説明

定量比分注装置及び定量比混合流体調製方法

【課題】少なくとも2種類の流体を第1流路及び第2流路から所定の量比でそれぞれ流出させる手段を簡易な構造で提供する。
【解決手段】測定装置1は、所定の断面積及び長さを有し、第1流体が流出される第1流路31と、第1流路31に対して所定の比率となる断面積及び長さを有し、第2流体が流出される第2流路32と、第1流路31中の第1流体及び第2流路32中の第2流体に対して等しい圧力を加圧するシリンジポンプ2とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2種類の流体を第1流路及び第2流路から所定の量比でそれぞれ流出させる定量比分注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体、気体、混相流体などの各流体を所定の量で混合することは、工業生産から家庭利用の如く規模の大小に拘わらず行われている。例えば、分析や検査、燃料電池への燃料供給、ガスエッチングなどがあげられる。ナノ粒子を含有する溶液の希釈や、顔料の希釈ななどでは、混相流体と液体とが混合される。
【0003】
分析や検査においては、検体と称される被検物と、検出用試薬とが所定の量比で混合され、一定時間経過後における混合物の状態変化が測定される。混合物の状態変化とは、例えば、混合物の比色測定や濁度測定などがあげられる。検体は、ヒト血液や血清、河川の水や海水などがあげられる。
【0004】
燃料電池には、3〜6%程度の低濃度のメタノールを含む水溶液を燃料とするものがある。このような燃料電池は、メタノール燃料電池とも称される。メタノール燃料電池が発電を続けると、燃料中のメタノール濃度が低下して発電能力が失われる。メタノール燃料電池の発電を持続させるために、燃料中に一定割合のメタノールを継続的に添加することが有用である。燃料電池には、酸素ガスと水素ガスとを1:2の混合比で混合したものを燃料とするものがある。この燃料電池による発電においては、一定の混合比の混合ガスを継続して供給する必要がある。
【0005】
ガスエッチングは、複数種類のガスを所定の比率で混合してエッチングガスとし、このエッチングガスを密閉容器中に低圧で満たした状態でプラズマを発生させることにより、エッチングを行う手法である。ガスエッチングでは、ガスの種類や混合比が、エッチング速度や品質に影響を与える。
【0006】
従来より、液体や気体などの流体を精密に分注する装置が提案されている。例えば、特許文献1には、加圧空気により液体を精密に分注する装置が開示されている。特許文献2には、体積センサのない微量分注デバイスが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特表平8−501496号公報
【特許文献2】特表2002−500946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に示されるように、加圧空気により精密に液体を分注するには、空気圧を検知するセンサや、加圧空気の圧力レベルを調整する調整弁が必要となり、装置が複雑化、大型化しやすい。特許文献2では、体積センサのない分注デバイスが開示されているが、当該分注デバイスは、インクジェットプリンタの記録ヘッドのように、微小滴のインクを吐出するものとして好適であり、複数の流体を混合させることを目的としていない。また、特許文献1,2とも、正確な絶対量の液体を分注又は吐出させることを目的としている。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、少なくとも2種類の流体を第1流路及び第2流路から所定の量比でそれぞれ流出させる手段を簡易な構造で提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1) 本発明に係る定量比分注装置は、所定の圧力損失で第1流体が流出される第1流路と、上記第1流路に対して所定の比率となる圧力損失を有し、第2流体が流出される第2流路と、上記第1流路中の第1流体及び上記第2流路中の第2流体を加圧又は減圧する圧力付与手段と、を具備してなる。
【0011】
第1流路と第2流路とは、その圧力損失が所定の比率である。第1流路には第1流体が流通され、第2流路には第2流体が流通される。圧力付与手段は、第1流路中の第1流体及び第2流路中の第2流体を加圧又は減圧する。加圧は流体の流通方向に対して上流側から行われ、減圧は流体の流通方向に対して下流側から行われる。加圧又は減圧を受けた第1流体及び第2流体は、第1流路又は第2流路からそれぞれ流出される。第1流路及び第2流路からそれぞれ流出される第1流体と第2流体とは、第1流路と第2流路との圧力損失の比率に対応した所定の量比である。
【0012】
(2) 上記第1流路は、所定の断面積及び長さを有し、上記第2流路は、上記第1流路に対して所定の比率となる断面積及び長さを有し、上記圧力付与手段は、上記第1流路中の第1流体及び上記第2流路中の第2流体に対して等しい圧力を加圧又は減圧するものが考えられる。
【0013】
