説明

家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置

【課題】発生源である家庭において、安全に簡易に、年間を通していつでも、安定的に、乾燥堆肥をペレット化することができるバイオマス堆肥ペレット製造装置を提供する。
【解決手段】バイオマス堆肥製造機により水分含有量が10〜20重量%の乾燥バイオマス堆肥を製造し、家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置に供給し、ペレット状のバイオマス堆肥・燃料を製造する。前記ペレット製造機はシリンダー形状を有し、圧力によりペレットが押し出されるダイス孔7がシリンダー10空間の一方に開けられたコンテナ6と、前記ダイス孔7に対向する方向から上記コンテナ6内に押し入れ可能で、上記投入されたバイオマス堆肥をコンテナ6内にビレット状態に押し詰めるピストン状のステム3と、前記ステム3を前記コンテナ6内に押し入れ、コンテナ内のビレット状態のバイオマス堆肥を圧縮して前記ダイス孔7からペレット状に押し出すジャッキアップ5とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭で発生した生ゴミ等のバイオマスを発酵させて、無定形のバイオマス堆肥を製造するバイオマス堆肥製造機と、該バイオマス堆肥製造機により製造された無定形のバイオマス堆肥からペレット状のバイオマス堆肥とするペレット製造機とで構成されてなる家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴミの減量化、エコロジー等を目的として、家庭で発生する生ゴミ等のバイオマスを発酵させて無定形のバイオマス堆肥とし、ペレット化して燃料・肥料源として用いることが、極一部の行政に於いて試験的に行われている。
また、使用される装置(民生用の市販品)は、単に乾燥堆肥を製造するものや単に大鋸屑をペレット化する大型プラントペレット製造機が主流であり、価格も高額で、操作も容易ではなく、維持費も高額である。
【0003】
生ゴミ等のバイオマスを発酵させてバイオマス堆肥を製造する堆肥製造機としては、種々のものが知られている。しかしながら、従来の堆肥製造機は、高額の電子化された複雑付帯設備機器・システム装置であり、複雑過ぎて内容的に難しく、各家庭で用いるには高価であり、維持費がかかりすぎるという問題があった。
【0004】
一方、無定形のバイオマス堆肥のペレット化は、従来、木材大鋸屑のノンロースト・ローストペレット製造機等、主として数少ない大型プラント工場に設置されたペレット製造機により行われている。このようなペレット製造機は、比較的小型のものでも価格が数百万円と高価であり、それによって作られたペレット燃料も個人、家庭単位で購入することは困難・抵抗がある。また、このような大型プラントに設置されたペレット製造機を用いたのでは、ペレット製造過程、商品燃焼使用時にダイオキシンが発生する等の環境破壊がなされ、本末転倒となる場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
生ゴミ等の処理は、各市町村において苦慮している社会的問題(経済・環境等々課題)であるが、全てが行政任せのために、過大な行政負担となり、非経済的で、むしろ環境破壊に繋がりかねない。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、発生源である家庭における生ゴミ、落ち葉、大鋸屑、雑草、新聞紙、雑誌等のバイオマスを、各家庭毎に、安全に簡易に、年間を通して安定的に、乾燥堆肥・ペレット化することができる家庭用ミニプラントであるバイオマス堆肥ペレット製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、各家庭ごとに、家庭で発生する生ゴミ等のバイオマスから、年間を通して安定的に、環境にもやさしくて安全に簡易に安価に、しかも有事(天災・戦争等)の際にも、手動自動化機械として常時乾燥堆肥・ペレットをつくることができる家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置を考案した。
【0007】
かくして本発明によれば、下記(1)〜(5)の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置が提供される。
【0008】
(1)バイオマスを発酵させて水分含有量が10〜20重量%のバイオマス堆肥を製造するバイオマス堆肥製造機と、該バイオマス堆肥製造機により製造された無定形のバイオマス堆肥からペレット状のバイオマス堆肥・燃料とするペレット製造機とで構成されてなる家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置であって、
