説明

家具用連結部構造

【課題】成型時での不具合を解消することができる連結部構造を提供する。
【解決手段】支柱部22上端に挿入部31を、下端に被挿入部33を設定する。支柱部22にスリット42を設けて舌片43を形成する。舌片43上端を内側面41に連設し、挿入部31の内方及び外方へ弾性変形自在とする。連設部45から延出した延出部51に凸部52を形成し、延出部51に幅広の操作部61を設ける。操作部61を、押圧力が加えられた状態で舌片43の内方へ弾性変形を許容する一方、押圧力が解除された際に舌片43を元位置へ復元させる弾性変形部65によって内壁面41に連設する。被挿入部33に、挿入部31を挿入した状態で舌片43の凸部52が挿入されて係合する係合部71を開設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方に形成された挿入部を他方に形成された被挿入部へ挿入して連結する家具用連結部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小物などを収納する際には、チェストが用いられており、該チェストとしては、組み立て式のものが知られている。
【0003】
この組立式チェストは、フレームと、フレームに形成された引出用空間に出し入れされる引出とを備えており、前記フレームは、上下に連結される複数のフレーム構成部材と、最上段のフレーム構成部材上に取り付けられる天板とによって構成されている。
【0004】
前記フレーム構成部材は、前記引出を支持する棚部と、該棚部の四隅に設けられた支柱部とからなる。この支柱部は、中空状に形成されており、下段のフレーム構成部材の支柱部の上端部が、上段のフレーム構成部材の支柱部の下端部に嵌合されるように構成されている。
【0005】
このような組立式チェストのおいて、上下の支柱部を連結する際には、上段のフレーム構成部材の支柱部の下端部を、下段のフレーム構成部材の支柱部の上端部に圧入し、両者の内外周面間の摩擦抵抗によって上下の支柱部同士を連結していた。このため、組み立て時には、上方向から比較的強い押し込み力が必要となり、押し込み力が弱い場合には、両者が離脱する恐れがあった。
【0006】
これを解決するために、本願出願人においては、前記支柱部上端を挿入部とするとともに、前記支柱部下端を前記挿入部が抜き差しされる被挿入部とし、前記挿入部側の壁面に、外方へ突出した凸部を有する舌片が内方へ弾性変形自在に設けられる一方、前記被挿入部に、連結状態において前記凸部と係合する係合部が形成された家具用連結部構造を考案するに至った。
【0007】
これにより、下段の支柱部上端の挿入部を、上段の支柱部下端の被挿入部に挿入する際には、前記舌片が内側への弾性変形することによって、前記凸部の挿入を許容し、両者の連結を容易とするとともに、連結後の離脱を防止できるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような家具用連結部構造にあっては、支柱部に設けられた舌片は、内側への弾性変形を許容させる為、基端部のみが一般部に結合されている。このため、このような舌片を有した支柱部を樹脂成形する場合、固化時において、樹脂の収縮などによって舌片が内側に傾き易く、倒れが生じる恐れがあった。
【0009】
これにより、この舌片に設けられた凸部による係合部への係合状態が低下する恐れがあるため、これを考慮した設計が必要となり、苦労を要した。
【0010】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、成型時での不具合を解消することができる家具用連結部構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために本発明の家具用連結部構造にあっては、一方に形成された挿入部を、他方に形成された被挿入部へ挿入して連結する構造であって、前記挿入部側の壁面に、外方へ突出した凸部を有する舌片が、第1の弾性変形部を介して連設されて、内方及び外方へ弾性変形自在に設けられる一方、前記被挿入部に、前記挿入部を挿入した状態で前記凸部と係合する係合部が形成された家具用連結部構造において、前記舌片に操作部を設定するとともに、該操作部と前記壁面とを、前記第1の弾性変形部と対向する部位に設けられて、前記操作部に押圧力が加えられた状態で当該舌片の内方へ弾性変形を許容する一方、前記操作部の押圧力が解除された際に当該舌片を外方の元位置へ復元させる第2の弾性変形部で連設し、前記第2の弾性変形部の幅を前記第1の弾性変形部の幅よりも狭くした
