説明

家具システム

【課題】単一のデスクを用いて、パーソナルワークに適したスペースと、ミーティングに適したスペースとを確保することが可能な家具システムを提供する。
【解決手段】複数人が横並びで使用可能な幅寸法及び複数人が対面して使用可能な奥行き寸法を有するデスク2と、このデスク2を幅方向に仕切ってデスク2の幅方向一端側にミーティングスペースを形成する床上自立式のミーティングスペース形成パネル5とを備えた家具システム1とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数人が使用可能な大型のデスクを備えた家具システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の作業者が利用できるようにしたいわゆるフリーアドレス型の大型のデスクを主体としてなる家具システムが知られている。このような家具システムは、デスクトップパネルやサイドパネルをデスクの天板上に配置可能に構成されており、天板上の領域をその奥行き方向や幅方向に沿ってパーソナルワークに適した複数のワークスペースに分割し、組織によって異なる使用態様にも柔軟に対応できるようにしている(例えば、下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−119412号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述したような従来の家具システムでは、デスクトップパネルやサイドパネルを取り付けてパーソナルワークに適したスペースを複数形成することができる一方で、複数人が一堂に会して行う会議やプレゼンテーション等(以下、これらを総称して「ミーティング」と称す)は、専用の別室で行われることが通例であった。そのため、オフィス内に上述した家具システムを導入する場合には、この家具システムを配する空間とは別に、ミーティングに適したスペースを確保しなければならず、オフィス内の効率的な省スペース化を図ることができないという不具合があった。
【0004】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、単一のデスクを用いて、パーソナルワークに適したスペースと、ミーティングに適したスペースとを確保することが可能な家具システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明の家具システムは、複数人が横並びで使用可能な幅寸法及び複数人が対面して使用可能な奥行き寸法を有するデスクと、このデスクを幅方向に仕切って該デスクの幅方向一端側にミーティングスペースを形成する床上自立式のミーティングスペース形成パネルとを備えていることを特徴とする。
【0006】
このようなものであれば、ミーティングスペース形成パネルによりデスクの幅方向一端側にミーティングに適したミーティングスペースを形成することができ、オフィス内に本発明の家具システムを導入する場合には、この家具システムを配する空間とは別に、ミーティングに適したスペースを確保する必要がなく、オフィス内の効率的な省スペース化を有効に図ることができる。さらに、ミーティングスペース形成パネルが床上に自立可能なものであるため、ミーティングスペース形成パネルによってデスクの天板上のみならず床面上をも仕切ることができ、デスクの幅方向他端側にパーソナルワークに適したスペースを形成した場合には、このパーソナルワークに適したスペースとデスクの幅方向一端側に形成されるミーティングスペースとを明確に仕切ることができる。
【0007】
さらに、前記ミーティングスペース形成パネルを前記デスクに該デスクの幅方向に固定位置変更可能に取り付ける取付具を備えていれば、デスクの幅方向に沿ったミーティングスペースの広さを変更することが可能となり、種々の使用態様にも柔軟に対応させることができる。
【0008】