前記ペレット製造機はシリンダー形状を有し、バイオマス堆肥が投入される投入口がその上側部に設けられ、投入されたバイオマス堆肥がビレット状態で保持され、圧力によりペレットが押し出されるダイス孔がシリンダー空間の一方に開けられたコンテナと、前記ダイス孔に対向する方向から前記コンテナ内に押し入れ可能で、投入されたバイオマス堆肥をコンテナ内にビレット状態に押し詰めるピストン状のステムと、
前記ステムをコンテナ内に押し入れ、該コンテナ内のビレット状態のバイオマス堆肥を圧縮して前記ダイス孔からペレット状に押し出すジャッキアップと
を有することを特徴とする家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置。
【0009】
(2)前記バイオマス堆肥製造機が、出し入れ可能な穴開き・濾過式攪拌機付き内箱容器と外箱容器とを有する二重構造の発酵機を備えるものであり、生ゴミと腐葉土を混合してなる粉砕小片であって、水分含有量50〜80重量%のものを発酵させた後、得られた発酵物を前記穴開き・濾過式攪拌機付き内箱容器のまま外に出して熟成・乾燥させることで、水分含有量が10〜20重量%のバイオマス堆肥を製造するものである(1)に記載の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置。
(3)前記ステムの先端にはダイス孔が中央に設けられたすり鉢状の台座の形状に対応する砲弾形状のダミーブロックが設けられ、前記ステムのジャッキアップ側には、前記バイオマス堆肥をコンテナ内にビレット状態に押し詰めるために前記ステムを前記コンテナ内に出し入れさせる手動の取手が設けられていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置。
【0010】
(4)前記ステムはスプリングを介して前記コンテナに取付けられ、前記ステムが前記コンテナ内に押し込まれた後、前記スプリングの弾性力・撓み力により略元の位置に戻るものである(3)に記載の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置。
(5)前記ジャッキアップが油圧手動式のものであり、ダイス孔よりバイオマス堆肥ペレットが押し出された後、ジャッキアップのエアー抜きをすることで、前記ステム及びダミーブロックと連動してジャッキアップが略元の状態に戻るものである(4)に記載の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置によれば、家庭で発生する生ゴミ等のバイオマスから、各家庭毎に、乾燥堆肥ペレットを簡易に安全に安価に製造することができる。
本発明の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置は、ゴミの減量化、環境保護に役立つばかりか行政負担の軽減が図れるものである。
本発明の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置は、単純・簡易な構造にして、特に維持費がリーズナブルな低廉価格なものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置の図である。(a)は側断面図、(b)は上面図である。
【図2】本発明の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置のバイオマス堆肥製造機部分の側面図である。
【図3】本発明の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置のペレット製造機部分の側面図である。
【図4】本発明の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置のペレット製造機のシリンダー部分の中心A−Aの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置は、バイオマスを発酵させて水分含有量が10〜20重量%の乾燥バイオマス堆肥を製造するバイオマス堆肥製造機と、該バイオマス堆肥製造機により製造された無定形のバイオマス堆肥からペレット状のバイオマス堆肥・燃料とするペレット製造機とで構成されてなる家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置であって、前記ペレット製造機はシリンダー形状を有し、バイオマス堆肥が投入される投入口がその上側部に設けられ、投入されたバイオマス堆肥がビレット状態で保持され、圧力によりペレットが押し出されるダイス孔がシリンダー空間の一方に開けられたコンテナと、前記ダイス孔に対向する方向から上記コンテナ内に押し入れ可能で、上記投入されたバイオマス堆肥をコンテナ内にビレット状態に押し詰めるピストン状のステムと、前記ステムを上記コンテナ内に押し入れ上記コンテナ内のビレット状態のバイオマス堆肥を圧縮して上記ダイス孔からペレット状に押し出すジャッキアップとを有することを特徴とする。
