害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置
【課題】 植物植設パネルを培養液中に浸漬する装置を簡素化することを課題とする。
【解決手段】
培養液入りの箱形槽において、該槽の少くとも相対する両側壁がわの内底面に、それより深く垂下する一対の昇降案内用ピットを形成し、
上記一対のピット内に一対のエアボックスをそれぞれ昇降自在に挿入すると共に、該両エアボックス上に植物植設パネルを支持し、そして上記エアボックスが上記ピット内を上昇したとき上記植物植設パネルが培養液面に浮上し、上記ピット内を降下したとき上記植物植設パネルが培養液中に沈下する関係におき、
上記一対のエアボックス内に空気と、上記槽内の培養液とを選択的に供給することにより上記一対のエアボックス及び植物植設パネルの浮上及び沈下を行う浮沈駆動装置を備えた、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【解決手段】
培養液入りの箱形槽において、該槽の少くとも相対する両側壁がわの内底面に、それより深く垂下する一対の昇降案内用ピットを形成し、
上記一対のピット内に一対のエアボックスをそれぞれ昇降自在に挿入すると共に、該両エアボックス上に植物植設パネルを支持し、そして上記エアボックスが上記ピット内を上昇したとき上記植物植設パネルが培養液面に浮上し、上記ピット内を降下したとき上記植物植設パネルが培養液中に沈下する関係におき、
上記一対のエアボックス内に空気と、上記槽内の培養液とを選択的に供給することにより上記一対のエアボックス及び植物植設パネルの浮上及び沈下を行う浮沈駆動装置を備えた、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、栽培する植物に付着した害虫を駆除するため植物を培養液中に浸漬する装置を備えた水耕栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
培養液を入れた栽培槽内の液面上に、植物を植えた定植パネル(以下植物植設パネルという)を支持すると共に、根を培養液に浸した水耕栽培において、本発明者は、さきに、植物に付着した害虫を駆除する方法として、水耕栽培の途上において植物植設パネルを所定濃度の培養液中に所定の長時間浸漬して害虫を窒息死させる方法、及び植物植設パネルを培養液中に短時間づつ繰り返し浸漬して植物から害虫を離脱させ、ついで培養液中に沈下し又は液面に浮遊する害虫を回収して処分する方法を提案し、それと共に水耕栽培を行っている植物植設パネルを必要に応じて培養液中に浸漬し、処理後は元の水耕栽培に戻すことができる害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を数多く提案してきた。
【0003】
その一例として、培養液面に、内部に空室を有する植物植設パネルを浮かべ、上記空室内に液体を注入することにより植物植設パネルを培養液中に沈下させ、上記液体に替え空気を注入することにより植物植設パネルを液面に浮上させるものがある。
【0004】
又、幅1.5〜2.0m、長さ15〜20mの大型栽培槽を用いる大規模水耕栽培に適するものとして、例えば、栽培槽内に、長手方向に延長する無端チェンを、その上部直線区帯を培養液面上に、その下部直線区帯を培養液中にそれぞれ走行自在に配設し、無端チェン上に多数枚の植物植設パネルを連結し、該無端チェンの走行により上記植物を培養液上に正姿勢で露出させる状態と、培養液中に逆立ち姿勢で浸漬させる状態とに移動させる無端チェン走行型のものや、培養液面に浮かべた植物植設パネルを液面上に引き上げつつ植物を下向きに反転させ、その状態で植物植設パネルを液面に降下させて植物を逆立ち姿勢で液中に浸漬し、ついで上記植物植設パネルを液面上に引き上げつつ植物を上向きに反転させ、その状態で植物植設パネルを液面上に降下させて正常な水耕栽培に戻す反転型のものが提案された。
【0005】
しかし、前者は、空室を有する定植パネルの製作に手間がかかり、コスト高となる欠点があり、後二者は、設備が大掛りで、さらにコスト高となるばかりでなく、栽培槽が深くなるため、高価な培養液を大量に使用する難点があった。
【0006】
さらに、上記従来装置のいずれもが、大型栽培槽を使用した場合、槽の長手方向一端部から培養液を排出して濾過器に送り、濾過液をポンプにより栽培槽の長手方向他端部から槽内に戻す濾過循環用配管を備えているが、長い配管が必要となり、設備費がかさむ欠点があった。
【特許文献1】特許第3000446号
【特許文献2】特許第3235024号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願第1発明は、植物植設パネルを培養液中に浸漬する装置の簡素化を課題とし、
本願第2発明は、パネル浸漬装置の簡素化及び培養液の濾過循環用配管の簡略化を課題とし、
【0008】
本願第3発明は、パネル浸漬装置の簡素化及び浸漬に培養液を無駄なく利用することを課題とし、
【0009】
本願第4発明は、パネル浸漬装置の簡素化、培養液の濾過循環用配管の簡略化及び培養液の浸漬への有効利用を課題とし、
【0010】
本願第5発明は、浸漬のための槽内の培養液量を減らすと共に、浸漬時に植物の根を十分に保護することを課題とし、
【0011】
本願第6発明は、培養液の加温又は冷却する装置を装備し易い外槽又は栽培槽を有する水耕栽培装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する手段として、本願第1発明は、
培養液入りの箱形槽において、該槽の少くとも相対する両側壁がわの内底面に、それより深く垂下する一対の昇降案内用ピットを形成し、
上記一対のピット内に一対のエアボックスをそれぞれ昇降自在に挿入すると共に、該両エアボックス上に植物植設パネルを支持し、そして上記エアボックスが上記ピット内を上昇したとき上記植物植設パネルが培養液面に浮上し、上記ピット内を降下したとき上記植物植設パネルが培養液中に沈下する関係におき、
上記一対のエアボックス内に空気と、上記槽内の培養液とを選択的に供給することにより上記一対のエアボックス及び植物植設パネルの浮上及び沈下を行う浮沈駆動装置を備えた、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を提案し、
【0013】
本願第2発明は、
上記第1発明における一対のエアボックスに、上記植物植設パネルの下に位置して該植物を培養するための培養液入り箱形栽培用内槽を支持し、
上記内槽の一側壁に、その外側の上記槽内の一側部に開通する培養液流出口を設けると共に、上記外側の槽内の他側部から培養液を取り出し、ついで濾過器を経て濾過した培養液を上記内槽内の他側部に流入させる培養液濾過循環装置を装備した、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を提案し、
【0014】
本願第3発明は、
培養液入りの箱形槽において、該槽の少くとも相対する両側壁がわの内底面に、それより深く垂下する一対の昇降案内用ピットを形成し、
上記一対のピット内に一対の密閉したエアボックスを昇降自在に挿入すると共に、該両密閉エアボックス上に植物植設パネルを支持し、そして上記密閉エアボックスが上記ピット内を上昇したとき上記植物植設パネルが培養液面に浮上し、上記ピット内を降下したとき該ピット内の培養液を上記槽内に湧出させて培養液面を上昇させ、該液面上昇の培養液中に上記植物植設パネルが沈下する関係におき、
上記一対の密閉エアボックス内へ空気と、予備タンク内の液体とを選択的に供給することにより上記密閉エアボックス及び植物植設パネルの浮上及び沈下を行う浮沈駆動装置を備えた、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を提案し、
【0015】
本願第4発明は、
上記一対の密閉エアボックスに、上記植物植設パネルの下に位置して該植物を培養するための培養液入り箱形栽培用内槽を支持し、