特に、前記ミーティングスペース形成パネルが、前記デスクの天板上の領域を仕切り得る天板仕切部分、及び天板仕切部分に連続し床面上における着座者の側方領域を仕切り得る一対の床面仕切部分を一体又は一体的に有するパネル本体を備えたものであり、前記取付具が、前記天板仕切部分と各床面仕切部分との境界部位又は境界部位近傍にそれぞれ設けられ、前記天板の下方から天板を押圧し得る押圧部を備えたものであれば、天板仕切部分と一対の床面仕切部分とを一体又は一体的に有する大型のパネル本体であっても、天板仕切部分と各床面仕切部分との境界部位又は境界部位近傍に設けた取付具の押圧部を利用して天板の下方から天板を押圧することによってパネル本体を天板に強固に固定することにより、天板に対するパネル本体の不意なガタツキや位置ずれを防止することができ、ミーティングスペース形成パネル全体の取付強度を高めることができ、安定した設置状態を実現することができる。
【0009】
また、前記取付具が、前記パネル本体のうち、前記天板仕切部分の下端部を該パネル本体の厚み方向に挟持し得る一対の挟持部を備えたものであれば、一対の挟持部によって天板仕切部分の下端部を該パネル本体の厚み方向に挟持することにより、天板仕切部分の不意な転倒を防止することができ、天板仕切部分、ひいてはパネル本体全体の良好な起立姿勢を維持することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、単一のデスクを用いて、パーソナルワークに適したスペースと、ミーティングに適したスペースとを確保することが可能な家具システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0012】
本実施形態に係る家具システム1は、例えば図1及び図2に示すように、複数人が横並びで使用可能な幅寸法及び複数人が対面して使用可能な奥行き寸法を有するデスク2を主体としてなる。なお、図2は、図1に示す家具システム1の平面図を一部省略して模式的に示したものである。
【0013】
デスク2は、例えば自席が限定されない所謂フリーアドレス型のオフィス等において用いられる大型のものであり、天板21と、この天板21を支持する支持構造体22とを備えたものである。
【0014】
天板21は、図1に示すように、天板要素211を複数用いて構成したものである。具体的には、平面視矩形状をなす天板要素211を4つ用い、そのうち2枚ずつの天板要素211を一組としてそれらの反使用端211b同士を向き合わせて配置し、その天板要素211の組を隣接させて配置することで、天板21全体の奥行き方向中央部に各天板要素211の反使用端211bを集合させ、且つ奥行き方向両端部に各天板要素211の使用端211aを位置付けている。つまり、天板21の奥行き方向両端部が何れも使用端となる。なお、天板21全体の奥行き方向に対をなす天板要素211の反使用端211b同士の間に隙間を形成し、この隙間を、天板21の下方空間に配置した図示しない配線ダクトの配線空間に連通させている。また、図1では、デスク2の幅方向一端側にエンドパネル23を設けた態様を例示しているが、このエンドパネル23は用途に応じて取り外し可能なものである。
【0015】
支持構造体22は、起立姿勢で配され左右一対をなすパネル状の脚体(以下、「パネル脚221」と称す)と、一対のパネル脚221同士の略中間位置に配される中間脚(図示省略)と、各パネル脚221と中間脚との間に横架させた梁フレーム(図示省略)とを備えたものである。
【0016】
このような構成をなすデスク2の奥行き方向中央位置にデスクトップパネル3を取付可能に構成し、また、デスクトップパネル3を利用してサイドパネル4を取付可能に構成している。
【0017】
デスクトップパネル3は、天板21全体の奥行き方向中央位置に配されるものである。デスクトップパネル3は、デスクトップパネル本体31と、デスクトップパネル本体31を支持し且つ前記天板要素211の反使用端211b同士の間に設けた図示しない支柱取付部に取付可能な左右一対のパネル支柱32とを備えたものである。本実施形態では、天板要素211の幅寸法と同一又は略同一の幅寸法に設定した単一のデスクトップパネル3をデスク2に取り付け、デスク2の幅方向一端側の領域は、デスクトップパネル3が配されてない領域となる(図2参照)。
【0018】