【0014】
ここで、「バイオマス」とは、再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの、つまり、太陽エネルギーと水や土といった自然を使って生物が作り出した様々な資源を意味し、本明細書においては、特に、家庭で発生する生ゴミ、落ち葉、大鋸屑、雑草、新聞紙、雑誌等を指す。
【0015】
本発明の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置(以下、単に「堆肥ペレット製造装置」ということがある。)の一例を図1に示す。図1中、(a)は側面図、(b)は上面図である。
【0016】
図1に示す堆肥ペレット製造装置100は、図2に示す、無定形のバイオマス堆肥を製造するバイオマス堆肥製造機100Aと、図3に示す、バイオマス堆肥のペレットを製造するペレット製造機100Bとで構成されてなる。
また、ペレット製造機100Bのシリンダー部分の断面図を図4に示す。これらの詳細については、後述する。
【0017】
図1に示す堆肥ペレット製造装置100において、バイオマス堆肥製造機100A及びペレット製造機100Bは、テーブル30上に設置されている。
ペレット製造装置100によれば、各家庭で発生する生ゴミ等のバイオマスを、バイオマス堆肥製造機100Aによりバイオマス堆肥とした後、得られたバイオマス堆肥を、ペレット製造機100Bにより、手動ではあるが連続的に、バイオマス堆肥ペレットとすることができる。
【0018】
図2に示すバイオマス堆肥製造機100Aは、バイオマス粉砕投入口20、バイオマス粉砕機16、粉砕バイオマス受け皿25、ハンドル付回転式攪拌器付出し入れ可能な穴開き・濾過式発酵機及び発酵外容器(以下、単に「攪拌器付発酵機」という。)26、ハンドル付回転式攪拌機27、並びに、ハンドル付回転式攪拌器付穴開き・濾過式出し入れ可能な熟成・乾燥発酵器(以下、単に「乾燥発酵器」という。)28からなる。なお、図2中、21は水道水差込口、22は水道蛇口、23は水道水ホース簡易繋器、24はディスポーザー排水口、31は穴開き・濾過式空気穴である。
【0019】
攪拌器付発酵機26は、出し入れ可能な穴開き・濾過式攪拌機付内箱容器と外箱容器とを有する二重構造容器であり、外箱容器は、発酵温度を保つばかりか、醗酵時の水とアンモニアに分解された水分を保管して、コック栓を抜いて一度に取り除き垂れ流すことなく処分することができる。この攪拌器付発酵機26は、乾燥発酵器28をハンドル付回転式攪拌機27とともに、そのまま取り出して、熟成・乾燥させることが出来て、空の乾燥発酵器28を交換して攪拌器付発酵器26に収めて次の作業を行うことができる。また、出来上がった乾燥堆肥を取り出すのに内箱容器の底板をはずす構造になっているので容易に取り出すことができる構造となっている。
【0020】
図2に示すバイオマス堆肥製造機100Aにより、以下に述べる手順にてバイオマス堆肥を得ることができる。
バイオマス堆肥製造機は、生ゴミと腐葉土を混合してなる粉砕小片であって、水分含有量50〜80重量%のものを発酵させた後、乾燥させることで、水分含有量が10〜20重量%のバイオマス堆肥を製造するものであるのが好ましい。
【0021】
先ず、処理の対象となる生ゴミ等のバイオマスと腐葉土とを、バイオマス粉砕投入口20に投入し、バイオマス粉砕機16内で20mm以下の均一な大きさに粉砕する。
【0022】
バイオマス粉砕投入口20から投入されたバイオマス及び腐葉土は、水道水差込口21から流入された水と混合され、粉砕・流出され、ディスポーザー排水口24から排出されて粉砕バイオマス受け皿25に送られ、水分含有量50〜80重量%、好ましくは60%〜70%程度(水を絞って手に水分を感じられる状態を目安に、現在の重量計測にて計算する。)となるように水切りされる。
【0023】
次いで、水切りされた粉砕バイオマス(ダイオキシン汚染された可能性大の大鋸屑、重金属が付着した新聞紙・雑誌等のバイオマスは別途外安全施設に於いて高反応・特号消石灰と称される消石灰指定量と混ぜた紙粘土化した状態となってダイオキシンや重金属等を略取り除いた状態である。)、及び腐葉土を、攪拌器付発酵器26中に投入し、ここで十分に発酵させる。例えば、粉砕バイオマスを、攪拌器付発酵器26中にて、発酵の三条件(発酵温度、水分、空気)を満たすべく、水分含有量60%〜70%程度、発酵温度40℃〜70℃にて、一日数回手動攪拌して空気を混合しながら、半月ほど(最後に追加投入した日を目安に行う。)十分に発酵させる。