流路における圧力損失は、断面積及び長さにより制御することができる。したがって、断面積及び長さの比率を調整することにより、第1流路と第2流路との圧力損失の比率を容易に制御することができる。圧力付与手段による加圧又は減圧を第1流路及び第2流路に対して等しい圧力とすることにより、第1流路と第2流路との圧力損失の比率に応じた量比で第1流体及び第2流体が流出される。
【0014】
(3) 上記第1流体及び第2流体として、液体、気体、又は混相流体があげられる。
【0015】
(4) 本発明に係る定量比分注装置は、上記第1流路から流出された第1流体と上記第2流路から流出された第2流体とを混合して保持する混合容器を更に具備するものであってもよい。
【0016】
所定の量比で、第1流路及び第2流路からそれぞれ流出された第1流体と第2流体とは、混合容器において混合されて保持される。
【0017】
(5) 本発明に係る測定装置は、上記定量比分注装置と、上記混合容器において、第1流体及び第2流体を含む混合体の反応状態を測定する測定手段とを具備するものである。
【0018】
(6) 上記第1流体及び上記第2流体のいずれか一方を検出用試薬とし、他方を検体とすることにより、検体の分析に本測定装置を用いることができる。
【0019】
(7) 本発明に係る定量比分注装置は、所定の圧力損失を有し、第1流体が保持される第1容器と、上記第1容器に対して所定の比率となる圧力損失を有し、第2流体が保持される第2容器と、上記第1容器に保持された第1流体が流出される第1流路と、上記第2容器に保持された第2流体が流出される第2流路と、上記第1容器中の第1流体及び上記第2容器中の第2流体を加圧又は減圧する圧力付与手段と、を具備してなる。
【0020】
第1容器と第2容器とは、その圧力損失が所定の比率である。第1流路には第1容器に保持された第1流体が流通され、第2流路には第2容器の保持された第2流体が流通される。圧力付与手段は、第1容器中の第1流体及び第2容器中の第2流体を加圧又は減圧する。加圧は流体の流通方向に対して上流側から行われ、減圧は流体の流通方向に対して下流側から行われる。加圧又は減圧を受けた第1流体及び第2流体は、第1流路又は第2流路からそれぞれ流出される。第1流路及び第2流路からそれぞれ流出される第1流体と第2流体とは、第1容器と第2容器との圧力損失の比率に対応した所定の量比である。
【0021】
(8) 上記第1流路は、所定の圧力損失を有し、上記第2流路は、上記第1流路に対して所定の比率となる圧力損失を有するものであってもよい。
【0022】
第1流路及び第2流路からそれぞれ流出される第1流体と第2流体とは、第1容器と第2容器との圧力損失の比率、及び第1流路と第2流路との圧力損失の比率に対応した所定の量比となる。
【0023】
(9) 上記第1容器は、所定の断面積及び長さを有し、上記第2容器は、上記第1容器に対して所定の比率となる断面積及び長さを有し、上記圧力付与手段は、上記第1容器中の第1流体及び上記第2容器中の第2流体に対して等しい圧力を加圧又は減圧するものが考えられる。
【0024】
流路における圧力損失は、断面積及び長さにより制御することができる。したがって、断面積及び長さの比率を調整することにより、第1容器と第2容器との圧力損失の比率を容易に制御することができる。圧力付与手段による加圧又は減圧を第1容器及び第2容器に対して等しい圧力とすることにより、第1容器と第2容器との圧力損失の比率に応じた量比で第1流体及び第2流体が流出される。
【0025】
(10) 上記第1流路は、所定の断面積及び長さを有し、上記第2流路は、上記第1流路に対して所定の比率となる断面積及び長さを有するものが考えられる。
【0026】
流路における圧力損失は、断面積及び長さにより制御することができる。したがって、断面積及び長さの比率を調整することにより、第1流路と第2流路との圧力損失の比率を容易に制御することができる。
【0027】
(11) 上記第1流体及び第2流体として、液体、気体、又は混相流体があげられる。
【0028】
(12) 本発明に係る定量比分注装置は、上記第1流路から流出された第1流体と上記第2流路から流出された第2流体とを混合して保持する混合容器を更に具備するものであってもよい。
【0029】
所定の量比で、第1流路及び第2流路からそれぞれ流出された第1流体と第2流体とは、混合容器において混合されて保持される。
【0030】
(13) 本発明に係る測定装置は、上記定量比分注装置と、上記混合容器において、第1流体及び第2流体を含む混合体の反応状態を測定する測定手段とを具備するものである。
【0031】
(14) 上記第1流体及び上記第2流体のいずれか一方を検出用試薬とし、他方を検体とすることにより、検体の分析に本測定装置を用いることができる。
【0032】
(15) 本発明に係る定量比混合流体調製方法は、所定の圧力損失を有する第1流路から、加圧又は減圧によって第1流体を流出させる第1ステップと、上記第1流路に対して所定の比率となる圧力損失を有する第2流路から、上記第1流体に付与した圧力と等しい圧力の加圧又は減圧によって第2流体を流出させる第2ステップと、上記第1流路から流出された第1流体と上記第2流路から流出された第2流体をとを混合する第3ステップと、を含む。