サイドパネル4は、天板21上に起立姿勢で配され天板21上の領域を仕切り得る天板仕切部分41A、及び床面F上に起立姿勢で配され床面F上における着座者の側方領域を仕切り得る床面仕切部分41Bを一体に有する側面視L字形又は略L字形に形成されたサイドパネル本体41と、サイドパネル本体41のうち天板仕切部分41A側の側端部に設けられデスクトップパネル3に接続可能な接続部(図示省略)と、サイドパネル本体41のうち床面仕切部分41Bの下端部に設けられ床面Fに接地する接地部42と、サイドパネル本体41のうち天板仕切部分41Aと床面仕切部分41Bとの境界部位に設けられ該サイドパネル本体41を天板21に固定するための固定部43を備えたものである。そして、デスクトップパネル3とサイドパネル4によって仕切られたスペースを、パーソナルワークに適したワークスペースとして活用できるようにしている。
【0019】
しかして、本実施形態の家具システム1は、デスク2を幅方向に仕切って該デスク2の幅方向一端側にミーティングスペースを形成する床上自立式のミーティングスペース形成パネル5を取付可能に構成している。なお、前述したように、デスク2の幅方向一端側にはデスクトップパネル3は配されていない。
【0020】
ミーティングスペース形成パネル5は、図3〜図6(図4は図3のP領域拡大図であり、図5は図4のX―X線断面を一部省略して示す図であり、図6は図3のQ領域拡大図である)に示すように、天板21上に起立姿勢で配され天板21上の領域を仕切り得る天板仕切部分51A、及び天板仕切部分51Aに連続し床面F上に起立姿勢で配され床面F上における着座者の側方領域を仕切り得る一対の床面仕切部分51Bを有する門型状又は略門型状に形成されたパネル本体51を主体としてなる。
【0021】
パネル本体51は、天板21の奥行き寸法よりも若干大きい幅寸法を有する単一の天板仕切部分51Aを有し、この天板仕切部分51Aの両側端部にそれぞれ床面仕切部分51Bを図示しない適宜の締め付け機構等を介して一体的に組み付けている。なお、パネル本体51の幅方向とは、天板21の奥行き方向に一致する方向を指す。本実施形態では、この組付状態において天板仕切部分51Aと床面仕切部分51Bとの間に高さ方向に延びる目地51aが表れるようにしてある。天板仕切部分51A及び各床面仕切部分51Bは、それぞれ一体構造をなすフレームにより側面視矩形状又は略矩形状の骨格を形成し、各フレームの両面にそれぞれ化粧面を設けている。なお、化粧面としては、ピン等が差し込み可能なクロスタイプや、チョーク又はペン等で描画可能なボードタイプ、或いはマグネットタイプやハンギングタイプ等が挙げられ、これらのうちから、業務内容や使用態様に応じて適宜選択すればよい。また、化粧面がスクリーンとして利用可能なものであってもよい。パネル本体51の上端部は全幅に亘って同一高さ位置である一方で、天板仕切部分51Aの下端部が床面仕切部分51Bの下端部よりも上方に位置する。各床面仕切部分51Bの下端部には、床面Fに接地する接地部52を設けている。本実施形態では、各床面仕切部分51Bの下端部に、アジャスタ機能を有する一対の接地部52を設けている。各床面仕切部分51Bの幅寸法を、前記サイドパネル4の床面仕切部分41Bの幅寸法よりも大きく設定している(図1及び図2参照)。
【0022】
さらに、本実施形態に係る家具システム1は、ミーティングスペース形成パネル5をデスク2に該デスク2の幅方向に固定位置変更可能に取り付ける取付具6を備えている。
【0023】
取付具6は、天板仕切部分51Aと各床面仕切部分51Bとの境界部位又は境界部位近傍にそれぞれ設けられている。各取付具6は、天板21の下方に潜り込み雌ネジ61aを切ったベース61と、前記雌ネジ61aに下方からねじ込み可能なねじ込み部材62と、ねじ込み部材62の先端部に、このねじ込み部材62に対して空転可能に支持され、且つねじ込み部材62の螺進退動作に伴って上下動することにより天板21の下面に対して接離し、天板21の下面を押圧し得る押圧部63とを備えものである。そして、ねじ込み部材62をねじ込んで押圧部63を上方へある程度移動させた際に、この押圧部63と後述するベース61の支持部611とによって天板21を挟持することが可能となる。すなわち、この取付具6はクランプ機能を発揮し得るものである。
【0024】