【0024】
発酵を開始させるには、攪拌器付発酵器26の容量7分目までの場合には、消石灰を堆肥容量の1.0%〜1.5%投入攪拌することにより行う。
攪拌器付発酵器26の容量7分目より多くなってからの温度調整は、砂糖(低温時温度上昇)と塩(高温時温度下降)を用いることにより行う。
なお、一旦発酵が開始すれば、その後は、粉砕バイオマスを投入するだけで、腐葉土をほとんど投入する必要はない。あたかも漬物のぬか床のごとくである。
【0025】
その後、発酵物を、攪拌器付発酵器26から乾燥発酵器28中に移し、乾燥発酵器28を風通しのよい場所に30日間程度置いて、熟成させながら、水分含有量が10〜20%(水に浸けて絞らない状態の重量を計測しておき、現在の乾燥状態での重量を計測して計算する。)になるまで乾燥させることにより、無定形の(一定の形をなさない)バイオマス堆肥を得ることができる。
【0026】
なお、発酵時の臭い対策は、攪拌した状況をめどに、天候や臭いの度合いに合わせて、木酢を堆肥容積の2%分水溶液100mlを入れて混合することにより行うことができる。
【0027】
次いで、得られた無定形のバイオマス堆肥を、図3に示すペレット製造機100Bにより、ペレット化する。
【0028】
図3、4に示すペレット製造機100Bは、バイオマス堆肥投入口1、ステム3、ビレット押し込み用取手2、ジャッキ手動ハンドル4、ジャッキアップ5、図示しないシリンダー10を支えるコンテナ6、及びダイス孔7からなる。
【0029】
図3、4に示すペレット製造機100Bは、本発明の堆肥ペレット製造装置の連関一部であって、コンテナ6の左側内部にはシリンダー空間を構成するシリンダー10が設けられており、その右側には、高圧力の手動ジャッキアップ5が設けられている。
【0030】
コンテナ6の材質は、使用場所・目的・環境条件に合わせて決定することができる。コンテナ6の材質としては、鋼鉄・アルミニウム合金が好ましい。
また、コンテナ6は内部に円筒状の空間を有し、軽量化が必然的に求められるので、強度計算を基にハニカム構造とすることも好ましい。
ステム3及びダミーブロック11の材質としては、例えば、鉄・ステンレスが挙げられる。
【0031】
ステム3及びダミーブロック11は、ジャッキアップ5を挟んで5〜10トンの圧力をコンテナ6にて受け止めてもらい、これを受けるコンテナ6は、上述のように、高圧力に耐え得る材質(例えば、鋼鉄製、ステンレス製、アルミ合金製など)からできている。
【0032】
前記ステム3はスプリング14を介して前記コンテナ6に取付けられている。ステム3がコンテナ6内に押し込まれた後、前記スプリング14の弾性力・撓み力により、前記ステム3及びダミーブロック11は、乾燥堆肥投入口1が全開放された元の位置に戻るようにすることができる。これによって、乾燥堆肥を投入する作業を手動であっても連続自動的に行うことができる。
【0033】
ここで「略元の位置」というのは、以下のような意味である。すなわち、ビレット押し込み用取手2を手動で図中左方向に移動可能とするために、スプリング14には緩やかな撓みをもたせているので、ステム3及びダミーブロック11が完全に元の位置に戻らない場合が生じ得る。このとき、ビレット押し込み用取手2を、図中左方向に片手で叩き・押し込む(場合によってはこの操作を数回繰り返す。)ことで、前記スプリング14のその衝撃撓み力の2倍の力にて、前記ステム3及びダミーブロック11が元の位置に戻される。
【0034】
スプリング14は、ステム3及びダミーブロック11を元の位置に戻すことができるだけの弾性力を有し、かつ、緩やかな撓みを有する必要がある。
【0035】
ステム3は、その先端にすり鉢状のコンテナ6の形状に対応する砲弾形状を有し、高圧力をダミーブロック11に伝える役割を果たす。ステム3は、ダイス孔に対向する片方の口のスライドしないアジャスト蓋15部分が不動固定アジャストとなって、図中左右に正確にスライド可能となっている。
【0036】
ビレット押し込み用取手2、ダミーブロック11及びステム3は、一体となって同一スライド運動可能にて、撓みのある単体スプリング14の引っ張り弾性運動はそれぞれに対して常に共用されている。
【0037】
ダミーブロックカバー13は、ビレット押し込み用取手2を手動にて投入口1よりバイオマス堆肥を押し込む際に、スプリング室内(ダミーブロック11、ステム3の部分)に異物が入り込まないようにするために設置される。すなわち、スプリング14が異常なく働くためにダミーブロックカバー13に因って乾燥堆肥、その他の物がステム3とスプリング14の空間に入り込まない構造となっている。
【0038】
また、ダミーブロック11の側面には、オイルシーリング12が設けられている。