上記内槽の一側壁に、その外側の上記槽内の一側部に開通する培養液流出口を設けると共に、上記外側の槽内の他側部から培養液を取り出し、ついで濾過器を経て濾過した培養液を上記内槽内の他側部に流入させる培養液濾過循環装置を装備した、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を提案し、
【0016】
本願第5発明は、
上記第2及び第4発明における内槽が、上記植物の根を横へ展延させる程度の浅い扁平箱形槽である、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を提案し、
【0017】
本願第6発明は、
上記各発明における層の外底面を、下方へ突出する一対のピットの間に凹みを有する逆凹陥状に形成し、
上記凹みの開口下面を閉成して内部を温・冷熱室に形成すると共に、該温・冷熱室の少くとも上面の培養液との仕切壁を熱良導体の熱交換壁とし、
上記温・冷熱室内に温又は冷熱媒体を流通させた、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を提案する。
【発明の効果】
【0018】
本願第1発明によれば、一対のピット、一対のエアボックス及び上記エアボックスに空気と培養液とを選択的に供給する駆動装置の簡易な構成により植物植設パネルを培養液に浮上及び沈下させることが可能となり、従来の大型装置と比べ、設備費の大幅な低減を実現できるのである。
【0019】
本願第2発明によれば、上記第1発明と同様の効果に加え、2槽構造を採ることにより栽培用内槽の一側端から流出した培養液を濾過を経て上記内槽の他側端がわに戻す配管を省略することができ、特に長さ15〜20mの大型栽培槽を用いる大規模水耕栽培装置においてその利点が大きい。
【0020】
本願第3発明によれば、上記第1発明と同様の効果に加え、一対の密閉エアボックスを一対のピット内に降下させると、該ピット内の培養液を槽内に湧出させて培養液の液位を上昇させ、この液位上昇の培養液中に植物植設パネルを沈下させるから、一対のピット内の培養液も植物植設パネルの浸漬に参加させて十分な植物浸漬を行うことができる。
【0021】
本願第4発明によれば、上記第3発明と同様の効果に加え、2槽構造を採ることにより培養液の濾過循環の配管を簡略化でき、特に長い栽培槽を用いる大規模水耕栽培装置においてその効果が著しい。
【0022】
本願第5発明によれば、底の浅い扁平内槽を使用することにより、浸漬のための槽内の培養液量を減らすことができると共に、浸漬時にも内槽により植物の根を下から覆うことにより根の根傷を防止することができる。
【0023】
本願第6発明によれば、槽外底面の逆凹陥形状を利用することにより培養液の加温、冷却装置を容易に装備することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本願各発明における「ピット」は、槽の内底面の相対する両側壁がわに設けた平行2本のほか、その中間に1本又は複数本設けたもの、槽の4周壁に沿って設けたもの等がある。
【0025】
本願各発明における植物植設パネルの「定植パネル」は、板面に多数の孔を設けた合成樹脂、金属、木材等の板、又は孔なしの同材料の板が使用される。
【0026】
本願第2及び発明第4発明における「栽培用内槽」には、ゴム引き布、合成樹脂シート等の屈撓性を有する液密シート、又は強化プラスチック板、木板、金属板等の硬質板からなる槽が含まれる。
【0027】
本願第1発明における「浮沈駆動装置」には、下面を開口したエアボックス内に下から発生する気泡を回集しつつエアボックス内の培養液を下面開口から押し出し、又エアボックス内の空気を大気中に放出することによりエアボックス内に培養液を注入させるタイプ、下端に開口を有するエアボックス内にポンプにより空気を圧入しつつエアボックス内の培養液を下端開口から押し出し、又エアボックス内の空気を大気中に放出することによりエアボックス内に下端開口から培養液を注入させるタイプその他種々のものがある。
【0028】
又、本願第3発明における「浮沈駆動装置」には、密閉エアボックス内の液をポンプにより吸み上げて予備タンク内に回集しつつ弁を開いてエアボックス内に大気を注入し、又予備タンクの液をエアボックス内に注入しつつ弁を開いて空気を大気中に放出するタイプ、その他種々のものが使用される。
【0029】
上記いずれの浮沈駆動装置を使用する場合も、エアボックス内に空気を充填したとき、エアボックスが植物植設パネルを支持しつつ、該パネルが培養液面又はそれより若干高い位置に上昇するまで浮上し、又エアボックス内に液を充填したとき、エアボックスが植物植設パネルを支持しつつ、該パネルの植物が培養液中に埋没するまで沈下するように、エアボックス及び植物植設パネル等関連する部材の重量を調整する。
【実施例】
【0030】
第1発明の実施例
図1、2、3、4において、培養液(2)を入れた栽培用槽(1)は上面を開口した横長箱形のもので、その相対する長辺がわ側壁(3)、(3)寄りの内底面に、それより深く垂下する昇降案内用ピット(4)、(4)を槽(1)の長辺全長にわたって凹設してあり、この左右一対のピット(4)、(4)内に、下面を開口した横断面縦長の倒立箱形であって、上記槽(1)の長辺よりやや短い横長のエアボックス(5)、(5)を上記ピット(4)、(4)内壁面と小間隔をあけて昇降自在に挿入し、この左右一対のエアボックス(5)、(5)上に、植物(P)…を植えた多数枚の矩形板状の多数孔あき定植パネル(6)…を、槽(1)長手方向に順次隣接状態で支持し、各植物(P)…の根を培養液(2)中に浸している。
【0031】
上記エアボックス(5)、(5)は、図4に示すように多数の一端開口四角筒状エアボックス単体(4’)…を隣接状態に接合すると共に、互の隣接接合壁の上端部に連通孔(7)…を開設し、これら単体(4’)…の各閉成端面に長い上板(8)を固定したもので、このような一対のエアボックス(5)、(5)の長手方向両端を連結板(22)、(22)により連結して、全体として枠形に形成してある。
【0032】
上記のような左右一対のエアボックス(5)、(5)の上板(8)、(8)に、該エアボックス全長に及ぶ長さの横断面コ字状パネル受け(9)、(9)を、互にコ字状溝口を対向させた状態で、それぞれ突設し、この両パネル受け(9)、(9)のコ字状溝内に、上記定植パネル(6)…の左右両端部を係合して保持させてある。
【0033】
上記定植パネル(6)…を水耕栽培のための上昇位置及び浸漬のための降下位置にそれぞれロックする装置として、上記左右一対のエアボックス(5)、(5)の上板(8)、(8)上に、複数本づつの支柱(10)…、(10)…を垂直に起立すると共に、槽(1)の長辺がわ側壁(3)、(3)の上端部に、上記支柱に対応する位置で、ブラケット(11)…、(11)…をそれぞれ固定し、該ブラケットにそれぞれ設けた支持筒(12)…、(12)…を上記支柱(10)…、(10)…にそれぞれ摺動自在に被嵌し、また上記ブラケット(11)…、(11)…上にロック駆動手段としてエアシリンダ(13)…を設置し、そのピストンロッド(14)…をロックピンとして各ピストンロッド(14)…先端部を上記支持筒(12)…に貫通して上記支柱(10)…側面にのぞませ、一方上記支柱(10)…側面において、上記定植パネル(6)…上昇時及び降下時に上記ピストンロッド(14)…に対応する位置に係止溝(15)…、(16)…をそれぞれ凹設してある。
【0034】
さらに、上記植物(P)…植設パネル(6)…の昇降時に、パネル(6)…全体がほぼ水平を保つように作業員が手作業によりパネルを制御する手段として、上記左右相対する支柱(10)(10)、…の上端部を軽量パイプ等の横材(17)…でそれぞれ連結すると共に、上記横材(17)…に、それらと直交する縦材(18)、(18)を連結してある。
【0035】
上記エアボックス(5)、(5)の浮沈駆動装置は次のようである。一方のエアボックス(5)の浮沈駆動装置についてみる。図2に示すようにピット(4)の底面に複数の気泡発生器(19)を設置し、該発生器(19)から発生する気泡をエアボックス(5)内に開口下端から回収できるようにし、又エアボックス(5)の上端面に、下端をエアボックス(5)内に開口する通気管(20)を垂直に起立し、上端の開口を大気中に開くと共に上端近くに弁(21)を取つけてある。この場合、通気管(20)の上端開口の高さは、エアボックス(5)が浸漬降下位置に降下したときにも培養液面上に露出するものとする。