各ベース61は、例えば単一の板金を折り曲げ成形したものであり、パネル本体51のうち天板仕切部分51Aの下端部と天板21との間に介在し、天板仕切部分51Aを支持し得る支持部611と、支持部611の先端から垂下し天板21の使用端に当接又は近接し得る当たり部612と、当たり部612の下縁から前方に延び先端部側に偏位した幅方向中央位置に雌ネジ61aを切った潜り込み部613と、支持部611の先端部における両縁から起立し、天板仕切部分51Aの下端部を該パネル本体51の厚み方向に挟持し得る一対の挟持部614とを備えたものである。支持部611は、各天板21要素の奥行き寸法に相当する長手寸法を有し、基端部側に上方突出上方突出ピン61bを起立姿勢で一体的に設けている。上方突出ピン61bは、図6に示すように、パネル本体51のうち天板仕切部分51Aの幅方向中央部位における下端部に下方に開口させたピン挿入孔51bに挿入可能なものである。したがって、パネル本体51の天板仕切部分51Aは、各ベース61の上方突出ピン61bをピン挿入孔51bに挿入させることによって取付具6に対する該天板仕切部分51Aの幅方向中央部位の位置決めがなされ、各ベース61の対をなす挟持部614によって取付具6に対する該天板仕切部分51Aの幅方向両端部位の位置決めがなされる。なお、図示しないビスを用いてパネル本体51と各取付具6とを一体的に取り付けても構わない。また、対をなす挟持部614は、相互に対面し且つパネル本体51に接触し得る面にそれぞれ例えばクッションシート等の緩衝用シート614aを貼り付けている(図5参照、なお図5ではミーティングスペース形成パネル5を想像線で示している)。
【0025】
ねじ込み部材62は、潜り込み部613の雌ネジ61aにねじ合わせ可能な軸部621と頭部622とを備えてなり、この頭部622を直接摘んで、或いは頭部622に設けた工具差込用孔にドライバ等の工具を差し込んでねじ回すことによって、ベース61、より具体的には潜り込み部613に対して上下方向に進退動作するものである。なお、操作性の向上という観点から、頭部622に図示しないグリップを設け、グリップを把持して回すことにより、ベース61、特に潜り込み部613に対して上下方向に進退動作させるようにしてもよい。なお、本実施形態では、ねじ込み部材62として、軸部621の先端部が尖っている尖り先ねじを適用している。
【0026】
押圧部63は、平板状をなす金属製のものであり、幅方向中央位置に厚み方向に貫通する小孔631を設けている。この小孔631は、ねじ込み部材62の先端部の一部のみが入り込み得る開口径に設定され、さらに、ねじ込み部材62の先端部を小孔631に入り込ませた状態でねじ込み部の先端部が小孔631内に収まる、換言すれば、ねじ込み部材62の先端部が押圧部63の上面よりも上方に突出しないように設定している。
【0027】
このような構成をなすミーティングスペース形成パネル5は、パネル本体51のうち各床面仕切部分51Bの下端部に設けた接地部52を床面Fに接地させるとともに、天板仕切部分51Aを取付具6の支持部611に支持させ且つ各取付具6の対をなす挟持部614によって挟持させることにより、安定した自立姿勢の状態でデスク2に仮置きすることができる。この仮置き状態において、各取付具6の当たり部612が天板21の使用端に当接又は近接する。なお、このミーティングスペース形成パネル5は、上述したようにデスク2のうちデスクトップパネル3が配されてない部位における任意の位置に取り付けることが可能なものである。すなわち、このミーティングスペース形成パネル5は、デスク2に対する取付位置を、デスク2のうちデスクトップパネル3が配されてない領域において該デスク2の幅方向に沿って自在に変更可能なものである(図2参照)。
【0028】
そして、ミーティングスペース形成パネル5をデスク2に固定するには、仮置きした状態で天板21の下方に配される各前記ベース61の潜り込み部613に予め螺合させて保持させているそれぞれのねじ込み部材62を正方向に回転させる操作力を付与する。この操作力によってねじ込み部材62が潜り込み部613の雌ネジ61aに螺合しながら上方へ移動し、これに伴ってねじ込み部材62の先端に空転可能に支持させた押圧部63が上方へ移動する。ある程度ねじ込み部材62が上方へ移動した時点で押圧部63が天板21の下面に当接し、さらにねじ込み部材62を正方向に回転させる操作力を付与することによって、押圧部63が天板21の下面を押圧し、この押圧部63と、ベース61の支持部611とによって天板21をその厚み方向に挟持する。このように、押圧部63と支持部611とによって天板21をその厚み方向に締め付けて挟持することにより、ミーティングスペース形成パネル5をデスク2に固定することができる。