オイルシーリング12は、潤滑油をフェルトシーリングに滲み込ませてビレット内壁シリンダーとの摩擦抵抗を減らし、尚且つ圧縮密度を高めることを目的として設置される。これによって潤滑性能を上げて、シリンダー内気密を高める効果を得ることができる。
【0039】
ダイス孔7は鉄製焼入れですり鉢形状を有し、筒型シリンダーの片方の口の中央に設けられている。ダイス孔の大きさは適宜設定することができる(例えば、直径4〜6mmを規定値とする。)。
【0040】
ジャッキアップ5は油圧手動となっており、ダイス孔7に対向する片方の口のスライドしない不動蓋15部分と、前項のダミーブロック11との両端に前項のスプリング14が固定されている。
【0041】
ジャッキアップ5の圧力は、例えば、横置き5トン、縦置き10トンであるために、縦・横置きともに使用できるように設計された構造システム・機械である。
【0042】
ダイス孔7よりバイオマス堆肥ペレットが押し出された後は、ジャッキアップ5のエア抜き9を開放する。このとき、前記ステム3及びダミーブロック11がスプリング14の弾性力・撓み力により略元の位置に戻ると同時に、前記ステム3及びダミーブロック11と連動して、ジャッキアップ5ヘッド部分も略収まった元の位置に戻るようになっている。
【0043】
以下、図3及び4に示すペレット製造機100Bにより、バイオマス堆肥ペレットを得る手順を詳細に説明する。
【0044】
先ず、上記で得た無定形の乾燥堆肥(例えば、450ml程度)をバイオマス堆肥投入口1から投入する。
【0045】
次いで、図3、4中、ビレット押込用取手2を、例えば15〜20mm程度、図中左方向に叩き・押込むことにより、ステム3が図中左方向にスライドし、バイオマス堆肥投入口1が閉じ、投入されたバイオマス堆肥がコンテナ6内部の左側に押し詰められる。
【0046】
なお、図4に示すように、スライド可能なダミーブロック11とステム3は引っ張りスプリング14に固定されており、引っ張りスプリング14はスライドしないアジャスト蓋15に固定されているが、引っ張りスプリングの伸びを適度に調節することで、ビレット押込用取手2は、図中左方向に15〜20mm程度は手動で動かすことができるようになっている。例えば、Max40mmの引っ張り伸びるスプリング弾性力Max20kg内容の撓みも緩やかな特注スプリング複数の中から現場合わせにて選別決定することができる。
【0047】
再度、ビレット押込用取手2を15〜20mm程度、図中左方向に叩き込むことにより、バイオマス堆肥投入口1が閉じ、投入されたバイオマス堆肥がコンテナ6内部の左側に押し詰められる。この作業を数回繰り返すことにより、コンテナ6内部において、バイオマス堆肥をビレット状態とすることができる。上述のように、スライド可能なステム3とダミーブロック11は引っ張りスプリング14に固定され、引っ張りスプリング14はスライドしないアジャスト蓋15に固定されているので、ビレット押込用取手2を15〜20mm程度、図中左方向に叩き込んだ後は、スプリング14の弾性力・撓み力により、ステム3とダミーブロック11は自動的に略元の位置に戻る。このため、効率よく容易に連続作業を行うことができる。
【0048】
次いで、ジャッキ手動ハンドル4を、図3中矢印方向に倒すことにより、ステム3とダミーブロック13を通して油圧手動ジャッキアップ5の高圧力にて、シリンダー10内のバイオマス堆肥が図中左方向に押し込まれ、乾燥堆肥のペレットがダイス孔7から押し出される。なお、本実施形態では油圧手動式のジャッキアップを使用しているが、油圧シリンダーであってもよい。
【0049】
ダイス孔7よりバイオマス堆肥ペレットが押し出された後は、ジャッキアップ5のエア抜き9を開放する。
上述のように、スライド可能なステム3とダミーブロック11は引っ張りスプリング14に固定され、引っ張りスプリング14はスライドしないアジャスト蓋15に固定されているので、引っ張りスプリング14の弾性力によって、ステム3及びダミーブロック11と連動してジャッキアップ5が略元の状態に戻る。なお、緩やかな撓みのある特注スプリングであるがために定位置まで戻らないときは、前記ビレット押込用取手2を数回左方向に手で叩き・押し込むことで、前記スプリングに加重された2倍以上の撓み力にて、ジャッキアップ5を容易に元の位置に戻すことができる。
【0050】
同様の操作を繰り返すことにより、バイオマス堆肥をシリンダー10内に再充填し、バイマス堆肥をビレット状態としたのち、再度ジャッキ手動ハンドル4を下方に何回も希望の高圧力に達するまで倒すことにより、ダイス孔7からバイオマス堆肥のペレットを取り出すことができる。
これらの操作を繰り返すことにより、バイオマス堆肥のペレットを連続的に製造することができる。
【符号の説明】