【0033】
(16) 本発明に係る定量比混合流体調製方法は、所定の圧力損失を有する第1容器に保持された第1流体を、加圧又は減圧によって第1流路を通じて流出させる第4ステップと、上記第1容器に対して所定の比率となる圧力損失を有する第2容器に保持された第2流体を、上記第1流体に付与した圧力と等しい圧力の加圧又は減圧によって第2流路を通じて流出させる第5ステップと、上記第1流路から流出された第1流体と上記第2流路から流出された第2流体をとを混合する第6ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る定量比分注装置によれば、第1流路と第2流路との圧力損失の比率、又は第1容器と第2容器との圧力損失の比率に対応した所定の量比で、第1流路から第1流体が流出され、第2流路から第2流体が流出される。これにより、簡易な構造の定量比分注装置が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に、本発明の好ましい実施形態が説明される。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
【0036】
[第1実施形態]
以下に、本発明の第1実施形態が説明される。図1は、第1実施形態に係る測定装置1の主要な構成を示す模式図である。図2は、図1のII−II断面における基板3の構成を示す断面図である。なお、図1では測定手段が省略されている。
【0037】
測定装置1は、本発明に係る定量比分注装置を備えたものである。定量比分注装置は、図1に示されるシリンジポンプ2、基板3、混合容器4を主要な構成として実現されている。測定装置1は、混合容器4内の混合液の吸光度を測定する吸光度測定機を測定手段として有するが、吸光度測定機は図1に示されていない。
【0038】
シリンジポンプ2は、本発明に係る圧力付与手段の一例である。シリンジポンプ2は、流体を保持可能なシリンジが装填可能であり、そのシリンジから設定された注入速度で持続的に流体を流出させる。シリンジポンプ2には、少なくとも2つのシリンジを装填することができる。これらシリンジのプランジャが一定の速度で移動されることにより、各シリンジから一定圧力で流体が供給される。なお、図1では、装填される2本のシリンジは現されていない。例えば、同形状の2本のシリンジを装填して、同じ注入速度を設定することにより、2本のシリンジから等しい圧力で流体を流出させることができるが、シリンジの形状は限定されない。シリンジポンプ2からは同形状の2本のチューブ10,11が引き出されている。各チューブ10,11は、2本のシリンジに対応しており、各シリンジから流出された流体は、チューブ10,11のいずれかを通じて流出される。
【0039】
基板3は、本発明に係る第1流路及び第2流路の一例である。図1に示されるように、基板3は矩形の平板形状である。基板3は、屈曲等による破損がなく、安価に製造できるものが好適である。また、基板3は、検体や検出用試薬に含まれる成分と反応しない材料からなるものが好適である。このような材料として、ポリメチルシロキサン、アクリル樹脂、又はポリスチレン樹脂などの高分子材料があげられるが、その他、ガラスや石英、シリカ、セラミックス等を基板3の材料として用いることができる。
【0040】
基板3の一端には2つの注入口が形成されており、各注入口にチューブ10,11がそれぞれ接続されている。チューブ10,11は、内部を流体が流通可能なものであり、同形状である。チューブ10,11を通じて流出される流体は、注入口から基板3の内部に形成された第1流路31及び第2流路32へ流入する。
【0041】
図2に示されるように、基板3の内部には、第1流路31及び第2流路32が形成されている。第1流路31及び第2流路32は、基板3の長手方向に直線形状に連続して形成されている。基板3は、厚み方向に重ねられた2枚の平板33,34から構成されている。下側となる平板33に所定の幅及び深さの溝が形成され、該溝を上から塞ぐように上側となる平板34が貼り合わされることにより、第1流路31及び第2流路が形成されている。溝の加工には、例えば、マイクロドリル等による機械的な加工や、エッチング等の化学処理が用いられる。
【0042】
第1流路31と第2流路32とは、それぞれが所定の断面積及び長さに設定されている。第1流路31の断面積及び長さに対して、第2流路32の断面積及び長さは所定の比率とである。本実施形態では、第1流路31及び第2流路32ともに断面形状が長方形であるが、本発明において断面形状は特に限定されない。また、本実施形態では、説明の便宜上、第1流路31の長さと第2流路32の長さは同一であるが、本発明において各流路の長さは同一である必要はない。
【0043】
第1流路31と第2流路32とは、長さが同一であるので、断面積によって第1流路31又は第2流路32を流れる流体の圧力損失が異なる。圧力損失(ΔP)は次の式1によって表される。なお、式1において、dは流体力学直径(断面積と捉えてもよい)、μは流体の粘性、Uは流体の流速、Lは流路体の長さを示す。