固定状態において、天板21の使用端と床面仕切部分51Bとの間には、ベース61の当たり部612が介在するため、高さ寸法の差異により外見上で床面仕切部分51Bと区別される天板仕切部分51Aのうち、平面視においてベース61の当たり部612と重なる領域は、実際には天板21上に配されない。つまり、本実施形態では、天板仕切部分51Aと床面仕切部分51Bとを外見上高さ寸法が大きく変わる部分で区切っており、平面視においてベース61の当たり部612と重なり、天板21上には配されない部分も含めて「天板仕切部分51A」としている。
【0029】
このようにしてデスク2に固定したミーティングスペース形成パネル5の取付位置を変更するには、先ず、各ねじ込み部材62を逆方向に回転させる操作力を付与し、ねじ込み部材62を潜り込み部613の雌ネジ61aに螺合させながら下方へ移動させて、これに伴って押圧部63も下方へ移動させる。これにより、押圧部63と支持部611とによる天板21の挟持状態が解除され、パネル本体51がデスク2に固定されていない仮置き状態となる。この仮置き状態で、取付具6ごとパネル本体51をデスク2の幅方向に沿って移動させることが可能となり、所望の取付位置まで移動させた時点で、再度各ねじ込み部材62を正方向に回転させる操作力を付与することによって、上述した作用によりミーティングスペース形成パネル5をデスク2に固定することができる。
【0030】
このように、本実施形態に係る家具システム1は、複数人が横並びで使用可能な幅寸法及び複数人が対面して使用可能な奥行き寸法を有するデスク2と、このデスク2を幅方向に仕切って該デスク2の幅方向一端側にミーティングスペースを形成する床上自立式のミーティングスペース形成パネル5とを備えたものであるため、ミーティングスペース形成パネル5によりデスク2の幅方向一端側にミーティングに適したミーティングスペースを形成することができ、オフィス内に本発明の家具システム1を導入する場合には、この家具システム1を配する空間とは別に、ミーティングに適したスペースを確保する必要がなく、オフィス内の省スペース化を有効に図ることができる。さらに、ミーティングスペース形成パネル5が床面F上に自立可能なものであるため、ミーティングスペース形成パネル5によってデスク2の天板21上のみならず床面F上をも仕切ることができ、デスク2の幅方向他端側にパーソナルワークに適したスペースを形成した場合には、このパーソナルワークに適したスペースとデスク2の幅方向一端側に形成されるミーティングスペースとを明確に仕切ることができる。
【0031】
さらに、ミーティングスペース形成パネル5をデスク2に該デスク2の幅方向に固定位置変更可能に取り付ける取付具6を備えているため、デスク2の幅方向に沿ったミーティングスペースの広さを変更することが可能となり、種々の使用態様に柔軟に対応させることができる。
【0032】
特に、ミーティングスペース形成パネル5が、デスク2の天板21上の領域を仕切り得る天板仕切部分51A、及び天板仕切部分51Aに連続し床面F上における着座者の側方領域を仕切り得る一対の床面仕切部分51Bを一体又は一体的に有するパネル本体51を備えたものであり、取付具6が、天板仕切部分51Aと各床面仕切部分51Bとの境界部位又は境界部位近傍にそれぞれ設けられ、天板21の下方から天板21を押圧し得る押圧部63を備えたものであるため、天板仕切部分51Aと一対の床面仕切部分51Bとを一体又は一体的に有する大型のパネル本体51であっても、天板仕切部分51Aと各床面仕切部分51Bとの境界部位又は境界部位近傍に設けた取付具6の押圧部63を利用して天板21の下方から天板21を押圧することによってパネル本体51を天板21に強固に固定することにより、天板21に対するパネル本体51の不意なガタツキや位置ずれを防止することができ、ミーティングスペース形成パネル5全体の取付強度を高めることができ、安定した設置状態を実現することができる。
【0033】
また、取付具6が、パネル本体51のうち、天板仕切部分51Aの下端部を該パネル本体51の厚み方向に挟持し得る一対の挟持部614を備えたものであるため、一対の挟持部614によって天板仕切部分51Aの下端部を該パネル本体51の厚み方向に挟持することにより、天板仕切部分51Aの不意な転倒を防止することができ、天板仕切部分51A、ひいてはパネル本体51全体の良好な起立姿勢を維持することができる。