【0012】
すなわち、このような挿入部を有した部材を樹脂成形する際には、固化時における樹脂の収縮などによって、前記挿入部側の壁面に連設された舌片に、内側へ傾く方向に力が生じ得る。しかし、この舌片は、第1の弾性変形部と第2の弾性変形部とによって、相対向部位にて前記壁面に連設されており、これら弾性変形部により相対向する部位で支持され、傾き方向への倒れが防止される。
【0013】
そして、前記舌片には、操作部が設定されており、この操作部が指などで押圧操作されることによって、前記舌片は、第1の弾性変形部よりも幅が狭い第2の弾性変形部が弾性変形することにより、内方へ弾性変形され前記凸部が内方へ後退する。
【0014】
このとき、前記操作部を前記壁面に連設する第2の弾性変形部は、前記操作部に押圧力が加えられた状態で当該舌片の内方へ弾性変形を許容する一方、前記操作部の押圧力が解除された際に当該舌片を元位置へ復元させるように構成されている。このため、前記舌片は、前記第2の弾性変形部を備えない場合と比較して、弾性力が高められる。
【0015】
また、他の家具用連結部構造においては、一方に形成された挿入部を、他方に形成された被挿入部へ挿入して連結する構造であって、前記挿入部側の壁面に、外方へ突出した凸部を有する舌片が内方へ弾性変形自在に設けられる一方、前記被挿入部に、前記挿入部を挿入した状態で前記凸部と係合する係合部が形成された家具用連結部構造において、前記舌片に、前記壁面に連設された連設部より幅広の操作部を設けるとともに、該操作部と前記壁面とを、前記操作部に押圧力が加えられた状態で当該舌片の内方へ弾性変形を許容する一方、前記操作部の押圧力が解除された際に当該舌片を元位置へ復元させる弾性変形部で連設した。
【0016】
すなわち、このような挿入部を有した部材を樹脂成形する際には、固化時における樹脂の収縮などによって、前記挿入部側の壁面に連設された舌片に、内側へ傾く方向に力が生じ得る。しかし、この舌片は、弾性変形部によって前記壁面に連設されており、この弾性変形部で支持され、傾き方向への倒れが防止される。
【0017】
そして、前記舌片には、前記壁面に連設された連設部より幅広の操作部が設けられており、この操作部が指などで押圧操作されることによって前記舌片は内方へ弾性変形され前記凸部が内方へ後退する。
【0018】
このとき、前記操作部を前記壁面に連設する弾性変形部は、前記操作部に押圧力が加えられた状態で当該舌片の内方へ弾性変形を許容する一方、前記操作部の押圧力が解除された際に当該舌片を元位置へ復元させるように構成されている。このため、前記舌片は、前記弾性変形部を備えない場合と比較して、弾性力が高められる。
【0019】
さらに、他の家具用連結部構造では、前記舌片を、前記連設部より延出した延出部と、該延出部に連設された楕円形状の前記操作部とで構成し、前記凸部を前記延出部に設けるとともに、該延出部の延長上に前記弾性変形部を設定した。
【0020】
すなわち、舌片は、連設部より延出した延出部と、該延出部に連設された楕円形状の操作部とで構成されており、前記延出部に前記凸部が設けられている。このため、指による前記操作部の操作が容易に行われるとともに、操作部が連設部側に設けられた場合と比較して、前記操作部押圧時の弾性変形が容易に行われる。
【0021】
そして、前記延出部の延長上に前記弾性変形部が設定されている。このため、この弾性変形部が前記延出部の延長線から逸れた位置に設けられ、操作部に加えられた押圧力が弾性変形部に捩れ力として作用してしまう場合と比較して、弾性変形部の切断を防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明の家具用連結部構造にあっては、このような挿入部を有した部材を樹脂等で成形する際に、固化時における樹脂等の収縮などによって、前記挿入部側の壁面に連設された舌片に、内側に傾く方向への力が生じた場合であっても、舌片を相対向する部位にて前記壁面に連設する第1及び第2の弾性変形部によって、当該舌片を支持することができる。これにより、前記舌片の傾き方向への倒れを確実に防止することができる。
【0023】