【0044】
式1:ΔP=32μUL/d
【0045】
本実施形態では、第1流路31の長さと第2流路32の長さは同一である。また、シリンジポンプ2により、第1流路31及び第2流路32へは同じ流速で流体が供給される。流体の粘性が同じであるとすれば、圧力損失は断面積に反比例する。例えば、第1流路31の断面積と第2流路32の断面積との比が1:10であれば、第1流路31の圧力損失と第2流路32の圧力損失との比は10:1となる。圧力損失が大きいほど各流路から流出される流体の量が少なくなるから、第1流路31から流出される流体(本発明に係る第1流体に相当)と、第2流路32から流出される流体(本発明に係る第2流体に相当)との量比は、1:10となる。
【0046】
基板3において、注入口が形成された端部と反対側の端部には、2つの排出口が形成されており、各排出口にチューブ12,13がそれぞれ接続されている。第1流路31及び第2流路32は、1つの注入口から1つの排出口へ流体を流通させる通路である。チューブ12,13は、内部を流体が流通可能なものであり、同形状である。チューブ12,13を通じて流出される流体は、混合容器4へ流入する。
【0047】
混合容器4は、第1流路31から流出された第1流体と第2流路32から流出された第2流体とを混合して保持できる容器である。測定装置1では、混合容器4において混合された混合液の吸光度が測定されるので、混合容器4は、所定波長の光が透過可能な透過窓を有する。なお、図1には、混合容器4の透過窓は現されていない。また、必要であれば第1流体と第2流体とを迅速に混合するために、スタラーが設けられていてもよい。
【0048】
本発明において、第1流路31を流通させる第1流体及び第2流路を流通させる第2流体は、具体的には液体、気体、又は混相流体である。例えば、測定装置1によりヒト血清中の特定成分の定量を行うのであれば、第1流体を検体(ヒト血清又はその希釈液)とし、第2流体を検出用試薬とする。なお、いずれか第1流体又は第2流体であるかは相対的なものである。第1流路31の断面積と第2流路32の断面積とを、検体と検出試薬の混合比に応じた所定の比率とすることによって、混合容器4において、検体と検出試薬とを所望の量比で混合させることができる。検出試薬が検体中の特定成分と反応して着色するのであれば、所定時間経過後の混合液の着色の程度を吸光度によって測定することにより、検体中の特定成分を定量分析することができる。
【0049】
以下に、本発明に係る定量比混合流体調製方法としての測定装置1の使用方法が説明される。ここでは、前述されたように、第1流体として検体が用いられ、第2流体として検出試薬が用いられる場合が説明される。シリンジポンプ2に装填される各シリンジには、所定量の検体と検出試薬とが充填される。検体は、必要に応じて所定の緩衝液が用いられて希釈される。各シリンジをシリンジポンプ2に装填して、同一の注入速度を設定して動作させる。シリンジポンプ2から等加圧されて流出された検体及び検出試薬は、チューブ10,11を流通して第1流路31及び第2流路32からそれぞれ流出される。この過程が本発明における第1ステップ及び第2ステップに相当する。つまり、第1ステップ及び第2ステップは同時に行われる。
【0050】
第1流路31及び第2流路32からそれぞれ流出された検体及び検出試薬は、チューブ12,13を流通して混合容器4に流入する。混合容器4において、検体及び検出試薬が混合されて保持される。この混合は、強制的なものであっても流体の分散によるものであってもよい。この過程が本発明の第3ステップに相当する。本実施形態では、混合容器4において混合された混合液が測定手段によって吸光度測定されるが、この過程は本発明に係る定量比混合流体調製方法に必須ではない。
【0051】
このように測定装置1によれば、第1流路31と第2流路32との断面積及び長さの比率に対応した所定の量比で、第1流路31から第1流体が流出され、第2流路32から第2流体が流出される。これにより、簡易な構造の定量比分注装置が実現される。
【0052】
なお、本実施形態では、測定装置1がシリンジポンプ2を有し、第1流路31及び第2流路32において各流体が等加圧で流出されるものとしたが、加圧に代えて減圧により、第1流路31及び第2流路32から各流体が流出されるように測定装置1が構成されてもよい。
【0053】
図3は、第1実施形態の変形例を示す図である。なお、図3において第1実施形態と同一の参照符号が付された部材は、第1実施形態で説明されたものと同一である。変形例では、基板3の各注入口に接続されたチューブ10,11は、シリンジポンプ2に代えて2つのサンプル容器5,6にそれぞれ接続されている。サンプル容器5,6は、第1流体である検体及び第2流体である検出試薬をそれぞれ保持可能な容器である。
【0054】