【0036】
上記浮沈駆動装置において、エアボックス(5)、(5)内に空気を充填したとき植物植設パネル(6)…が水耕栽培位置に上昇し、エアボックス(5)、(5)内に培養液を充填したとき植物植設パネル(6)…が培養液中に沈下するように、エアボックス(5)、(5)、植物植設パネル(6)…、支柱(10)…、横材(17)…、縦材(18)…等の関連部材全体の重量を調整しておく。
【0037】
上例の作用を操作と共に説明する。図2、3の水耕栽培を行っている状態から、植物(P)…に付着した害虫を駆除するため植物を浸漬する場合は、まず気泡発生器(19)、(19)を停止し、ついで通気管(20)、(20)の弁(21)、(21)を開き、それによりエアボックス(5)、(5)内の空気を大気中に放出し、代って培養液をエアボックス(5)、(5)内に開口下端から流入させる。
【0038】
エアボックス(5)、(5)内に培養液が充填されたら、エアシリンダ(13)…の後退駆動によりロックピン(14)…を後退させて支柱(10)…のロックを解除すると、エアボックス(5)、(5)がピット(4)、(4)内を降下していき、それに伴い植物植設パネル(6)…が培養液(2)中に降下していく。植物植設パネル(6)…が十分に浸漬するまでエアボックス(5)、(5)が降下したら、エアシリンダ(13)…の進出駆動によりロックピン(14)…を支柱(10)…の係止溝(16)…に係止してその位置にロックする。それとともに、気泡発生器(19)、(19)を始動し、気泡のエアボックス(5)、(5)内へ供給を開始する。
【0039】
エアボックス(5)、(5)内に空気が充填され、所定時間の浸漬が完了したら、エアシリンダ(13)…の後退駆動によりロックピン(14)…のロックを解除すると、エアボックス(5)、(5)がピット(4)、(4)内を上昇し、それに伴い植物植設パネル(6)…が浮上してくる。植物植設パネル(6)…が水耕栽培位置まで上昇したら、エアシリンダ(13)…の駆動によりロックピン(14)…を支柱(10)…の係止溝(15)…に係止し、水耕栽培を再開する。その間気泡発生を継続し、培養液への酸素供給を行う。
【0040】
上記エアボックス(5)、(5)の昇降時に、上記植物植設パネル(6)…が重量の偏在により異常に傾斜したときは、作業員が手作業で上記縦材(18)、(18)を適宜操作して正常な水平姿勢で浮上又は沈下を行わせる。
【0041】
なお、上記エアボックス(5)、(5)のピット(4)、(4)内での昇降により、該ピット(4)、(4)内と槽(1)内との培養液の混合がなされる。
【0042】
第2発明の実施例
上記第1発明の実施例に内槽を付加したものである。図5、6において、ゴム引き布からなる屈撓性を有する上面開口の横長箱形槽であって、その長辺が槽(1a)のそれより若干短く、その短辺が槽(1a)のそれより両ピッチ(4a)、(4a)分だけ短く、深さが槽(1a)のそれより若干浅い培養液(2a)入り栽培用内槽(25a)を槽(1a)内に2重に設けてある。
【0043】
培養液濾過循環装置は次のようである。上記内槽(25a)の長辺がわ側壁(26a)、(26a)の上端部は、図5に示すように左右エアボックス(5a)、(5a)のパネル受け(9a)、(9a)下面に突設された支持板(27a)、(27a)にネジ(28a)…、(28a)…により固定し、又短辺がわ側壁(29a)、(29a)の上端部は、図6に示すように左右パネル受け(9a)、(9a)の連結板(22a)、(22a)にネジ(30a)…、(30a)…により固定してある。
【0044】
このように取りつけられた内槽(25a)における図6右側の短辺がわ側壁(29a)の上端部に、図6に示すように槽(1a)の短辺がわ側壁(23a)との間隙に開通するオーバーフロー式流出口(31a)を開設し、図6左側には、槽(1a)の側壁(23a)外側面に循環ポンプ(32a)を設置すると共にフレーム上の高位置に濾過器(33a)を支持し、上記ポンプ(32a)の吸入口に接続された管(34a)の先端を槽(1a)側壁(23a)と内槽(25a)の側壁(29a)との間の培養液中に挿入すると共に、ポンプ吐出口に接続された管(35a)の先端を上記濾過器(33a)に接続し、該濾過器の濾過液排出管(36a)の先端を上記内槽(25a)内の左側端の培養液中に浅く挿入してある。他の構造は図1、2、3、4と実質的に同一である。
【0045】
濾過循環装置の作用は次のようである。ポンプ(32a)の駆動により管(34a)から槽(1a)内左側端の培養液吸入を開始すると、槽(1a)内の培養液全体に吸入がわへの流れが生じると共に、濾過器(33a)から管(36a)を経て内槽(25a)内へ濾過液が流入されると、内槽(25a)内の培養液全体に、上記槽(1a)内の流れと反対方向の流れが生じ、それにより内槽(25a)内の培養液がその流れにのって流出口(31a)から槽(1a)内右側端部に流出し、ついで槽(1a)内の流れにのって槽(1a)内を左側端へ流れ、そして濾過器(33a)に送られて濾過された液が再び内槽(25a)内に送られる濾過循環を行う。
【0046】
植物の害虫駆除用浸漬は上記第1発明の実施例と同様に行う。その場合エアボックス(5a)、(5a)の昇降により内槽(25a)の四周側壁(26a)、(26a)、(29a)、(29a)が屈伸することとなるが、その屈伸を容易化するために、それら側壁に予め屈曲又は湾曲の型付けを施しておくのもよい。
【0047】
第3発明の実施例
図7において、エアボックス(5b)、(5b)は、槽(1b)内の培養液(2b)をエアボックス内に出し入れするものでなく、培養液(2b)に対し密閉型のものである。
【0048】
その浮沈駆動装置は次のようである。まずエアボックス(5b)、(5b)は多数のエアボックス単体を隣接接合したものであるが、それに2つづつの連通孔(7b)(7b)、…をエアボックス内の上端部と下端部に開設してある。
【0049】
槽(1b)の側壁(3b)外側面にブラケットによりポンプ(40b)を支持すると共に、フレームにより水(42b)を入れた予備タンク(41b)を高位置に支持し、上記ポンプ(40b)の吸入口に接続された適宜長くしたフレキシブル管(43b)を、上記エアボックス(5b)の上端壁を貫通してエアボックス内底面近くまで垂下する吸入管(44b)に接続し、又上記ポンプ(40b)の吐出口に接続された吐出管(45b)を上記予備タンク(41b)の開口上端にのぞませ、さらに上記予備タンク(41b)の側壁下端部に接続された弁(47b)つき供給管(46b)を上記エアボックス(5b)上に適宜長垂下し、該供給管(46b)垂下部分に、上記エアボックス(5b)上端部に垂直に接続された補助管(48b)を摺動自在に被嵌してある。(49b)は上記エアボックス(5b)上端壁に垂直に接続起立された通気管で、常時エアボックス(5b)内を大気中に開通させている。他の構造は図1、2、3と実質的に同一である。
【0050】
上例の浮沈駆動装置の作用は次のようである。図7のエアボックス(5b)、(5b)が上昇して水耕栽培位置にある状態から植物植設パネル(6b)…を浸漬する場合は、弁(47b)を開いて予備タンク(41b)内の水を供給管(46b)、補助管(48b)を経てエアボックス(5b)内に供給する。水の供給に伴いエアボックス(5b)内の空気は通気管(49b)を通じて大気中に放出される。
【0051】
エアボックス(5b)内に水が充填されたら、ロック装置を解除してエアボックス(5b)、(5b)をピット(4b)、(4b)内に降下させると、該ピット(4b)、(4b)内の培養液が槽(1b)内に湧出して液面を上昇させ、それにより植物植設パネル(6b)…が培養液(2b)中に十分に浸漬する。上記降下時に、フレキシブル管(43b)が適宜変位し、補助管(48b)が供給管(46b)と差し合ったまま降下してエアボックス(5b)の降下を円滑に許容する。所定位置に降下したらロック装置を掛けて所定時間の植物浸漬を行う。
【0052】
浸漬後、弁(47b)を閉じ、ついでポンプ(40b)を駆動すると、エアボックス(5b)内の水が吸入管(44b)、フレキシブル管(43b)、ポンプ(40b)、吐出管(45b)を経て予備タンク(41b)に戻され、それに代って通気管(49b)から空気がエアボックス(5b)内に注入される。
