。
【0019】
更に、定量吐出装置100は、計量室9の圧力(つまり、計量室9に充填された溶融樹脂の圧力)を示す値であって、比較対象となる基準値を予め記憶している記憶部19を備えている。
【0020】
図2は、本発明の本実施形態に係る定量吐出装置の概略断面を示す模式図であって、定量吐出装置を用いた定量吐出方法の充填工程、加圧工程及び吐出工程の各工程を順次示した模式図である。
【0021】
まず、ホッパー1に投入された樹脂原材料は、スクリュー2により加熱混練され可塑化される。その後、可塑化された溶融樹脂は、スクリュー2の回転により流路8を通り、計量室9に導入される。このとき、駆動制御部18は、図2(a)に示すように、ニードル弁11を開位置、シャッター部材13を閉位置に動作させている。また、駆動制御部18は、プランジャ12を予め設定された退避位置に後退させている。これにより、計量室9には、導入口9aを介して溶融樹脂が充填され、吐出口9bが閉鎖された計量室9に溶融樹脂が満たされる(充填工程)。
【0022】
次に、上述した充填工程にて計量室9への溶融樹脂の充填が完了した後、駆動制御部18は、図2(b)に示すように、シャッター部材13を閉位置に維持した状態でニードル弁11を閉位置に動作させる。これにより、計量室9は密閉空間となる。つまり、ニードル弁11の下面、プランジャ12の前面、シャッター部材13の上面で規定される閉鎖空間が作られる。そして、駆動制御部18は、圧力検出センサ10によって検出される圧力検出値が記憶部19に記憶された基準値となるように溶融樹脂を押圧する方向(矢印X方向)にプランジャ12を動作させる。このプランジャ12の精密駆動により、計量室9に充填された溶融樹脂が加圧される(加圧工程)。以上の駆動制御部18の制御による加圧動作は、計量室9に充填された溶融樹脂を吐出口9bから吐出させるのに先立って行われる。このように、計量室9に充填された溶融樹脂は、所定の圧力が付与されたことにより加圧工程毎に一定の値の密度となる。
【0023】
次に、上述した加圧工程にて圧力検出センサ10によって検出される圧力検出値が基準値となった後、駆動制御部18は、図2(c)に示すように、シャッター部材13を開位置に動作させると共にプランジャ12を更に矢印X方向に動作させる。このとき、ニードル弁11は、閉位置に維持した状態である。これにより、計量室9に充填された溶融樹脂Rがプランジャ12に押されて吐出口9bから吐出される(吐出工程)。
【0024】
以上の動作により、吐出する毎に密度が一定の溶融樹脂Rを、一定の容量だけ吐出することができる。従って、きわめて正確な重量の溶融樹脂を吐出することができ、吐出毎の溶融樹脂の重量のばらつきを小さくすることができる。
【0025】
また、上記の溶融樹脂の定量吐出方法を圧縮成形方法の材料供給工程に適用することにより、圧縮成形の成形体の形状ばらつきをきわめて小さくすることができる。
【0026】
また、上記の圧縮成形方法により、レンズやプリズムなどの精密な光学素子を製造することによって、素子の形状ばらつきを小さくでき、集光効率や焦点距離、反射効率などのばらつきをきわめて小さくすることができる。
【0027】
なお、本発明に用いる樹脂原料は格別限定されず、本製造方法に適用できる熱可塑性樹脂であれば問題ない。例えばポリオレフィン系樹脂や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタラートなどを用いることができる。
【実施例】
【0028】
[実施例1]