したがって、この舌片に設けられた凸部による係合部への係合状態の低下を防止することができ、舌片に倒れが生じ得る従来のように、この倒れを考慮した設計が不要となり、設計段階での作業性が高まるとともに、設計の自由度を向上することができる。
【0024】
そして、前記舌片には、操作部が設定されており、この操作部を指などで押圧操作することによって、第2の弾性変形部を変形させて前記舌片を内方へ弾性変形させ、前記凸部を内方へ後退させることができる。これにより、被挿入部に設けられた係合部との係合状態を解除することができるので、挿入部と被挿入部との連結離脱作業を容易に行うことができる。
しかも、第2の弾性変形部の幅を、第1の弾性変形部の幅よりも狭くしたので、第2の弾性変形部が容易に撓み、操作部を指などで押圧操作した際に、舌片が内方へ容易に弾性変形し、前述のように連結離脱作業を容易に行うことができる。
【0025】
このとき、前記操作部を前記壁面に連設する第2の弾性変形部は、前記操作部に押圧力が加えられた状態で当該舌片の内方へ弾性変形を許容する一方、前記操作部の押圧力が解除された際に当該舌片を元位置へ復元させるように構成されている。このため、前記舌片は、第2の弾性変形部を備えない場合と比較して、弾性力を高めることができる。
【0026】
また、他の家具用連結部構造においては、このような挿入部を有した部材を樹脂等で成形する際に、固化時における樹脂等の収縮などによって、前記挿入部側の壁面に連設された舌片に、内側に傾く方向への力が生じた場合であっても、舌片を前記壁面に連設する弾性変形部によって、当該舌片を支持することができる。これにより、前記舌片の傾き方向への倒れを確実に防止することができる。
【0027】
したがって、前述と同様に、この舌片に設けられた凸部による係合部への係合状態の低下を防止することができ、舌片に倒れが生じ得る従来のように、この倒れを考慮した設計が不要となり、設計段階での作業性が高まるとともに、設計の自由度を向上することができる。
【0028】
そして、前記舌片には、前記壁面に連設された連設部より幅広の操作部が設けられており、この操作部を指などで押圧操作することによって前記舌片を内方へ弾性変形させ、前記凸部を内方へ後退させることができる。これにより、被挿入部に設けられた係合部との係合状態の解除を容易に行うことができ、挿入部と被挿入部との連結離脱作業を容易に行うことができる。
【0029】
このとき、前記操作部を前記壁面に連設する弾性変形部は、前記操作部に押圧力が加えられた状態で当該舌片の内方へ弾性変形を許容する一方、前記操作部の押圧力が解除された際に当該舌片を元位置へ復元させるように構成されている。このため、前記舌片は、前記弾性変形部を備えない場合と比較して、弾性力を高めることができる。
【0030】
さらに、他の家具用連結部構造においては、舌片を、連設部より延出した延出部と、該延出部に連設された楕円形状の操作部とで構成し、前記延出部に凸部を設けることによって、指による前記操作部の操作を容易に行うことができるとともに、操作部が連設部側に設けられた場合と比較して、前記操作部押圧時の弾性変形を容易に行うことができる。
【0031】
そして、前記延出部の延長上に前記弾性変形部が設定されているため、この弾性変形部が前記延出部の延長線から逸れた位置に設けられ、操作部に加えられた押圧力が弾性変形部に捩れ力として作用してしまう場合と比較して、弾性変形部の不用意な切断を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態の分解斜視図である。
【図3】同実施の形態のを示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。図1は、本実施の形態にかかる家具用連結部構造を備えた組立式チェスト1を示す斜視図であり、該組立式チェスト1は、小物などを収容する際に用いられるものである。
【0034】
この組立式チェスト1は、骨格を形成するフレーム11と、フレーム11に形成された引出用空間12,・・・に出し入れされる容器状の引出13,・・・とを備えており、前記フレーム11は、図2に示すように、上下に連結される三つのフレーム構成部材14,・・・と、最上段のフレーム構成部材14上に取り付けられる天板15とによって構成されている。
【0035】
前記フレーム構成部材14は、前記引出13を支持する枠状の棚部21と、該棚部21の四隅に設けられた支柱部22,・・・とからなり、前記棚部21及び前記支柱部22,・・・は、合成樹脂によって一体形成されている。