【0053】
エアボックス(5b)、(5b)内に空気が充填されたら、ポンプ(40b)を停止した後ロック装置を解除してエアボックス(5b)、(5b)をピット(4b)、(4b)内で上昇させる。植物植設パネル(6b)…が水耕栽培位置に上昇したら、そこでロック装置を掛けて水耕栽培を再開する。
【0054】
第4発明の実施例
上記第3発明の実施例に内槽を付加した例で、図8に示すようにその内槽(25c)の本体は、屈撓性合成樹脂シートからなる長辺がわ側壁(26c)、(26c)及び短辺がわ側壁(29c)、(29c)の四周壁からなる枠形のもので、その長辺がわ側壁(26c)、(26c)の各上端部をパネル受け(9c)、(9c)下面の支持板(27c)、(27c)にネジ(28c)…により固定し、短辺がわ側壁(29c)、(29c)の上端部をパネル受け(9c)、(9c)の連結板(22c)、(22c)にネジ(30c)…により固定し、さらに上記長辺及び短辺がわ側壁(26c)、(26c)及び(29c)、(29c)の各下端部を槽(1c)の内底面にネジ(50c)…に固定し、これら四周の側壁(26c)、(26c)、(29c)、(29c)と槽(1c)の底壁(51c)とで上面開口の栽培用内槽(25c)を形成している。
【0055】
本例では、浮沈駆動装置が図7のそれと実質的に同一であり、又図5、6の培養液濾過循環装置と実質的に同一のものを備え、さらに他の構造は図1、2、3と実質的に同一のものを備える。
【0056】
第5発明の実施例
本例は、底の浅い内槽を設けたものである。図9、10において、内槽(25d)はステンレス鋼板からなる上面開口の横長扁平箱形の槽であって、その長辺がわ側壁(26d)、(26d)を左右エアボックス(5d)、(5d)の支持板(27d)、(27d)にネジ(28d)…、(28d)…により固定し、又短辺がわ側壁(29d)、(29d)を連結板(22d)、(29d)にネジ(30d)…、(30d)…により固定してある。上記内槽(25d)の深さは、本例では植物(Pd)の根が横へ展延し扁平な塊を形成するような浅いものである。一例として5〜10cmである。
【0057】
図5、6と同様の濾過循環装置及び植物植設パネル浮沈駆動装置を備え、その他の構造は図1、2、3、4と実質的に同一である。
【0058】
本例によれば、内槽(25d)が浅いものであるから、浸漬のための槽(1d)内の培養液量を減らすことができ、又植物の根が常時内槽(25d)でカバーされているので、浸漬時に根を傷めることがない。
【0059】
第6発明の実施例
図11に示すように、槽(1e)の外底面を、下方へ突出する一対のピット(4e)、(4e)の間に凹みを有する迷凹陥状に形成し、上記凹みの開口下面をカバー板(60e)で閉成して、該凹み内を、閉成された温・冷熱室(61e)に形成すると共に、該温・冷熱室(61e)の、本例では上面の培養液(2e)との仕切壁を、鋼板等の熱良導性材料からなる熱交換壁(62e)としてある。(63e)は、上記熱交換壁(62e)の下面に設けた格子状の補強板、(64e)…は上記カバー板(60e)上面に突設された支え脚で、上記補強板(63e)を下から支える。
【0060】
上記温・冷熱室(61e)内に温風又は冷風の温・冷熱媒体を送りこんで培養液を温め又は冷やす。
【0061】
上例の温・冷熱室(61e)つき槽(1e)は、上記第1、第2、第3、第4及び第5の各発明の槽に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1発明の実施例の一部省略平面図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】図1のIII−III線拡大断面図である。
【図4】エアボックスの一部切欠拡大側面図である。
【図5】第2発明の実施例の一部の拡大横断面図である。
【図6】同上一部省略縦断面図である。
【図7】第3発明の実施例の一部の拡大横断面図である。
【図8】第4発明の実施例の一部の拡大横断面図である。
【図9】第5発明の実施例の一部の拡大横断面図である。
【図10】同上一部省略縦断面図である。
【図11】第6発明の槽の拡大横断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1、1a、1b、1c、1d、1e 槽
2、2a、2b、2c、2d、2e 培養液
4、4a、4b、4c、4d、4e 昇降案内用ピット
5、5a、5d、5e エアボックス
5b、5c 密閉エアボックス
6、6a、6b、6c、6d、6e 定植パネル
P、Pa、Pb、Pc、Pd、Pe 植物
19、19a、19b 気泡発生器
25a、25c、25d、25e 栽培用内槽
31a 培養液流出口
32a、32d 循環ポンプ
33a、33d 濾過器
40b、40c ポンプ
41b、41c 予備タンク
42b 水
49b、49c 通気管
61d 温・冷熱室
62d 熱交換壁
【技術分野】
【0001】
本願発明は、栽培する植物に付着した害虫を駆除するため植物を培養液中に浸漬する装置を備えた水耕栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
培養液を入れた栽培槽内の液面上に、植物を植えた定植パネル(以下植物植設パネルという)を支持すると共に、根を培養液に浸した水耕栽培において、本発明者は、さきに、植物に付着した害虫を駆除する方法として、水耕栽培の途上において植物植設パネルを所定濃度の培養液中に所定の長時間浸漬して害虫を窒息死させる方法、及び植物植設パネルを培養液中に短時間づつ繰り返し浸漬して植物から害虫を離脱させ、ついで培養液中に沈下し又は液面に浮遊する害虫を回収して処分する方法を提案し、それと共に水耕栽培を行っている植物植設パネルを必要に応じて培養液中に浸漬し、処理後は元の水耕栽培に戻すことができる害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を数多く提案してきた。
【0003】
その一例として、培養液面に、内部に空室を有する植物植設パネルを浮かべ、上記空室内に液体を注入することにより植物植設パネルを培養液中に沈下させ、上記液体に替え空気を注入することにより植物植設パネルを液面に浮上させるものがある。
【0004】
又、幅1.5〜2.0m、長さ15〜20mの大型栽培槽を用いる大規模水耕栽培に適するものとして、例えば、栽培槽内に、長手方向に延長する無端チェンを、その上部直線区帯を培養液面上に、その下部直線区帯を培養液中にそれぞれ走行自在に配設し、無端チェン上に多数枚の植物植設パネルを連結し、該無端チェンの走行により上記植物を培養液上に正姿勢で露出させる状態と、培養液中に逆立ち姿勢で浸漬させる状態とに移動させる無端チェン走行型のものや、培養液面に浮かべた植物植設パネルを液面上に引き上げつつ植物を下向きに反転させ、その状態で植物植設パネルを液面に降下させて植物を逆立ち姿勢で液中に浸漬し、ついで上記植物植設パネルを液面上に引き上げつつ植物を上向きに反転させ、その状態で植物植設パネルを液面上に降下させて正常な水耕栽培に戻す反転型のものが提案された。
【0005】
しかし、前者は、空室を有する定植パネルの製作に手間がかかり、コスト高となる欠点があり、後二者は、設備が大掛りで、さらにコスト高となるばかりでなく、栽培槽が深くなるため、高価な培養液を大量に使用する難点があった。
【0006】
さらに、上記従来装置のいずれもが、大型栽培槽を使用した場合、槽の長手方向一端部から培養液を排出して濾過器に送り、濾過液をポンプにより栽培槽の長手方向他端部から槽内に戻す濾過循環用配管を備えているが、長い配管が必要となり、設備費がかさむ欠点があった。
【特許文献1】特許第3000446号
【特許文献2】特許第3235024号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願第1発明は、植物植設パネルを培養液中に浸漬する装置の簡素化を課題とし、
本願第2発明は、パネル浸漬装置の簡素化及び培養液の濾過循環用配管の簡略化を課題とし、