本発明の実施例として、本発明の方法を用いて溶融樹脂を吐出し、その吐出重量ばらつきを評価した。原料樹脂として、ポリオレフィン系樹脂である日本ゼオン(株)製ゼオネックスE48Rを使用した。バレル3、上部マニホールド4、下部マニホールド5、ノズル6の温度は、それぞれ、220℃、250℃、270℃、250℃である。シャッター部材13を閉じた状態で、スクリュー2により可塑化した溶融樹脂を計量室9に充填し、ニードル弁11を閉鎖する。その後、プランジャ12の駆動によって溶融樹脂の内圧を8MPaに調整し、0.5秒間加圧状態を保持する。その後、プランジャ12を停止し、同時にシャッター部材13を開放し、プランジャ12の位置制御駆動により吐出する。プランジャ12の駆動距離は、圧力保持の停止位置から2.7mmである。最後に、吐出口9bより吐出された溶融樹脂Rをノズル6の先端面で切断し、切断した樹脂の重量を電子天秤で計測した。
【0029】
[比較例1]
比較例として、本発明の方法において、加圧工程を行わずに溶融樹脂を吐出し、その吐出重量ばらつきを評価した。原料樹脂、温度条件、プランジャ12の駆動距離は実施例1と同様である。シャッター部材13を閉じた状態で、スクリュー2により可塑化した溶融樹脂を計量室9に充填し、ニードル弁11を閉鎖する。その後、シャッター部材13を開放し、プランジャ12の位置制御駆動により吐出した。最後に、吐出口9bより吐出された溶融樹脂Rをノズル6の先端面で切断し、切断した樹脂の重量を電子天秤で計測した。
【0030】
[実施例2]
原料樹脂として、ポリカーボネート樹脂である帝人化成(株)製パンライトAD−5503を使用し、本発明の方法を用いて溶融樹脂を吐出して、その吐出重量ばらつきを評価した。吐出方法、吐出条件、評価方法は実施例1と同様である。
【0031】
[比較例2]
比較例として、実施例2と同様の原料樹脂を使用し、本発明の方法において、加圧工程を行わずに溶融樹脂を吐出して、その吐出重量ばらつきを評価した。吐出方法、吐出条件、評価方法は比較例1と同様である。
【0032】
表1に、実施例1、比較例1、実施例2、比較例2の評価結果を示す。表1に示す結果からわかるように、本発明の実施例においては、本発明を実施していない比較例に対して、最大吐出重量と最小吐出重量の差が小さく、すなわち吐出重量のばらつきが小さい。これは、実施例では加圧工程があり、計量室内の溶融樹脂の密度を吐出毎に一定にしているためである。ここで、実施例と比較例では平均吐出重量が大きく異なっている。これは、実施例では加圧工程で計量室内の溶融樹脂の密度を上げているため、同じ容量でも重くなるからである。また、加圧工程で計量室の溶融樹脂内圧を上げているため、シャッター部材13を開放する際に溶融樹脂内圧が吐出圧力となり、プランジャ12の駆動量以上に樹脂が吐出されるためである。ただし、この吐出重量はプランジャ12の駆動量に比例しており、プランジャ12の駆動量を調整することにより所望の吐出重量とすることが可能である。
【0033】
【表1】

【0034】
[実施例3]
本発明の実施例として、本発明の吐出方法を、圧縮成形方法の材料供給工程に用いてレンズを製造し、レンズの厚みのばらつきを評価した。製造したレンズの形状は、直径が10mmの両凸球面形状である。原料樹脂として、ポリオレフィン系樹脂である日本ゼオン(株)製ゼオネックスE48Rを使用した。吐出方法、吐出条件は実施例1と同様である。吐出した溶融樹脂Rをレンズの片面となる下型に乗せ、溶融樹脂Rをノズル6の先端面で切断する。次に、樹脂を乗せた下型を圧縮成形機に搬送し、下型を胴型に嵌め込む。その後、予め胴型に摺動可能に備えられた上型を駆動させ、上型と下型で樹脂を挟み圧縮成形を行う。圧縮成形の条件は、圧縮開始時の上型、下型、胴型の温度がそれぞれ180℃、圧縮終了時の上型、下型、胴型の温度がそれぞれ130℃、圧縮成形圧力は2.5MPaである。最後に、製造したレンズの厚みをダイヤルゲージで計測した。
【0035】
[比較例3]
比較例として、本発明の方法において、加圧工程を行わない方法を、圧縮成形方法の材料供給工程に用いてレンズを製造し、レンズの厚みのばらつきを評価した。製造したレンズの形状は、実施例3と同様である。吐出方法、吐出条件は比較例1と同様である。圧縮成形方法、成形条件、評価方法は実施例3と同様である。
【0036】