【0036】
前記支柱部22は、図3にも示すように、中空状に形成されており、断面長方形状に形成されている。この支柱部22の上端部には、挿入部31が設定されており、この挿入部31が設定された上端部の外径寸法が縮径されることによって、支柱部22周面には段差部32が形成されている。また、前記棚部21に一体形成された前記支柱部22の下端部は、下段に配置されたフレーム構成部材14の支柱部22における前記挿入部31が挿入される被挿入部33を構成している。該被挿入部33は、前記挿入部31を無理なく抜き差しできる内径寸法を有するとともに、下端34が、下段の支柱部22における段部32に当接することによって、その挿入量を規制できるように構成されている。
【0037】
前記支柱部22の内壁面41には、前記挿入部31の上端より下がった位置にスリット42,42が対向して設けられており、両スリット42,42間には、舌片43が形成されている。この舌片43は、上端が前記内側面41に連設されており、この連設部45を第1の弾性変形部として、これを中心に当該挿入部31の内方及び外方へ弾性変形自在となるように構成されている。
【0038】
この連設部45からは、長方形状の延出部51が下方へ向けて延出しており、該延出部51には、当該挿入部31の外方へ突出する凸部52が一体形成されている。該凸部52は、矩形状を成し、下縁が垂直状に切り起こされて係止用段部53が形成されている。また、この凸部52は、上方へ向かうに従って突出量が減少するように形成されており、傾斜面54が形成されている。これにより、前記被挿入部33の下縁に摺接することによって、当該被挿入部33への挿入を円滑に行えるように形成されている。
【0039】
前記延出部51の下部には、前記連設部45及び前記延出部51より幅広の操作部61が連設されており、該操作部61は、前記挿入部31より下方の領域に形成されている。該操作部61は、横長の楕円形状に形成されており、親指で押圧操作できるように構成されている。
【0040】
この操作部61は、押圧力が加えられた状態で当該舌片43の内方へ弾性変形を許容する一方、前記押圧力が解除された際に当該舌片43を元位置へ復元させる第2の弾性変形部である弾性変形部65によって、その下端が挿入部31側である支柱部22の内壁面41の一般部66に連設されており、この弾性変形部65は、前記延出部51の中心線Cの延長上に設けられている。つまり、弾性変形部65は、前記連設部45と相対向する部位に設けられている。
また、図3に示すように、第1の弾性変形部である連設部45の幅は、第1の弾性変形部である弾性変形部65の幅よりも狭くしてある。
【0041】
そして、前記支柱部22の下端に形成された前記被挿入部33の内壁面41(支柱22の内壁面41であるため下段の支柱部22の内壁面41と同符号を付す)には、前記挿入部31を挿入した状態で、前記舌片43の前記凸部52が挿入されて係合する係合部71が開設されている。なお、この係合部71を、前記凸部52が係合する凹部で構成しても良い。
【0042】
この係合部71は、前記凸部52に適合した矩形状に形成されており、その下部開口縁は、挿入された凸部52の係止用段部53に当接して、抜けを阻止する当接部75を構成している。
【0043】
一方、図1及び図2に示した前記天板15にも、前述したものと同様の構成を備えた被挿入部33が四隅に形成されており、最上段のフレーム構成部材14における支柱部22と脱着自在に結合できるように構成されている(図示省略)。
【0044】
以上の構成にかかる本実施の形態において、このような挿入部31を有した支柱部22を樹脂成形する際には、固化時における樹脂の収縮などによって、前記挿入部31側の内壁面41に連設された舌片43に、内側へ傾く方向に力が生じ得る。しかし、この舌片43は、一体形成される連設部45と弾性変形部65とによって、相対向する部位にて前記内壁面41に連設されており、この弾性変形部65で支持することにより傾き方向への倒れが防止される。
【0045】
このように、前記舌片43に内側へ傾く方向へ力が生じた場合であっても、当該舌片41を前記弾性変形部56で支持することができる。これにより、前記舌片43の傾き方向への倒れを確実に防止することができる。
【0046】