一方、基板3の各排出口に接続されたチューブ12,13は、混合容器7に接続されている。混合容器7は、第1流路31から流出された第1流体と第2流路32から流出された第2流体とを混合して保持できる容器である点において、混合容器4と同様であるが、ドレイン8を通じて吸引ポンプに接続されている点において混合容器4と異なる。なお、図3には吸引ポンプは示されていない。吸引ポンプは、混合容器7を定圧で持続的に減圧できるものであれば特に限定されず、公知の吸引ポンプを用いることができる。
【0055】
吸引ポンプが動作されて混合容器7が減圧されると、チューブ12,13、第1流路31及び第2流路32、チューブ10,11へ通じる経路が順次減圧されて、サンプル容器5,6に保持された検体及び検出試薬が吸い出される。サンプル容器5から吸い出された検体は、チューブ10を通じて第1流路31へ流入し、さらに第1流路31から流出してチューブ12を通じて混合容器7へ流入する。サンプル容器6から吸い出された検出試薬は、チューブ11を通じて第2流路32へ流入し、さらに第2流路32から流出してチューブ13を通じて混合容器7へ流入する。
【0056】
前述されたように、第1流路31の断面積と第2流路32の断面積とが、検体と検出試薬の混合比に応じた所定の比率とされることによって、混合容器7において、検体と検出試薬とを所望の量比で混合させることができる。そして、検出試薬が検体中の特定成分と反応して着色し、所定時間経過後の混合液の着色の程度が吸光度によって測定される。
【0057】
[第2実施形態]
以下に、本発明の第2実施形態が説明される。図4は、第2実施形態に係る基板9の構成を示す横断面図である。この基板9の排出口に対して、第1実施形態の変形例(図3参照)で示されたように、チューブ12,13、混合容器7、吸引ポンプが接続されて測定装置が構成される。以下には、基板9の構成について説明がされ、その他の構成については説明が省略される。
【0058】
基板9は、本発明に係る第1容器、第2容器、第1流路、及び第2流路の一例である。図4には基板9の外観構成が示されていないが、第1実施形態に係る基板3と同様に、全体形状が矩形の平板形状であり、厚み方向に重ねられた2枚の平板から構成されている。図4には、基板9において、厚み方向と直交する断面が示されている。
【0059】
図4に示されるように、基板9には、第1容器41、第2容器42、第1流路43、及び第2流路44が形成されている。第1容器41及び第2容器42は、第1流路43及び第2流路44にそれぞれ流通される第1流体及び第2流体をそれぞれ保持する。例えば、第1容器41には、第1流体としての検出試薬保持され、第2容器42には、第2流体としての検体が保持される。なお、第1流体と第2流体とは相対的な概念である。
【0060】
第1容器41及び第2容器42は、所定の断面積及び長さによって流体を保持可能な所定の容積を有する。図4に示されるように、第1容器41及び第2容器42は、基板9の長手方向に沿って細長に形成されている。第1容器41の断面積及び長さに対して、第2容器42の断面積及び長さは所定の比率とである。本実施形態では、第1容器41及び第2容器42はともに断面形状が長方形であるが、本発明において断面形状は特に限定されない。また、本実施形態では、説明の便宜上、第1容器41の長さと第2容器42の長さは同一であるが、本発明において各容器の長さは同一である必要はない。
【0061】
第1容器41と第2容器42とは、長さが同一であるので、断面積によって第1容器41又は第2容器42を流れる流体の圧力損失が異なる。圧力損失(ΔP)は上記式1によって表される。前述と同様に、長さが同一の第1容器41の圧力損失と第2容器42の圧力損失は、断面積に比例する。なお、図4には現れていないが、第1容器41及び第2容器42は、例えばラビリンス構造などによって内部が大気に開放されており、内部圧力は大気圧と同等である。また、必要であれば、例えば、検体を注入するための注入口が第2容器42に形成されていてもよい。
【0062】
第1流路43は、第1容器41の一端側に接続された流路であり、ほぼU字形状に折れ曲がった平面形状である。第2流路44は、第2容器42の一端側に接続された流路であり、ほぼU字形状に折れ曲がった平面形状である。第1流路43には、第1流体である検出試薬が流通される。第2流路44には第2流体である検体が流通される。第1流路43と第2流路44とは、基板9の短手方向において線対称な形状である。また、図4には現れていないが、第1流路43の断面形状及び長さと第2流路44の断面形状及び長さは同一である。つまり、第1流路43における圧力損失と第2流路44における圧力損失は同等である。
【0063】
第1流路43における第1容器41と反対側の端部、及び第2流路44における第2容器42と反対側の端部には、それぞれ排出口が形成されており、各排出口にチューブ12,13がそれぞれ接続されている。したがって、第1流路43から流出された検出試薬はチューブ12を通じて混合容器7へ流入し、第2流路44から流出された検体はチューブ13を通じて混合容器7へ流入する。
【0064】