【0051】
1・・・バイオマス堆肥搬入口
2・・・ビレット押込用ステム取手
3・・・ステム
4・・・ジャッキ手動ハンドル
5・・・ジャッキアップ
6・・・コンテナ
7・・・ダイス孔
8・・・ジャッキ止めコンテナ金具
9・・・ジャッキアップのエア抜き
10・・・シリンダー
11・・・ダミーブロック
12・・・オイルシーリング
13・・・ダミーブロックカバー
14・・・引っ張りスプリング
15・・・ネジ込み固定蓋アジャスト
16・・・バイオマス粉砕機
20・・・生ゴミ・バイオマス粉砕投入口
21・・・水道水差込口
22・・・水道蛇口
23・・・水道水ホース簡易繋器
24・・・ディスポーザー(Disposer)排出口
25・・・粉砕バイオマス受け皿
26・・・ハンドル付回転式攪拌器付出し入れ可能な発酵機及び発酵外容器(攪拌器付発酵機)
27・・・ハンドル付回転式攪拌機
28・・・ハンドル付回転式攪拌器付出し入れ可能な熟成・乾燥発酵器(乾燥発酵器)
29・・・ペレット製造機
30・・・テーブル
31・・・空気孔・濾過式

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマスを発酵させて水分含有量が10〜20重量%のバイオマス堆肥を製造するバイオマス堆肥製造機と、該バイオマス堆肥製造機により製造された無定形のバイオマス堆肥からペレット状のバイオマス堆肥・燃料とするペレット製造機とで構成されてなる家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置であって、
前記ペレット製造機はシリンダ形状を有し、バイオマス堆肥が投入される投入口がその上側部に設けられ、投入されたバイオマス堆肥がビレット状態で保持され、圧力によりペレットが押し出されるダイス孔がシリンダ空間の一方に開けられたコンテナと、
前記ダイス孔に対向する方向から前記コンテナ内に押し入れ可能で、投入されたバイオマス堆肥をコンテナ内にビレット状態に押し詰めるピストン状のステムと、
前記ステムをコンテナ内に押し入れ、該コンテナ内のビレット状態のバイオマス堆肥を圧縮して前記ダイス孔からペレット状に押し出すジャッキアップと
を有することを特徴とする家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置。
【請求項2】
前記バイオマス堆肥製造機が、出し入れ可能な穴開き・濾過式攪拌機付き内箱容器と外箱容器とを有する二重構造の発酵機を備えるものであり、生ゴミと腐葉土を混合してなる粉砕小片であって、水分含有量50〜80重量%のものを発酵させた後、得られた発酵物を前記穴開き・濾過式攪拌機付き内箱容器のまま外に出して熟成・乾燥させることで、水分含有量が10〜20重量%のバイオマス堆肥を製造するものである請求項1に記載の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置。
【請求項3】
前記ステムの先端にはダイス孔が中央に設けられたすり鉢状の台座の形状に対応する砲弾形状のダミーブロックが設けられ、前記ステムのジャッキアップ側には、前記バイオマス堆肥をコンテナ内にビレット状態に押し詰めるために前記ステムを前記コンテナ内に出し入れさせる手動の取手が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置。
【請求項4】
前記ステムはスプリングを介して前記コンテナに取付けられ、前記ステムが前記コンテナ内に押し込まれた後、前記スプリングの弾性力・撓み力により略元の位置に戻るものである請求項3に記載の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置。
【請求項5】
前記ジャッキアップが油圧手動式のものであり、ダイス孔よりバイオマス堆肥ペレットが押し出された後、ジャッキアップのエアー抜きをすることで、前記ステム及びダミーブロックと連動してジャッキアップが略元の状態に戻るものである請求項4に記載の家庭用バイオマス堆肥ペレット製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−251888(P2011−251888A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154599(P2010−154599)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【特許番号】特許第4746705号(P4746705)
【特許公報発行日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(510037798)開利ユニテイー合同会社 (1)
【Fターム(参考)】