【0008】
本願第3発明は、パネル浸漬装置の簡素化及び浸漬に培養液を無駄なく利用することを課題とし、
【0009】
本願第4発明は、パネル浸漬装置の簡素化、培養液の濾過循環用配管の簡略化及び培養液の浸漬への有効利用を課題とし、
【0010】
本願第5発明は、浸漬のための槽内の培養液量を減らすと共に、浸漬時に植物の根を十分に保護することを課題とし、
【0011】
本願第6発明は、培養液の加温又は冷却する装置を装備し易い外槽又は栽培槽を有する水耕栽培装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する手段として、本願第1発明は、
培養液入りの箱形槽において、該槽の少くとも相対する両側壁がわの内底面に、それより深く垂下する一対の昇降案内用ピットを形成し、
上記一対のピット内に一対のエアボックスをそれぞれ昇降自在に挿入すると共に、該両エアボックス上に植物植設パネルを支持し、そして上記エアボックスが上記ピット内を上昇したとき上記植物植設パネルが培養液面に浮上し、上記ピット内を降下したとき上記植物植設パネルが培養液中に沈下する関係におき、
上記一対のエアボックス内に空気と、上記槽内の培養液とを選択的に供給することにより上記一対のエアボックス及び植物植設パネルの浮上及び沈下を行う浮沈駆動装置を備えた、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を提案し、
【0013】
本願第2発明は、
上記第1発明における一対のエアボックスに、上記植物植設パネルの下に位置して該植物を培養するための培養液入り箱形栽培用内槽を支持し、
上記内槽の一側壁に、その外側の上記槽内の一側部に開通する培養液流出口を設けると共に、上記外側の槽内の他側部から培養液を取り出し、ついで濾過器を経て濾過した培養液を上記内槽内の他側部に流入させる培養液濾過循環装置を装備した、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を提案し、
【0014】
本願第3発明は、
培養液入りの箱形槽において、該槽の少くとも相対する両側壁がわの内底面に、それより深く垂下する一対の昇降案内用ピットを形成し、
上記一対のピット内に一対の密閉したエアボックスを昇降自在に挿入すると共に、該両密閉エアボックス上に植物植設パネルを支持し、そして上記密閉エアボックスが上記ピット内を上昇したとき上記植物植設パネルが培養液面に浮上し、上記ピット内を降下したとき該ピット内の培養液を上記槽内に湧出させて培養液面を上昇させ、該液面上昇の培養液中に上記植物植設パネルが沈下する関係におき、
上記一対の密閉エアボックス内へ空気と、予備タンク内の液体とを選択的に供給することにより上記密閉エアボックス及び植物植設パネルの浮上及び沈下を行う浮沈駆動装置を備えた、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を提案し、
【0015】
本願第4発明は、
上記一対の密閉エアボックスに、上記植物植設パネルの下に位置して該植物を培養するための培養液入り箱形栽培用内槽を支持し、
上記内槽の一側壁に、その外側の上記槽内の一側部に開通する培養液流出口を設けると共に、上記外側の槽内の他側部から培養液を取り出し、ついで濾過器を経て濾過した培養液を上記内槽内の他側部に流入させる培養液濾過循環装置を装備した、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を提案し、
【0016】
本願第5発明は、
上記第2及び第4発明における内槽が、上記植物の根を横へ展延させる程度の浅い扁平箱形槽である、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を提案し、
【0017】
本願第6発明は、
上記各発明における層の外底面を、下方へ突出する一対のピットの間に凹みを有する逆凹陥状に形成し、
上記凹みの開口下面を閉成して内部を温・冷熱室に形成すると共に、該温・冷熱室の少くとも上面の培養液との仕切壁を熱良導体の熱交換壁とし、
上記温・冷熱室内に温又は冷熱媒体を流通させた、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置を提案する。
【発明の効果】
【0018】
本願第1発明によれば、一対のピット、一対のエアボックス及び上記エアボックスに空気と培養液とを選択的に供給する駆動装置の簡易な構成により植物植設パネルを培養液に浮上及び沈下させることが可能となり、従来の大型装置と比べ、設備費の大幅な低減を実現できるのである。
【0019】
本願第2発明によれば、上記第1発明と同様の効果に加え、2槽構造を採ることにより栽培用内槽の一側端から流出した培養液を濾過を経て上記内槽の他側端がわに戻す配管を省略することができ、特に長さ15〜20mの大型栽培槽を用いる大規模水耕栽培装置においてその利点が大きい。
【0020】
本願第3発明によれば、上記第1発明と同様の効果に加え、一対の密閉エアボックスを一対のピット内に降下させると、該ピット内の培養液を槽内に湧出させて培養液の液位を上昇させ、この液位上昇の培養液中に植物植設パネルを沈下させるから、一対のピット内の培養液も植物植設パネルの浸漬に参加させて十分な植物浸漬を行うことができる。
【0021】
本願第4発明によれば、上記第3発明と同様の効果に加え、2槽構造を採ることにより培養液の濾過循環の配管を簡略化でき、特に長い栽培槽を用いる大規模水耕栽培装置においてその効果が著しい。
【0022】
本願第5発明によれば、底の浅い扁平内槽を使用することにより、浸漬のための槽内の培養液量を減らすことができると共に、浸漬時にも内槽により植物の根を下から覆うことにより根の根傷を防止することができる。
【0023】
本願第6発明によれば、槽外底面の逆凹陥形状を利用することにより培養液の加温、冷却装置を容易に装備することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本願各発明における「ピット」は、槽の内底面の相対する両側壁がわに設けた平行2本のほか、その中間に1本又は複数本設けたもの、槽の4周壁に沿って設けたもの等がある。
【0025】
本願各発明における植物植設パネルの「定植パネル」は、板面に多数の孔を設けた合成樹脂、金属、木材等の板、又は孔なしの同材料の板が使用される。
【0026】
本願第2及び発明第4発明における「栽培用内槽」には、ゴム引き布、合成樹脂シート等の屈撓性を有する液密シート、又は強化プラスチック板、木板、金属板等の硬質板からなる槽が含まれる。
【0027】
本願第1発明における「浮沈駆動装置」には、下面を開口したエアボックス内に下から発生する気泡を回集しつつエアボックス内の培養液を下面開口から押し出し、又エアボックス内の空気を大気中に放出することによりエアボックス内に培養液を注入させるタイプ、下端に開口を有するエアボックス内にポンプにより空気を圧入しつつエアボックス内の培養液を下端開口から押し出し、又エアボックス内の空気を大気中に放出することによりエアボックス内に下端開口から培養液を注入させるタイプその他種々のものがある。
【0028】
又、本願第3発明における「浮沈駆動装置」には、密閉エアボックス内の液をポンプにより吸み上げて予備タンク内に回集しつつ弁を開いてエアボックス内に大気を注入し、又予備タンクの液をエアボックス内に注入しつつ弁を開いて空気を大気中に放出するタイプ、その他種々のものが使用される。
【0029】
上記いずれの浮沈駆動装置を使用する場合も、エアボックス内に空気を充填したとき、エアボックスが植物植設パネルを支持しつつ、該パネルが培養液面又はそれより若干高い位置に上昇するまで浮上し、又エアボックス内に液を充填したとき、エアボックスが植物植設パネルを支持しつつ、該パネルの植物が培養液中に埋没するまで沈下するように、エアボックス及び植物植設パネル等関連する部材の重量を調整する。
【実施例】
【0030】
第1発明の実施例