第1容器41の断面積と第2容器42の断面積とを、検出試薬と検体の混合比に応じた所定の比率とすることによって、混合容器7において、検出試薬と検体とを所望の量比で混合させることができる。検出試薬が検体中の特定成分と反応して着色するのであれば、所定時間経過後の混合液の着色の程度を吸光度によって測定することにより、検体中の特定成分を定量分析することができる。
【0065】
以下に、本発明に係る定量比混合流体調製方法としての測定装置の使用方法が説明される。本実施形態では、第1流体として検出試薬が用いられ、第2流体として検体が用いられる。基板9の第1容器41及び第2容器42には、所定量の検出試薬と検体とが充填されている。吸引ポンプが動作されて混合容器7が減圧されると、チューブ12,13、第1流路43及び第2流路44、第1容器41及び第2容器42が順次減圧されて、第1容器41及び第2容器42に保持された検出試薬及び検体が吸い出される。第1容器41から吸い出された検出試薬は、第1流路43へ流入し、さらに第1流路43から流出してチューブ12を通じて混合容器7へ流入する。第2容器42から吸い出された検体は、第2流路44へ流入し、さらに第2流路44から流出してチューブ13を通じて混合容器7へ流入する。この過程が本発明における第4ステップ及び第5ステップに相当する。つまり、第4ステップ及び第5ステップは同時に行われる。混合容器7おいて、検体及び検出試薬が混合されて保持される。この過程が本発明の第6ステップに相当する。本実施形態では、混合容器7において混合された混合液が測定手段によって吸光度測定されるが、この過程は本発明に係る定量比混合流体調製方法に必須ではない。
【0066】
このように、第2実施形態に測定装置によれば、第1容器41と第2容器42との断面積及び長さの比率に対応した所定の量比で、第1流路43から第1流体が、第2流路44から第2流体が流出される。これにより、簡易な構造の定量比分注装置が実現される。
【0067】
なお、第2実施形態では、測定装置が吸引ポンプを有し、第1流路43及び第2流路44において各流体が等減圧で流出されるものとしたが、減圧に代えて加圧により、第1流路43及び第2流路44から各流体が流出されるように構成されてもよい。
【0068】
また、第2実施形態では、第1流路43及び第2流路44を同一の断面積及び長さとしたが、これらが所定の比率で構成されていてもよい。
【0069】
なお、上記各実施形態では、第1流路及び第2流路、さらには第1容器及び第2容器が基板に形成されたものとしたが、本発明において、これらは基板に形成されたものに限定されない。例えば、第1流路及び第2流路としてチューブを採用することもできる。基板やチューブなど、第1流路及び第2流路さらには第1容器及び第2容器を実現する部材によって流体との濡れ性などの物理的性質が異なることが想定されるが、それぞれの断面積及び長さの比率に対して、物理的性質による影響を補正する係数を用いればよい。
【0070】
また、上記各実施形態では、第1流路及び第2流路、或いは第1容器及び第2容器を有する基板が示されているが、更に基板に第3流路或いは第3容器が形成されていてもよい。つまり、本発明では、少なくとも2つの流路又は容器を有すればよい。
【0071】
また、上記各実施形態では、第1流路及び第2流路、或いは第1容器及び第2容器の圧力損失の比率が、断面積及び長さの比率として制御される場合が示されているが、本発明では、断面積及び長さ以外の要素によって制御されてもよい。例えば、第1流路及び第2流路、或いは第1容器及び第2容器の断面形状をそれぞれ所定の形状とすることにより、圧力損失の比率を制御することが考えられる。
【0072】
また、本実施形態では、本発明に係る加減圧手段の一例としてシリンジポンプがあげられているが、加減圧手段は公知のものに適宜変更することが可能である。また、加減圧手段は必ずしも機械的に動作されるものに限定されず、例えば、2本のシリンジを手動で動作させてもよい。その際に第1流路及び第2流路或いは第1容器及び第2容器に付与される圧力は等しい必要はなく、2本のシリンジにより所定の比率の圧力が加圧又は減圧されてもよい。
【0073】
また、第1流路からの第1流体の流出及び第2流路からの第2流体の流出を所定のタイミングで停止させるために、弁などの流体の流れを遮断する機構が更に設けられてもよい。
【実施例】
【0074】
以下に、本発明の実施例が説明される。実施例は、本発明の一実施形態であり、本発明が実施例に記載されたものに限定されないことは言うまでもない。
【0075】
(実施例1)
第1実施形態の変形例と同様の構成の測定装置を用い、第1流体及び第2流体を水として、混合容器7への分注精度を評価した。基板4としてアクリル板を用い、機械的加工により第1流路31及び第2流路32を形成した。第1流路31は、幅95μm×深さ98μmの断面積とし、第2流路32は、幅397μm×深さ237μmの断面積とした。第1流路31の長さと第2流路32の長さは同一とした。また、チューブ10〜13として、内径500μm×長さ25cmのポリテトラフルオロエチレン製のチューブを用いた。吸引ポンプとしてシリンジを混合容器7のドレイン8に接続し、手動でシリンジを動作させることにより混合容器7を減圧した。第1流路31から流出される水の量と、第2流路32から流出される水の量とをそれぞれ測定して量比を求め、7回の操作の平均値及び標準偏差を算出した。得られた量比の平均値は34.0であり、標準偏差は0.91であった。