【0034】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0035】
例えば、ミーティングスペース形成パネルとして、平面視コ字状又は略コ字状のものを適用しても構わない。このようなものであれば、ミーティングスペース形成パネルのより安定した設置状態を実現することができる。
【0036】
取付具を備えず、ミーティングスペース形成パネルをデスクの幅方向に沿ってスライド移動可能に構成したシステム家具であっても構わない。この場合、パネル本体のうち天板仕切部分を天板に載せ置き、接地部を床面に接地させた状態で安定した自立姿勢となるミーティングスペース形成パネルであることが好ましい。
【0037】
また、取付具として、クランプ仕様のものではなく、単純なネジ止め機構を適用してもよい。
【0038】
取付具が、パネル本体のうち、天板仕切部分の下端部全域又は略全域を該パネル本体の厚み方向に挟持し得る一対の挟持部を備えたものであっても構わない。
【0039】
また、ミーティングスペース形成パネルのうち天板仕切部分の幅寸法及び床面から離間寸法を適宜設定変更する、又は天板仕切部分の幅寸法及び床面から離間寸法を寸法変更可能に構成することにより、床面仕切部分を共通のものとしつつ、奥行き寸法や高さ寸法の異なるデスク(天板)にも対応できるようにしてもよい。
【0040】
また、複数人が横並びで使用可能な幅寸法及び複数人が対面して使用可能な奥行き寸法を有するデスクであればよく、4枚以上又は4枚以下の天板要素から構成された天板を備えたデスク、或いは単一の大型の天板要素のみで構成された天板を備えたデスクであっても勿論構わない。
【0041】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係る家具システムの全体概略図。
【図2】図1の家具システムの平面を一部省略して模式的に示す図。
【図3】同実施形態におけるミーティングスペース形成パネルの全体図。
【図4】図4のP領域拡大図。
【図5】図4のX―X線断面を一部省略して模式的に示す図。
【図6】図4のQ領域拡大図。
【符号の説明】
【0043】
1…家具システム
2…デスク
21…天板
5…ミーティングスペース形成パネル
51…パネル本体
51A…天板仕切部分
51B…床面F仕切部分
6…取付具
614…挟持部
63…押圧部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数人が横並びで使用可能な幅寸法及び複数人が対面して使用可能な奥行き寸法を有するデスクと、
このデスクを幅方向に仕切って該デスクの幅方向一端側にミーティングスペースを形成する床上自立式のミーティングスペース形成パネルとを備えていることを特徴とする家具システム。
【請求項2】
さらに、前記ミーティングスペース形成パネルを前記デスクに該デスクの幅方向に固定位置変更可能に取り付ける取付具を備えている請求項1記載の家具システム。
【請求項3】
前記ミーティングスペース形成パネルが、前記デスクの天板上の領域を仕切り得る天板仕切部分、及び天板仕切部分に連続し床面上における着座者の側方領域を仕切り得る一対の床面仕切部分を一体又は一体的に有するパネル本体を備えたものであり、
前記取付具が、前記天板仕切部分と各床面仕切部分との境界部位又は境界部位近傍にそれぞれ設けられ、前記天板の下方から天板を押圧し得る押圧部を備えたものである請求項2記載の家具システム。
【請求項4】
前記取付具が、前記パネル本体のうち、前記天板仕切部分の下端部を該パネル本体の厚み方向に挟持し得る一対の挟持部を備えたものである請求項3記載の家具システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−4961(P2010−4961A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165120(P2008−165120)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】