図1、2、3、4において、培養液(2)を入れた栽培用槽(1)は上面を開口した横長箱形のもので、その相対する長辺がわ側壁(3)、(3)寄りの内底面に、それより深く垂下する昇降案内用ピット(4)、(4)を槽(1)の長辺全長にわたって凹設してあり、この左右一対のピット(4)、(4)内に、下面を開口した横断面縦長の倒立箱形であって、上記槽(1)の長辺よりやや短い横長のエアボックス(5)、(5)を上記ピット(4)、(4)内壁面と小間隔をあけて昇降自在に挿入し、この左右一対のエアボックス(5)、(5)上に、植物(P)…を植えた多数枚の矩形板状の多数孔あき定植パネル(6)…を、槽(1)長手方向に順次隣接状態で支持し、各植物(P)…の根を培養液(2)中に浸している。
【0031】
上記エアボックス(5)、(5)は、図4に示すように多数の一端開口四角筒状エアボックス単体(4’)…を隣接状態に接合すると共に、互の隣接接合壁の上端部に連通孔(7)…を開設し、これら単体(4’)…の各閉成端面に長い上板(8)を固定したもので、このような一対のエアボックス(5)、(5)の長手方向両端を連結板(22)、(22)により連結して、全体として枠形に形成してある。
【0032】
上記のような左右一対のエアボックス(5)、(5)の上板(8)、(8)に、該エアボックス全長に及ぶ長さの横断面コ字状パネル受け(9)、(9)を、互にコ字状溝口を対向させた状態で、それぞれ突設し、この両パネル受け(9)、(9)のコ字状溝内に、上記定植パネル(6)…の左右両端部を係合して保持させてある。
【0033】
上記定植パネル(6)…を水耕栽培のための上昇位置及び浸漬のための降下位置にそれぞれロックする装置として、上記左右一対のエアボックス(5)、(5)の上板(8)、(8)上に、複数本づつの支柱(10)…、(10)…を垂直に起立すると共に、槽(1)の長辺がわ側壁(3)、(3)の上端部に、上記支柱に対応する位置で、ブラケット(11)…、(11)…をそれぞれ固定し、該ブラケットにそれぞれ設けた支持筒(12)…、(12)…を上記支柱(10)…、(10)…にそれぞれ摺動自在に被嵌し、また上記ブラケット(11)…、(11)…上にロック駆動手段としてエアシリンダ(13)…を設置し、そのピストンロッド(14)…をロックピンとして各ピストンロッド(14)…先端部を上記支持筒(12)…に貫通して上記支柱(10)…側面にのぞませ、一方上記支柱(10)…側面において、上記定植パネル(6)…上昇時及び降下時に上記ピストンロッド(14)…に対応する位置に係止溝(15)…、(16)…をそれぞれ凹設してある。
【0034】
さらに、上記植物(P)…植設パネル(6)…の昇降時に、パネル(6)…全体がほぼ水平を保つように作業員が手作業によりパネルを制御する手段として、上記左右相対する支柱(10)(10)、…の上端部を軽量パイプ等の横材(17)…でそれぞれ連結すると共に、上記横材(17)…に、それらと直交する縦材(18)、(18)を連結してある。
【0035】
上記エアボックス(5)、(5)の浮沈駆動装置は次のようである。一方のエアボックス(5)の浮沈駆動装置についてみる。図2に示すようにピット(4)の底面に複数の気泡発生器(19)を設置し、該発生器(19)から発生する気泡をエアボックス(5)内に開口下端から回収できるようにし、又エアボックス(5)の上端面に、下端をエアボックス(5)内に開口する通気管(20)を垂直に起立し、上端の開口を大気中に開くと共に上端近くに弁(21)を取つけてある。この場合、通気管(20)の上端開口の高さは、エアボックス(5)が浸漬降下位置に降下したときにも培養液面上に露出するものとする。
【0036】
上記浮沈駆動装置において、エアボックス(5)、(5)内に空気を充填したとき植物植設パネル(6)…が水耕栽培位置に上昇し、エアボックス(5)、(5)内に培養液を充填したとき植物植設パネル(6)…が培養液中に沈下するように、エアボックス(5)、(5)、植物植設パネル(6)…、支柱(10)…、横材(17)…、縦材(18)…等の関連部材全体の重量を調整しておく。
【0037】
上例の作用を操作と共に説明する。図2、3の水耕栽培を行っている状態から、植物(P)…に付着した害虫を駆除するため植物を浸漬する場合は、まず気泡発生器(19)、(19)を停止し、ついで通気管(20)、(20)の弁(21)、(21)を開き、それによりエアボックス(5)、(5)内の空気を大気中に放出し、代って培養液をエアボックス(5)、(5)内に開口下端から流入させる。
【0038】
エアボックス(5)、(5)内に培養液が充填されたら、エアシリンダ(13)…の後退駆動によりロックピン(14)…を後退させて支柱(10)…のロックを解除すると、エアボックス(5)、(5)がピット(4)、(4)内を降下していき、それに伴い植物植設パネル(6)…が培養液(2)中に降下していく。植物植設パネル(6)…が十分に浸漬するまでエアボックス(5)、(5)が降下したら、エアシリンダ(13)…の進出駆動によりロックピン(14)…を支柱(10)…の係止溝(16)…に係止してその位置にロックする。それとともに、気泡発生器(19)、(19)を始動し、気泡のエアボックス(5)、(5)内へ供給を開始する。
【0039】
エアボックス(5)、(5)内に空気が充填され、所定時間の浸漬が完了したら、エアシリンダ(13)…の後退駆動によりロックピン(14)…のロックを解除すると、エアボックス(5)、(5)がピット(4)、(4)内を上昇し、それに伴い植物植設パネル(6)…が浮上してくる。植物植設パネル(6)…が水耕栽培位置まで上昇したら、エアシリンダ(13)…の駆動によりロックピン(14)…を支柱(10)…の係止溝(15)…に係止し、水耕栽培を再開する。その間気泡発生を継続し、培養液への酸素供給を行う。
【0040】
上記エアボックス(5)、(5)の昇降時に、上記植物植設パネル(6)…が重量の偏在により異常に傾斜したときは、作業員が手作業で上記縦材(18)、(18)を適宜操作して正常な水平姿勢で浮上又は沈下を行わせる。
【0041】
なお、上記エアボックス(5)、(5)のピット(4)、(4)内での昇降により、該ピット(4)、(4)内と槽(1)内との培養液の混合がなされる。
【0042】
第2発明の実施例
上記第1発明の実施例に内槽を付加したものである。図5、6において、ゴム引き布からなる屈撓性を有する上面開口の横長箱形槽であって、その長辺が槽(1a)のそれより若干短く、その短辺が槽(1a)のそれより両ピッチ(4a)、(4a)分だけ短く、深さが槽(1a)のそれより若干浅い培養液(2a)入り栽培用内槽(25a)を槽(1a)内に2重に設けてある。
【0043】
培養液濾過循環装置は次のようである。上記内槽(25a)の長辺がわ側壁(26a)、(26a)の上端部は、図5に示すように左右エアボックス(5a)、(5a)のパネル受け(9a)、(9a)下面に突設された支持板(27a)、(27a)にネジ(28a)…、(28a)…により固定し、又短辺がわ側壁(29a)、(29a)の上端部は、図6に示すように左右パネル受け(9a)、(9a)の連結板(22a)、(22a)にネジ(30a)…、(30a)…により固定してある。
【0044】
このように取りつけられた内槽(25a)における図6右側の短辺がわ側壁(29a)の上端部に、図6に示すように槽(1a)の短辺がわ側壁(23a)との間隙に開通するオーバーフロー式流出口(31a)を開設し、図6左側には、槽(1a)の側壁(23a)外側面に循環ポンプ(32a)を設置すると共にフレーム上の高位置に濾過器(33a)を支持し、上記ポンプ(32a)の吸入口に接続された管(34a)の先端を槽(1a)側壁(23a)と内槽(25a)の側壁(29a)との間の培養液中に挿入すると共に、ポンプ吐出口に接続された管(35a)の先端を上記濾過器(33a)に接続し、該濾過器の濾過液排出管(36a)の先端を上記内槽(25a)内の左側端の培養液中に浅く挿入してある。他の構造は図1、2、3、4と実質的に同一である。
【0045】
濾過循環装置の作用は次のようである。ポンプ(32a)の駆動により管(34a)から槽(1a)内左側端の培養液吸入を開始すると、槽(1a)内の培養液全体に吸入がわへの流れが生じると共に、濾過器(33a)から管(36a)を経て内槽(25a)内へ濾過液が流入されると、内槽(25a)内の培養液全体に、上記槽(1a)内の流れと反対方向の流れが生じ、それにより内槽(25a)内の培養液がその流れにのって流出口(31a)から槽(1a)内右側端部に流出し、ついで槽(1a)内の流れにのって槽(1a)内を左側端へ流れ、そして濾過器(33a)に送られて濾過された液が再び内槽(25a)内に送られる濾過循環を行う。