【0076】
(実施例2)
第2実施形態と同様の構成の測定装置を用い、第1流体及び第2流体を水として、混合容器7への分注精度を評価した。基板9としてアクリル板を用い、機械的加工により第1容器41、第2容器42、第1流路43、及び第2流路44を形成した。第1容器41は、幅10mm×深さ2mmの断面積であって長さが45mmとした。第2容器42は、幅5mm×深さ2mmの断面積であって長さが45mmとした。第1流路43は、幅500μm×深さ800μmの断面積であって長さが67.6mmとした。第2流路44は、幅500μm×深さ190μmの断面積であって長さが67.6mmとした。また、チューブ10〜13として、内径500μm×長さ25cmのポリテトラフルオロエチレン製のチューブを用いた。吸引ポンプとしてシリンジを混合容器7のドレイン8に接続し、手動でシリンジを動作させることにより混合容器7を減圧した。第1流路43から流出される水の量と、第2流路44から流出される水の量とをそれぞれ測定して量比を求め、7回の操作の平均値及び標準偏差を算出した。得られた量比の平均値は40.9であり、標準偏差は2.9であった。
【0077】
(実施例3)
第2流路44の深さを230μmとしたほかは、実施例2と同様にして第1流路43から流出される水の量と、第2流路44から流出される水の量とをそれぞれ測定して量比を求め、7回の操作の平均値及び標準偏差を算出した。得られた量比の平均値は7.3であり、標準偏差は0.6であった。
【0078】
(実施例4)
第2流路44の深さを270μmとしたほかは、実施例2と同様にして第1流路43から流出される水の量と、第2流路44から流出される水の量とをそれぞれ測定して量比を求め、7回の操作の平均値及び標準偏差を算出した。得られた量比の平均値は4.1であり、標準偏差は0.4であった。
【0079】
(実施例5)
第2実施形態と同様の構成の測定装置を用いてメタノール燃料電池用の燃料を調整した。基板9の構成は、第2流路44の深さを270μmとしたほかは、実施例2と同様である。ただし、基板9として、シリコン基板にドライエッチングで各容器及び各流路を形成し、そのシリコン基板に耐熱ガラス(商品名:パイレックス)を貼り合わせたものを用いた。第1流体としてメタノールを用い、第2流体として水を用いた。混合容器7に流出されたメタノールと水との混合体を燃料としてメタノール燃料電池に供給した。メタノール燃料電池として、電極面積が16cm、出力が39mVのものを用いた。このメタノール燃料電池によって、0.41〜0.43Vの起電力が得られた。
【0080】
(実施例6)
第1実施形態の変形例と同様の構成の測定装置を用い、第1流体としてセレン化カドミウム(CdSe)を含むトルエン溶液と用い、第2流体としてトルエンを用いて、混相流体の希釈を行った。基板4としてシリコン板にパレックスガラスを貼り合わせたもの用い、機械的加工により第1流路31及び第2流路32を形成した。第1流路31及び第2流路32とも、幅200μm×深さ200μmの断面積とし、長さも同一とした。また、チューブ10〜13として、内径500μm×長さ25cmのポリテトラフルオロエチレン製のチューブを用いた。吸引ポンプとしてシリンジを混合容器7のドレイン8に接続し、手動でシリンジを動作させることにより混合容器7を減圧した。第1流体におけるCdSe濃度と、混合容器7において得られた混合体におけるCdSeと350nmの吸光度により比較したところ、第1流体が0.155であったのに対して、混合体は0.30であり、ほぼ半分に希釈されていた。
【0081】
(実施例7)
基板9に代えてキャピラリーにより第1流路及び第2流路を形成して、水素ガスと酸素ガスとを2:1の体積割合で混合させることとした。第1流路として、内径28μm×長さ1mのシリカキャピラリーを用い、一端に水素ガスが封入されたビニール袋を接続した。第1流路として、内径20μm×長さ1mのシリカキャピラリーを用い、一端に酸素ガスが封入されたビニール袋を接続した。第1流路及び第2流路をそれぞれ構成する2本のシリカキャピラリーの他端側に1つの風船を接続し、その風船を密閉容器に封入した。密閉容器内を減圧することにより風船を膨らませた。その風船を、内部のガスが漏れないように取り出した。風船内の混合ガスにおける酸素濃度を酸素濃度計を用いて測定したところ、34%であった。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、第1実施形態に係る測定装置1の主要な構成を示す模式図である。
【図2】図2は、図1のII−II断面における基板3の構成を示す断面図である。
【図3】図3は、第1実施形態の変形例の構成を示す模式図である。
【図4】図4は、第2実施形態に係る基板9の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0083】
1・・・測定装置