したがって、この舌片41に設けられた凸部52による係合部71への係合状態の低下を防止することができ、舌片に倒れが生じ得る従来のように、この倒れを考慮した設計が不要となり、設計段階での作業性が高まるとともに、設計の自由度を向上することができる。
【0047】
そして、前記舌片43には、前記内壁面41に連設された連設部45及び延出部51より幅広の操作部61が設けられており、この操作部61を指などで押圧操作することによって、弾性変形部65を変形させて前記舌片43を内方へ弾性変形させ、前記凸部52を内方へ後退させることができる。これにより、被挿入部33に設けられた係合部71との係合状態を解除することができるので、挿入部31と被挿入部33との連結離脱作業を容易に行うことができる。
しかも、弾性変形部65の幅は、連設部45の幅よりも狭いので、操作部61を指などで押圧操作した際に、舌片43が内方へ容易に弾性変形し、前述のように連結離脱作業を容易に行うことができる。
【0048】
このとき、前記操作部61を前記内壁面41に連設する弾性変形部65は、前記操作部61に押圧力が加えられた状態で当該舌片43の内方へ弾性変形を許容する一方、前記操作部61の押圧力が解除された際に当該舌片43を元位置へ復元させるように構成されている。このため、前記舌片43は、前記弾性変形部65を備えない場合と比較して、弾性力を高めることができる。
【0049】
また、前記舌片43を、前記連設部45より延出した延出部51と、該延出部51に連設された楕円形状の操作部61とで構成し、前記延出部51に凸部52を設けることで、指による前記操作部61の操作を容易とするとともに、操作部61が連設部45側に設けられた場合と比較して、前記操作部61押圧時における舌片43の弾性変形を容易に行うことができる。
また、弾性変形部65の幅を連設部45の幅よりも狭くしたので、弾性変形部65が容易に撓み、前記操作部61押圧時における舌片43の弾性変形を容易に行うことができる。
【0050】
そして、前記延出部51の中心線Cの延長上に前記弾性変形部65を設定したため、この弾性変形部65が前記延出部51の中心線Cから逸れた位置に設けられ、操作部61に加えられた押圧力が弾性変形部65に捩れ力として作用してしまう場合と比較して、弾性変形部65の不用意な切断を確実に防止することができる。
【0051】
なお、本実施の形態にあっては、舌片43の延出部51下部に、前記連設部45及び前記延出部51より幅広の操作部61を設けた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでは無く、前記連設部45及び前記延出部51の幅寸法以下の操作部61を舌片43に設定しても良い。
【符号の説明】
【0052】
31 挿入部
33 被挿入部
41 内壁面
43 舌片
45 連設部
51 延出部
52 凸部
61 操作部
65 弾性変形部
66 一般部
71 係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方に形成された挿入部を、他方に形成された被挿入部へ挿入して連結する構造であって、前記挿入部側の壁面に、外方へ突出した凸部を有する舌片が、第1の弾性変形部を介して連設されて、内方及び外方へ弾性変形自在に設けられる一方、前記被挿入部に、前記挿入部を挿入した状態で前記凸部と係合する係合部が形成された家具用連結部構造において、
前記舌片に操作部を設定するとともに、該操作部と前記壁面とを、前記第1の弾性変形部と対向する部位に設けられて、前記操作部に押圧力が加えられた状態で当該舌片の内方へ弾性変形を許容する一方、前記操作部の押圧力が解除された際に当該舌片を外方の元位置へ復元させる第2の弾性変形部で連設し、
前記第2の弾性変形部の幅を前記第1の弾性変形部の幅よりも狭くしたことを特徴とする家具用連結部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−87937(P2012−87937A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−271088(P2011−271088)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【分割の表示】特願2008−268472(P2008−268472)の分割
【原出願日】平成15年6月18日(2003.6.18)
【出願人】(391001457)アイリスオーヤマ株式会社 (146)
【Fターム(参考)】