【0046】
植物の害虫駆除用浸漬は上記第1発明の実施例と同様に行う。その場合エアボックス(5a)、(5a)の昇降により内槽(25a)の四周側壁(26a)、(26a)、(29a)、(29a)が屈伸することとなるが、その屈伸を容易化するために、それら側壁に予め屈曲又は湾曲の型付けを施しておくのもよい。
【0047】
第3発明の実施例
図7において、エアボックス(5b)、(5b)は、槽(1b)内の培養液(2b)をエアボックス内に出し入れするものでなく、培養液(2b)に対し密閉型のものである。
【0048】
その浮沈駆動装置は次のようである。まずエアボックス(5b)、(5b)は多数のエアボックス単体を隣接接合したものであるが、それに2つづつの連通孔(7b)(7b)、…をエアボックス内の上端部と下端部に開設してある。
【0049】
槽(1b)の側壁(3b)外側面にブラケットによりポンプ(40b)を支持すると共に、フレームにより水(42b)を入れた予備タンク(41b)を高位置に支持し、上記ポンプ(40b)の吸入口に接続された適宜長くしたフレキシブル管(43b)を、上記エアボックス(5b)の上端壁を貫通してエアボックス内底面近くまで垂下する吸入管(44b)に接続し、又上記ポンプ(40b)の吐出口に接続された吐出管(45b)を上記予備タンク(41b)の開口上端にのぞませ、さらに上記予備タンク(41b)の側壁下端部に接続された弁(47b)つき供給管(46b)を上記エアボックス(5b)上に適宜長垂下し、該供給管(46b)垂下部分に、上記エアボックス(5b)上端部に垂直に接続された補助管(48b)を摺動自在に被嵌してある。(49b)は上記エアボックス(5b)上端壁に垂直に接続起立された通気管で、常時エアボックス(5b)内を大気中に開通させている。他の構造は図1、2、3と実質的に同一である。
【0050】
上例の浮沈駆動装置の作用は次のようである。図7のエアボックス(5b)、(5b)が上昇して水耕栽培位置にある状態から植物植設パネル(6b)…を浸漬する場合は、弁(47b)を開いて予備タンク(41b)内の水を供給管(46b)、補助管(48b)を経てエアボックス(5b)内に供給する。水の供給に伴いエアボックス(5b)内の空気は通気管(49b)を通じて大気中に放出される。
【0051】
エアボックス(5b)内に水が充填されたら、ロック装置を解除してエアボックス(5b)、(5b)をピット(4b)、(4b)内に降下させると、該ピット(4b)、(4b)内の培養液が槽(1b)内に湧出して液面を上昇させ、それにより植物植設パネル(6b)…が培養液(2b)中に十分に浸漬する。上記降下時に、フレキシブル管(43b)が適宜変位し、補助管(48b)が供給管(46b)と差し合ったまま降下してエアボックス(5b)の降下を円滑に許容する。所定位置に降下したらロック装置を掛けて所定時間の植物浸漬を行う。
【0052】
浸漬後、弁(47b)を閉じ、ついでポンプ(40b)を駆動すると、エアボックス(5b)内の水が吸入管(44b)、フレキシブル管(43b)、ポンプ(40b)、吐出管(45b)を経て予備タンク(41b)に戻され、それに代って通気管(49b)から空気がエアボックス(5b)内に注入される。
【0053】
エアボックス(5b)、(5b)内に空気が充填されたら、ポンプ(40b)を停止した後ロック装置を解除してエアボックス(5b)、(5b)をピット(4b)、(4b)内で上昇させる。植物植設パネル(6b)…が水耕栽培位置に上昇したら、そこでロック装置を掛けて水耕栽培を再開する。
【0054】
第4発明の実施例
上記第3発明の実施例に内槽を付加した例で、図8に示すようにその内槽(25c)の本体は、屈撓性合成樹脂シートからなる長辺がわ側壁(26c)、(26c)及び短辺がわ側壁(29c)、(29c)の四周壁からなる枠形のもので、その長辺がわ側壁(26c)、(26c)の各上端部をパネル受け(9c)、(9c)下面の支持板(27c)、(27c)にネジ(28c)…により固定し、短辺がわ側壁(29c)、(29c)の上端部をパネル受け(9c)、(9c)の連結板(22c)、(22c)にネジ(30c)…により固定し、さらに上記長辺及び短辺がわ側壁(26c)、(26c)及び(29c)、(29c)の各下端部を槽(1c)の内底面にネジ(50c)…に固定し、これら四周の側壁(26c)、(26c)、(29c)、(29c)と槽(1c)の底壁(51c)とで上面開口の栽培用内槽(25c)を形成している。
【0055】
本例では、浮沈駆動装置が図7のそれと実質的に同一であり、又図5、6の培養液濾過循環装置と実質的に同一のものを備え、さらに他の構造は図1、2、3と実質的に同一のものを備える。
【0056】
第5発明の実施例
本例は、底の浅い内槽を設けたものである。図9、10において、内槽(25d)はステンレス鋼板からなる上面開口の横長扁平箱形の槽であって、その長辺がわ側壁(26d)、(26d)を左右エアボックス(5d)、(5d)の支持板(27d)、(27d)にネジ(28d)…、(28d)…により固定し、又短辺がわ側壁(29d)、(29d)を連結板(22d)、(29d)にネジ(30d)…、(30d)…により固定してある。上記内槽(25d)の深さは、本例では植物(Pd)の根が横へ展延し扁平な塊を形成するような浅いものである。一例として5〜10cmである。
【0057】
図5、6と同様の濾過循環装置及び植物植設パネル浮沈駆動装置を備え、その他の構造は図1、2、3、4と実質的に同一である。
【0058】
本例によれば、内槽(25d)が浅いものであるから、浸漬のための槽(1d)内の培養液量を減らすことができ、又植物の根が常時内槽(25d)でカバーされているので、浸漬時に根を傷めることがない。
【0059】
第6発明の実施例
図11に示すように、槽(1e)の外底面を、下方へ突出する一対のピット(4e)、(4e)の間に凹みを有する迷凹陥状に形成し、上記凹みの開口下面をカバー板(60e)で閉成して、該凹み内を、閉成された温・冷熱室(61e)に形成すると共に、該温・冷熱室(61e)の、本例では上面の培養液(2e)との仕切壁を、鋼板等の熱良導性材料からなる熱交換壁(62e)としてある。(63e)は、上記熱交換壁(62e)の下面に設けた格子状の補強板、(64e)…は上記カバー板(60e)上面に突設された支え脚で、上記補強板(63e)を下から支える。
【0060】
上記温・冷熱室(61e)内に温風又は冷風の温・冷熱媒体を送りこんで培養液を温め又は冷やす。
【0061】
上例の温・冷熱室(61e)つき槽(1e)は、上記第1、第2、第3、第4及び第5の各発明の槽に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1発明の実施例の一部省略平面図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】図1のIII−III線拡大断面図である。
【図4】エアボックスの一部切欠拡大側面図である。
【図5】第2発明の実施例の一部の拡大横断面図である。
【図6】同上一部省略縦断面図である。
【図7】第3発明の実施例の一部の拡大横断面図である。
【図8】第4発明の実施例の一部の拡大横断面図である。
【図9】第5発明の実施例の一部の拡大横断面図である。
【図10】同上一部省略縦断面図である。
【図11】第6発明の槽の拡大横断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1、1a、1b、1c、1d、1e 槽
2、2a、2b、2c、2d、2e 培養液
4、4a、4b、4c、4d、4e 昇降案内用ピット
5、5a、5d、5e エアボックス
5b、5c 密閉エアボックス
6、6a、6b、6c、6d、6e 定植パネル
P、Pa、Pb、Pc、Pd、Pe 植物
19、19a、19b 気泡発生器
25a、25c、25d、25e 栽培用内槽
31a 培養液流出口
32a、32d 循環ポンプ
33a、33d 濾過器