2・・・シリンジポンプ2(圧力付与手段)
4・・・混合容器
31・・・第1流路
32・・・第2流路
41・・・第1容器
42・・・第2容器
43・・・第1流路
44・・・第2流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の圧力損失で第1流体が流出される第1流路と、
上記第1流路に対して所定の比率となる圧力損失を有し、第2流体が流出される第2流路と、
上記第1流路中の第1流体及び上記第2流路中の第2流体を加圧又は減圧する圧力付与手段と、を具備してなる定量比分注装置。
【請求項2】
上記第1流路は、所定の断面積及び長さを有し、
上記第2流路は、上記第1流路に対して所定の比率となる断面積及び長さを有し、
上記圧力付与手段は、上記第1流路中の第1流体及び上記第2流路中の第2流体に対して等しい圧力を加圧又は減圧するものである請求項1に記載の定量比分注装置。
【請求項3】
上記第1流体及び第2流体は、液体、気体、又は混相流体のいずれかである請求項1又は2に記載の定量比分注装置。
【請求項4】
上記第1流路から流出された第1流体と上記第2流路から流出された第2流体とを混合して保持する混合容器を更に具備する請求項1から3のいずれかに記載の定量比分注装置。
【請求項5】
請求項4に記載の定量比分注装置と、
上記混合容器において、第1流体及び第2流体を含む混合体の反応状態を測定する測定手段とを具備する測定装置。
【請求項6】
上記第1流体及び上記第2流体のいずれか一方が検出用試薬であり、他方が検体である請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
所定の圧力損失を有し、第1流体が保持される第1容器と、
上記第1容器に対して所定の比率となる圧力損失を有し、第2流体が保持される第2容器と、
上記第1容器に保持された第1流体が流出される第1流路と、
上記第2容器に保持された第2流体が流出される第2流路と、
上記第1容器中の第1流体及び上記第2容器中の第2流体を加圧又は減圧する圧力付与手段と、を具備してなる定量比分注装置。
【請求項8】
上記第1流路は、所定の圧力損失を有し、
上記第2流路は、上記第1流路に対して所定の比率となる圧力損失を有する請求項7に記載の定量比分注装置。
【請求項9】
上記第1容器は、所定の断面積及び長さを有し、
上記第2容器は、上記第1容器に対して所定の比率となる断面積及び長さを有し、
上記圧力付与手段は、上記第1容器中の第1流体及び上記第2容器中の第2流体に対して等しい圧力を加圧又は減圧するものである請求項7に記載の定量比分注装置。
【請求項10】
上記第1流路は、所定の断面積及び長さを有し、
上記第2流路は、上記第1流路に対して所定の比率となる断面積及び長さを有する請求項8に記載の定量比分注装置。
【請求項11】
上記第1流体及び第2流体は、液体、気体、又は混相流体のいずれかである請求項7から10のいずれかに記載の定量比分注装置。
【請求項12】
上記第1流路から流出された第1流体と上記第2流路から流出された第2流体とを混合して保持する混合容器を更に具備する請求項7から11のいずれかに記載の定量比分注装置。
【請求項13】
請求項12に記載の定量比分注装置と、
上記混合容器において、第1流体及び第2流体を含む混合体の反応状態を測定する測定手段とを具備する測定装置。
【請求項14】
上記第1流体及び上記第2流体のいずれか一方が検出用試薬であり、他方が検体である請求項13に記載の測定装置。
【請求項15】
所定の圧力損失を有する第1流路から、加圧又は減圧によって第1流体を流出させる第1ステップと、
上記第1流路に対して所定の比率となる圧力損失を有する第2流路から、上記第1流体に付与した圧力と等しい圧力の加圧又は減圧によって第2流体を流出させる第2ステップと、
上記第1流路から流出された第1流体と上記第2流路から流出された第2流体をとを混合する第3ステップと、を含む定量比混合流体調製方法。
【請求項16】
所定の圧力損失を有する第1容器に保持された第1流体を、加圧又は減圧によって第1流路を通じて流出させる第4ステップと、
上記第1容器に対して所定の比率となる圧力損失を有する第2容器に保持された第2流体を、上記第1流体に付与した圧力と等しい圧力の加圧又は減圧によって第2流路を通じて流出させる第5ステップと、
上記第1流路から流出された第1流体と上記第2流路から流出された第2流体をとを混合する第6ステップと、を含む定量比混合流体調製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−164455(P2008−164455A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354667(P2006−354667)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度文部科学省「ベンチャー開発戦略研究センター」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】