表2に、実施例3と比較例3の評価結果を示す。表2に示す結果からわかるように、本発明の実施例においては、本発明を実施していない比較例に対して、レンズ厚みのばらつきが小さい。これは、本発明の吐出方法により、圧縮成形に供給される樹脂の重量ばらつきが小さくなったためである。
【0037】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、各種圧縮成形方法の材料供給工程及び材料供給装置に利用することができる。特に、レンズやプリズムなどの光学素子を成形するための圧縮成形方法の材料供給工程及び材料供給装置に適している。
【符号の説明】
【0039】
2…スクリュー(可塑化部)、7…本体部、9…計量室、9a…導入口、9b…吐出口、10…圧力検出センサ、11…ニードル弁、12…プランジャ、13…シャッター部材、18…駆動制御部、19…記憶部、100…定量吐出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂原材料を可塑化させる可塑化部と、
前記可塑化部からの溶融樹脂を導入するための導入口と溶融樹脂を吐出するための吐出口とを有する計量室が形成された本体部と、
前記導入口を開閉するニードル弁と、
前記吐出口を開閉するシャッター部材と、
前記計量室に配置され、前記計量室に充填された溶融樹脂を押圧するプランジャと、
前記計量室の圧力を検出する圧力検出センサと、
前記計量室の圧力の基準値を記憶する記憶部と、
前記ニードル弁、前記シャッター部材及び前記プランジャを駆動制御する駆動制御部と、を備え、
前記駆動制御部は、前記計量室に充填された溶融樹脂を前記吐出口から吐出させるのに先立って、前記ニードル弁及び前記シャッター部材を閉位置に動作させて前記計量室を密閉空間にし、前記圧力検出センサによって検出される圧力検出値が前記記憶部に記憶された基準値となるように前記プランジャを動作させて前記計量室に充填された溶融樹脂を加圧することを特徴とする定量吐出装置。
【請求項2】
樹脂原材料を可塑化させる可塑化部と、
前記可塑化部からの溶融樹脂を導入するための導入口と溶融樹脂を吐出するための吐出口とを有する計量室が形成された本体部と、
前記導入口を開閉するニードル弁と、
前記吐出口を開閉するシャッター部材と、
前記計量室に配置され、前記計量室に充填された溶融樹脂を押圧するプランジャと、
前記計量室の圧力を検出する圧力検出センサと、
前記計量室の圧力の基準値を記憶する記憶部と、
前記ニードル弁、前記シャッター部材及び前記プランジャを駆動制御する駆動制御部と、を備えた定量吐出装置を用いた定量吐出方法であって、
前記駆動制御部により前記ニードル弁を開位置、前記シャッター部材を閉位置に動作させて、前記導入口から前記計量室に溶融樹脂を充填する充填工程と、
前記充填工程にて前記計量室への溶融樹脂の充填が完了した後、前記駆動制御部により前記ニードル弁を閉位置に動作させて前記計量室を密閉空間とし、前記圧力検出センサによって検出される圧力検出値が前記記憶部に記憶された基準値となるように前記駆動制御部により前記プランジャを動作させて、前記計量室に充填された溶融樹脂を加圧する加圧工程と、
前記加圧工程にて前記圧力検出センサによって検出される圧力検出値が前記基準値となった後、前記駆動制御部により前記シャッター部材を開位置に動作させると共に前記プランジャを動作させて、前記吐出口から溶融樹脂を吐出させる吐出工程と、を有することを特徴とする定量吐出方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−250449(P2012−250449A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124982(P2011−124982)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】