40b、40c ポンプ
41b、41c 予備タンク
42b 水
49b、49c 通気管
61d 温・冷熱室
62d 熱交換壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養液入りの箱形槽において、該槽の少くとも相対する両側壁がわの内底面に、それより深く垂下する一対の昇降案内用ピットを形成し、
上記一対のピット内に一対のエアボックスをそれぞれ昇降自在に挿入すると共に、該両エアボックス上に植物植設パネルを支持し、そして上記エアボックスが上記ピット内を上昇したとき上記植物植設パネルが培養液面に浮上し、上記ピット内を降下したとき上記植物植設パネルが培養液中に沈下する関係におき、
上記一対のエアボックス内に空気と、上記槽内の培養液とを選択的に供給することにより上記一対のエアボックス及び植物植設パネルの浮上及び沈下を行う浮沈駆動装置を備えた、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【請求項2】
上記一対のエアボックスに、上記植物植設パネルの下に位置して該植物を培養するための培養液入り箱形栽培用内槽を支持し、
上記内槽の一側壁に、その外側の上記槽内の一側部に開通する培養液流出口を設けると共に、上記外側の槽内の他側部から培養液を取り出し、ついで濾過器を経て濾過した培養液を上記内槽内の他側部に流入させる培養液濾過循環装置を装備した、
請求項1に記載の害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【請求項3】
培養液入りの箱形槽において、該槽の少くとも相対する両側壁がわの内底面に、それより深く垂下する一対の昇降案内用ピットを形成し、
上記一対のピット内に一対の密閉したエアボックスを昇降自在に挿入すると共に、該両密閉エアボックス上に植物植設パネルを支持し、そして上記密閉エアボックスが上記ピット内を上昇したとき上記植物植設パネルが培養液面に浮上し、上記ピット内を降下したとき該ピット内の培養液を上記槽内に湧出させて培養液面を上昇させ、該液面上昇の培養液中に上記植物植設パネルが沈下する関係におき、
上記一対の密閉エアボックス内へ空気と、予備タンク内の液体とを選択的に供給することにより上記密閉エアボックス及び植物植設パネルの浮上及び沈下を行う浮沈駆動装置を備えた、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【請求項4】
上記一対の密閉エアボックスに、上記植物植設パネルの下に位置して該植物を培養するための培養液入り箱形栽培用内槽を支持し、
上記内槽の一側壁に、その外側の上記槽内の一側部に開通する培養液流出口を設けると共に、上記外側の槽内の他側部から培養液を取り出し、ついで濾過器を経て濾過した培養液を上記内槽内の他側部に流入させる培養液濾過循環装置を装備した、
請求項3に記載の害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【請求項5】
上記内槽が、上記植物の根を横へ展延させる程度の浅い扁平箱形槽である、
請求項2又は4に記載の害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【請求項6】
上記層の外底面を、下方へ突出する一対のピットの間に凹みを有する逆凹陥状に形成し、
上記凹みの開講下面を閉成して内部を温・冷熱室に形成すると共に、該温・冷熱室の少くとも上面の培養液との仕切壁を熱良導体の熱交換壁とし、
上記温・冷熱室内に温又は冷熱媒体を流通させた、
請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載の害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【請求項1】
培養液入りの箱形槽において、該槽の少くとも相対する両側壁がわの内底面に、それより深く垂下する一対の昇降案内用ピットを形成し、
上記一対のピット内に一対のエアボックスをそれぞれ昇降自在に挿入すると共に、該両エアボックス上に植物植設パネルを支持し、そして上記エアボックスが上記ピット内を上昇したとき上記植物植設パネルが培養液面に浮上し、上記ピット内を降下したとき上記植物植設パネルが培養液中に沈下する関係におき、
上記一対のエアボックス内に空気と、上記槽内の培養液とを選択的に供給することにより上記一対のエアボックス及び植物植設パネルの浮上及び沈下を行う浮沈駆動装置を備えた、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【請求項2】
上記一対のエアボックスに、上記植物植設パネルの下に位置して該植物を培養するための培養液入り箱形栽培用内槽を支持し、
上記内槽の一側壁に、その外側の上記槽内の一側部に開通する培養液流出口を設けると共に、上記外側の槽内の他側部から培養液を取り出し、ついで濾過器を経て濾過した培養液を上記内槽内の他側部に流入させる培養液濾過循環装置を装備した、
請求項1に記載の害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【請求項3】
培養液入りの箱形槽において、該槽の少くとも相対する両側壁がわの内底面に、それより深く垂下する一対の昇降案内用ピットを形成し、
上記一対のピット内に一対の密閉したエアボックスを昇降自在に挿入すると共に、該両密閉エアボックス上に植物植設パネルを支持し、そして上記密閉エアボックスが上記ピット内を上昇したとき上記植物植設パネルが培養液面に浮上し、上記ピット内を降下したとき該ピット内の培養液を上記槽内に湧出させて培養液面を上昇させ、該液面上昇の培養液中に上記植物植設パネルが沈下する関係におき、
上記一対の密閉エアボックス内へ空気と、予備タンク内の液体とを選択的に供給することにより上記密閉エアボックス及び植物植設パネルの浮上及び沈下を行う浮沈駆動装置を備えた、
害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【請求項4】
上記一対の密閉エアボックスに、上記植物植設パネルの下に位置して該植物を培養するための培養液入り箱形栽培用内槽を支持し、
上記内槽の一側壁に、その外側の上記槽内の一側部に開通する培養液流出口を設けると共に、上記外側の槽内の他側部から培養液を取り出し、ついで濾過器を経て濾過した培養液を上記内槽内の他側部に流入させる培養液濾過循環装置を装備した、
請求項3に記載の害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【請求項5】
上記内槽が、上記植物の根を横へ展延させる程度の浅い扁平箱形槽である、
請求項2又は4に記載の害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【請求項6】
上記層の外底面を、下方へ突出する一対のピットの間に凹みを有する逆凹陥状に形成し、
上記凹みの開講下面を閉成して内部を温・冷熱室に形成すると共に、該温・冷熱室の少くとも上面の培養液との仕切壁を熱良導体の熱交換壁とし、
上記温・冷熱室内に温又は冷熱媒体を流通させた、
請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載の害虫駆除用植物浸漬装置つき水耕栽培装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−230296(P2006−230296A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50059(P2005−50059)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(395021239)株式会社生物機能工学研究所 (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(395021239)株式会社生物機能工学研究所 (21)
【Fターム(参考)】
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